JP2007009681A - 充填センサ、シース管およびシース管継ぎ手部材 - Google Patents

充填センサ、シース管およびシース管継ぎ手部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 土木施工あるいは建築施工におけるコンクリートやグラウト等の流動体の型枠やシース管等の充填対象空間への充填状況を無線通信により検出する。
【解決手段】 土木施工または建築施工で用いられる流動体が充填対象空間に充填された状況を検出する充填センサ(1)であって、一対の電極(10a、10b)と、電極(10a、10b)間に挿入された抵抗素子(11)と、電極(10a、10b)間に電圧を印加し、電極(10a、10b)間の電気的特性を検出する検出部(2)と、検出結果を読取装置に対して無線送信する無線通信部(3)と、を備える
【選択図】 図1

Description

本発明は、土木施工または建築施工で用いられる流動体が充填対象空間に充填された状況を検出する充填センサ、プレストレストコンクリート構造物のグラウト施工で用いられる前記充填センサを備えたシース管およびシース管継ぎ手部材に関する。
従来から、コンクリート構造物を構築する際、型枠で囲まれた閉塞空間内にフレッシュコンクリート等の流動体を打設している。このとき、閉塞空間の形状とフレッシュコンクリートの流動性によって、閉塞空間内の隅々にまでフレッシュコンクリートを充填することができずに、フレッシュコンクリートの硬化後、型枠をはずしたときに初めて打設が不十分であったことが明らかとなる場合がある。このような場合には、当該フレッシュコンクリートが到達しなかった部分に、硬化後に改めてフレッシュコンクリートを打ち足すこととなるが、硬化後のコンクリートに対して新たにフレッシュコンクリートを打設した場合には、これらが一体化せず、新たに打ち足した部分の剥離等を生じることとなる。従って、型枠内にフレッシュコンクリートを打設する際には、型枠内の隅々までフレッシュコンクリートが行き渡っているか否かを、当該フレッシュコンクリートが硬化する前に型枠を設置したまま調査することが必要である。このため、従来は、熟練者が木槌等で型枠を打ち、その打撃音によって経験と勘に基づいて判断することが行われていた。しかしながら、従来の熟練者による経験と勘に基づいた打設確認方法では、確認者による差が大きく、また、充填されていると判断されても実際は充填されていない場合があり得るという問題点があった。
最近では、各種充填センサを用いた電気的特性を測定し、充填状況を確認する手法が検討されており、特許文献1では、1本の電極と1対の熱電対からなるセンサを利用して、電気抵抗と温度を測定することによりセメント混練物の充填状況を確認する技術が提案されている。
また、プレストレストコンクリートは、高張力に耐えうる鋼材を用いて、コンクリートに圧縮応力を与え、従来の鉄筋コンクリートと比べて著しく曲げ耐力を向上させたもので、橋梁、建築構造物、各種タンク、防災設備などに利用されている。
プレストレストコンクリートを製造する方法としては、あらかじめ鋼材に緊張力を与えてコンクリートを打設し、コンクリートが硬化した後に緊張を解いてコンクリートに圧縮応力を導入するプレテンション方式と、シース管と呼ばれるパイプ状の鞘管を配置した後にコンクリートを打設し、コンクリートの硬化後にシース管内に通された鋼材を緊張してコンクリートに圧縮応力を導入するポストテンション方式がある。
ポストテンション方式のプレストレストコンクリートでは、鋼材とコンクリートとの一体化を図る目的、および鋼材が腐食等により損傷することを防ぐ目的でシース管内にグラウト材が充填される。しかし、シース管内にグラウト材の未充填部があると、水や酸素、さらには海岸付近の構造物に対するケースや凍結防止剤を使用するケースでは塩化物イオンが進入し、長い期間に鋼材が腐食することがあり、プレストレストコンクリートの耐荷性能は大きく低下する。したがって、この工法においてはシース管内全体にグラウト材を行き渡らせる必要がある。
従来から、グラウト材の充填を確認する手法として、グラウト材の注入口と逆側に設置されている空気排出口からのグラウト材の排出を直接確認する方法や、シース管内の空隙率から推定される空隙量と実際に注入されるグラウト材の量の対比から充填率を推定する方法、さらには点検用の孔を設け充填を目視確認する方法等がある。そのうち、非破壊検査による方法としては、弾性波を入射させるとともに反射波を受信して検出する方法、X線透過法によってグラウト材の未充填部を検出する方法、超音波を入力して反射波を検出する方法、中性子線の吸収を検出する方法等がある(たとえば、特許文献2、特許文献3)。
センサを用いた方法としては、コンクリートの外部まで伸びた導電コードを接続したセンサを埋め込んでグラウト材の充填を確認する方法がある(たとえば、特許文献4)。また、通信技術を用いてコードレスで、センサが感知した情報を外部で読み取る方法もある(たとえば、特許文献5、特許文献6)。この方法は、構造物の内部情報を内部に埋め込んだセンサで感知し、感知された情報を無線通信により読取装置で読み取り、内部状態を計測する方法である。
特許2995459号公報 特開平10−54140号公報 特開2001−241187号公報 特開平10−231520号公報 特開2001−201373号公報 特開2003−107030号公報
しかしながら、弾性波や超音波、またはX線や中性子線を用いてコンクリート内部を検出する方法では、いずれも精度が低くグラウト材の充填または未充填の判定が難しい。また、これらの方法は煩雑である。
また、内部に埋設されたセンサから導電コードをコンクリートの外部まで伸ばす方法では、導電コードまたは導電コードとコンクリートの接触面が酸素、水または塩化物イオンのような鋼材の腐食因子の通り道になる可能性がある。特に長期間にわたりコンクリート構造物が使用されるとコンクリートの耐久性に大きな差が生じうる。100年を越えるような長期間におけるコンクリートの耐久性を考えた場合、積極的に採用されるべきものではない。
