本実施形態に係るマッサージ機は、施療箇所に当接して施療動作する施療体と、この施療体を動作させるための操作手段とを備えるマッサージ機において、前記操作手段に、マッサージ動作を開始させるための複数のスタートボタンを設け、しかも各スタートボタンに、マッサージ基準位置となる肩位置の異なった初期値をそれぞれ割付け、各スタートボタンが操作された場合、割付けられた肩位置の初期値に基いてマッサージが実行されるようにしたものである。
本実施形態では、上記マッサージ機を、被施療者が腰掛ける座部と、この座部に背もたれ部とオットマンと呼ばれる脚載部とを連設した椅子型マッサージ機として説明する。そして、前記背もたれ部には、機械式施療体として、もみ玉を上下昇降可能及び前後進退可能に配設するとともに、前記背もたれ部や座部及び脚載部には、エア式施療体としてエアバッグを配設している。
これら施療体を、例えばリモートコントローラ(以下「リモコン」という)のような遠隔操作可能な操作手段を用いて動作させ、機械式による基本マッサージ(もみ、たたき、指圧等)を単独で行えるほか、これら基本マッサージや前記エア式マッサージからなるショートプログラムを適宜組合せて、複数の施療箇所を所定の時間(例えば15分)でマッサージするようにプログラミングされた複数種の自動コースによるマッサージを行えるようにしている。なお、プログラムにしたがった自動コースの実行や前記もみ玉、エアバッグに給排気するポンプ、その他の機構などの制御は、制御部によって行われる。
自動コースによるマッサージを実行する場合、被施療者によって身長(座高)が異なることから、被施療者ごとにマッサージ位置の基準を設けなくてはならないが、本実施形態では、上述したように、複数のスタートボタンが設けられ、しかも、各スタートボタンに、マッサージ基準位置となる肩位置の異なった初期値がそれぞれ割付けられていることから、各スタートボタンが操作されると、マッサージ機の工場出荷時において予め割付けられた肩位置の初期値に基いて、ただちにマッサージが実行されるようになっている。
例えば、3つのボタンには、身長155cm、165cm、175cm程度の人に見合った肩位置の初期値が割付けられるとともに、代表的な自動コース(例えば全身マッサージ)を実行させる信号を出力可能としており、165cm程度の身長の被施療者であれば、165cm用のボタンを操作すればよく、このボタン操作のみで、ただちに快適な自動コースによるマッサージが開始されるのである。
このように、誰でも自分の肩位置(身長)に応じたスタートボタンを操作すればよいことから、極めて簡単な操作で済み、例えば機械操作を苦手とする女性や高齢者などでも、簡便にマッサージ施療を受けることができる。
なお、各スタートボタンには、肩位置のみではなく、例えば身長に応じた標準的な体形データを割付けておいてもよく、体形データに基いて自動マッサージを実行することとすれば、マッサージの強弱についても被施療者に適切なものとなり、操作などが極めて簡便でありながら被施療者を十分満足させることのできる自動マッサージコースを実行することが可能となる。
上記複数のスタートボタンは、リモコン上に所定の順序で並設することが望ましい。
例えば、リモコンを手にしたときに操作しやすい位置で、かつ横一列に配置するとよい。一方が最も背の低い人用で他方が背の高い人用、中央が中背の人用ということが直感的に分かり、操作性が向上する。
また、上記マッサージ機において、前記肩位置の初期値を任意な値に更新可能とした特別スタートボタンを、前記複数のスタートボタンにさらに並設することができる。
この特別スタートボタンを設けることによって、被施療者自身に最適な肩位置をいつでも入力して登録することができるようになり、マッサージ箇所の基準がより正確になることから、被施療者が十分に満足のいく自動コースによるマッサージを受けることができるようになる。この特別スタートボタンについても、その操作がなされるとただちに自動コースが開始されることは当然である。
なお、この特別スタートボタンには、単にデフォルトの自動コースを実行させる機能だけではなく、被施療者が好みでプログラミングしたオリジナルの自動コースを呼び出して実行できるようにするとなおよい。オリジナルの自動コースのプログラミング(あるいは作成)方法については周知の方法で構わない。
また、前記特別スタートボタンと他のスタートボタンとは、少なくとも視覚的に識別できることが望ましい。例えば、特別スタートボタンのみ色やデザインを変えることなどが考えられる。
また、前記肩位置の初期値は、複数のスタートボタンに一定の順序で割付けられており、しかも、それぞれ任意に更新可能とすることもできる。
すなわち、肩位置の初期値が、例えば横一列に配置された複数のスタートボタンに、左から右にかけて値の小さい順に割付けることができ、前述したように、工場出荷時状態の初期値の配置が直感的に分かるので操作性が向上する。さらに、特別スタートボタンのみならず、スタートボタン全ての肩位置を初期値から任意に更新可能とすることによって、複数の異なる被施療者それぞれが自身に最適な肩位置の値を登録しておくことが可能となり、家族全員でマッサージ機を利用する場合などに極めて使いやすくなる。
またこの場合、前記操作手段に、更新した肩位置の設定値を前記初期値に戻すリセット機能を設けるとよい。
すなわち、誰がどのスタートボタンの初期値を更新したのか分からなくなったりしてもリセット機能によって瞬時に初期値、すなわち工場出荷状態に戻すことができる。かかるリセット機能をはたらかせる方法としては、例えば、リモコンに設けられたボタン群の中から所定の2個のボタンを同時に押下するなどの方法が考えられる。
以下、本実施形態に係るマッサージ機について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
図1は本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図、図2は同マッサージ機よりカバーなどを取り除いた状態を示す斜視図、図3は本実施の形態に係るマッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
本実施形態に係るマッサージ機Aは、図1〜図3に示すように、被施療者Mが着座する座部1と、同座部1を支持する基台部2と、前記座部1の後側に倒伏自在にリクライニングできるように連結された背もたれ部3と、座部1の前側上部近傍に設けた枢支部1aを中心に上下方向へ揺動可能に連結した所謂オットマンと呼ばれる脚載部4とを具備する椅子式マッサージ機としている。前記背もたれ部3は、左右両側に体側施療部として機能する側壁部6,6と、後述する機械式のマッサージユニット11(図4〜図8参照)備えている。なお、5,5は前記座部1の左右側に設けた肘掛部である。
前記基台部2を除く各部については、必要に応じて合成皮革などからなるカバーにより直接被覆するか、あるいは同じくカバーで被覆したクッション部材を配設している。C1は座部1に載置された座部クッション、C30は背もたれ部3の全体を被覆するように着脱自在に取付けられた背もたれクッション、C31は、前記背もたれクッションC30に面ファスナーを介して上端同士を着脱自在とした枕状クッション、C4は前記脚載部4を被覆する脚載部用カバー、C6は前記側壁部6に設けた体側部用エアバッグa3を被覆しているエアバッグ用カバーである。
また、図2に示すように、前記背もたれ部3の長孔31aを挟んで、背もたれ板31の左右側上部には背中部用エアバッグa1,a1を、左右側下部に腰部用エアバッグa2,a2をそれぞれ配設し、背中や腰を押圧するエアマッサージを実行可能としている。
背もたれ部3の左右端部に取付けた前記側壁部6の内側面には、それぞれ左右方向に2個の体側部用エアバッグa3,a3を重合状態に取付けて体側施療部として機能させている。前記側壁部6は、取付基端部61側の上下長よりも先端部側の上下長を長くした略扇形形状とするとともに、座部1に着座した被施療者Mの上腕側方となる位置に配設し、前記取付基端部61側から先端部側にかけて漸次外側方に拡開させている。
さらに、前記座部1の後部側には臀下部用エアバッグa4を、前部側には腿部用エアバッグa5を、左右側には臀側部用エアバッグa6をそれぞれ取付けている。
