JP2007014596A - 枕 - Google Patents
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Abstract
【課題】 自然な寝姿勢を確保することができる枕を提供する。
【解決手段】 本件発明に係る枕(10)は、後頭載置部(A)と、頸椎載置部(B)と、側頭載置部(C)とを備えており、後頭載置部(A)および側頭載置部(C)は、袋状体と、袋状体の内部に充填された流動性を有する粒状充填材(14)とによって構成されており、これらの袋状体は、粒状充填材(14)が行き来可能なように連通されている。
これにより、後頭載置部(A)に頭を載置することにより、後頭載置部(A)の粒状充填材(14)を側頭載置部(C)の側へ流動させることができるので、後頭載置部(A)を低くするとともに、側頭載置部(C)を高くすることができる。これにより、人が直立した状態と同じ「自然な寝姿勢」を保持することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 本件発明に係る枕(10)は、後頭載置部(A)と、頸椎載置部(B)と、側頭載置部(C)とを備えており、後頭載置部(A)および側頭載置部(C)は、袋状体と、袋状体の内部に充填された流動性を有する粒状充填材(14)とによって構成されており、これらの袋状体は、粒状充填材(14)が行き来可能なように連通されている。
これにより、後頭載置部(A)に頭を載置することにより、後頭載置部(A)の粒状充填材(14)を側頭載置部(C)の側へ流動させることができるので、後頭載置部(A)を低くするとともに、側頭載置部(C)を高くすることができる。これにより、人が直立した状態と同じ「自然な寝姿勢」を保持することができる。
【選択図】 図1
Description
頭の各部位や頸椎に対応する複数の構成部分からなる枕に関する。
近年では、健康の保持増進の観点から、個々人の頭の形状やサイズに適合した枕を選ぶことへの関心が高まっている。その中において、様々な形状・素材・サイズの枕が開発されているが、枕の最も重要な機能は、「自然な寝姿勢を保持すること」である。ここで、「自然な寝姿勢」とは、立った姿勢をそのまま横にした姿勢であると一般に考えられているが、人の頭部は、頭頂部および頸椎部に比べて後頭部が突出した形状となっていることから、「自然な寝姿勢」を保持するためには、寝た状態において頭の各部を自然な状態で支持することが求められる。
このような状況の下、従来では、図8に示すような、頭の形状に適合した形状を有する袋状体(1)と、袋状体(1)の内部に充填された粒状充填材とによって構成された枕(2)が用いられていたが、この枕(2)では、1つの袋状体(1)の内部に粒状充填材を充填した構成であるため、形状が崩れ易いという問題があった。
この問題を解消し得る枕として、特開2005−21494号(特許文献1)には、頭の各部位や頸椎に適合する形状およびサイズを有する複数の構成部分を別々に形成し、これらの構成部分を寄せ集めることによって構成された枕が開示されている。この枕によれば、各構成部分の大きさを調整することによって全体の形状を自由に設定できるとともに、各構成部分が独立していることから、形状の崩れを防止できるという利点がある。
特開2005−21494号公報
特許文献1に記載された従来の枕によれば、形状の崩れを防止できるという利点はあるが、頭の位置が左右に移動した場合には、「自然な寝姿勢」を保持するのが困難となる。つまり、枕の各構成部分は、袋の中に粒状充填材を充填することによって構成されているが、各構成部分の袋間で粒状充填材が流動することはないため、枕に載置した頭を左右方向へ移動させると、頭で押しのけられた充填材が袋の端部に滞留し、その部分の高さが不所望に高くなる。したがって、その部分では、頭の安定が損なわれ、「自然な寝姿勢」を保持することができなくなる。
それゆえに、この発明の課題は、「自然な寝姿勢」を保持することのできる枕を提供することである
