JP2007010227A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2元冷媒サイクルを採用した場合において、熱交換器の冷却効率を向上させることができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】 1次冷媒を循環させる1次側回路で得られた冷凍能力を利用し、熱交換器で冷却された2次冷媒を循環させて車両の車室内の空調を行う2次側回路とから構成され、熱交換器(24)は、1次冷媒を流通させる第1の流路(58)と、伝熱プレート(54,68)を介して第1の流路に隣接され、2次冷媒を流通させる第2の流路(72)とがそれぞれ複数形成されており、各伝熱プレートに穿設され、1次冷媒を各第1の流路内に導入させるとともに、各第1の流路内における1次冷媒の流れを促進させる分流促進手段(80)を備えた1次冷媒入口孔(60)を具備する。
【選択図】 図4
【解決手段】 1次冷媒を循環させる1次側回路で得られた冷凍能力を利用し、熱交換器で冷却された2次冷媒を循環させて車両の車室内の空調を行う2次側回路とから構成され、熱交換器(24)は、1次冷媒を流通させる第1の流路(58)と、伝熱プレート(54,68)を介して第1の流路に隣接され、2次冷媒を流通させる第2の流路(72)とがそれぞれ複数形成されており、各伝熱プレートに穿設され、1次冷媒を各第1の流路内に導入させるとともに、各第1の流路内における1次冷媒の流れを促進させる分流促進手段(80)を備えた1次冷媒入口孔(60)を具備する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、車両用空調装置に係り、詳しくは、圧縮機で圧縮した1次冷媒を循環させる1次側回路と、2次冷媒を循環させて車室内の空調を行う2次側回路とから構成される車両用空調装置に関する。
近年、車両用空調装置には、オゾン層の保護や地球温暖化の防止の観点から各種の冷媒の開発及び検討がなされている。この種の冷媒には、CO2やプロパンガス等の自然系冷媒、代替フロンHFC−152a等が挙げられる。特に、当該HFC−152aでは冷媒の温暖化係数(GWP)がHFC−134aのGWPの約1/10となる。そして、この種の車両用空調装置によれば環境負荷の低減に大きく貢献することが知られている。
しかしながら、上記プロパンガスや代替フロンHFC−152aの如くの可燃性冷媒が、その冷凍回路中の機器や冷媒の循環経路から万一車室内に洩れてしまうと、引火する虞などの懸念が大きい。そこで、その洩れ対策の一例としては、冷媒の漏洩を検出するセンサの設置や2元冷媒サイクルがある(例えば、特許文献1参照)。
この2元冷媒サイクルとは、冷凍回路を、圧縮された1次冷媒を循環させる1次側回路と、ブライン(不凍液)等の2次冷媒を循環させる2次側回路とに分け、熱交換器によって1次側回路で得られた冷凍能力を2次側回路の冷凍能力に変換し、この2次側回路が間接的に冷房を行う方式である。例えば車両用空調装置においては、1次側回路を車室外(エンジンルーム)に設置し、2次側回路を車室内に設置する。
特開平6−48154号公報
この2元冷媒サイクルとは、冷凍回路を、圧縮された1次冷媒を循環させる1次側回路と、ブライン(不凍液)等の2次冷媒を循環させる2次側回路とに分け、熱交換器によって1次側回路で得られた冷凍能力を2次側回路の冷凍能力に変換し、この2次側回路が間接的に冷房を行う方式である。例えば車両用空調装置においては、1次側回路を車室外(エンジンルーム)に設置し、2次側回路を車室内に設置する。
ところで、上記2元冷媒サイクルの熱交換器としては、複数枚の伝熱プレートを備えたプレート式熱交換器がある。この熱交換器の各伝熱プレートの間には1次冷媒を流通させる1次側流路と、2次冷媒を流通させる2次側流路とが熱交換器の入口側から奥側に向けて交互に配設されており、1次側流路内の1次冷媒と2次側流路内の2次冷媒との熱交換が伝熱プレートを介して行われる。
しかしながら、上記圧縮された1次冷媒の量が少ない場合には、熱交換器の冷却効率が悪化するという問題がある。
