JP2007006641A - ロータの製造方法、及びロータ - Google Patents
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Abstract
【課題】磁性体の位置決め及び接着に要する時間を短縮することができるロータの製造方法を提供する。
【解決手段】可撓性を有するシート13上に所定間隔を空けて複数のマグネット12が固定される。その後、シート13及び複数のマグネット12がロータシャフト11のカップ部15の外周面15aに固着される。
【選択図】 図4
【解決手段】可撓性を有するシート13上に所定間隔を空けて複数のマグネット12が固定される。その後、シート13及び複数のマグネット12がロータシャフト11のカップ部15の外周面15aに固着される。
【選択図】 図4
Description
本発明は複数のマグネットを備えたロータ、及びロータの製造方法に関する。
従来、表面磁石型の回転電機に備えられるロータは、軸支される回転軸に固定されたバックヨークと、該バックヨークの外周面に接着剤等により固定された複数のマグネット(磁性体)とを備えて構成されている(例えば、特許文献1)。複数のマグネットは、隣接するマグネットとの間に隙間を空けて配置される。つまり、複数のマグネットは、各マグネット間の間隔が等しくなるように(即ち、複数のマグネットが周方向に等角度間隔に配置されるように)位置決めを行ってバックヨークの外周面に固定される。マグネット間の間隔が一定に保たれないと、コギングトルクの増大を招く虞がある。
そこで、マグネットは、例えばマグネット固定用の治具を用いてバックヨークに対して周方向及び径方向に位置決めされ、バックヨークの外周面に1つ1つ接着固定されていた。その他、バックヨークの外周面上でマグネット間にスペーサを配置することによりマグネットの位置決めを行い、バックヨークの外周面にマグネットを1つ1つ接着固定したり、バックヨークの外周面にマグネットを仮止めした後、本接着を行って、バックヨークの外周面にマグネットを接着固定したりしていた。
特開2004−140964号公報 (第1図)
しかしながら、マグネット固定用の治具を用いてマグネットの位置決めを行い、バックヨークの外周面にマグネットを接着固定する場合、マグネットを1つ1つバックヨークの外周面に貼り付けていくことになるため、マグネットの位置決め及び接着に時間がかかってしまう。同様に、スペーサを用いてマグネットの位置決めを行い、バックヨークの外周面にマグネットを接着固定する場合も、マグネットを1つ1つバックヨークの外周面に貼り付けていくことになるため、マグネットの位置決め及び接着に時間がかかってしまう。また、マグネットをバックヨークの外周面に仮止めした後、本接着を行って、バックヨークの外周面にマグネットを接着固定する場合であっても、仮止めを行う工程と、本接着を行う工程とを行う必要があるため、マグネットの位置決め及び接着に時間がかかってしまう。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、磁性体の位置決め及び接着に要する時間を短縮することができるロータの製造方法、及びロータを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、軸支されるシャフト部、及び該シャフト部と一体に形成されたカップ部を有するロータシャフトと、前記カップ部の外周面に固定された複数の磁性体とを有するロータの製造方法であって、可撓性を有するシート上に所定間隔を空けて複数の前記磁性体が固定される配置工程と、前記シート及び複数の前記磁性体が前記カップ部の外周面に固着される固着工程とを備えた。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロータの製造方法において、前記固着工程では、複数の前記磁性体が固定された前記シートは、前記シートが前記磁性体よりも径方向外側となるように、前記カップ部の外周に装着される。
請求項3に記載の発明は、軸支される回転軸と、前記回転軸が挿通され、該回転軸と一体回転するバックヨークと、前記バックヨークの外周面に固定された複数の磁性体とを有するロータの製造方法であって、可撓性を有するシート上に所定間隔を空けて複数の前記磁性体が固定される配置工程と、前記シート及び複数の前記磁性体が前記バックヨークの外周面に固着される固着工程とを備えた。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のロータの製造方法において、前記固着工程では、複数の前記磁性体が固定された前記シートは、前記シートが前記磁性体よりも径方向外側となるように、前記バックヨークの外周に装着される。
