JP2007009044A - 環状オレフィン付加重合体の製造方法および環状オレフィン付加重合体 - Google Patents

環状オレフィン付加重合体の製造方法および環状オレフィン付加重合体 Download PDF

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昇 大嶋
Takashi Imamura
孝 今村
Kenzo Okita
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Abstract

【課題】高温での酸化・劣化性および透明性の改良された環状オレフィン付加重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】(a)パラジウム化合物および/またはニッケル化合物、ならびに(b)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性のホウ素化合物およびイオン性のアルミニウム化合物の群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む触媒成分を用い、分子量調節剤としてα−オレフィン化合物、シクロペンテン環を有する化合物およびシクロアルカジエン環を有する化合物の群から選ばれた少なくとも1種の化合物の存在下で、環状オレフィン化合物を付加重合し、得られる付加重合体をさらに水素化処理する環状オレフィン付加重合体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、水素化処理された環状オレフィン付加重合体の製造方法および環状オレフィン付加重合体に関する。
環状オレフィン付加重合体は、高透明性、高耐熱性の光学材料として知られている。
環状オレフィン付加重合体は、ガラス転移温度の高い特徴を生かして、200〜250℃付近での使用が求められることが多い。例えば、フィルムまたはシートへの成形加工時の溶媒除去、鉛フリーハンダ付け、ITO電極付けなどフィルムまたはシートへの二次加工時に、高温での処理が求められる。しかし、これら成形加工時や二次加工時の処理において、付加重合体の末端または側鎖置換基に炭素−炭素不飽和結合を有する付加重合体のフィルムまたはシートは、酸素が存在すると、150℃以上の高温で劣化、着色などの問題が起こることがある。
成形品の色相を改良する目的で、α−オレフィンと環状オレフィンのランダム付加共重合体をさらに水素化する方法は、特許文献1(特開2002−105131号公報)で知られている。しかしながら、この方法では、α−オレフィン由来の構造単位を含まない環状オレフィン付加重合体は対象外である。また、この方法では、付加重合の代表的触媒として可溶性のバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物から形成される触媒を用いる一方、水素化する触媒は代表的にはラネーニッケル、活性炭担持パラジウム、ウイルキンソン錯体などが用いられ、付加重合触媒と、水素化触媒は異なっている。
また、側鎖置換基に炭素・炭素不飽和結合を有する環状オレフィンの付加重合体の耐酸化・劣化性を改良する目的で、これら生成する環状オレフィンの付加共重合体を水素化する方法が、特許文献2(特開2002−317014号公報)、特許文献3(特開2003−160620号号公報)などで知られている。しかし、これらの先行技術においても、付加重合触媒と、水素化触媒は異なっている。
ところで、ニッケルまたはパラジウムを含む触媒で、分子量を制御する方法として
1)分子量調節剤としてα−オレフィンを用いる方法
特許文献4(特許第3476466号公報)、特許文献5(特開2003−40929号公報)
2)分子量調節剤としてシクロペンテンを用いる方法
特許文献6(米国特許第6,455,650号明細書)の実施例92,93、94
3)分子量調節剤としてシクロアルカジエンを用いる方法
特許文献7(特開2002−212209号公報)
などが挙げられる。
これら分子量調節剤を用いて得られる環状オレフィン付加重合体は、重合体末端が直鎖状または分岐のオレフィン結合を有する重合体、重合体末端が環状のオレフィン結合を有する重合体および重合体末端が環状のジエン結合を有する重合体である。
このため、高温下での空気(酸素)による着色、劣化を改良するためには、側鎖置換基の炭素・炭素不飽和結合以外に重合体末端に存在する炭素・炭素不飽和結合を水素などで水素化され、炭素・炭素の飽和結合にする必要がある。
パラジウム系および/またはニッケル系触媒を用いて得た付加重合体は、重合に用いる触媒が多いと付加重合体に触媒の金属が多く残存して、高温下で色相を悪化させたり、酸化劣化を促進したり、光学透明性、特にヘイズの低下を招くことがある。このため、付加重合体中から触媒残さの除去は高温での酸化劣化や透明性の改良に重要な因子の一つである。
一方、特定のパラジウム触媒(〔Pd(CHCN)〕[BF)を用いて得られるによるレジスト用の低分子量(Mw10,000以下)の極性付加重合体の脱触媒に対して、水素処理が有効であることが知られている。(非特許文献1:Okoroanyanwu et al.Chem.Mater.1998,10,3319−3327)
特開2002−105131号公報 特開2002−317014号公報 特開2003−160620号号公報 特許第3476466号公報 特開2003−160620号号公報 米国特許第6,455,650号明細書 特開2002−212209号公報 Okoroanyanwu et al.Chem.Mater.1998,10,3319−3327
本発明は、高温での酸化・劣化に伴う着色やゲル生成を防ぎ、透明性の改良された環状オレフィン付加重合体の製造方法および環状オレフィン付加重合体を提供するものである。
本発明は、(a)パラジウム化合物および/またはニッケル化合物、ならびに
(b)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性のホウ素化合物およびイオン性のアルミニウム化合物の群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む触媒成分を用い、
分子量調節剤としてα−オレフィン化合物、シクロペンテン環を有する化合物およびシクロアルカジエン環を有する化合物の群から選ばれた少なくとも1種の化合物の存在下で
下記式(1)で表される環状オレフィン化合物を付加重合し、
得られる付加重合体をさらに水素化処理することを特徴とする環状オレフィン付加重合体の製造方法に関する。
なお、上記触媒成分には、さらに必要に応じて、(c)有機アルミニウム化合物を含めてもよい。
Figure 2007009044
〔式(1)において、AからAは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシロキシシリル基から選ばれた原子もしくは基、または加水分解性のシリル基、オキセタニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基から選ばれた極性基を有する有機基である。また、AとAまたはAとAとが、それぞれが結合する炭素原子と共に脂環構造、芳香環構造、酸無水物基またはカルボンイミド基を形成していてもよい。また、mは0または1の整数である。〕
また、本発明は、下記式(1’)で表される構造単位を有し、する重合体であって、重合体末端に直鎖アルキル構造、分岐アルキル構造またはシクロアルカン環構造を有し、o−ジクロロベンゼンを溶媒とし、120℃、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー法で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が5,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000である、環状オレフィン付加重合体に関する。
Figure 2007009044
〔式(1’)において、A〜Aおよびmの定義は、上記式(1)と同じである。〕
本発明の方法で得られる水素化処理された環状オレフィン付加重合体は、フィルムまたはシートの形態において、高温での耐酸化劣化性が改良され、透明性も優れたものになる。
触媒成分
触媒成分(a)のパラジウム化合物、ニッケル化合物:
本発明の触媒成分(a)であるパラジウム化合物、ニッケル化合物は、下記の群の化合物が用いられる。
1)パラジウム(II)またはニッケル(II)の炭素数1〜20のカルボン酸塩、炭素数1〜20のスルフォン酸塩、炭素数4〜30のリン酸エステル塩などのパラジウムまたはニッケルの有機酸塩、パラジウム(II)またはニッケル(II)の炭素数5〜15のベータジケトン化合物
2)N、O,P原子で配位する中性ドナーの配位子が配位したパラジウムまたはニッケルの錯体