また、構造物の内部状態を無線手段により読取装置で計測する方法が知られているが、プレストレスコンクリート構造物のグラウト施工についてシース管へのグラウト材の充填を検出する具体的な方法は提案されていない。
また、コンクリートやグラウトなどの流動体に電極を挿入し電極間に電圧を印加した後の電極間電圧値の変化から、この流動体の充填状況を判別しようとした場合、電極間への電圧印加時間の増加に伴い徐々に電極間電圧値は増大することや、電極に電圧を印加した場合には、コンクリート、グラウト、水に電気が蓄積されるため、電圧印加を繰り返し行う毎に電極間電圧値は、徐々に増加していくため安定した電圧値をえることができないことが確認された。前者の現象は、コンクリート、グラウト、水などは各種イオンを多少に関わらず含んでおり、これらイオンの存在により電極への電圧印加時に電極表面に静電2重層が形成され、この静電2重層の影響により、電圧印加時間に対して電極間電圧値が徐々に増加することが原因として生じるものである。また、後者の現象は、電極間に流れた電流がコンクリート、グラウト、水などに蓄電されることが原因として生じるものである。
さらに、コンクリート構造物でのグラウト施工におけるグラウトの充填検知においては、コンクリートにアンテナと共にセンサを埋め込んだ場合、コンクリート自体が電波を吸収するために満足な通信感度が得られないといった問題がある。また、内部状態を検知する検知部をコンクリート内部に置き、発信アンテナのみをコンクリート表面に設置した場合、検知部とアンテナは導電コードを使用する必要があるが、鋼材の腐食因子が導電コードを伝ってコンクリート内部へと侵入する可能性があり、コンクリートの耐久性を損ねるといった問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決し、土木施工あるいは建築施工におけるコンクリートやグラウト等の流動体の型枠やシース管等の充填対象空間への充填状況を無線通信によりコンクリートの耐久性を損ねることがなく精度良く検出することができる充填センサ、この充填センサを備えたシース管およびシース管継ぎ手部材を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明に係る充填センサは、土木施工または建築施工で用いられる流動体が充填対象空間に充填された状況を検出する充填センサであって、一対の電極と、前記電極間に挿入された抵抗素子と、前記電極間に電圧を印加し、前記電極間の電気的特性を検出する検出部と、前記検出結果を読取装置に対して無線送信する無線通信部と、を備えることを特徴としている。なお、前記一対の電極は、施工現場において充填対象空間に露出するように設置されるものである。
このように、充填対象空間に露出する一対の電極間に抵抗素子が挿入されているので、電気的特性を正確に検出することが可能となる。すなわち、電極間に電圧を印加すると、電極に接触している流動体、すなわち充填対象空間に充填されている流動体に電荷が蓄積し、検出結果に影響を与えてしまうので、電極間に抵抗素子を挿入することによって、抵抗素子において測定対象物(流動体)に蓄積した電荷がジュール熱として消費され、電荷を取り除くことが可能となる。その結果、電極間の電気的特性を正確に検出することが可能となる。さらに、検出結果を読取装置に対して無線送信するため、従来のようにリード線を構造物の外部に引き出すことにより生じていた腐食因子の侵入が回避されるので、構造物の耐久性を向上させることが可能となる。
(2)また、本発明に係る好ましい充填センサにおいて、前記検出部は、予め定められた一定の電圧印加時間に亘って前記電極間に電圧を印加する電圧印加回路と、前記電圧印加時間が経過した時の前記電極間の電圧を検出する電圧検出回路と、前記電圧検出回路が検出した検出電圧と、予め設定された閾値電圧とを比較し、その比較結果を出力する比較回路と、を備えることを特徴としている。
このように、検出した電極間の検出電圧と、予め設定された閾値電圧とを比較するので、回路構成を簡略化し、低消費電力化を図ることが可能となる。また、比較回路の分解能に応じて、測定を複数回行なうことによって、検出精度を向上させることが可能となる。
(3)また、本発明に係る好ましい充填センサにおいて、前記一対の電極は、相互に材質が異なる金属で形成されていることを特徴としている。
このように、一対の電極が、相互に材質が異なる金属で形成されているので、電極間でいわゆるガルバニック電池が形成され、外部から電極間に電圧を印加しなくても自然現象として電極間に電位差が生じることとなる。本発明によれば、この電位差を電極間の電圧の検出に用いることができるので、電極間に外部から電圧を印加するために必要な電力を低減させることが可能となり、その分、読取装置との無線通信を行なうために必要な電力を大きくすることができる。その結果、読取装置との通信距離を相対的に大きくすることが可能となる。
(4)また、本発明に係る好ましい充填センサにおいて、前記一対の電極は、二次元的な凹凸部を備えることを特徴としている。
このように、一対の電極が、二次元的な凹凸部を備えているので、電極と測定対象物(流動体)とが高い確率で接触し、検出精度を高めることが可能となる。すなわち、電極が二次元的な凹凸部を備えていることによって電極全体が広範囲に分散するので、電極の流動体と接触する面積は同一であったとしても、電極の形状が単に平面状または棒状である場合よりも測定対象物(流動体)に接触する確率が高くなる。その結果、電極がわずかに流動体に接触した場合でも敏感に充填状況を検出することが可能となる。
(5)また、本発明に係る好ましい充填センサにおいて、前記凹凸部は、矩形波状または鋸波状に形成され、相互に噛合するように配置されていることを特徴としている。