具体的には、例えばエンジンのアイドリング時の如く圧縮機のシャフトの回転速度が低くなると、少量の1次冷媒が1次冷媒用の入口から熱交換器の内部に導入されるが、この少量の1次冷媒は、熱交換器の入口側で留まらずに奥側に向けて流れる故、入口側近傍に位置する1次側流路は、奥側近傍に位置する1次側流路に比して1次冷媒が流れ難くなり、1次側流路への流れ込み量に偏りが生じて1次冷媒と2次冷媒との良好な熱交換が困難になるからである。
具体的には、例えばエンジンのアイドリング時の如く圧縮機のシャフトの回転速度が低くなると、少量の1次冷媒が1次冷媒用の入口から熱交換器の内部に導入されるが、この少量の1次冷媒は、熱交換器の入口側で留まらずに奥側に向けて流れる故、入口側近傍に位置する1次側流路は、奥側近傍に位置する1次側流路に比して1次冷媒が流れ難くなり、1次側流路への流れ込み量に偏りが生じて1次冷媒と2次冷媒との良好な熱交換が困難になるからである。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、2元冷媒サイクルを採用した場合において、熱交換器の冷却効率を向上させることができる車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の車両用空調装置は、車両のエンジンルーム内に設けられ、エンジンからの動力を受けて作動される圧縮機で圧縮された1次冷媒を循環させる1次側回路と、1次側回路で得られた冷凍能力を利用し、熱交換器で冷却された2次冷媒を循環させて車両の車室内の空調を行う2次側回路とから構成され、熱交換器は、1次冷媒を流通させる第1の流路と、伝熱プレートを介して第1の流路に隣接され、2次冷媒を流通させる第2の流路とがそれぞれ複数形成されており、各伝熱プレートに穿設され、1次冷媒を各第1の流路内に導入させるとともに、各第1の流路内における1次冷媒の流れを促進させる分流促進手段を備えた1次冷媒入口孔を具備することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、分流促進手段は、1次冷媒入口孔内に挿入される部材であって、部材は、1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて1次冷媒の流路抵抗を高くする形状を有していることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、分流促進手段は、1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて1次冷媒の流路抵抗を高くする延長部を有する伝熱プレートであることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、分流促進手段は、1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて1次冷媒の流路抵抗を高くする延長部を有する伝熱プレートであることを特徴としている。
更にまた、請求項4記載の発明では、分流促進手段は、1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて1次冷媒の流路抵抗を高くすべく、奥側に向かうに連れて各第1の流路の幅を狭くした伝熱プレートであることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、1次冷媒は、可燃性冷媒であることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、1次冷媒は、可燃性冷媒であることを特徴としている。
従って、請求項1記載の本発明の車両用空調装置によれば、1次冷媒を流通させる第1の流路と2次冷媒を流通させる第2の流路との間には、伝熱プレートが配設され、熱交換器内には複数の第1の流路及び第2の流路が形成されている。そして、この伝熱プレートには、1次側回路からの1次冷媒を複数の第1の流路内にそれぞれ導入させる1次冷媒入口孔が穿設され、この1次冷媒入口孔が分流促進手段を備えている。
よって、仮に1次側回路内を循環する冷媒量が少ない場合にも、分流促進手段が各第1の流路内の流れを促進させることから、熱交換器の冷却効率が向上する。この結果、2次冷媒が効果的に冷却され、冷房効率の向上が図られる。
