JP2007005099A - 絶縁電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】 単線導体と絶縁体との密着力を確保しつつ、単線導体に密着した絶縁体を単線導体から支障なく容易に剥すことができるようにする。
【解決手段】 絶縁電線1を単線導体2と、その単線導体2の上に被覆された絶縁体3とから構成し、単線導体2の外周面の円周方向を4等分する位置に一対の溝4A,4Bから構成される凹部4を長手方向に所定の間隔で複数形成する。溝4Aを略くの字状の平面形状、4Bを略逆くの字状の平面形状に形成し、溝4A,4Bの底部を曲面状に形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、絶縁電線に係り、特に単線導体と、その単線導体の上に被覆された絶縁体とから構成される絶縁電線に関する。
600Vビニル電線のような絶縁電線は、導体が単線であり、この単線導体(以下、「導体」という)上にポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、又は架橋ポリエチレン樹脂などの絶縁性樹脂が絶縁体として被覆され、構成されている。従来、絶縁電線は、架線・配線作業において、絶縁体を導体から剥すことがあるため、絶縁体と導体との密着力をあまり強固なものにしていなかった。ところが、この絶縁電線は、例えば電線を架線する際に、導体と絶縁体との密着力が弱いと、導体と絶縁体の密着部分が剥離しやすくなることから、絶縁体が導体の上からずれて導体の一部が露出をしてしまうことがあり、その露出部分に絶縁不良が生じるおそれがあった。
このように導体の一部が露出をすることに対し、導体と絶縁体との密着性を改善した絶縁電線、例えば導体表面にシランカップリング剤などの接着剤を塗布して化学的に処理した絶縁電線が提案されていた。しかし、この絶縁電線は、導体表面に接着剤を均一に塗布することが難しいために導体表面に塗布された接着剤の量が不均一になることから、導体と絶縁体との密着力において、密着力の強い部分と弱い部分が生じてしまうことがある。導体と絶縁体との密着力が強いと、絶縁体は導体から剥れにくくなるため、電線施工の際の取扱い・作業性が悪くなるおそれがあった。また、導体と絶縁体との密着力が弱いと、前述したように絶縁体が導体の上からずれて導体の一部が露出をしてしまうことがあり、その露出部分に絶縁不良が起きるおそれがあった。
そこで、導体と絶縁体との密着力を改善するために、導体外周面に溝を機械的に形成した絶縁電線が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
実開平1−79217号公報(第1頁 第1図)
特許文献1に記載の絶縁電線は、絶縁層の内面に接する導体の外周面にスパイラル状の溝を設けたものである。このスパイラル状の溝は、絶縁層と導体との密着力を強くするために導体の外周面に形成されたものである。
しかし、この特許文献1に記載の絶縁電線において、導体の上に形成されるスパイラル状の溝が1本の溝であり、溝を形成するスパイラルの間隔が粗である場合には、導体の上に形成される溝の分布が粗になり、導体全体では導体と絶縁層との密着力が不均一になるおそれがある。すなわち、導体と絶縁層との密着力は、この溝の周辺部分では強くすることができるが、溝の周辺以外の部分では強くすることができないために、密着力の強い部分と弱い部分が存在してしまうことから、導体と絶縁層との密着力は導体全体では不均一になるおそれがある。したがって、このような場合には、上記接着材を塗布した絶縁電線と同様な問題を有している。
また、溝を形成するスパイラル間隔を密にすると、この密着力の分布は導体全体では均一化されるようになり、導体と絶縁層との密着力は強くなるが、導体の単位長さ当りの断面積が減少するため、この断面積に反比例して電気抵抗が増大するという問題を有している。さらに、この絶縁電線は、溝が導体の上にスパイラル状に複数本形成される場合、導体と絶縁層との密着力の強さが改善されても、細い線径の導体の上に複数本のスパイラル状の溝が形成されることから、この溝を形成する加工が難しくなるという問題を有している。