このように、凹凸部が、矩形波状または鋸波状に形成され、相互に噛合するように配置されているので、配線が容易となり、センサ全体の小型化を図ることが可能となる。
(6)また、本発明に係る好ましい充填センサにおいて、前記一対の電極は、湾曲、または屈曲されていることを特徴としている。
このように、一対の電極は、湾曲、または屈曲されているので、三次元方向に対して、電極と測定対象物(流動体)との接触確率を高め、検出精度を高めることが可能となる。
(7)また、本発明に係る好ましい充填センサにおいて、前記一対の電極は、三次元的な凹凸部を備えることを特徴としている。
このように、前記一対の電極は、三次元的な凹凸部を備えるので、三次元方向に対して、電極と測定対象物(流動体)との接触確率を高め、検出精度を高めることが可能となる。
(8)また、本発明に係る好ましい充填センサにおいて、前記一対の電極は、基板上に設けられた一対の電極基部と、前記各電極基部から突出する少なくとも一つの突出部と、を備えることを特徴としている。
このように、前記一対の電極は、基板上に設けられた一対の電極基部と、前記各電極基部から突出する少なくとも一つの突出部と、を備えるので、電極と測定対象物(流動体)との接触確率をさらに高めることが可能となる。
(9)また、本発明に係るシース管は、プレストレストコンクリート構造物におけるグラウト施工に用いられるシース管であって、シース管本体と、前記シース管の管壁に設けられたセンサ取り付け部と、前記センサ取り付け部に取り付けられた請求項1から請求項8のいずれかに記載の充填センサと、を備えることを特徴としている。
この構成により、シース管内へのグラウトの充填状態を正確に検出することが可能となるとともに、従来のようにリード線を構造物の外部に引き出すことにより生じていた腐食因子の侵入が回避されるので、構造物の耐久性を向上させることが可能となる。
(10)また、本発明に係るシース管継ぎ手部材は、プレストレストコンクリート構造物におけるグラウト施工に用いられるシース管同士を繋ぐシース管継ぎ手部材であって、シース管継ぎ手部材本体と、前記シース管継ぎ手部材本体に設けられたセンサ取り付け部と、前記センサ取り付け部に取り付けられた請求項1から請求項8のいずれかに記載の充填センサと、を備えることを特徴としている。
この構成により、シース継ぎ手部材内へのグラウトの充填状態を正確に検出することが可能となるとともに、従来のようにリード線を構造物の外部に引き出すことにより生じていた腐食因子の侵入が回避されるので、構造物の耐久性を向上させることが可能となる。
本発明に係る充填センサによれば、一対の電極間に抵抗素子が挿入されているので、電気的特性を正確に検出することが可能となる。すなわち、電極間に電圧を印加すると、電極に接触している流動体、すなわち充填対象空間に充填されている測定対象物に電荷が蓄積し、検出結果に影響を与えてしまうので、電極間に抵抗素子を挿入することによって、抵抗素子において測定対象物(流動体)に蓄積した電荷がジュール熱として消費され、電荷を取り除くことが可能となる。その結果、電極間の電気的特性を正確に検出することが可能となる。さらに、検出結果を読取装置に対して無線送信するため、従来のようにリード線を構造物の外部に引き出すことにより生じていた腐食因子の侵入が回避されるので、構造物の耐久性を向上させることが可能となる。
また、本発明に係るシース管、およびシース管継ぎ手部材によれば、シース管内およびシース継ぎ手部材内へのグラウトの充填状態を正確に検出することが可能となるとともに、従来のようにリード線を構造物の外部に引き出すことにより生じていた腐食因子の侵入が回避されるので、構造物の耐久性を向上させることが可能となる。
(第1の実施形態)
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1の実施形態に係る充填センサの概略構成を示すブロック図である。充填センサ1では、一対の電極10a、10bが、充填対象空間の流動体と接触する。これらの電極10a、10bの間には、抵抗素子11が並列に設けられている。このように、電極10a、10bの間に抵抗素子11が挿入されているので、電気的特性を正確に検出することが可能となる。すなわち、電極10a、10b間に電圧を印加すると、電極に接触しているサンプル、すなわち充填対象空間に充填されている流動体に電荷が蓄積し、検出結果に影響を与えてしまうので、電極間に抵抗素子を挿入することによって、抵抗素子において測定対象物に蓄積した電荷がジュール熱として消費され、電荷を取り除くことが可能となる。その結果、電極間の電気的特性を正確に検出することが可能となる。ここで、抵抗素子11は、電極10a、10bと測定対象物と抵抗素子11とで形成される回路に対し測定対象物と並列に挿入されることから、測定対象物に蓄積した電荷をジュール熱として有効に消費するためには、その抵抗値が小さいものが好ましい。しかし、抵抗素子11の抵抗値が小さ過ぎるとコンクリートやグラウトの抵抗と差がなくなってしまい、空気、水、コンクリートやグラウトにおいてそれぞれ示される電極間電圧値との差が小さくなり、識別することが困難となる。一方、抵抗素子11の抵抗値が大き過ぎる場合には、測定対象物に蓄積した電荷をジュール熱として消費する時間が長くなり、正確に検出することができなくなる。そこで、例えば、水酸化カルシウム飽和水溶液の抵抗率が50〜300Ωcm、水の抵抗率が2〜25kΩcmであることを考慮すると、抵抗素子11の抵抗値の大きさとしては、1kΩ〜1MΩであることが好ましい。
