JP5160393B2 - プラズマ処理方法,プラズマ処理装置,プラズマ処理装置の水分量検出方法 - Google Patents

プラズマ処理方法,プラズマ処理装置,プラズマ処理装置の水分量検出方法 Download PDF

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Description

本発明は,処理室内に所定のガスのプラズマを生成してプラズマ処理を行うプラズマ処理方法,プラズマ処理装置,プラズマ処理装置の水分量検出方法に関する。
例えばエッチング処理装置等のプラズマ処理装置は,気密な処理室と,この処理室内に配設された電極と,半導体ウエハ,ガラス基板などの製品用基板を載置する載置台とを備え,処理室内に所定のプロセスガスを導入して電極に高周波電力を印加することで処理室内にプロセスガスのプラズマを励起して製品用基板に対して所定のプラズマ処理を施すように構成されている。そして,製品用基板のプラズマ処理を継続すると,処理室内が副生成物等によって汚染されたり,内部部品が消耗したりする。このため,プラズマ処理装置を一旦停止し,処理室を開放してクリーニングや部品交換等のメンテナンスを行う。そして,メンテナンス終了後にはプラズマ処理装置を再起動する。
例えばエッチング処理装置の場合には,再起動したときに製品用基板の処理に先立って,処理室内を生産時に要求される状態に整えるために,処理室内に製品用基板とは別の所定枚数のダミー基板を供給してエッチングサイクルを繰り返すシーズニング処理を行うようになっている(例えば特許文献1参照)。このようなシーズニング処理によって,例えば処理室内の部品温度を定常状態にしたり,処理室内の内壁表面の状態(内壁に堆積する副生成物などの状態)を調整したりする。
特開2008−251967号公報 特開2006−261518号公報
ところで,上述したようなプラズマ処理装置では,部品交換やメンテナンスを行う際に処理室を開放するので,処理室内には水分(HO)が入り込み易い。このような水分は例えば上述のシーズニング処理によっても除去される。すなわち,シーズニング処理は通常,製品用基板と同様に処理室内を排気しながら処理ガスのプラズマを生成するので,例えばこのプラズマによる処理室内への入熱により水分が気化して処理室外へ排出される。
しかしながら,シーズニング処理はそもそも処理室内を生産時に要求される状態に整えるために実行されるものである。このため,従来は水分除去の観点ではなく,専ら処理室内の状態を安定させる観点からシーズニング処理を終了させていた。このため,従来はシーズニング処理を終了しても,水分除去には未だ十分ではなく,処理室内に水分が残留する場合もあった。
このように,処理室内に水分が残留していると,それに起因する不具合が生じる場合がある(例えば特許文献2参照)。例えば酸化膜のエッチング処理ではシーズニング処理の直後にエッチング処理を行ったロットと,その後にエッチング処理されたロットとの間でエッチングレートに差が生じる場合がある。これは,シーズニング処理の直後では残留する水分が多いのに対して,製品用基板の処理を連続して実行することで徐々に水分が除去されていくので,ロット間でエッチングレートの差が生じ得るものである。
このため,シーズニング処理を行う場合には,処理室内の水分量を検出して水分除去が完了したか否かについても判断することが重要となる。この点,処理室に例えば四重極形質量分析計(Qmass)などの質量分析装置を接続して処理室内の水分量を検出することも可能であるが,プラズマ処理装置自体が大型化,高コスト化するため好ましくない。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,Qmassなどの質量分析装置を用いることなく,処理室内の水分量を検出することできるプラズマ処理装置等を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,処理室内で所定のプラズマ処理を実行するプラズマ処理方法であって,前記プラズマ処理は,前記処理室内を減圧し,前記処理室内を排気しながら所定のガスを導入し,そのガスのプラズマを励起するステップと,前記処理室に設けられたモニタ用の窓部を介してその窓部を透過する前記プラズマの発光スペクトルのうち,前記処理室内の水分量と相関のある特定波長領域の光を受光して発光強度を取得するステップと,を有することを特徴とするプラズマ処理方法が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,減圧可能に構成され,電極が配置された処理室内において,前記電極に高周波電力を印加して所定のガスのプラズマを励起することで所定のプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって,前記処理室内に所定のガスを供給するガス供給部と,前記処理室内を排気して所定の圧力に減圧する排気部と,前記処理室内に設けられたモニタ用の窓部と,前記窓部を介してその窓部を透過する前記プラズマの発光スペクトルのうち,前記処理室内の水分量と相関のある特定波長領域の光を受光して発光強度を検出する発光強度検出装置と,前記排気部により前記処理室内を減圧し,前記ガス供給部から所定のガスを供給し,前記電極に所定の高周波電力を印加することで前記ガスのプラズマを励起し,前記発光強度検出装置により前記プラズマの発光スペクトルから前記特定波長領域の光を受光して検出された発光強度を取得する制御部と,を備えることを特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,プラズマ処理を実行する処理室内の水分量を検出するプラズマ処理装置の水分量検出方法であって,前記処理室内を減圧し,前記処理室内を排気しながら所定のガスを導入し,そのガスのプラズマを励起するステップと,前記処理室に設けられたモニタ用の窓部を介してその窓部を透過する前記プラズマの発光スペクトルのうち,前記処理室内の水分量と相関のある特定波長領域の光を受光して発光強度を取得するステップと,前記発光強度に基づいて前記処理室内の水分量の変化を検出するステップと,を有することを特徴とするプラズマ処理装置の水分量検出方法が提供される。