本発明の目的は、絶縁電線の単線導体と絶縁体との密着力を確保しつつ、単線導体に密着した絶縁体を単線導体から支障なく容易に剥すことができる絶縁電線を提供することにある。
請求項1に記載の絶縁電線は、単線導体と、その単線導体の上に被覆された絶縁体とからなる絶縁電線において、一対の溝からなる凹部が上記単線導体の外周面に、かつ上記単線導体の長手方向に所定の間隔で複数形成され、上記凹部を構成する溝は、略くの字状、略半リング状、略コの字状、又は倒れ略U字状のいずれかの平面形状に形成されることを特徴とする。この構成により、単線導体の外周面に形成された凹部の上記形状の溝に絶縁体の樹脂が充填される。
また、請求項2に記載の絶縁電線は、単線導体と、その単線導体の上に被覆された絶縁体とからなる絶縁電線において、所定の形状の溝からなる凹部が上記単線導体の外周面に、かつ上記単線導体の長手方向に所定の間隔で複数形成され、上記凹部を構成する溝は、略ひし形状、略リング状、略矩形状、略長円状又は略楕円状の平面形状、若しくはディンプル状の形状のいずれかに形成されることを特徴とする。この構成により、単線導体の外周面に形成された凹部の上記形状の溝に絶縁体の樹脂が充填される。
さらに、請求項3に記載の絶縁電線は、請求項1又は2に記載の凹部が、請求項1又は2に記載の単線導体の上記外周面の円周方向に等分に複数形成されていることを特徴とする。この構成により、単線導体の外周面の円周方向を等分する位置に凹部が形成される。ここで、凹部が単線導体の外周面の円周を等分する位置に形成されるのは、荷重の偏りが生じないようにし、単線導体と絶縁体とがある程度の強さで万遍なく密着し、絶縁体が単線導体の上から簡単にずれないようにするためである。
またさらに、請求項4に記載の絶縁電線は、請求項1,2又は3に記載の凹部を構成する溝の底部が曲面状に形成されることを特徴とする。この構成により、凹部を構成する溝の断面形状は滑らかな形状に形成される。溝の断面形状が滑らかになると、この溝に絶縁体の樹脂が充填されやすくなるとともに、溝に充填された樹脂は、絶縁体が単線導体から引き剥される際に、溝から引き剥されやすくなる。
請求項5に記載の絶縁電線は、請求項1,2,3又は4に記載の凹部を構成する溝が、0.25〜0.5mmの深さで形成されていることを特徴とする。ここで、凹部を構成する溝の深さを0.25〜0.5mmとしたのは、溝の深さが0.5mmを上回ると、この溝が単線導体中のキズと判定されてしまうからである。また、溝の深さが0.25mmを下回ると、溝に充填される樹脂量が少なくなるため、単線導体と絶縁体との密着力の強さが低下するからである。
また、請求項6に記載の絶縁電線は、請求項1,2,3,4又は5に記載の凹部を構成する溝が、0.4〜0.75mmの幅で形成されていることを特徴とする。ここで、凹部を構成する溝の幅を0.4〜0.75mmとしたのは、溝の幅が0.75mmを上回ると、この溝が単線導体中のキズと判定されてしまうからである。また、溝の幅が0.4mmを下回ると、溝に充填される樹脂量が少なくなるため、単線導体と絶縁体との密着力の強さが低下するからである。
請求項1に記載の発明によれば、単線導体の外周面に形成された凹部を構成する溝に絶縁体の樹脂が充填されることから、この充填された樹脂と絶縁体の樹脂とが一体的に形成されるため、単線導体と絶縁体との密着力が強くなる。また、溝に充填された樹脂は、凹部の溝が略くの字状、略半リング状、略コの字状、又は倒れ略U字状のいずれかの平面形状に、かつ単線導体の長手方向に形成されているため、単線導体の長手方向に力が加わると、この溝から容易に剥されるようになる。したがって、絶縁電線の単線導体と絶縁体との密着力を確保しつつ、単線導体に密着した絶縁体を単線導体から支障なく容易に剥すことができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、単線導体の外周面に形成された凹部の所定の形状からなる溝に絶縁体の樹脂が充填されることから、この充填された樹脂と絶縁体の樹脂とが一体的に形成されるため、単線導体と絶縁体との密着力が強くなる。