JP2010067760A - プラズマ処理方法,プラズマ処理装置,記憶媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロセス処理に最適なプラズマ着火レシピを自動的に作成する。
【解決手段】プロセス処理レシピを特定パラメータでパターン化した複数のレシピパターンと,これらレシピパターンにそれぞれプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけたレシピ作成ルール情報を記憶する記憶部320を設け,実行しようとするプロセス処理レシピが含まれるレシピパターンに関連づけられたプラズマ着火用のパラメータ値(例えば処理室内圧力60mTorr)をレシピ作成ルール情報から取得し,当該プロセス処理レシピの一部のパラメータ値を当該プラズマ着火用のパラメータ値に置き換えてプラズマ着火レシピを作成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は,プラズマを生起して基板に対するプロセス処理を実行するプラズマ処理方法,プラズマ処理装置,記憶媒体に関する。
半導体デバイスや液晶表示装置などのフラットパネルの製造工程においては,半導体ウエハやガラス基板などの基板にエッチング処理や成膜処理等のプロセス処理を施すために,プラズマエッチング装置やプラズマCVD成膜装置等のプラズマ処理装置が用いられる。このようなプラズマ処理装置では,電極が設けられた気密な処理室内に処理ガスを導入し,この電極に高周波電力を印加して,処理ガスによるプラズマを生起し,ウエハ表面にエッチングや成膜等のプロセス処理を行うようになっている。
近年では製造工程のプロセスの多様化に伴って,処理室内の圧力が低い場合や電極に印加する高周波電力が低い場合などのようにプラズマが着火し難いプロセス処理も増えている。このため,従来はプロセス処理用の圧力や高周波電力よりも高い圧力,高い高周波電力などのプラズマが着火し易い条件をプラズマ着火レシピとして設定し,そのレシピでプラズマを生起し,その後にプロセス処理用の圧力や高周波電力などに切り替えてウエハのプロセス処理を実行するようにしていた(例えば特許文献1参照)。
特開2008−10598号公報
ところが,従来はプラズマ着火レシピをオペレータが自由に設定していたので,次のような問題があった。すなわち,複数種類のプロセス処理がある場合,プロセス処理の条件(レシピ)によっては同一のプラズマ着火ステップでも着火不良が生じる場合があるため,プロセス処理ごとにプラズマ着火レシピを設定しなければならず,手間がかかるという問題があった。
また,従来はプラズマ着火レシピの作成ルールが明確化されていなかったので,最適なプラズマ着火レシピの作成にはオペレータの豊富な経験が必要であり,誰でもできるわけではなかった。ところが,オペレータによってレシピの作成手順やさじ加減などが異なるので,プラズマ着火レシピ自体のばらつきも大きく,プラズマを確実に着火できる保証もなかった。
例えば処理室内の温度や処理室内に付着する付着物の堆積状況などの処理室内コンディションによっては,圧力や高周波電力などを微調整しただけではプラズマの着火不良が生じる虞があり,またプラズマが着火してもその後に実行するプロセス処理の条件(レシピ)によってはその移行の際にプラズマが消失してしまう場合もある。このため,経験者であっても最適なレシピの作成は難しく,またプラズマの着火不良が生じるとその都度プラズマ着火レシピ自体を修正しなければならない煩わしさもあった。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,基板に対するプロセス処理に最適なプラズマ着火レシピを自動的に作成できるプラズマ処理方法等を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,所定の圧力に減圧可能な処理室内に基板を配置し,前記処理室に設けられた電極に高周波電力を供給して,前記処理室内に導入された処理ガスのプラズマを生起することにより,前記基板に対して所定のプロセス処理を行うプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法であって,前記プラズマ処理装置は,プロセス処理レシピを特定のパラメータでパターン化した複数のレシピパターンと,これらレシピパターンにそれぞれプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけたレシピ作成ルール情報を記憶する記憶部を備え,前記基板のプロセス処理を実行する際に,必要なプロセス処理レシピを取得するとともに,そのプロセス処理レシピが含まれるレシピパターンに関連づけられたプラズマ着火用のパラメータ値を前記レシピ作成ルール情報から取得するステップと,取得した前記プロセス処理レシピの一部のパラメータ値を,取得した前記プラズマ着火用のパラメータ値に置き換えてプラズマ着火レシピを作成するステップと,前記プラズマ着火レシピにより前記プラズマ処理装置を制御してプラズマを生起するステップと,前記プロセス処理レシピにより前記プラズマ処理装置を制御して前記基板のプロセス処理を実行するステップと,を有することを特徴とするプラズマ処理方法が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,処理室内に処理ガスのプラズマを生起して基板に対するプロセス処理を行うプラズマ処理装置であって,前記処理室内に配置され,前記プラズマを生起するための高周波電力が供給される電極と,前記処理室内の基板上に処理ガスを所定の流量比で供給する処理ガス供給部と,前記処理室内を排気して所定の圧力に調整する排気部と,プロセス処理レシピを特定のパラメータでパターン化した複数のレシピパターンと,これらレシピパターンにそれぞれプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけたレシピ作成ルール情報を記憶する記憶部と,前記基板のプロセス処理を実行する際に,必要なプロセス処理レシピを取得するとともに,そのプロセス処理レシピが含まれるレシピパターンに関連づけられたプラズマ着火用のパラメータ値を前記レシピ作成ルール情報から取得し,取得した前記プロセス処理レシピの一部のパラメータ値を,取得した前記プラズマ着火用のパラメータ値に置き換えてプラズマ着火レシピを作成し,前記プラズマ着火レシピにより前記プラズマ処理装置を制御してプラズマを生起して,前記プロセス処理レシピにより前記プラズマ処理装置を制御して前記基板のプロセス処理を実行する制御部と,を有することを特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,所定の圧力に減圧可能な処理室内に基板を配置し,前記処理室に設けられた電極に高周波電力を供給して,前記処理室内に導入された処理ガスのプラズマを生起することにより,前記基板に対して所定のプロセス処理を行うプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記憶媒体であって,前記プラズマ処理装置は,プロセス処理レシピを特定のパラメータでパターン化した複数のレシピパターンと,これらレシピパターンにそれぞれプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけたレシピ作成ルール情報を記憶する記憶部を備え,前記プラズマ処理方法は,前記基板のプロセス処理を実行する際に,必要なプロセス処理レシピを取得するとともに,そのプロセス処理レシピが含まれるレシピパターンに関連づけられたプラズマ着火用のパラメータ値を前記レシピ作成ルール情報から取得するステップと,取得した前記プロセス処理レシピの一部のパラメータ値を,取得した前記プラズマ着火用のパラメータ値に置き換えてプラズマ着火レシピを作成するステップと,前記プラズマ着火レシピにより前記プラズマ処理装置を制御してプラズマを生起するステップと,前記プロセス処理レシピにより前記プラズマ処理装置を制御して前記基板のプロセス処理を実行するステップと,を有することを特徴とする記憶媒体が提供される。
このような本発明では,プロセス処理レシピをパターン化したレシピパターンにプラズマ着火用のパラメータ値を関連付けたレシピ作成ルール情報を設け,これを利用してプラズマ着火レシピを作成することにより,どのプロセス処理にも最適なプラズマ着火レシピを自動的に作成できる。これにより,オペレータの経験に頼ることなく,プラズマを確実に生起できる最適なプラズマ着火レシピを作成できる。また,複数のプロセス処理レシピがあっても,それぞれのプロセス処理レシピに最適なプラズマ着火レシピを自動的に作成できるので,プラズマ着火レシピ作成の手間を大幅に軽減できる。さらに,プロセス処理レシピの一部のパラメータ値をプラズマ着火用のパラメータ値に置き換えてプラズマ着火レシピを作成するので,プラズマを着火させるのに必要最小限のパラメータ値の変更で足り,生起したプラズマが安定した状態でプロセス処理レシピに移行させることができる。
また,上記プロセス処理レシピのパターン化に用いる特定のパラメータは,例えば処理室内圧力と前記電極へ印加する高周波電力であり,前記プラズマ着火用のパラメータ値は,プラズマ着火用の処理室内圧力とプラズマ着火用の高周波電力のいずれか一方又はこれらの組合せである。処理室内圧力が低いほど,また高周波電力が小さいほどプラズマは着火し難くなる傾向があるので,このようなプラズマ着火への影響が大きいパラメータでプロセス処理レシピをパターン化して,最適なプラズマ着火用のパラメータを関連づけることで確実にプラズマを着火できるプラズマ着火レシピを作成できる。
