JP2007005550A - プラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマエッチング装置において確実にダミーエッチング処理を行う。
【解決手段】被処理基板又はダミー基板6が収容される処理室1と、処理室1の内部に収容された被処理基板又はダミー基板6をプラズマによってエッチング処理するエッチング手段と、処理室1の内部におけるプラズマの発光強度を検出する検出手段15と、ダミー基板6をエッチング手段によってエッチング処理するダミーエッチング処理から、被処理基板6をエッチング手段によってエッチング処理する生産用エッチング処理へエッチング処理を切り換える切換手段13aとを備えたプラズマエッチング装置20であって、切換手段13aは、検出手段15で検出されたプラズマの発光強度の変化に基づいて、エッチング処理を切り換える。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置などを構成する導電素子を製造するためのプラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法に関し、特に、発光分光法を用いて終点検出が可能なプラズマエッチング装置に関するものである。
プラズマエッチング装置では、エッチング処理を繰り返すことによって、処理室の内部に被エッチング膜とエッチングガスとの反応生成物が堆積される。この反応生成物は、エッチングガスのプラズマ中の活性種による反応を不安定にしたり、エッチングガスの均一な流れを乱したりするので、エッチング処理のばらつきを引き起こすことになる。また、反応生成物が処理室の内壁から剥離することによって、浮遊粉塵と呼ばれるパーティクルが発生することもある。そのため、プラズマエッチング装置の処理室の内部を定期的に大気に開放して清掃を行う必要がある。
この処理室の清掃では、処理室の内壁面などに清掃で使用するIPA(イソプロピルアルコール)及び純水や、大気中の水分が吸着するので、生産使用前に水分を除去する必要がある。例えば、処理室の内部に基板を収容せずに、通常のエッチング処理のときよりも低い電圧で放電するダミー放電では、水分を完全に除去することが困難である。ここで、低い電圧で放電するのは、放電用の電極の損傷を防ぐためである。仮に、水分の除去が不完全なまま、導電素子を製造するためのエッチング処理を開始すると、プラズマ中において、処理室の内壁面などから脱離された水分子の分解種であるHが発生して、その分解種のHと活性種であるハロゲン原子などとが結合してしまう。そうなると、処理室の内部において活性種の濃度が低下してしまうので、エッチングレートが変化して、エッチング不良が発生することになる。
そこで、多くの場合には、導電素子の製造を開始する生産開始前にダミーの基板を用いて、通常のエッチング処理のときと同程度の放電条件でエッチング処理を行うことにより、水分を十分除去して、エッチングレートを安定させている。このエッチング処理は、ダミーエッチング処理と呼ばれている。
また、清掃後の他にも、生産の間隔が空いた場合や被エッチング物質を変更する場合には、処理室の内部の温度変化やそれに伴う反応生成物の付着及び剥離など、処理室の内壁表面での反応系の変化によってエッチングレートが低下するため、上記ダミーエッチング処理を行うことによってエッチングレートを安定させることが有効である。
ところで、プラズマエッチング装置では、エッチング処理を行っている間には、プラズマの発光強度が変化するので、その発光強度の変化に基づいてエッチング処理を制御する発光分光法がよく用いられている。
例えば、特許文献1には、上記発光分光法を用いて、半導体基板面内の残膜厚のばらつきをエッチング処理毎に確認できるプラズマエッチング方法が開示されている。
特開2003−151955号公報
また、上記ダミーエッチング処理において、エッチングレートを安定させるために必要なエッチングの回数や処理時間などの処理パラメータは、処理室の内部が大気に曝されていた時間や処理室の内壁面の状態など様々な要因が影響するので、上記処理パラメータを最適化することは困難である。そのため、プラズマエッチング装置に設定する処理パラメータは、経験的に大きめに設定することが多いので、必要以上に処理回数が多くなって装置の稼動率が低下したり、準備するダミー基板が多くなったりするなどの問題があった。
