JP2007014067A - 渦電流式減速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡素な構成でありながら、良好な制動/非制動の切り替えが可能な渦電流式減速装置を提供すること。特に、平行に駆動するタイプの装置においては、アクチュエータと磁石保持部材との結合部の応力集中を緩和。傾いた状態で移動させるタイプの装置においては、アクチュエータと磁石保持部材との結合部におけるガタつきを抑え、耐久性の向上を図る。
【解決手段】 本発明の渦電流式減速装置10は、車両の回転軸12に連結された制動ディスク14と;制動ディスク14の制動面に対向して配置される永久磁石16と;車両の非回転部に連結され、永久磁石16を保持する磁石保持手段18と;磁石保持手段18を制動ディスク14に近接・離間させるように、回転軸12に沿って駆動する駆動手段20と駆動手段20と磁石保持手段18とを連結する連結部材24とを備える。そして、連結部材24を弾性材料で成形する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、渦電流式減速装置に関し、特に、回転軸に連結した制動ディスクに対して永久磁石を近接・離間させる構造の渦電流式減速装置の改良に関する。
トラック等の大型車両の補助ブレーキ等に使用される渦電流式減速装置には、いくつかのタイプがある。回転軸に連結した制動部材の形状に着目すると、ディスク状の制動部材を採用するタイプ(ディスクタイプ)と、ドラム状の制動部材を採用するタイプに大別される。ディスクタイプの制動装置は、永久磁石を回転軸に沿ってスライドさせ、回転軸に連結した制動ディスクに対して当該磁石を近接・離間させる構造を採る。
ディスクタイプの渦電流式減速装置としては、例えば、特開2004−48978号公報に示されるように、永久磁石がアクチュエータなどの駆動部に連結された磁石保持部材に固定される。アクチュエータは、円盤状の磁石保持部材の外周に沿って複数配置され、各々が同期して作動する構成となっている。これにより、磁石保持部材と制動ディスクの制動面とは常に平行な状態を維持する。
特開2004−48978
ところで、ディスクタイプの減速装置では、制動時に制動ディスクと磁石との間で吸引力が作用する。非制動状態へ切り替えるためには、この吸引力と反対の方向に磁石を引き離す必要がある。このため、磁石保持部材の移動に使用するアクチュエータは、磁石吸引力よりも大きな力を必要とした。
そこで、特開2003−319637、特開2004−72972に示されるように、磁石保持部材を制動ディスクに対して傾斜させて引き離し、アクチュエータの能力を低減する方法が提案されている。これらの減速装置においては、磁石保持部材とアクチュエータとの連結は、軸と軸受けとからなる所謂「ピン支持構造」によって行われる。
特開2003−319637 特開2004−72972
しかしながら、特開2004−48978に開示されているように、磁石保持部材と制動ディスクの制動面とを常に平行な状態とする装置においては、複数のアクチュエータを完全に同期して作動させることは困難であり、作動位置が揃わずに磁石保持部材が移動途中で作動不良を起こす可能性があった。また、アクチュエータと磁石保持部材との結合部は剛性的に支持されているため、付け根部分に高い応力が集中する可能性があった。
一方、特開2003−319637や特開2004−72972に示されているように、磁石保持部材を傾いた状態で移動可能な装置においては、ピン支持構造を採用するため、部品の寸法精度や使用中の摩耗によって連結部分でガタが生じる可能性がある。ピン支持部にガタが生じると、磁石保持部材を本来の制動位置に保持できずに良好な制動特性を発揮できない。また、車両からの振動によって、磁石保持部材が強振するといった問題が起こる可能性がある。更に、軸部、軸受け部の構造も複雑であり、部品点数が多くなるという問題もある。