このような本発明によれば,処理室内にプラズマが励起されることで,処理室内の水分子が解離して排気される。そのとき,処理室内のプラズマの発光スペクトルのうち,処理室内の水分量と相関のある特定波長領域の光を受光して発光強度を取得することで,処理室内の水分量を検出できる。また,特定波長領域の発光強度を定期的に検出するだけで処理室内の水分量の変化を検出できるので,Qmassなどの質量分析装置を新たに設けることなく,水分の除去が完了したか否かを判断できる。
この場合,前記プラズマ処理は,例えば前記処理室内に所定のクリーニングガスを導入してプラズマを励起して行うクリーニング処理であり,前記クリーニング処理は,前記処理室内に製品基板とは異なるダミー基板を搬入して所定のプロセスガスのプラズマを励起して行うシーズニング処理後に行われることが好ましい。この場合のクリーニングガスは,例えばOガス又はCOガスである。このようなクリーニング処理によれば,シーズニング処理によってモニタ用窓部に付着する副生成物(デポ)も除去されるので,このようなクリーニング処理において特定波長領域の発光強度を検出すれば,モニタ用窓部に付着する副生成物(デポ)による発光強度の変化の影響を抑えることができる。
また,前記クリーニング処理は,前記ダミー基板所定枚数分の前記シーズニング処理を連続して実行するごとに行われ,その都度取得される発光強度の変化に基づいて前記処理室内の水分量の変化を検出することが好ましい。これによれば,発光強度の変化を監視するだけで処理室内の水分量の変化を容易に検出することができる。
また,前記発光強度が予め設定された閾値以下であるか否かを判断し,前記発光強度が前記閾値以下になるまで,前記シーズニング処理と前記クリーニング処理を繰り返し,前記発光強度が前記閾値以下になると,前記シーズニング処理と前記クリーニング処理を終了することが好ましい。これによれば,前記シーズニング処理と前記クリーニング処理が終了すると,処理室内の水分除去も完了していることになる。従って,その直後に製品用基板のプラズマ処理(例えばエッチング処理)を実行しても,処理室内の残留水分による不具合が発生することはない。
また,前記発光強度は,例えばOHラジカルの発光強度である。所定のタイミングで取得したOHラジカルの発光強度の変化と処理室内の水分量の変化とは極めて高い相関があることが本発明者らの実験により明らかになったので,このようなOHラジカルの発光強度を監視することで,処理室内の水分量の変化をより正確に検出できる。
また,前記OHラジカルの発光強度は,例えば前記特定波長領域の発光強度をそれとは別の特定波長領域の発光強度を基準として規格化したものである。これによれば,シーズニング処理を繰り返すことによってモニタ用窓部に付着する副生成物(デポ)による特定波長領域の発光強度の変化の影響を抑え,OHラジカルの減少のみを正確に検出することができる。
また,前記発光強度を取得するタイミングは,前記クリーニング処理を開始してから所定時間後であることが好ましい。これによれば,プラズマが安定してから特定波長領域の光を受光することができる。このようにプラズマが安定している状態で特定波長領域の光を受光することにより,各クリーニング処理においてばらつきのない発光強度を取得できる。
なお,本明細書中1mTorrは(10−3×101325/760)Pa,1sccmは(10−6/60)m/secとする。
本発明によれば,Qmassなどの質量分析装置を用いることなく,プラズマ発光スペクトルのうちの特定波長領域の光を受光して発光強度を取得することによって処理室内の水分量の変化を検出することできるので,例えばシーズニング処理によって処理室内の水分除去が完了したことを判断できる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(プラズマ処理装置の構成例)
先ず,本発明の実施形態にかかる方法を実施可能なプラズマ処理装置の構成例について図面を参照しながら説明する。図1は,プラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。ここでは,プラズマ処理装置を平行平板型電極構造の容量結合型のプラズマエッチング装置として構成した場合を例に挙げる。
図1に示すように,プラズマ処理装置100は,略円筒形状の処理容器により構成される処理室110を備える。処理室110は,例えばアルミニウム合金により形成され,その内壁面は例えばアルミナ膜又はイットリウム酸化膜により被覆されている。処理室110は接地されている。
処理室110の底部には,セラミックス等からなる絶縁板112を介して円柱状のサセプタ支持台114が配置され,このサセプタ支持台114の上に例えばアルミニウムからなるサセプタ116が設けられている。サセプタ116は下部電極を構成し,その上には基板としての半導体ウエハ(以下,単に「ウエハ」と称する)Wが載置される。
サセプタ116の上面には,ウエハWを静電力で吸着保持する静電チャック118が設けられている。静電チャック118は,導電膜からなる電極120を一対の絶縁層または絶縁シートで挟んで構成され,電極120には直流電源122が電気的に接続されている。直流電源122から電極120に直流電圧を印加すると,静電チャック118の上面にクーロン力等の静電力が生じ,これによりウエハWが吸着保持される。
サセプタ116の上面には静電チャック118とウエハWの周囲を囲むように,エッチングの均一性を向上させるためのフォーカスリング(補正リング)124が配置されている。フォーカスリング124は,導電性部材(例えばシリコン)で構成される。サセプタ116およびサセプタ支持台114の側面は,絶縁部材(例えば石英)からなる円筒状の内壁部材126で覆われている。
