JP2007005500A - 酸化亜鉛積層型バリスタ及びその製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛積層型バリスタ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 シリコン含浸、ガラスコート、樹脂コート等の外装コートを有さず、バリスタ素体表面へのメッキの付着を抑え、且つ電極メッキ層の半田濡れ性等の実装性が良好で、低コストで製造が可能な酸化亜鉛積層型バリスタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 酸化亜鉛を主成分としたグリーンシート11を積層し、チップに切断後、焼結して形成された焼結体10bと、焼結体10b内部に積層して配置された内部電極12a、12bと、内部電極12a、12bと接続して前記チップの両端部に配置された外部電極13a、13bとを備えた酸化亜鉛積層型バリスタであって、グリーンシート11を積層した最上層と最下層に、Li系ガラスが添加された層11a、11bを備え、焼結体10bの表面全体にLi系ガラスが存在する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、雷誘導ノイズ、静電気、各種電気及び電子機器で発生する電源ノイズなどの急峻なパルスノイズやサージ等の除去に使用される酸化亜鉛積層型バリスタに係り、特にその構造及び製造方法に関する。
近年の急激な電子機器の小型・軽量化、高周波化、大容量化に伴い、携帯電話等の携帯機器を始めとして、酸化亜鉛積層型バリスタが各種サージやパルス性ノイズの除去、ESD対策として、機器の回路保護や動作の安定性確保、またノイズ規制にも対応するために、広く用いられている。
酸化亜鉛積層型バリスタは、酸化亜鉛を主成分としたグリーンシートを形成し、内部電極となる導電性材料パターンをスクリーン印刷により配置し、上記グリーンシートを積層・圧着して積層体を形成し、上記積層体をチップに切断後、焼結して内部に電極が積層配置された焼結体を形成し、上記焼結体の内部電極と接続する外部電極を形成し、前記外部電極にメッキ層を形成することにより製造される。
ところで、酸化亜鉛の焼結体自体の抵抗が低く(1.4×10Ω・cm)、外部電極の下地のAg電極の比抵抗(1.6×10−6Ω・cm)との抵抗値差が不十分で、特に電解メッキのような還元電位近傍では酸化亜鉛の金属化した特性が見られ、この結果、焼結体表面へのメッキの付着が起こる。このため、一般にメッキの付着防止の為、外部電極の塗布層形成の前後に焼結体表面に何らかの外装コートを形成し、メッキの付着を防止する対応を行っている。
この外装コートとしては、一般的にはシリコン樹脂を用いた含浸による保護膜、ガラススラリー・ペーストを用いたガラスコーティングによる保護膜、エポキシ樹脂等を用いた樹脂ペーストの印刷による保護膜等が用いられている。
しかしながら、シリコン樹脂を用いた含浸による外装コートでは外部電極形成後に行うと、電極表面を樹脂の膜が覆うため、半田濡れ性、実装性が著しく悪化する。逆に、電極形成前に行うと電極形成後の焼成で樹脂が炭化し、十分に絶縁膜を維持できなくなるという問題がある。一方で、ガラスコーティングでは融点が400〜600℃程度のガラスを選択し、電極塗布前に素子表面にコーティングを行うことでシリコン樹脂を用いた含浸による外装コートの様な問題は解決できるが、内部電極と外部電極の接合信頼性が劣化し、制限電圧、インパルス耐量といった電気的特性の劣化を招く可能性がある。更に、メッキ前にエポキシなどの樹脂を印刷により形成することも可能であるが、コストが著しくかかり現実的ではない。
このため、酸化亜鉛に対しアクセプターとなるLi、Na等のイオン濃度を焼結体表面で高め、ガラスコート等の外装コートを無くしても、電気メッキによるメッキがバリスタの素体表面に付着しないようにした酸化亜鉛積層型バリスタが提案されている(特許文献1)。この提案では、バリスタの焼結体(素体)表面にLi、Na等のイオン濃度を高めるために、外部電極を塗布・焼成により形成した後で、密閉こう鉢の内部に炭酸リチウムまたは炭酸ナトリウムの粉末を入れ、加熱することでLi雰囲気またはNa雰囲気で熱処理することで、Li、Na等のイオンの表面への付着(拡散)を行っている。
しかしながら、この方法では、付着量にバラツキが多く、又厚みも不十分で絶縁耐量として全く不十分である。更に焼結体に対しアクセプター原子を熱処理してもその効果は殆んど無く、又、仮に素体の酸化亜鉛と反応しイオン拡散することで内部電極層まで到達すると酸化亜鉛の抵抗値が上昇し、大きなインパルスが入った時にジュール熱が素子内部にこもり破壊に至ることも考えられ、バリスタの保護機能を発揮出来ないこともあり得る。更に、イオン化傾向の大きいLi、Na等は素子表面で安定した特性を示さず、むしろ特性をばらつかせてしまうことも考えられる。
