JP2007013489A - 通信システム、通信装置、送信電力制御方法、及びプログラム - Google Patents

通信システム、通信装置、送信電力制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 受信側通信装置の所要受信電力に応じた送信電力制御を行うこと。
【解決手段】 移動体通信システム10において、基地局装置20aは、通信信号の受信方式を送信し、移動局装置30aは、送信された受信方式を受信する受信方式取得部303と、受信した受信方式に基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する送信電力制御部307aと、基地局装置20aに対して、前記決定した送信電力にて通信信号を送信する送信BB処理部308と、を含む、ことを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は通信システム、通信装置、送信電力制御方法、及びプログラムに関する。
移動体通信システムにおける従来の送信電力制御のひとつに、開ループ送信電力制御と呼ばれる制御がある。
開ループ送信電力制御では、通信装置(例えば移動局装置)は、該通信装置が送信する通信信号を受信する受信側通信装置(例えば基地局装置)から受信される信号の受信電力に基づいて、自身の送信する信号の送信電力を制御する。
なお、特許文献1には、移動局装置の位置と地図情報とを用いて生成される電波伝搬特性推定情報に基づいて、移動局装置と基地局装置の間の通信(変調方式、送信電力、他)を制御する技術が記載されている。
特開2004−15337号公報
ところで、受信側通信装置が受信した信号を正常に復調するために必要とする所要受信電力は、受信ダイバーシティやアダプティブアレイなどの受信方式によって異なる。しかしながら、上記従来の開ループ送信電力制御による制御では、このような対向通信装置の所要受信電力の相違に応じた制御ができておらず、不十分な結果しか得られない場合があった。
従って、本発明の課題の一つは、受信側通信装置の所要受信電力に応じた送信電力制御を可能とする通信システム、通信装置、送信電力制御方法、及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る通信システムは、第1の通信装置と第2の通信装置との間で通信を行う通信システムであって、前記第2の通信装置は、通信信号を受信するために必要な受信電力に関する所要受信電力情報を送信する所要受信電力情報送信手段、を含み、前記第1の通信装置は、前記送信された所要受信電力情報を受信する所要受信電力情報受信手段と、前記受信した所要受信電力情報に基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する送信電力決定手段と、前記第2の通信装置に対して、前記決定した送信電力にて通信信号を送信する第1通信信号送信手段と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、第1の通信装置は第2の通信装置からその所要受信電力を受信しているので、第2の通信装置の所要受信電力に応じた第1の通信装置の送信電力制御が可能となる。
また、上記通信システムにおいて、前記所要受信電力情報は、前記第2の通信装置が、前記第1通信信号送信手段により送信される通信信号を受信するための受信方式を示す情報である、こととしてもよい。
このようにすれば、第2の通信装置の受信方式(例えば、受信ダイバーシティやアダプティブアレイなど)に基づいて、第1の通信装置が通信信号を送信する際の送信電力を決定することができるようになる。
また、上記通信システムにおいて、前記第2の通信装置は、通信信号を送信する第2通信信号送信手段、をさらに含み、前記第1の通信装置は、前記第2通信信号送信手段により送信される通信信号を受信する通信信号受信手段と、前記受信される通信信号の受信電力を示す受信電力情報を取得する受信電力情報取得手段と、をさらに含み、前記送信電力決定手段は、前記取得した受信電力情報にさらに基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する、こととしてもよい。
これによれば、第1の通信装置は、開ループ送信電力制御により決定される送信電力を、第2の通信装置の所要受信電力情報に基づいてさらに修正するようにすることができる。
さらに、上記通信システムにおいて、前記第1の通信装置は、前記取得される受信電力情報により示される受信電力の変動傾向を示す受信電力変動指標を算出する受信電力変動指標算出手段、をさらに含み、前記送信電力決定手段は、前記算出した受信電力変動指標にさらに基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する、こととしてもよい。