サセプタ支持台114内には,例えば円周上に冷媒室128が設けられている。冷媒室128には,外部に設けられた図示しないチラーユニットより配管130a,130bを介して所定温度の冷媒(例えば冷却水)が循環供給されるようになっている。この冷媒の温度によってサセプタ116上のウエハWの処理温度を制御する。
サセプタ支持台114内には,図示しない伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス(例えばHeガス)がガス供給ライン132を介して静電チャック118の上面とウエハWの裏面との間に供給される。
下部電極であるサセプタ116の上方には,サセプタ116と対向するように平行に上部電極134が設けられている。そして,上部電極134とサセプタ116の間に形成される空間がプラズマ生成空間となる。上部電極134は,絶縁性遮蔽部材142を介して,処理室110の上部に支持されている。
上部電極134は,主として電極板136とこれを着脱自在に支持する電極支持体138とによって構成される。電極支持体138には処理ガスを処理室110内に導入するためのガス供給管164がガス導入口162を介して接続されている。ガス供給管164は処理ガス供給源166に接続されている。
ガス供給管164には,例えば図1に示すように上流側から順にマスフローコントローラ(MFC)168および開閉バルブ170が設けられている。なお,MFCの代わりにFCNを設けてもよい。処理ガス供給源166からは,処理室110内で実行される処理に応じて所定の処理ガス(プロセスガス,クリーニングガスなど)が供給される。具体的には例えばエッチング処理(シーズニング処理)を行う場合にはフルオロカーボンガス(C)などのプロセスガスが供給される。また,クリーニング処理を行う場合にはOガスのようなクリーニングガスが供給されるようになっている。
このようなプロセスガスとしては,例えばCFガス,Cガスなどが挙げられる。プロセスガスは,フルオロカーボンガスに限られるものではない。例えばフルオロカーボンガスと不活性ガス(Arガス,Nガスなどの)との混合ガスであってもよい。また,クリーニングガスとしては,Oガスに限られるものではない。例えばCOガスなど他のクリーニングガスであってもよい。
電極支持体138には,例えば略円筒状のガス拡散室140が設けられ,ガス供給管164から導入された処理ガスを均等に拡散させることができる。電極支持体138の底部と電極板136には,ガス拡散室140からの処理ガスを処理室110内に吐出させる多数のガス吐出孔137が形成されている。ガス拡散室140で拡散された処理ガスを多数のガス吐出孔137から均等にプラズマ生成空間に向けて吐出できるようになっている。この点で,上部電極134は処理ガスを供給するためのシャワーヘッドとしても機能する。
電極支持体138は導電性材料(例えば表面が陽極酸化処理されたアルミニウム)からなり,図示しない水冷構造を有する。電極板136は,ジュール熱の少ない低抵抗の導電体または半導体が好ましく,また後述のようにレジストを強化する観点からはシリコン含有物質が好ましい。このような観点によれば電極板136はシリコンやSiCで構成されるのが好ましい。
上部電極134には,整合器146および給電棒144を介して,第1の高周波電源(上部高周波電源)148が電気的に接続されている。第1の高周波電源148の出力周波数は,50〜80MHzが好ましく,典型的には60MHz等の周波数が採用される。
整合器146は,第1の高周波電源148の内部(または出力)インピーダンスに負荷インピーダンスを整合させるもので,処理室110内にプラズマが生成されている時に第1の高周波電源148の出力インピーダンスと負荷インピーダンスが見かけ上一致するように機能する。整合器146の出力端子は給電棒144の上端に接続されている。
処理室110の側壁から上部電極134の高さ位置よりも上方に延びるように円筒状の接地導体102が設けられており,この接地導体102の天壁部分は筒状の絶縁部材103により給電棒144から電気的に絶縁されている。
下部電極であるサセプタ116には,整合器178を介して第2の高周波電源(下部高周波電源)180が電気的に接続されている。第2の高周波電源180は数百kHz〜十数MHzの範囲の電力を出力する。このような範囲の周波数をサセプタ116に印加することにより,ウエハWに対してダメージを与えることなく適切なイオン作用を与えることができる。第2の高周波電源180の周波数は,典型的には13.56MHz等の周波数が採用される。
整合器178は第2の高周波電源180の内部(または出力)インピーダンスに負荷インピーダンスを整合させるためのもので,処理室110内にプラズマが生成されている時に第2の高周波電源180の内部インピーダンスと負荷インピーダンスが見かけ上一致するように機能する。
上部電極134には,第1の高周波電源148からの高周波は通さずにそれよりも低い第2の高周波電源180からの高周波をグランドへ通すためのローパスフィルタ(LPF)182が電気的に接続されている。このローパスフィルタ(LPF)182は,好適にはLRフィルタまたはLCフィルタで構成されるが,1本の導線だけでも第1の高周波電源148からの高周波に対しては十分大きなリアクタンスを与えることができるので,それで済ますこともできる。一方,下部電極であるサセプタ116には,第1の高周波電源148からの高周波をグランドに通すためのハイパスフィルタ(HPF)184が電気的に接続されている。
処理室110の底部には処理室110内を排気するための排気口104が設けられている。排気口104には,処理室110内の雰囲気を排気(例えば真空排気)するための排気系190が接続されている。具体的には,排気系190は排気口104に接続された配管192を有している。この配管192の最上流側には例えばゲートバルブよりなる圧力制御弁194が介在し,その下流側には真空ポンプ196が介在している。そして,処理室110の側壁には例えばキャパシタンスマノメータよりなる圧力検出器198が設けられている。圧力検出器198で測定された処理室110内の圧力を圧力制御弁194に入力してフィードバック制御を行うことで,処理室110内を所定の設定圧力まで減圧し,設定圧力を保持することができる。