また、請求項2記載の発明によれば、分流促進手段が1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて1次冷媒の流路抵抗を高くする形状をなしているので、1次冷媒入口孔の奥側近傍に位置する第1の流路は、入口側近傍に位置する第1の流路に比して1次冷媒が流れ難くなる。つまり、少量の冷媒が1次側回路内を循環しているときにも、従来の如く1次冷媒入口孔の奥側に多く流れ込み、入口側に流れ込まないとの現象は回避される。
また、請求項2記載の発明によれば、分流促進手段が1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて1次冷媒の流路抵抗を高くする形状をなしているので、1次冷媒入口孔の奥側近傍に位置する第1の流路は、入口側近傍に位置する第1の流路に比して1次冷媒が流れ難くなる。つまり、少量の冷媒が1次側回路内を循環しているときにも、従来の如く1次冷媒入口孔の奥側に多く流れ込み、入口側に流れ込まないとの現象は回避される。
また、既存の熱交換器の1次冷媒入口孔内に分流を促進させる部材を挿入にすれば済むことから、伝熱プレートの設計変更を行うことなく、熱交換器の冷却効率の向上が達成可能となる。
更に、請求項3記載の発明によれば、分流促進手段が1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて1次冷媒の流路抵抗を高くする延長部を有する伝熱プレートである。よって、この場合にも、上記と同様に、入口側から奥側に至るに連れて第1の流路内の流れ込み量が多くなるとの偏りが回避される。更に、この場合には、部品点数を増加させずに、熱交換器の冷却効率の向上が達成可能となる。
更に、請求項3記載の発明によれば、分流促進手段が1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて1次冷媒の流路抵抗を高くする延長部を有する伝熱プレートである。よって、この場合にも、上記と同様に、入口側から奥側に至るに連れて第1の流路内の流れ込み量が多くなるとの偏りが回避される。更に、この場合には、部品点数を増加させずに、熱交換器の冷却効率の向上が達成可能となる。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、分流促進手段が1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて各第1の流路の幅を狭くした伝熱プレートである。従って、この場合にも、入口側から奥側までに至る第1の流路内の流れ込み量の均一化が図られる。また、この場合にも、部品点数を増加させずに、熱交換器の冷却効率の向上が達成可能となるし、更に、僅かな設計変更で済む。
また、請求項5記載の発明によれば、特にHFC−134aに代替する可燃性冷媒を用いれば、地球温暖化の防止に大きく貢献する。また、車室内の空調は2次側回路で行われ、車室内の安全性も確保される。
以下、本発明の実施形態につき図面を参照して説明する。
図1は車両の前部を概略的に示し、この前部にエンジンルーム2が設けられ、エンジンルーム2内にはエンジン4が横置きに配置されている。
当該車両1は空調装置を備えている。この空調装置には2元冷媒サイクルが用いられ、1次側回路6と、2次側回路30とから構成されている。
図1は車両の前部を概略的に示し、この前部にエンジンルーム2が設けられ、エンジンルーム2内にはエンジン4が横置きに配置されている。
当該車両1は空調装置を備えている。この空調装置には2元冷媒サイクルが用いられ、1次側回路6と、2次側回路30とから構成されている。
詳しくは、この1次側回路6はエンジンルーム2内に配置され、1次冷媒の一態様であるHFC−152aやプロパンガス等の可燃性冷媒(以下、単に冷媒と称す)の循環経路を有している。この1次側回路6の循環経路中には、上流側からコンプレッサ(圧縮機)18、コンデンサ(凝縮器)20、ブロックタイプの膨張弁22及び1次・2次用のプレート式熱交換器(熱交換器)24が順次介挿されている。なお、図中の参照符号12,14,16は1次側回路6の循環経路の往路部分を形成し、参照符号8,10は上記循環経路の復路部分を形成している。また、この圧縮機18は、電磁クラッチ(図示しない)等を介してエンジン4に接続され、このエンジン4からの動力を受けて作動される。