請求項5に記載の発明は、軸支されるシャフト部、及び該シャフト部と一体に形成されたカップ部を有するロータシャフトと、前記カップ部の外周面に固定された複数の磁性体とを有するロータであって、複数の前記磁性体の径方向外側には、所定間隔を空けて固定された複数の前記磁性体と共に前記カップ部の外周に巻き付けられた可撓性を有するシートが備えられている。
請求項6に記載の発明は、軸支される回転軸と、前記回転軸が挿通され、該回転軸と一体回転するバックヨークと、前記バックヨークの外周面に固定された複数の磁性体とを有するロータであって、複数の前記磁性体の径方向外側には、所定間隔を空けて固定された複数の前記磁性体と共に前記バックヨークの外周に巻き付けられた可撓性を有するシートが備えられている。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、複数の磁性体は、可撓性を有するシート上に所定間隔を空けて固定される。尚、所定間隔は、カップ部に対して複数の磁性体が配置されるべき位置に配置された場合における隣接する磁性体間の間隔(隣接する磁性体間の周方向に沿った距離)に相当する。従って、シート上に複数の磁性体が固定される際に、カップ部に対するマグネットの周方向の位置決めがなされる。そして、シートと共に複数の磁性体がカップ部の外周面に固着されるため、治具やスペーサを用いて磁性体を1つ1つカップ部の外周面に固定する場合よりも短時間でカップ部に対する磁性体の位置決め及び接着を行うことができる。また、従来のように磁性体の仮止め及び本接着を行って磁性体をカップ部に固定する場合よりも、磁性体の位置決め及び接着を容易に行うことができるため、磁性体の位置決め及び接着に要する時間を短縮することができる。
請求項1に記載の発明によれば、複数の磁性体は、可撓性を有するシート上に所定間隔を空けて固定される。尚、所定間隔は、カップ部に対して複数の磁性体が配置されるべき位置に配置された場合における隣接する磁性体間の間隔(隣接する磁性体間の周方向に沿った距離)に相当する。従って、シート上に複数の磁性体が固定される際に、カップ部に対するマグネットの周方向の位置決めがなされる。そして、シートと共に複数の磁性体がカップ部の外周面に固着されるため、治具やスペーサを用いて磁性体を1つ1つカップ部の外周面に固定する場合よりも短時間でカップ部に対する磁性体の位置決め及び接着を行うことができる。また、従来のように磁性体の仮止め及び本接着を行って磁性体をカップ部に固定する場合よりも、磁性体の位置決め及び接着を容易に行うことができるため、磁性体の位置決め及び接着に要する時間を短縮することができる。
請求項2,4に記載の発明によれば、製造されたロータにおいては、磁性体よりもシートが径方向外側に配置される。即ち、複数の磁性体は、シートによって径方向外側から覆われた状態となる。よって、ひび割れ等、磁性体の破損が生じた場合、シートによって磁性体の飛散が防止される。
請求項3に記載の発明によれば、複数の磁性体は、可撓性を有するシート上に所定間隔を空けて固定される。尚、所定間隔は、バックヨークに対して複数の磁性体が配置されるべき位置に配置された場合における隣接する磁性体間の間隔(隣接する磁性体間の周方向に沿った距離)に相当する。従って、シート上に複数の磁性体が固定される際に、バックヨークに対するマグネットの周方向の位置決めがなされる。そして、シートと共に複数の磁性体がバックヨークの外周面に固着されるため、治具やスペーサを用いて磁性体を1つ1つカップ部の外周面に固定する場合よりも短時間でバックヨークに対する磁性体の位置決め及び接着を行うことができる。また、従来のように磁性体の仮止め及び本接着を行って磁性体をバックヨークに固定する場合よりも、磁性体の位置決め及び接着に要する時間を短縮することができる。