本発明はこれらの問題点に鑑み、簡素な構成でありながら、良好な制動/非制動の切り替えが可能な渦電流式減速装置を提供することを目的とする。特に、磁石保持部材を制動ディスクに対して平行に駆動するタイプの装置においては、アクチュエータと磁石保持部材との結合部の応力集中を緩和することを目的とする。また、磁石保持部材を制動ディスクに対して傾いた状態で移動させるタイプの装置においては、アクチュエータと磁石保持部材との結合部におけるガタつきを抑え、耐久性の向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る渦電流式減速装置は、車両の回転軸に連結された制動ディスクと;前記制動ディスクの制動面に対向して配置される永久磁石と;前記車両の非回転部に連結され、前記永久磁石を保持する磁石保持手段と;前記磁石保持手段を前記制動ディスクに近接・離間させるように、前記回転軸に沿って駆動する駆動手段と;前記駆動手段と前記磁石保持手段とを連結する連結部材とを備える。そして、前記連結部材を弾性材料で成形する。
ここで、「弾性材料」とは、弾性変形を利用し、例えば、振動の制御、復元力の付与、繰返し動作などに通常用いられる材料であり、ピアノ線、ばね鋼、りん青銅、Co基合金、Ni基合金、エリンバー合金など、一般にばね材料と呼ばれるものである。その中でも、ある程度の剛性を有するとともに、所定範囲内で弾性変形が可能な材料が好ましい。代表的なものとして、弾性定数が190〜210GPaのばね鋼であり、例えば、JIS G4801(ばね鋼鋼材),JIS G4802(ばね用冷間圧延鋼帯),JIS G3560(ばね用オイルテンパー線),JIS G4313(ばね用ステンレス鋼帯),JIS G4314(ばね用ステンレス鋼線)などから選択される材料を使用できる。SK5−CSP(弾性定数は206GPa程度)なども使用可能である。
「回転軸」は、機関に接続されるものに限定されず、「車両」の回転軸であれば何処でも設置可能である。例えば、動輪でない輪軸などに設置することも可能である。また、「車両」とは、自動車以外にも鉄道車両も含む概念である。「車両の非回転部分」とは、車両の中で相対的に固定されている部分、例えば、自動車のシャーシ、ボディー、鉄道台車などをいう。
前記永久磁石は、磁極面が前記制動ディスクの制動面に対向し、隣り合う磁極が異なるように配置される複数の永久磁石から構成することが出来る。
前記磁石保持手段が前記永久磁石の磁極面が前記制動ディスクに対して常に略平行な状態を維持するように移動する構造とした場合、アクチュエータと磁石保持部材との結合部の応力集中が緩和でき、装置としての耐久性向上に寄与する。
一方、前記磁石保持手段が前記制動ディスクに対して傾斜可能な構造とした場合、アクチュエータと磁石保持部材との結合部におけるガタつきを抑え、耐久性の向上を図ることが可能となる。また、従来のピン支持構造に比べて部品点数を大幅に削減することが可能となる。更に、連結部材の弾性変形によるモーメントを磁石保持部材へ作用させることにより、装置の小型化や非磁性材料からなる制動ディスクの採用が可能となる。
前記磁石保持手段が前記制動ディスクに対して傾斜可能な構造とした場合、前記連結部材は、前記駆動手段と前記磁石保持手段とを単一箇所で連結する構造とすることができる。
また、前記制動ディスクを強磁性材料によって成形した場合には、非制動状態及び制動状態で前記磁石保持手段が前記制動ディスクに対して実質的に平行な状態を保ち、制動状態から非制動状態に切り替わる際に前記磁石保持手段が前記制動ディスクに対して傾斜して前記連結部材が弾性変形する構造とすることが好ましい。この場合、制動状態から非制動状態に切り替わる際に前記磁石保持手段に対して、前記制動ディスクから離れる方向に付勢する補助ばねを更に備えることができる。制動ディスクが強磁性材からなる場合には、装置の小型軽量化に寄与する。
他方、前記制動ディスクを非磁性材料によって成形した場合には、非制動状態で前記磁石保持手段が前記制動ディスクに対して傾斜し、制動状態では前記連結部材が弾性変形して前記制動ディスクの反力に対抗し、前記磁石保持手段が前記制動ディスクの制動面に対して平行を維持する構造とすることが好ましい。制動ディスクが非磁性材からなる場合は、本来の制動位置に磁石保持部材を安定して保持することによって、性能低下を防止し安定した性能を発揮することが可能となる。