開ループ送信電力制御では、送信電力を決定するためには受信信号の受信電力が必要となる。このため、送信電力は少し前の受信電力に基づいて決定されることとなり、若干のタイムラグが生ずる。このタイムラグのため、受信電力の変動が大きい場合などは、開ループ送信電力制御による送信電力制御を行ったとしても、不十分な結果しか得られない場合がある。
上記構成によれば、第1の通信装置は、受信電力の変動傾向に応じた送信電力制御を行うことができる。このため、この変動傾向自体が急激に変化しない限り、第1の通信装置は、受信電力の変動に対応して送信電力制御を行うことが可能になる。
また、上記通信システムにおいて、前記第1の通信装置は、前記所要受信電力情報ごとに、前記受信電力変動指標に対応付けて、送信電力補正値を記憶する記憶手段、をさらに含み、前記送信電力決定手段は、前記受信した所要受信電力情報について、前記算出した受信電力変動指標に対応付けて記憶される送信電力補正値に基づく補正をした上で、通信信号を送信する際の送信電力を決定する、こととしてもよい。
上記構成によれば、第1の通信装置は、所要受信電力情報ごとに、受信電力変動指標に対応付けて送信電力補正値を記憶しているので、算出した受信電力変動指標及び受信した所要受信電力情報に適した送信電力補正値を取得することができる。そして、この送信電力補正値に基づいて送信電力を補正することにより、送信電力を適切に決定することができる。
また、本発明に係る通信装置は、受信側通信装置から、該受信側通信装置の所要受信電力に関する所要受信電力情報を受信する所要受信電力情報受信手段と、前記受信した所要受信電力情報に基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する送信電力決定手段と、前記受信側通信装置に対して、前記決定した送信電力にて通信信号を送信する通信信号送信手段と、を含むことを特徴とする。
これによれば、受信側通信装置からその所要受信電力を受信しているので、受信側通信装置の所要受信電力に応じた送信電力制御が可能となる。
また、上記通信装置において、前記所要受信電力情報は、前記受信側通信装置が、前記通信信号送信手段により送信される通信信号を受信するための受信方式を示す情報である、こととしてもよい。
このようにすれば、受信側通信装置の受信方式(例えば、受信ダイバーシティやアダプティブアレイなど)に基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定することができるようになる。
また、本発明に係る送信電力制御方法は、受信側通信装置から、該受信側通信装置の所要受信電力に関する所要受信電力情報を受信する所要受信電力情報受信ステップと、前記受信した所要受信電力情報に基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する送信電力決定ステップと、前記受信側通信装置に対して、前記決定した送信電力にて通信信号を送信する通信信号送信ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、受信側通信装置から、該受信側通信装置の所要受信電力に関する所要受信電力情報を受信する所要受信電力情報受信手段、前記受信した所要受信電力情報に基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する送信電力決定手段、及び前記受信側通信装置に対して、前記決定した送信電力にて通信信号を送信する通信信号送信手段、としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
[実施形態1]
本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る移動体通信システム10の構成図である。同図に示すように、本実施の形態に係る移動体通信システム10は基地局装置20と移動局装置30と通信ネットワーク40とを含んで構成されている。この基地局装置20は、複数の移動局装置30と同時に通信し、移動局装置30と通信ネットワーク40の間で行われる通信を中継する。
基地局装置20は、図2に示すように、制御部21と、記憶部22と、無線通信部23と、ネットワークインターフェイス部24と、を含んで構成されている。
制御部21は、基地局装置20の各部を制御し、通話、データ通信などの通信に関わる処理を実行している。また、制御部21は、ネットワークインターフェイス部24から入力される通信データを変調し、無線通信部23にベースバンドの通信信号として出力するとともに、無線通信部23が該通信信号を無線区間に送出する際の送信電力を決定している。さらに、制御部21は、無線通信部23から入力される通信信号の復調及び復号を行い、通信データとしてネットワークインターフェイス部24に出力する。