特開平9−246017号公報
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、シリコン含浸、ガラスコート、樹脂コート等の外装コートを有さず、バリスタ素体表面へのメッキの付着を抑え、且つ電極メッキ層の半田濡れ性等の実装性が良好で、低コストで製造が可能な酸化亜鉛積層型バリスタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の酸化亜鉛積層型バリスタは、酸化亜鉛を主成分としたグリーンシートを積層し、チップに切断後、焼結して形成された焼結体と、該焼結体内部に積層して配置された内部電極と、該内部電極と接続して前記チップの両端部に配置された外部電極とを備えた酸化亜鉛積層型バリスタであって、前記グリーンシートを積層した最上層と最下層に、Li系ガラスが添加された層を備え、前記焼結体の表面全体にLi系ガラスが存在し、外装コートを備えないことを特徴とする。
本発明の酸化亜鉛積層型バリスタの製造方法は、酸化亜鉛を主成分としたグリーンシートを積層して積層体を形成し、前記グリーンシートを積層した積層体の最上層と最下層に、Li系ガラスが添加されているグリーンシートを配置し、前記積層体をチップに切断後、生バレル研磨時に前記チップの表面全体にLi系ガラスを付着し、焼成して焼結体を形成し、前記焼結体の内部電極と接続する外部電極を形成し、前記外部電極にメッキ層を形成することを特徴とする。
酸化亜鉛積層型バリスタの最上層と最下層(5〜50μm程度)を、Li系ガラス(例えばLiO−Al−SiO系結晶化ガラス)をグリーンシートの段階で酸化亜鉛を主成分とするシート材料100重量部に対し0.01重量部以上添加したグリーンシートで形成し、焼成することで、最上層と最下層を高抵抗としたバリスタ素材となる。さらに、グリーンシートの積層体をグリーンチップに切断後、Li系ガラス(例えばLiO−Al−SiO系結晶化ガラス)を生バレル研磨時にグリーンチップの表面(特に内部電極が露出していないダイサ面)に付着させ、焼成することで、外装コートを有することなく、バリスタ素体表面へのメッキの付着が防止できる。
バリスタ素体(焼結体)の表面にLi系ガラスが存在することで、メッキの素体表面への付着を抑えることができる。一方、Li系ガラスは内部電極と外部電極間の導通不良を生じさせない程度に付着させている。そして、Li系ガラスは高温の焼成により素体(焼結体)表面に形成されるので、極めて安定で、その後の外部電極の形成、メッキコートの形成に影響せず、これにより高信頼性の酸化亜鉛積層型バリスタが得られる。また、外装コートの工程が不要となり、Li系ガラスのグリーンチップ表面への付着も生バレル研磨時に研磨と同時に行え、グリーンチップの最上層と最下層の高抵抗層も焼成工程でグリーンチップの焼成と同時に形成されるので、高抵抗層形成のための一切の付加的な工程を要さない。これにより、簡単な工程で、且つ低製造コストで生産することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態の酸化亜鉛積層型バリスタを示し、(a)はグリーンチップの段階の分解図であり、(b)はLi系ガラスを表面に付着させた焼結体チップの段階を示し、(c)は酸化亜鉛積層型バリスタの完成品段階をそれぞれ示す。
図1(a)に示すグリーンチップ10aは、酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化アンチモン等を添加したシート材料からなるグリーンシート11を積層し、グリーンチップに切断した段階の分解図である。なお、中間部分に積層されるグリーンシート11は図示を省略している。各グリーンシート11には、Ag、Ag/Pd等の導電性材料ペーストをスクリーン印刷で形成した導電性ペーストパターン12a,12bが形成されている。従って、パターン12aと、パターン12bとが、左右から交互に積層配置され、その間に酸化亜鉛を主成分としたグリーンシート11が挟まれて、積層配置されている。
グリーンチップ10aの積層体の最上層と最下層には、Li系ガラスが添加されたグリーンシート11aと11bを備えている。このグリーンシート11a,11bには、LiO−Al−SiO系結晶化ガラス等のLi系ガラスが酸化亜鉛を主成分とする前記シート材料100重量部に対し0.01重量部以上添加されている。このグリーンシート11a,11bは、厚さが5〜50μm程度であり、焼成によりLi系ガラス成分を含むことにより高抵抗のバリスタ素材となり、完成品段階(c)における外部電極13a,13b間のメッキの伸びを抑制する。