インタフェース回路12は、電極10a、10bとRFID IC13とを接続する回路である。RFID IC13は、検出回路13aおよび無線通信回路13bを有している。検出回路13aは、電極10a、10bに対して電圧を印加し、電極10a、10b間の電気的特性を検出する。電気的特性としては、電極10a、10b間の電圧(電位差)、電気抵抗、インピーダンス、静電容量などがあり、これらを検出することが可能である。第1の実施形態では、電極10a、10b間の電圧を検出することとする。無線通信回路13bは、検出回路13aの検出結果を、アンテナ14を介して、外部の読取装置に対して無線送信する。ここで、インタフェース回路12およびRFID IC13の検出回路13aは、検出部を構成し、RFID IC13の無線通信回路13bおよびアンテナ14は、無線通信部を構成する。
図2(a)および(b)は、電極の二次元的な形状を示す図であり、同図に示すように、電極10a、10bは、二次元的な凹凸部を有している。図2(a)では、矩形波状の凹凸部15を有する電極10a、10bが、相互に噛合するように配置され、リード線16がそれぞれに付加されている。また、図2(b)では、矩形波状の凹凸部17を有する電極10a、10bが、相互に対向するように配置され、リード線16がそれぞれに付加されている。電極の凹凸部の形状は、図示したような矩形波状のほか、鋸波状、千鳥状、螺旋状等の形状を取ることができる。電極の凹凸部の形状をこのような形状にすることにより、電極の流動体と接触する面積自体の面積は同一でも、図2に示すように電極が配置されている全体の面積を大きくすることが可能となり、電極部に空気が残る心配が少ない。また、電極2本が平面状または棒状に成形されている場合よりも、電極部全体は大きくなることから、電極部に僅かにコンクリートあるいはグラウトが接触した場合でも敏感に充填状況を検出することが可能となる。なお、電極の外形寸法としては、例えば、5mm×5mm、10mm×10mm、15mm×15mm、20mm×20mm、25mm×25mm程度など、5mm〜25mm程度の範囲内において正方形あるいは長方形のものなどが使用できる。
また、矩形波または鋸波状の二次元的な凹凸部が相互に噛合するように配置することによって、電極部分のあらゆる方向からコンクリートあるいはグラウトなどが流れてきても正確に充填状況を検出することができる。また、電極を小型化させることができると共に、微弱な電気抵抗値の変化も検知することが可能となる。また、このように、電極の端部を矩形波状または鋸波状とする以外にも、複数の金属板を金属線等で連結することにより各電極を構成しても良い。このように電極を構成することによって、グラウト等の測定対象物(流動体)が、いずれかの金属板には接触しなくても他の金属板には接触する可能性が高まり、検出精度を向上させることが可能となる。
なお、電極の大きさについてであるが、電極面積が大きくなると電極間の液抵抗は小さく、逆に静電容量は大きくなり、電極部の分極抵抗は、電極の置かれている環境条件により異なることが知られている。このことから、コンクリートあるいはグラウトの充填状況をより正確に検出するためには、電極サイズの検討が重要となる。図1の場合、一対の電極10a、10bによって占められる領域は、例えば、約400mmとしている。
また、一対の電極10a、10bは、一対の電極は、材質が同一の金属で形成されたものであっても良いし、材質が異なる金属で形成されたものであっても良い。異種金属を電極に用いた場合、異種金属の組合せや、電極間に存在する物質の違いによって電極間に生じる電位差は異なる。異種金属を利用した場合、いわゆる「ガルバニック電池」が形成されるため、電極間に電圧を印加しなくても電位差が自然現象として発生する。その結果、検出時に電力が消費されないことから、その分の電力をセンサと読み取り装置との間の無線通信に用いることが可能となり、通信距離を相対的に大きくすることが可能となる。
異種金属を用いる場合、金属の組合せとしては、できる限り電極間電位差が大きくなる金属を組合せた方が良いが、例えば、金とアルミニウム、金と亜鉛などでは、アルミニウムや亜鉛が強アルカリにおいて非常に溶解しやすいため、コンクリートやグラウトの充填工事直後における充填状況の検出には利用できるが、工事完了から数ヵ月後に実施される竣工検査などにおいては、電極が溶解消失して充填状況を確認することができない可能性がある。また、アルカリに溶解する際に水素ガスを発生するため、この水素ガスがPC鋼材を脆弱化させる(水素脆化)可能性がある。一方、電位差が比較的小さくなる金属の組合せでは、水とコンクリートまたは水とグラウトにおける電位差の差が小さくなるが、測定誤差も小さくなる利点がある。
このように、異種金属により一対の電極10a、10bを形成する場合、上記問題点を十分に考慮して金属の組合せを決定する必要がある。異種金属の組合せを具体的に挙げると次の通りである。すなわち、電極材質の組み合わせとしては、アルカリ物質中における起電力と水中における起電力の差が僅かでもあれば何でも良く、例えば、鉄とアルミニウム、鉄とステンレス、鉄と亜鉛、鉄と金、鉄とニオブ、鉄と各種金属の合金、炭素と銀、炭素とチタン、炭素と銅、炭素とタングステン、炭素とモリブデン、炭素とステンレス、炭素と金、炭素と真鍮、炭素とスズ、炭素と各種金属の合金、チタンと金、チタンと各種金属の合金、銀と銅、銀とモリブデン、銀とステンレス、銀とスズ、銀と各種金属の合金、アルミニウムと炭素、アルミニウムと銀、アルミニウムとニッケル、アルミニウムとタングステン、アルミニウムとモリブデン、アルミニウムとステンレス、銅と各種金属の合金、ニッケルと真鍮、ニッケルと各種金属の合金、タングステンとニオブ、タングステンと各種金属の合金、モリブデンと各種金属の合金、ステンレスと真鍮、金とスズなどが挙げられる。