さらに、放電条件、エッチャントガス、被エッチング膜などが異なるエッチング処理において、ダミーエッチング処理を行った後の処理室の内部の状態を比較するには長時間を要する。そのため、設定された処理パラメータによっては、ダミーエッチング処理が不足して、生産のためのエッチング処理が不良となって、歩留まりの低下を招いていた。
また、あるエッチング処理から他のエッチング処理に切り換えるときには、エッチングレートが不安定になり易い。その対策として、エッチング処理毎にドライエッチング装置を専用化することが考えられるが、そのようなドライエッチング装置の専用化は、非効率的なドライエッチング装置の運用方法であると言わざるを得ない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プラズマエッチング装置において確実にダミーエッチング処理を行うことにある。
本発明は、プラズマの発光強度の変化に基づいて、ダミーエッチング処理から生産用エッチング処理へエッチング処理を切り換えるようにしたものである。
具体的に、本発明に係るプラズマエッチング装置は、被処理基板又はダミー基板が収容される処理室と、上記処理室の内部に収容された被処理基板又はダミー基板をプラズマによってエッチング処理するエッチング手段と、上記処理室の内部におけるプラズマの発光強度を検出する検出手段と、上記ダミー基板を上記エッチング手段によってエッチング処理するダミーエッチング処理から、上記被処理基板を上記エッチング手段によってエッチング処理する生産用エッチング処理へエッチング処理を切り換える切換手段とを備えたプラズマエッチング装置であって、上記切換手段は、上記検出手段で検出されたプラズマの発光強度の変化に基づいて、上記エッチング処理を切り換えるように構成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、プラズマを用いたエッチング処理では、その処理中にプラズマの発光強度が変化するので、検出手段を用いて、処理室の内部に発生したプラズマの発光強度を検出することにより、処理室の内部に収容されたダミー基板におけるダミーエッチング処理の進行状態が把握される。そして、検出手段によって把握されたダミーエッチング処理の進行状態に基づいて、切換手段がエッチング処理の切り換えを行うので、処理室の内部の状態や放電条件など、エッチング条件が異なったとしても、過不足なくダミーエッチング処理が行われる。したがって、プラズマエッチング装置において、確実にダミーエッチング処理を行うことが可能になる。
上記切換手段は、上記プラズマの発光強度が低下又は上昇し始めてから一定になるまでの経過時間を検出して、該検出された経過時間が所定範囲内に収まったときに、上記エッチング処理を切り換えるように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、切換手段によって、プラズマの発光強度が低下又は上昇し始めてから一定になるまでの経過時間が、所定範囲内に収まったときには、ダミーエッチング処理を終了する判断がなされ、また、所定範囲内に収まらなかったときには、ダミーエッチング処理が続行される。
上記エッチングガスは、複数種類の反応ガスを含んでおり、上記ダミーエッチング処理におけるプラズマの発光強度が低下又は上昇し始めてから一定になるまでの発光強度の変化を時間により一次微分した微分値に基づいて、上記処理室に供給されるエッチングガスにおける上記各反応ガスの流量比を変更するフィードバック制御を行うフィードバック制御手段を備えていてもよい。
上記の構成によれば、エッチングガスにおける流量比が被処理基板におけるエッチングの均一性に影響するので、フィードバック制御手段によって、発光強度の変化を時間により一次微分した微分値に基づいて、ダミー基板におけるエッチングの均一性を推定し、ダミーエッチング処理におけるエッチングガスの流量比を変更することにより、ダミー基板におけるエッチングの均一性を向上させることが可能になる。また、ダミーエッチング処理の回数を、同一のエッチングガスの流量比でダミーエッチング処理を繰り返す場合よりも減らすことも可能になる。
また、本発明に係るプラズマエッチング方法は、処理室の内部に収容された被処理基板又はダミー基板をプラズマによってエッチング処理するプラズマエッチング方法であって、上記ダミー基板を上記プラズマによってエッチング処理するダミーエッチング工程と、
上記被処理基板を上記プラズマによってエッチング処理する生産用エッチング工程とを備え、上記プラズマの発光強度の変化に基づいて、上記ダミーエッチング工程から上記生産用エッチング工程へ上記エッチング処理を切り換えることを特徴とする。