請求項1に記載した発明は、「後頭部が載置される後頭載置部(A)と、後頭載置部(A)の前方に隣接して配置され、頸椎部が載置される頸椎載置部(B)と、後頭載置部(A)および頸椎載置部(B)の左右側方に配置され、側頭部が載置される側頭載置部(C)とを備える枕(10)であって、後頭載置部(A)および側頭載置部(C)のそれぞれは、袋状体(12a),(12c)と、袋状体(12a),(12c)の内部に充填された流動性を有する粒状充填材(14)とによって構成されており、これらの袋状体(12a),(12c)は、粒状充填材(14)が行き来可能なように連通されている枕(10)」である。
この発明では、後頭載置部(A)および側頭載置部(C)を構成する袋状体(12a),(12c)が、粒状充填材(14)が行き来可能なように連通されているので、後頭載置部(A)に頭を載置すると、頭の荷重によって後頭載置部(A)の粒状充填材(14)が押しのけられ、この粒状充填材(14)が側頭載置部(C)の側へ流動する。これにより、後頭載置部(A)が低くなるとともに、側頭載置部(C)が高くなり、頭の安定性が高まる。
また、後頭載置部(A)および頸椎載置部(B)の左右側方に側頭載置部(C)が配置されているので、仰向き状態から横向き状態へ姿勢を変えた場合には、側頭部を側頭載置部(C)に載置することができる。したがって、側頭載置部(C)の高さを適切に設定しておくことによって、横向き状態においても、側頭載置部(C)において側頭部を自然な状態で支持することができる。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した枕(10)において、「後頭載置部(A)の後方であって、かつ、左右の側頭載置部(C)の間に配置され、頭頂部が載置される頭頂載置部(D)を備える」ことを特徴とする。
この発明は、請求項1に係る枕(10)に、さらに頭頂載置部(D)を付加したものである。
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した枕(10)において、「側頭載置部(C)の高さが、後頭載置部(A)の高さよりも高く設定されている」ことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した枕(10)において、「側頭載置部(C)の高さが、後頭載置部(A)の高さよりも高く設定されている」ことを特徴とする。
枕(10)の中央部で仰向き状態から寝返りをうつと、側頭載置部(C)において、耳を下にして横臥した寝姿勢となるが、側頭載置部(C)の高さは後頭載置部に比べて高く設定されているので、側頭載置部(C)において側頭部を自然な状態で支持することができる。
請求項1〜3に記載した発明によれば、後頭載置部(A)に頭を載置することによって、後頭載置部(A)の粒状充填材(14)を側頭載置部(C)の側へ流動させることができるので、後頭載置部(A)を低くするとともに、側頭載置部(C)を高くすることができる。また、後頭載置部(A)の前方において、頸椎部を頸椎載置部(B)で支持することができる。したがって、「自然な寝姿勢」を保持することができる。
また、後頭載置部(A)に載置した頭を横に移動させて、後頭載置部(A)の粒状充填材(14)を押した場合でも、粒状充填材(14)が側頭載置部(C)の側へ流動する。したがって、袋状体(12a)の端部に粒状充填材(14)が滞留することはなく、粒状充填材(14)の滞留による局所的な枕高さの変化を解消できる。
以下に、本発明の好適な実施例を図1〜図5に基づいて詳細に説明する。
本実施例の枕(10)は、「自然な寝姿勢」を保持することを目的として開発されたものであり、図1および図3に示すように、後頭載置部(A)と、頸椎載置部(B)と、側頭載置部(C)と、頭頂載置部(D)とによって構成されている。
後頭載置部(A)は、人の頭の後頭部が載置される部分であり、袋状体(12a)と、袋状体(12a)に充填された流動性を有する粒状充填材(14)とによって、左右方向へ延びる直方体状に形成されている(図4参照)。
袋状体(12a)は、通気性と柔軟性とを有する一般的な枕素材によって構成されており、粒状充填材(14)は、適度なクッション性と保形成とを有する粒状材によって構成されている。