記憶部22は、制御部21のワークメモリとして動作する。また、この記憶部22は、制御部21によって行われる各種処理に関わるプログラムやパラメータを保持している。さらに、記憶部22は、無線通信部23の受信方式(後述)を示す受信方式情報及び送信電力補正値記憶テーブルA(後述)を対応付けて記憶している。
無線通信部23は、1又は複数の空中線を備え、空中線の数に応じた所定の受信方式(後述)により移動局装置30から送信される通信データを受信し、周波数変換して制御部21に出力する処理や、制御部21から入力される指示に従って、制御部21から入力される通信データを周波数変換して空中線を介して出力する処理を行う。なお、この送信の際には、無線通信部23は制御部21から指示された送信電力にて通信信号を送信する。
ネットワークインターフェイス部24は、通信ネットワーク40と接続されており、該通信ネットワーク40から送信される通信データを受信して制御部21に出力する処理や、制御部21の指示に従って、通信データを通信ネットワーク40に対して送信する処理を行う。
移動局装置30は、図3に示すように、制御部31と、記憶部32と、無線通信部33と、を含んで構成されている。
制御部31は、移動局装置30の各部を制御し、通話、データ通信などの通信に関わる処理を実行している。また、制御部31は、通信データを変調し、無線通信部33にベースバンドの通信信号として出力するとともに、無線通信部33が該通信データを無線区間に送出する際の送信電力を決定している。さらに、制御部31は、無線通信部33から入力される通信データの復調及び復号を行い、通信データを取得する。
記憶部32は、制御部31のワークメモリとして動作する。また、この記憶部32は、制御部31によって行われる各種処理に関わるプログラムやパラメータを保持している。さらに、記憶部32は、無線通信部33の受信方式(後述)を示す受信方式情報及び受信送信電力補正値記憶テーブルA(後述)を対応付けて記憶している。
無線通信部33は、1又は複数の空中線を備え、空中線の数に応じた所定の受信方式(後述)により基地局装置20から送信される通信データを受信し、周波数変換して制御部31に出力する処理や、制御部31から入力される指示に従って、制御部31から入力される通信データを周波数変換して空中線を介して出力する処理を行う。なお、この送信の際には、無線通信部33は制御部31から指示された送信電力にて通信データを送信する。
ところで、無線通信部23や無線通信部33には、種々の受信方式を採用しうる。例えば、ダイバーシティ無、ダイバーシティ有、アダプティブアレイなどがその例である。これらは、通信データを受信する際の受信感度が互いに異なっており、受信感度がよいほど、低い受信電力で受信された通信データでも制御部21又は制御部31による復調・復号ができる可能性が高くなる。例えば、ダイバーシティをする場合、2本のアンテナで受信された通信データから、受信状態のよいものを選択するので、結果的に受信感度がよくなる。また、アダプティブアレイでは、通信データを送信した通信装置に向けて電気的な指向性を作ることができるので、受信感度がさらによくなるのである。
各受信方式には、制御部21又は制御部31による復調・復号が可能となる平均受信電力の閾値(所要平均受信電力)がある。この所要平均受信電力は、通信装置が通信信号を受信するために必要な受信電力に関するデータである。
図4は、受信方式と所要平均受信電力の対応を示す図である。同図に示すように、ダイバーシティ受信をしない場合に最も所要平均受信電力が高く、次いでダイバーシティ受信をする場合の所要平均受信電力が高い(ダイバーシティ無の場合に比べA[dB]下がっている)。4アンテナでアダプティブアレイ受信を行う場合は、さらに所要平均受信電力が下がり(ダイバーシティ無の場合に比べB[dB](A<B)下がっている)、8アンテナでアダプティブアレイ受信を行う場合に最も所要平均受信電力が低くなる(ダイバーシティ無の場合に比べC[dB](B<C)下がっている)。
基地局装置20及び移動局装置30は、このような受信方式と所要平均受信電力の関係を利用し、送信電力制御を行っている。以下、移動局装置30において、基地局装置20の受信方式に応じた送信電力制御を行う場合の処理について説明する。なお、基地局装置20において行う場合も同様である。