前記脚載部4は、左右の脚を受ける半円筒状の左右脚受部18,18を並設した本体部15と、同本体部15の先端に連設するとともに左右の足裏を受ける半円筒状の左右足裏受16,16を並設した足裏受部17とから側面視略L字状に形成しており、前記本体部15の各脚受部18,18の両内側面に左右で対をなす脚上部用エアバッグa7,a7,a7,a7を取付けるとともに、前記足裏受部17の各足裏受16,16の両内側面に左右で対をなす脚下部用エアバッグa8,a8,a8,a8を取付けている。
前記体側部用エアバッグa3を含む複数のエアバッグa1〜a8には、図3に示すように、エアポンプ25から給気される。このエアポンプ25は、同エアポンプ25から圧入される大気を一時的に貯留して各エアバッグa1〜a8へ分流する分流器(図示せず)を連通連結している。そして、この分流器には、各エアバッグa1〜a8に対応する複数の吐気口が設けられ、各吐気口には同吐気口の開口を開閉する電磁弁(図示せず)を設けている。そして、分流器の各吐気口と対応するエアバッグa1〜a8とを、これも図示しない耐圧ホースによってそれぞれ連結し、前記電磁弁の開閉動作を後述する制御手段としての制御部G(図3参照)により制御して所要のエアバッグa1〜a8を個別に給排気し、エアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることにより、被施療者Mに対してエアマッサージを施すように構成している。なお、電磁弁B1〜B18の開閉動作によってエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることができる一方、エアバッグa1〜a8を膨張状態(膨出状態)に保持することもできる。
このように、本実施形態に係るマッサージ機Aでは、制御部Gによってエアバッグa1〜a8の膨縮に関わる前記エアポンプ25のオン・オフ動作や各エアバッグa1〜a8に対して給排気を行うための電磁弁の開閉動作を制御し、所要のエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させてエアマッサージを実行させることができる。本実施形態では、前記複数のエアバッグa1〜a8を、基本的に足元のエアから順次給気するようにしている。例えば、体側部のエア施療を行わない場合は、脚下部用エアバッグa8+脚上部用エアバッグa7→腿部用エアバッグa5→臀側部用エアバッグa6+臀下部用エアバッグa4→腰部用エアバッグa2→背中部用エアバッグa1の順に給気する。なお、体側部のエア施療を行う場合は、脚下部用エアバッグa8+脚上部用エアバッグa7→体側部用エアバッグa3→腿部用エアバッグa5→臀側部用エアバッグa6+臀下部用エアバッグa4→腰部用エアバッグa2→背中部用エアバッグa1の順に給気する。
次に、前述したマッサージユニット11について、図4〜図8を参照して説明する。このマッサージユニット11の動作も前述のエアバッグa1〜a8同様に後述する制御部Gにより制御される。
マッサージユニット11は、図7及び図8に示すように、背もたれ部3に上下昇降自在に設けられている。なお、図7及び図8において、31は背もたれ部3の背もたれ板であり、左右の縦フレーム30,30の前側に取付けられ、略中央には所定幅の長孔31aを形成している(図2参照)。32は背面カバー体32であり、この背面カバー体32と前記背もたれ板31との間にユニット配設空間Qを形成し、このユニット配設空間Qにマッサージユニット11は配設される。
また、マッサージユニット11は、図4〜図6に示すように、もみ玉駆動ユニット9を収納配設しており、このもみ玉駆動ユニット9は、施療体として配設した左右一対のもみ玉7,7を前後方向に揺動させることによってたたき作動を行わせるたたき機構70と、前記もみ玉7,7を偏心回動させることによってもみ作動を行わせるもみ機構8とを具備するとともに、背もたれ部3の表面側(被施療者Mと接する側)に向けて進退移動可能に構成され、進退した位置によってマッサージ強度、すなわち、もみ玉7,7による被施療者Mへの押圧力が変わるようにしている。
かかるもみ玉駆動ユニット9の動きによって、多種のマッサージを実行できるとともに、マッサージ位置や強度を適宜組み合わせることで多彩なマッサージ態様で施療することができる。また、本実施形態では、前記もみ玉駆動ユニット9内にバイブ用モータm6(図3参照)を配設し、もみ玉駆動ユニット9を振動させてバイブマッサージも行えるようにするとともに、脚載部4内にもバイブレータ(図示せず)を設け、より多彩なマッサージ態様を実行できるようにしている。
なお、図4〜図6中、m1はマッサージユニット11を昇降させるための昇降用モータ、28は前記昇降用モータm1と連動連結するとともに、前記もみ玉駆動ユニット9を前後揺動自在に支持した昇降軸、29,29は同昇降軸28の両端に取り付けたピニオンギヤであり、前記背もたれ部3に配設した縦フレーム30,30のラック13(13)と噛合している(図7参照)。
また、m2は前記もみ玉駆動ユニット9を前後方向へ進退移動させるための進退用モータであり、同モータm2の駆動により進退軸43を回転させ、円弧状ラック46,46上を前記進退軸43に取り付けたピニオン44,44を前後方向に移動させてもみ玉駆動ユニット9を揺動させて進退可能としている。49は前記進退軸43を回動自在に支持するための軸受である。
前述した一方の円弧状ラック46の側部には、扇形板材の周縁に複数の貫通孔を所定の間隔で開設してなる進退位置検出用基板81が取付けてあり、この進退位置検出用基板81の貫通孔の位置に光線を出射して通過光の検出回数によってもみ玉駆動ユニット9の進退位置を検出する進退位置検出センサ82が、進退位置検出用基板81の一部を挟持するように配設されている。
また、m3は前記もみ機構8の主構成要素であるもみ用モータであり、もみ用回動軸(図示せず)を介してもみ玉7,7と連動連結している。このもみ用モータm3にたたき用モータm4を並設しており、たたき用回動軸を介してもみ玉7,7と連動連結している。
このもみ用モータm3の動作を制御することによって、もみ玉7,7の間の距離を拡縮させることができ、もみ玉7,7の間の距離を例えば「幅広」、「普通」、「幅狭」の内のいずれかの状態に設定して、たたきマッサージなどを実行することができるようになっている。
一方、前述した各モータm1、m3及びm4と連動連結した回動軸には、回動角(駆動量)を検出するためのロータリーエンコーダE(図3参照)をそれぞれ取付けており、ロータリーエンコーダEの検出結果は、制御部Gに与えられる。
ここで、図3を参照しながら本実施形態に係るマッサージ機Aの制御部Gについて説明するとともに、この制御部Gに接続して様々な動作を実行させるための操作手段であるリモコンRについて説明する。図9にリモコンRの拡大正面図を示す。
制御部Gは、前記基台部2内に配設されており、図3に示すように、CPUと、後述する個別マッサージ設定情報やコース情報を記憶する記憶領域やその他各種プログラムなどを格納した記憶領域を有するメモリ部G1と、各種モータなどの駆動制御を行う駆動制御部G2とを備えており、インターフェイスG3を介してリモコンR、背もたれ部3のリクライニング角度を検出するリクライニング角度検出センサG5、並びに前述した進退位置検出センサ82及び各ロータリーエンコーダEと接続している。なお、制御部Gは、リモコンRに設けた表示部Kの表示についても制御している。
また、制御部Gは、インターフェイスG4を介して前記マッサージユニット11内に配設した昇降用モータm1、進退用モータm2、もみ用モータm3、たたき用モータm4、さらには背もたれ部3のリクライニング動作を行うリクライニングモータm5、バイブレータを駆動するバイブ用モータm6、さらにはエアバッグ用エアポンプ25及び前記座部1に配設したヒータHを接続している。このヒータHにより冬などでも心地好くマッサージすることが可能となっている。
前記メモリ部G1には、複数のマッサージプログラム及びメカ的なマッサージを実行する際のもみ玉7,7の基準位置等の種々の情報が記憶されており、リモコンRに設けた操作部Sからの指令信号に基づき、疲労回復、リフレッシュ、リラックスなどを目的として様々なマッサージモードを組合せた複数の自動コースを実行可能としている。
さらに、このメモリ部G1には、後述するように、デフォルトとしての肩位置を示す初期値が格納されている。