本発明においては、ディスクの磁化特性に応じて弾性支持部材(連結部材)の構成を適切に変えることにより、装置の一層の小型化や、制動時の性能低下を防止することも可能となる。
本発明の装置においては、前記磁石保持手段の前記制動ディスク側での位置を規制する規制部材や、非制動状態において、前記磁石保持部材が当接するクッション部材を、非回転部に支持された案内筒に設けることが好ましい。
前記駆動手段はアクチュエータとし、前記連結部材は、前記アクチュエータのロッド先端に固定される構造とすることができる。前記連結部材は棒状に成形され、一端の外周にネジ加工が施され、前記ロッド先端にねじ込まれて固定される構造とすることができる。このとき、前記連結部材の他端は、前記回転軸の中心方向に向いて屈曲した状態で前記磁石保持手段に固定されることが好ましい。あるいは、前記連結部材は、板状に成形され、ボルト締めによって前記ロッド先端及び磁石保持手段に固定される構造とすることもできる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の第1実施例に係る渦電流式減速装置(リターダ)10の要部の構造を示す断面図であり、各々、非制動状態及び制動状態を示す。本実施例に係る渦電流式減速装置10は、機関の回転軸12に対して連結固定された強磁性体からなる制動ディスク14と;制動ディスク14の制動面(図の左面)に対向して配置される永久磁石16と;車両のシャーシなどの非回転部分に固定され、永久磁石16を保持する磁石保持部材18と;磁石保持部材18を制動ディスク14に近接・離間させるように、回転軸12に沿って駆動する駆動手段としてのアクチュエータ20と;アクチュエータ20と磁石保持部材18とを連結する連結部材24とを備えている。
回転軸12は、例えば、大型車両(トラック)のプロペラシャフトに連結される。アクチュエータ20は、エアシリンダー、ピストン、及び、連結部材24に連結されるアクチュエータロッド22を有する。
連結部材24は、ある程度の剛性を有するとともに、所定範囲内で弾性変形が可能な弾性材料で成形される。具体的には、弾性定数が約190GPa〜210GPaの材料が使用可能である。例えば、JIS G4801(ばね鋼鋼材),JIS G4802(ばね用冷間圧延鋼帯),JIS G3560(ばね用オイルテンパー線),JIS G4313(ばね用ステンレス鋼帯),JIS G4314(ばね用ステンレス鋼線)等から選択される材料を使用できる。SK5−CSP(弾性定数は206GPa程度)なども使用可能である。なお、連結部材24の具体的な構造については後述する。
連結部材(弾性支持部材)24の一端は、アクチュエータロッド22の先端へ、他端は磁石保持部材18へ固定される。連結部材24は、板状のばねや棒状のばねなどが望ましく、磁石保持部材18が傾動する範囲において、弾性域内で使用することができる材料を選択する。連結部材24の固定方法は、ボルト締結や溶接、リベットなど、材料・構造に応じて決定することができる。磁石保持部材18の傾動と共に、連結部材24が弾性変形し、弾性変形による曲げモーメントが磁石保持部材18に作用するように装置を構成する。連結部材24は磁石保持部材18とアクチュエータロッド22とにボルト締結などによって強固に固定されるため、従来のピン支持構造のような支持部のガタは生じない。一つのアクチュエータ22に対して一つの連結部材24を使用することができ、ピン支持構造の軸と軸受けとの構造に比べ、部品点数が少なく、構造がシンプルになる。
永久磁石16は、例えば、磁石保持部材26の円周方向において、制動ディスク14の表面(制動面)に対向して配置される。永久磁石16は複数の永久磁石ピースから構成され、永久磁石ピースは隣接する磁極面が互いに反対になるよう配されている。そして、図1に示すように、永久磁石16が制動ディスク14から離れて非制動状態となり、図2に示すように、永久磁石16を制動ディスク14の表面に接近させて制動状態となる。すなわち、回転する制動ディスク14の制動面に永久磁石16からの磁力を作用させることによって制動トルクを発生する。