袋状体(12a)としては、通気性と吸湿性に優れた織布を用いることが望ましいが、用途によっては布状合成樹脂や不織布等を用いることもできる。また、粒状充填材(14)としては、例えば、そば殻、パイプ(弾性を有する合成樹脂製の小パイプを短く切ったもの)、ビーズ、ポリエステルチップ、合成樹脂のゲル状体等を用いることができる。
袋状体(12a)としては、通気性と吸湿性に優れた織布を用いることが望ましいが、用途によっては布状合成樹脂や不織布等を用いることもできる。また、粒状充填材(14)としては、例えば、そば殻、パイプ(弾性を有する合成樹脂製の小パイプを短く切ったもの)、ビーズ、ポリエステルチップ、合成樹脂のゲル状体等を用いることができる。
そして、後頭載置部(A)の前方には、頸椎載置部(B)が隣接して配置されており、後頭載置部(A)の後方には、頭頂載置部(D)が隣接して配置されている。さらに、後頭載置部(A)、頸椎載置部(B)および頭頂載置部(D)の左右側方には、側頭載置部(C)が隣接して配置されている。
頸椎載置部(B)および頭頂載置部(D)は、後頭載置部(A)の左右方向長さとほぼ同じ左右方向長さを有する直方体状に形成されており、頸椎載置部(B)および頭頂載置部(D)の高さは、後頭載置部(A)の高さよりもやや高く設定されている。また、頸椎載置部(B)の前面(X)は、首の付け根部分に対する干渉が生じないように所定の曲率で湾曲されている。
各側頭載置部(C)は、後頭載置部(A)、頸椎載置部(B)および頭頂載置部(D)を並べた長さとほぼ同じ前後方向長さを有する直方体状に形成されており、各側頭載置部(C)の高さは、後頭載置部(A)、頸椎載置部(B)および頭頂載置部(D)の高さよりもやや高く設定されている。そして、少なくとも一方の側頭載置部(C)には、粒状充填材(14)を出し入れするための開口部(16)が形成されており、この開口部(16)には、ファスナー(18)が取り付けられている。なお、ファスナー(18)としては、粒状充填材(14)が誤ってこぼれ出すのを防止するために、2重ファスナーを用いることが望ましい。
頸椎載置部(B)、側頭載置部(C)および頭頂載置部(D)も、後頭載置部(A)と同様に、袋状体(12b),(12c),(12d)と粒状充填材(14)とによって構成されている。そして、後頭載置部(A)の袋状体(12a)と側頭載置部(C)の袋状体(12c)とは、粒状充填材(14)の行き来が可能なように互いに連通されている(図4参照)。一方、頸椎載置部(B)および頭頂載置部(D)の袋状体(12b),(12d)については、粒状充填材(14)の行き来を防止するために、隔壁(20)によって他の構成部分(A),(C)の袋状体(12a),(12c)から分離されている。
したがって、頸椎載置部(B)および頭頂載置部(D)については、必ずしも流動性を有する粒状充填材(14)を用いる必要はなく、触感等を重視して、ウレタン等からなる板状またはブロック状の充填材や、ゲル状の充填材を用いるようにしてもよい。特に、頸椎載置部(B)については、適度な弾力性を有し、頸椎部を心地よい触感で優しく支持できる点において、シリコン等からなるゲル状の粒状充填材を用いることが望ましい。
また、各構成部分(A)〜(D)において用いられる粒状充填材(14)は、同一種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。ただし、後頭載置部(A)および側頭載置部(C)については、粒状充填材(14)を行き来させる必要があるため、流動性のむらを防止するために、同一種類の粒状充填材(14)を用いることが望ましい。
枕(10)を製造する際には、図1に示すように、上布地(22)と、下布地(24)と、横布地(26)とを縫製等で接合することによって、一つの袋状の枕本体(12)を構成する。このとき、枕本体(12)の内部空間を隔壁(20)で仕切ることによって、各構成部分(A)〜(D)に対応する5つの部屋を構成する。そして、これらの部屋に粒状充填材(14)を充填する。
枕本体(28)を構成する横布地(26)の幅(すなわち高さ)は、頸椎載置部(B)を構成する部分の高さよりも側頭載置部(C)を構成する部分の高さが高くなるように設定されている(図2参照)。また、隔壁(20)の高さは、各構成部分(A)〜(D)の境界部で要求される高さとほぼ同じ高さに設定されている。