また、本実施形態では、前記もみ玉駆動ユニット9によるメカ的なマッサージとして、叩き、指圧、もみ(もみ上げ/もみ下げ)、さざなみ(もみ下げとたたきの複合動作)、深もみ上げ/深もみ下げと、さらに、極もみ、極たたき、及び首ほぐしの特別マッサージを実行可能とし、特に被施療者Mの肩部については、その上方からあたかも整体師が行うような本格的マッサージが行えるようにもしている。
図9に示したリモコンRは、前記制御部Gを介して本マッサージ機Aの動作全体をコントロールする操作手段として機能するものであるが、図示するように、正面視が略しゃもじ形状の本体の上側部に液晶表示機を構成する比較的大型の表示部Kが設けられ、その下側に複数のボタン群からなる操作部Sが設けられている。このように、表示部Kの面積を広くして視認性を向上させるとともに、操作部Sの幅寸法を表示部Kの幅寸法より狭くして、操作部Sの把持操作性を向上させている。なお、図9において表示部Kに表示されているのは待機状態を示す待機中定常画面であり、この待機中定常画面については後に詳述する。
そして、かかる操作部S及び表示部Kを用いて所要のマッサージモードを選択するとともに、後述するようなもみ玉7,7による機械的なマッサージを実行するに際し、同もみ玉7,7の基準位置についても被施療者Mに応じて画像を視認しながら調整できるようになっている。
前記操作部Sの略中央位置には、環状体の表面に4つの矢印を互いに直交する4方向の位置に付すと共に各矢印に対応する上下ボタンS11u,S11d及び左右ボタンS12L,S12Rを設けた前記十字キーS1が配置してあり、この十字キーS1の上下ボタンS11u,S11d又は左右ボタンS12L,S12Rを操作することによって、例えば、表示部K上に表示されたカーソルを当該方向へ移動させることができるようになっている。すなわち、十字キーS1は、移動方向を指定する移動方向指定キーとして機能する。
また、この十字キーS1の中央には、決定ボタンS2を配置している。例えば、前記十字キーS1を操作して前記表示部K上に表示された種々の指令から所要の指令を選択し、その後に当該決定ボタンS2を操作することによって指令の選択を決定し、当該指令を前述した制御部Gに実行させるようにしている。したがって、十字キーS1は、指令選択キーとしても機能する。
なお、本実施の形態では、環状の十字キーS1を設けた場合に付いて示したが、本発明はこれに限らず、レバー状の十字キーを設けてもよい。ただし、図9に示したように環状の十字キーS1を設けた場合、十字キーS1の表面をリモコンRの本体の表面と略面一にすることができるため、衝突又は引っ掛けによる十字キーS1の破損は生じ難い。
十字キーS1の下方には、前記脚載部4(図1参照)を昇降揺動させる一対の脚部用上下ボタンS14,S15、及び背もたれ部3をリクライニングさせる一対のリクライニング用上下ボタンS16,S17を互いに本体幅方向へ距離を隔てて配置しており、これら脚部用上下ボタンS14,S15及びリクライニング用上下ボタンS16,S17の下方には、前述したバイブレータを入り・切りさせるバイブ用ボタンS19及びヒータを入り・切りさせるヒータ用ボタンS18を互いに本体幅方向へ距離を隔てて配置している。さらに、脚部用上下ボタンS14,S15とリクライニング用上下ボタンS16,S17との間には、背もたれ部3及び脚載部4を所定の収納位置に収納させるための収納ボタンS30を配置している。
また、前記表示部Kの直下位置には、マッサージ動作を開始させるための複数のスタートボタンが設けられている。
すなわち、前記表示部Kの直下位置に、リモコンRの本体幅方向へ適宜の間隔で、左側から第1スタートボタンS5a、第2スタートボタンS5b、第3スタートボタンS5c、さらにその隣に前記個別マッサージ設定情報に基づいてマッサージを実行させるための特別スタートボタンS5dを並設している。
そして、第1スタートボタンS5aと第2スタートボタンS5bとの下方位置にはマッサージ機Aを待機状態にするためのスタート/収納ボタンS3を配設しており、このスタート/収納ボタンS3を操作することにより、待機中定常画面(後に詳述)が表示部Kに表示される。
また、このスタート/収納ボタンS3の近傍(右横)には停止ボタンS4が配設してあり、この停止ボタンS4を操作することによってマッサージを中途で停止させることができる。
前記スタート/収納ボタンS3の下方には、自動コースを選択してマッサージを実行するための自動コースボタンS6、複数種類のマッサージから好みのマッサージを選択して実行するための機能ボタンS7を配設しており、さらに、自動コースを実施している間に、自分の好みに合わないマッサージモードであればこれをスキップするスキップボタンS8と、心地良いマッサージモードであればこれを繰り返せるようにしたリピートボタンS9を設けている。また、前記機能ボタンS7の下方位置には、上下方向の肩位置の調整を行なうための肩位置微調整ボタンS20を配設している。
さらに、前記自動コースボタンS6と機能ボタンS7との間の下側位置には、エアマッサージの部位を選択するエアボタンS10、その下方にマッサージの画面を呼び出すメニューボタンS31、さらに、このメニューボタンの左右には、肩エアを入・切する肩エアボタンS32と腕エアを入・切する腕エアボタンS33とが配置されている。
また、前記自動コースボタンS6と機能ボタンS7との間の下側位置には、エアマッサージの部位を選択するエアボタンS10、その下方にマッサージの画面を呼び出すメニューボタンS31、さらに、このメニューボタンの左右には、肩エアを入・切する肩エアボタンS32と腕エアを入・切する腕エアボタンS33とが配置されている。
本実施形態において特徴となるのは、上記リモコンRに、前記スタート/収納ボタンS3とは別に、前記3個のスタートボタンS5a,S5b,S5cと特別スタートボタンS5dとを設けたことにある。
3個のスタートボタンS5a,S5b,S5cと特別スタートボタンS5dとを視認しやすい位置に横一列に並んで配置し、しかも、各スタートボタンS5a,S5b,S5c,S5dに、マッサージ基準位置となる肩位置の異なった初期値をそれぞれ予め割付けるとともに、自動コースの一を割付けている。
したがって、これらいずれかのスタートボタンS5a,S5b,S5c,S5dを操作すると、割付けられた肩位置の初期値に基いて、所定の自動コースによるマッサージを即座に実行することができる。
すなわち、4個のスタートボタンS5a,S5b,S5c,S5dには、自動コースの全身コース(疲労回復コース)が割付けられるとともに、身長(座高)別に、マッサージを実行する上で基準位置となる肩位置の初期値が工場出荷時にメモリ部G1に格納されており、格納された各初期値が各スタートボタンS5a,S5b,S5c,S5dに予め割付けられているのである。なお、その他に初期値として、マッサージの強さの度合いやエアによるオプションマッサージなどの所定のオン・オフ情報も定められている。表1にメモリ部G1に記憶された初期値の一覧を示す。なお、前記オプションマッサージは、これをオンにすればどの自動コースにおいてもコースマッサージの流れとは関連なく独立して実行される。
本実施形態では、第1スタートボタンS5aに対応する初期値は155cmの人に見合った体形情報及び肩位置情報であり、同様に第2、第3、及び特別スタートボタンS5b,S5c,S5dに対応する初期値は、165cm、175cm、160cmの人に見合った体形情報及び肩位置情報となっている。なお、肩位置情報は、肩上下位置と肩前後位置の情報からなる。また、体形情報については、必ずしもデフォルトで割付けておかなくてもよい。
したがって、165cm程度の身長の被施療者が使用する場合、前記第2スタートボタンS5bを操作すればよく、このボタン操作によって肩位置として165cmの身長に応じた位置データと、全身コース(疲労回復コース)のプログラムがメモリ部G1から読み込まれ、初期設定されたマッサージ強さとオプションマッサージを伴ってただちに(例えば3秒後)快適な自動コースによるマッサージが開始されるのである。なお、表1の「腕エア」とは、後述する腕施療部51を設けた場合のみの設定となる。
また、スタートボタンS5a〜S5dの操作で自動コースが開始されると、各スタートボタンS5a〜S5dには、肩位置のみではなく、身長に応じた標準的な体形情報も割付けられているので、体形情報に基いて自動マッサージが実行されることになり、マッサージの強弱についても被施療者Mに違和感を与えることがない。