請求項5に記載の発明によれば、複数の磁性体は、可撓性を有するシート上に所定間隔を空けて固定された状態で、シートと共にカップ部の外周に巻き付けられることによりカップ部に固定されている。ここで、所定間隔は、カップ部に対して複数の磁性体が配置されるべき位置に配置された場合における隣接する磁性体間の間隔(隣接する磁性体間の周方向に沿った距離)に相当する。従って、シート上に複数の磁性体が固定される際に、カップ部に対するマグネットの周方向の位置決めがなされている。そして、複数の磁性体が固定されたシートをカップ部の外周に巻き付けて複数の磁性体をカップ部の外周面に固着しているため、治具やスペーサを用いて磁性体を1つ1つカップ部の外周面に固定した場合よりも短時間でカップ部に対する磁性体の位置決め及び接着を行うことができる。また、従来のように磁性体の仮止め及び本接着を行って磁性体をカップ部に固定する場合よりも、磁性体の位置決め及び接着が容易に行われるため、磁性体の位置決め及び接着に要する時間を短縮することができる。
また、製造されたロータにおいては、磁性体よりもシートが径方向外側となる。即ち、複数の磁性体は、シートによって径方向外側から覆われた状態となる。よって、ひび割れ等、磁性体の破損が生じた場合、シートによって磁性体の飛散が防止される。
請求項6に記載の発明によれば、複数の磁性体は、可撓性を有するシート上に所定間隔を空けて固定された状態で、シートと共にバックヨークの外周に巻き付けられることによりバックヨークに固定されている。ここで、所定間隔は、バックヨークに対して複数の磁性体が配置されるべき位置に配置された場合における隣接する磁性体間の間隔(隣接する磁性体間の周方向に沿った距離)に相当する。従って、シート上に複数の磁性体が固定される際に、バックヨークに対するマグネットの周方向の位置決めがなされる。そして、複数の磁性体が固定されたシートをバックヨークの外周に巻き付けて複数の磁性体をバックヨークの外周面に固着しているため、治具やスペーサを用いて磁性体を1つ1つカップ部の外周面に固定した場合よりも短時間でバックヨークに対する磁性体の位置決め及び接着を行うことができる。また、従来のように磁性体の仮止め及び本接着を行って磁性体をバックヨークに固定する場合よりも、磁性体の位置決め及び接着が容易に行われるため、磁性体の位置決め及び接着に要する時間を短縮することができる。
また、製造されたロータにおいては、磁性体よりもシートが径方向外側となる。即ち、複数の磁性体は、シートによって径方向外側から覆われた状態となる。よって、ひび割れ等、磁性体の破損が生じた場合、シートによって磁性体の飛散が防止される。
本発明によれば、磁性体の位置決め及び接着に要する時間が短縮されるロータの製造方法、及びロータを提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に本実施形態のブラシレスモータ1の概略半断面図を示す。ブラシレスモータ1は、例えば、電動パワーステアリング装置の駆動源として用いられる。ブラシレスモータ1は、モータハウジング2、ステータ3、及びロータ4を備えて構成されている。
図1に本実施形態のブラシレスモータ1の概略半断面図を示す。ブラシレスモータ1は、例えば、電動パワーステアリング装置の駆動源として用いられる。ブラシレスモータ1は、モータハウジング2、ステータ3、及びロータ4を備えて構成されている。
モータハウジング2は、一端が閉塞された略円筒状のハウジング本体5と、該ハウジング本体5の開口部を閉塞するエンドプレート6とから構成されている。そして、前記ステータ3は、ハウジング本体5の内周面に固定されている。ステータ3は、略円筒状をなしており、ステータコア7と、該ステータコア7に巻装された巻線8とを備えている。巻線8は、図示しない電源装置に接続されており、電源装置から電源が供給されると、ロータ4を回転させるための回転磁界を発生させるように構成されている。
ロータ4は、ステータ3の径方向内側に回転可能に支持されている。ロータ4は、ロータシャフト11と、複数(本実施形態では6つ)のマグネット(磁性体)12と、1枚のシート13とを備えて構成されている。
ロータシャフト11は、有底円筒状に形成されたカップ部15と、カップ部15に一体に形成されカップ部15の底部を貫通するシャフト部16とから構成されている。シャフト部16は、略円柱状に形成されており、ハウジング本体5に設けられた軸受17と、エンドプレート6に設けられた軸受18とによって軸支されている。
図2(b)に示すように、6つのマグネット12は、カップ部15の外周面15aに、周方向に等角度間隔となるように固着されている。また、6つのマグネット12は、各マグネット12間に所定間隔を空けて配置されることにより、隣接するマグネット12間に隙間19を有している。そして、各マグネット12は、カップ部15の外周面15aに応じて湾曲している。図2(a)に示すように、各マグネット12は、各マグネット12の径方向内側(カップ部15の径方向に沿った内側)の面12aと、カップ部15の外周面15aとの間に介在された接着剤20によって、カップ部15に対して固定されている。