図5は、本実施の形態に係る基地局装置20aと移動局装置30aの機能ブロック図である。同図に示すように、移動局装置30aは、機能的には受信RF処理部300、受信BB処理部301、通信データ取得部302、受信方式取得部303、瞬時受信電力算出部304、平均受信電力算出部305、送信電力制御部307a、送信BB処理部308、送信RF処理部309を含んで構成される。また、基地局装置20a−1は1本の空中線を有し、ダイバーシティを行わない基地局装置20aであり、機能的に通信データ取得部200a、送信BB処理部201、送信RF処理部202、受信RF処理部203、受信BB処理部204、通信データ取得部205を含んで構成される。基地局装置20a−2は2本の空中線を有し、ダイバーシティを行う基地局装置20aであり、機能的に通信データ取得部200a、送信BB処理部201、送信RF処理部202、DS受信RF処理部206、DS受信BB処理部207、通信データ取得部208を含んで構成される。基地局装置20a−3は3本以上の空中線を有し、アダプティブアレイ受信を行う基地局装置20aであり、機能的に通信データ取得部200a、送信BB処理部201、送信RF処理部202、AAA受信RF処理部209、AAA受信BB処理部210、通信データ取得部211を含んで構成される。
各基地局装置20aの通信データ取得部200aは、記憶部22に記憶される受信方式情報を読み出す。通信データ取得部200aは、読み出した受信方式情報を符号化し、他の通信データとともに通信データとして送信BB処理部201に出力する。
送信BB処理部201は、通信データを変調することにより、ベースバンド信号を取得する。送信BB処理部201は、取得したベースバンド信号を送信RF処理部202に出力する。送信RF処理部202は、入力されたベースバンド信号の周波数を無線周波数に変換し、空中線から無線区間に送出する。
受信RF処理部300は、送信RF処理部202が無線区間に送出した信号を空中線にて受信し、ベースバンド周波数のベースバンド信号に変換して受信BB処理部301に出力する。受信BB処理部301は、入力されたベースバンド信号を復調して通信信号を取得し、通信データ取得部302に出力する。通信データ取得部302は、入力された通信信号を復号して通信データを取得する。
受信方式取得部303は、通信データ取得部302が取得した通信データから、通信中又は通信を開始しようとする基地局装置20aの受信方式情報を取得する。受信方式取得部303は、取得した受信方式情報を送信電力制御部307aに出力する。
瞬時受信電力算出部304は、受信BB処理部301に入力されたベースバンド信号の電力を逐次受信電力値として取得し、平均受信電力算出部305に出力する。平均受信電力算出部305は、入力された受信電力値の移動平均を取得し、平均受信電力値として送信電力制御部307aに出力する。
送信電力制御部307aは、受信方式情報により示される受信方式に応じて、記憶部32から送信電力補正値記憶テーブルAに記憶される送信電力補正値を読み出す。図6は、この送信電力補正値記憶テーブルAの例である。同図に示すように、送信電力補正値記憶テーブルAでは、受信方式と送信電力補正値とが対応付けて記憶される。送信電力制御部307aは、受信方式情報により示される受信方式と対応付けて記憶される送信電力補正値を取得する。
送信電力制御部307aは、取得した送信電力補正値に基づいて送信電力を決定する。送信電力制御部307aは通常、以下の式(1)で示される開ループ送信電力制御によって送信電力値Ptxを決定している。Xは記憶部32に記憶される所定値のパラメータ(開ループ送信電力制御パラメータ)である。また、Prx’は平均受信電力算出部305から入力された平均受信電力値(受信電力値Prxの移動平均値)である。
Ptx=X−Prx’ ・・・(1)
送信電力制御部307aは、この開ループ送信電力制御パラメータXを送信電力補正値に基づいて補正する。具体的には、Xから送信電力補正値を減算したものを開ループ送信電力制御パラメータとする。
そして補正された開ループ送信電力制御パラメータを使用して、式(1)により送信電力値Ptxを決定し、決定した送信電力値の送信電力でベースバンド信号を出力するよう、送信BB処理部308に指示する。
送信BB処理部308は図示しない通信データ取得部において符号化されてなる通信信号を変調し、送信電力制御部307aの指示に従う送信電力で送信RF処理部309に出力する。送信RF処理部309は送信BB処理部308から入力されたベースバンド信号の周波数を無線周波数に変換し、空中線から無線区間に送出する。
各基地局装置20aは、それぞれの受信方式により空中線に到来する無線信号を受信する。
基地局装置20a−1では、受信RF処理部203は1本の空中線に到来した無線信号を受信し、周波数変換を行ってベースバンド信号とし、受信BB処理部204に出力する。受信BB処理部204は、ベースバンド信号を復調して通信信号とし、通信データ取得部205に出力する。通信データ取得部205は通信信号を復号化して通信データとして取得する。