このように、誰でも自分の身長に応じたスタートボタンを選択して操作すればよく、特に、各スタートボタンS5a,S5b,S5cには、左側から順番に身長の低い順に肩位置の初期値が割付けられていることから、誰でも自分に見合うボタン選択が直感的に分かり、ワンタッチ操作という極めて簡単な操作で自動コースによる全身マッサージを受けることができるので、機械操作を苦手とする女性や高齢者などでも取り扱いがきわめて易しいものとなっている。
特に、図9に示すように、3個の第1〜第3スタートボタンS5a,S5b,S5cには、それぞれに対応するように「1」、「2」、「3」の数字を黒地に白抜きで表示するとともに、特別スタートボタンS5dにはメモリーを意味する「M」の文字を薄い地の上に表示しており、しかも、図示するように、待機中定常画面では、リモコンRの表示部Kの所定領域に、第1〜第3スタートボタンS5a,S5b,S5c及び特別スタートボタンS5dに対応するボタン表示と、このボタン表示の直上にそれぞれ一対一で対応する人の形としたアイコンK1a,K1b,K1c,K1dを表示するようにして、各スタートボタンS5a〜S5dに割付けられた身長の違いを視覚的に表示することによって、より直感的なボタン操作を可能としている。したがって、ボタン選択ミスも可及的に防止することができる。
上述の複数のスタートボタン(S5a,S5b,S5c,S5d)のうち、本実施形態では、前記特別スタートボタンS5dのみ肩位置の初期値を任意な値に更新可能としている点にも特徴がある。
このように、被施療者Mが初期値を更新登録できる特別スタートボタンS5dを設けたことによって、被施療者Mは、自分自身に最適な肩位置をいつでも入力して登録することができるようになり、マッサージ箇所の基準をより正確にすることができることから、被施療者Mは十分に満足のいく自動コースによるマッサージを受けることができる。
しかも、この特別スタートボタンS5dは、マッサージ動作をスタートさせる機能に加え、マッサージ設定情報を前記メモリ部G1に記憶させる登録機能を兼用している。したがって、更新する肩位置の値に対応するデータに加え、自動コース中のマッサージの種類・強弱に関するデータについても、被施療者Mの好みによって変更して登録することができ、被施療者Mが自身の嗜好を登録する登録ボタンとしても機能するようになっている。
すなわち、この特別スタートボタンS5dを介して、前記メモリ部G1に被施療者のマッサージ嗜好が反映されるマッサージ形態の度合いを示すマッサージ設定情報が書替え自在に記憶され、特別スタートボタンS5dの操作によりマッサージが開始されると、制御部Gはこの記憶された個別マッサージ設定情報に基づいて、被施療者に応じたマッサージ動作を前記もみ玉7,7に実行させることができる。
また、前記メモリ部G1は、予め設定された各施療箇所への前記もみ玉7,7の移動順序情報がそれぞれ含まれた複数のコース情報を自動コースのIDとして、前記マッサージ設定情報と独立して記憶している。したがって、例えば、ある自動コースが選択された場合、CPUは、これを実行するために、前記コース情報と前記マッサージ設定情報とを参照して、被施療者の嗜好を反映した自動コースを実行することができる。
ここで、嗜好情報を含むマッサージ情報を記憶させる機能を有する前記特別スタートボタン(登録ボタン)S5dについてさらに説明を加える。
特別スタートボタンS5dには、表1に示すように、前述の初期値が設定されているが、さらに、表2に示すように、マッサージ設定情報としての体形情報、嗜好情報と、コース情報とを登録する機能があり、被施療者Mは、予め記憶された初期値に代えて、体形情報、嗜好情報、コース情報を、一つの特別スタートボタンS5dを用いて新たに更新登録し、更新した内容を特別スタートボタンS5dに割付けることができる。
このように、被施療者Mは、特別スタートボタンS5dを用いて、自分に最適の肩位置のデータを初期値に代えて更新設定できるほか、自動コースの種類や自動コースにおけるマッサージユニット11によるマッサージの種類、マッサージ強さの度合い及びエアバッグa1〜a8による強さ度合いを更新でき、さらに、例えば前記エアバッグa1〜a8を用いたパルスマッサージ、脚同時マッサージ、フットストレッチ、腕エアマッサージ、肩エアマッサージ、脚エアマッサージなどのオプションマッサージについても自分の好みに応じて設定登録することができる。
したがって、被施療者Mが、特別スタートボタンS5dに関連付けて、体形情報、嗜好情報、コース情報をまとめてメモリ部G1に記憶させておけば、いつでもこの特別スタートボタンS5dを操作するだけで、記憶されたデータが読み出されて再生され、好みに応じた快適なマッサージを受けることが可能となる。
なお、特別スタートボタンS5dに割付けた初期値は更新されることを前提としているので、本実施形態ではデフォルトとして160cmの身長に応じ値を肩位置の初期値としたが、どのような値を初期値として割付けても構わない。
ところで、前述したように、マッサージ設定情報には、前記肩位置を示すデータを含む体形情報と、嗜好情報とがあるが、この嗜好情報はマッサージ形態の度合いを示す情報であり、オプション情報、マッサージ種類情報、マッサージ強さ情報などが含まれ、被施療者Mごとの好みを反映することができる。
一方、コース情報には、もみ玉7,7の移動順序情報が含まれており、これは更新することはできず、コースIDとして位置づけられている。すなわち、自動コースにも複数種類のコース設定がなされているが、各コースにおいてもみ玉7,7の移動順序については不変となっている。
つまり、各自動コースは、不変であるもみ玉7,7の移動順序情報に、体形情報と移動時間やマッサージ種類、マッサージ強さなどが組み合わされて構築されることになり、嗜好情報であるマッサージ強さなどを被施療者Mが変更すれば、たとえリモコンRに設けられた自動コースボタンS6を操作して自動コースの種類を変更しても、嗜好情報についてはそのまま引き継がれることになり、被施療者の好みに応じた(嗜好が反映された)マッサージが展開される。
すなわち、全身コース、首・肩コース、腰コースなど複数種類設定されている自動コースの中で、例えば体形情報、嗜好情報を反映した全身コースによる施療中に、自動コースボタンS6を操作して首・肩コースあるいは腰コースに変更することも可能であって、しかも、変更した自動コースにおいては、体形情報、嗜好情報はそのまま反映されるのである。
ここで、前記スタートボタンS5a〜S5c及び特別スタートボタンS5dを用いて実際にマッサージを開始させる場合について、図10及び図11を参照して説明する。図10はスタートボタンS5a〜S5cを操作した場合、図11は特別スタートボタンS5dを操作した場合のマッサージ機Aの動作を示すフローチャートである。
図10において、先ず、スタート/収納ボタンS3が操作されると、もみ玉7,7が最下位まで移動されて待機状態となる(ステップS1)。このとき、図9に示すように、リモコンRの表示部Kには待機状態を示す待機中定常画面が表示される。
待機中表示画面は、上部領域に設定された自動コースマッサージ、機能(マニュアルによるお好みマッサージ)、エアマッサージが選択可能なマッサージ選択表示部と、中央領域に、前述のスタートボタンS5a〜S5cに対応するボタン表示と、各ボタン表示の直上にそれぞれ一対一で対応させ、各ボタンに割付けられた肩位置の初期値の大きさを人の形の大きさで表したアイコンとが表示されている。また、下部領域には、十字キーS1を模した図形と、十字キーS1の操作による選択を促す文字表示がなされている。なお、この下部領域には、十字キーS1の操作に代えて、スタートボタンS5a〜S5cや自動コースボタンS6や機能ボタンS7、エアボタンS10の直接的なボタン操作でも受付ける旨の案内も表示されている。
この待機状態からリモコンRのスタートボタンS5a〜S5cのいずれかが操作されるか、あるいは十字キーS1を用いてスタートボタンS5a〜S5cのいずれかが選択されると、スタートボタンS5がオンとなり(ステップS2)、制御部Gは、メモリ部G1から選択されたスタートボタン(S5a〜S5c)に割付けられた初期値、すなわち、肩位置の初期値及び体形データと、自動コースの全身コース(疲労回復)を読み出し(ステップS3)、3秒程度の間、図14に示す自動コース選択画面を表示部Kに表示させ、その間に変更操作がなさなければ、読み出した初期値にしたがって自動コースによるマッサージを開始する(ステップS4)。