また、溝に充填された樹脂は、凹部を構成する溝が略ひし形状、略リング状、略矩形状、略長円状、又は略楕円状の平面形状、若しくはディンプル状の形状のいずれかに、かつ単線導体の長手方向に形成されているため、単線導体の長手方向に力が加わると、この溝から容易に剥されるようになる。したがって、絶縁電線の単線導体と絶縁体との密着力を確保しつつ、単線導体に密着した絶縁体を単線導体から支障なく容易に剥すことができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、単線導体の外周面の円周方向を等分する位置に、上記形状を有する凹部を構成する溝が長手方向に形成されるため、絶縁電線の単線導体と絶縁体との密着力の強さにバラツキが少なくなることから、絶縁体が単線導体の上から簡単にずれないようにすることができるとともに、絶縁電線の単線導体と絶縁体との密着力を確保しつつ、絶縁体を単線導体から支障なく容易に剥すことができる。
またさらに、請求項4に記載の発明によれば、凹部を構成する所定の形状からなる溝の断面形状が滑らかであることから、この溝に樹脂が充填されやすく、かつ溝から充填された樹脂が剥がれやすくなるため、絶縁電線の単線導体と絶縁体との密着力を確保しつつ、絶縁体を単線導体から支障なくより容易に剥すことができる。
請求項5に記載の発明によれば、絶縁電線の単線導体と絶縁体との密着力を確保しつつ、単線導体に密着した絶縁体を単線導体から支障なく容易に剥すことができ、しかも溝の深さを0.25〜0.5mmの範囲内に収めれば、単線導体の品質管理が容易になる。
また、請求項6に記載の発明によれば、絶縁電線の単線導体と絶縁体との密着力を確保しつつ、単線導体に密着した絶縁体を単線導体から支障なく容易に剥すことができ、しかも溝の幅を0.4〜0.75mmの範囲内に収めれば、単線導体の品質管理が容易になる。
本発明は、単線導体と、その単線導体の上に被覆された絶縁体とからなる絶縁電線を構成し、この単線導体の外周面の円周方向を等分する位置に一対の溝から構成される凹部を長手方向に所定の間隔で複数形成することにより実現する。この溝は、略くの字状、略半リング状、略コの字状、又は倒れ略U字状のいずれかの形状に形成されるとともに、溝の底部が曲面状に形成される。
以下、本発明に係る絶縁電線の実施例について、図1〜5に基づいて詳しく説明する。
図1には、本発明の実施例に係る絶縁電線が示されており、図(a)は絶縁電線の斜視図、図(b)は図(a)のW−W方向から見た絶縁電線の断面図を示している。
この図1(a)において、1は絶縁電線を示している。絶縁電線1は、軟銅線によって構成される単線の導体2(以下、「導体2」という)と、この導体2の上に被覆される絶縁性樹脂の絶縁体3とから構成される。導体2は、導体2の外周面に凹部4が複数形成される。この凹部4は、後述する所定の形状からなる一対の溝から構成され、導体2の長手方向に後述する所定の間隔で、かつ導体2の外周面の円周方向を等分した位置に複数形成される。この凹部4が形成された導体2を被覆する絶縁性樹脂は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、架橋ポリエチレン樹脂などが用いられる。そして、このように構成される絶縁電線1は、公知の電線押出し加工によって得ることができる。
図1(b)には、導体2の外周面の円周方向を等分した位置に4つの凹部4が示されている。この各凹部4は、互いに対向する一対の溝からなり、図1(a)に示されているように「略くの字」の平面形状の溝4Aと「略逆くの字」の平面形状の溝4Bとが所定の間隔(例えば、導体2の外径の5〜10倍の長さ)で対向するように配置され、形成される。そして、凹部4は、他の凹部4とは導体2の外周面に後述する所定の間隔で導体2の長手方向(図1(a)中の矢印方向A、以下同じ)に並んで形成される。また、溝4Aと溝4Bは、導体2の上に絶縁体3が被覆される際に、絶縁体3の樹脂が溝4Aと溝4Bの中へ充填される(図示省略)。