処理室110の側壁にはウエハWの搬入出口106が設けられており,この搬入出口106はゲートバルブ108により開閉可能となっている。処理室110のゲートバルブ108側と反対側の側壁には,石英ガラス等の透明体からなるモニタ用窓部200が形成されている。処理室110の側壁の外側にはこのモニタ用窓部200から透過したプラズマ光を分光する分光器210および分光器210で分光された波長の光の発光強度を検出する発光強度検出装置220が設けられている。
発光強度検出装置220からの信号は,後述する制御部300に入力される。制御部300では,発光強度検出装置220で検出された波長の発光強度に基づいて,例えばウエハW上に形成された多層膜の各膜の境界を検出したり,エッチングの終点を検出したりすることができる。本実施形態では,このような発光強度検出装置220を用いて特定波長領域の発光強度を検出することで,処理室110内の水分量を監視する。なお,この点についての詳細は後述する。
このような本実施形態にかかるプラズマ処理装置100によれば,ウエハWに対するプロセス処理を行う際には,所定の真空圧力に減圧した処理室110内に処理ガスを導入した状態で,上部電極134には第1の高周波電源148から上部高周波電力を所定のパワーで印加するとともに,下部電極であるサセプタ116には第2の高周波電源180から下部高周波電力を所定のパワーで印加することができる。このときの上部高周波電力と下部高周波電力のパワーはプロセス処理に応じて変えることができる。
このように上部電極134にプラズマ形成用の上部高周波電力を供給し,下部電極であるサセプタ116にイオン引き込み用の下部高周波電力を供給するので,プラズマの制御マージンを広くすることができる。このとき,上部電極134に高い周波数領域(例えば10MHz以上)の高周波電力を供給することにより,プラズマを好ましい状態で高密度化することができ,より低圧の条件下でも高密度プラズマを形成することができる。
なお,上部電極134には,上部高周波電力に重畳して所定のDC電圧を印加可能な可変直流電源(図示しない)を設けるようにしてもよい。例えば上部電極134に上部高周波電力に重畳して所定の極性および大きさのDC電圧を印加することにより,上部電極134へのポリマーの付着を防止したり,プラズマポテンシャルやプラズマ密度の面内均一性を制御したりすることができる。
プラズマ処理装置100には,制御部(全体制御装置)300が接続されており,この制御部300によってプラズマ処理装置100の各部が制御されるようになっている。また,制御部300には,オペレータがプラズマ処理装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや,プラズマ処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなる操作部310が接続されている。
さらに,制御部300には,プラズマ処理装置100で実行される各種処理を制御部300の制御にて実現するためのプログラムやプログラムを実行するために必要なレシピデータなどが記憶された記憶部320が接続されている。
記憶部320には,例えばウエハのプロセス処理を実行させるための複数のプロセス処理レシピ,シーズニング処理,クリーニング処理など必要な処理を行うためのレシピなどが記憶されている。これらのレシピは,プラズマ処理装置100の各部を制御する制御パラメータ,設定パラメータなどの複数のパラメータ値をまとめたものである。例えばプロセス処理レシピは,例えば処理ガスの流量比,処理室内圧力,上部高周波電力,下部高周波電力,上部電極温度,下部電極温度などのパラメータ値を有する。
なお,これらのレシピはハードディスクや半導体メモリに記憶されていてもよく,またCD−ROM,DVD等の可搬性のコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体に収容された状態で記憶部320の所定位置にセットするようになっていてもよい。
制御部300は,操作部310からの指示等に基づいて所望のプロセス処理レシピを記憶部320から読み出して各部を制御することで,プラズマ処理装置100での所望の処理を実行する。また,操作部310からの操作によりレシピを編集できるようになっている。
このようなプラズマ処理装置100では,部品交換やメンテナンスを行う際に処理室110を開放するので,処理室110内には水分(HO)が入り込み易い。このような水分は例えば起動時に行うシーズニング処理によって除去することができる。シーズニング処理は,製品ウエハの処理に先立って処理室110内の状態を生産時に要求される状態に整えるために行うものであるが,製品ウエハを処理する場合と同様に処理室110内を排気しながら,プロセスガスのプラズマを生成するので処理室110内の水分を除去することができる。
すなわち,処理室110内に生成されるプラズマによる入熱によって処理室110内の部品や内壁に付着する水分は気体となってそのまま処理室110外へ排気されて除去される。また,プラズマを生成することで,処理室110内の水分(水分子:HO)の一部は,例えば電子(e)が直接衝突してHラジカル(H)とOHラジカル(OH)に解離され(e+HO→H+OH),処理室110外へ排気される。これによっても水分が除去される。
ところが,シーズニング処理は上述したように,そもそも処理室110内を生産時に要求される状態に整えるために行うものであって,従来は水分除去の観点ではなく,専ら処理室110内の状態を安定させる観点からシーズニング処理を終了させていた。このため,従来はシーズニング処理を終了しても,水分除去には未だ十分ではなく,処理室110内に水分が残留する場合もあった。