上記の方法によれば、プラズマを用いたエッチング処理では、処理中にプラズマの発光強度が変化するので、処理室の内部におけるプラズマの発光強度の変化によって、ダミーエッチング工程でのエッチング処理の進行状態が把握される。そして、把握されたエッチング処理の進行状態に基づいて、エッチング処理の切り換えを行うので、処理室の内部の状態や放電条件など、エッチング条件が異なったとしても、過不足なくダミーエッチング処理が行われる。したがって、プラズマエッチング装置において、確実にダミーエッチング処理を行うことが可能になる。
本発明のプラズマエッチング装置によれば、プラズマの発光強度の変化に基づいて、ダミーエッチング処理から生産用エッチング処理へエッチング処理を切り換えるようにしたので、確実にダミーエッチング処理を行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
ここで、図1は、本実施形態のプラズマエッチング装置20を示す概略構成図である。また、図2、図3及び図5は、プラズマエッチング装置20における発光強度曲線の例である。さらに、図6〜図8は、本実施形態のプラズマエッチング方法を示すフローチャートである。
プラズマエッチング装置20は、図1に示すように、基板6が収容される処理室1と、その処理室1の内部に互いに対向するように設けられ、エッチング手段として機能する上部電極4及び下部電極5と、それら上部電極4及び下部電極5の間に高周波電力を印加するための高周波電源7と、処理室1の内部のプラズマの発光強度を検出するための検出手段15と、装置全体の制御を行うための制御部13とを備えている。
上部電極4には、エッチングガスを処理室1の内部に導入するために、エッチングガス供給管2につながった複数の細孔(不図示)が設けられている。また、上部電極4は、電気的に接地されている。
処理室1は、真空容器により構成されている。そして、処理室1には、ターボ分子ポンプとドライポンプとを結合させた排気手段(不図示)が排気管3を介して接続されている。
検出手段15は、処理室1の内部のプラズマの発光を観察するために、処理室1の壁に設けられたガラス窓8と、そのガラス窓8を介してプラズマの発光を受光するための受光部9と、受光部9が受光した発光強度を電圧信号に変換し演算処理する処理部10と、処理部10での演算処理によって得られたプラズマの発光強度曲線11を表示する表示部12とを備えている。
制御部13は、処理室1の内部に導入されるエッチングガスの流量、上部電極4及び下部電極5の間に印加される高周波電力、処理室1の内部の圧力などの処理パラメータが設定されて、その設定された処理パラメータに基づいて装置全体の制御を行うものである。
また、制御部13は、処理部10に接続され、検出手段15で得られたプラズマの発光強度の変化に基づいて、後述するダミーエッチング処理から生産用エッチング処理に切り換える切換手段13aと、上記ダミーエッチング処理におけるプラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの発光強度の変化を時間により一次微分した微分値に基づいて、予め設定された処理パラメータを変更するフィードバック制御手段13bとを備えている。
また、処理室1には、大気から真空に変換するためのロードロック室(不図示)が接続されている。そして、そのロードロック室には、複数の基板が格納されるカセット室(不図示)が接続されている。これによって、カセット室に格納された複数の基板の何れかがロードロック室を介して処理室1の内部に収容され、下部電極5の上に載置される。
このような構成のプラズマエッチング装置20では、エッチングガスをエッチングガス供給管2を介して、処理室1の内部に導入すると共に、高周波電源7によって上部電極4及び下部電極5の間に高周波電力を印加することにより、処理室1の内部に導入されたエッチングガスがプラズマ化される。そして、そのプラズマ化されたエッチングガスの中のラジカルなどの活性種によって、下部電極5上に載置された基板6がエッチング処理される。さらに、検出手段15によって、処理室1の内部に発生したプラズマの発光強度の時間変化が発光強度曲線11としてアウトプットされる。
ここで、プラズマエッチング装置20によってエッチング処理される基板6には、被処理基板とダミー基板とがある。