このようなレシピ作成ルール情報は,例えば前記プロセス処理レシピを前記処理室内圧力と前記高周波電力の閾値(例えば600W)によりパターン化し,前記処理室内圧力が60mTorr未満であって,前記高周波電力が閾値以上のレシピパターンには,前記処理室内圧力を60mTorrとするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけ,前記処理室内圧力が60mTorr未満であって,前記高周波電力が閾値未満のレシピパターンには,前記処理室内圧力を60mTorrとし,かつ前記高周波電力を前記閾値とするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけるルールを有するように構成する。なお,上記高周波電力の閾値は,前記プラズマ処理装置に接続される操作部を介して所望の値を設定可能に構成してもよい。この高周波電力の閾値によってプロセス処理レシピのレシピパターンが決まるので,これらの閾値を調整することで,レシピパターンの範囲を微調整することができる。
また,前記電極は,前記処理室内に対向して配置された下部電極と上部電極からなり,前記上部電極には上部高周波電力が印加されるとともに,前記下部電極には前記上部高周波電力とは異なる下部高周波電力が印加されるように構成し,上記プロセス処理レシピのパターン化に用いる特定のパラメータは,処理室内圧力と前記上部高周波電力と前記下部高周波電力であり,前記プラズマ着火用のパラメータ値は,プラズマ着火用の処理室内圧力のみ,又はこの処理室内圧力にプラズマ着火用の上部高周波電力と下部高周波電力のいずれか一方又は両方を組合せたものとすることが好ましい。
この場合,特定のパラメータは,さらに前記処理ガスのガス種も含み,前記ガス種に応じて前記レシピ作成ルール情報を複数に分けるようにしてもよい。具体的には例えば前記ガス種としてフルオロカーボン系ガスを含む処理ガスの場合と前記フルオロカーボン系ガスを含まない処理ガスの場合の2種類に分けるようにしてもよい。処理ガスがフルオロカーボン系ガスを含まない場合にはこれを含む場合に比してプラズマが着火し難くなる傾向がある。このため,処理ガスのガス種に応じてレシピ作成ルール情報を分けて構成することで,最適なプラズマ着火用のパラメータ値を関連付けることができる。
また,上記プラズマ着火用のパラメータ値は,さらに特定のガス種の流量比を含むようにしてもよい。この場合,前記特定のガス種は,Arガスであり,前記プロセス処理レシピが処理ガスとしてArガスの流量比を含む場合には,その流量比よりも減少させた流量比を前記プラズマ着火用のパラメータ値とすることが好ましい。処理ガスがArガスを含む場合には,そのArガスの流量比を減少させることでプラズマが着火し易くなる。このようなプラズマの着火に影響を与える特定のガス種の流量比をプラズマ着火用のパラメータ値に含めてもよい。
また,上記上部電極は,前記上部高周波電力と重畳して直流電圧を印加可能な直流電源を設け,前記特定のパラメータは,さらに前記上部電極への直流電圧も含み,前記レシピ作成ルール情報は,前記直流電圧を印加する場合と,前記直流電圧を印加しない場合とに分けるようにしてもよい。上部電極に直流電圧を印加しない場合には,処理室の内壁にエッチングなどのプロセス処理による付着物が堆積し易くなるので,プラズマが着火し難くなる傾向がある。このため,上部電極への直流電圧印加の有無によってレシピ作成ルール情報を分けて構成することで,最適なプラズマ着火用のパラメータ値を関連付けることができる。
この場合,前記直流電圧を印加する場合のレシピ作成ルール情報は,前記処理室内圧力と前記プロセス処理レシピを前記上部高周波電力の閾値(例えば600W)と前記下部高周波電力の閾値(例えば1000W)とによりパターン化し,前記処理室内圧力が60mTorr未満であって,前記上部高周波電力が閾値以上かつ前記下部高周波電力が閾値未満のレシピパターンには,前記処理室内圧力を60mTorrとするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけ,前記処理室内圧力が40mTorr未満であって,前記上部高周波電力が閾値以上かつ前記下部高周波電力が閾値以上のレシピパターンには,前記処理室内圧力を40mTorrとするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけ,前記処理室内圧力が60mTorr未満であって,前記上部高周波電力が閾値未満かつ前記下部高周波電力が閾値未満のレシピパターンには,前記処理室内圧力を60mTorrとし,かつ前記上部高周波電力を前記閾値とするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけ,前記処理室内圧力が40mTorr未満であって,前記上部高周波電力が閾値未満かつ前記下部高周波電力が閾値以上のレシピパターンには,前記処理室内圧力を40mTorrとし,かつ前記上部高周波電力を前記閾値とするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけたルールを有し,前記直流電圧を印加しない場合のレシピ作成ルール情報は,前記処理室内圧力と前記プロセス処理レシピを前記上部高周波電力の閾値(例えば600W)でパターン化し,前記処理室内圧力が60mTorr未満であって,前記上部高周波電力が閾値以上のレシピパターンには,前記処理室内圧力を60mTorrとするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけ,前記処理室内圧力が60mTorr未満であって,前記上部高周波電力が閾値未満のレシピパターンには,前記処理室内圧力を60mTorrとし,かつ前記上部高周波電力を前記閾値とする前記プラズマ着火用のパラメータ値を関連づけたルールを有するように構成してもよい。なお,前記上部高周波電力の閾値及び前記下部高周波電力の閾値はそれぞれ,前記プラズマ処理装置に接続される操作部を介して所望の値を設定可能に構成してもよい。この上部高周波電力の閾値及び下部高周波電力の閾値によってプロセス処理レシピのレシピパターンが決まるので,これらの閾値を調整することで,レシピパターンの範囲を微調整することができる。
本発明によれば,プロセス処理レシピをパターン化したレシピパターンにプラズマ着火用のパラメータ値を関連付けたレシピ作成ルール情報を設け,これを利用してプラズマ着火レシピを作成することにより,どのプロセス処理にも最適なプラズマ着火レシピを自動的に作成できる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(プラズマ処理装置の構成例)
先ず,本発明の実施形態にかかるプラズマ処理装置の構成例について図面を参照しながら説明する。図1は,プラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。ここでは,プラズマ処理装置を平行平板型電極構造の容量結合型のプラズマエッチング装置として構成した場合を例に挙げる。
図1に示すように,プラズマ処理装置100は,略円筒形状の処理容器により構成される処理室(処理室)110を備える。処理室110は,例えばアルミニウム合金により形成され,その内壁面は例えばアルミナ膜又はイットリウム酸化膜により被覆されている。処理室110は接地されている。
処理室110の底部には,セラミックス等からなる絶縁板112を介して円柱状のサセプタ支持台114が配置され,このサセプタ支持台114の上に例えばアルミニウムからなるサセプタ116が設けられている。サセプタ116は下部電極を構成し,その上には被処理基板としてのウエハWが載置される。
サセプタ116の上面には,ウエハWを静電力で吸着保持する静電チャック118が設けられている。静電チャック118は,導電膜からなる電極120を一対の絶縁層または絶縁シートで挟んで構成され,電極120には直流電源122が電気的に接続されている。直流電源122から電極120に直流電圧を印加すると,静電チャック118の上面にクーロン力等の静電力が生じ,これによりウエハWが吸着保持される。
サセプタ116の上面には静電チャック118とウエハWの周囲を囲むように,エッチングの均一性を向上させるためのフォーカスリング(補正リング)124が配置されている。フォーカスリング124は,導電性部材(例えばシリコン)で構成される。サセプタ116およびサセプタ支持台114の側面は,絶縁部材(例えば石英)からなる円筒状の内壁部材126で覆われている。
サセプタ支持台114内には,例えば円周上に冷媒室128が設けられている。冷媒室128には,外部に設けられた図示しないチラーユニットより配管130a,130bを介して所定温度の冷媒(例えば冷却水)が循環供給されるようになっている。この冷媒の温度によってサセプタ116上のウエハWの処理温度を制御する。
サセプタ支持台114内には,図示しない伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス(例えばHeガス)がガス供給ライン132を介して静電チャック118の上面とウエハWの裏面との間に供給される。
下部電極であるサセプタ116の上方には,サセプタ116と対向するように平行に上部電極134が設けられている。そして,上部電極134とサセプタ116の間に形成される空間がプラズマ生成空間となる。上部電極134は,絶縁性遮蔽部材142を介して,処理室110の上部に支持されている。
上部電極134は,主として電極板136とこれを着脱自在に支持する電極支持体138とによって構成される。電極支持体138には処理ガスを処理室110内に導入するためのガス供給管164がガス導入口162を介して接続されている。ガス供給管164は処理ガス供給源166に接続されている。
ガス供給管164には,例えば図1に示すように上流側から順にマスフローコントローラ(MFC)168および開閉バルブ170が設けられている。なお,MFCの代わりにFCNを設けてもよい。処理ガス供給源166からはエッチングのための処理ガスとして,例えばCガスのようなフルオロカーボンガス(C)が供給される。
電極支持体138には,例えば略円筒状のガス拡散室140が設けられ,ガス供給管164から導入された処理ガスを均等に拡散させることができる。電極支持体138の底部と電極板136には,ガス拡散室140からの処理ガスを処理室110内に吐出させる多数のガス吐出孔137が形成されている。ガス拡散室140で拡散された処理ガスを多数のガス吐出孔137から均等にプラズマ生成空間に向けて吐出できるようになっている。この点で,上部電極134は処理ガスを供給するためのシャワーヘッドとしても機能する。