基地局装置20a−2では、DS受信RF処理部206は2本の空中線に到来した無線信号をそれぞれ受信する。そして、それぞれに対して周波数変換を行ってベースバンド信号とし、DS受信BB処理部207に出力する。DS受信BB処理部207は、各ベースバンド信号をそれぞれ復調して通信信号とし、通信データ取得部208に出力する。通信データ取得部208は各通信信号をそれぞれ復号化して通信データとする。さらに通信データ取得部208は、2つの通信データの中から、受信状態のよいものを選択する。なお、DS受信RF処理部206又はDS受信BB処理部207において各空中線で受信された信号を合成することとしてもよい。
基地局装置20a−3では、AAA受信RF処理部209は複数の空中線に到来した無線信号をそれぞれ受信する。そして、それぞれに対して周波数変換を行ってベースバンド信号とし、AAA受信BB処理部210に出力する。AAA受信BB処理部210は、各ベースバンド信号をそれぞれ復調して通信信号とし、各通信信号を合成して通信データ取得部211に出力する。通信データ取得部211は通信信号を復号化して通信データとする。
次に、移動局装置30の処理について、処理フロー図を参照しながらより詳細に説明する。
図7は、移動局装置30における送信電力制御の基本処理フロー図である。同図に示すように、移動局装置30は、まず下り(基地局装置20から移動局装置30への通信方向)受信信号の瞬時受信電力値(Prx)を算出する(S100)。そして、算出した瞬時受信電力値の移動平均である平均受信電力値(Prx’)を算出する(S101)。次に移動局装置30は、送信電力値Ptxを式(1)により算出する(S102)。なお、図7にも示されているように、式(1)においてPrx’に代えてPrxを使用することとしてもよい。移動局装置30は、算出した送信電力値(Ptx)の送信電力で上り(移動局装置30から基地局装置20への通信方向)通信信号を送信する(S103)。
図8は、移動局装置30の開ループ送信電力制御パラメータ補正の処理フロー図である。同図に示すように、移動局装置30と基地局装置20の間で、まず受信方式のネゴシエーション(交換)を行う(S111)。具体的には、受信方式情報の送受信により行われる。この処理は基地局装置20ごとに一度だけ行うこととしてもよく、その場合、移動局装置30は、基地局装置20を識別するための識別情報とその基地局装置20の受信方式とを対応付けて記憶しておくことが好適である。
次に、移動局装置30は、記憶部32に記憶している開ループ送信電力制御パラメータの値により、Xの値を初期設定する(S112)。そして、通信中又は通信を開始しようとする基地局装置20の受信方式に対応付けて記憶される送信電力補正値を読み出し、Xの値を読み出した送信電力補正値により補正する(S113乃至S117)。移動局装置30は、このようにして得られるXの値を開ループ送信電力制御パラメータとして使用する。
以上のようにして、移動体通信システム10は、受信方式と所要平均受信電力の関係を利用した送信電力制御を行っている。すなわち、基地局装置20及び移動局装置30のうち、一方の通信装置は、他方の通信装置からその所要受信電力を受信しているので、他方の通信装置の所要受信電力に応じた一方の通信装置の送信電力制御が可能となる。また、他方の通信装置の受信方式(例えば、受信ダイバーシティやアダプティブアレイなど)に基づいて、一方の通信装置が通信信号を送信する際の送信電力を決定することができるようになる。さらに、一方の通信装置は、開ループ送信電力制御により決定される送信電力を、他方の通信装置の所要受信電力情報に基づいてさらに修正するようにすることができる。
[実施形態2]
本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
第2の実施形態において、図1乃至図3については実施形態1と共通である。第2の実施形態も移動体通信システム10により実現される。第2の実施形態では、基地局装置20又は移動局装置30は、それぞれ受信電力の変動に応じた送信電力制御を行う。
図9は、第1の通信装置(例えば移動局装置30)の受信電力の変動傾向を示す情報である受信電力変動指標と、第1の通信装置から送信された通信信号を受信する第2の通信装置(例えば基地局装置20)の上記所要平均受信電力の関係を示す図である。同図に示すように、受信方式が同じであれば、受信電力変動指標が大きくなるほど、すなわち受信電力が大きく変動しているほど、所要平均受信電力は大きくなる。
基地局装置20及び移動局装置30は、このような受信電力変動指標と所要平均受信電力の関係を利用し、送信電力制御を行っている。以下、移動局装置30において、受信電力変動指標に基づく送信電力制御を行う場合の処理について説明する。なお、基地局装置20において行う場合も同様である。
図10は、本実施の形態に係る基地局装置20bと移動局装置30bの機能ブロック図である。なお、同図では基地局装置20bとしてダイバーシティ無の1台のみを記載している。