そして、グリーンチップ10aの生バレル研磨時に、LiO−Al−SiO系結晶化ガラス等のLi系ガラスがグリーンチップ10aの全表面に付着される。これを焼成した焼結体チップの段階を図1(b)に示す。焼結体チップ10bの全表面には、Li系ガラスの細かな焼結体が散在したようなガラス膜が形成されている。焼成により、グリーンシート11は酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマス等の添加物が添加された焼結体であるバリスタ素材となり、導電性ペーストパターン12a,12bはAg、Ag/Pd等の内部電極となる。
図1(c)は、焼結体チップ10bに外部電極13a,13bを形成し、メッキコートした完成品段階を示す。酸化亜鉛積層型バリスタ10cは、焼結体チップ10bの端面に露出する内部電極12a,12bと接続するAg、Ag/Pd等の外部電極13a,13bが形成されている。外部電極13a,13bには、下地ニッケルメッキ層にスズまたはハンダメッキ層が形成されている。図示するように、外装コートは存在しない。また、外部電極13a,13bは、上下面が平坦面となっていて、表面実装が可能なチップ型の構造を有している。一例として寸法は、縦3.2mm×横1.6mm(2B)の標準的なチップ部品のサイズを有している。
焼結体チップ10bの表面全面にLi系ガラスが付着している。これにより、外部電極にハンダ等のメッキを施す場合に、外部電極13a,13b間のメッキの伸びによる短絡、または絶縁抵抗劣化が防止される一方、ガラスの付着密度を、内部電極12aと外部電極13aとの接続、内部電極12bと外部電極13bとの接続には支障をきたさない程度にしている。
表1は、Liガラス存在量とメッキ伸び不良、導通不良の評価結果を示す。
Figure 2007005500
上記データから、酸化亜鉛を主成分とするシート材料100重量部に対するLiO−Al−SiO系結晶化ガラスの添加量が0.01重量部より少ない場合は高抵抗層の形成が十分でなく、メッキ伸び不良が発生している。また、LiO−Al−SiO系結晶化ガラスの添加量が20重量部より多い場合は高抵抗層の存在により内部電極と外部電極間の導通不良が発生している。このため、LiO−Al−SiO系結晶化ガラスの素体表面における存在量は、メッキ伸びの抑制効果や材料の加工性等を考慮して、酸化亜鉛を主成分とするシート材料100重量部に対し0.01〜20重量部が適当である。
なお、グリーンチップの段階で積層体の最上面と最下面に配置したLi系ガラスを添加したグリーンシートは、焼成により高抵抗の層となり、外部電極13a,13b間のメッキの伸びを抑制することは上述したとおりである。仮にこの層が無いとすると、一般にグリーンシートの一面は粗いため、上記生バレル研磨時にガラスが付着し易く、高抵抗皮膜が形成されるが、他面は緻密で平滑であるため上記生バレル研磨時にガラスが付着し難い。このため、ガラスが付着しない面でメッキの伸びが発生しやすくなる。従って、積層体の最上面と最下面にLi系ガラスを添加したグリーンシートを配置し、焼成により高抵抗の層とすることが重要である。
次に、この酸化亜鉛積層型バリスタの製造方法について、図2を参照して説明する。まず、工程21a,21bにより、2種類の原料を調合する。原料調合1は、グリーンシート11を形成するためのものであり、原料調合2は、Li系ガラスを添加したグリーンシート2を形成するためのものである。原料調合1では、メジアン平均粒径3μm程度の酸化亜鉛100mol%に対し、0.5Bi、1.0CoO、1.0MnO、1.0NiO、1.0Sb、0.3Cr、0.5SiO重量部を秤量し、乾式混合する。原料調合2では、原料1とは別に原料1を用意し、更にLiO−Al−SiO系結晶化ガラスを1.5重量部秤量し、乾式混合する。
次に、工程22a,22bでは、原料1、2をそれぞれボールミルで湿式混合し、粉砕し、粒径を1.0μm(D50)に揃える。この時、混合容器は樹脂製の300Lポット、ボールは10mmφのウレタンボールを用いる。又、粉砕溶媒はイオン交換水を用い、混合時間は96hrとした。
次に、工程23a,23bでは、混合・粉砕を行った原料1、2のそれぞれをフィルタープレスでろ過した後、それぞれ900℃で5時間熱処理する仮焼きを行う。さらに、工程24a、24bでは、仮焼きした原料1、2をそれぞれ再度ボールミルにて湿式粉砕する。条件は工程23a,23bの混合・粉砕工程と同じである。