電極支持体138は導電性材料(例えば表面が陽極酸化処理されたアルミニウム)からなり,図示しない水冷構造を有する。電極板136は,ジュール熱の少ない低抵抗の導電体または半導体が好ましく,また後述のようにレジストを強化する観点からはシリコン含有物質が好ましい。このような観点によれば電極板136はシリコンやSiCで構成されるのが好ましい。
上部電極134には,整合器146および給電棒144を介して,第1の高周波電源(上部高周波電源)148が電気的に接続されている。第1の高周波電源148は,13.56MHz以上の周波数,例えば40MHzの高周波電力を出力する。第1の高周波電源148の高周波電力(上部高周波電力HF)は可変できるようになっている。後述するレシピ作成ルール情報の作成においては,例えば0W〜3000Wの範囲で設定電力を変えて実験を行った。
整合器146は,第1の高周波電源148の内部(または出力)インピーダンスに負荷インピーダンスを整合させるもので,処理室110内にプラズマが生成されている時に第1の高周波電源148の出力インピーダンスと負荷インピーダンスが見かけ上一致するように機能する。整合器146の出力端子は給電棒144の上端に接続されている。
さらに,上部電極134には,上述した第1の高周波電源148の他に,直流電圧電流(DC電圧)を印加する可変直流電源150が電気的に接続されている。可変直流電源150はバイポーラ電源であってもよい。具体的には,この可変直流電源150は,上記整合器146および給電棒144を介して上部電極134に接続されており,オン・オフスイッチ152により給電のオン又はオフ(DC電圧印加あり又はDC電圧印加なし)が可能となっている。可変直流電源150の極性および電流・電圧ならびにオン・オフスイッチ152のオン・オフは制御部300により制御されるようになっている。
整合器146は,例えば図2に示すように,第1の高周波電源148の給電ライン210から分岐して設けられた第1の可変コンデンサ212と,給電ライン210のその分岐点の下流側に設けられた第2の可変コンデンサ214を有しており,これらにより上述した整合器146の機能を発揮する。さらに,整合器146には,上記可変直流電源150からの直流電圧電流(以下,単に「直流(DC)電圧」ともいう)が上部電極134に有効に供給可能なように,第1の高周波電源148からの高周波および後述する第2の高周波電源180からの高周波をトラップするフィルタ215が設けられている。すなわち,可変直流電源150がフィルタ215を介して給電ライン210に接続される。
フィルタ215は例えば図2に示すようにコイル216とコンデンサ218とで構成されており,これらにより第1の高周波電源148からの高周波および後述する第2の高周波電源180からの高周波がトラップされる。このようなDC電圧としては,例えば−2000〜10000Vの範囲で所望の大きさの電圧を印加することができる。例えばDC電圧の絶対値が100V以上,好ましくは500V以上になるようなDC電圧を印加する。
処理室110の側壁から上部電極134の高さ位置よりも上方に延びるように円筒状の接地導体102が設けられており,この円筒状接地導体102の天壁部分は筒状の絶縁部材103により給電棒144から電気的に絶縁されている。
下部電極であるサセプタ116には,整合器178を介して第2の高周波電源(下部高周波電源)180が電気的に接続されている。この第2の高周波電源180から下部電極であるサセプタ116に高周波電力が供給されることにより,ウエハW側にイオンが引き込まれる。第2の高周波電源180は,300kHz〜13.56MHzの範囲内の周波数,例えば3.2MHzの高周波電力を出力する。第2の高周波電源180の高周波電力(下部高周波電力LF)は可変できるようになっている。後述するレシピ作成ルール情報の作成においては,例えば0W〜5000Wの範囲で設定電力を変えてして実験を行った。
整合器178は第2の高周波電源180の内部(または出力)インピーダンスに負荷インピーダンスを整合させるためのもので,処理室110内にプラズマが生成されている時に第2の高周波電源180の内部インピーダンスと負荷インピーダンスが見かけ上一致するように機能する。
上部電極134には,第1の高周波電源148からの高周波は通さずにそれよりも低い第2の高周波電源180からの高周波をグランドへ通すためのローパスフィルタ(LPF)182が電気的に接続されている。このローパスフィルタ(LPF)182は,好適にはLRフィルタまたはLCフィルタで構成されるが,1本の導線だけでも第1の高周波電源148からの高周波に対しては十分大きなリアクタンスを与えることができるので,それで済ますこともできる。一方,下部電極であるサセプタ116には,第1の高周波電源148からの高周波をグランドに通すためのハイパスフィルタ(HPF)184が電気的に接続されている。
処理室110の底部には処理室110内を排気するための排気口104が設けられている。排気口104には,処理室110内の雰囲気を排気(例えば真空排気)するための排気系190が接続されている。具体的には,排気系190は排気口104に接続された配管192を有している。この配管192の最上流側には例えばゲートバルブよりなる圧力制御弁194が介在し,その下流側には真空ポンプ196が介在している。そして,処理室110の側壁には例えばキャパシタンスマノメータよりなる圧力検出器199が設けられている。圧力検出器199で測定された処理室110内の圧力を圧力制御弁194に入力してフィードバック制御を行うことで,処理室110内を所定の設定圧力まで減圧し,設定圧力を保持することができる。
また,処理室110の側壁にはウエハWの搬入出口106が設けられており,この搬入出口106はゲートバルブ108により開閉可能となっている。なお,処理室110の内壁には,処理室110にエッチング副生物(デポ)が付着することを防止するデポシールド(図示しない)を着脱自在に設けるようにしてもよい。
このような本実施形態にかかるプラズマ処理装置100によれば,ウエハWに対するプロセス処理を行う際には,所定の真空圧力に減圧した処理室110内に処理ガスを導入した状態で,上部電極134には第1の高周波電源148から上部高周波電力HFを所定のパワーで印加するとともに,下部電極であるサセプタ116には第2の高周波電源180から下部高周波電力LFを所定のパワーで印加することができる。このときの上部高周波電力HFと下部高周波電力LFのパワーはプロセス処理に応じて変えることができる。さらに,上部電極134にはプロセス処理に応じて上部高周波電力HFに重畳して可変直流電源150からの所定のDC電圧を印加したり,印加しなかったりすることもできる。
このように上部電極134にプラズマ形成用の上部高周波電力HFを供給し,下部電極であるサセプタ116にイオン引き込み用の下部高周波電力LFを供給するので,プラズマの制御マージンを広くすることができる。このとき,上部電極134に高い周波数領域(例えば10MHz以上)の高周波電力を供給することにより,プラズマを好ましい状態で高密度化することができ,より低圧の条件下でも高密度プラズマを形成することができる。
また,上部電極134に可変直流電源150からの所定の極性および大きさのDC電圧を印加することにより,上部電極134へのポリマーの付着を防止したり,プラズマポテンシャルやプラズマ密度の面内均一性を制御したりすることができる。例えば上部電極134の電極板136表面の自己バイアス電圧Vdcが深くなるように,つまり上部電極134の表面でのVdcの絶対値が大きくなるように,DC電圧を制御できる。これによれば,例えば上部高周波電力HFが低い場合などのように上部電極134にポリマーが付着し易くなる場合であっても,DC電圧を適切な値に制御することによって,上部電極134に付着したポリマーをスパッタしてその表面を清浄化することができる。この場合,ウエハW上に最適な量のポリマーを供給させることができるので,ウエハW上のフォトレジスト膜の表面荒れも解消できる。なお,可変直流電源150からのDC電圧を制御する代わりに,印加電流または印加電力を制御するようにしてもよい。
プラズマ処理装置100の各構成部は,制御部(全体制御装置)300に接続されて制御される構成となっている。また,制御部300には,工程管理者などがプラズマ処理装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや,プラズマ処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなる操作部310が接続されている。
さらに,制御部300には,プラズマ処理装置100で実行される各種処理を制御部300の制御にて実現するためのプログラムやプログラムを実行するために必要なレシピデータなどが記憶された記憶部320が接続されている。
記憶部320には,例えばウエハのプロセス処理を実行させるための複数のプロセス処理レシピ,クリーニングなど必要な処理を行うためのレシピなどが記憶されている。また,記憶部320には,プラズマを生起させるためのプラズマ着火レシピを作成するためのレシピ作成ルール情報が記憶されている。なお,このレシピ作成ルール情報の詳細は後述する。
これらのレシピは,プラズマ処理装置100の各部を制御する制御パラメータ,設定パラメータなどの複数のパラメータ値をまとめたものである。例えばプロセス処理レシピは,例えば処理ガスの流量比,処理室内圧力P,上部高周波電力HF,下部高周波電力LF,上部電極温度,下部電極温度などのパラメータ値を有する。
なお,これらのレシピはハードディスクや半導体メモリーに記憶されていてもよく,またCD−ROM,DVD等の可搬性のコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体に収容された状態で記憶部320の所定位置にセットするようになっていてもよい。