前記自動コース選択画面では、図14に示すように、画面左上に着座した状態の被施療者像が模式的に表示され、その上側部には、「首・肩」、「全身」、「腰」、「短縮」という自動コースのマッサージ範囲を示す区分がタブ表示される。ここでは予め初期設定されている「全身」が選択されていることを反転表示により示されている。また、反転表示されたマッサージ範囲に対してマッサージ機能を示すサブメニューがプルダウン表示される。例えば、「疲労回復」、「リフレッシュ」、「やすらぎ」、「エアー」が表示されており、例えば被施療者Mがここで「リフレッシュ」を選択した場合、それが反転表示される。なお、画面下側部には、十字キーS1による選択方法の案内表示がなされ、この案内にしたがって、被施療者Mは、十字キーS1の上下ボタンS11や左右ボタンS12を操作して自動コースを選択決定することができる。なお、マッサージ範囲を示すタブに表示された「短縮」とは、通常15分に設定されている全身コースを半分の時間に短縮して実行するコースであり、サブメニューは設定されていない。
ステップS4の処理によりマッサージが開始された後、マッサージ途中で被施療者MがリモコンRの十字キーS1を操作してマッサージ強さなど、マッサージ形態の度合いを表す情報を好みに応じて変更した場合(ステップS5:YES)、制御部Gは入力された情報を、例えば前記メモリ部G1のワークRAMなどに格納して自動コースの設定変更を行う(ステップS6)。そして、その後のマッサージ動作については、変更された情報に基いて自動コースを実行する。すなわち、自動コースは複数のショートプログラムから構成されており、各ショートプログラムにおいてマッサージ強さがレベル1からまで7段階の中から一つが設定されているが、被施療者が例えばあるショートプログラム実行中にマッサージ強さをレベル3からレベル5に上げたとすると、その後の全てのショートプログラムを通して、レベルを2段階上げるようにするのである。2段階上げられないような強さが予め設定されている場合は1段階上げるからそのレベルを維持するようにする。したがって、被施療者Mのマッサージ嗜好(この場合は強いマッサージを好む)が反映されたマッサージが実行されることになる。
そして、自動コースが終了するか、自動コース実行中に停止ボタンS4が押された場合(ステップS7:YES)、ステップS1の待機状態に処理を移す。このように、スタートボタンS5a〜S5cを操作すると、体形検出などは行わずに即座に自動コースによるマッサージが開始されるので、一般の使用者にとっては使い勝手が良好となる。
次に、特別スタートボタンS5dを操作した場合について説明する。
図11に示すように、スタート/収納ボタンS3が操作されると、前述のスタートボタンS5a〜S5cの操作時と同様に、もみ玉7,7が最下位まで移動されて待機状態となる(ステップS11)。この場合も、リモコンRの表示部Kには待機状態を示す待機中定常画面が表示される(図9参照)。
そして、リモコンRの特別スタートボタンS5dが操作される、あるいは十字キーS1を用いて特別スタートボタンS5dが選択されると、特別スタートボタンS5dがオンとなり(ステップS12)、制御部Gは、メモリ部G1から特別スタートボタンS5dに割付けられたマッサージ設定情報、すなわち肩位置の設定値及び体形データと、自動コースの全身コース(疲労回復)を読み出し(ステップS13)、ここでも3秒程度の間、図14に示す自動コース選択画面を表示部Kに表示させ、その間に変更操作がなさなければ、読み出した設定情報にしたがって自動コースによるマッサージを開始する(ステップS14)。このとき、特別スタートボタンS5dに割付けられていた初期値が更新されていない場合は、前記設定値は初期値のままである。
そして、先のスタートボタンS5a〜S5cの操作時の説明と同様、マッサージ途中で被施療者MがリモコンRの十字キーS1を操作してマッサージ強さなど、マッサージ形態の度合いを表す情報を好みに応じて変更すると(ステップS15:YES)、制御部Gは入力された情報を、例えば前記メモリ部G1のワークRAMなどに格納して自動コースの設定変更を行う(ステップS16)。そして、その後のマッサージ動作については、変更された情報に基いて自動コースを実行する。例えば、あるショートプログラムはスキップされ、あるショートプログラムはリピートされるなど、被施療者Mの嗜好が反映されたマッサージが展開される。
したがって、被施療者Mは、マッサージ設定情報を一度特別スタートボタンS5dを介して登録すれば、自分のマッサージ嗜好に合致した態様で各種の自動マッサージを受けることができ、満足度が高まることになる。このように、本実施形態に係るマッサージ機Aは、従来にない極めて使い勝手の良好なものとなっている。
また、自動コースが終了するか、自動コース実行中に停止ボタンS4が押された場合(ステップS17:YES)、制御部Gは、コースマッサージ実行中に被施療者Mにより変更されたマッサージ設定情報について、登録するか否かを判断する(ステップS18)。
具体的には、制御部Gは、図12に示すように、それらの情報を登録するかしないかを確認する登録確認画面をリモコンRの表示部Kに表示させ、画面表示された「登録する」、「登録しない」のいずれかを被施療者Mが選択するようにしている。選択に際しては、被施療者Mは十字キーS1の左右ボタンS12を用いて行う。
「登録する」を選択すると、特別スタートボタンS5dの登録機能がオンとなり、制御部Gは、特別スタートボタンS5d(登録ボタンとして機能)が長押し操作(例えば2秒)された否かを判断し、長押し操作された場合、体形情報及び調整後の肩位置情報、さらには自動コース実行中に被施療者Mにより変更操作された内容をメモリ部G1に登録する(ステップS19)。その後、前述したステップS11(待機状態)へ戻る。
一方、前記画面を表示させてから一定時間経過してもいずれの特別スタートボタンS5d(登録ボタン)も長押し操作されなかった場合(ステップS18:NO)、制御部Gは、登録操作をスキップしてステップS11へ戻る。
このように、特別スタートボタンS5dの操作による自動コースの実行中においては、被施療者Mが行った操作について、これらをマッサージ設定情報として特別スタートボタンS5に登録することが可能となっている。なお、登録されるマッサージ設定情報は、被施療者Mによる最後の操作結果となる。すなわち、登録前までは、被施療者MによるリモコンRの操作結果は全て上書きされる。
ところで、マッサージ設定情報を登録する際、及び特別スタートボタンS5dを用いてマッサージを開始する際に、パスワードを設定するようにしてもよい。その場合、リモコンRの操作部Sに設けられた複数のボタンに例えば0〜9の数字を割り付けておき、所定桁数(例えば4桁)のパスワードを設定可能としておくのである。パスワードの設定は、先のステップS18とステップS19との間に行わせることができる。そして、登録後にマッサージを実行するために特別スタートボタンS5dを操作すると、リモコンRの表示部Kにパスワード入力を促す表示がなされ、ボタンを操作して所定のパスワードを入力してはじめて被施療者Mの好みに合ったマイコースとして位置づけされる自動コースが実施されることになる。
なお、マッサージ設定登録については、図13に示すように、別途登録モードを予め選択した後に行うようにすることもできる。なお、図13に示すフローチャートは、マッサージ機Aが待機状態にあるときに割り込むサブルーチンである。
図13に示すように、特別スタートボタンS5dが2秒程度の長押し操作されると(ステップS21)、登録モードが開始される(ステップS22)。
登録モードでは、図14に示すように、表示部Kに自動コースの選択を促す表示がなされる。被施療者Mは、十字キーS1の左右ボタンS12L,S12Rを操作することによって自動コースの範囲(全身、首・肩、腰など)を選択し、上下ボタンS11u,S11dの操作によって自動コースの種類(疲労回復、リフレッシュ、やすらぎなど)を選択する(ステップS23)。そして、決定ボタンS2を操作することで自動コースが決定されるとポイントナビ、すなわち体形検出を実行する(ステップS24)。そして、ポイントナビを終了すると、肩位置の微調整を実行し(ステップS25)、その後自動コースを実行する(ステップS26)。なお、前記体形検出及び肩位置微調整については後に詳述する。