一方、上記2次側回路30はその大部分がエンジンルーム2内に配置されているが、その一部は車両1の車室28内に配置されている。この車室28とエンジンルーム2とはダッシュパネル26により区画されている。また、2次側回路30は、2次冷媒の一態様であるブライン(不凍液)の循環経路を有している。なお、本実施形態のブラインにはエチレングリコールが用いられている。
この2次側回路30の循環経路中には、ポンプ38、上記熱交換器24及び室内用熱交換器40が順次介挿されている。なお、図中の参照符号32,34は2次側回路30の循環経路の往路部分を形成し、参照符号36は上記循環経路の復路部分を形成している。
このように、当該空調装置では、1次側回路6で得られた冷凍能力が、冷媒とブラインとの間で熱交換させる熱交換器24を介して2次側回路30に伝達され、この2次側回路30が車室28内の冷房を行い、車室28内の温度を所望の設定温度に調整する。
このように、当該空調装置では、1次側回路6で得られた冷凍能力が、冷媒とブラインとの間で熱交換させる熱交換器24を介して2次側回路30に伝達され、この2次側回路30が車室28内の冷房を行い、車室28内の温度を所望の設定温度に調整する。
ここで、本実施形態の熱交換器24は、図2に示されるように、略直方体をなす本体44には、冷媒入口孔46、冷媒出口孔48、ブライン入口孔50、ブライン出口孔52が一端面45の四隅にそれぞれ配設されており、冷媒入口孔46は一端面45の右下に位置し、1次側回路6の往路である経路16に接続されている。また、冷媒出口孔48は一端面45の右上に位置し、1次側回路6の復路である経路8に接続されている。一方、ブライン入口孔50は一端面45の左上に位置し、2次側回路30の往路である経路32に接続され、ブライン出口孔52は一端面45の左下に位置し、同じく往路である経路34に接続されている。
また、この熱交換器24の内部には複数枚の伝熱プレートが配設されている。
より詳しくは、図3(a)に示された伝熱プレート54はその正面側が上記一端面45の背面に対峙される。そして、該伝熱プレート54の正面側には、長手方向の中心軸位置から斜め上方向に向けてそれぞれ延びる複数本の溝56がプレス成形されており、波形状の伝面が形成されている。そして、この正面側の四隅には、上記冷媒入口孔46、冷媒出口孔48、ブライン入口孔50、ブライン出口孔52にそれぞれ対応して連通する1次冷媒入口孔60、1次冷媒出口孔62、2次冷媒入口孔64、2次冷媒出口孔66が伝熱プレート54の背面側まで穿設されている。ここで、この正面側には、冷媒を流通させる1次側流路(第1の流路)58が形成されることから、2次冷媒入口孔64及び2次冷媒出口孔66にはシール65,67がそれぞれ施され、冷媒入口孔46からの冷媒は、1次冷媒入口孔60から上方の1次冷媒出口孔62に向かうものの、2次冷媒入口孔64や2次冷媒出口孔66内には導入されない。
より詳しくは、図3(a)に示された伝熱プレート54はその正面側が上記一端面45の背面に対峙される。そして、該伝熱プレート54の正面側には、長手方向の中心軸位置から斜め上方向に向けてそれぞれ延びる複数本の溝56がプレス成形されており、波形状の伝面が形成されている。そして、この正面側の四隅には、上記冷媒入口孔46、冷媒出口孔48、ブライン入口孔50、ブライン出口孔52にそれぞれ対応して連通する1次冷媒入口孔60、1次冷媒出口孔62、2次冷媒入口孔64、2次冷媒出口孔66が伝熱プレート54の背面側まで穿設されている。ここで、この正面側には、冷媒を流通させる1次側流路(第1の流路)58が形成されることから、2次冷媒入口孔64及び2次冷媒出口孔66にはシール65,67がそれぞれ施され、冷媒入口孔46からの冷媒は、1次冷媒入口孔60から上方の1次冷媒出口孔62に向かうものの、2次冷媒入口孔64や2次冷媒出口孔66内には導入されない。
一方、伝熱プレート68は、図3(b)に示されるように、その正面側に、長手方向の中心軸位置から斜め下方向に向けてそれぞれ延びる複数本の溝70が同じくプレス成形され、波形状の伝面が形成されている。そして、この正面側の四隅にも、上記冷媒入口孔46、冷媒出口孔48、ブライン入口孔50、ブライン出口孔52にそれぞれ対応して連通する1次冷媒入口孔60、1次冷媒出口孔62、2次冷媒入口孔64、2次冷媒出口孔66が伝熱プレート68の背面側まで穿設されている。また、この正面側には、ブラインを流通させる2次側流路(第2の流路)72が形成されることから、1次冷媒入口孔60及び1次冷媒出口孔62にはシール61,63がそれぞれ施され、ブライン入口孔50からのブラインは、2次冷媒入口孔64から下方の2次冷媒出口孔66に向かうものの、1次冷媒入口孔60や1次冷媒出口孔62内には導入されない。