制御部300は,操作部310からの指示等に基づいて所望のプロセス処理レシピを記憶部320から読み出して各部を制御することで,プラズマ処理装置100での所望の処理を実行する。また,操作部310からの操作によりレシピを編集できるようになっている。
(レシピ作成ルール情報の具体例)
ここで,上記レシピ作成ルール情報の具体例について図面を参照しながら説明する。図3,図4は,本実施形態で用いられるレシピ作成ルール情報を表にまとめた図である。レシピ作成ルール情報は,プロセス処理レシピの特定パラメータを用いてパターン化した複数のレシピパターンと,これらのレシピパターンごとに最適なプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけたものである。プロセス処理レシピをパターン化するパラメータは,プラズマ着火傾向に影響を与える可能性の高いものを用いることが好ましい。ここでは,DC電圧,処理室内圧力P,上部高周波電力HF,下部高周波電力LFのパラメータを用いてパターン化する。
本実施形態にかかるレシピ作成ルール情報は,図3に示すDC電圧印加ありの場合と図4に示すDC電圧印加なしの場合の2種類に分けている。DC電圧印加ありか否かで処理室110内のコンディションも大きく変わり,これがプラズマの着火傾向に影響を与えるためである。例えばDC電圧印加なしの場合は,処理室110の内壁にエッチングによる付着物が堆積し易くなる。このように付着物は処理室110の内壁のグランド(接地)状態に影響を与えるので,プラズマが着火し難くなる。これに対して,例えばDC電圧印加ありの場合は,処理室110の内壁にエッチングによる付着物が堆積し難いので,プラズマも着火し易くなる。
従って,図3,図4に示すようにDC電圧印加ありか否かでプロセス処理レシピのパターンの分け方を変えることにする。このように,上部電極134へのDC電圧印加の有無によってレシピ作成ルール情報を分けて構成することで,最適なプラズマ着火用のパラメータ値を関連付けることができる。
以下,それぞれのレシピ作成ルール情報について具体的に説明する。先ず図3に示すDC電圧印加ありの場合には,プロセス処理レシピを以下のレシピパターンA〜D(HF,LFの両方印加),パターンE,F(LFのみ印加)に分け,それぞれのレシピパターンA〜D,パターンE,Fにプラズマ着火用のパラメータ値を関連づける。
[DC電圧印加ありの場合]
(レシピパターンA)
上部高周波電力:HF≧600W
下部高周波電力:0W≦LF<1000W
処理室内圧力:P<60mTorr
プラズマ着火用のパラメータ値:P=60mTorr
(レシピパターンB)
上部高周波電力:HF≧600W
下部高周波電力:LF≧1000W
処理室内圧力:P<40mTorr
プラズマ着火用のパラメータ値:P=40mTorr
(レシピパターンC)
上部高周波電力:100W≦HF<600W
下部高周波電力:0W≦LF<1000W
処理室内圧力:P<60mTorr
プラズマ着火用のパラメータ値:P=60mTorr,HF=600W
(レシピパターンD)
上部高周波電力:100W≦HF<600W
下部高周波電力:LF≧1000W
処理室内圧力:P<40mTorr
プラズマ着火用のパラメータ値:P=40mTorr,HF=600W
(レシピパターンE)
上部高周波電力:HF=0W
下部高周波電力:50W≦LF<600W
処理室内圧力:P<60mTorr
プラズマ着火用のパラメータ値:P=60mTorr,LF=600W
(レシピパターンF)
上部高周波電力:HF=0W
下部高周波電力:LF≧600W
処理室内圧力:P<60mTorr
プラズマ着火用のパラメータ値:P=60mTorr
これに対して,図4に示すDC電圧印加なしの場合は,プロセス処理レシピを以下のレシピパターンG,H(HF,LFの両方印加),レシピパターンE,F(LFのみ印加)に分け,それぞれのレシピパターンにプラズマ着火用のパラメータ値を関連づける。なお,レシピパターンE,F(LFのみ印加)は,図3に示すDC電圧印加ありの場合と共通するため,ここでは省略する。
[DC電圧印加なしの場合]
(レシピパターンG)
上部高周波電力:HF≧600W
下部高周波電力:0W≦LF≦5000W
処理室内圧力:P<60mTorr
プラズマ着火用のパラメータ値:P=60mTorr
(レシピパターンH)
上部高周波電力:100W≦HF<600W
下部高周波電力:0W≦LF≦5000W
処理室内圧力:P<60mTorr
プラズマ着火用のパラメータ値:P=60mTorr,HF=600W
このレシピ作成ルール情報は,プロセス処理レシピの各レシピパターンにおいて,確実にプラズマを着火できる必要最小限の条件をプラズマ着火用のパラメータ値として関連づけたものである。従って,プロセス処理レシピの一部のパラメータ値をプラズマ着火用のパラメータ値に変更するだけで,最適なプラズマ着火レシピを作成することができる。
(ウエハ処理の具体例)
次に,このようなレシピ作成ルール情報を用いてプラズマ着火レシピを作成して行うウエハ処理の具体例について図面を参照しながら説明する。図5は,本実施形態にかかるウエハ処理の具体例を示すフローチャートである。制御部300は,所定のプログラムに基づいて図5に示すフローチャートにより,プラズマ処理装置100の各部を制御してウエハ処理を行う。
ここでは,上部電極134へのDC電圧が−300V,処理ガスの流量比がCガス/Arガス/Oガス=60sccm/900sccm/40sccm,処理室内圧力Pが35mTorr,上部高周波電力HFが300W,下部高周波電力LFが500W,その他上部電極温度,下部電極温度などをパラメータ値として含むプロセス処理レシピRに基づいて,ウエハに形成された酸化膜をエッチングするプロセス処理を実行する場合を例に挙げる。
図5に示すように,先ずステップS110にて処理室110内にウエハWを搬入する。具体的にはゲートバルブ108を開状態とし,搬入出口106を介してウエハWを処理室110内に搬入し,サセプタ116上に載置し,吸着保持する。
次にステップS120にてこれから実行する処理のプロセス処理レシピRからプラズマ着火用パラメータ値をレシピ作成ルール情報に基づいて取得する。具体的にはプロセス処理レシピRを記憶部320から読み出して,その特定のパラメータからそのプロセス処理レシピRを含むレシピパターンを判定する。ここでのプロセス処理レシピRは,上部電極へのDC電圧を印加するので,図3に示すレシピ作成ルール情報を用いる。そして,処理室内圧力Pが35mTorr,上部高周波電力HFが300W,下部高周波電力LFが500Wであるので,プロセス処理レシピRはレシピパターンCに属すると判定し,処理室内圧力Pを60mTorrとし,上部高周波電力HFを600Wとするプラズマ着火用パラメータ値を取得する。
続いてステップS130にて当該プラズマ着火用パラメータ値に基づいてプラズマ着火レシピを作成する。具体的にはプロセス処理レシピRの各パラメータ値のうち,ステップS120で取得したプラズマ着火用パラメータ値のみを変更してプラズマ着火レシピを作成する。すなわち,プロセス処理レシピRのパラメータ値のうち,処理室内圧力Pと上部高周波電力HFのみをそれぞれプラズマ着火用の60mTorr,600Wに変更したものをプラズマ着火レシピとする。こうして,プロセス処理レシピRに最適なプラズマ着火レシピを自動的に作成できる。
次いでステップS140にて作成したプラズマ着火レシピの各パラメータ値に基づいてプラズマを生起する。上述した例ではプラズマ処理レシピRのうちの処理室内圧力と上部高周波電力HFだけプラズマ着火用の60mTorr,600Wに変更したプラズマ着火レシピによりプラズマを生起する。すなわち,処理室110内を真空排気しながら,処理ガス供給源166からCガス,Arガス,Oガスを処理ガスとして供給し,処理室内圧力をプラズマ着火用の60mTorrに保持する。
そして,上部電極134にプラズマ着火用の上部高周波電力HFとして600Wを供給するとともにDC電圧として−300Vを印加し,下部電極であるサセプタ116には下部高周波電力LFとしてプロセス処理レシピRと同じ500Wを供給する。これにより,処理ガスは上部電極134と下部電極であるサセプタ116間のグロー放電中でプラズマ化することで,プラズマが生起される。
プラズマが安定すると,ステップS150にてプロセス処理レシピに基づいてウエハWのプロセス処理を実行する。具体的には処理室内圧力P,上部高周波電力HFをそれぞれプラズマ処理レシピRの35mTorr,300WにしてウエハW上の酸化膜のエッチングを実行する。そして,酸化膜のエッチングが終了すると,ステップS160にてウエハWを処理室110内から搬出し,一連の処理を終了する。
このように,プロセス処理レシピをパターン化したレシピパターンにプラズマ着火用のパラメータ値を関連付けたレシピ作成ルール情報を設け,これを利用してプラズマ着火レシピを作成することにより,どのプロセス処理にも最適なプラズマ着火レシピを自動的に作成できる。これにより,オペレータの経験に頼ることなく,プラズマを確実に生起できる最適なプラズマ着火レシピを作成できる。
また,複数のプロセス処理レシピがあっても,それぞれのプロセス処理レシピに最適なプラズマ着火レシピを自動的に作成できるので,プラズマ着火レシピ作成の手間を大幅に軽減できる。さらに,プロセス処理レシピの一部のパラメータ値をプラズマ着火用のパラメータ値に置き換えてプラズマ着火レシピを作成するので,プラズマを着火させるのに必要最小限のパラメータ値の変更で足り,生起したプラズマが安定した状態でプロセス処理レシピに移行させることができる。
(レシピ作成ルール情報の作成例)
次に,レシピ作成ルール情報の作成例について説明する。ここでは,上記プラズマ処理装置100を用いて多数のプロセス処理レシピによってプラズマを生起する実験を行い,その実験結果から最適なレシピ作成ルール情報を作成する。プロセス処理レシピを構成するパラメータのうち,プラズマを着火に影響が大きいパラメータとしては,処理室内圧力P,上部高周波電力HF,下部高周波電力LFが挙げられるので,これらのパラメータの値を変えてDC電圧印加ありとDC電圧印加なしに分けて実験を行い,実際にプラズマが生成されたか否かを確認した。なお,以下に示す実験結果の他にも実験を行っているが,ここではレシピ作成ルール情報を作成する方法の具体例を分かり易くするために,一部の実験結果を利用して説明する。