図10に示すように、各基地局装置20bは、各基地局装置20aと比較すると、通信データ取得部200aに代えて通信データ取得部200bを備える点が異なっている。移動局装置30bは、移動局装置30aと比較すると、通信データ取得部302及び受信方式取得部303を備えず、受信電力変動指標算出部306を備える点が異なっている。また、移動局装置30bは、送信電力制御部307aに代えて送信電力制御部307bを備えている。さらに、後述するように、記憶部32では、送信電力補正値記憶テーブルAに代えて送信電力補正値記憶テーブルBを記憶している。以下、実施形態1との相違点について説明する。
基地局装置20bは、従来通りの通信データの送信処理を行っている。一方、移動局装置30bは、平均受信電力算出部305は算出した平均受信電力値を受信電力変動指標算出部306に出力する。
受信電力変動指標算出部306は、平均受信電力値に基づいて受信電力変動指標を算出して、送信電力制御部307bに出力する。すなわち、受信電力変動指標算出部306は、平均受信電力値を所定回数分のセットとして一時記憶する。そしてその変動量を所定閾値と比較することにより、一時記憶している平均受信電力値セットを4段階に分類する。そして平均受信電力値セットの属する段階を受信電力変動指標とする。具体的には、平均受信電力値セットの属する段階が最も変動量の少ない段階であるとき受信電力変動指標を0とし、次に少ない段階であるとき受信電力変動指標をαとし、次に少ない段階であるとき受信電力変動指標をβとし、最も多い段階であるとき受信電力変動指標をγとする。
送信電力制御部307bは、入力された受信電力変動指標に応じて、記憶部32から送信電力補正値記憶テーブルBに記憶される送信電力補正値を読み出す。図11は、この送信電力補正値記憶テーブルBの例である。同図に示すように、送信電力補正値記憶テーブルBでは、受信電力変動指標と送信電力補正値とが対応付けて記憶される。送信電力制御部307bは、受信電力変動指標と対応付けて記憶される送信電力補正値を取得する。
送信電力制御部307bは、取得した送信電力補正値に基づいて送信電力を決定する。具体的には、式(1)を式(2)のように変形して使用する。Yは、送信電力制御部307bが取得した送信電力補正値である。
Ptx=X+Y−Prx’ ・・・(2)
このYはリアルタイムに変化するものであるので、実施形態1のように予め開ループ送信電力制御パラメータXを補正するのではなく、開ループ送信電力制御における式(2)に直接Yを加算して計算するようにしている。送信電力制御部307bは、このようにして送信電力値Ptxを決定し、決定した送信電力値の送信電力でベースバンド信号を出力するよう、送信BB処理部308に指示する。
以上のようにして、移動体通信システム10は、受信電力の変動傾向に応じた送信電力制御を行っている。このため、この変動傾向自体が急激に変化しない限り、受信電力の変動に対応して送信電力制御を行うことが可能になる。また、通信装置は、開ループ送信電力制御により決定される送信電力を、受信電力変動指標に基づいてさらに修正するようにすることができる。
[実施形態3]
本発明の第3の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
第3の実施形態において、図1乃至図3については実施形態1と共通である。第3の実施形態も移動体通信システム10により実現される。
図9に示すように、第1の通信装置から送信された通信信号を受信する第2の通信装置の受信方式に応じて、第1の通信装置の受信電力変動指標と、第2の通信装置の所要平均受信電力の関係は異なっている。基地局装置20及び移動局装置30は、このような受信方式、受信電力変動指標、及び所要平均受信電力の関係を利用し、送信電力制御を行っている。以下、移動局装置30において、受信方式及び受信電力変動指標に基づく送信電力制御を行う場合の処理について説明する。なお、基地局装置20において行う場合も同様である。
図12は、本実施の形態に係る基地局装置20bと移動局装置30bの機能ブロック図である。なお、同図では基地局装置20bとしてダイバーシティ無の1台のみを記載している。
図12に示すように、各基地局装置20aは実施形態1におけるものと同様である。移動局装置30cは、移動局装置30aと比較すると、受信電力変動指標算出部306を備える点が異なっている。この受信電力変動指標算出部306は、移動局装置30bに備えられるものと同様である。また、移動局装置30cは、送信電力制御部307aに代えて送信電力制御部307cを備えている。さらに、後述するように、記憶部32では、送信電力補正値記憶テーブルA又は送信電力補正値記憶テーブルBに代えて送信電力補正値記憶テーブルCを記憶している。
送信電力制御部307cは、受信方式取得部303から入力される受信方式情報、平均受信電力算出部305から入力される平均受信電力値、及び受信電力変動指標算出部306から入力される受信電力変動指標に基づいて、送信電力制御を行う。