次に、図1に示したRFID IC13における検出回路13aについて説明する。図3は、検出回路13aの概略構成を示すブロック図である。検出回路13aにおいて、電圧印加回路30aは、予め定められた一定の電圧印加時間に亘って一対の電極10a、10b間に電圧を印加する。この電圧印加時間は、外部の読取装置からの制御により変更することが可能である。電圧検出回路30bは、電圧印加回路30aにおける電圧印加時間が経過した時の一対の電極10a、10b間の電圧を検出する。比較回路30cは、予め閾値電圧が設定されており、電圧検出回路30bが検出した検出電圧と閾値電圧とを比較し、その比較結果を出力する。これらの電圧印加回路30a、電圧検出回路30bおよび比較回路30cは制御線30dに接続されており、相互にデータを送信および受信することが可能となっている。
電圧印加回路30a、電圧検出回路30bおよび比較回路30cは、電極10a、10b間に所定電圧を印加し、10a、10b電極間の電気的特性(電圧)を測定するために必要な各種回路、例えば、高出力電流回路、反転増幅回路、同相増幅回路、ボルテージフォロー回路、積分増幅回路、比較演算回路、ヒステリシス特性の比較演算回路、マルチバイブレーター回路、電流−電圧変換回路、などから構成される。そして、これらを構成するように各種抵抗素子やコンデンサ、コイルなどが組み込まれている。
また、図1において、無線通信部3を構成するRFID IC13の無線通信回路13bは、変調回路、充電/電源部、メモリなどから構成される。この電源部では、バッテリを搭載するタイプのものであっても良いし、いわゆるバッテリーレス、すなわち、蓄電機能を有し、外部から供給される電磁波による誘導電圧を一時的に蓄えるものであっても良い。無線通信回路13bに含まれるメモリは、全体の制御を行うオペレーティングシステムが格納されているROM、データの書き換えや構造物の状態を検知するプログラムが格納されているEEPROM、検知した情報を記録するRAMなどで構成される。メモリにはセンサのID番号を搭載してもよく、また、読取装置から構造物の埋め込み位置に関する情報をRAMに書き込み、これら情報をセンサで検知した情報と共に読み取り装置で読み取ってもよい。
また、図1における無線通信部3を構成するアンテナ14は、金属類、カーボンファイバーやフェライトなどが用いられ、中空の巻き線、あるいは磁性体巻き線、あるいは基板上にプリント技術を利用して成形したものを用いることが望ましく、PETなどのフィルム間にこれら材料を挟み込んで使用してもよく、またその形状はリング状、棒状、円盤状など適当な形に成型して用いてもよい。
以上のように構成された第1の実施形態に係る充填センサは、コンクリート構造物等の内部に設置される。例えば、打設コンクリートの充填状態を見る場合、充填センサの取り付け位置は、かぶりコンクリート中であることが望ましい。かぶりコンクリートよりも内側に取り付けた場合、読取装置から発せられた電磁波が鉄筋に吸収され、充填センサと読取装置間の通信距離が大幅に低下する、あるいは通信できない状態となる。ただし、鉄筋よりも内側に充填センサを配置した場合、鉄筋自体をアンテナとして利用することにより充填センサと読取装置との間の通信を可能にできる。
充填センサの取り付け方法としては、次のようなケースも考えられる。電極部のみを充填状況を検出したい箇所に取り付け、検出部2と無線通信部3を一体化させたもの(以降、タグと称す)を鉄筋よりも外側に取り付け、電極部とタグをリード線で接続する取り付け方法を採用することも可能である。この取り付け方法では、電極部の取り付け箇所の制限がなくなる。
図示しない読取装置は、アンテナ、変調復調装置、メモリ、CPUと、電源を供給するための電源部とからなり、必要に応じてセンサ部からの情報を直接、あるいはデータ処理を行って外部出力端子を介して他の装置に出力させてもよい。
次に、第1の実施形態に係る充填センサが取り付けられたシース管について説明する。図4は、シース管の外観を示す図である。このシース管40は、プレストレストコンクリート構造物のグラウト施工に用いられ、金属製のものに限らず、樹脂製の市販品のものを利用することができる。鋼製シース管にセンサ取り付け用の穴を開ける場合、使用する工具の状態によってはきれいに穴を開けられない。また、穴あけ後の穴内側にはバリが残ることから、シース管40の材質としては、樹脂製の方が好ましい。樹脂製のシース管では、工具などで開けた穴の内側にバリが残るという問題がないなど、加工を施しやすいとのメリットがある。図4では、シース管40には、充填センサを取り付けるためのセンサ取り付け部41が設けられている。このセンサ取り付け部41は、シース管40の内面から外面方向に矩形状に突出しており、内面側から見ると矩形の窪みが形成されている。電極をシース管40に取り付ける際、PC鋼材と電極が接触しないように電極とPC鋼材を一定距離、例えば、1〜10mmの間隔を保つ必要がある。少なくとも、電極とPC鋼材の距離は、電極間隔以上に離さなければならない。電極とPC鋼材の距離が、電極間隔よりも狭い場合、電極間に流れるべき電流がPC鋼材に流れてしまう恐れがあるためである。センサ取り付け部41は、シース管40に開けられたセンサ取り付け用の穴を十分にカバーできるものであれば、その形状は特にこだわらないが、シース管40の外径と同じ内径を持った半管状の形状であれば、シース管40への固定が容易であり、好ましい。
図5は、第1の実施形態に係る充填センサが取り付けられたシース管継ぎ手部材の外観を示す図である。このシース管継ぎ手部材50は、プレストレストコンクリート構造物のグラウト施工に用いられるシース管どうしを接続するためのものである。シース管継ぎ手部材としては、金属製に限らず樹脂製の市販品のものを利用できる。シース管継ぎ手部材とシース管との接続部分は、少なくとも1cm〜10cm確保する必要がある。接続部分の重なる長さが短い場合、継ぎ手部材とシース管が離れてしまう心配があるためである。図5では、シース管継ぎ手部材50には、充填センサを取り付けるためのセンサ取り付け部51が設けられている。このセンサ取り付け部51は、図4に示したシース管40のセンサ取り付け部41と同様に、シース管継ぎ手部材50の内面から外面方向に矩形状に突出しており、内面側から見ると矩形の窪みが形成されている。