図3は、第1実施例に係るリターダ10のステータの構成を示す平面図であり、便宜上、カバーを取り外した状態を示す。図に示すように、アクチュエータ20は、ボルト34によって固定される案内筒32の上部に一つ配置され、磁石保持部材18の上端に対して力を作用させる構造となっている。これにより、磁石保持部材18が制動ディスク14の制動面に対して傾斜してスライド可能となる。案内筒32外周において、3つのストッパ26a〜26cが設けられている。このうち、ストッパ26bは、アクチュエータ20の反対側(180°の位置)に配置され、他のストッパ26a,26cは、アクチュエータ20から時計方向及び反時計方向に90度ずれた位置に配置される。各ストッパ26a〜26cは、断面が概ね正方形の角柱状に成形されており、磁石保持部材18側の端部がかぎ状に成形されている。このかぎ状部が、磁石保持部材18の外縁部に引っかかり、制動ディスク14に過剰に接近することが防止される。
案内筒32の制動ディスク14側の面には、上述したストッパ26a〜26cのほかに、クッション28が設けられている。クッション28は、円筒状に成形され、非制動状態において磁石保持部材18の背面が当接する。本実施例においては、非制動位置では磁石吸引力や制動反力が作用しないため、基本的には連結部材24を弾性変形させる必要は無い。しかし、磁石保持部材18が振動などによって強振することを防止するために、案内筒32に配設した少なくとも一個のクッション28に磁石保持部材18を押し当てるように、連結部材24をわずかに弾性変形させている。
図4及び図5は、本実施例に係るリターダ10の動作(作用)を示す断面図であり、制動状態(図4)及び制動状態から非制動状態へ切り替わる途中の状態(図5)を示す。図6は、本実施例に係るリターダ10の作用(磁気特性)を示すグラフであり、磁石保持部材18の傾斜角度とモーメントとの関係を示す。磁石保持部材18の傾動と共に、連結部材24が弾性変形し、弾性変形による曲げモーメントが磁石保持部材18に作用する。図6に示すように、磁石保持部材18の磁石吸引力によるモーメントは、磁石保持部材18が制動ディスク14に対して正対している(傾斜角度0)状態が最も大きく、傾斜角度が増すにつれて低下する。
従来のピン支持構造では、制動状態から非制動状態への切替時に、磁石吸引力のモーメントが十分小さくなるまで磁石保持部材を傾斜する必要があり、図1〜図5に示す装置と同じ構造の場合は、約3°まで傾斜させる必要があった。本実施例によれば、連結部材24は、制動ディスク14に対して正対している状態では弾性変形しておらず曲げモーメントは0である。そして、制動状態から非制動状態に切り替える際に磁石保持部材18が傾動すると、磁石吸引力によるモーメントとは反対の方向、つまり、磁石保持部材18を制動ディスク14から引き離す方向に連結部材24による曲げモーメントが傾動角度に応じて作用する。
連結部材24による曲げモーメントは、図6に示す通り、磁石保持部材18の傾斜角度の増加に比例して増加していく。そして、磁石吸引力のモーメントに対し、連結部材24の曲げモーメントが大きくなる位置まで磁石保持部材18が傾斜すると(モーメントの方向は逆)、磁石保持部材18は、連結部材24の曲げモーメントによって、制動ディスク14から引き離され、非制動の位置(図1参照)まで移動する。磁石保持部材とアクチュエータの連結にピン支持機構を採用した従来技術に比べ、磁石傾斜角度を格段に小さくでき、その結果、装置の回転軸方向の寸法を小さくすることが可能となり、装置の小型軽量化に寄与する。
図7は、本発明の第2実施例に係るリターダ110の要部の構造を示す断面図であり、非制動状態を示す。図8は、第2実施例に係るリターダ110の要部の構造を示す断面図であり、制動状態を示す。図9は、第2実施例に係るリターダ110の作用(磁気特性)を示すグラフであり、磁石保持部材の傾斜角度とモーメントとの関係を示す。なお、本実施例において、先に説明した第1実施例と同一又は対応する構成要素については、同一の参照符号を付し、重複した説明は省略する。本実施例においては、先に説明した第1実施例に対して、補助バネ40を付け加えている。
補助バネ40は、制動状態から非制動状態に切り替わる際に、磁石保持手段18に対して、制動ディスク14から離れる方向に力を与える構造である。補助バネ40は、上方が開いたコの字状に成形され、一端が案内筒32にボルト44によって固定されている。他端は、制動状態において磁石保持部材18の外周下端部に設けられた当接板42に接触する構造となっている。