次に、工程25a、25bでは、再度、粉砕を行った原料1、2をフィルタープレスにてろ過し、十分乾燥させ、重合度3000のPVB、DOP、エステル系分散剤、PEG♯600の離型材、エタノール/トルエン系希釈溶剤にて有機ビヒクルの作製を行う。その後、十分に乾燥させた原料1、2とそれぞれ上記有機ビヒクルと混合し、スラリを作成する。混合は100L樹脂容器を用い、同じくウレタンの10mmφボールにて行う。混合時間は24時間である。
次に、工程26a、26bでは、24時間混合した原料1、2のスラリを0.1MPaにて30分脱泡し、ドクターブレードにて30μmのグリーンシートを作製する。これにより、原料1からバリスタ素材となるグリーンシート11が形成され、原料2からLi系ガラスを含むグリーンシート11a、11bが形成される。工程27aでは、原料1のグリーンシート11にAg/Pd電極ペーストを用い、コンデンサーパターンを印刷により形成する。印刷厚みは一例としてグリーンシートの段階で10μm程度である。印刷後の乾燥は100℃で10分間熱処理する。
次に、工程28では、原料1のグリーンシート11を用い、図1(a)に示すように、導電性ペーストパターン12a,12bが端面から交互に延びるコンデンサーパターンとなるようにグリーンシート11を積層して圧着し、積層体を形成する。ここで、最上層および最下層にはLi系ガラスを添加したグリーンシート11a、11bを配置する。グリーンシートの厚さ及び積層層数はバリスタの要求仕様に応じて決定される。積層は温度90℃、30MPa、2分の条件で静水圧プレスを行うことが好ましい。
次に、工程29では、多数個取りのグリーンシート積層体からダイシングにより切断し、個々のグリーンチップを作成する。ダイシングによるグリーンシート積層体の断面をダイサ面という。ここでは、2Bサイズ(3.2mm×1.6mm)のグリーンチップにダイシングにて切断する。切削スピードは100mm/sec程度が好ましい。
次に、工程30では、グリーンチップのエッジのバリを取り、円弧(R)を形成する生バレル研磨を行う。SiC、3mmφのメディアを用い、イオン交換水で10min、15000rpmでバレル研磨を行う。この時、LiO−Al−SiO系結晶化ガラスを添加したガラス溶液30cを用いて研磨を行う。ガラス溶液は、イオン交換水を主とし、アセチレングリコール系等の溶剤を少量加えた溶液80〜99.9wt%と、Li系ガラス0.01〜20wt%からなるものを用いる。これにより、チップ状の積層体の表面にLi系ガラスを付着させる。付着したガラスはメッキの伸びを抑制する。ポイントとしては、メッキの伸びを抑制し、且つチップ端面に露出した内部電極と外部電極との導通を阻害しない程度の密度でガラスを付着させることにあり、上記濃度のガラス溶液を用いることが好適である。即ち、Li系ガラスの添加量が0.01wt%以下の場合は、メッキの伸びを抑制するのに不十分であり、Li系ガラスの添加量が20wt%以上である場合には、内部電極と外部電極との導通不良を来すため好ましくない。
次に、工程31では、昇温速度5℃/hrで500℃、10時間で脱バインダー処理を行い、その後、昇温速度200℃/hrで1100℃、5hrで焼成を行う。さらに、昇温速度200℃/hr、700℃ 10min保持、冷却速度50℃/hrでアニールを行う。この工程によりグリーンシートは焼結体のバリスタ素材となり、導電性ペーストパターンは内部電極となり、バリスタ素体(焼結体チップ)が形成される。Li系ガラスを含むグリーンシートは高抵抗のバリスタ層となり、また、バリスタ素体の表面には生バレル研磨で用いた溶液に添加していたLi系ガラスが付着している。
次に、工程32では、Ag材料を焼結体チップの両端に塗布し、焼成することで外部電極を形成する。塗布はパロマ方式で行ってもよい。ここで、チップ端面に露出した内部電極と外部電極とが導通する。なお、バリスタ素体の表面にはLi系ガラスが付着しているが、これは内部電極と外部電極との導通を阻害しない程度の密度としている。次に、工程33では、Niメッキ、Snまたはハンダメッキの順に電解メッキを施し、外部電極に端子メッキを形成する。この時、焼結体チップ10bの上下面は高抵抗のバリスタ層11a、11bが形成され、側面(ダイサ面、特に内部電極12a,12bが露出していないチップの側面)にはLi系ガラスが付着しているので、メッキの伸びを抑えられることは上述したとおりである。