図4に示したシース管、および図5に示したシース管継ぎ手部材では、充填センサは、図6に示すように、センサ取り付け部41、51に取り付けられる。図6(a)では、センサ取り付け部41,51において、例えば、電極幅10mm、長さ10mm、電極間隔10mmの形状で、材質はニッケルに金メッキ処理した一対の電極が取り付けられている。また、図6(b)では、センサ取り付け部41,51において、例えば、矩形波状の凹凸部15を有する一対の電極10a、10bが相互に噛み合うように配置される。そして、充填センサの電極以外の部分は、センサ取り付け部41,51を覆うように取り付けられる。
次に、以上のように構成された第1の実施形態に係る充填センサの動作について説明する。ここでは、一対の電極間にコンクリート、グラウト、水、空気などの流動体が存在するか否かの判別手法について説明する。図1に示した充填センサ1の検出回路13aは、図3に示すように、比較回路30cを有しており、比較回路30cは、予め設定した閾値電圧と検出電圧とを比べて、比較回路30cへの入力電圧が小さいか大きいかを判定するものである。電圧印加回路30aによって一対の電極10a、10bに所定の電圧を印加した際に電極間の電圧値が予め設定した閾値電圧よりも大きいか小さいかについて、比較回路30cを用いて判定する動作を、閾値電圧を変化させて複数回測定する。これにより、電極間の電圧値を正確に判定することが可能となる。なお、比較回路30cの測定回数を増やすことにより、比較回路30cの分解能を高められる。例えば、印加電圧Vin、測定回数8回の場合、比較回路30cの分解能は、Vin/2となる。
上記判定手法を用いて、種々検討を重ねる中で、電圧印加後の電極間の電圧値は、印加時間の増加に伴い徐々に増大することが確認された。また、電極に電圧を印加した場合、コンクリート、グラウト、水に電気が蓄積されるため、比較回路30cを用いて電圧値を判定しようとした場合、電極間電圧値は、徐々に増加していくことが確認された。前者の現象は、コンクリート、グラウト、水などは各種イオンを多少に関わらず含んでおり、これらイオンの存在により電極への電圧印加時に電極表面に静電2重層が形成され、この静電2重層の影響により、電圧印加時間に対して電極間電圧値が徐々に増加することが原因として生じるものである。また、後者の現象は、電極間に流れた電流がコンクリート、グラウト、水などに蓄電されることが原因として生じるものである。
上記2つの現象を十分に把握できたことにより、空気、水(水道水、泥水など)、コンクリートやグラウトを正確に判別することが可能となった。
具体的な判別方法を以下に示すが、本方法に限定されるものではない。すなわち、電極への電圧印加後に一定時間経過後の電極間電圧値を予め設定した比較電圧値と比較する。空気は、絶縁に近い状態であるため電極間電圧値は印加電圧に近い値を示し、コンクリートやグラウトは、各種水溶性塩類を多量に含んだ状態にあり導電性を示すことから電極間電圧値は、0Vに近い値となる。水(水道水、泥水など)は、空気とコンクリートやグラウトとの範囲内の電圧値を示す。したがって、閾値電圧をコンクリートやグラウトの場合に示される電圧値と水(水道水、泥水など)の場合に示される電圧値の中間値となるように設定した場合、得られる電極間電圧がこの閾値電圧よりも小さい場合には、コンクリートやグラウトであると判定する。閾値電圧よりも大きい場合には、水(水道水、泥水など)と空気のそれぞれで示される電圧の中間値となるように閾値電圧を改めて設定しなおし、得られる電極間電圧が設定しなおした閾値電圧よりも小さい場合には、水であると判定する。得られる電極間電圧が設定しなおした閾値電圧よりも大きい場合には、空気であると判定する。このような判定手法により測定対象物が何であるかを判定するのであるが、次に、このような充填センサを実際に用いた結果を示す実施例について説明する。
桁長32m、鋼材として12S12.7BのPC鋼材(緊張材)を桁内に4本配置するもので、シース管は鋼製外径68mmとしたポストテンション方式T型のプレストレストコンクリート(以下、PCコンクリート)の施工におけるグラウト充填を検知した例である。道路橋示方書に従って設計した前PCコンクリートにおいて、桁の配筋を行い、続いてシース管を配置した。充填センサの電極部は図6(a)に示すように、電極幅10mm、長さ10mm、電極間隔10mmの形状とし、材質はニッケルに金メッキ処理したものを用いた。本発明の充填センサを桁内に配置された4本のシース管にそれぞれ5個取り付けた。取り付けは、電極がシースの内側となるようにしシース管に穴を開けて取り付けた。検出部および無線通信部には、センサ、変調/復調、CPU、メモリ、センサ制御部などを備えたRFIDチップ、アンテナ、および蓄電機能を備え、センサと読み取り装置との通信には13.56MHzの周波数を用いた。
充填センサを取り付けた後、コンクリートを打設して蒸気養生を行い脱型し、2週間養生してPC鋼材を挿入、緊張した。充填に用いたグラウトは水セメント比を28%,35%,45%,55%の4種類として市販のグラウト用混和材料を用いて製造し、4本のシース管に各水セメント比のグラウトを注入した。注入は、グラウトポンプを用いてシース管の片側から行い、注入速度は10リットル/分で、シース管とPC鋼材との空隙率と、シース管の長さとから計算されるグラウトの設計数量の2/3とした。注入後、読み取り装置を用いてグラウトの充填を検知し、またグラウト硬化後に削孔によってセンサ付近のグラウトの充填状況を確認した。
その結果、本発明の充填センサでは、何れのシース管においても注入口から3ヶ所のセンサ位置でグラウト充填、残り2ヶ所でグラウト未充填であった。この結果は削孔によって確認したグラウト充填の有無と一致し、本発明のシステムでPCコンクリートのグラウト充填の有無を検知できることが判った。
(第2の実施形態)