3)σおよびまたはπ結合でPd原子に結合するアルキル基、アリル基、アリール基、シクロアルカジエニル基、シクロアルカジエン基、置換または未置換のシクロペンタジエニル基から選ばれた置換基を有するパラジウム錯体またはニッケル錯体
具体的には
1)パラジウム(II)またはニッケル(II)のカルボン酸塩、スルフォン酸塩、リン酸エステル塩などのパラジウムまたはニッケルの有機酸塩、パラジウム(II)またはニッケル(II)のベータジケトン化合物、
メタン酸パラジウム、エタン酸パラジウム、トリフルオロエタン酸パラジウム、
ブタン酸パラジウム、2−エチルヘキサン酸パラジウム、ドデカン酸パラジウム、
オクタデカ−9−エン酸パラジウム、シクロヘキサンカルボン酸パラジウム、
ベンゼンカルボン酸パラジウム、3−メチルベンゼンカルボン酸パラジウム、
4-メチルベンゼンカルボン酸パラジウム、ナフタレンカルボン酸パラジウム、
ビス(ブチルホスフェート)パラジウム、ビス(ジブチルホスフェート)パラジウム、
ビス(ジヘキシルホスフェート)パラジウム、
メタンスルフォン酸パラジウム、トリフルオロメタンスルフォン酸パラジウム、
p−トルエンスルフォン酸パラジウム、ベンゼンスルフォン酸パラジウム、
ナフタレンスルフォン酸パラジウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸パラジウム、
パラジウムビス(2,4−ペンタジオナート)、パラジウムビス(1−エトキシ−1,3−ブタンジオナート)、パラジウムビス(1,1,1-トリフルオロ−5,5,5−トリフルオロ−2,4−ペンタジオナート)、パラジウムビス(2,2,6,6-テトラメチルヘプタ-3,5-ジオナ-ト)、
ニッケルのカルボン酸塩として、エタン酸ニッケル、トリフルオロエタン酸ニッケル、
2−エチルヘキサン酸ニッケル、n−オクタン酸ニッケル、デカン酸ニッケル、
オクタデカ−9−エン酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、オクタデカン酸ニッケル、
シクロヘキサンカルボン酸ニッケル、ベンゼンカルボン酸ニッケル、
2−メチルベンゼンカルボン酸ニッケル、4-メチルベンゼンカルボン酸ニッケル、
ナフタレンカルボン酸ニッケル、
p−トルエンスルフォン酸ニッケル、ベンゼンスルフォン酸ニッケル、
ドデシルベンゼンスルフォン酸ニッケル、
リン酸ジエチルニッケル、リン酸ジブチルニッケル、リン酸ジオクチルニッケル、
ニッケルビス(2,4−ペンタジオナート)、ニッケルビス(1−エトキシ−1,3−ブタジオナート)、ニッケルビス(1,1,1−トリフルオロ−5,5,5,−トリフルオロー2,4−ペンタジオナート)、
ニッケルビス(2,2,6,6-テトラメチルヘプタ-3,5-ジオナ-ト)、
などが挙げられる。
本発明において、触媒成分(a)のパラジウム化合物は、上記パラジウム(II)のカルボン酸塩、スルフォン酸塩、リン酸エステル塩などの有機酸塩化合物およびパラジウム(II)のベータジケトン化合物を用いるときは、さらに下記一般式(2)−1または(2)−2で表される(d)ホスフィン化合物を添加することにより、重合活性を向上させることができる。
P(R ・ ・ ・ ・ (2)−1
P(R ・ ・ ・ ・ (2)−2
〔式(2)−1、式(2)−2において、Pはリン原子、Rは炭素数5〜12の未置換またはアルキル置換のシクロペンチル基、シクロヘキシル基から選ばれた置換基、Rは炭素数1〜5のアルキル基、および炭素数6〜12の未置換またはアルキル置換のフェニル基から選ばれた置換基である。〕
これらホスフィン化合物は、上記のパラジウムの有機酸塩化合物またはベータジケトン化合物と付加錯体化された形で用いてもよい。
これらホスフィン化合物の具体例としては、
トリシクロペンチルホスフィン、ジシクロペンチル(イソプロピル)ホスフィン、
ジシクロペンチルフェニルホスフィン、ジシクロペンチルシクロオクチルホスフィン、
トリシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシル(イソプロピル)ホスフィン、
ジシクロヘキシル(t−ブチル)ホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、
ジシクロヘキシル(2−エチルヘキシル)ホスフィン、
ジシクロヘキシル(o−トリル)ホスフィン、
などが挙げられる。
2)N、O、P原子で配位する中性ドナーの配位子が配位したパラジウムまたはニッケルの錯体
これらの錯体としては、
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド、
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジブロマイド、
ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジクロライド、
ビス〔トリ(2−メチルフェニル)ホスフィン〕パラジウムジブロマイド、
ビス〔トリ(4−メチルフェニル)ホスフィン〕パラジウムジブロマイド、
1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンパラジウムジクロライド、
1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンパラジウムジクロライド、
ビス(ジメチルグリオキシム)パラジウムジクロライド、
〔PhPCC(O)NPh〕Pd(η−CH)(PMe)や
〔PhPCC(O)Nt-Bu〕Pd(η−CH)(PMe)で表される
2-ジフェニルホスファニルベンズアミドパラジウム錯体、
ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロライド、
ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジブロマイド、
ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケルジクロライド、
ビス〔トリ(2−メチルフェニル)ホスフィン〕ニッケルジブロマイド、
ビス〔トリ(4−メチルフェニル)ホスフィン〕ニッケルジブロマイド、
1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンニッケルジクロライド、
1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケルジクロライド、
〔PhPCC(O)NPh〕Ni(η−CH)(PMe)や
〔PhPCC(O)Nt-Bu〕Ni(η−CH)(PMe)で表される
2-ジフェニルホスファニルベンズアミド ニッケル錯体、
(PhPCH=C(O)Ph)Ni(Ph)(CH=PPh)、
(PhPCH=C(O)Ph)Ni(Ph)(NCH)、
(PhPCH=C(O)Ph)Ni(Ph)(PPh)、
などで表されるP〜Oでキレートしたニッケル錯体、
などが挙げられる。
3)σおよびまたはπ結合でPd原子に結合するアルキル基、アリル基、アリール基、シクロアルカジエニル基、シクロアルカジエン基、置換または未置換のシクロペンタジエニル基から選ばれた置換基を少なくとも1つを有するパラジウム錯体またはニッケル錯体
これらの錯体の具体例としては、
(1,5-シクロオクタジエン)パラジウムジクロライド、
〔(η-クロチル)(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム〕ヘキサフルオロホスフェート、
〔(η-クロチル)(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム〕テトラフルオロボレート、
〔(η-アリル)(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム〕{テトラキス〔3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ボレート}、
〔(η-クロチル)(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム〕〔テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〕、
〔(η-アリル)(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム〕{トリフルオロエタン酸}
(シクロペンタジエニル)(メチル)(トリフェニルホスフィン)パラジウム、
ビス〔(トリシクロヘキシルホスフィン)(メチル)パラジウム(クロライド)〕
(1,5,9-シクロドデカトリエン)パラジウム、
ビス(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン)パラジウム、
ビス(η-アリルパラジウムクロライド)、
(1,5-シクロオクタジエン)ニッケルジクロライド、