このように,処理室110内に水分が残留していると,それに起因する不具合が生じる場合がある。例えば酸化膜のエッチング処理ではシーズニング処理の直後にエッチング処理を行ったロットと,その後にエッチング処理されたロットとの間でエッチングレートに差が生じる場合がある。これは,シーズニング処理の直後では残留する水分が多いのに対して,製品ウエハの処理を連続して実行することで徐々に水分が除去されていくので,ロット間でエッチングレートの差が生じ得るものである。
また,フッ素を含む処理ガスのプラズマを形成する処理では,処理室110内に残留する水分子とフッ素が反応して生成されるフッ素酸化物によって処理室110の内壁の付着物が剥離してパーティクル発生の要因になる場合がある。さらに,処理室110内を減圧するのに時間がかかったり,水分子による異常放電が発生したりする場合もある。
このため,シーズニング処理を行う場合には,処理室110内の水分量を検出して水分除去が完了したか否かについても判断することが重要となる。この点,処理室110に例えば四重極形質量分析計(Qmass)などの質量分析装置を接続して処理室110内の水分量を検出することも可能であるが,プラズマ処理装置100自体が大型化,高コスト化するため好ましくない。
そこで,本実施形態では,Qmassなどの質量分析装置を設けることなく,処理室110内の水分量を検出して処理室110内の水分除去が完了したか否かを判断できるようにしている。具体的には処理室110内でプラズマを生成したときのプラズマ発光スペクトルから特定波長領域を受光し,その光強度から処理室110内の水分量の変化を検出する。
(水分量の検出方法)
ここで,このような本実施形態における水分量の変化を検出する方法について説明する。上述したように処理室110内の水分子はプラズマによってHラジカルとOHラジカルに解離されるので,水分子が減少すればHラジカルとOHラジカルも減少するものと推察できる。本実施形態では,OHラジカルの発光強度の変化と処理室110内の水分量の変化との間に極めて高い相関があることを実験で確認できたので,これを利用して処理室110内の水分量の変化を検出する。
以下,シーズニング処理を行ったときの処理室110内の水分量の変化とOHラジカルの発光強度の変化との関係についての実験結果について説明する。図2は,上述したシーズニング処理の前後において,プラズマ発光スペクトルの発光強度を200nm〜800nmの広い領域で各波長ごとに検出した実験結果である。図2では,各波長のプラズマ発光スペクトルについて,シーズニング処理前の発光強度をシーズニング処理後の発光強度で割り算した値をグラフにしたものである。
図2によれば,シーズニング処理の前後では,OHラジカルの発光ピークが308.9nmに現れているとともに,Hラジカルの発光ピークが486.1nm,656.5nmに現れていることがわかる。ここでは,後述するように水分量との相関が高いOHラジカルの発光ピークである308.9nmの波長を特定波長としてその発光強度を検出する。
この特定波長308.9nmを含む290nm〜320nmの領域で発光強度を検出すると,図3に示すようになる。実際のOHラジカルの発光ピークは,略308.9nmであるため,例えばこの特定波長308.9nmの近傍の波長領域A(308nm〜310nm)の光を受光して,これらの発光強度の平均値aをとり,これをOHラジカルの発光強度とする。
ここで,処理室110の開放後にプラズマ処理装置100を起動させて,シーズニング処理を行いながら,OHラジカルの発光強度を所定の間隔で検出してプロットしたグラフを図4に示す。図4におけるグラフYは,ダミーウエハ10枚分のシーズニング処理が終了する毎に,ダミーウエハ1枚分のクリーニング処理を実行し,各クリーニング処理の際にOHラジカルの発光強度を取得してプロットしたものである。
この実験におけるシーズニング処理は,下記の処理条件でCFガスのプラズマを生成してダミーウエハ1枚あたり60秒間実行した。また,クリーニング処理は,下記の処理条件でOガスのプラズマを生成してダミーウエハ1枚あたり120秒間実行した。
[シーズニング処理の処理条件]
処理ガス:CFガス
処理ガスの流量:150sccm
処理室内圧力:100mTorr
上部高周波電力:500W
下部高周波電力:400W
[クリーニング処理の処理条件]
処理ガス:Oガス
処理ガスの流量:800sccm
処理室内圧力:100mTorr
上部高周波電力:1000W
下部高周波電力:500W
図4に示すように,グラフYは,ウエハ20枚のシーズニング処理後くらいまでは急激に減少し,それを超えると減少率が徐々に小さくなり,さらにその後はほとんど変化しなくなることがわかる。なお,OHラジカルの発光強度は,図3に示す波長領域Aの平均値aに限られるものではない。例えばOHラジカルの発光強度として,波長領域A以外の波長領域Bで波長領域Aの発光強度を基準化したものを用いてもよい。
図3に示す例では,波長領域A以外の297nm〜299nmを波長領域Bとし,波長領域Aの発光強度の平均値aを波長領域Bの発光強度の平均値bで割り算した発光強度比(a/b)をOHラジカルの発光強度としてもよい。これによれば,例えばシーズニング処理を繰り返すことによってモニタ用窓部200に付着する副生成物(デポ)による特定波長領域Aの発光強度の変化の影響を抑え,OHラジカルの減少のみを正確に検出することができる。この発光強度比(a/b)を算出して縦軸にとってプロットしたグラフYa/bを図5に示す。図5によればグラフYa/bについても,図4に示すグラフYと同様の減少傾向があることがわかる。
次に,このようなOHラジカルの発光強度の変化と処理室110内の水分量の変化とを比較するための実験結果を図6,図7に示す。図6は,処理室110にQmassを接続して図4に示す場合と同様の実験を行い,水分量(水分子の量)を直接検出してプロットしたものである。図7は,このQmassによる水分量とOHラジカルの発光強度との相関関係を示す。なお,図7に示すOHラジカルの発光強度は,図5に示す発光強度比(a/b)である。