上記被処理基板は、例えば、表面に、窒化シリコン(SiNx)膜、及びパターン形成用のレジスト膜が順に形成されたガラス基板である。ここで、この被処理基板のエッチング処理を生産用エッチング処理とする。この被処理基板は、まず、ガラス基板上の基板全体に、SiNx膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により厚さ200nm程度に成膜し、続いて、SiNx膜の基板全体に、スピンコート法などにより感光性アクリル樹脂膜(厚さ3μm程度)などを塗布した後に、露光及び現像処理を行うことにより作製される。
一方、上記ダミー基板は、例えば、表面にSiNx膜が成膜されたガラス基板であり、上記被処理基板においてレジスト膜が省略された構成になっている。ここで、このダミー基板のエッチング処理をダミーエッチング処理とする。
次に、上記ダミーエッチング処理を行った際のプラズマの発光強度の時間変化について、図2〜図5を用いて説明する。図2は、プラズマの発光強度の時間変化を示す発光強度曲線の一例である。なお、図2は、例えば、SiNx、CF4及びO2のエッチング反応によって生成した物質(Si)からの発光を、波長405nmで分光して観測したものである。
図2に示すプラズマの発光強度曲線では、まず、発光エッチング反応の開始と共に、発光強度が急峻な立ち上がりを示し(図中のa領域)、次いで、エッチング面積がほぼ一定になってダミー基板全面をエッチング反応している間は発光強度が定常状態を示し(図中のb領域)、さらに、ダミー基板面内の一部でエッチング反応が完了してエッチング面積の減少が始まると発光強度が低下している(図中のc領域)。このような発光強度曲線の特徴を利用してエッチング反応の終点dが検出される。実際のエッチング反応では、終点dでエッチング反応を終了させると、ダミー基板上に形成された薄膜の膜厚のばらつき、エッチングレートのばらつき、その薄膜の下層の凹凸による局所的な膜厚のばらつきなどによって、エッチング不良が発生する可能性があるので、終点dを検出した後に、エッチング反応を続行させるオーバーエッチング(図中のe領域)を行ってエッチングを終了する。
そして、上記のようなダミーエッチング処理を複数回繰り返すと、図3のように、終点dが図中左側にシフトしていく。具体的には、図3に示す3本の発光強度曲線のうち、右側の曲線が1枚目のダミー基板における発光強度曲線であり、中央の曲線が5枚目のダミー基板における発光強度曲線であり、左側の曲線が10枚目のダミー基板における発光強度曲線である。
また、図3のグラフを、ダミーエッチングの処理枚数とエッチングレートの基板面内のばらつきとの関係に変換すると図4のようになる。ここで、図4における縦軸のエッチングレートの基板面内のばらつきは、図3の各曲線において、発光強度が低下している部分、つまり、図2に示すc領域に対応する部分にかかる時間に対応するものである。通常、ダミーエッチング処理では、図4に示すように、プラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの経過時間が、徐々に収束するものである。
プラズマエッチング装置20では、制御部13内の切換手段13aによって、プラズマの発光強度の変化に基づいて、つまり、プラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの経過時間(図2のc領域にかかる時間)を検出して、その検出された経過時間が所定範囲内に収まったときに、ダミーエッチング処理を終了させるように、ダミーエッチング処理の終了の可否判断を行って、ダミーエッチング処理から生産用エッチング処理に切り換えることができる。
また、図5は、プラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの経過時間がc1及びc2である発光強度曲線を示している。
図5において、経過時間がc1である場合には、発光強度が低下している部分の勾配が緩やかになっているので、その勾配から、つまり、発光強度の変化を時間により一次微分した微分値から、ダミー基板面内において、エッチングが早く完了した部分となかなか完了しない部分とがあり、エッチングレートの均一性が悪いと示唆される。
また、図5において、経過時間がc2である場合には、発光強度が低下している部分の勾配が急になっているので、その勾配から、つまり、発光強度の変化を時間により一次微分した微分値から、ダミー基板面内において、エッチングがほぼ一斉に完了して、エッチングレートの均一性がよいと示唆される。