ここで、凹部4の形成位置を導体2の外周面の円周方向を4等分する位置としたのは、荷重の偏りが生じないようにし、導体2と絶縁体3とがある程度の強さで万遍なく密着して絶縁体3が導体2の上から簡単にずれないようにするためである。なお、凹部4の形成位置は、導体2の外周面の円周方向を4等分する位置に限定されるものではなく、導体2の外周面の円周方向を等分する位置であればよい。この場合、凹部4を導体2の外周面の円周方向上に多数備えると、導体2と絶縁体3との密着力がより強くなる一方で、導体2の単位長さ当りの平均断面積が小さくなることから、この断面積に反比例して電気抵抗は大きくなる。そして、導体2の外周面に凹部4を多数形成するのは、慎重な作業を要することから手間がより多くかかってしまう。そこで、これらのバランスを考えると導体2の外周面の円周方向を4等分するものが好ましい。また、凹部4を導体2の長手方向に直線状に複数形成したのは、絶縁体3を導体2の長手方向に引張ると、導体2の外周面に密着した絶縁体3を導体2から容易に剥すことができるからである。この点について、図2に基づいて具体的に説明する。
図2は、図1に示された溝4Aを拡大した図である。図2(a)において、導体2の外周面に形成された溝4Aを上からみた図である。溝4Aは「略くの字」状に形成され、角部(図中の41と42)は円弧状に丸みを帯びている。図2(b)は図(a)に示されているX−X方向からみた導体2の断面の一部を示している。図(b)によれば、溝4Aの断面形状は略U字状に、溝4Aの底部は曲面状にそれぞれ形成され、溝4Aの断面形状は滑らかな形状に形成される。ここで、mは溝4Aの幅を、nは溝4Aの深さをそれぞれ示している。
また、図2(c)は図(a)に示されているY−Y方向からみた導体2の断面の一部を示している。図(c)によれば、溝4Aの終端部(図中の43,43)の断面形状は曲面状に形成されていることから、滑らかな形状(階段状になっていない)であることを示している。
このように、溝4Aの断面形状は、全体的に滑らかな形状に形成される。そして、溝4Bは溝4Aと同様な形状(対称形)であることから(図示省略)、溝4Bの断面形状は、全体的に滑らかなものに形成される。したがって、一対の溝4Aと溝4Bとから構成される凹部4の断面形状は、全体的に滑らかな形状に形成される。このように凹部4の断面形状が滑らかなものであると、絶縁体3の樹脂は、導体2の上に絶縁体3が被覆される際に、溶融樹脂が溝4A又は4B中に流れ込みやすくなることから、溝の奥まで充填されやすくなる。この溝4A,4Bに充填された樹脂は、絶縁体3の樹脂と一体的に形成されることから、導体2と絶縁体3との密着力を強くする作用効果を奏するため、絶縁体3は導体2の上から簡単に剥れないようになる。
また一方で、絶縁体3は、電線の配線・架空工事などにおいて、必要に応じて導体2から剥される場合がある。このような場合、導体2と絶縁体3との密着力が強いと、電線の配線・架空工事の作業性が悪くなるおそれがある。本実施例の絶縁電線1においては、図1及び2に示すように、導体2と絶縁体3を密着させる凹部4は導体2の長手方向に形成され、断面形状が全体的に滑らかなものであることから、導体2の上から絶縁体3を引き剥すために長手方向のいずれかの方向から力を受けると、凹部4の溝4A,4Bに充填された樹脂は溝4A,4Bから容易に剥される。そのため、電線の配線・架空工事の作業者は、絶縁体3を長手方向に引張ると、導体2の上に密着した絶縁体3を導体2から容易に剥すことができる。