先ず,図3に示すDC電圧印加ありの場合のレシピ作成ルール情報を作成するために行った実験について図面を参照しながら説明する。図6は,DC電圧印加ありの場合の実験結果の一部を示す図である。この実験では,DC電圧を−300Vに設定した。
図6の左から第1列目の3つの表は,処理ガスとしてCガス,Arガス,Oガスを用いてこれらの流量比をCガス/Arガス/Oガス=60sccm/200sccm/40sccmに設定し,処理室内圧力Pを25mTorr,35mTorr,55mTorrの場合にそれぞれ上部高周波電力HF,下部高周波電力LFを変えてプラズマを生起する実験を行ったときの結果である。図6では処理室内圧力Pが25mTorr,35mTorr,55mTorrの場合における実験結果をそれぞれ,上部高周波電力HFを縦軸とし,下部高周波電力LFを横軸として表にまとめている。図6に示す各表は,図3に示す表と同様の構成である。
なお,処理室内圧力Pを25mTorr,35mTorr,55mTorrとしたのは,プラズマが確実に着火する領域を検討するため,プラズマが着火し難い方,すなわち圧力が低い方に5mTorrのマージンを設けるためである。これにより,35mTorrで着火すれば40mTorrをパターン化の閾値とすることができ,55mTorrで着火すれば60mTorrをパターン化の閾値とすることができる。
図6の左から第2列目の3つの表は,処理ガスのガス種を第1列目で用いたCガスからCガスに変えて同様の実験を行ったときの結果である。図6の左から第3列目の3つの表は,処理ガスは第2列目と同じガス種を用い,Arガスの流量比だけを900sccmに変えて同様の実験を行ったときの結果である。図6の左から第4列目の3つの表は,処理ガスのガス種をCFガス,Oガスに変えるとともに,CFガス/Oガス=150sccm/10sccmに設定して同様の実験を行ったときの結果である。図6の左から第5列目の3つの表は,処理ガスのガス種をCガス,CHFガス,Arガス,Oガスを用いてこれらの流量比をCガス/CHFガス/Arガス/Oガス=20sccm/75sccm/600sccm/40sccmに設定して同様の実験を行ったときの結果である。
図6に示す各表において縦軸の上部高周波電力HFは各マスの下から順に100W,300W,500W,600W,1000W,1500W,2000W,2500W,3000Wである。また,各マスの横軸の下部高周波電力LFは各マスの左から順に0W,50W,100W,300W,500W,1000W,2000W,3000W,4000W,5000Wである。各表における「×」はプラズマが生起しなかったことを示し,「○」はプラズマが生起したことを示す(後述する図7〜図11の表も同様の構成である)。
例えば処理室内圧力Pを25mTorrとした場合の実験結果は,図6の左から第1列目の最も上の表であり,上部高周波電力HFを100W,下部高周波電力LFを500Wとした場合には「×」であるため,プラズマが生起しなかったことを示している。これに対して,上部高周波電力HFを1000W,下部高周波電力LFを1000Wとした場合には「○」であるため,プラズマが生起したことを示している。なお,ここでは実験を効率的に行うため,プラズマの着火不良が起きやすい領域ではそれ以外の領域よりも細かく実験し,プラズマが良好に着火する領域(以下,「プラズマ着火領域」という)を調べた。各表において点描で示す領域がプラズマ着火領域に相当する。
図6の各表を列ごとに見ると,処理室内圧力Pが25mTorr,35mTorr,55mTorr高くなるほどプラズマ着火領域が増える傾向にあることがわかる。これによれば,プラズマを確実に着火するには,処理室内圧力Pを高くすればよいことがわかる。また,各表を個別に見ると,プラズマが着火する領域と着火しない領域とが混在する場合には,上部高周波電力HFが高いほど,また下部高周波電力LFが高いほどプラズマ着火し易くなる傾向にあることがわかる。これによれば,プラズマを確実に着火するには,処理室内圧力Pを変えなくても,上部高周波電力HF,又は下部高周波電力LFを高くすればよいことがわかる。しかも,上部高周波電力HFと下部高周波電力LFとはそれぞれある値を超えるとプラズマが着火するようになる。
このような図6に示す実験結果から図3に示すレシピ作成ルール情報を作成する。すなわち,プロセス処理レシピを特定のパラメータ,ここでは処理室内圧力P,上部高周波電力HF,下部高周波電力LFによってパターン化し,各レシピパターンについてプラズマが確実に着火する条件として,プラズマが確実に着火する処理室内圧力P,または処理室内圧力Pと上部高周波電力HFのパラメータ値を関連づけたレシピ作成ルール情報を作成する。
具体的には,先ず図6に示す実験結果から上部高周波電力HFでプラズマが着火する領域の閾値を決める。ここでは上部高周波電力HFの閾値を600Wとする。この閾値600W以上の領域(図3に示すレシピパターンA,B)では上部高周波電力HFをプラズマ着火用のパラメータ値としないことにする。上部高周波電力HFが閾値600W以上の領域ではプラズマが着火し易いため,処理室内圧力Pをプラズマ着火用のパラメータ値として設定するだけで十分だからである。
これに対して,上部高周波電力HFが閾値600Wより小さい領域(図3に示すレシピパターンC,D,E,F)は,プラズマが着火し難いため,処理室内圧力Pのみならず,上部高周波電力HFのパラメータ値をプラズマ着火用のパラメータ値として設定する。この上部高周波電力HFのパラメータ値は,例えば上記閾値である600Wとする。なお,上部高周波電力HFが0Wの領域(図3に示すレシピパターンE,F)では,上部高周波電力HFの代わりに下部高周波電力LFを600Wとする。
次いで,図6に示す実験結果から下部高周波電力LFでプラズマが着火する領域の閾値を決める。ここでは下部高周波電力LFの閾値を1000Wとする。この閾値1000W以上の領域では,上部高周波電力HFを閾値600W以上にすればプラズマが着火するので,この領域(図3に示すレシピパターンB)では下部高周波電力LFをプラズマ着火用のパラメータ値としないことにする。また,下部高周波電力LFが閾値1000W以上の領域(図3に示すレシピパターンB,D)では,処理室内圧力35mTorrで着火するので,処理室内圧力P=40mTorrをプラズマ着火用のパラメータ値とする。
これに対して,下部高周波電力LFが閾値(1000W)より小さい領域(図3に示すレシピパターンA,C)については,プラズマが着火し難いため,処理室内圧力Pを上げるようにする。ここでは,処理室内圧力Pのパラメータ値を例えば60mTorrとし,これをプラズマ着火用のパラメータ値とする。こうして,図3に示すDC電圧印加ありのレシピ作成ルール情報を作成することができる。
次に,図4に示すDC電圧印加なしの場合のレシピ作成ルール情報を作成するために行った実験について図面を参照しながら説明する。図7は,DC電圧印加なしの場合の実験結果の一部を示す図である。この実験では,DC電圧を0Vに設定した。
図7の左から第1列目の3つの表は,処理ガスとしてOガスのみを用いてその流量を500sccmに設定し,図6の実験と同様に処理室内圧力Pを25mTorr,35mTorr,55mTorrの場合にそれぞれ上部高周波電力HF,下部高周波電力LFを変えてプラズマを生起する実験を行ったときの結果である。図7では処理室内圧力P25mTorr,35mTorr,55mTorrの場合における実験結果をそれぞれ,上部高周波電力HFを縦軸とし,下部高周波電力LFを横軸として表にまとめている。図7に示す各表は,図4に示す表と同様の構成である。
図7の左から第2列目の2つの表は,処理ガスのガス種をArガス,Oガスに変えるとともに,Arガス/Oガス=400sccm/100sccmに設定して同様の実験を行ったときの結果である。図7の左から第3列目の2つの表は,処理ガスのガス種をArガスのみに変えるとともに,その流量を900sccmに設定して同様の実験を行ったときの結果である。図7の左から第4列目の3つの表は,処理ガスのガス種をCガス,Arガス,Oガスに変えるとともに,これらの流量比をCガス/Arガス/Oガス=60sccm/900sccm/40sccmに設定して同様の実験を行ったときの結果である。
図7の左から第5列目の3つの表は,処理ガスのガス種をCFガス,Oガスに変えるとともに,これらの流量比をCFガス/Oガス=150sccm/10sccmに設定して同様の実験を行ったときの結果である。なお,図7の第2列目と第3列目の実験結果では,25mTorrの場合を省略している。これは,35mTorrでもプラズマが着火した範囲が狭いことから,それ以上の圧力範囲で実験を行えば,レシピ作成ルール情報を作成するのには十分だからである。
図7に示す実験結果においても,処理室内圧力P,上部高周波電力HF,下部高周波電力LFには図6に示す場合と同様の傾向がある。すなわち,処理室内圧力P,上部高周波電力HF,下部高周波電力LFが大きいほど,プラズマが着火し易い傾向にある。
このような図7に示す実験結果から図4に示すレシピ作成ルール情報を作成する。すなわち,先ず図7に示す実験結果から上部高周波電力HFでプラズマが着火する領域の閾値を決める。ここでは上部高周波電力HFの閾値を図6の場合と同様に600Wとする。この場合においても,この閾値600W以上の領域(図4に示すレシピパターンG)では上部高周波電力HFをプラズマ着火用のパラメータ値としないことにする。上部高周波電力HFが閾値600W以上の領域ではプラズマが着火し易いため,処理室内圧力Pをプラズマ着火用のパラメータ値として設定するだけで十分だからである。
これに対して,上部高周波電力HFが閾値600Wより小さい領域(図4に示すレシピパターンH)は,プラズマが着火し難いため,処理室内圧力Pのみならず,上部高周波電力HFのパラメータ値をプラズマ着火用のパラメータ値として設定する。この上部高周波電力HFのパラメータ値は,例えば上記閾値である600Wとする。なお,上部高周波電力HFが0Wの領域(図4に示すレシピパターンE,F)では,図3の場合と同様に上部高周波電力HFの代わりに下部高周波電力LFを600Wとする。