このように、プラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの発光強度の変化を時間により一次微分した微分値に基づいて、ダミー基板におけるエッチングの均一性が推定できるので、その微分値が所定範囲を超えたときに、フィードバック制御手段13bによって予め制御部13に設定されていた処理パラメータを適宜変更することによって、エッチングレートの均一性を向上させることができる。
ここで、エッチングレートの均一性は、エッチングガスの流量比に対して敏感であるので、上記適宜変更する処理パラメータの具体例として、エッチングガスを構成する各反応ガスの流量比を以下に例示する。
例えば、処理室1の内部に導入されるエッチングガスが、流量300sccmのCF4の反応ガスと、流量200sccmのO2の反応ガスとの混合ガスによってダミーエッチング処理を行って、プラズマの発光強度曲線の発光強度が低下している部分の勾配が緩やかな場合には、CF4及びO2の流量をそれぞれ320sccm及び180sccmに変更することによって、エッチングレートの均一性を高めることができる。ここで、sccmは、「standard cc/min」のことであり、大気圧(1013hPa)で0℃における流量の単位である。
また、上記処理パラメータには、上記のような各反応ガスの流量比の他に、処理室1の内部圧力、上部電極4と下部電極5との間の高周波電力などが挙げられる。
さらに、プラズマエッチング装置20には、処理パラメータの補正量に対して上限値及び下限値を設定し、その補正量が上限値及び下限値の範囲を超えた場合に、アラームを発生させるアラーム発生部が設けられていてもよい。これによって、装置の不具合が早期に検出され、装置の性能ばらつきを常に所定範囲内に維持できる。また、このアラーム発生部は、エッチングレートのばらつきについても適応できる。
ここで、上記プラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの経過時間に対する所定範囲、上記プラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの発光強度の変化を時間により一次微分した微分値に対する所定範囲、及び上記処理パラメータの補正量に対して上限値及び下限値は、個々のエッチング処理について、種々の予備実験を行うことによって設定される。
以下に、上記構成のプラズマエッチング装置20によるプラズマエッチング方法について、図6〜図8に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、図6は、プラズマエッチング装置20を構成する処理室1の内部を清掃した場合を想定したフローチャートである。
ステップSt11では、被処理基板でのエッチング処理(生産用エッチング処理)を停止する。
ステップSt12では、処理室1を一旦大気に開放する。
ステップSt13では、IPA及び純水を含ませた布などを用いて、処理室1の内部を清掃する。
ステップSt14では、排気手段によって処理室1の内部を真空引きする。
ステップSt15では、処理室1の内部にダミー基板を収容し、ダミー基板をエッチング処理するダミーエッチング工程を行う。このダミーエッチング工程では、検出手段15によって、処理室1の内部に発生したプラズマの発光強度曲線が得られる。
ステップSt16では、ステップSt15で得られたプラズマの発光強度曲線からプラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの経過時間(終点検出時間)を確認して、その終点検出時間が、所定範囲に入っているか否かを判断する。このとき、終点検出時間が、所定範囲に入っている場合(YESの場合)にはステップSt17に進み、所定範囲に入っていない場合(NOの場合)にはステップSt18に進む。
ステップSt17では、処理室1の内部に被処理基板を収容し、その被処理基板をエッチング処理する生産用エッチング工程を行う。
ステップSt18では、ステップSt15で得られたプラズマの発光強度曲線からプラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの発光強度の変化を時間により一次微分した微分値を確認して、その微分値が、所定範囲に入っているか否かを判断する。このとき、微分値が、所定範囲に入っている場合(YESの場合)にはステップSt15に戻り、所定範囲に入っていない場合(NOの場合)にはステップSt19に進む。