図6に示すグラフYは,図4に示すグラフY及び図5に示すグラフYa/bと同様の傾向があることがわかる。具体的にはウエハ20枚のシーズニング処理後くらいまでは水分が急激に減少し,それを超えると減少率が徐々に小さくなり,さらにその後はほとんど変化しなくなる。さらに,図7によれば,Qmassによる水分量とOHラジカルの発光強度(a/b)との間には一定の相関があることが確認できた。しかも,このときの相関係数R=0.98であり,極めて高い相関がある。これにより,OHラジカルの発光強度を検出することで,Qmassと同様に処理室110内の水分量の変化を検出することができることがわかった。
次に,このようなOHラジカルの発光強度を利用して処理室110内の水分量を検出しながら実行する処理室110内の状態安定化処理について図面を参照しながら説明する。この処理は,例えばプラズマ処理装置100を起動時又は部品交換後やメンテナンス後の再起動時に制御部300により実行される。図8は,本実施形態における処理室内状態安定化処理の概略を示すフローチャートである。制御部300は,所定のプログラムに基づいて図8に示すフローチャートに従ってプラズマ処理装置100の各部を制御しながら,処理室110内の状態安定化処理を実行する。
先ずステップS110にて複数枚(ここでは10枚)分のシーズニング処理を連続して実行する。ここでのシーズニング処理の処理条件は上述したものと同様である。これが終了すると,ステップS120にてクリーニング処理を実行する。ここでのクリーニング処理の処理条件についても上述したものと同様である。
次に,ステップS130にてクリーニング処理の終了時(例えばクリーニング処理開始から120秒後)に発光強度検出装置220で特定波長領域の光を受光して,ステップS140にてOHラジカルの発光強度を取得する。例えば図3に示す特定波長領域Aの光を受光してその平均値aを算出してOHラジカルの発光強度とする。また,図3に示す特定波長領域A,Bの光を受光してそれらの平均値a,bから発光強度比(a/b)を算出してOHラジカルの発光強度とする。
続いてステップS150にてOHラジカルの発光強度が予め設定された閾値以下か否かを判断する。この閾値は,例えば水分除去が完了したときのOHラジカルの発光強度に基づいて決定される。具体的にはOHラジカルの発光強度の変化率(減少率)がほぼ0になる値を閾値とすることが好ましい。例えば図4に示す場合には閾値を点線で示す310とし,また図5に示す場合には閾値を点線で示す1.23とする。
ステップS150にてOHラジカルの発光強度が閾値以下でないと判断した場合には,ステップS110の処理に戻ってシーズニング処理とクリーニング処理を続行する。そして,ステップS150にてOHラジカルの発光強度が予め設定された閾値以下であると判断した場合は,一連の処理を終了する。
これによれば,例えば図4,図5に示す場合においては,それぞれの閾値以下になるのは,ウエハ60枚目のシーズニング処理後のクリーニング処理終了時点であるため,この時点で状態安定化処理を終了する。これにより,処理室110内の状態安定化処理が終了すると,処理室110内の水分除去も完了していることになる。従って,状態安定化処理の直後に製品ウエハのプラズマ処理(例えばエッチング処理)を実行しても,処理室110内の残留水分による不具合が発生することはない。
また,特定波長領域の発光強度を検出するだけで処理室110内の水分量の変化を検出できるので,Qmassなどの質量分析装置を新たに設けることなく,水分の除去が完了したか否かを判断することができる。
また,OHラジカルの発光強度は,シーズニング処理のときに取得することも可能であるが,本実施形態のようにクリーニング処理のときに取得することが好ましい。これは,シーズニング処理のときに取得する場合よりも,クリーニング処理のときに取得した方が処理室110内の水分量の変化との高い相関が得られ易いからである。
さらに,水分が解離するとHラジカルも発生するので,Hラジカルの発光強度を取得して水分量を監視することも可能であるが,本実施形態のようにOHラジカルの発光強度を取得することが好ましい。これは,クリーニング処理のときのOHラジカルの発光強度の方がHラジカルの発光強度よりも処理室110内の水分量の変化との高い相関が得られ易いからである。
このように,クリーニング処理のときに取得したOHラジカルの発光強度が水分量の変化との高い相関が得られ易いと考えられる理由は以下の通りである。クリーニング処理では,シーズニング処理によってモニタ用窓部200に付着した副生成物(デポ)も除去される。このため,クリーニング処理のときにOHラジカルの発光強度を取得すれば,モニタ用窓部200に付着するデポの影響を極力抑えることができるので,OHラジカルの発光強度の変化と処理室110内の水分量の変化との間でより高い相関を得られ易い。
また,クリーニング処理ではOやCOなどのクリーニングガスを用いるので,プラズマが生成されるとOラジカル(O)が発生する。従って,処理室110内に水分(水分子:HO)が残留していれば,Oラジカルと水分子(HO)との反応(O+HO→2OH)が進行し易くなる。このようなクリーニング処理は毎回同じ処理条件で実行されるため,そのときのOラジカル(O)が水分子(HO)と反応して発生したOHラジカル(OH)の発光強度を取得して監視する方が,水分子から解離したHラジカルの発光強度の変化を監視するよりも,処理室110内の水分量の変化との高い相関を得られ易い。