ところで、図3(a)の伝熱プレート54の背面側には、図3(b)の伝熱プレート68の正面側と同様の波形状の伝面が形成されており、この伝熱プレート54の背面側の1次冷媒入口孔60及び1次冷媒出口孔62にはシール61,63がそれぞれ施されている。また、上記一端面45の背面側や伝熱プレート68の背面側には、伝熱プレート54の正面側と同様の波形状の伝面が形成され、これら一端面45の背面側や伝熱プレート68の背面側の2次冷媒入口孔64及び2次冷媒出口孔66にはシール65,67がそれぞれ施されている。
そして、これら伝熱プレート54と伝熱プレート68とが熱交換器24の入口側から奥側に向けて交互に密接して配設されると、一端面45の背面側と伝熱プレート54の正面側とが対峙し、また、この伝熱プレート54の背面側と伝熱プレート68の正面側とが対峙し、更に、この伝熱プレート68の背面側と伝熱プレート54の正面側とが対峙する結果、1次側流路58及び2次側流路72も交互に配設される(図4)。これにより、この1次側流路58内の冷媒と2次側流路72内のブラインとの熱交換は伝熱プレート54,68を介して行われる。
なお、この図4では、1次側流路58及び2次側流路72に関する説明の都合上、伝熱プレート54,68の各間隔を非常に大きく描いている。
そして、本実施形態の熱交換器24においては、伝熱プレート54の1次冷媒入口孔60及び伝熱プレート68の1次冷媒入口孔60の内部に分流促進部材(分流促進手段)80が挿入されている。
そして、本実施形態の熱交換器24においては、伝熱プレート54の1次冷媒入口孔60及び伝熱プレート68の1次冷媒入口孔60の内部に分流促進部材(分流促進手段)80が挿入されている。
より具体的には、この図4に示されるように、この分流促進部材80は、樹脂製の網材で形成され、1次冷媒入口孔60の入口側から奥側に向けて徐々に縮径される裁頭円錐状をなす外形を有している。つまり、分流促進部材80は、上記冷媒入口孔46近傍に位置する伝熱プレート54の1次冷媒入口孔60及び伝熱プレート68の1次冷媒入口孔60の各径には略等しく構成されるのに対し、上記冷媒入口孔46から離れるに連れて1次冷媒入口孔60の各径よりも小さく構成されている。従って、1次冷媒入口孔60の入口側から奥側に向かうに連れて冷媒の流路抵抗が高くなり、冷媒は冷媒入口孔46近傍に位置する1次側流路58内に流れ込み易くなる。
上述した空調装置によれば、1次側回路6における圧縮機18の作動に伴い、圧縮機18は熱交換器24からの冷媒を圧縮し、経路12を介して高温高圧ガス状態の冷媒が凝縮器20に供給される。
この高温高圧ガス状態の冷媒は凝縮器20内で冷却され、等圧のまま経路14を介して液体状態の冷媒が膨張弁22に供給される。そして、この高圧液体状態の冷媒は膨張弁22内で絞り膨張され、経路16を介して低温低圧の気液混合状態の冷媒として熱交換器24に噴出される。
この高温高圧ガス状態の冷媒は凝縮器20内で冷却され、等圧のまま経路14を介して液体状態の冷媒が膨張弁22に供給される。そして、この高圧液体状態の冷媒は膨張弁22内で絞り膨張され、経路16を介して低温低圧の気液混合状態の冷媒として熱交換器24に噴出される。
この気液混合状態の冷媒は熱交換器24内でブラインを冷却する。すなわち、冷媒入口孔46からの冷媒(図4に実線で示す)は分流促進部材80内から各網目を通って各1次側流路58・・・に至り、これら各1次側流路58・・・を上方に向けて移動する一方、2次側回路30のポンプ38で圧送され、経路32を介して熱交換器24に供給されたブライン入口孔50からのブライン(図4に一点鎖線で示す)は、各2次側流路72・・・を下方に向けて移動する。この際、各2次側流路72内のブラインは、伝熱プレート54,68を介して同図にて両側に位置する1次側流路58,58内の冷媒によって冷却され、ブライン出口孔52に達する。
この冷却されたブラインは経路34を介して室内用熱交換器40に向けて流れる。そして、室内用熱交換器40の周囲の空気が冷却され、その冷気がファン42によって車室28内に送り込まれ、車室28内の冷房が行われる。