図7に示すように,DC電圧印加なしの場合は,図6の場合に比して処理室内圧力Pが35mTorrでも着火しない領域が残る場合が多いので,下部高周波電力LFの閾値は設定せずに,処理室内圧力Pを上げるようにする。ここでは,処理室内圧力Pのパラメータ値を例えば60mTorrとし,これをプラズマ着火用のパラメータ値とする。こうして,図4に示すDC電圧印加なしのレシピ作成ルール情報を作成することができる。
このように多数の実験に基づいてレシピ作成ルール情報を作成するので,プラズマの着火の有無の傾向に合った最適なレシピ作成ルールを作成できる。例えば上記実験によれば処理室内圧力が低いほど,また高周波電力が小さいほどプラズマは着火し難くなる傾向があるので,このようなプラズマ着火への影響が大きいパラメータでプロセス処理レシピをパターン化して,最適なプラズマ着火用のパラメータを関連づけることで確実にプラズマを着火できるプラズマ着火レシピを作成できる。
また,上記実施形態では上部電極134へのDC電圧印加の有無でレシピ作成ルール情報を分けて作成した場合について説明したが,必ずしもこれに限定されるものではなく,処理ガスのガス種でレシピ作成ルール情報を分けて作成するようにしてもよい。プラズマが着火するか否かは,ガス種によっても大きく影響を受けるからである。このようなレシピ作成ルール情報の作成例の詳細は後述する。
(他のレシピ作成ルール情報の作成例)
次に,他のレシピ作成ルール情報の作成例について説明する。発明者らの実験によれば,フルオロカーボン系ガス(CxFy,CxHyFzなど)を含む場合にはプラズマが着火し易く,フルオロカーボン系ガスを含まない場合にはプラズマが着火し難い傾向があることがわかった。そこで,ここでは処理ガスのガス種でレシピ作成ルール情報を分けて作成する具体例として処理ガスがフルオロカーボン系ガスを含むか否かによってレシピ作成ルール情報を分けて作成する場合を例に挙げる。
先ず,処理ガスがフルオロカーボン系ガスを含む場合のレシピ作成ルール情報を作成するために行った実験について図8を参照しながら説明する。図8は,フルオロカーボン系ガスを含む場合の実験結果の一部を示す図である。
図8の左から第1列目の3つの表は,処理ガスとしてCガス,Arガス,Oガスを用いてこれらの流量比をCガス/Arガス/Oガス=60sccm/200sccm/40sccmに設定し,処理室内圧力Pを25mTorr,35mTorr,55mTorrの場合にそれぞれ上部高周波電力HF,下部高周波電力LFを変えてプラズマを生起する実験を行ったときの結果である。この場合のDC電圧は−300Vとした。
図8では図6の場合と同様に処理室内圧力Pが25mTorr,35mTorr,55mTorrの場合における実験結果をそれぞれ,上部高周波電力HFを縦軸とし,下部高周波電力LFを横軸として表にまとめている。
図8の左から第2列目の3つの表は,DC電圧を−300Vとして,処理ガスは第1列目と同じガス種を用い,Arガスの流量比だけを900sccmに変えて同様の実験を行ったときの結果である。図8の左から第3列目の3つの表は,処理ガスは第2列目と同じガス種,流量比とし,DC電圧を0V(DC電圧印加なし)に変えて同様の実験を行ったときの結果である。図8の左から第4列目の3つの表は,DC電圧を−300Vとして,処理ガスのガス種をCFガス,Oガスに変えるとともに,CFガス/Oガス=150sccm/10sccmに設定して同様の実験を行ったときの結果である。図8の左から第5列目の3つの表は,処理ガスは第4列目と同じガス種,流量比とし,DC電圧を0V(DC電圧印加なし)に変えて同様の実験を行ったときの結果である。
次に,処理ガスがフルオロカーボン系ガスを含まない場合のレシピ作成ルール情報を作成するために行った実験について図9を参照しながら説明する。図9は,フルオロカーボン系ガスを含まない場合の実験結果の一部を示す図である。この実験では,DC電圧を0Vに設定した。
図9の左から第1列目の3つの表は,処理ガスとしてOガスのみを用いてその流量を500sccmに設定し,図8の実験と同様に処理室内圧力Pを25mTorr,35mTorr,55mTorrの場合にそれぞれ上部高周波電力HF,下部高周波電力LFを変えてプラズマを生起する実験を行ったときの結果である。図9では図8の場合と同様に処理室内圧力P25mTorr,35mTorr,55mTorrの場合における実験結果をそれぞれ,上部高周波電力HFを縦軸とし,下部高周波電力LFを横軸として表にまとめている。
図9の左から第2列目の2つの表は,処理ガスのガス種をArガス,Oガスに変えるとともに,Arガス/Oガス=400sccm/100sccmに設定して同様の実験を行ったときの結果である。図9の左から第3列目の2つの表は,処理ガスのガス種をArガスのみに変えるとともに,その流量を900sccmに設定して同様の実験を行ったときの結果である。なお,図9の第2列目と第3列目の実験結果では,25mTorrの場合を省略している。これは,35mTorrでもプラズマが着火した範囲が狭いことから,それ以上の圧力範囲で実験を行えば,レシピ作成ルール情報を作成するのには十分だからである。
このような図8,図9に示す実験結果からそれぞれレシピ作成ルール情報を作成する。すなわち,図8に示す実験結果においては,上部高周波電力HFでプラズマが着火する領域の閾値を決め,次に下部高周波電力LFでプラズマが着火する領域の閾値を決める。図9に示す実験結果においては,上部高周波電力HFでプラズマが着火する領域の閾値を決める。
この場合,図8に示す実験結果を見ると図6に示す実験結果とほぼ同様の傾向が現れており,図9に示す実験結果を見ると図7に示す実験結果とほぼ同様の傾向が現れている。例えば処理ガスがフルオロカーボン系ガスを含む場合(図8の場合)には,フルオロカーボン系ガスを含まない場合(図9の場合)に比してプラズマが着火し易い傾向にあることがわかる。また,図8,図9の場合とも処理室内圧力P,上部高周波電力HF,下部高周波電力LFが大きいほど,プラズマが着火し易い傾向にある。このため,図8に示す実験結果においては図6の場合と同様に上部高周波電力HFの閾値600W,下部高周波電力LFの閾値1000Wを用いることができるので,図3に示すレシピ作成ルール情報で対応できる。図9に示す実験結果においては図7の場合と同様に上部高周波電力HFの閾値600Wを用いることができるので,図4に示すレシピ作成ルール情報で対応できる。
このように,上記実験結果によれば,処理ガスがフルオロカーボン系ガスを含まない場合にはこれを含む場合に比してプラズマが着火し難くなる傾向があるので,処理ガスのガス種に応じてレシピ作成ルール情報を分けて構成することによっても,最適なプラズマ着火用のパラメータ値を関連付けることができる。
また,このようにフルオロカーボン系ガスによって図3,図4に示すレシピ作成ルール情報に分けるので,上部電極134にDC電圧を印加する可変直流電源150を設けないタイプのプラズマ処理装置にも適用可能である。
なお,上述した各レシピ作成ルール情報の作成例において,上部高周波電力HFの閾値及び下部高周波電力LFの閾値はそれぞれ,上記操作部310を介して所望の値を設定可能に構成してもよい。この上部高周波電力HFの閾値及び下部高周波電力LFの閾値によってプロセス処理レシピのレシピパターンが決まるので,これらの閾値を調整することで,プラズマ着火用パラメータ値を関連づけるレシピパターンの範囲を微調整することができる。
また,上記実施形態におけるレシピ作成ルール情報では,プラズマ着火用のパラメータ値のパラメータとして,処理室内圧力P,上部高周波電力HFを関連づけた場合を例に挙げて説明したが,必ずしもこれに限定されるものではなく,下部高周波電力LFをプラズマ着火用のパラメータ値とするパラメータに含めてもよい。さらに,特定のガス種の流量比をプラズマ着火用のパラメータ値のパラメータに含めてもよい。例えば上述したようにArガスの有無及びArガスの流量比に応じてプラズマの着火傾向が変わるので,Arガスの流量比をプラズマ着火用のパラメータ値のパラメータに含めてもよい。
ここで,Arガスの有無とArガスの流量比についてのプラズマの着火傾向を確認する実験結果を図10,図11に示す。図10は,Arガスの有無とプラズマの着火傾向を確認する実験結果であり,図11は,Arガスの流量比とプラズマの着火傾向を確認する実験結果である。図10,図11における実験は,上述した図6〜図9の場合と同様に行った。
すなわち,図10の左から第1列目と第2列目の3つの表はそれぞれ,Arガスを含まない処理ガスとしてCFガス,Oガスを用いてこれらの流量比をCFガス/Arガス/Oガス=150sccm/0sccm/10sccmに設定し,処理室内圧力Pを25mTorr,35mTorr,55mTorrの場合にそれぞれ上部高周波電力HF,下部高周波電力LFを変えてプラズマを生起する実験を行ったときの結果である。図10の左から第1列目の3つの表は,DC電圧を−300Vに設定した場合であり,図10の左から第2列目の3つの表は,DC電圧を0Vに設定した場合である。
これに対して,図10の左から第3列目と第4列目の3つの表はそれぞれ,CFガス,OガスにArガスを流量比200sccmを追加したものを処理ガスとして第1列目と第2列目と同様の実験を行ったときの結果である。図10の左から第3列目の3つの表は,DC電圧を−300Vに設定した場合であり,図10の左から第4列目の3つの表は,DC電圧を0Vに設定した場合である。
また,図11の左から第1列目と第2列目の3つの表はそれぞれ,処理ガスとしてCガス,Arガス,Oガスを用いてこれらの流量比をCガス/Arガス/Oガス=60sccm/200sccm/40sccmに設定し,処理室内圧力Pを25mTorr,35mTorr,55mTorrの場合にそれぞれ上部高周波電力HF,下部高周波電力LFを変えてプラズマを生起する実験を行ったときの結果である。図11の左から第1列目の3つの表は,DC電圧を−300Vに設定した場合であり,図11の左から第2列目の3つの表は,DC電圧を0Vに設定した場合である。