〔(η-クロチル)(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル〕ヘキサフルオロホスフェート、
〔(η-クロチル)(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル〕テトラフルオロボレート、
〔(η-アリル)(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル〕{テトラキス〔3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ボレート}、
〔(η-クロチル)(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル〕〔テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〕、
(シクロペンタジエニル)(メチル)(トリフェニルホスフィン)ニッケル、
(1,5,9-シクロドデカトリエン)ニッケル、
ビス(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン)ニッケル、
ビス(η-アリルニッケルクロライド)
などが挙げられる。
触媒成分(b)のルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性のホウ素化合物またはイオン性のアルミニウム化合物から少なくとも1種選ばれた化合物:
1)ルイス酸性のホウ素化合物
ルイス酸性のホウ素化合物は、式(3)で表される化合物である。
B(R・(D) ・ ・ ・式(3)
〔式(3)中、Bはホウ素原子、Rはフッ素原子置換、またはフッ素化アルキル置換のフェニル基またはフッ素原子、Dは炭素数1〜10のジアルキルエーテル、トリアルキルアミン、フェノールおよびアルコールから選ばれた電子供与性の化合物、hは0または1の整数である。〕
ルイス酸性のホウ素化合物の具体例としては、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、
トリス(3,5−フルオロフェニル)ホウ素、
トリス〔3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ホウ素、
三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、
三フッ化ホウ素・ジブチルエーテル錯体、
三フッ化ホウ素・トリエチルアミン錯体、
などの化合物が挙げられる。
2)ルイス酸性のアルミニウム化合物
ルイス酸性のアルミニウム化合物は、式(4)で表される化合物である。
AlR 3−k ・ ・ ・式(4)
〔式(4)中、Alはアルミニウム原子、Rはフッ素原子置換、またはフッ素化アルキル置換のフェニル基または炭素数1〜10のアルキル基、またはアリール基、Xはフッ素、塩素、臭素から選ばれたハロゲン原子、kは0〜3の整数を示す。〕
ルイス酸性のアルミニウム化合物の具体例としては
トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、
トリス(3,5−フルオロフェニル)アルミニウム、
トリス〔3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕アルミニウム、
三フッ化アルミニウム、ジエチルエーテル錯体、
エチルアルミニウムジフルオライド、
エチルアルミニウムジクロライド、
ブチルアルミニウムジブロマイド、
ジエチルアルミニウムフルオライド、
3,5−ジメチルフェニルアルミニウムジフルオライド
などの化合物が挙げられる。
3)イオン性のホウ素化合物
イオン性のホウ素化合物は、式(5)で表される化合物である。
〔R〔B(R ・ ・ ・式(5)
〔式(5)中、Rはカルボニウムカチオン、ホスフォニウムカチオン、アンモニウムカチオン、アニリニウムカチオンから選ばれた炭素数1〜30の有機カチオン、Rはフッ素原子置換またはフッ化アルキル置換のフェニル基、Bはホウ素原子を示す。〕
このようなイオン性のホウ素化合物としては
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(p-トリル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニル(メチル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ビス(ジフェニル)メチルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、
トリフェニルホスフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニルホスフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジフェニルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
リチウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、
など挙げられる。
4)イオン性アルミニウム化合物
イオン性のアルミニウム化合物は、式(6)で表される化合物である。
〔R〔Al(R ・ ・ ・式(6)
〔式(6)中、Rはカルボニウムカチオン、ホスフォニウムカチオン、アンモニウムカチオン、アニリニウムカチオンから選ばれた炭素数1〜30の有機カチオン、Rはフッ素原子置換またはフッ化アルキル置換のフェニル基、Alはアルミニウム原子を示す。〕
このようなイオン性アルミニウム化合物の具体例としては、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミナート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アルミナート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アルミナート、
トリフェニルカルベニウムテトラフェニルアルミナート
など挙げられる。
以上1)〜4)の触媒成分(b)の中で、3)イオン性ホウ素化合物が好ましく、特にカルベニウムカチオンやホスフォニウムカチオンのイオン性ホウ素化合物が好ましい。
(c)有機アルミニウム化合物:
触媒成分(c)の有機アルミニウム化合物は、重合系に存在した場合に重合を阻害するアミン類、硫黄化合物を除去する作用がある。また、触媒成分(c)は任意成分であり、触媒成分(a)のパラジウム化合物またはニッケル化合物がアルキル基やη-アリル基を有する場合や、触媒成分(a)がパラジウムの有機カルボン酸塩である場合は、必ずしも必要としない。
触媒成分(c)としての有機アルミニウム化合物は、少なくとも1つのアルミニウム−アルキル結合を有するアルミニウム化合物である。
その具体例としては、
メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサンなどアルキルアルモキサン化合物、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム化合物や
ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド化合物などが好ましく用いられ、
ジエチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムクロライドなどのハロゲン原子を有するアルキルアルミニウム化合物も用いることができる。
本発明において、触媒成分(a)の特定の化合物と触媒成分(b)の特定の化合物が錯体化された下記式(7)で表されるパラジウム錯体を用いることにより、酸素が存在する雰囲気下でも耐性がある触媒となる。この場合は、新たな触媒成分(a)や触媒成分(b)は必要としない。
〔P(R〕Pd(Y) または
〔P(RPd(Y)
・ ・ ・ ・ ・式(7)
〔式(7)中、Pdはパラジウム原子、Yは有機カルボン酸アニオン、Pはリン原子、Rはシクロヘキシル基またはシクロペンチル基を示す。〕
これら触媒成分は、以下の範囲の使用量で用いられる。
触媒成分(a)のパラジウム化合物は、単量体1モルに対して、0.001〜0.2ミリモル、好ましくは0.002〜0.1ミリモルの範囲で用いられる。
触媒成分(d)のホスフィン化合物は触媒成分(a)のパラジウム原子に対して、0.2〜5.0、モル、好ましくは0.5〜2.0モルの範囲で用いられる。
触媒成分(a)のニッケル化合物は、単量体1モルに対して0.02〜2.0ミリモル、好ましくは0.05〜1.0ミリモルの範囲で用いられる。
触媒成分(b)のルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性のホウ素化合物またはイオン性のアルミニウム化合物から選ばれた化合物は、触媒成分(a)のパラジウム化合物またはニッケル化合物 1モル当たり、0.1〜10モル、好ましくは0.5〜2.0モルである。