なお,本実施形態では,OHラジカルの発光強度をクリーニング処理ごとに取得する場合について説明したが,必ずしもクリーニング処理ごとに毎回取得しなくてもよい。例えばモニタ用窓部200に付着する副生成物(デポ)の影響を考えなくてよい場合には,プラズマ処理装置100の最初の起動時においてクリーニング処理ごとにOHラジカルの発光強度を取得して水分除去が完了する時点を判断できれば,次回以降の再起動時には,その時点に相当するクリーニング処理のタイミングだけでOHラジカルの発光強度を取得して水分除去が完了したか否かを判断すれば足りる。
例えば図4,図5ではダミーウエハ60枚分のシーズニング処理後のクリーニング処理で水分除去が完了しているので,次回以降の再起動時には,ダミーウエハ60枚分のシーズニング処理後のクリーニング処理のときにOHラジカルの発光強度を取得して水分除去が完了したか否かを判断すれば足りる。
ところで,プラズマ発光スペクトルの特定波長領域の光を受光するタイミングは,クリーニング処理開始から所定時間後,すなわちプラズマが安定した後であることが好ましい。これはOHラジカルの発光強度は,プラズマの状態に応じて変化するからである。ここで,クリーニング処理中のOHラジカルの発光強度(a/b)の変化を図9に示す。図9に示すように,OHラジカルの発光強度(a/b)はクリーニング処理の開始直後では,プラズマの状態が安定するまでは大きく変化し,時間が経過するにつれて安定していくことがわかる。
そこで,本実施形態では,各クリーニング処理においてクリーニング処理を120秒間実行するので,その終了時点の特定波長領域の光を受光してOHラジカルの発光強度を取得する。このようにプラズマが安定している状態で特定波長領域の光を受光することにより,各クリーニング処理においてばらつきのない発光強度を取得できる。このような特定波長領域の光を受光するタイミングは,上述したようなクリーニング処理終了時に限られるものではなく,例えばクリーニング処理の途中であってもよい。
なお,本実施形態ではプラズマ発光スペクトルの複数の波長領域A,Bを受光できる発光強度検出装置220を用いた場合について説明したが,必ずしもこれに限定されるものではない。発光強度検出装置220としては,例えばプラズマ発光スペクトルの所望の波長のみを検出できるものであってもよい。
また,上述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムを記憶した記憶媒体等の媒体をシステムあるいは装置に供給し,そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体等の媒体に記憶されたプログラムを読み出して実行することによっても,本発明が達成され得る。
この場合,記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり,そのプログラムを記憶した記憶媒体等の媒体は本発明を構成することになる。プログラムを供給するための記憶媒体等の媒体としては,例えば,フロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−RW,DVD+RW,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどが挙げられる。また,媒体に対してプログラムを,ネットワークを介してダウンロードして提供することも可能である。
なお,コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより,上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく,そのプログラムの指示に基づき,コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い,その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も,本発明に含まれる。
さらに,記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムが,コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後,そのプログラムの指示に基づき,その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い,その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も,本発明に含まれる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば上記実施形態では,上部電極と下部電極の両方に高周波電力を印加してプラズマを生成させるタイプのプラズマ処理装置を例に挙げて説明したが,必ずしもこれに限定されるものではない。例えば下部電極のみに2種類の高周波電力を重畳して印加してプラズマを生成させるタイプのプラズマ処理装置であってもよく,また別のタイプ例えば下部電極のみに1種類の高周波電力を印加するタイプのプラズマ処理装置に適用してもよい。
本発明は,プラズマ処理方法,プラズマ処理装置,プラズマ処理装置の水分量検出方法に適用可能である。
本発明の実施形態にかかるプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。 200nm〜800nmの波長領域におけるシーズニング処理前後のプラズマ発光スペクトルの発光強度比を示す図である。 290nm〜320nmの波長領域におけるプラズマ発光スペクトルの発光強度を示す図である。 OHラジカルの発光強度(a)の変化を示す図である。 OHラジカルの発光強度(a/b)の変化を示す図である。 Qmassによる水分量の変化を示す図である。 Qmassによる水分量とOHラジカルの発光強度(a/b)の相関関係を示す図である。 処理室内の状態安定化処理の概略を示すフローチャートである。 クリーニング処理中のOHラジカルの発光強度(a/b)の変化を示す図である。
符号の説明
100 プラズマ処理装置
102 接地導体
103 絶縁部材
104 排気口
106 搬入出口