そして、自動コースが終了すると(ステップS27:YES)、登録確認を行い(ステップS28)、前述したように情報を登録するかしないかを確認する登録確認画面をリモコンRの表示部Kに表示させ(図12)、登録するが選択されると(ステップS28:YES)、被施療者Mによる最後の操作結果がメモリ部G1に登録されて(ステップS29)、登録モードは終了する(ステップS30)。ステップS28において、登録しないが選択されるとステップS30に処理を移して登録モードが終了する。
なお、ステップS23の自動コース選択中、あるいはステップS24のポイントナビ中などに停止ボタンS4が操作されると、登録処理はスキップされて登録モードがただちに終了する。
このようにして、特別スタートボタン(登録ボタン)S5dにより情報登録を終了した後は、この特別スタートボタンS5dを、例えば短押し操作(例えば1秒以内)すると、制御部Gは、当該特別スタートボタンS5dに更新登録された自動コースを、先に登録された体形情報を含むマッサージ設定情報を参照しながらただちに実行することになる(図11参照)。
ところで、第1〜第3スタートボタンS5a〜S5cと特別スタートボタンS5dとはその機能的な性格が異なることを誰でも直感的に分かるように、互いに識別可能に構成しているとしたが、その変形例を図15に示す。
図15(a)では、3個の第1〜第3スタートボタンS5a,S5b,S5c上に、各ボタンに割付けられた肩位置の初期値にそれぞれに対応するように「S」、「M」、「L」の数字を黒地に白抜きで表示するとともに、特別スタートボタンS5dは登録機能を有し、使用者自身のオリジナル性をイメージさせることができるように「YOU」の文字を薄い地の上に表示して識別性を高めている。すなわち、「S」は比較的低い身長の被施療者に対応し、「M」は中背の被施療者に対応し、「L」は上背のある被施療者に対応しており、[YOU]は登録機能を有することがボタンを見て直感できる。なお、ここでは、表示部Kの下部領域に、各スタートボタンS5a〜S5dにそれぞれ一対一で対応するアイコンK1a,K1b,K1c,K1dを表示するようにしている。
また、この例において、第1〜第3スタートボタンS5a,S5b,S5cと特別スタートボタンS5dとを完全に色分けしてもよい。
また、図15(b)は、第1〜第3スタートボタンS5a〜S5cに、例えばLEDなどからなる発光ブロックを多段に形成して、身長の高さを段階的に表示可能な発光表示部K2を設けたものである。ここでも表示部Kの下部領域に、各スタートボタンS5a〜S5dにそれぞれ一対一で対応するアイコンK1を表示するようにしている。図示した例では、第1スタートボタンS5aは1ブロック、第2スタートボタンS5bは2ブロック、第3スタートボタンS5cは3ブロックが発光しており、身長の低い順に並んでいることが分かる。一方、特別スタートボタンS5dは、ボタン自体の色を他のスタートボタンS5a〜s5cと異ならせて他とは異なり登録機能を有することを強調するとともに、被施療者Mにより設定された身長に応じて発光ブロックが発光表示されるようにしている。また、このときに、表示部Kに表示された特別スタートボタンS5dに対応するアイコンK1dについても、発光ブロック数に応じてその大きさが変化するようにしている。
また、前記特別スタートボタンS5dのみならず、スタートボタンS5a〜S5c全ての肩位置について、予め設定された初期値から任意に更新可能とすることもできる。
かかる構成とすれば、複数の異なる被施療者Mそれぞれが自身に最適な肩位置の値を各スタートボタンS5a〜S5cにそれぞれ登録しておくことが可能となり、例えば4人家族などの家庭において、家族全員が個別にマッサージ機Aを利用する場合などに極めて使いやすくなる。
この場合は、各スタートボタンS5a〜S5dを、例えば、図15(c)に示すような形態で設けることができる。
すなわち、図示するように、第1〜第4スタートボタンS5a〜S5dを同色同形のボタン構成とし、それぞれに、図15(b)同様のLEDなどからなる発光ブロックを多段に形成して、身長の高さを段階的に表示可能な発光表示部K2を設ける。そして、被施療者Mが自分に最適の肩位置情報や好みに応じたマッサージ設定情報を第1〜第4スタートボタンS5a〜S5dのいずれかに割付けて登録すると、登録した肩位置情報のデータ値に応じて発光表示部K2の発光するブロック数が変わるようにするものである。
ブロック数による表示はあくまでも目安としかならないが、この場合、表示部Kの下部領域には、各スタートボタンS5a〜S5dにそれぞれ一対一で対応するように、被施療者Mが登録した肩位置の絶対値を表示するようにしている。例えば、スタートボタンS5cに身長184cmに応じた肩位置の値が割付けられた場合は、アイコンK1cに近接した位置に「184」と文字表示されるのである。ブロック数は3個点灯している。
また、図9で示した実施形態や図15で示したその変形例を含め、各スタートボタンS5a〜S5d自体を発光可能なボタンで形成し、操作されたボタンについては点灯或いは点滅するようにして、いずれのスタートボタン(S5a〜s5d)が選択された状態であるかを、スタートボタン(S5a〜s5d)単独でも容易に視認できるようにすることもできる。あるいは、選択されたスタートボタン(S5a〜s5d)については、これを示す画像を表示部Kに表示してもよい。いずれにせよ、各スタートボタン(S5a〜s5d)の識別性を向上させる手段としては上述の例に限定されるものではない。
またこのように全てのスタートボタン(S5a〜s5d)に肩位置の値を更新登録可能とした場合、前記リモコンRに、更新した肩位置の設定値を初期値に戻すリセット機能を設けるとよい。すなわち、誰がどのスタートボタンS5a〜S5dの初期値を更新したのか分からなくなったりしても、このリセット機能によって瞬時に初期値、すなわち工場出荷状態に戻すことができて利便性が向上する。
かかるリセット機能をはたらかせる手段として、リモコンRに設けられたボタン群の中から所定の2個のボタン(例えば、前記スタートボタンS5a〜S5dの近傍で並設されているスタート/収納ボタンS3と停止ボタンS4)をリセット手段とし、これら二つのボタンをS3,S4を同時に押下するなどの方法が考えられる。
上述してきた実施形態では、スタートボタンS5a〜S5dを用いてダイレクトに自動マッサージを実行させる例について説明したが、ここで、自動コースボタンS6の操作により自動マッサージを実行する場合について、図16に示すフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、スタート/収納ボタンS3が操作されると、もみ玉7,7が最下位まで移動されて図示するように待機状態となる(ステップS31)。このとき、リモコンRの表示部Kには図9に示すように待機中定常画面が表示される。
そして、リモコンRの自動コースボタンS6が操作されると(ステップS32)、制御部Gは、複数の自動コースを表示する選択画面をリモコンRの表示部Kに表示させる(図14参照)。
上記選択画面から一の自動コースが選択されると(ステップS33)、制御部Gは背選択された自動コースのプログラムを読み出して開始する(ステップS34)。なお、ステップS33において、選択画面が表示されて3秒以内に選択操作がされない場合は予めデフォルト設定されたコースが決定される。
自動コースの開始に先立ち、制御部Gは、体形データがメモリ部G1に格納されているか否かを判断する(ステップS35)。そして、格納されていない場合、被施療者Mの体形を検出する体形検出を実行する(ステップS36)。このとき、リモコンRの表示部Kには、図19に示すポイントナビ作動中の表示を行う。このように、本実施形態に係るマッサージ機Aは、被施療者Mの体形を検出する体形検出機能(ポイントナビ)を備えているが、かかる被施療者Mの体形検出動作については後述する。
次に、制御部Gは、ステップS6により検出した被施療者Mの肩位置の微調整を被施療者Mに促すために、図20に示すように肩位置調整用画面を表示部Kに表示させ、被施療者Mに応じた肩位置に調整させて調整した肩位置を登録する(ステップS37)。なお、この肩位置調整についても後に詳述する。
次いで、制御部Gは、調整後の肩位置を基準位置として、選択された自動コースのマッサージを実行する(ステップS38)。