触媒成分(c)の有機アルミニウム化合物は、触媒成分(a)のパラジウム化合物またはニッケル化合物 1モル当たり、100モル以下、好ましくは 1〜10モルの範囲で用いられる。
触媒成分の添加方法は、特に制約はないが、通常、
(1)単量体と重合溶媒の混合物に触媒成分(a)、触媒成分(b)および必要に応じて触媒成分(c)を添加する方法、
(2)触媒成分(a)がパラジウムの有機酸塩またはベータジケトン化合物に限定されるが、単量体と重合溶媒の混合物に触媒成分(d)、触媒成分(a)、触媒成分(b)、さらに必要に応じて触媒成分(c)の順に添加する方法、
(3)あらかじめ、触媒成分(a)、(b)および(c)を混合接触したものを単量体、重合溶媒の混合物に添加する方法、
などの方法が用いられる。
単量体
本発明の上記式(1)で表される単量体(環状オレフィン化合物)の具体例として、以下の化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
*)極性基、官能基を置換基として有しない単量体の例:
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ヘプチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−−エン、
5−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ドデシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,6−ベンゾビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
3,4−ベンゾトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン。
*)置換基としてアルコキシカルボニル基を有する単量体の例:
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸メチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t-ブチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸メチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−メチルカルボン酸メチル−2−カルボン酸メチル、
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル、
4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル。
*)置換基としてトリアルキルシロキシカルボニル基を有する単量体の例:
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリエチルシリル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸ジエチルブチル、
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸トリエチルシリル。
*)置換基としてオキセタニル基を有する単量体の例:
5−[(3−エチル−3−オキタセニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[(3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチル。
*)置換基として加水分解性のアルコキシシリル基を有する単量体の例:
5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチルジメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチルジエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチルジクロロシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
9−トリメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−トリエトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−メチルジメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−エチルジメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−シクロヘキシルジメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−フェニルジメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−ジメチルメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−トリクロロシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−ジクロロメチルシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−クロロジメチルシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−クロロジメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−ジクロロメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、
9−クロロメチルメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン。
*)側鎖置換基に加水分解性のシラシクロアルキル基を有する単量体の例:
5−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−3’,4’−ジメチル−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−3’−メチル−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−フェニル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−メチル−2’,6’−ジオキサ−4’,4’−ジメチル−1’−シラシクロヘキシル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
9−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン。
*)置換基としてカルボンイミド基を有する単量体の例:
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−N−シクロヘキシル−2,3−カルボンイミド、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−N−フェニル−2,3−カルボンイミド、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−N−(2’,6’−ジメチルフェニル)−
2,3−カルボンイミド、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−スピロ−N−シクロヘキシル−スクシンイミド、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−スピロ−N−(2’,4’−ジメトキシフェニル)スクシンイミド。
*)置換基として酸無水物基を有する単量体の例:
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−無水カルボン酸、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−スピロ−3’−exo−無水スクシン酸、
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−無水カルボン酸。
本発明において、式(1)で表される環状オレフィン化合物として、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン および/または アルキル基の炭素数が1〜6の5−アルキルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを、少なくとも全単量体中に少なくとも50モル%を含むことにより、パラジウム系触媒では少ない触媒量によって付加重合が可能となり、生成する付加重合体から靱性のあるフィルムまたはシートが得られる。