図9に示すように、本実施例においても、磁石保持部材18の磁石吸引力によるモーメントは、磁石保持部材18が制動ディスク14に対して正対している(傾斜角度0)状態が最も大きく、傾斜角度が増すにつれて低下する。しかしながら、本実施例においては、装置110が制動状態から非制動状態に切り替わる際に補助バネ40の力が磁石保持部材18に作用し、その分連結部材24の曲げモーメントが増加する。すなわち、本実施例によれば、補助バネ40によるモーメント増加分が発生するため、図9に示すように、第1実施例に比べ磁石保持部材18の傾斜角度をさらに小さくすることが可能となる。その結果、案内筒32やアクチュエータ20の回転軸方向寸法を小さくすることが可能となり、装置の搭載スペースを更に小さくすることができる。
図10及び図11は、本発明の第3実施例に係るリターダ210の要部の構造を示す断面図であり、非制動状態(図10)及び制動状態(図11)を示す。なお、本実施例において、先に説明した第1及び第2実施例と同一又は対応する構成要素については、同一の参照符号を付し、重複した説明は省略する。本実施例に係る装置210は、上述した第1実施例に係る装置10に対して、磁石保持部材18を覆うカバー50を付加した構造となっている。
カバー50は、永久磁石16と制動ディスク14との間に配置され、制動ディスク14からの熱や水から磁石16を保護する機能を有する。カバー50が非磁性材以外の材料の場合は、磁石保持部材18がカバー50に吸引されるため、磁石保持部材18へ作用する吸引力や制動反力は、制動ディスク14とカバー50との両方の影響を受ける。この場合、制動ディスク14の吸引力及び/又は反発力と、カバー50の吸引力とを考慮し、連結部材24については、それに見合った弾性反力特性を決定する。カバー50の材質は、例えば、アルミニウム合金や、銅合金、ステンレス、鋼などの材料を一つまたは複数組み合わせて構成し、装置の目的に応じて適切な磁化特性となるように設定する。
図12及び図13は、本発明の第4実施例に係るリターダ310の要部の構造を示す断面図であり、非制動状態(図12)及び制動状態(図13)を示す。なお、本実施例において、先に説明した第1〜第3実施例と同一又は対応する構成要素については、同一の参照符号を付し、重複した説明は省略する。本実施例と上述した各実施例との大きな違いは、制動ディスク314を非磁性材で成形している点にある。また、これに伴い、弾性材料からなる連結部材324の基本姿勢(変形状態)が、上述した各実施例とは異なる。
制動ディスク314が非磁性材で構成されているため、制動時に磁石保持部材18を非制動位置の方向へ押し戻す反発力(制動反力)が作用する。従来のピン支持構造では、アクチュエータ作用位置から離れた位置の磁石保持部材が制動反力によって非制動位置側に後退し、磁石保持部材を本来の制動位置に保持することが困難であった。本実施例では、連結部材324によって磁石保持部材18を支持し、図12に示すように、非制動位置において連結部材324が弾性変形せず、磁石保持部材18が制動ディスク314に対し傾斜するように構成している。一方、制動位置では、制動反力よりも大きく反対向きの曲げモーメントが磁石保持部材18へ作用するように連結部材324を弾性変形させている。このような構成により、非磁性ディスク314を使用した場合であっても、制動時に磁石保持部材18が制動反力によって非制動位置側へ押し戻されることなく、本来の制動位置に保持することが可能となる。
上記実施例においては、制動ディスクの材質として強磁性体又は非磁性体を採用した場合について説明したが、強磁性体と非磁性体との中間的な磁化特性をもつ材料や、磁化特性の異なる複数の材料を組み合わせて構成することも可能である。この場合、図15に示すように、低回転時はディスクによる吸引力が作用するが、高回転時には制動反力による反発力が作用するような場合がある。このような場合は、第1〜第3実施例と、第4実施例の技術思想に基づいて、ディスクの磁化特性に見合うように連結部材(弾性支持部材)の弾性反力特性を決定することが好ましい。具体的には、制動時の高回転時における反発力に抗することが出来るように、制動位置において連結部材が適切に弾性変形し、曲げモーメントが生じるようにする。更に、低回転時における非制動位置への切替え時には、磁石吸引力が生じるので、磁石吸引力よりも連結部材の弾性変形による曲げモーメントが大きくなるように、連結部材の弾性反力特性を決定する。
