JP2007009446A - 建設機械用キャブのシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部からキャブ内への塵埃の侵入を防止し、また外部からキャブ内への騒音の侵入を防止して、居住性を改善すると共に組立性を向上する。
【解決手段】作業機の操作用ノブ14を有するリモコンバルブ15に取り付けた複数本のパイロットホース16を1つに束ね、該複数本のパイロットホース16を管状のホースガード19内に通し、該パイロットホース16を、作業機用キャブを囲っているフロア17の挿通孔18に、ホースガード16と共に挿通させてキャブの外部に導出させるようにした建設機械用キャブのシール構造であって、ホースガード19と挿通孔18との間をグロメット20によりシールするとともに、リモコンバルブ15とホースガード19との間を筒状シール部材21によりシールしてなる建設機械用キャブのシール構造。
【選択図】図2

Description

本発明は建設機械用キャブのシール構造に関するものであり、特に、作業機の操作用ノブを有するリモコンバルブに取り付けられた複数本のパイロットホースを1つに束ね、作業機用キャブを囲っている仕切板の挿通孔に挿通させて作業機用キャブの外部に導出させるための建設機械用キャブのシール構造に関するものである。
従来、例えば図5に示すように、作業機を操作する操作用ノブ1を有するリモコンバルブ2に取り付けた、複数本のパイロットホース3,3…を1つに束ね、該パイロットホース3,3…の束を管状のホースガード4内に通し、このパイロットホース3,3…をホースガード4と共に、建設機械のキャブを囲っている仕切板であるフロア5の挿通孔6に挿通させて、キャブの外部に導出させるようにした建設機械用キャブのシール構造は一般的に知られている。
また、グロメットにスリットを設けた挿通孔を複数個開穿し、各挿通孔に油圧ホースまたは電気ハーネスを1本ずつ挿通させるようにしたシール構造も知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−288781号公報。
図5に示した従来のシール構造は、フロア5の挿通孔6とホースガード4との間に隙間7があるため、この隙間7から塵埃が侵入してキャブ内が汚損される。また、この隙間7から騒音が侵入するという不具合も生じる。さらに、リモコンバルブ2とホースガード4との間に隙間8があるため、隙間8から塵埃が侵入してキャブ内が汚損される虞もある。
一方、特許文献1記載のシール構造は、挿通孔と油圧ホースまたは電気ハーネスの外径との差を小さくしてあるが、挿通孔が円筒状に開穿されているため、挿通孔内で油圧ホースまたは電気ハーネスが移動することがあり、しかるときは隙間が生じてシール性が必ずしも十分でなかった。また、複数本の油圧ホースまたは電気ハーネスを1本づつ挿通孔に挿通させるため、組立性が悪いという問題があった。
そこで、外部からキャブ内への塵埃の侵入を防止し、また外部からキャブ内への騒音の侵入を防止して、居住性を改善すると共に組立性を向上させるために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、作業機の操作用ノブを有するリモコンバルブに取り付けた複数本のパイロットホースを1つに束ね、該複数本のパイロットホースを管状のホースガード内に通し、前記パイロットホースを、作業機用キャブを囲っている仕切板の挿通孔に、前記ホースガードと共に挿通させて前記キャブの外部に導出させるようにした建設機械用キャブのシール構造において、前記ホースガードと前記挿通孔との間をグロメットによりシールするとともに、前記リモコンバルブと前記ホースガードとの間を筒状シール部材によりシールしてなる建設機械用キャブのシール構造を提供する。
この構成によれば、複数本のパイロットホースは、1つに束ねてホースガードに通され
、このホースガードに束ねられた状態で扱うことができるので組立性が向上する。そして、ホースガードと仕切板の挿通孔との間はグロメットによりシールされ、リモコンバルブとホースガードとの間は筒状シール部材によりシールされる。したがって、建設機械用キャブと外部との間の隙間は、グロメットと筒状シール部材により、完全にシールされるので、外部からキャブ内に侵入する塵埃や騒音を防止できる。