具体的には、送信電力制御部307cは、入力された受信方式情報が示す受信方式及び受信電力変動指標に応じて、記憶部32から送信電力補正値記憶テーブルCに記憶される送信電力補正値を読み出す。図13は、この送信電力補正値記憶テーブルCの例である。同図に示すように、送信電力補正値記憶テーブルCでは、受信方式及び受信電力変動指標と送信電力補正値とが対応付けて記憶される。送信電力制御部307cは、受信方式情報及び受信電力変動指標と対応付けて記憶される送信電力補正値を取得する。
送信電力制御部307cは、取得した送信電力補正値に基づいて送信電力を決定する。具体的には、受信方式情報が入力された場合に、送信電力制御部307cは、実施形態1と同様な処理により開ループ送信電力制御パラメータXを補正しておく。また、受信電力変動指標が入力される都度、実施形態2と同様な処理により送信電力値Ptxを決定する。
送信電力制御部307cは、このようにして送信電力値Ptxを決定し、決定した送信電力値の送信電力でベースバンド信号を出力するよう、送信BB処理部308に指示する。
次に、移動局装置30の処理について、処理フロー図を参照しながらより詳細に説明する。
図14は、移動局装置30における送信電力制御の基本処理フロー図である。同図に示すように、移動局装置30は、まず図7及び図8で示したS111,S112,S100,S101の処理を行う。そして、S101において算出された平均受信電力値(Prx’)に基づき、受信電力変動指標を算出する(S150)。
次に、移動局装置30は、通信中又は通信を開始しようとする基地局装置20の受信方式に関し算出した受信電力変動指標に対応付けて記憶される送信電力補正値を読み出し、送信電力補正値Yの値を決定する(S113,S151,S152)。そして移動局装置30は、送信電力値Ptxを式(2)により算出する(S153)。移動局装置30は、算出した送信電力値(Ptx)の送信電力で上り通信信号を送信する。また、移動局装置30は、S153の処理終了後S100の処理に戻り、通信を行っている間上記処理を繰り返す。このようにすることにより、移動局装置30は、受信電力の変動傾向に応じた送信信号制御を行う。
以上のようにして、移動体通信システム10に含まれる通信装置は、通信相手の受信方式及び自身の受信電力の変動傾向に応じた送信電力制御を行っている。これによれば、受信方式ごとに、受信電力変動指標に対応付けて送信電力補正値を記憶しているので、通信装置は、算出した受信電力変動指標及び受信した受信方式に適した送信電力補正値を取得することができる。そして、この送信電力補正値に基づいて送信電力を補正することにより、送信電力を適切に決定することができる。
本発明の実施の形態1乃至3に係る移動体通信システムの構成図である。 本発明の実施の形態1乃至3に係る基地局装置のシステム構成図である。 本発明の実施の形態1乃至3に係る移動局装置のシステム構成図である。 本発明の実施の形態1及び3に係る通信装置における受信方式と所要平均受信電力の関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る基地局装置及び移動局装置の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る送信電力補正値記憶テーブルAを示す図である。 本発明の実施の形態1に係る移動局装置の処理フロー図である。 本発明の実施の形態1に係る移動局装置の処理フロー図である。 本発明の実施の形態2及び3に係る通信装置における受信方式、受信電力変動指標、及び所要平均受信電力の関係を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る基地局装置及び移動局装置の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る送信電力補正値記憶テーブルBを示す図である。 本発明の実施の形態3に係る基地局装置及び移動局装置の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る送信電力補正値記憶テーブルCを示す図である。 本発明の実施の形態3に係る移動局装置の処理フロー図である。
符号の説明
10 移動体通信システム、20 基地局装置、21 制御部、22 記憶部、23 無線通信部、24 ネットワークインターフェイス部、30 移動局装置、31 制御部、32 記憶部、33 無線通信部、40 通信ネットワーク、200,205,208,211,302 通信データ取得部、201,308 送信BB処理部、202,309 送信RF処理部、203,300 受信RF処理部、204,301 受信BB処理部、206 DS受信RF処理部、207 DS受信BB処理部、209 AAA受信RF処理部、210 AAA受信BB処理部、303 受信方式取得部、304 瞬時受信電力算出部、305 平均受信電力算出部、306 受信電力変動指標算出部、307 送信電力制御部。