なお、制動時の弾性変形による曲げモーメントと、非制動位置への切替え時に生じる弾性変形による曲げモーメントの作用する向きとは、反対向きになることは言うまでもない。制動ディスクに使用される中間的な磁気特性を有す材料としては、マルテンサイト系ステンレスや2相ステンレス、冷間加工されたオーステナイト系ステンレス、高合金の耐熱鋼などがある。また、磁化特性の異なる複数の材料で、制動ディスクを構成する場合、非磁性材であるオーステナイト系ステンレスやアルミニウム合金、銅合金などの材料に強磁性体であるフェライト系ステンレスや鋼材、鋳鉄などを、めっきやクラッド、鋳包みなどの方法で構成することができる。
図16〜図18は、本発明に適用可能な弾性連結部材の構造を示す平面図(A)及び断面図(B)である。図16〜図18に示す連結部材424,524,624は、上述した第1〜第4実施例の連結部材(24,324)に適用可能なものである。図16に示す連結部材424は、断面円形の棒状の弾性部材(ばね)の一端にねじ加工を施し、アクチュエータロッド22の内部に形成された穴にねじ込まれて固定される構造となっている。連結部材424の他端は、L字状に曲げられ磁石保持部材18に溶接で固定される。
連結部材自体が高強度で、ねじ加工が困難であったり、溶接に適さない材料である場合は、図17に示すように、板状の弾性部材(ばね)524の一端をボルト528によって磁石保持部材18に固定し、他端を支持部材押え板530にボルト528で固定する。そして、支持部材押え板530を、ボルト526によって、アクチュエータロッド22に固定する。あるいは、図18に示すように、支持部材押え板(530)を使用せず、連結部材624のアクチュエータ側の他端をL字状に曲げ、直接ボルト626によってアクチュエータロッド22に固定することができる。
上述した各実施例においては、磁石保持部材18が傾斜してスライド(傾動)するタイプの装置について説明したが、特開2004−48978に示された装置のように、磁石保持部材(永久磁石の磁極面)が制動ディスク14に対して常に略平行な状態を維持するように移動するタイプの装置にも適用できることは言うまでもない。この場合、アクチュエータと磁石保持部材との結合部の応力集中が緩和でき、装置としての耐久性向上に寄与する等の種々のメリットがある。また、磁石保持部材を駆動する機構としては、アクチュエータ以外の機構を採用することも可能であり、作動力が小さい場合は手動であっても良い。アクチュエータの場合、エアーや油圧によって作動するシリンダーであっても良いし、電動モータやソレノイドによるアクチュエータであっても良い。
図1は、本発明の第1実施例に係るリターダの要部の構造を示す断面図であり、非制動状態を示す。 図2は、第1実施例に係るリターダの要部の構造を示す断面図であり、制動状態を示す。 図3は、第1実施例に係るリターダのステータの構成を示す平面図であり、便宜上、カバーを取り外した状態を示す。 図4は、第1実施例に係るリターダの動作(作用)を示す断面図であり、制動状態を示す。 図5は、第1実施例に係るリターダの動作(作用)を示す断面図であり、制動状態から非制動状態へ切り替わる途中の状態を示す。 図6は、第1実施例に係るリターダの作用を示すグラフであり、磁石保持部材の傾斜角度とモーメントとの関係を示す。 図7は、本発明の第2実施例に係るリターダの要部の構造を示す断面図であり、非制動状態を示す。 図8は、第2実施例に係るリターダの要部の構造を示す断面図であり、制動状態を示す。 図9は、第2実施例に係るリターダの作用を示すグラフであり、磁石保持部材の傾斜角度とモーメントとの関係を示す。 図10は、本発明の第3実施例に係るリターダの要部の構造を示す断面図であり、非制動状態を示す。 