請求項2記載の発明は、請求項1において、上記ホースガードを、該ホースガードの外周面に環状凹部と環状凸部を交互に設けて形成するとともに、前記ホースガードが通る上記グロメットの中心孔内周面に、前記ホースガードの環状凹部内に嵌合される環状凸部と、前記ホースガードの環状凸部と嵌合される環状凹部とを設け、かつ、前記グロメットの外周面に上記挿通孔の内周面と密に嵌合される環状溝を設けた建設機械用キャブのシール構造を提供する。
この構成によれば、ホースガードとグロメットとの間の結合は、互いの環状凹部と環状凸部をそれぞれ嵌合させて結合し、グロメットと仕切板との間の結合は、グロメットの外周面に設けた環状溝を仕切板の挿入孔の内周面に嵌合させることにより、簡単、かつ、シール性の高いシールが行える。
請求項3記載の発明は、請求項1において、上記ホースガードを、該ホースガードの外周面に環状凹部と環状突部を交互に設けて蛇腹状に形成するとともに、前記筒状シール部材を可撓材により形成し、該筒状シール部材の一端部側が前記ホースガードの一端部を被覆し、前記筒状シール部材の他端部側が上記リモコンバルブの他端部を被覆し、かつ、前記ホースガードの一端部を被覆している前記筒状シール部材の一端部と前記リモコンバルブの他端部を被覆している前記筒状シール部材の他端部をそれぞれ外側からバンドで緊止してなる建設機械用キャブのシール構造を提供する。
この構成によれば、ホースガードとリモコンバルブとの間が、可撓材で作られた筒状シール部材で連結され、かつ、各連結部分がバンドで確実に緊止される。しかも、ホースガードと筒状シール部材との連結部分に取り付けられるバンドは、ホースガードの外周面に設けた環状凹部内に筒状シール部材の一部を締め付けて取り付けられるので、ホースガードと筒状シール部材との連結がよりシール性を高めて、また強固になされる。
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3において、上記リモコンバルブのパイロットホース取付部の断面外周形状を非円形とし、該リモコンバルブを被覆する上記筒状シール部材の断面内周形状を前記リモコンバルブの断面外周形状と略同一とした建設機械用キャブのシール構造を提供する。
この構成によれば、筒状シール部材により被覆されるリモコンバルブのパイロットホース取付部の断面外周形状が円形でない任意形状においても、リモコンバルブの断面外周形状と筒状シール部材の断面内周形状を略同一とすることによりシール性を高めることができる。
請求項1記載の発明は、キャブと外部との間が、グロメットと筒状シール部材により、完全にシールされるので、キャブ内の汚損と騒音の侵入を無くすことができ、キャブ内における居住性が向上する。また、複数本のパイロットホースは、1つに束ねてホースガードに通され、このホースガードを束ねられた状態で扱うことができるので、組立作業性が良い。さらに、そのシール部の構造が簡単で、確実にシールできるので、コストを抑え、かつ、シール性の向上を図る効果が期待できる。
請求項2記載の発明は、ホースガードとグロメットとの間の結合、及び、グロメットと仕切板との間の結合を、簡単、かつ、シール性を高めて確実に行えるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、さらにコストを抑え、かつ、さらにシール性の向上を図る効果が期待できる。
請求項3記載の発明は、ホースガードとリモコンバルブとの間が、可撓材で作られた筒状シール部材とバンドとにより確実に緊止されるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、さらにシール性の向上を図る効果が期待できる。
請求項4記載の発明は、筒状シール部材により被覆されるリモコンバルブのパイロットホース取付部の断面外周形状がどのような形状であっても対処でき、シール性を高めることができる。
以下、本発明の建設機械用キャブのシール構造について、好適な実施例をあげて説明する。
外部からキャブ内への塵埃の侵入を防止し、また外部からキャブ内への騒音の侵入を防止して、居住性を改善するという目的を達成するために、作業機の操作用ノブを有するリモコンバルブに取り付けた複数本のパイロットホースを1つに束ね、該複数本のパイロットホースを管状のホースガード内に通し、前記パイロットホースを、作業機用キャブを囲っている仕切板の挿通孔に、前記ホースガードと共に挿通させて前記キャブの外部に導出させるようにした建設機械用キャブのシール構造において、前記ホースガードと前記挿通孔との間をグロメットによりシールするとともに、前記リモコンバルブと前記ホースガードとの間を筒状シール部材によりシールしてなる建設機械用キャブのシール構造としたことにより実現した。