前記シート13は、可撓性を有しており、例えば、ポリエステル、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、金属製フィルム、ガラスクロス、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等の何れかよりなる。そして、シート13は、6つのマグネット12の径方向外側に設けられており、6つのマグネット12を径方向外側から覆っている。また、シート13は、各マグネット12の径方向外側(カップ部15の径方向に沿った外側)の面12bに固着されている。
次に、上記のように構成されたロータ4の製造方法について説明する。
まず、シート13上に複数のマグネット12が配置される(配置工程)。シート13へのマグネット12の配置は、本実施形態では、図3(a)に示すような磁石配置装置31を用いて行われる。ここで、磁石配置装置31について詳述すると、磁石配置装置31は、磁石供給装置32と、テーブル33と、制御装置34とを備えて構成されている。磁石供給装置32は、テーブル33の上部に配置されており、マグネット12を1つずつテーブル33上に配置する。この時、磁石供給装置32は、マグネット12の径方向外側の面12bをテーブル33側に向けてマグネット12をテーブル33上に配置する。磁石供給装置32にてテーブル33上に配置される各マグネット12は、着磁が施されていないと共に、径方向外側の面12bに接着剤21(図4(c)参照)が塗布されている。接着剤21は、例えば、アクリル系、シリコン系、熱硬化ゴム系、エポキシ樹脂系等の接着剤(ホットメルト接着剤、粘着剤であってもよい)の何れかである。
まず、シート13上に複数のマグネット12が配置される(配置工程)。シート13へのマグネット12の配置は、本実施形態では、図3(a)に示すような磁石配置装置31を用いて行われる。ここで、磁石配置装置31について詳述すると、磁石配置装置31は、磁石供給装置32と、テーブル33と、制御装置34とを備えて構成されている。磁石供給装置32は、テーブル33の上部に配置されており、マグネット12を1つずつテーブル33上に配置する。この時、磁石供給装置32は、マグネット12の径方向外側の面12bをテーブル33側に向けてマグネット12をテーブル33上に配置する。磁石供給装置32にてテーブル33上に配置される各マグネット12は、着磁が施されていないと共に、径方向外側の面12bに接着剤21(図4(c)参照)が塗布されている。接着剤21は、例えば、アクリル系、シリコン系、熱硬化ゴム系、エポキシ樹脂系等の接着剤(ホットメルト接着剤、粘着剤であってもよい)の何れかである。
テーブル33の上面33aは平面状をなしており、この上面33aに長方形状をなすシート13が配置される。また、テーブル33は、磁石供給装置32に対して一方向にスライド移動可能となっている。そして、図3(b)に示すように、テーブル33は、テーブル33上にマグネット12が1つ配置される度に所定距離L1だけスライド移動される。テーブル33のスライド移動の方向は、マグネット12の長手方向(マグネット12がカップ部15の外周面15aに固定された際にシャフト部16の軸方向と一致する方向)と直交する方向である。言い換えると、磁石供給装置32は、テーブル33のスライド移動の方向に対してマグネット12の長手方向が直交するように、マグネット12をテーブル33上に配置する。また、所定距離L1とは、カップ部15に対して6つのマグネット12が周方向に等角度間隔に配置された状態における隣接するマグネット12同士の距離L2(図2(b)参照)に相当する。尚、磁石供給装置32によるマグネット12の配置、及びテーブル33のスライド移動は、前記制御装置34によって制御されている。