グラウト等の流動体をシース管へ充填した後、一定以上の時間が経過すると、シース管に充填されたグラウト等の流動体が硬化する。そして、硬化に伴って自己収縮または硬化収縮等の現象が見られ、この現象が生じた結果、シース管と硬化したグラウト等との間に僅かな隙間が形成される場合がある。このようなグラウト等の自己収縮または硬化収縮等に起因する僅かな隙間は、施工上問題を生ずることは無く、無視できる誤差の範囲内にあることがほとんどである。
しかしながら、自己収縮等による無視できる程度の隙間が生じた場合、充填センサの電極が平面(二次元的)に構成されていると、収縮したグラウト等と接触しなくなる確率が高まり、「未充填」という判定がなされる可能性がある。そこで、第2の実施形態では、このような無視できるほどの僅かな隙間が生じただけでは判定結果に影響が出ないように、グラウト等の流動体に対して三次元方向への接触確率を高める構成を採っている。
図7は、第2の実施形態に係る充填センサの電極を示す斜視図である。第2の実施形態に係る電極は、一対の電極基部70a、70bが矩形状に形成された基板71の裏面71a上に設けられている。また、各電極基部70a、70bには、三次元的な凹凸部としての複数の突出部72が設けられており、各突出部72は、基板71を、裏面71aから表面71bの方向に、貫いている。ここでは、突出部72の個数を、プラスマイナスそれぞれ4つずつとし、プラス極の突出部72およびマイナス極の突出部72のそれぞれが基板71の対角線上に位置するように配置している。なお、突出部72の個数および基板71における配置は、図7に示すものに限定されるわけではない。なお、水滴が一つの突起に付着した場合と、複数の突起に同時付着した場合とを比較すると、水滴が突起から離脱しやすいのは複数の突起に付着した場合であることが本発明者によって見出されている。このため、突出部72を複数設ける場合は、各突出部72の間隔を水滴の径に近い大きさにすることによって、グラウト施工時に水滴が電極に付着した場合にその水滴を除去しやすくなるという効果が得られる。
図7において、突出部72の表面71bからの高さは、0.1mm以上が望ましいが、より好ましくは1mm以上である。グラウト充填等に利用の多い一般的なシース管80mmφの場合、グラウト等の練り混ぜ水量が適切でも0.1mm程度の収縮が起こる。このため、突出部72の表面71bからの高さが0.1mmよりも低い場合、突出部72とグラウト等の硬化体とが接触しなくなる確率が高くなる。さらに、グラウト等の流動体を製造する際の水量が多くなった場合、発生するブリーディングが多くなり、シース管と硬化したグラウト等との間に比較的大きな隙間が形成される場合がある。このような場合に、突出部72の表面71bからの高さが1mmよりも低いと、硬化したグラウト等と接触しない場合が生じる。
図8は、シース管の断面図である。シース管80に、突出部72を有する基板71が設けられている。図8において、突出部72の表面71bからの高さは、表面71bからシース管80の内面までの距離dよりも小さくなっている。このため、突出部72がシース管80の内面から飛び出ることがない。突出部72の先端がシース管内に突出すれば、例えば、シース管内に鋼材を通す際に、鋼材と突出部72とが接触し、突出部72が破損する恐れが生ずる。このため、突出部72の表面71bからの高さは、概ね5mm以下とすることが望ましい。また、突出部72の表面71bからの高さが5mmよりも高いと、充填センサ全体の小型化を図ることが難しくなる。したがって、突出部72の表面71bからの高さは、1mm〜5mmが好ましい範囲であるといえる。
以上のように、第2の実施形態によれば、突出部72が複数設けられているため、電極と測定対象物(流動体)との接触確率をさらに高めることが可能となる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る充填センサでは、フレキシブル基板に二次元的な一対の電極をプリントしたものを、湾曲させ、または屈曲させることにより、三次元的な凹凸をもたせるような構成を採っている。図9(a)〜(c)は、第3の実施形態に係る電極の断面図である。図9(a)に示す例では、フレキシブル基板90の表面90aに、第1の実施形態で示した二次元的な凹凸を有する一対の電極を設け、フレキシブル基板90を湾曲させている。また、図9(b)に示す例では、フレキシブル基板91の表面91aに、第1の実施形態で示した二次元的な凹凸を有する一対の電極を設け、フレキシブル基板91を1回屈曲させている。また、図9(c)に示す例では、フレキシブル基板92の表面92aに、第1の実施形態で示した二次元的な凹凸を有する一対の電極を設け、フレキシブル基板92を交互に3回屈曲させている。
図10(a)、(b)は、シース管80の断面図である。図10(a)に示す例では、湾曲したフレキシブル基板90に設けられた電極を用いている。また、図10(b)に示す例では、交互に3回屈曲させたフレキシブル基板92に設けられた電極を用いている。次に、このような各種電極を用いて、実際にグラウトを充填したときの状態について測定した結果を示す。
図11は、平面的な形状の電極、第2の実施形態に係る電極および第3の実施形態に係る電極をそれぞれシース管に取り付けて、シース管にグラウトを充填させた後の経過を示す図である。まず、グラウト充填前の電圧値は、1,320mVであった。そして、グラウトをシース管に充填させたときの電圧値は、平面電極の場合は35.2mV、湾曲した電極(第3の実施形態)の場合は26.4mV、突出部を有する電極(第2の実施形態)の場合は35.2mVであった。その後、日数が経過するに従って、グラウトが硬化していくが、上記のように、ブリーディングや自己収縮のため、シース管の内面と硬化したグラウトとの間に僅かな隙間ができることとなる。このため、平面電極の場合は、1日を経過した時点ですでにグラウト充填前の電圧値に近い値を示している。これは、グラウトが収縮したことにより、平面電極との接触の度合いが極端に小さくなったことを示している。