このように、本実施例の絶縁電線1によれば、導体2と絶縁体3の密着力は凹部4の溝4A,4Bを介して確保されるとともに、導体2の上に密着した絶縁体3を導体2から支障なく容易に剥すことができる。ここで、図1及び2において、凹部4は、一対の「略くの字」状の形状の溝4Aと「略逆くの字」状の形状の溝4Bとから構成されているが、必ずしもこのような形状のパターンを有する溝に限定されるものではなく、例えば後述する図3に示すような形状パターンであって、凹部4を構成する溝の断面形状が全体的に滑らかな形状に形成されていればよい。なお、凹部4の溝の形状が直線状(連続線ではなく、破線状)の場合は、例えば絶縁電線1の長手方向に絶縁体3を引き剥す力を受けた際に、絶縁体3が導体2から簡単に剥れるようなことがあり、好ましくない場合がある。そのため、導体2の外周面に形成された凹部4は、後述する図3に示すような形状パターンからなる所定の形状の溝から構成される。
この所定の形状の溝は、代表的な形状パターンが図3に例示されている。この図3によれば、代表的な形状パターンは8つの形状パターン、すなわちパターン(a)〜(h)が示されている。
パターン(a)には、一対の「略くの字」状の形状の溝4Aと「略逆くの字」状の形状の溝4Bが示されている。凹部4は、この溝4Aと溝4Bとが所定の間隔(例えば、導体2の外径の5倍〜10倍)で対向したものから構成される。凹部4を構成する溝の断面形状は、全体的に滑らかな形状に形成される(図示省略)。なお、溝4Aと溝4Bが対向する向きは、パターン(a)のような溝4Aに溝4Bが対向するものに限定する必要はなく、逆向きに溝4Bに溝4Aが対向していてもよい(図示省略)。
パターン(b)には、「略ひし形」状の形状の溝4Cが示されている。凹部4を構成する溝4Cの断面形状は、全体的に滑らかな形状に形成される(図示省略)。ここで、「略ひし形」状の形状は必ずしも左右が線対称である必要はなく、「略ひし形」状の形状と認められるものであればよい。
また、パターン(c)には、一対の「略半リング」状の形状の溝4Dと「略半リング」状の形状の溝4Eとが示されている。凹部4は、この溝4Dと溝4Eとが所定の間隔で対向したものから構成される。凹部4を構成する溝の断面形状は、全体的に滑らかな形状に形成される(図示省略)。なお、溝4Dと溝4Eが対向する向きは、パターン(c)のような溝4Dに溝4Eが対向するものに限定する必要はなく、逆向きに溝4Eに溝4Dが対向していてもよい(図示省略)。
パターン(d)には、「略リング」状の形状の溝4Fが示されている。凹部4を構成する溝4Fの断面形状は、全体的に滑らかな形状に形成される(図示省略)。ここで、「略リング」状の形状は必ずしも左右が線対称である必要はなく、「略リング」状の形状と認められるものであればよい。
さらに、パターン(e)には、一対の「略逆コの字」状の形状の溝4Gと「略コの字」状の形状の溝4Hとが示されている。凹部4は、この溝4Gと溝4Hとが所定の間隔で対向したものから構成される。凹部4を構成する溝の断面形状は、全体的に滑らかな形状に形成される(図示省略)。なお、溝4Gと溝4Hが対向する向きは、パターン(e)のような溝4Gに溝4Hが対向するものに限定する必要はなく、逆向きに溝4Hに溝4Gが対向していてもよい(図示省略)。
パターン(f)には、「略矩形」状の形状の溝4Iが示されている。凹部4を構成する溝4Iの断面形状は、全体的に滑らかな形状に形成される(図示省略)。ここで、「略矩形」状の形状は必ずしも左右が線対称である必要はなく、「略矩形」状の形状と認められるものであればよい。
また、パターン(g)には、一対の「倒れ略U字」状の形状の溝4Jと「倒れ略逆U字」状の形状の溝4Kとが示されている。凹部4は、この溝4Jと溝4Kとが所定の間隔で対向したものから構成される。凹部4を構成する溝の断面形状は、全体的に滑らかな形状に形成される(図示省略)。なお、溝4Jと溝4Kが対向する向きは、パターン(g)のような溝4Jに溝4Kが対向するものに限定する必要はなく、逆向きに溝4Kに溝4Jが対向していてもよい(図示省略)。
パターン(h)には、「略長円」状の形状の溝4Lが示されている。凹部4を構成する溝4Lの断面形状は、全体的に滑らかな形状に形成される(図示省略)。ここで、「略長円」状の形状は必ずしも左右が線対称である必要はなく、「略矩形」状の形状と認められるものであればよい。