なお、この実施例では、一つの袋状の枕本体(12) を区分けすることによって、各構成部分(A)〜(D)の袋状体(12a)〜(12d) を構成するようにしているが、袋状体(12a)〜(12d)を別々に形成し、その後、これらを互いに接合するようにしてもよい。
枕(10)を使用する際には、図3に示すように、後頭部を後頭載置部(A)に載置する。すると、後頭載置部(A)に頭の荷重が加わることにより、その内部に収納されている粒状充填材(14)が押し出されて側頭載置部(C)の側へ流動する。これにより、後頭載置部(A)が低くなるとともに、側頭載置部(C)が高くなり、頭の安定性が高まる。なお、図4では、粒状充填材(14)の流動方向を矢印で示している。
また、このとき、頸椎載置部(B)には頸椎部の荷重が加わり、頭頂載置部(D)には頭頂部の荷重が加わるが、頸椎載置部(B)および頭頂載置部(D)では、他の構成部分(A),(C)との間での粒状充填材(14)の流動が生じないため、これらの形状が変化することはない。したがって、頸椎載置部(B)および頭頂載置部(D)では、頸椎部および頭頂部を一定の高さで安定して支持することができる。また、頸椎載置部(B)の湾曲した前面(X)に首の付け根部分が自然に沿うため、枕(10)との干渉による首の疲れを防止できる。
仰向き状態から横向き状態へ姿勢を変える場合には、頭の側部中心を側頭載置部(C)に載置する。すると、後頭載置部(A)の高さよりも側頭載置部(C)の高さが高いことから、側頭載置部(C)では、側頭部を自然な状態で支持することができる(図7参照)。
このように、本実施例の枕(10)によれば、後頭載置部(A)、頸椎載置部(B)、側頭載置部(C)および頭頂載置部(D)によって頭や頸椎を自然な状態で支持することができ、「自然な寝姿勢」を保持することができる。
(A)…後頭載置部
(B)…頸椎載置部
(C)…側頭載置部
(D)…頭頂載置部
(10)…枕
(12)…枕本体
(12a),(12d)…袋状体
(14)…粒状充填材
(20)…隔壁
(B)…頸椎載置部
(C)…側頭載置部
(D)…頭頂載置部
(10)…枕
(12)…枕本体
(12a),(12d)…袋状体
(14)…粒状充填材
(20)…隔壁
Claims (3)
- 後頭部が載置される後頭載置部と、後頭載置部の前方に隣接して配置され、頸椎部が載置される頸椎載置部と、前記後頭載置部および前記頸椎載置部の左右側方に配置され、側頭部が載置される側頭載置部とを備える枕であって、
前記後頭載置部および前記側頭載置部のそれぞれは、袋状体と、袋状体の内部に充填された流動性を有する粒状充填材とによって構成されており、これらの袋状体は、前記粒状充填材が行き来可能なように互いに連通されている枕。 - 前記後頭載置部の後方であって、かつ、左右の前記側頭載置部の間に配置され、頭頂部が載置される頭頂載置部を備える、請求項1に記載の枕。
- 前記側頭載置部の高さが、前記後頭載置部の高さよりも高く設定されている、請求項1および2に記載の枕。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005200085A JP2007014596A (ja) | 2005-07-08 | 2005-07-08 | 枕 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009011699A (ja) * | 2007-07-09 | 2009-01-22 | Nishikawa Sangyo Kk | 枕 |
WO2022244310A1 (ja) * | 2021-05-19 | 2022-11-24 | 紀臣 角田 | 枕 |
JP7405404B2 (ja) | 2019-11-29 | 2023-12-26 | 富士ベッド工業株式会社 | 枕 |
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2005
- 2005-07-08 JP JP2005200085A patent/JP2007014596A/ja active Pending
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