ステップSt19では、フィードバック制御手段13bによって制御部13に設定されていたエッチングガスの流量比を変更して、ステップSt15に戻る。
次に、図7は、プラズマエッチング装置20の使用を休止していた場合を想定したフローチャートである。
ステップSt21では、被処理基板でのエッチング処理(生産用エッチング処理)を停止する。
ステップSt22では、生産用エッチング処理の開始を確認する。
ステップSt23では、前回の生産用エッチング処理の停止から、今回の生産用エッチング処理の開始の確認まで経過した時間が、予め規定された時間以上であるか否かを判断する。このとき、前回からの経過時間が、規定時間以上である場合(YESの場合)にはステップSt24に進み、規定時間未満である場合(NOの場合)にはステップSt26に進む。
ステップSt24では、処理室1の内部にダミー基板を収容し、ダミー基板をエッチング処理するダミーエッチング工程を行う。このダミーエッチング工程では、検出手段15によって、処理室1の内部に発生したプラズマの発光強度曲線が得られる。
ステップSt25では、ステップSt24で得られたプラズマの発光強度曲線からプラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの経過時間(終点検出時間)を確認して、その終点検出時間が、所定範囲に入っているか否かを判断する。このとき、終点検出時間が、所定範囲に入っている場合(YESの場合)にはステップSt26に進み、所定範囲に入っていない場合(NOの場合)にはステップSt24に戻る。
ステップSt26では、処理室1の内部に被処理基板を収容し、その被処理基板をエッチング処理する生産用エッチング工程を行う。
さらに、図8は、処理室1に収容する基板6上の薄膜の種類を変更する場合を想定したフローチャートである。
ステップSt31では、被処理基板でのエッチング処理(生産用エッチング処理)を停止する。
ステップSt32では、処理室1の内部にダミー基板を収容し、ダミー基板をエッチング処理するダミーエッチング工程を行う。このダミーエッチング工程では、検出手段15によって、処理室1の内部に発生したプラズマの発光強度曲線が得られる。
ステップSt33では、ステップSt32で得られたプラズマの発光強度曲線からプラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの経過時間(終点検出時間)を確認して、その終点検出時間が、所定範囲に入っているか否かを判断する。このとき、終点検出時間が、所定範囲に入っている場合(YESの場合)にはステップSt34に進み、所定範囲に入っていない場合(NOの場合)にはステップSt32に戻る。
ステップSt34では、被エッチング膜である薄膜の種類が変更された被処理基板を処理室1の内部に収容し、その被処理基板をエッチング処理する生産用エッチング工程を行う。
以上説明したように、本実施形態のプラズマエッチング装置20によれば、プラズマを用いたエッチング処理では、その処理中にプラズマの発光強度が変化するので、検出手段15を用いて、処理室1の内部に発生したプラズマの発光強度を検出することにより、処理室1の内部に収容された基板6におけるダミーエッチング処理の進行状態が把握される。そして、検出手段15によって把握されたダミーエッチング処理の進行状態に基づいて、切換手段13aがダミーエッチング処理の終了の可否判断を行う。具体的には、プラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの経過時間が、所定範囲内に収まったときには、ダミーエッチング処理を終了する判断がなされる。また、その経過時間が所定範囲内に収まらなかったときには、ダミーエッチング処理が続行されるので、処理室の内部の状態や放電条件など、エッチング条件が異なったとしても、過不足なくダミーエッチング処理が行われる。したがって、プラズマエッチング装置において、確実にダミーエッチング処理を行うことが可能になる。これにより、ダミーエッチング処理に要する時間を短くすることができ、プラズマエッチング装置20の稼働率を向上させることができる。
また、フィードバック制御手段13bによって、発光強度の変化を時間により一次微分した微分値に基づいて、ダミー基板におけるエッチングの均一性を推定し、ダミーエッチング処理における処理パラメータが適宜変更されるので、ダミーエッチング処理の回数を、同一の処理パラメータでダミーエッチング処理を繰り返す場合よりも減らすことができる。