上記の磁石配置装置31にてシート13上にマグネット12が配置される際には、まず、テーブル33の上面33aにシート13が配置される。上面33aが平面状をなしているため、可撓性を有するシート13は、上面33aに倣って平面状をなしている。次いで、磁石供給装置32がテーブル33上、即ちシート13上にマグネット12を1つ配置する。この時、マグネット12の径方向外側の面12bに接着剤21が塗布されていることから、マグネット12は、接着剤21によってシート13に固定される。磁石供給装置32によってシート13上にマグネット12が配置されると、テーブル33が所定距離L1だけスライド移動される。以後同様に、磁石供給装置32にてマグネット12がシート13上に配置される度にテーブル33が所定距離L1だけスライド移動され、図4(b)に示すように、シート13上に6個のマグネット12が所定距離L1毎に配置される。そして、シート13上に6個のマグネット12が所定距離L1毎に配置されることにより、6個の磁性体は隣接する各マグネット12間に所定間隔D1(図4(b)参照)を空けてシート13上に固定される。このように、本実施形態では、シート13上にマグネット12を固定する配置工程において、平面状のシート13上にマグネット12が配置される度に、テーブル33が所定距離L1だけスライド移動されることにより、各マグネット12間の間隔が決定される。即ち、各マグネット12の位置決めが行われる。
次いで、シート13上に固定されたマグネット12の径方向内側の面12aに、接着剤20が塗布される(図4(c)参照)。接着剤20は、マグネット12の径方向外側の面12bに塗布された接着剤21と同様のものが利用される。尚、接着剤20は、接着剤21と同様のものでなくてもよく、粘着剤等であってもよい。また、接着剤20の代わりに、粘着テープを利用してもよい。
次いで、図4(a)に示すロータシャフト11のカップ部15の外周に、マグネット12が固定された状態のシート13が巻き付けられる(固着工程)。この時、シート13は、該シート13が各マグネット12よりも径方向外側となるようにカップ部15に対して装着される。そして、各マグネット12は、各マグネット12の径方向内側の面12aとカップ部15の外周面15aとの間に介在された接着剤20によってカップ部15に対して固着される。その後、マグネット12に着磁が施されてロータ4が完成する。
上記したように、本実施形態によれば、以下の作用・効果を有する。
(1)ロータ4を製造する際、6つのマグネット12は、可撓性を有するシート13上に所定間隔D1を空けて配置される。この時、シート13上にマグネット12が配置される度に、テーブル33が所定距離L1だけスライド移動されることにより、各マグネット12間の間隔が決定される。従って、各マグネット12の位置決めを容易に行うことができる。そして、6つのマグネット12が固定されたシート13をカップ部15の外周に巻き付けるだけで6つのマグネット12が接着剤20によってカップ部15の外周面15aに固着される。従って、従来のように治具やスペーサを用いて位置決めを行いながらマグネットを1つ1つカップ部の外周面に固定する場合よりも、短時間でカップ部15に対するマグネット12の位置決め及び接着を行うことができる。また、従来のようにマグネットの仮止め及び本接着を行ってマグネットをカップ部に固定する場合よりも、マグネット12の位置決め及びカップ部15への固着が容易に行われるため、マグネット12の位置決め及び接着に要する時間を短縮することができる。その結果、ロータ4の生産性が向上する。
(1)ロータ4を製造する際、6つのマグネット12は、可撓性を有するシート13上に所定間隔D1を空けて配置される。この時、シート13上にマグネット12が配置される度に、テーブル33が所定距離L1だけスライド移動されることにより、各マグネット12間の間隔が決定される。従って、各マグネット12の位置決めを容易に行うことができる。そして、6つのマグネット12が固定されたシート13をカップ部15の外周に巻き付けるだけで6つのマグネット12が接着剤20によってカップ部15の外周面15aに固着される。従って、従来のように治具やスペーサを用いて位置決めを行いながらマグネットを1つ1つカップ部の外周面に固定する場合よりも、短時間でカップ部15に対するマグネット12の位置決め及び接着を行うことができる。また、従来のようにマグネットの仮止め及び本接着を行ってマグネットをカップ部に固定する場合よりも、マグネット12の位置決め及びカップ部15への固着が容易に行われるため、マグネット12の位置決め及び接着に要する時間を短縮することができる。その結果、ロータ4の生産性が向上する。
(2)製造されたロータ4においては、マグネット12よりもシート13が径方向外側に配置される。即ち、6つのマグネット12は、径方向外側からシート13によって覆われた状態となる。よって、ひび割れ等、マグネット12の破損が生じた場合、シート13によってマグネット12の飛散を防止することができる。破損したマグネット12の飛散をシート13によって防止することができるため、別途金属製のカバーをマグネット12の外周に設けなくてもよい。その結果、製造コストを低減させることができる。