また、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン 1モルに対して endo体のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンを 0.2〜1.2モルを含む単量体から形成される付加重合体からも靱性のあるフィルムまたはシートが得られる。
分子量調節剤
本発明に用いられる分子量調節剤は、α−オレフィン化合物、シクロペンテン環を有する化合物およびシクロアルカジエン環を有する化合物の群から選ばれた少なくとも1種である。好ましくは、炭素数1〜12のα−オレフィン化合物、シクロペンテン環を有する炭素数5〜15のシクロペンテン化合物、炭素数6〜10のシクロアルカジエン環を有する炭素数6〜15の炭化水素化合物の群から選ばれた少なくとも1種である。
(1)上記α−オレフィン化合物を分子量調節剤として用いると、生成する付加重合体末端は、直鎖、または分岐のアルケン構造を有する付加重合体が得られる。
(2)上記シクロペンテン環を有する化合物を分子量調節剤として用いると、生成する付加重合体の末端はシクロペンテン環構造を有する付加重合体が得られる。
(3)上記シクロアルカジエン環を有する化合物を分子量調節剤として用いると、生成する付加重合体の末端はシクロアルカジエン環を重合体末端に有する付加重合体が得られる。
(1)α−オレフィン化合物:
エチレン、プロパ−1−エン、ブタ−1−エン、1−メチルプロパ−1−エン、ヘキサ−1−エン、オクタ−1−エン、デカ−1−エン、スチレンなどが挙げられる。
α−オレフィン化合物の使用量は、α−オレフィン化合物の種類、触媒種、触媒量および目的とする付加重合体の分子量によるが、パラジウム系触媒を用いた場合、通常、単量体1モル当たり、0.001〜0.5モル、このましくは0.005〜0.2モルの範囲で用いられる。
また、ニッケル触媒の場合は、α−オレフィン化合物の使用量は単量体1モル当たり、0.001〜0.1モル、好ましくは0.005〜0.05モルの範囲で用いられる。
(2)シクロペンテン環を有する化合物:
シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、3−エチルシクロペンテン、3−イソプロピルシクロペンテン、3−n−プロピルシクロペンテン、3−n−ブチルシクロペンテン、3−ペンチルシクロペンテン、3−ヘキシルシクロペンテン、3−シクロヘキシルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、4−エチルシクロペンテン、4−イソプロピルシクロペンテン、4−フェニルシクロペンテン、
などから選ばれた化合物が用いられる。好ましくは、シクロペンテン、アルキル基の炭素数が1〜3のアルキル置換のシクロペンテン、さらに好ましくはシクロペンテンである。
シクロペンテン化合物の使用量は、シクロペンテン化合物の種類、触媒種、触媒量および目的とする付加重合体の分子量によるが、パラジウム系触媒を用いた場合、通常、単量体1モル当たり、0.05〜5モル、好ましくは0.1〜2モルの範囲で用いられる。
また、ニッケル触媒の場合は、シクロペンテン化合物の使用量は、通常、単量体1モル当たり、0.001〜0.5モル、好ましくは0.005〜0.1モルの範囲で用いられる。
(3)シクロアルカジエン環を有する化合物:
シクロオクタ−1,5−ジエン、3−メチルシクロオクタ−1,5−ジエン、
3−エチルシクロオクタ−1,5−ジエン、シクロオクタ−1,4−ジエン、
シクロヘキサー1,4−ジエン、3−エチルシクロヘキサ−1,4−ジエン、
などが挙げられる。
シクロアルカジエン環を有する化合物の使用量は、パラジウム系触媒を用いた場合、通常、単量体1モル当たり、0.001〜0.1ミリモル、好ましくは0.002〜0.05ミリモルの範囲で用いられる。
また、ニッケル触媒の場合は、シクロアルカジエン環を有する化合物の使用量は、単量体1モル当たり、通常、0.01〜10ミリモル、好ましくは0.05〜5ミリモルの範囲で用いられる。
これら分子量調節剤と本発明の触媒を用いることにより、水素化前の環状オレフィン付加重合体の重量平均分子量(Mw)を10,000〜500,000、好ましくは50,000〜300,000の範囲に制御することができる。
本発明において、付加重合に用いることができる溶媒としては、例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒などであるが、非ハロゲン系の溶媒を用いることが安全衛生上や環境対策上、好ましい。
また、付加重合後、重合体溶液をそのまま、フィルムまたはシートの成形に用いる場合は、溶媒として芳香族炭化水素溶媒を主体とした溶媒が好ましい。
なお、本発明においては、これら溶媒を2種以上使用した混合溶媒も用いることができる。
重合溶媒は、単量体100重量部当たり、0〜2,000重量部、好ましくは100〜500重量部の範囲で用いることができる。
また、重合温度は、通常、−20〜120℃、好ましくは10〜80℃の範囲とされ、経時的に温度を変えることも可能である。
本発明の重合系の雰囲気は、窒素下、アルゴン下、および空気下でも行うことができる。
本発明においては、単量体を一括して仕込む方式や逐次添加する方式など採ることができる。2種以上の単量体を用いる場合、生成する共重合体は共重合反応性の違いと単量体の仕込み方法により、組成分布ないランダムな共重合体から組成分布のある共重合体まで制御することができる。また、重合プロセス方式としては、バッチ重合方式、あるいは、槽型反応器、塔型反応器もしくはチューブ型反応器などによる連続重合方式いずれも採用することができる。
水素化処理
本発明の環状オレフィン付加重合体において、本発明のような分子量調節の存在下で分子量を一定の範囲に制御した環状オレフィン付加重合体は、付加重合体末端に直鎖状または分岐状のオレフィン性の炭素・炭素不飽和結合や環状の内部オレフィンの不飽和結合が存在する。このため、熱や光による着色やゲル化などの劣化が150℃以上の高温、酸素存在下で起こる。
このため、生成した環状オレフィン付加重合体をさらに水素化処理することにより、耐熱劣化性がさらに改良されたものになる。その水素化率は高い程好ましいが、通常、50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
(1)α−オレフィン化合物を分子量調節剤として用いた場合に生成する付加重合体末端の直鎖、または分岐のアルケン構造は水素化により、直鎖アルキルまたは分岐アルキル構造となる。
(2)シクロペンテン環を有する化合物を分子量調節剤として用いた場合に生成する付加重合体の末端のシクロペンテン環構造は、水素化により、シクロペンタン環構造となる。
(3)シクロアルカジエン環を有する化合物を分子量調節剤として用いた場合に生成する付加重合体の末端のシクロアルカジエン環構造は、水素化により、シクロアルカン環構造となる。
また、水素化反応により、付加重合体の末端の炭素・炭素の不飽和結合が飽和化されるばかりでなく、未反応の単量体も水素化で飽和化され、高温での酸化によるエポキシ化物の生成やラジカルの発生源の生成を防ぐことができる。
さらに、水素化により、付加重合体に結合しているパラジウムやニッケルを切断し、Pd(0)またはNi(0)に還元し、これら金属を吸着やろ過による付加重合体からの分離を容易にすることができる。
本発明の水素化方法は、付加重合に用いた重合触媒をそのまま、水素による水素化に用いることが好ましい。しかし、水素化時に、ニッケル、パラジウム、コバルト、白金、ルテニウム、ロジウムなどの、金属、酸化物、ハロゲン化物、またはそれら化合物を活性炭、アルミナ、シリカ、シリカ/アルミナ混合物、ケイソウ土、ゼオライトなどの多孔性担体に担持した固体触媒、あるいはニッケル、コバルト、パラジウム、チタニウムなどの、有機カルボン酸塩化合物、ベータジケトン化合物、ホスフィン配位化合物、シクロアルカジエニル化合物、アルコキシ化合物と有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機リチウムから選ばれた有機金属化合物の組み合わせや、ルテニウム、ロジウム、イリジウムなどのホスフィン錯体、第3級アミン錯体、カルベン錯体などの錯体などから選ばれた水素化触媒を添加することができる。
また、有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、または有機リチウム化合物だけを水素化時に添加することも可能である。添加される水素化触媒の量は、生成付加重合体に対して遷移金属原子として1〜500ppm、好ましくは2〜200ppmである。