この図3に示した形状パターンの溝から構成される凹部4によれば、導体2と絶縁体3の密着力は凹部4を構成する各形状の溝を介して確保される。すなわち、各形状の溝には絶縁体3の樹脂が充填され、この樹脂により導体2と絶縁体3とが強く密着される。また、各形状の溝に充填された樹脂は、導体2の長手方向に力を加えると、導体2に密着した絶縁体3が導体2から容易に剥される。したがって、絶縁電線1は、導体2の外周面上に形成した凹部4によって導体引抜き性がよくなる。ここで、導体引抜き性がよいとは、導体2と絶縁体3とがある程度の強さで密着し、導体2から絶縁体3が簡単には剥れないが、導体2に密着した絶縁体3を導体2から支障なく容易に剥すことができるものをいう。なお、凹部4を構成する溝の形状は、図3に例示したパターン(a)〜(h)に限られるものではなく、「略楕円」状の形状(図示省略)、「ディンプル」状の形状(図示省略)であっもよく、全体が滑らかな断面形状を有していれば、導体引抜き性をよくすることができる。
この図3に示した形状パターンによって形成された溝から構成される凹部4は、後述する導体2を伸線加工する工程において、導体2の上に形成される。この凹部4の溝の深さ〔図2(b)に「n」で表示〕は、0.25〜0.5mmの範囲に収められるとよい。溝の深さが0.25〜0.5mmの範囲に収められると、無用なトラブル、例えば凹部4を構成する溝が導体2の検査工程においてキズと間違えられるようなトラブルが生じにくくなり、導体2の品質を検査する作業がはかどり好ましいものとなる。ここで、凹部4の溝の深さを0.25〜0.5mmとしたのは、溝の深さが0.5mmを上回ると、この溝が導体中のキズと判定されてしまうからである。また、溝の深さが0.25mmを下回ると、溝に充填される樹脂量が少なくなるため、導体2と絶縁体3との密着力の強さが低下するからである。なお、溝の深さは、例えば導体2の外径(線径)の1/5〜1/20を目安に設定すれば、導体2の外径に応じて対応することができることから、導体2の伸線加工工程において導体2の品質を管理する上でより好ましいものとなる。
また、凹部4を構成する溝は、溝の幅〔図2(b)に「m」で表示〕が0.4〜0.75mmの範囲に収められると、溝の深さと同様に導体2を伸線加工する工程において、無用なトラブル(凹部4の溝がキズであるとの誤認)が生じにくくなり、導体2の品質を検査する作業がはかどり好ましいものとなる。ここで、溝の幅を0.4〜0.75mmとしたのは、溝の幅が0.75mmを上回ると、この溝が導体中のキズと判定されてしまうからである。また、溝の幅が0.4mmを下回ると、溝に充填される樹脂量が少なくなるため、導体2と絶縁体3との密着力の強さが低下するからである。なお、凹部4の溝の幅は、例えば導体2の外径(線径)の1/3〜1/10を目安に設定すれば、導体2の外径に応じて対応することができることから、導体2の伸線加工工程において導体2の品質を管理する上でより好ましいものとなる。
さらに、凹部4同士の隣り合う間隔は、50〜100mmの範囲に収められると、導体2の外周面に形成された凹部4の効果をより発揮することができる。ここで、凹部4同士の隣り合う間隔を50〜100mmの範囲としたのは、凹部4同士の間隔が100mmを上回ると、この間隔が粗になることから、導体2全体における導体2と絶縁体3との密着力の強さが低下し、前述した導体引抜き性が悪くなるからである。また、凹部4同士の隣り合う間隔が50mmを下回ると、この間隔が密になることから、導体2全体を平均した単位長さ当りの断面積が小さくなり、この断面積に反比例して電気抵抗が大きくなり好ましくないからである。さらに、この間隔が密になると、導体2と絶縁体3との密着力がより強くなるために、導体2から絶縁体3を容易に剥すことができなくなることから導体引抜き性が悪くなるからである。なお、凹部4同士の隣り合う間隔は、例えば導体2の外径(線径)に対し15倍〜25倍を目安に設定すれば、導体2の外径に応じて対応することができることから、導体2の伸線加工工程において導体2の品質を管理する上でより好ましいものとなる。
次に、凹部4の溝が、導体2を伸線加工する工程において、導体2の外周面上に形成される例を、図4に基づいて説明する。