図1は本発明を適用した建設機械用キャブの内部構造を示す斜視図で、図2〜図4はその細部構造を示す。図1において、この建設機械のキャブ11は、油圧ショベルのキャブを示している。キャブ11の内部における左右両側には、コンソールボックス12,12を配設し、該コンソールボックス12,12の間に運転席の着座シート13を設置している。
コンソールボックス12,12の上面前部には、図示しないが、油圧ショベルの上部旋回体やブーム、アーム、バケット等を作動せしめる各種の作業用油圧アクチュエータを操作するための操作用ノブ14を設けている。
操作用ノブ14は、図2に示すように、リモコンバルブ15の一端部に取り付けられている。リモコンバルブ15の他端部には、図4に示すように、複数本(実施例の場合、3本)のパイロットホース16,16…が接続されている。
ここで、本実施例のシール構造は、キャブ11内と外部との間にわたって配設されるパイロットホース16,16のシール構造に関わるものであり、パイロットホース16,16…を1つに束ねた状態にするホースガード19と、このホースガード19をキャブ11内と外部との間を仕切っているフロア(仕切板)17の挿通孔18に係合されて固定するグロメット20と、ホースガード19とリモコンバルブ15との間の隙間をシールする筒状シール部材21等を備えている。
ホースガード19は、例えばゴム若しくは軟質プラスチック等の可撓性材にて、細長い
パイプ状に一体成形され、図3及び図4に示すように、外周面には環状凹部19aと環状凸部19bが交互に設けられて、屈曲可能に形成されている。
グロメット20は、例えばゴム若しくは軟質プラスチック等の弾性材にて平面視で略円上に形成され、図3に示すように、中央部には、ホースガード19を挿通させるための1個の断面円形のホース挿通孔20aが設けられ、このホース挿通孔20aの内周面にホースガード19の環状凹部19a及び環状凸部19bとそれぞれ嵌合し合う環状凸部20b及び環状凹部20cが交互に形成されている。また、外周面には、フロア17に形成された挿通孔18の外周縁の部分を受け入れ、かつ、フロア17の上下面を挟持する鍔部20d,20dを有してなる環状溝20eが形成されている。
筒状シール部材21は、例えばゴム若しくは軟質プラスチック等の弾性材にてチューブ状に形成され、図4に示すように、一端部側がホースガード19の一端部を被覆し、他端部側がリモコンバルブ15の他端部を被覆して、ホースガード19とリモコンバルブ15との間の隙間を完全にシールした状態で取り付けられている。また、筒状シール部材21が、ホースガード19とリモコンバルブ15との間に取り付けられた後からは、筒状シール部材21がリモコンバルブ15を被覆している連結箇所、及び、筒状シール部材21がホースガード19を被覆している連結箇所に、筒状シール部材21の外側からバンド22を緊止し、連結箇所の離脱防止を図っている。
次に、このように構成されているシール構造の組立手順の一例を説明する。まず、リモコンバルブ15に取り付けられた複数のパイロットホース16,16…を、1つに束ねてホースガード19に通し、かつ、ホースガード19とリモコンバルブ15との間に筒状シール部材21を取り付け、この筒状シール部材21でホースガード19とリモコンバルブ15との間の隙間をシールし、さらにバンド22でしっかりと緊止する。
続いて、ホースガード19を、グロメット20のホース挿通孔20aに挿通させ、ホースガード19の所定の位置に該グロメット20を取り付ける。グロメット20が取り付けられた部分では、環状凹部19aと環状凸部20b、及び、環状凸部19bと環状凹部20cとの間が密に嵌合され、グロメット20とホースガード19との間の隙間もシールされる。
次に、ホースガード19を、キャブ11の内側より、フロア17の挿通孔18に挿入する。グロメット20が挿通孔18の上縁部分でフロア17と当接したら、下側の鍔部20dを挿通孔18に強く押して差し込み、これを下縁側に至らせ、フロア17における挿通孔18の周縁を環状溝20eに係合させ、グロメット20をホースガード19と共にフロア17に取り付ける。これにより、グロメット20と挿通孔18との間の隙間もシールされ、パイロットホース16及びホースガード19がフロア17に取着される。