一方、三次元的な凹凸を有する第2および第3の実施形態に係る電極、すなわち、湾曲した電極および突出部を有する電極では、15日経過した段階でも安定した数値を示している。これは、硬化したグラウトに接触していることを示している。さらに、28日を経過しても、グラウト充填前の電圧値と比較して、これらの電極では、はるかに小さい値を示しているため、依然として電極がグラウトと接触していることが分かる。このように、一対の電極が、湾曲され、または突出部が設けられているので、三次元方向に対して、電極と測定対象物(流動体)との接触確率を高め、検出精度を高めることが可能となる。
なお、上記の測定実験では、敢えて第1の実施形態の平面電極の測定可能範囲を超えた収縮量を生じさせるために、グラウト製造時の練り混ぜ水量を通常の1.3倍とし、(水/セメント)比=55wt%で行っている。上記の測定実験の結果、このような設定で生じた収縮量に対しても、第2および第3の実施形態に係る電極は、硬化したグラウトに接触していることが明らかになっている。この測定実験では、あくまでも第2および第3の実施形態に係る電極の技術的効果を特徴付けるために上記の設定を行ったのであって、通常の水量の場合に、第1の実施形態である平面電極が不適切であることを示すものではない。
第1の実施形態に係る充填センサの概略構成を示すブロック図である。 (a)(b)は、電極の二次元的な形状を示す図である。 検出回路の概略構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る充填センサが取り付けられたシース管の外観を示す図である。 第1の実施形態に係る充填センサが取り付けられたシース管継ぎ手部材の外観を示す図である。 センサ取り付け部に取り付けられた電極を示す図である。 第2の実施形態に係る充填センサの電極を示す斜視図である。 シース管の断面図である。 (a)〜(c)は、第3の実施形態に係る電極の断面図である。 (a)および(b)は、シース管80の断面図である。 平面的な形状の電極、第2の実施形態に係る電極および第3の実施形態に係る電極をそれぞれシース管に取り付けて、シース管にグラウトを充填させた後の経過を示す図である。
符号の説明
1 充填センサ
2 検出部
3 無線通信部
10a、10b 電極
11 抵抗素子
12 インタフェース回路
13a 検出回路
13b 無線通信回路
14 アンテナ
15 凹凸部
16 リード線
17 凹凸部
30a 電圧印加回路
30b 電圧検出回路
30c 比較回路
30d 制御線
40 シース管
41 センサ取り付け部
50 シース管継ぎ手部材
51 センサ取り付け部
70a、70b 電極基部
71 基板
71a 基板71の裏面
71b 基板71の表面
72 突出部
80 シース管
90 フレキシブル基板
90a フレキシブル基板90の表面
91 フレキシブル基板
91a フレキシブル基板91の表面
92 フレキシブル基板
92a フレキシブル基板92の表面

Claims (10)

  1. 土木施工または建築施工で用いられる流動体が充填対象空間に充填された状況を検出する充填センサであって、
    一対の電極と、
    前記電極間に挿入された抵抗素子と、
    前記電極間に電圧を印加し、前記電極間の電気的特性を検出する検出部と、
    前記検出結果を読取装置に対して無線送信する無線通信部と、を備えることを特徴とする充填センサ。
  2. 前記検出部は、
    予め定められた一定の電圧印加時間に亘って前記電極間に電圧を印加する電圧印加回路と、
    前記電圧印加時間が経過した時の前記電極間の電圧を検出する電圧検出回路と、
    前記電圧検出回路が検出した検出電圧と、予め設定された閾値電圧とを比較し、その比較結果を出力する比較回路と、を備えることを特徴とする請求項1記載の充填センサ。
  3. 前記一対の電極は、相互に材質が異なる金属で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の充填センサ。
  4. 前記一対の電極は、二次元的な凹凸部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の充填センサ。
  5. 前記凹凸部は、矩形波状または鋸波状に形成され、相互に噛合するように配置されていることを特徴とする請求項4記載の充填センサ。
  6. 前記一対の電極は、湾曲、または屈曲されていることを特徴とする請求項4または請求項5記載の充填センサ。
  7. 前記一対の電極は、三次元的な凹凸部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の充填センサ。
  8. 前記一対の電極は、
    基板上に設けられた一対の電極基部と、
    前記各電極基部から突出する少なくとも一つの突出部と、を備えることを特徴とする請求項7記載の充填センサ。
  9. プレストレストコンクリート構造物におけるグラウト施工に用いられるシース管であって、
    シース管本体と、
    前記シース管の管壁に設けられたセンサ取り付け部と、
    前記センサ取り付け部に取り付けられた請求項1から請求項8のいずれかに記載の充填センサと、を備えることを特徴とするシース管。
  10. プレストレストコンクリート構造物におけるグラウト施工に用いられるシース管同士を繋ぐシース管継ぎ手部材であって、
    シース管継ぎ手部材本体と、
    前記シース管継ぎ手部材本体に設けられたセンサ取り付け部と、
    前記センサ取り付け部に取り付けられた請求項1から請求項8のいずれかに記載の充填センサと、を備えることを特徴とするシース管継ぎ手部材。
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