水素化反応は、重合終了後の付加重合体溶液に水素ガス圧、0.1〜15MPa、好ましくは0.5〜12MPa、さらに好ましくは2.0〜10MPa、反応温度は10〜200℃、好ましくは30〜150℃、さらに好ましくは50〜120℃で行われる。さらに、反応時間は、通常、10〜300分、好ましくは30〜180分程度である。
本発明において、水素化された付加重合体の溶液を、乳酸、グリコール酸、オキシプロピオン酸、オキシ酪酸などのオキシカルボン酸やトリエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、エチレンジアミンテトラ酢酸塩などの水溶液を用いて抽出・分離処理するか、珪藻土、シリカ、アルミナ、活性炭、セライトなどの吸着剤を用いて吸着およびフィルターでのろ過分離の処理を行うことにより脱触媒が行われる。
さらに、脱触媒された溶液から、直接、溶媒を蒸発除去したり、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類やアセトン、メチルエチルケトンなどのケトンを用いて凝固し、次いで乾燥したりすることにより、目的とする水素化された環状オレフィン付加重合体が得られる。
このような方法により、本発明の水素化された付加重合体は、Pd原子またはNi原子およびAl原子として、それぞれ5ppm以下、好ましくはは1ppm以下さらに好ましくは0.1ppm以下にすることができる。
本発明の水素化された環状オレフィン系付加重合体のガラス転移温度(Tg)は、重合に用いる単量体の種類や量により決定され、重合体が使用される用途に応じて適宜選択すればよいが、通常、150〜450℃、好ましくは200〜400℃である。上記重合体のガラス転移温度が150℃未満の場合は耐熱性に問題が生じることがあり、一方、450℃を超えると重合体が剛直になり靱性が低下して割れやすくなることがある。
本発明において、上記式(1)で表される単量体である環状オレフィン化合物は、付加重合と、それに続く水素化処理により、上記式(1’)で表される構造単位を有する重合体であって、重合体末端に直鎖アルキル構造、分岐アルキル構造またはシクロアルカン環構造を有し、o−ジクロロベンゼンを溶媒とし、120℃、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー法で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が5,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000の付加重合体となる。
本発明において、水素化された環状オレフィン付加重合体の分子量は、o−ジクロロベンゼンを溶媒とし、120℃、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー法で測定され、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が5,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000、好ましくは数平均分子量(Mn)が10,000〜150,000、重量平均分子量(Mw)が50,000〜300,000である。数平均分子量(Mn)が5,000未満、重量平均分子量(Mw)が10,000未満では、フィルムまたはシートとした際、割れやすいものとなる。一方、数平均分子量(Mn)が300,000、重量平均分子量(Mw)が500,000を超えると、溶液流延法(キャスト法)でフィルムまたはシートを作製する際に重合体の溶液粘度が高くなりすぎて、取り扱いが困難となったり、また平坦性のよいフィルムまたはシートを得ることが困難となる。
本発明において、環状オレフィン付加重合体は、フェノール系、ヒドロキノン系酸化防止剤として、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2,2’-メチレンビス(4−エチル−6−t-ブチルフェノール)、
2,5−ジ-t-ブチルヒドロキノン、
ペンタエリスリチルテトキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、
などの酸化防止剤、
リン系酸化防止剤として
トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、
トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(イソデシル)ホスファイト、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、
などの酸化防止剤
さらにはチオエーテル系、ラクトン系から選ばれた酸化防止剤を
付加重合体100重量部当たり、0.01〜5重量部添加して、さらに耐熱劣化性を改良することができる。
本発明の水素化された付加重合体もしくは水素化された付加重合体を含む組成物の成形法については特に限定されるものではないが、熱履歴による重合体の劣化を抑制できる点で、本発明の水素化された付加重合体もしくはその付加重合体を含む組成物を溶媒に溶解させて支持体に塗工し、しかる後、溶媒を乾燥させる溶液流延法(キャスト法)により、フィルム、シートおよび薄膜が得られる。
溶液流延法に用いられる溶媒は、水素化された付加重合体を溶解させる溶媒である必要がある。付加重合体の多くはシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素溶媒や、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素溶媒に溶解する。しかしながら、脂環族炭化水素溶媒は、本発明の水素化された環状オレフィン付加重合体に対して、芳香族溶媒より溶解性は優れるが、膜厚によっては、乾燥時にフィルムまたはシートから残留溶媒が除去できないことが多い。このため、この溶媒として、比較的沸点の低いトルエン、キシレン、エチルベンゼンなどから選ばれた芳香族炭化水素溶媒を主成分とした溶媒が用いられる。
本発明の製造方法により得られた環状オレフィン付加重合体は、光学材料部品をはじめ、電子・電気部品、医療用器材、電気絶縁材料あるいは包装材料などに使用することができる。例えば、光学材料としては、導光板、保護フィルム、偏向フィルム、位相差フィルム、タッチパネル、ITO透明電極基板、透明導電性フィルム、近赤外フィルム、CD、MD、DVDなどの光学記録基板、TFT用基板、カラーフィルター基板などや光学レンズ類、封止材などに用いることができる。電子・電気部品としては、容器、トレイ、キャリアテープ、セパレーション・フィルム、洗浄容器、パイプ、チューブなどに用いることができる。医療用器材としては、薬品容器、アンプル、シリンジ、輸液用バック、サンプル容器、試験管、採血管、滅菌容器、パイプ、チューブなどに用いることができる。電気絶縁材料としては、電線・ケーブルの被覆材料、コンピューター、プリンター、複写機などのOA機器の絶縁材料、フレキシブルプリント基板の絶縁材料などに用いることができる。包装材料としては、食品や医薬品などのパッケージフィルムなどに用いることができる。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限を受けるものではない。
なお、分子量、ガラス転移温度、共重合体の組成および透明性は下記の方法で求めた。
(1)分子量
ウォーターズ(WATERS)社製150C型ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)装置で東ソー(株)製Hタイプカラムを用い,o−ジクロロベンゼンを溶媒として120℃で測定した。得られた分子量は標準ポリスチレン換算値である。
(2)ガラス転移温度
ガラス転移温度は動的粘弾性で測定されるTanδ(貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”との比Tanδ=E”/E’)の温度分散のピーク温度で測定した。動的粘弾性の測定はレオバイブロンDDV−01FP(オリエンテック製)を用い、測定周波数が10Hz、昇温速度が4℃/分、加振モードが単一波形、加振振幅が2.5μmのものを用いてTanδのピーク温度を測定した。
(3)共重合体中の組成解析
重合後の重合体溶液の一部を採取し、標準物質としてテトラリンを添加し、過剰のイソプロパノールで重合体を凝固した。その上澄み溶液をガスクロマトグラム(島津製作所製GC−14B)装置、キャピラリーカラム(膜厚1μm、内径0.25mm、長さ60m、カラム温度200℃)を使用することにより、検量線から残留単量体量を分析した。残留単量体量と仕込み単量体量から生成した共重合体の組成を求めた。
(4)フィルムの耐熱劣化テスト
膜厚100μmのフィルムを空気雰囲気下で200℃、90分間曝して、透明性(400nmでの光線透過率、ヘイズ)および着色性(イエロ−インデックス:YI)を測定した。
(5)透明性(光線透過率、ヘイズ)