なお、1次側回路6における熱交換器24内で気化された冷媒は、冷媒出口孔48から経路8を介して膨張弁22に至り、そのままの状態で経路10を介して圧縮機18に戻り、この後、圧縮機18により再度圧縮され、経路12等を上述の如く循環する。一方、2次側回路30における室内用熱交換器40内のブラインは経路36を介してポンプ38に戻り、この後、ポンプ38により熱交換器24に向けて再度圧送される。
なお、1次側回路6における熱交換器24内で気化された冷媒は、冷媒出口孔48から経路8を介して膨張弁22に至り、そのままの状態で経路10を介して圧縮機18に戻り、この後、圧縮機18により再度圧縮され、経路12等を上述の如く循環する。一方、2次側回路30における室内用熱交換器40内のブラインは経路36を介してポンプ38に戻り、この後、ポンプ38により熱交換器24に向けて再度圧送される。
以上のように、本実施形態の車両用空調装置によれば、熱交換器24内において冷媒を流通させる1次側流路58・・・と、ブラインを冷媒の流れに対向して流通させる2次側流路72との間には伝熱プレート54,68・・・が配設され、熱交換器24内には1次側流路58・・・及び2次側流路72・・・が形成されている。そして、これら伝熱プレート54,68・・・には、1次側回路6からの冷媒を複数の1次側流路58内にそれぞれ導入させる1次冷媒入口孔60が穿設され、この1次冷媒入口孔60内には分流促進部材80が挿入されている。
よって、例えばエンジン4のアイドリング時の如く圧縮機18のシャフトの回転速度が低くなって圧縮された冷媒量が少なくなり、仮に1次側回路6内を循環する冷媒量が少ない場合にも、分流促進部材80が1次側流路58・・・内の流れを促進させる。より詳しくは、分流促進部材80が1次冷媒入口孔60の入口側から奥側に向かうに連れて冷媒の流路抵抗を高くする形状をなしていることから、1次冷媒入口孔60の奥側近傍に位置する1次側流路58は、入口側近傍に位置する1次側流路58に比して冷媒が流れ難くなる。つまり、少量の冷媒が1次側回路6内を循環しているときにも、従来の如く、1次側流路58の奥側に多く流れ込み、入口側に流れ込まないとの冷媒の慣性力による現象は回避される。従って、熱交換器24の能力は低下せず、冷却効率が向上する結果、ブラインが効果的に冷却され、冷房効率の向上が図られる。
また、1次冷媒入口孔60内に分流促進部材80を挿入にすれば済むことから、既存の熱交換器に適用可能であり、伝熱プレートの設計変更を行うことなく、熱交換器の冷却効率の向上が達成可能となる。
更に、特にHFC−134aに代替するHFC−152aの可燃性冷媒を用いれば、地球温暖化の防止に大きく貢献する。また、車室28内の空調は2次側回路30で行われ、車室28内の安全性も確保される。
更に、特にHFC−134aに代替するHFC−152aの可燃性冷媒を用いれば、地球温暖化の防止に大きく貢献する。また、車室28内の空調は2次側回路30で行われ、車室28内の安全性も確保される。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、1次冷媒入口孔60内に樹脂製の網材で形成された分流促進部材80を挿入しているが、1次冷媒入口孔60の奥側における冷媒の流路抵抗を入口側よりも高くする限り、必ずしも上記形態に限定されるものではない。一例としては、金属製の網材であっても良く、また、網目の大きさは1次冷媒入口孔60の奥側に向かうに連れて小さくさせても良い。更に、1次冷媒入口孔60の入口側から奥側に向けて徐々に縮径される裁頭円錐状をなす外形を有する分流促進部材80に代えて、1次冷媒入口孔60の略中央位置から奥側にて配設される平板であっても良く、この場合にも、冷媒の流れを奥側に向かうに連れて遮ることができる。
例えば、上記実施形態では、1次冷媒入口孔60内に樹脂製の網材で形成された分流促進部材80を挿入しているが、1次冷媒入口孔60の奥側における冷媒の流路抵抗を入口側よりも高くする限り、必ずしも上記形態に限定されるものではない。一例としては、金属製の網材であっても良く、また、網目の大きさは1次冷媒入口孔60の奥側に向かうに連れて小さくさせても良い。更に、1次冷媒入口孔60の入口側から奥側に向けて徐々に縮径される裁頭円錐状をなす外形を有する分流促進部材80に代えて、1次冷媒入口孔60の略中央位置から奥側にて配設される平板であっても良く、この場合にも、冷媒の流れを奥側に向かうに連れて遮ることができる。