したがって、この構造では、ホースガード19とリモコンバルブ15との間は筒状シール部材21によりシールされ、ホースガード19とフロア17の挿通孔18との間はグロメット20によりシールされることになる。これにより、外部からキャブ11内への埃の侵入を防止でき、また外部からキャブ11内への騒音の侵入も防止できることになり、キャブ11の居住性が向上する。
また、複数本のパイロットホース16,16…は、1つに束ねてホースガード19に通され、このホースガード19を束ねられた状態で扱うことができるので、組立作業性が良い。さらに、そのシール部分の構造が簡単で、確実にシールできるので、低コストで、かつ、シール性の向上が図れる。
上記実施形態では、筒状シール部材21により被覆されるリモコンバルブ15のパイロットホース取付部の断面外周形状については特に言明していないが、該断面外周形状は円形に限定されるものではなく、非円形であっても筒状シール部材21の断面内周形状をリモコンバルブ15の断面外周形状と略同一にすることにより、シール性を高めることができる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
本発明の一実施例に係るシール構造を適用した建設機械用キャブの内部構造を示す斜視図。 同上実施例のシール構造を示す斜視図。 同上シール構造におけるフロアとホースガードとの間におけるシール部構造を示す断面図。 同上シール構造におけるリモコンバルブとホースガードとの間におけるシール部構造を示す概略断面図。 従来の建設機械用キャブのシール構造を示す斜視図。
符号の説明
11 キャブ
12 コンソールボックス
13 着座シート
14 操作用ノブ
15 リモコンバルブ
16 パイロットホース
17 フロア(仕切板)
18 挿通孔
19 ホースガード
19a 環状凹部
19b 環状凸部
20 グロメット
20a ホース挿通孔
20b 環状凸部
20c 環状凹部
20d 鍔部
20e 環状溝
21 筒状シール部材

Claims (4)

  1. 作業機の操作用ノブを有するリモコンバルブに取り付けた複数本のパイロットホースを1つに束ね、該複数本のパイロットホースを管状のホースガード内に通し、前記パイロットホースを、作業機用キャブを囲っている仕切板の挿通孔に、前記ホースガードと共に挿通させて前記キャブの外部に導出させるようにした建設機械用キャブのシール構造において、
    前記ホースガードと前記挿通孔との間をグロメットによりシールするとともに、
    前記リモコンバルブと前記ホースガードとの間を筒状シール部材によりシールしてなることを特徴とする建設機械用キャブのシール構造。
  2. 上記ホースガードを、該ホースガードの外周面に環状凹部と環状凸部を交互に設けて形成するとともに、前記ホースガードが通る上記グロメットの中心孔内周面に、前記ホースガードの環状凹部内に嵌合される環状凸部と、前記ホースガードの環状凸部と嵌合される環状凹部とを設け、かつ、前記グロメットの外周面に上記挿通孔の内周面と密に嵌合される環状溝を設けた請求項1記載の建設機械用キャブのシール構造。
  3. 上記ホースガードを、該ホースガードの外周面に環状凹部と環状突部を交互に設けて蛇腹状に形成するとともに、前記筒状シール部材を可撓材により形成し、該筒状シール部材の一端部側が前記ホースガードの一端部を被覆し、前記筒状シール部材の他端部側が上記リモコンバルブの他端部を被覆し、かつ、前記ホースガードの一端部を被覆している前記筒状シール部材の一端部と前記リモコンバルブの他端部を被覆している前記筒状シール部材の他端部をそれぞれ外側からバンドで緊止してなる請求項1記載の建設機械用キャブのシール構造。
  4. 上記リモコンバルブのパイロットホース取付部の断面外周形状を非円形とし、該リモコンバルブを被覆する上記筒状シール部材の断面内周形状を前記リモコンバルブの断面外周形状と略同一としたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の建設機械用キャブのシール構造。

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