膜厚100μmのフィルムを可視UVスペクトロメーターHITATI U−2010 Spectrophotometerを用いて、400nmの光線透過率をASTM−D1003に従い測定した。
また、ヘイズはビックケミージャパン製「Haze−gard plus BKY Gardner」を用いて、JIS K7105−1981に準じて求めた。
(6)イエローインデックス(YI)の測定法
膜厚100μmのフィルムを空気雰囲気下で200℃、90分間曝した後、ASTM D1925に準じて、BKY−Gardner社製 TCSII分光測色計を用いて、YIを室温で測定した。
実施例1
2,000mlの耐圧反応器に窒素雰囲気下で水分10ppmのトルエン 470ml、単量体の5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを400mmol、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン 500mmolを仕込み、分子量調節剤シクロペンテンを300mmol仕込んだ。次に、触媒成分(a)のパラジウムジ(エタノアート)を0.01mmol、触媒成分(d)のトリシクロヘキシルホスフィン0.01mmolを仕込んだ。さらに、2分後、触媒成分(b)のトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔PhC・B(C〕 0.01mmolを仕込んで、付加重合を60℃で開始した。
重合開始1時間後、および3時間後にビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンをそれぞれ50mmolを添加して重合を6時間行った。付加重合体への転化率は99.8%であった。
生成した付加共重合体の5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに由来する構造単位の割合は40モル%であった。生成した付加重合体溶液の1/2を水素化用の耐圧オートクレーブに移し替え、水素ガスを仕込み、水素圧5.0MPaで100℃で水素化反応を2時間行った。
重合体溶液に酸化防止剤ペンタエリスリチルテトキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトをそれぞれ付加重合体100重量部当たり、0.3重量部添加し、溶解した後、セライトのフィルターで通し、さらに口径10μmのポリテトラフルオロエチレン(商標名:テフロン)製のフィルター(以下「テフロンフィルター」ともいう)を通した。
水素化された付加共重合体は、数平均分子量(Mn)が45,000、重量平均分子量(Mw)が165,000で、そのガラス転移温度は280℃であった。
これら付加共重合体溶液を固形分20重量%のトルエン溶液に調製し、溶液流延法により製膜し、その後、180℃、90分乾燥して、膜厚100μmのフィルムを得た。このフィルムを用いて耐熱劣化テストを行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、水素化してない付加重合体溶液を実施例1と同様にしてセライトのフィルターで通し、さらに口径10μmのテフロンフィルターを通した。
水素化されてない付加共重合体は、数平均分子量(Mn)が46,000、重量平均分子量(Mw)が166,000であった。
実施例1と同様にして、膜厚100μmのフィルムを作製し、耐熱劣化テストを行った。
結果を表1に示す。
実施例2
100mlのガラス製耐圧ビンに窒素雰囲気下で、単量体として5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン 100mmol、溶媒トルエン50ml、分子量調節剤シクロペンテンを175mmolを仕込み、ゴムキャップ付き穴あき王冠で封止した。触媒としてパラジウムジ(エタノアート)を0.0005mmol、トリシクロヘキシルホスフィンを0.0005mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔PhC・B(C〕 0.0005ミリモルを用いて50℃で6時間重合を行った。付加重合体への転化率は90%であった。
この付加重合体溶液を300mlの耐圧オートクレーブに移し、水素圧3MPa、水素化温度100℃で水素化反応を行った。
実施例1と同様にして、重合体溶液に酸化防止剤ペンタエリスリチルテトキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトをそれぞれ付加重合体100重量部当たり、0.3重量部添加し、溶解した後、セライトのフィルター、口径10μmのテフロンフィルターを通して脱触媒を行い、さらに溶液流延法により、膜厚100μmのフィルムを得た。耐熱老化テストの結果を表1に示す。
また、付加重合体溶液をメタノールで凝固し、さらに乾燥して水素化された5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンの付加重合体を得た。
この付加重合体の数平均分子量(Mn)は12,900、重量平均分子量(Mw)は32,000で、そのガラス転移温度は260℃であった。また、この付加重合体の270MHzでのH−NMR(核磁気共鳴)装置(JEOL製)で測定したスペクトルを図1に示す。
後記比較例2の水素化されてない5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンの付加重合体の270MHzでのH−NMR(核磁気共鳴)のスペクトル(溶媒:重水素化ベンゼン)で5.8ppm、6.0ppm付近の環状オレフィンの−CH=の吸収が観測されないことから、実施例2の付加重合体の末端は水素化されていることが判る。
比較例2
実施例2にて水素化してない付加重合体溶液を実施例2と同様にしてセライトのフィルターで通し、さらに口径10μmのテフロンフィルターを通した。
水素化されてない付加共重合体は数平均分子量(Mn)は13,000、重量平均分子量(Mw)は32,000であった。
実施例2と同様にして膜厚100μmのフィルムを作製し、耐熱劣化テストを行った。
結果を表1に示す。
また、この付加重合体の270MHzでのH−NMR(核磁気共鳴)のスペクトル(溶媒:重水素化ベンゼン)を図2に示す。
比較例2の水素化されてない5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンの付加重合体の270MHzでのH−NMR(核磁気共鳴)のスペクトルで5.8ppm、6.0ppm付近の環状オレフィンの−CH=の吸収が観測された。
実施例3
実施例1でシクロペンテンの代わりにヘキサ−1−エンを75mmolを用いる以外、実施例1と同様に行った。付加共重合体中の5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン由来の構造単位の割合は40モル%であった。
水素化された付加共重合体の数平均分子量(Mn)は46,000、重量平均分子量(Mw)は168,000であった。耐熱劣化テストの結果を表1に示す。
比較例3
実施例3にて水素化されてない付加重合体溶液を実施例3と同様にしてセライトのフィルターで通し、さらに口径10μmのテフロンフィルターを通した。
水素化されてない付加共重合体は数平均分子量(Mn)は47,000、重量平均分子量(Mw)は170,000であった。
実施例3と同様にして膜厚100μmのフィルムを作製し、耐熱劣化テストを行った。
結果を表1に示す。
実施例4
100mlのガラス製耐圧ビンに窒素雰囲気下で水分5ppmのトルエン 20ml、シクロヘキサン 20ml、単量体のendo体のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンを30mmol、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン 60mmol、5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを3mmol仕込み、分子量調節剤シクロペンテンを3ミリモルを仕込んだ。耐圧ビンの口を穴あき王冠付きゴムキャップで封止した。次に、ゴムキャップを通じて触媒成分(a)の2−エチルヘキサン酸ニッケルを0.025mmol、および触媒成分(b)のトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔PhC・B(C〕 0.05mmolを仕込んで、最後に触媒成分(c)のトリエチルアルミニウムを0.125mmolを添加して、付加重合を30℃で開始した。
重合開始1時間後、および3時間後にビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンをそれぞれ5mmolを添加して重合を6時間行った。付加重合体への転化率は95%であった。