また、本発明の分流促進手段は伝熱プレート自体に設けられていても良い。例えば、図5に示されるように、当該熱交換器24Aには、伝熱プレート54A,68Aが1次冷媒入口孔60Aの入口側から奥側に向かうに連れて1次冷媒の流路抵抗を高くする延長部分を有している。つまり、伝熱プレート54A,68Aの1次冷媒入口孔60Aの径がその入口側から奥側に向かうに連れて徐々に縮径されている。よって、1次冷媒入口孔60Aの奥側近傍に位置する1次側流路58は、入口側近傍に位置する1次側流路58に比して冷媒が流れ難くなり、この場合にも、上記と同様に、入口側から奥側までに至る上記1次側流路58内の流れ込み量の均一化が図られる。更に、この場合には、部品点数を増加させずに、熱交換器の冷却効率の向上が達成可能となる。なお、この図5でもまた、1次側流路58及び2次側流路72に関する説明の都合上、伝熱プレート54A,68Aの各間隔を非常に大きく描いている。
また、伝熱プレートが分流促進手段となる他の例としては、伝熱プレートの1次冷媒入口孔の径をその奥側から入口側に向かうに連れて徐々に拡径させても良く、このときにも、1次冷媒入口孔の奥側における冷媒の流路抵抗を入口側よりも高くすることができる。
更に、伝熱プレートが分流促進手段となる更に他の例としては、1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて1次側流路の幅を狭くする、換言すれば、奥側に向かうに連れて伝熱プレートと伝熱プレートとの間隔を狭くしても良い。この場合にも、1次冷媒入口孔の奥側に向かうに連れて冷媒の流路抵抗が大きくなり、入口側から奥側に至るに連れて1次側流路内の流れ込み量が多くなるとの偏りが回避されるし、部品点数を増加させずに、熱交換器の冷却効率の向上が達成可能となる。更に、この場合には、上述した1次冷媒入口孔、1次冷媒出口孔、2次冷媒入口孔及び2次冷媒出口孔の周囲に配設されたシールの厚さを薄くする等の僅かな設計変更で済む。
更に、伝熱プレートが分流促進手段となる更に他の例としては、1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて1次側流路の幅を狭くする、換言すれば、奥側に向かうに連れて伝熱プレートと伝熱プレートとの間隔を狭くしても良い。この場合にも、1次冷媒入口孔の奥側に向かうに連れて冷媒の流路抵抗が大きくなり、入口側から奥側に至るに連れて1次側流路内の流れ込み量が多くなるとの偏りが回避されるし、部品点数を増加させずに、熱交換器の冷却効率の向上が達成可能となる。更に、この場合には、上述した1次冷媒入口孔、1次冷媒出口孔、2次冷媒入口孔及び2次冷媒出口孔の周囲に配設されたシールの厚さを薄くする等の僅かな設計変更で済む。
更にまた、上記実施形態の2次冷媒サイクルを用いる車両用空調装置は、上述の可燃性冷媒の他、アンモニアの如く毒性を有する冷媒も1次側回路を循環する1次冷媒として用いることが可能である。
1 車両
2 エンジンルーム
4 エンジン
6 1次側回路
18 圧縮機
24 プレート式熱交換器(熱交換器)
30 2次側回路
54 伝熱プレート
54A 伝熱プレート(分流促進手段)
58 1次側流路(第1の流路)
60 1次冷媒入口孔
60A 1次冷媒入口孔
68 伝熱プレート
68A 伝熱プレート(分流促進手段)
72 2次側流路(第2の流路)
80 分流促進部材(分流促進手段)
2 エンジンルーム
4 エンジン
6 1次側回路
18 圧縮機
24 プレート式熱交換器(熱交換器)
30 2次側回路
54 伝熱プレート
54A 伝熱プレート(分流促進手段)
58 1次側流路(第1の流路)
60 1次冷媒入口孔
60A 1次冷媒入口孔
68 伝熱プレート
68A 伝熱プレート(分流促進手段)
72 2次側流路(第2の流路)
80 分流促進部材(分流促進手段)
Claims (5)
- 車両のエンジンルーム内に設けられ、エンジンからの動力を受けて作動される圧縮機で圧縮された1次冷媒を循環させる1次側回路と、
該1次側回路で得られた冷凍能力を利用し、熱交換器で冷却された2次冷媒を循環させて前記車両の車室内の空調を行う2次側回路とから構成され、
前記熱交換器は、