この様にして得られた製品を、通常のガラスコート、シリコン含浸コート、樹脂コートにより素子表面に外装コートを形成し、メッキを施した製品と比較評価を行った。評価は、メッキの伸びを評価するため、PCT、HHBT試験による電気的特性の劣化の確認を行った。PCT試験は、高温、高圧、高湿の雰囲気中に基板に搭載した製品を入れる試験であり、電子部品に於いてメッキが伸びていると、この条件下に置かれた製品はメッキの伸びが加速する為、メッキ伸びの判断に用いられる加速試験であり、Agのマイグレーション評価等にも用いられる。HHBT試験は、高温高湿の雰囲気中に電圧を印加した製品を入れる試験である。
メッキ伸び評価について、PCT試験を行った。試験後の電気的特性劣化を示すバリスタ電圧の変化率を表2に示す。尚、PCTの試験条件は、2気圧、121℃、100%RHにて、60hrであり、試験数は20個である。
Figure 2007005500
この結果、シリコン含浸処理品で大きなバリスタ電圧の低下が確認された。即ち、表面処理の絶縁性が不十分であり、メッキが微量伸びていたことを示す。一方で、ガラスコート処理品、樹脂コート処理品、本発明品は特性劣化が起こらなかった。
次に、HHBT後の電気的特性劣化を評価した。HHBT試験条件は、85℃、85RH%、1000hr行い、且つバリスタ電圧の0.9垳のバリスタ電圧を印加して試験を行った。試験数は同じく20個である。結果を以下の表3に示す。
Figure 2007005500
この結果、シリコン含浸処理品で大きなバリスタ電圧の低下が確認され、ガラスコート品でもバリスタ電圧の低下がシリコン含浸品程ではないが確認された。一方で、樹脂コート処理品、本発明品は共に全く特性劣化が起こらなかった。以上の環境負荷試験の結果から、メッキの伸びを抑える良好な絶縁処理方法として、樹脂コートもしくは本発明品による対応が有効であることが確認できた。
次に、製造コストについて検討する。本発明品は外装コートとして、原料に微量のガラスを添加するだけで、工程を増すことなく、その効果を発揮できると言う大きなメリットがある。一方で、樹脂コートは有機材料によるコーティングである為、どうしても最後の外部電極焼付け後にその処理を行う必要があり、コストが高くなる。又、シリコン含浸処理、ガラスコート処理も工程が増加するので、コスト増は避けられない。以上の結果から、本発明によれば、低コストで高信頼性の酸化亜鉛積層型バリスタを製造することが可能となる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことはいうまでもない。
本発明の一実施形態の酸化亜鉛積層型バリスタの縦断面図である。 本発明の一実施形態の酸化亜鉛積層型バリスタの製造方法のフロー図である。
符号の説明
10a グリーンチップ
10b 焼結体チップ
10c 酸化亜鉛積層型バリスタ
11 グリーンシート
11a,11b Li系ガラスを添加したグリーンシート
12a,12b 内部電極(導電性ペーストパターン)
13a,13b 外部電極
30c ガラス溶液

Claims (5)

  1. 酸化亜鉛を主成分としたグリーンシートを積層し、チップに切断後、焼結して形成された焼結体と、該焼結体内部に積層して配置された内部電極と、該内部電極と接続して前記チップの両端部に配置された外部電極とを備えた酸化亜鉛積層型バリスタであって、
    前記グリーンシートを積層した最上層と最下層に、Li系ガラスが添加された層を備え、
    前記焼結体の表面全体にLi系ガラスが存在することを特徴とする酸化亜鉛積層型バリスタ。
  2. 前記チップの最上層と最下層に用いるグリーンシートには、酸化亜鉛を主成分とするシート材料100重量部に対して0.01重量部以上添加されていることを特徴とする請求項1記載の酸化亜鉛積層型バリスタ。
  3. 前記Li系ガラスが、LiO−Al−SiO系結晶化ガラスであることを特徴とする請求項1または2記載の酸化亜鉛積層型バリスタ。
  4. 酸化亜鉛を主成分としたグリーンシートを積層して積層体を形成し、
    前記グリーンシートを積層した積層体の最上層と最下層に、Li系ガラスが添加されているグリーンシートを配置し、
    前記積層体をチップに切断後、生バレル研磨時に前記チップの表面にLi系ガラスを付着し、
    焼成して焼結体を形成し、前記焼結体の内部電極と接続する外部電極を形成し、前記外部電極にメッキ層を形成することを特徴とする酸化亜鉛積層型バリスタの製造方法。
  5. 前記生バレル研磨時に、Li系ガラスを0.01−20重量%の割合でイオン交換水に配合したガラス溶液を用いることを特徴とする請求項4記載の酸化亜鉛積層型バリスタの製造方法。
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