(3)本実施形態では、マグネット12の位置決めは、平面状のシート13上で行われている。そのため、曲面状のカップ部15の外周面15a上でマグネット12の位置決めを行うよりも、精度良く位置決めを行うことができる(即ち、隣接するマグネット12間の間隔を等しくすることができる)。従って、ロータ4を備えたブラシレスモータ1は、従来のモータよりもコギングトルクを低減させることができ、ブラシレスモータ1における振動・騒音を低減させることができる。
(4)6つのマグネット12は、これらマグネット12がシート13に固定された状態でカップ部15に巻き付けられることにより、マグネット12の径方向内側の面12aとカップ部15の外周面15aとの間に介在された接着剤20によってカップ部15に固着される。この時、シート13は、マグネット12よりも径方向外側に配置されるようにカップ部15に巻き付けられる。従って、例えば、マグネット12の径方向内側の面12aとカップ部15の外周面15aとの間から接着剤20がはみ出した場合であっても、シート13によってはみ出した接着剤20がステータ3に接触することが防止される。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、配置工程において、マグネット12は、シート13上に1つずつ配置されていくが、6つのマグネット12を一度にシート13上に配置してもよい。この場合、6つのマグネット12は、各マグネット12間に間隔D1を有するように保持された状態で磁石供給装置32によってシート13上に配置される。このようにすると、マグネット12の位置決めに要する時間を更に短縮することができると共に、6つのマグネット12の配置に要する時間をより短縮することができ、生産性が更に向上する。
○上記実施形態では、配置工程において、マグネット12は、シート13上に1つずつ配置されていくが、6つのマグネット12を一度にシート13上に配置してもよい。この場合、6つのマグネット12は、各マグネット12間に間隔D1を有するように保持された状態で磁石供給装置32によってシート13上に配置される。このようにすると、マグネット12の位置決めに要する時間を更に短縮することができると共に、6つのマグネット12の配置に要する時間をより短縮することができ、生産性が更に向上する。
○上記実施形態では、磁石配置装置31は、磁石供給装置32に対してテーブル33がスライド移動されるように構成されているが、これに限らない。磁石配置装置31は、例えば、テーブル33に対して磁石供給装置32が所定距離ずつスライド移動されるように構成されてもよい。
○上記実施形態では、接着剤20は、マグネット12がシート13上に配置されてからマグネット12に塗布されているが、これに限らない。例えば、磁石供給装置32にて配置されるマグネット12の径方向内側の面12aに接着剤20が塗布されていてもよい。また、接着剤20は、マグネット12の径方向内側の面12aではなく、カップ部15の外周面15aに塗布されてもよい。
○上記実施形態では、配置工程において、マグネット12は、マグネット12の径方向外側の面12bに塗布された接着剤21にてシート13に固定されるが、これに限らない。例えば、シート13の代わりに粘着性を有するシートを用い、シートの粘着性によってマグネット12がシートに固定される構成としてもよい。また、熱溶着によってシート13とマグネット12とが固定される構成であってもよい。
○上記実施形態では、ロータ4は、カップ部15とシャフト部16とが一体に形成されたロータシャフト11に対してマグネット12が固定された構成であるが、これに限らない。例えば、図5(a)(b)に示すロータ41は、円柱状の回転軸42と、円筒状をなすバックヨーク43と、複数(図5(b)においては6つ)のマグネット12と、シート13とを備えている。バックヨーク43は、回転軸42が挿通され、該回転軸42と一体回転可能に構成されている。6つのマグネット12は、バックヨーク43の外周面43aに周方向に等角度間隔に固着されている。そして、シート13は、6つのマグネット12の径方向外側に設けられており、各マグネット12の径方向外側の面12bに固着されている。このような構成のロータ41を製造する際に、上記実施形態と同様にしてバックヨーク43の外周面43aにマグネット12を固着すると、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