生成した付加共重合体のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンに由来する構造単位の割合は27モル%であった。この付加共重合体溶液にトルエン20mlを追加して希釈し、その半分を水素圧3.0MPa、80℃で4時間、水素化を行った。
水素化後の付加重合体溶液にケイソウ土の粉末を10g添加し、40℃で30分攪拌した後、フィルターでろ過し、付加重合体溶液を分離した。付加重合体溶液を1Lのメタノールに入れ、付加重合体を凝固し、乾燥して付加重合体を回収した。付加共重合体の数平均分子量(Mn)106,000、重量平均分子量(Mw)は213,000であった。
酸化防止剤を添加しない以外、実施例1と同様にして膜厚100μmのフィルムを作製し、耐熱劣化テストを行った。結果を表1に示す。
得られた付加共重合体のフィルムの破断強度は 67MPa、破断伸びは8.7%で、靱性のあるフィルムであった。
比較例4
実施例4において、水素化を行わない付加重合体溶液をそのままケイソウ土処理および凝固・乾燥して付加重合体を回収した。実施例4と同様に酸化防止剤を添加しないで、実施例1と同様にして膜厚100μmのフィルムを作製し、耐熱劣化テストを行った。結果を表1に示す。
実施例5
100mlのガラス製耐圧ビンに窒素雰囲気下で、単量体として、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン 70mmol、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン 10mmol、4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル 10mmol、溶媒トルエン 50ml、分子量調節剤シクロペンテンを65mmolを仕込み、ゴムキャップ付き穴あき王冠で封止した。触媒としてパラジウムビス(2,4−ペンタジオナート))を0.0005mmol、トリシクロヘキシルホスフィンを0.0005mmol、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン〔B(C〕 0.0005ミリモルおよびトリエチルアルミニウム0.0025mmolを用いて50℃で6時間重合を行った。重合の途中1時間および2時間後にそれぞれビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン5mmolを重合系へ添加した。付加重合体への転化率は93%であった。
残留単量体のガスクロマトグラムによる分析から、生成付加重合体の5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン由来の構造単位は9.3モル%、4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル由来の構造単位の割合は6.0モル%であった。
この付加重合体溶液を300mlの耐圧オートクレーブに移し、トリエチルアルミニウムを0.005mmolを添加して、水素圧3MPa、水素化温度100℃で水素化反応を行った。実施例1と同様にして、重合体溶液に酸化防止剤ペンタエリスリチルテトキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトをそれぞれ付加重合体100重量部当たり、0.3重量部添加し、溶解した後、セライトのフィルター、口径10μmのテフロンフィルターを通して脱触媒を行い、さらに溶液流延法により、膜厚100μmのフィルムを得た。耐熱老化テストの結果を表1に示す。
また、付加重合体溶液をメタノールで凝固し、さらに乾燥して水素化された付加重合体を得た。
この付加重合体の数平均分子量(Mn)は52,900、重量平均分子量(Mw)は162,000で、そのガラス転移温度は330℃であった。

















Figure 2007009044
本発明の製造方法により得られた環状オレフィン付加重合体は、光学材料部品をはじめ、電子・電気部品、医療用器材、電気絶縁材料あるいは包装材料などに使用することができる。
例えば、光学材料としては、導光板、保護フィルム、偏向フィルム、位相差フィルム、タッチパネル、ITO透明電極基板、透明導電性フィルム、近赤外フィルム、CD、MD、DVDなどの光学記録基板、TFT用基板、カラーフィルター基板などや光学レンズ類、封止材などに用いることができる。電子・電気部品としては、容器、トレイ、キャリアテープ、セパレーション・フィルム、洗浄容器、パイプ、チューブなどに用いることができる。医療用器材としては、薬品容器、アンプル、シリンジ、輸液用バック、サンプル容器、試験管、採血管、滅菌容器、パイプ、チューブなどに用いることができる。電気絶縁材料としては、電線・ケーブルの被覆材料、コンピューター、プリンター、複写機などのOA機器の絶縁材料、フレキシブルプリント基板の絶縁材料などに用いることができる。包装材料としては、食品や医薬品などのパッケージフィルムなどに用いることができる。
実施例2で得られた水素化処理された環状オレフィン付加重合体のH−NMRスペクトルである。 比較例2で用いた水素化処理されていない環状オレフィン付加重合体のH−NMRスペクトルである。

Claims (5)

  1. (a)パラジウム化合物および/またはニッケル化合物、ならびに
    (b)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性のホウ素化合物およびイオン性のアルミニウム化合物の群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む触媒成分を用い、
    分子量調節剤としてα−オレフィン化合物、シクロペンテン環を有する化合物およびシクロアルカジエン環を有する化合物の群から選ばれた少なくとも1種の化合物の存在下で
    下記式(1)で表される環状オレフィン化合物を付加重合し、
    得られる付加重合体をさらに水素化処理することを特徴とする環状オレフィン付加重合体の製造方法。
    Figure 2007009044
    〔式(1)において、AからAは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシロキシシリル基から選ばれた原子もしくは基、または加水分解性のシリル基、オキセタニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基から選ばれた極性基を有する有機基である。また、AとAまたはAとAとが、それぞれが結合する炭素原子と共に脂環構造、芳香環構造、酸無水物基またはカルボンイミド基を形成していてもよい。また、mは0または1の整数である。〕
  2. 触媒成分として、さらに(c)有機アルミニウム化合物を含む、請求項1記載の環状オレフィン付加重合体の製造方法。
  3. 付加重合の触媒成分(b)がカルベニウムカチオンまたはホスフォニウムカチオンのイオン性ホウ素化合物である請求項1または2記載の環状オレフィン付加重合体の製造方法。
  4. 式(1)で表される環状オレフィン化合物が、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンおよび/またはアルキル基が炭素数1〜6の5−アルキルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを、全単量体中に少なくとも50モル%を含む請求項1〜3いずれかに記載の環状オレフィン付加重合体の製造方法。
  5. 下記式(1’)で表される構造単位を有し、重合体末端に直鎖アルキル構造、分岐アルキル構造またはシクロアルカン環構造を有し、o−ジクロロベンゼンを溶媒とし、120℃、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー法で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が5,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000である、環状オレフィン付加重合体。
    Figure 2007009044
    〔式(1’)において、AからAは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシロキシシリル基から選ばれた原子もしくは基、または加水分解性のシリル基、オキセタニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基から選ばれた極性基を有する有機基である。また、AとAまたはAとAとが、それぞれが結合する炭素原子と共に脂環構造、芳香環構造、酸無水物基またはカルボンイミド基を形成していてもよい。また、mは0または1の整数である。〕

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