これに対して,図11の左から第3列目と第4列目の3つの表はそれぞれ,Arガスの流量比だけを900sccmと増量して第1列目と第2列目と同様の実験を行ったときの結果である。図11の左から第3列目の3つの表は,DC電圧を−300Vに設定した場合であり,図11の左から第4列目の3つの表は,DC電圧を0Vに設定した場合である。
図10の実験結果によれば,Arガスなしの場合(第1列目,第2列目)とArガスありの場合(第3列目,第4列目)とをそれぞれ比較すると,Arガスありの場合の方がArガスなしの場合に比較してプラズマが着火し難くなっていることがわかる。さらに図11の実験結果によれば,Arガスの流量比が200sccmの場合(第1列目,第2列目)とArガスの流量比が900sccmの場合(第3列目,第4列目)とをそれぞれ比較すると,Arガスの流量比が多い場合の方がArガスの流量比が少ない場合に比較してプラズマが着火し難くなっていることがわかる。従って,Arガスの流量比をプラズマ着火用のパラメータ値に含める場合には,Arガスの流量比を減らすようにすることが好ましい。これにより,プラズマを着火し易くすることができる。
なお,上記実施形態で説明したレシピ作成ルール情報を作成するための実験では,処理室110内をプラズマの着火マージンが最も狭くなるようなコンディション(例えば処理室内内壁に付着物が体積している状態や温度を高めに設定した状態など)にして実行することが好ましい。また,プラズマの着火不良が起きやすい領域では細かく実験を行うことが好ましい。これにより,広い着火マージンを有する最適なレシピ作成ルール情報を作成できる。
また,上述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムを記憶した記憶媒体等の媒体をシステムあるいは装置に供給し,そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体等の媒体に記憶されたプログラムを読み出して実行することによっても,本発明が達成され得る。
この場合,記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり,そのプログラムを記憶した記憶媒体等の媒体は本発明を構成することになる。プログラムを供給するための記憶媒体等の媒体としては,例えば,フロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−RW,DVD+RW,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどが挙げられる。また,媒体に対してプログラムを,ネットワークを介してダウンロードして提供することも可能である。
なお,コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより,上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく,そのプログラムの指示に基づき,コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い,その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も,本発明に含まれる。
さらに,記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムが,コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後,そのプログラムの指示に基づき,その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い,その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も,本発明に含まれる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば上記実施形態では,上部電極と下部電極の両方に高周波電力を印加可能なタイプのプラズマ処理装置に適用した場合について説明したが,これに限られるものではなく,例えば上部電極には高周波電力を印加せず,下部電極のみに高周波電力を印加するタイプのプラズマ処理装置にも適用可能である。この場合のレシピ作成ルールは,図3,図4に示す上部高周波電力HFが0WのときのレシピパターンE,Fを適用することができる。
また,本発明のプラズマ処理についても,上記実施形態で挙げたエッチング処理に限定されるものではなく,成膜処理,アッシング処理,クリーニング処理など様々なプラズマ処理に適用可能である。
本発明は,プラズマを生起して基板に対するプロセス処理を実行するプラズマ処理方法,プラズマ処理装置,記憶媒体に適用可能である。
本発明の実施形態にかかるプラズマ処理装置の構成例を示す断面図である。 図1に示すプラズマ処理装置の第1の高周波電源に接続される整合器の具体的構成例を示す図である。 同実施形態におけるDC電圧印加ありの場合のレシピ作成ルール情報を示す図である。 同実施形態におけるDC電圧印加なしの場合のレシピ作成ルール情報を示す図である。 同実施形態におけるウエハ処理の具体例を示すフローチャートである。 図3に示すレシピ作成ルール情報を作成するために行った実験の結果をまとめた図である。 図4に示すレシピ作成ルール情報を作成するために行った実験の結果をまとめた図である。 処理ガスがフルオロカーボン系ガスを含む場合のレシピ作成ルール情報を作成するために行った実験結果をまとめた図である。 処理ガスがフルオロカーボン系ガスを含まない場合のレシピ作成ルール情報を作成するために行った実験結果をまとめた図である。 Arガスの有無とプラズマの着火傾向を確認する実験結果をまとめた図である。 Arガスの流量比とプラズマの着火傾向を確認する実験結果をまとめた図である。
符号の説明
100 プラズマ処理装置
102 円筒状接地導体
103 絶縁部材
104 排気口
106 搬入出口
108 ゲートバルブ
110 処理室
112 絶縁板
114 サセプタ支持台
116 サセプタ
118 静電チャック
120 電極
122 直流電源
124 フォーカスリング
126 内壁部材
128 冷媒室
130a,130b 配管
132 ガス供給ライン
134 上部電極
136 電極板
137 ガス吐出孔
138 電極支持体
140 ガス拡散室
142 絶縁性遮蔽部材
144 給電棒
146 整合器
148 第1の高周波電源(上部高周波電源)
150 可変直流電源
152 オン・オフスイッチ
162 ガス導入口
164 ガス供給管
166 処理ガス供給源
168 マスフローコントローラ(MFC)
170 開閉バルブ
178 整合器
180 第2の高周波電源(下部高周波電源)
182 ローパスフィルタ(LPF)
184 ハイパスフィルタ(HPF)
190 排気系
192 配管
194 圧力制御弁
196 真空ポンプ
199 圧力検出器
210 給電ライン
212,214 可変コンデンサ
215 フィルタ
216 コイル
218 コンデンサ
300 制御部
310 操作部
320 記憶部
A,B,C,D レシピパターン
E,F レシピパターン
G,H レシピパターン
W ウエハ

Claims (19)

  1. 所定の圧力に減圧可能な処理室内に基板を配置し,前記処理室に設けられた電極に高周波電力を供給して,前記処理室内に導入された処理ガスのプラズマを生起することにより,前記基板に対して所定のプロセス処理を行うプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法であって,
    前記プラズマ処理装置は,プロセス処理レシピを特定のパラメータでパターン化した複数のレシピパターンと,これらレシピパターンにそれぞれプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけたレシピ作成ルール情報を記憶する記憶部を備え,
    前記基板のプロセス処理を実行する際に,必要なプロセス処理レシピを取得するとともに,そのプロセス処理レシピが含まれるレシピパターンに関連づけられたプラズマ着火用のパラメータ値を前記レシピ作成ルール情報から取得するステップと,
    取得した前記プロセス処理レシピの一部のパラメータ値を,取得した前記プラズマ着火用のパラメータ値に置き換えてプラズマ着火レシピを作成するステップと,
    前記プラズマ着火レシピにより前記プラズマ処理装置を制御してプラズマを生起するステップと,
    前記プロセス処理レシピにより前記プラズマ処理装置を制御して前記基板のプロセス処理を実行するステップと,
    を有することを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 前記プロセス処理レシピのパターン化に用いる特定のパラメータは,処理室内圧力と前記電極へ印加する高周波電力であり,
    前記プラズマ着火用のパラメータ値は,プラズマ着火用の処理室内圧力とプラズマ着火用の高周波電力のいずれか一方又はこれらの組合せであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  3. 前記電極は,前記処理室内に対向して配置された下部電極と上部電極からなり,前記上部電極には上部高周波電力が印加されるとともに,前記下部電極には前記上部高周波電力とは異なる下部高周波電力が印加されるように構成され,
    前記プロセス処理レシピのパターン化に用いる特定のパラメータは,処理室内圧力と前記上部高周波電力と前記下部高周波電力であり,
    前記プラズマ着火用のパラメータ値は,プラズマ着火用の処理室内圧力のみ,又はこの処理室内圧力にプラズマ着火用の上部高周波電力と下部高周波電力のいずれか一方又は両方を組合せたものであることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理方法。
  4. 前記特定のパラメータは,さらに前記処理ガスのガス種も含み,