○上記実施形態では、完成したロータ4はシート13を備えた構成である。しかしながら、マグネット12をカップ部15の外周面15aに固着した後、シート13をマグネット12から剥離してもよい。
○上記実施形態では、ロータ4において、マグネット12よりもシート13が径方向外側に配置される。しかしながら、マグネット12よりもシート13が径方向内側に配置される構成としてもよい。この場合、配置工程では、マグネット12は、マグネット12の径方向内側の面12aがテーブル33側に向くようにしてシート13上に配置される。そして、接着剤が塗布された状態のカップ部15の外周面15aに、マグネット12が固定された状態のシート13が巻き付けられる。このように、ロータ4を、マグネット12よりもシート13が径方向内側に配置される構成とした場合には、マグネット12の外周側に金属製のカバーを被せてもよい。
○上記実施形態では、ロータ4は、6つのマグネット12を備えているが、マグネット12の数は6つに限らない。ロータ4に備えられるマグネット12は、5つ以下であってもよいし、7つ以上であってもよい。
4,41…ロータ、11…ロータシャフト、12…磁性体としてのマグネット、13…シート、15…カップ部、15a…カップ部の外周面、16…シャフト部、42…回転軸、43…バックヨーク、43a…バックヨークの外周面、D1…所定間隔。
Claims (6)
- 軸支されるシャフト部、及び該シャフト部と一体に形成されたカップ部を有するロータシャフトと、
前記カップ部の外周面に固定された複数の磁性体と
を有するロータの製造方法であって、
可撓性を有するシート上に所定間隔を空けて複数の前記磁性体が固定される配置工程と、
前記シート及び複数の前記磁性体が前記カップ部の外周面に固着される固着工程と
を備えたことを特徴とするロータの製造方法。 - 請求項1に記載のロータの製造方法において、
前記固着工程では、複数の前記磁性体が固定された前記シートは、前記シートが前記磁性体よりも径方向外側となるように、前記カップ部の外周に装着されることを特徴とするロータの製造方法。 - 軸支される回転軸と、
前記回転軸が挿通され、該回転軸と一体回転するバックヨークと、
前記バックヨークの外周面に固定された複数の磁性体と
を有するロータの製造方法であって、
可撓性を有するシート上に所定間隔を空けて複数の前記磁性体が固定される配置工程と、
前記シート及び複数の前記磁性体が前記バックヨークの外周面に固着される固着工程と
を備えたことを特徴とするロータの製造方法。 - 請求項3に記載のロータの製造方法において、
前記固着工程では、複数の前記磁性体が固定された前記シートは、前記シートが前記磁性体よりも径方向外側となるように、前記バックヨークの外周に装着されることを特徴とするロータの製造方法。 - 軸支されるシャフト部、及び該シャフト部と一体に形成されたカップ部を有するロータシャフトと、
前記カップ部の外周面に固定された複数の磁性体と
を有するロータであって、
複数の前記磁性体の径方向外側には、所定間隔を空けて固定された複数の前記磁性体と共に前記カップ部の外周に巻き付けられた可撓性を有するシートが備えられていることを特徴とするロータ。 - 軸支される回転軸と、
前記回転軸が挿通され、該回転軸と一体回転するバックヨークと、
前記バックヨークの外周面に固定された複数の磁性体と
を有するロータであって、
複数の前記磁性体の径方向外側には、所定間隔を空けて固定された複数の前記磁性体と共に前記バックヨークの外周に巻き付けられた可撓性を有するシートが備えられていることを特徴とするロータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005185044A JP2007006641A (ja) | 2005-06-24 | 2005-06-24 | ロータの製造方法、及びロータ |
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JP2005185044A JP2007006641A (ja) | 2005-06-24 | 2005-06-24 | ロータの製造方法、及びロータ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2005
- 2005-06-24 JP JP2005185044A patent/JP2007006641A/ja active Pending
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