このとき、図17に示すように、リモコンRの表示部Kには、自動コース定常画面が表示される。
この自動コース定常画面では、図示するように、中央に被施療者Mを模した人体図形が施療箇所のポイント表示を伴って表示されており、例えば、先のステップS33で首・肩コースのリフレッシュコースが選択されていた場合、下部領域には「首・肩リフレッシュコース」と表示されるとともに、その右上にはコースマッサージの残り時間(ここでは15分)が他の表示文字よりも比較的に大きく表示される。
また、画面上部領域には、現在のショートプログラムで実行されているマッサージ種類(ここでは「もみ上げ」)が反転表示され、その直下には、次のショートプログラムで実行されるマッサージ種類(ここでは「もみ下げ」)が表示されている。
さらに、これらマッサージ種類の表示の下方領域には、もみ玉7,7を用いた機械式マッサージのマッサージ強さを示すメカ強さ(ここでは「メカ強さ2」)と、エアーマッサージの場合エアー強さ(ここでは「エアー強さ5」)と、体側部用エアバッグa3,a3による肩エアー強さ(ここでは「肩2」)とが縦に並べて表示される。
さらに、その下方にオプション表示領域が設定されており、自動コース中に設定されたオプションマッサージ(ここでは「フットストレッチ」と「パルス」)の表示がなされている。
かかる自動コースのマッサージを実行中に、制御部Gは個別マッサージ設定情報の変更があるか否かを判断する(ステップS39)。すなわち、自動コース実行中に、被施療者Mは、リモコンRを操作して好みに応じて所定のマッサージモードをスキップしたり、リピートさせたりしてマッサージを楽しむことができるとともに、マッサージ強さ(マッサージユニット11による強さの度合い及びエアバッグa1〜a8による強さ度合い)や前記オプションマッサージ(パルスマッサージ、脚同時マッサージ、フットストレッチなど)を挿入したりすることができるのである。
そして、このように自動コース中に被施療者Mが行った個別マッサージ設定情報の変更に対応し、制御部はこれら個別マッサージ設定情報を反映した自動コースに設定変更する(ステップS40)。なお、これら変更は随時可能であり、被施療者のリモコンRの操作による個別マッサージ設定情報の変更は全て上書きされることになるので最後の操作による個別マッサージ設定情報の変更が有効となる。
そして、所定時間が経過するか、あるいは停止ボタンS4が操作されると(ステップS41:YES)、制御部GはステップS31に処理を戻して待機状態に復帰させる。
なお、この自動コースを選択した場合についても、図11のステップS17〜S19の手順と同様にして、コースマッサージ終了後に、途中で変更した個別マッサージ設定情報を登録させることもできる。
なお、上述した自動コースボタンS6の操作による自動マッサージの実行中(図16のステップS38)に表示される自動コース定常画面は、スタートボタンS5a〜S5cの操作による自動マッサージ実行中(図10のステップS4)にせよ、特別スタートボタンS5d操作による自動マッサージ実行中(図11のステップS14)にせよ、あるいは登録モードにおける自動マッサージ実行中(図13のステップS26)についても同様に表示される。
例えば、特別スタートボタンS5dを用いてマッサージ設定情報を登録している場合は、図18(a)に示すように、コースマッサージの残り時間表示(「あと15分」)の下方領域に、「登録中」と表示されるとともに、オプション表示領域の下方に設けられた使用ボタン表示領域に、特別スタートボタンS5dを示す「M」の文字と、この「M」文字の隣に、特別スタートボタンS5dを用いて登録中であることを示す人の形のアイコンが表示される。すなわち、ここに表示されるアイコンは、マッサージ設定情報が更新登録中であること、あるいは更新登録済みであることを示している。
また、この自動コース定常画面では、オプションとしてヒータが駆動されていることが表示されている。さらに、後に他の実施形態で説明するように、腕施療部51(図21参照)を設けてある場合、その腕施療部51の動作が自動コース中に組み込まれていれば、側壁部6による肩エアー強さの横に腕エアー強さ(ここでは「腕5」)と表示される。
図18(b)は、登録したマッサージ設定情報にしたがって自動コースを実行している場合の自動コース定常画面であり、この場合、使用ボタン表示領域に前記人の形をしたアイコンは表示されるが、上記「登録中」の文字は当然ながら表示されない。
また、図18(c)は、特別スタートボタンS5dを用いて自動コースが実行されている場合であって、かつ被施療者Mによるマッサージ設定情報の更新登録がなされていない場合の自動コース定常画面である。ここでは、使用ボタン表示領域に前記人の形をしたアイコンは表示されず、特別スタートボタンS5dを用いていることを示す「M」の文字のみが表示される。
さらに、図18(d)は、スタートボタンS5a〜s5cを用いて自動コースが実行されている場合の自動コース定常画面である。ここでは、使用ボタン表示領域に操作されたスタートボタンS5a〜s5cが表示される。この例では、スタートボタンs5aを示す「1」が表示されている。また、この例では、オプションとしてヒータは駆動していないことが分かる。
なお、上述してきたように、本実施形態に係るマッサージ機Aでは、自動コースを実行させることのできる複数のボタン(スタートボタンS5a〜S5d、自動コースボタンS6など)がリモコンRに備えられており、ボタン操作後は、いずれも図14に示した自動コース選択画面が表示され、表示中の3秒以内には各種の自動コースが選択可能であり、選択されないまま3秒経過するとデフォルトで設定されたコースが自動的に開始されるようになっている。しかし、ボタン操作後の自動コース選択画面の表示は全て3秒に限定する必要はない。例えば、スタートボタンS5a〜S5cについては2秒にしてマッサージ開始をさらに早めることができる。そして、特別スタートボタンS5dについては1秒とし、登録された自動コースが即時にスタートされるようにしてもよい。
ここで、上述のステップS36やS37、あるいは図13に示したフローチャートにおけるステップS24やステップS25のポイントナビ及び肩位置微調整について説明する。
先ず、体形検出(ポイントナビ)について説明すると、本実施形態では、体形検出手段として、マッサージ中における負荷電流を検出する負荷電流検出手段を設けている。
制御部Gは、昇降用モータm1を駆動して、マッサージユニット11を先ず被施療者Mの臀部位置である最下端位置に降下させるとともに、進退用モータm2を駆動してもみ玉7,7を最後方位置に後退させる。そして、制御部Gは、その位置で前記進退用モータm2を駆動して、もみ玉7,7を被施療者Mの背中に向けて突出させていき、被施療者Mに当たったときの前記進退用モータm2の負荷電流の増加を前記負荷電流検出手段により検出して前記メモリ部G1内のRAMに記憶させる(図3、図7及び図8を参照)。具体的には、進退用駆動量検出手段としてマッサージユニット11に設けたロータリーエンコーダEの検出出力を、制御部Gを介して座標換算し、臀部位置としてRAMに記憶させるのである。
その後、制御部Gは、さらに前記進退用モータm2を駆動してもみ玉7,7を最後方位置まで後方に向けて移動するとともに、前記昇降用モータm1を駆動して、これも前記マッサージユニット11内に設けたロータリーエンコーダEの検出に基づいて所定距離だけマッサージユニット11を上昇させ、前同様に、その位置で進退用モータm2を駆動してもみ玉7,7を前方に向けて移動する。制御部Gは、このような動作を被施療者Mの肩位置を越える高さ位置まで繰り返し行わせることによって、被施療者Mの体形を検出する。なお、このポイントナビの実行中は、図19に示したようにリモコンRの表示部Kに、背骨位置に沿って複数のポイントが表示された被施療者像が表示されるとともに、もみ玉7,7の前後位置がブロック表示される。
次に、図20を参照しながら肩位置微調整について説明する。図20はリモコンRの表示部Kに表示される肩位置調整用画面の説明図である。
図示するように、肩位置調整用画面では、着座した状態の被施療者像が横向きに模式的に表示されており、この被施療者像上又はその近傍に、もみ玉7,7の現在位置を示すもみ玉像が表示されるとともに、十字キー像を表示して、肩位置の調整を促す文字が表示される。