    前記レシピ作成ルール情報は,前記ガス種としてフルオロカーボン系ガスを含む処理ガスの場合とそれを含まない処理ガスの場合の2種類に分けたことを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理方法。
  5. 前記プラズマ着火用のパラメータ値は,さらに特定のガス種の流量比も含むことを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理方法。
  6. 前記特定のガス種は,Arガスであり,
    前記プロセス処理レシピが処理ガスとしてArガスの流量比を含む場合には,その流量比よりも減少させた流量比を前記プラズマ着火用のパラメータ値とすることを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理方法。
  7. 処理室内に処理ガスのプラズマを生起して基板に対するプロセス処理を行うプラズマ処理装置であって,
    前記処理室内に配置され,前記プラズマを生起するための高周波電力が供給される電極と,
    前記処理室内の基板上に処理ガスを所定の流量比で供給する処理ガス供給部と,
    前記処理室内を排気して所定の圧力に調整する排気部と,
    プロセス処理レシピを特定のパラメータでパターン化した複数のレシピパターンと,これらレシピパターンにそれぞれプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけたレシピ作成ルール情報を記憶する記憶部と,
    前記基板のプロセス処理を実行する際に,必要なプロセス処理レシピを取得するとともに,そのプロセス処理レシピが含まれるレシピパターンに関連づけられたプラズマ着火用のパラメータ値を前記レシピ作成ルール情報から取得し,取得した前記プロセス処理レシピの一部のパラメータ値を,取得した前記プラズマ着火用のパラメータ値に置き換えてプラズマ着火レシピを作成し,前記プラズマ着火レシピにより前記プラズマ処理装置を制御してプラズマを生起して,前記プロセス処理レシピにより前記プラズマ処理装置を制御して前記基板のプロセス処理を実行する制御部と,
    を有することを特徴とするプラズマ処理装置。
  8. 前記プロセス処理レシピのパターン化に用いる特定のパラメータは,処理室内圧力と前記電極へ印加する高周波電力であり,
    前記プラズマ着火用のパラメータ値は,プラズマ着火用の処理室内圧力とプラズマ着火用の高周波電力のいずれか一方又はこれらの組合せであることを特徴とする請求項7に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記レシピ作成ルール情報は,前記プロセス処理レシピを前記処理室内圧力と前記高周波電力の閾値によりパターン化し,
    前記処理室内圧力が60mTorr未満であって,前記高周波電力が閾値以上のレシピパターンには,前記処理室内圧力を60mTorrとするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけ,
    前記処理室内圧力が60mTorr未満であって,前記高周波電力が閾値未満のレシピパターンには,前記処理室内圧力を60mTorrとし,かつ前記高周波電力を前記閾値とするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけるルールを有することを特徴とする請求項8に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記高周波電力の閾値は,600Wであることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記高周波電力の閾値は,前記プラズマ処理装置に接続される操作部を介して所望の値を設定可能であることを特徴とする請求項10に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記電極は,前記処理室内に対向して配置された下部電極と上部電極からなり,前記上部電極には上部高周波電力が印加されるとともに,前記下部電極には前記上部高周波電力とは異なる下部高周波電力が印加されるように構成され,
    前記プロセス処理レシピのパターン化に用いる特定のパラメータは,処理室内圧力と前記上部高周波電力と前記下部高周波電力であり,
    前記プラズマ着火用のパラメータ値は,プラズマ着火用の処理室内圧力のみ,又はこの処理室内圧力にプラズマ着火用の上部高周波電力と下部高周波電力のいずれか一方又は両方を組合せたものであることを特徴とする請求項8に記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記特定のパラメータは,さらに前記処理ガスのガス種も含み,
    前記レシピ作成ルール情報は,前記ガス種としてフルオロカーボン系ガスを含む処理ガスの場合と前記フルオロカーボン系ガスを含まない処理ガスの場合の2種類に分けたことを特徴とする請求項12に記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記プラズマ着火用のパラメータ値は,さらに特定のガス種の流量比も含むことを特徴とする請求項13に記載のプラズマ処理装置。
  15. 前記特定のガス種は,Arガスであり,
    前記プロセス処理レシピが処理ガスとしてArガスの流量比を含む場合には,その流量比よりも減少させた流量比を前記プラズマ着火用のパラメータ値とすることを特徴とする請求項14に記載のプラズマ処理装置。
  16. 前記上部電極は,前記上部高周波電力と重畳して直流電圧を印加可能な直流電源を設け,
    前記特定のパラメータは,さらに前記上部電極への直流電圧も含み,
    前記レシピ作成ルール情報は,前記直流電圧を印加する場合と,前記直流電圧を印加しない場合とに分けたことを特徴とする請求項12に記載のプラズマ処理装置。
  17. 前記直流電圧を印加する場合のレシピ作成ルール情報は,前記処理室内圧力と前記プロセス処理レシピを前記上部高周波電力の閾値と前記下部高周波電力の閾値とによりパターン化し,
    前記処理室内圧力が60mTorr未満であって,前記上部高周波電力が閾値以上かつ前記下部高周波電力が閾値未満のレシピパターンには,前記処理室内圧力を60mTorrとするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけ,
    前記処理室内圧力が40mTorr未満であって,前記上部高周波電力が閾値以上かつ前記下部高周波電力が閾値以上のレシピパターンには,前記処理室内圧力を40mTorrとするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけ,
    前記処理室内圧力が60mTorr未満であって,前記上部高周波電力が閾値未満かつ前記下部高周波電力が閾値未満のレシピパターンには,前記処理室内圧力を60mTorrとし,かつ前記上部高周波電力を前記閾値とするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけ,
    前記処理室内圧力が40mTorr未満であって,前記上部高周波電力が閾値未満かつ前記下部高周波電力が閾値以上のレシピパターンには,前記処理室内圧力を40mTorrとし,かつ前記上部高周波電力を前記閾値とするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけたルールを有し,
    前記直流電圧を印加しない場合のレシピ作成ルール情報は,前記処理室内圧力と前記プロセス処理レシピを前記上部高周波電力の閾値でパターン化し,
    前記処理室内圧力が60mTorr未満であって,前記上部高周波電力が閾値以上のレシピパターンには,前記処理室内圧力を60mTorrとするプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけ,
    前記処理室内圧力が60mTorr未満であって,前記上部高周波電力が閾値未満のレシピパターンには,前記処理室内圧力を60mTorrとし,かつ前記上部高周波電力を前記閾値とする前記プラズマ着火用のパラメータ値を関連づけたルールを有することを特徴とする請求項16に記載のプラズマ処理装置。
  18. 前記上部高周波電力の閾値は,600Wであり,前記下部高周波電力の閾値は,1000Wであることを特徴とする請求項17に記載のプラズマ処理装置。
  19. 所定の圧力に減圧可能な処理室内に基板を配置し,前記処理室に設けられた電極に高周波電力を供給して,前記処理室内に導入された処理ガスのプラズマを生起することにより,前記基板に対して所定のプロセス処理を行うプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記憶媒体であって,
    前記プラズマ処理装置は,プロセス処理レシピを特定のパラメータでパターン化した複数のレシピパターンと,これらレシピパターンにそれぞれプラズマ着火用のパラメータ値を関連づけたレシピ作成ルール情報を記憶する記憶部を備え,
    前記プラズマ処理方法は,
    前記基板のプロセス処理を実行する際に,必要なプロセス処理レシピを取得するとともに,そのプロセス処理レシピが含まれるレシピパターンに関連づけられたプラズマ着火用のパラメータ値を前記レシピ作成ルール情報から取得するステップと,
    取得した前記プロセス処理レシピの一部のパラメータ値を,取得した前記プラズマ着火用のパラメータ値に置き換えてプラズマ着火レシピを作成するステップと,
    前記プラズマ着火レシピにより前記プラズマ処理装置を制御してプラズマを生起するステップと,
    前記プロセス処理レシピにより前記プラズマ処理装置を制御して前記基板のプロセス処理を実行するステップと,
    を有することを特徴とする記憶媒体。
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