108 ゲートバルブ
110 処理室
112 絶縁板
114 サセプタ支持台
116 サセプタ
118 静電チャック
120 電極
122 直流電源
124 フォーカスリング
126 内壁部材
128 冷媒室
130a,130b 配管
132 ガス供給ライン
134 上部電極
136 電極板
137 ガス吐出孔
138 電極支持体
140 ガス拡散室
142 絶縁性遮蔽部材
144 給電棒
146 整合器
148 第1の高周波電源
162 ガス導入口
164 ガス供給管
166 処理ガス供給源
168 マスフローコントローラ(MFC)
170 開閉バルブ
178 整合器
180 第2の高周波電源
182 ローパスフィルタ(LPF)
184 ハイパスフィルタ(HPF)
190 排気系
192 配管
194 圧力制御弁
196 真空ポンプ
198 圧力検出器
200 モニタ用窓部
210 分光器
220 発光強度検出装置
300 制御部
310 操作部
320 記憶部
W ウエハ

Claims (10)

  1. 処理室内で所定のプラズマ処理を実行するプラズマ処理方法であって,
    前記プラズマ処理は,
    前記処理室内を減圧し,前記処理室内を排気しながら所定のガスを導入し,そのガスのプラズマを励起するステップと,
    前記処理室に設けられたモニタ用の窓部を介してその窓部を透過する前記プラズマの発光スペクトルのうち,前記処理室内の水分量と相関のある特定波長領域の光を受光して発光強度を取得するステップと,を有し,
    前記発光強度は,OHラジカルの発光強度であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 前記プラズマ処理は,前記処理室内に所定のクリーニングガスを導入してプラズマを励起して行うクリーニング処理であり,
    前記クリーニング処理は,前記処理室内に製品基板とは異なるダミー基板を搬入して所定のプロセスガスのプラズマを励起して行うシーズニング処理後に行われることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  3. 前記クリーニング処理は,前記ダミー基板所定枚数分の前記シーズニング処理を連続して実行するごとに行われ,その都度取得される発光強度の変化に基づいて前記処理室内の水分量の変化を検出する請求項2に記載のプラズマ処理方法。
  4. 前記発光強度が予め設定された閾値以下であるか否かを判断し,
    前記発光強度が前記閾値以下になるまで,前記シーズニング処理と前記クリーニング処理を繰り返し,
    前記発光強度が前記閾値以下になると,前記シーズニング処理と前記クリーニング処理を終了することを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理方法。
  5. 前記プラズマ処理は,前記処理室内に所定のクリーニングガスを導入してプラズマを励起して行うクリーニング処理と,前記処理室内に製品基板とは異なるダミー基板を搬入して所定のプロセスガスのプラズマを励起して行うシーズニング処理とのいずれか一方又は両方であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  6. 前記クリーニングガスは,Oガス又はCOガスであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  7. 前記OHラジカルの発光強度は,前記特定波長領域の発光強度をそれとは別の特定波長領域の発光強度を基準として規格化したものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  8. 前記発光強度を取得するタイミングは,前記クリーニング処理を開始してから所定時間後であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
  9. 減圧可能に構成され,電極が配置された処理室内において,前記電極に高周波電力を印加して所定のガスのプラズマを励起することで所定のプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって,
    前記処理室内に所定のガスを供給するガス供給部と,
    前記処理室内を排気して所定の圧力に減圧する排気部と,
    前記処理室内に設けられたモニタ用の窓部と,
    前記窓部を介してその窓部を透過する前記プラズマの発光スペクトルのうち,前記処理室内の水分量と相関のある特定波長領域の光を受光して発光強度を検出する発光強度検出装置と,
    前記排気部により前記処理室内を減圧し,前記ガス供給部から所定のガスを供給し,前記電極に所定の高周波電力を印加することで前記ガスのプラズマを励起し,前記発光強度検出装置により前記プラズマの発光スペクトルから前記特定波長領域の光を受光して検出された発光強度を取得する制御部と,を備え
    前記発光強度は,OHラジカルの発光強度であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  10. プラズマ処理を実行する処理室内の水分量を検出するプラズマ処理装置の水分量検出方法であって,
    前記処理室内を減圧し,前記処理室内を排気しながら所定のガスを導入し,そのガスのプラズマを励起するステップと,
    前記処理室に設けられたモニタ用の窓部を介してその窓部を透過する前記プラズマの発光スペクトルのうち,前記処理室内の水分量と相関のある特定波長領域の光を受光して発光強度を取得するステップと,
    前記発光強度に基づいて前記処理室内の水分量の変化を検出するステップと,
    を有し,
    前記発光強度は,OHラジカルの発光強度であることを特徴とするプラズマ処理装置の水分量検出方法。
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