前記1次冷媒を流通させる第1の流路と、伝熱プレートを介して該第1の流路に隣接され、前記2次冷媒を流通させる第2の流路とがそれぞれ複数形成されており、
前記各伝熱プレートに穿設され、前記1次冷媒を前記各第1の流路内に導入させるとともに、該各第1の流路内における前記1次冷媒の流れを促進させる分流促進手段を備えた1次冷媒入口孔を具備する
ことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記分流促進手段は、前記1次冷媒入口孔内に挿入される部材であって、
該部材は、該1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて前記1次冷媒の流路抵抗を高くする形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記分流促進手段は、前記1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて前記1次冷媒の流路抵抗を高くする延長部を有する伝熱プレートであることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記分流促進手段は、前記1次冷媒入口孔の入口側から奥側に向かうに連れて前記1次冷媒の流路抵抗を高くすべく、前記奥側に向かうに連れて前記各第1の流路の幅を狭くした伝熱プレートであることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記1次冷媒は、可燃性冷媒であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005191594A JP2007010227A (ja) | 2005-06-30 | 2005-06-30 | 車両用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005191594A JP2007010227A (ja) | 2005-06-30 | 2005-06-30 | 車両用空調装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007010227A true JP2007010227A (ja) | 2007-01-18 |
Family
ID=37748976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005191594A Pending JP2007010227A (ja) | 2005-06-30 | 2005-06-30 | 車両用空調装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007010227A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009281611A (ja) * | 2008-05-20 | 2009-12-03 | Sanden Corp | 車両用空調装置 |
JP2010145005A (ja) * | 2008-12-18 | 2010-07-01 | Mitsubishi Electric Corp | プレート式熱交換器及びこれを備えた空気調和機 |
JP2015505028A (ja) * | 2012-01-30 | 2015-02-16 | ヴァレオ システム テルミク | 熱交換器 |
KR20170064844A (ko) * | 2015-12-02 | 2017-06-12 | 이래오토모티브시스템 주식회사 | 오일 쿨러 |
WO2023079643A1 (ja) * | 2021-11-04 | 2023-05-11 | 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 | 車両用冷凍サイクルユニット |
-
2005
- 2005-06-30 JP JP2005191594A patent/JP2007010227A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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