Claims (9)

  1. 第1の通信装置と第2の通信装置との間で通信を行う通信システムであって、
    前記第2の通信装置は、
    通信信号を受信するために必要な受信電力に関する所要受信電力情報を送信する所要受信電力情報送信手段、
    を含み、
    前記第1の通信装置は、
    前記送信された所要受信電力情報を受信する所要受信電力情報受信手段と、
    前記受信した所要受信電力情報に基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する送信電力決定手段と、
    前記第2の通信装置に対して、前記決定した送信電力にて通信信号を送信する第1通信信号送信手段と、
    を含む、
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 請求項1に記載の通信システムにおいて、
    前記所要受信電力情報は、前記第2の通信装置が、前記第1通信信号送信手段により送信される通信信号を受信するための受信方式を示す情報である、
    ことを特徴とする通信システム。
  3. 請求項1又は2に記載の通信システムにおいて、
    前記第2の通信装置は、
    通信信号を送信する第2通信信号送信手段、
    をさらに含み、
    前記第1の通信装置は、
    前記第2通信信号送信手段により送信される通信信号を受信する通信信号受信手段と、
    前記受信される通信信号の受信電力を示す受信電力情報を取得する受信電力情報取得手段と、
    をさらに含み、
    前記送信電力決定手段は、前記取得した受信電力情報にさらに基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する、
    ことを特徴とする通信システム。
  4. 請求項3に記載の通信システムにおいて、
    前記第1の通信装置は、
    前記取得される受信電力情報により示される受信電力の変動傾向を示す受信電力変動指標を算出する受信電力変動指標算出手段、
    をさらに含み、
    前記送信電力決定手段は、前記算出した受信電力変動指標にさらに基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する、
    ことを特徴とする通信システム。
  5. 請求項4に記載の通信システムにおいて、
    前記第1の通信装置は、
    前記所要受信電力情報ごとに、前記受信電力変動指標に対応付けて、送信電力補正値を記憶する記憶手段、
    をさらに含み、
    前記送信電力決定手段は、前記受信した所要受信電力情報について、前記算出した受信電力変動指標に対応付けて記憶される送信電力補正値に基づく補正をした上で、通信信号を送信する際の送信電力を決定する、
    ことを特徴とする通信システム。
  6. 受信側通信装置から、該受信側通信装置の所要受信電力に関する所要受信電力情報を受信する所要受信電力情報受信手段と、
    前記受信した所要受信電力情報に基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する送信電力決定手段と、
    前記受信側通信装置に対して、前記決定した送信電力にて通信信号を送信する通信信号送信手段と、
    を含むことを特徴とする通信装置。
  7. 請求項6に記載の通信装置において、
    前記所要受信電力情報は、前記受信側通信装置が、前記通信信号送信手段により送信される通信信号を受信するための受信方式を示す情報である、
    ことを特徴とする通信装置。
  8. 受信側通信装置から、該受信側通信装置の所要受信電力に関する所要受信電力情報を受信する所要受信電力情報受信ステップと、
    前記受信した所要受信電力情報に基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する送信電力決定ステップと、
    前記受信側通信装置に対して、前記決定した送信電力にて通信信号を送信する通信信号送信ステップと、
    を含むことを特徴とする送信電力制御方法。
  9. 受信側通信装置から、該受信側通信装置の所要受信電力に関する所要受信電力情報を受信する所要受信電力情報受信手段、
    前記受信した所要受信電力情報に基づいて、通信信号を送信する際の送信電力を決定する送信電力決定手段、及び
    前記受信側通信装置に対して、前記決定した送信電力にて通信信号を送信する通信信号送信手段、
    としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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