図11は、第3実施例に係るリターダの要部の構造を示す断面図であり、制動状態を示す。 図12は、本発明の第4実施例に係るリターダの要部の構造を示す断面図であり、非制動状態を示す。 図13は、第4実施例に係るリターダの要部の構造を示す断面図であり、制動状態を示す。 図14は、第4実施例に係るリターダの動作(作用)を示す断面図であり、制動状態において作用する力(モーメント)を示す。 図15は、第4実施例に係るリターダの作用を示すグラフであり、制動ディスク(回転軸)の回転数と磁石保持部材が回転軸方向に受ける力との関係を示す。 図16は、本発明に適用可能な連結部材の構造を示す平面図(A)と、(A)図のA−A方向の断面図(B)である。 図17は、本発明に適用可能な他の連結部材の構造を示す平面図(A)と、(A)図のA−A方向の断面図(B)である。 図18は、本発明に適用可能な更に他の連結部材の構造を示す平面図(A)と、(A)図のA−A方向の断面図(B)である。
符号の説明
10,110,210,310 渦電流式減速装置
12 回転軸
14,314 制動ディスク
16 永久磁石
18 磁石保持部材
20 アクチュエータ
22 アクチュエータロッド
24,324 連結部材(弾性支持部材)
26a,26b,26c ストッパ
28 クッション
32 案内筒
40 補助ばね

Claims (10)

  1. 車両の回転軸に連結された制動ディスクと;
    前記制動ディスクの制動面に対向して配置される永久磁石と;
    前記車両の非回転部に連結され、前記永久磁石を保持する磁石保持手段と;
    前記磁石保持手段を前記制動ディスクに近接・離間させるように、前記回転軸に沿って駆動する駆動手段と;
    前記駆動手段と前記磁石保持手段とを連結する連結部材とを備え、
    前記連結部材が弾性材料で成形されることを特徴とする渦電流式減速装置。
  2. 前記弾性材料は、ばね鋼材であることを特徴とする請求項1に記載の渦電流式減速装置。
  3. 前記磁石保持手段は、前記永久磁石の磁極面が前記制動ディスクに対して常に略平行な状態を維持するように移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の渦電流式減速装置。
  4. 前記磁石保持手段は、前記制動ディスクに対して傾斜可能な構造であることを特徴とする請求項1又は2記載の渦電流式減速装置。
  5. 前記連結部材は、前記駆動手段と前記磁石保持手段とを単一箇所で連結することを特徴とする請求項4に記載の渦電流式減速装置。
  6. 前記制動ディスクが強磁性材料によって成形され、非制動状態及び制動状態で前記磁石保持手段が前記制動ディスクに対して実質的に平行な状態を保ち、制動状態から非制動状態に切り替わる際に前記磁石保持手段が前記制動ディスクに対して傾斜して前記連結部材が弾性変形する構造であることを特徴とする請求項4又は5に記載の渦電流式減速装置。
  7. 制動状態から非制動状態に切り替わる際に前記磁石保持手段に対して、前記制動ディスクから離れる方向に付勢する補助ばねを更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の渦電流式減速装置。
  8. 前記制動ディスクが非磁性材料によって成形され、非制動状態で前記磁石保持手段が前記制動ディスクに対して傾斜し、制動状態では前記連結部材が弾性変形して前記制動ディスクの反力に対抗し、前記磁石保持手段が前記制動ディスクの制動面に対して実質的に平行を維持する構造であることを特徴とする請求項4又は5に記載の渦電流式減速装置。
  9. 非回転部に支持された案内筒と;
    前記案内筒に固定され、前記磁石保持手段の前記制動ディスク側での位置を規制する規制部材を更に備えたことを特徴とする請求項4,5,6,7又は8に記載の渦電流式減速装置。
  10. 非回転部に支持された案内筒と;
    前記案内筒に固定され、非制動状態において、前記磁石保持部材が当接するクッション部材を更に備えたことを特徴とする請求項4,5,6,7,8又は9に記載の渦電流式減速装置。
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