もみ玉像は、リモコンRの十字キーS1が操作された場合、その操作に応じた方向、操作量に応じた距離だけ移動するようになっており、このもみ玉像の前後、上下への移動状態を細かくブロック表示するようにしている。
したがって、被施療者は、肩位置調整用画面を目視しながら本人の肩位置に正確に調整することができる。なお、このように調整して得られた被施療者Mの肩位置は、被施療者Mの着座姿勢によって変わるため、制御部Gは、リクライニング角度検出センサG5が検出したリクライニング角度に応じて、調整後の前記肩位置を補正するようにしている。
また、肩位置調整用画面を表示させてから所定時間経過後も調整操作が行なわれない場合、制御部Gは、体形検出で検出した目安肩位置を調整後の肩位置として設定するようにしている。
また、本実施形態に係るマッサージ機Aは、自動コースのみならず、リモコンRの機能ボタンS7を操作してマニュアルマッサージを実施することもできる。そして、マニュアルマッサージを実行する場合においても前記特別スタートボタンS5dに関連付けて記憶させたマッサージ設定情報を反映させることができる。
具体的には、機能ボタンS7を操作する前に特別スタートボタンS5dを操作すればよいだけである。前述したように、特別スタートボタンS5dを操作したままであると、制御部Gはメモリ部G1から登録されている自動コースを実行するのであるが、機能ボタンS7が操作されると、自動マッサージからマニュアルマッサージに変更されるとともに、マッサージ強さなど被施療者の嗜好が反映されたマッサージ設定情報についてはそのまま引き継がれる。
ここで、本実施形態に係るマッサージ機Aにおける他の機能について説明する。
本マッサージ機Aは、前述したように、所謂オットマンと呼ばれる脚載部4を備えているが、かかる脚載部4の傾動位置は、前述した肩位置が被施療者の体格によって重要となるようにきわめて重要となる。
例えば、自動コースを実行する場合、背の高い(脚の長い)人と低い(脚の短い)人とでは、脚載部4の傾動位置によって心地よさが全く異なる。すなわち、脚の短い人は、脚載部4をある程度水平方向へ傾動させなければ足の裏などが宙に浮く状態となるが、逆に脚の長い人であれば脚を伸ばせない窮屈な状態となってしまう。
そこで、本実施形態に係るマッサージ機Aでは、脚載部4の傾動位置についても被施療者Mが自分にとっての最適位置を登録可能とし、自動コース実行時には、自動的に登録した傾動位置に変位するようにしている。
本実施形態では、脚載部4の傾動位置の登録は、特別スタートボタンS5dを操作して実行した自動コース中に行うようにしており、図13のステップS25の肩位置微調節時における位置を、ステップS29のタイミングで登録するようにしている。
そのために、図13におけるステップS25において、表示部Kに表示させた肩位置調整用画面(図20参照)にしたがって被施療者が肩位置調整を行った後、制御部Gは、脚載部4の傾動位置の微調整が必要か否かを選択させる表示と、必要と選択した場合に、傾動位置の微調整を行わせる画面を表示部Kに表示させるようにしている。微調整の必要なしが選択された場合は、この肩位置調整時点における脚載部4の傾動位置が記憶されて登録されることになる。すなわち、マッサージ実行中に脚載部4の位置を変更していなければデフォルト位置が記憶され、変更していればその変更位置が記憶されることになる。なお、本実施形態に係るマッサージ機Aの脚載部4のデフォルト位置は、90度の垂直状態から30度程度水平方向に向けて傾動した位置としている。
実際にマッサージを開始する場合、制御部Gは脚載部4の傾動位置を以下のように制御する。
マッサージを開始するために、先ずスタート/収納ボタンS3が操作されると、脚載部4をデフォルト位置にセットして待機状態となる。その後、スタートボタンS5a〜S5dが操作されると、マッサージ設定情報が読み込まれるが、そのときに、脚載部4の登録された傾動位置情報も読み出され、この情報に基づいて制御部Gは脚載部4の位置をセットするのである。
このように、一度登録さえしておけば、自動コースを実行する場合、脚載部4の位置についても被施療者に応じた適切な位置に自動的にセットされることになるので、使用前に体格が全く異なる被施療者が使用していても、いちいち脚載部4の位置を変更したりする煩わしさがなく、いつも快適なマッサージを楽しむことができる。
また、他の実施形態に係るマッサージ機Bとして、図21に示す構成とすることができる。上述してきたマッサージ機Aと異なるのは、左右の肘掛部5に、それぞれ腕施療部51を設けた点にある。
この腕施療部51は、縦断面視略コ字状に形成されて腕収容部52が形成されており、被施療者Mが下膊を内側から挿入可能としている。そして、前記腕収容部52内にはエアバッグ53が配設され、下膊部を上下から押圧しての腕エアマッサージを可能としている(表1参照)。
図中、54はリモコン保持台であり、略L字状に形成し、基端を左側の腕収容部52の外側部に連設したアーム55の先端に取付けられている。
また、この実施形態においては、前記リモコンRに設けたスタート/収容ボタンS3を操作した場合、背もたれ部3を所定角度傾動させたスタート位置まで傾動動作させるとともに、収納ボタンS30を操作した場合は、前記背もたれ部3を所定の収納位置まで起立動作させるようにしている。
なお、本実施形態では、前記スタート位置と収納位置とを同位置としており、その位置を図22に示すように、垂直よりも後方へ12度傾けた位置(以下「定位置C」とする)としている。この定位置Cにおいては、図示するように、側面視で背もたれ部3の背面がマッサージ機Bの最後端部位B1と略同位置となり、しかも、体側施療部として機能する側壁部6と腕施療部51との間には所定の間隔Dが形成されるようになっている。
そして、図22(a)に示すように、前記スタート/収納ボタンS3を操作した場合、背もたれ部3が前記定位置Cよりも起立した位置にある場合は、定位置Cまで倒伏方向に傾動させる一方、背もたれ部3が前記定位置Cよりも倒伏した位置にある場合は、当該位置に保持させるのである。すなわち、前記定位置Cよりも倒伏した位置に既に位置しているというのは、被施療者Mの好みの位置と考えられるからである。
また、図22(b)に示すように、前記収納ボタンS30を操作した場合、背もたれ部3が前記定位置Cよりも起立した位置にある場合は当該位置に保持させる一方、前記背もたれ部3が前記定位置Cよりも倒伏した位置にある場合は、当該定位置Cまで起立動作させるのである。すなわち、背もたれ部3が前記定位置Cよりも起立した位置にある場合というのは、すでに背もたれ部3がマッサージ機Bの最後端部位B1よりも内側に位置しているので邪魔になることがないと考えられるので、あえて定位置Cまで傾動させる必要がないからである。
そして、かかる構成とすれば、たとえ体側施療部として機能する側壁部6,6が設けられ、かつ腕施療部51が肘掛部5から上方へ突出した状態で設けられていても、スタートボタンS3や収納ボタンS30を操作した際に、側壁部6と腕施療部51との間隔が前記間隔Dよりも小さくなることがなく、想定外のものを挟み込んだりすることがない。なお、この背もたれ部3の傾動動作の制御については、先に説明した実施形態に係るマッサージ機Aに適用可能であることは言うまでもない。
ところで、本実施形態では、背もたれ部3のスタート位置と収納位置とを定位置Cで同位置としたが、スタート位置と収納位置とを別にしてもよい。
例えば、収納位置としては定位置Cのままにして、図中、Fで示した背もたれ部3の位置をスタート設定位置とすることができる。その場合、スタート/収納ボタンS3を操作したときに、背もたれ部3が前記スタート設定位置Fよりも起立した位置にある場合は、スタート設定位置Fまで倒伏方向に傾動させる一方、背もたれ部3が前記スタート設定位置Fよりも倒伏した位置にある場合は、当該位置に保持させることになる。
以上説明してきた各実施形態に係るマッサージ機A,Bでは、マッサージ動作を開始させるための複数のスタートボタンS5a〜S5dを設け、しかも各スタートボタンS5a〜S5dに、マッサージ基準位置となる肩位置の異なった初期値をそれぞれ割付け、各スタートボタンS5a〜S5dが操作された場合、割付けられた肩位置の初期値に基いて、通常行われるポイントナビなどの体形検出を省略して速やかにマッサージが実行される。したがって、誰でも自分の肩位置(身長)に応じたスタートボタンS5a〜S5dを操作するという簡単な操作でマッサージ施療を受けることができる