なお、本実施形態では、ダミーエッチング処理の終了の可否判断を、プラズマの発光強度が低下し始めてから一定になるまでの経過時間に基づいて行っていたが、プラズマの発光強度が上昇し始めてから一定になるまでの経過時間に基づいて行ってもよい。
また、本実施形態では、本発明に係るプラズマエッチング装置について種々の例を挙げて説明したが、本発明は、特に、上記例示した装置、放電形式、ガス種、発光種、膜種などに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で改良や設計の変更が可能である。
以上説明したように、本発明は、プラズマの発光強度の変化に基づいて、ダミーエッチング処理の終了の可否判断を行うようにしたので、種々のプラズマプロセス装置について有用である。
実施形態に係るプラズマエッチング装置20を示す概略構成図である。 プラズマエッチング装置20におけるプラズマの発光強度曲線を示すグラフの一例である。 プラズマの発光強度曲線の終点dのシフトを示すグラフである。 ダミーエッチングの処理枚数とエッチングレートの基板面内のばらつきとの関係を示すグラフである。 プラズマエッチング装置20におけるプラズマの発光強度曲線を示すグラフのその他の例である。 プラズマエッチング装置20を構成する処理室1の内部を清掃した場合を想定したフローチャートである。 プラズマエッチング装置20の使用を休止していた場合を想定したフローチャートである。 処理室1に収容する基板6上の薄膜の種類を変更する場合を想定したフローチャートである。
符号の説明
1 処理室
4 上部電極(エッチング手段)
5 下部電極(エッチング手段)
6 ダミー基板、被処理基板
13a 切換手段
13b フィードバック制御手段
15 検出手段
20 プラズマエッチング装置

Claims (4)

  1. 被処理基板又はダミー基板が収容される処理室と、
    上記処理室の内部に収容された被処理基板又はダミー基板をプラズマによってエッチング処理するエッチング手段と、
    上記処理室の内部におけるプラズマの発光強度を検出する検出手段と、
    上記ダミー基板を上記エッチング手段によってエッチング処理するダミーエッチング処理から、上記被処理基板を上記エッチング手段によってエッチング処理する生産用エッチング処理へエッチング処理を切り換える切換手段とを備えたプラズマエッチング装置であって、
    上記切換手段は、上記検出手段で検出されたプラズマの発光強度の変化に基づいて、上記エッチング処理を切り換えるように構成されていることを特徴とするプラズマエッチング装置。
  2. 請求項1に記載されたプラズマエッチング装置において、
    上記切換手段は、上記プラズマの発光強度が低下又は上昇し始めてから一定になるまでの経過時間を検出して、該検出された経過時間が所定範囲内に収まったときに、上記エッチング処理を切り換えるように構成されていることを特徴とするプラズマエッチング装置。
  3. 請求項1に記載されたプラズマエッチング装置において、
    上記エッチングガスは、複数種類の反応ガスを含んでおり、
    上記ダミーエッチング処理におけるプラズマの発光強度が低下又は上昇し始めてから一定になるまでの発光強度の変化を時間により一次微分した微分値に基づいて、上記処理室に供給されるエッチングガスにおける上記各反応ガスの流量比を変更するフィードバック制御を行うフィードバック制御手段を備えていることを特徴とするプラズマエッチング装置。
  4. 処理室の内部に収容された被処理基板又はダミー基板をプラズマによってエッチング処理するプラズマエッチング方法であって、
    上記ダミー基板を上記プラズマによってエッチング処理するダミーエッチング工程と、
    上記被処理基板を上記プラズマによってエッチング処理する生産用エッチング工程とを備え、
    上記プラズマの発光強度の変化に基づいて、上記ダミーエッチング工程から上記生産用エッチング工程へ上記エッチング処理を切り換えることを特徴とするプラズマエッチング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017163020A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法

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