図4(a)は、導体2がダイス10を通して図中の矢印B(伸線方向)に機械的に引張られて所定の線径(外径)のワイヤに加工(太い線径の導体2aが細い線径の導体2bに加工)される様子を概念的に示している。ワイヤを所定の線径に加工することは、通常伸線加工といわれている。伸線加工は、線材(例えば、軟銅のワイヤ)の直径を細くし長さを伸ばす金属加工の一種で、線引き加工ともいわれ、通常は冷間で伸線加工される。そして、線材の直径を細くする工具がダイスと呼ばれる。図4(a)に示されるダイス10は線材(導体2a)の入口側10aが太く、線材(導体2b)の出口側10bが細い円錐状の穴を有している。本実施例に係る絶縁電線1の導体2は、図4(b)に示すダイス10で導体2aから導体2bに伸線加工されるとともに導体2の外周面上に凹部4の溝が形成される。
すなわち、この図4(b)において、ダイス10は4つの回転ロール20を有している。ダイス10の入口側10aから挿入された導体2aは、この4つの回転ロール20を介して線径がより細い導体2bに伸線される。また、回転ロール20には、導体2の外周面上に凹部4の溝を形成するための突起21が設けられている。この突起21は、例えば、溝の形状、深さ、幅、及び溝同士の間隔等のデータを設定したプログラムに基づいてコンピュータ制御により回転ロール20を回転(例えば、図中Cで示す方向に回転)して導体2の外周面上に凹部4の溝を形成するようにしてもよい。あるいは、突起21は、予め溝の形状に対応した突起が形成されており、この突起によって導体2の外周面上に凹部4の溝を形成するようにしてもよい。
このようにして、導体2は、ダイス10によって図4(a)中の矢印B方向(伸線方向)へ所定の太さ(線径)でもって伸線され、図4(c)に示すように導体2の外周面上に凹部4の溝が伸線方向に平行に(直線状の位置に)複数形成される。
ところで、図4(c)に示されるように凹部4は、導体2の外周面上に直線状に複数形成されているが、螺旋状に形成されていても導体引抜き性のよい絶縁電線を得ることができる。ここで、螺旋状とは、凹部4の中心部、具体的には、図3の形状パターン(a),(c),(e)では対向する溝と溝の中間点、また図3の形状パターン(b),(d),(f)では中心点が導体2の上を螺旋状に移動していく状態を表している(図示省略)。この点について、図5を用いて詳しく説明する。
図5(a)は、導体2の伸線加工を概念的に示しており、図4(a)に示した構成と同じ構成である。図5(b)は、ダイス10の構成を示しており、ダイス10が回転(例えば、図中Dで示す方向に回転)することを除いて、図4(b)と同じ構成である。凹部4は、導体2を伸線加工する際にダイス10がD方向に回転し、このダイス10の回転と所定の回転速度でC方向に回転する回転ローラ20に設けた突起21とによって導体2の外周面上に螺旋状に形成される。この突起21は、例えば、導体2の外周面上に凹部4の溝を形成するために、溝の形状、深さ、幅、及び凹部4同士の間隔、さらには「螺旋」の間隔、ダイス10の回転と回転ローラ20の回転速度等のデータによって設定されたプログラムに基づいてコンピュータによって制御されるようにしてもよい。あるいは、突起21は、予め溝の形状に対応した突起が形成されており、ダイス10の回転と回転ローラ20の回転速度を調整し、導体2の外周面上に凹部4の溝を突起21によって螺旋状に形成するようにしてもよい。
このようにして凹部4は、図5(c)に示すように導体2の外周面上に螺旋状に形成される。凹部4が螺旋状に形成された導体2は、電気抵抗を大きくすることなく導体引抜き性をよくすることができる。これは、導体2の外周面における円周方向の溝の数は螺旋状に形成しても変わらないことから、導体2全体を平均した単位長さ当りの断面積が変わらないからである。また、溝4が螺旋状に形成されると、導体外周面の円周方向における溝の位置が、円周を等分しながら螺旋状に変化するため、絶縁電線1全体でみると導体2と絶縁体3との密着部分がより均一に分布していることになり、密着力がより強くなるからである。その一方で、各凹部4を構成する溝は、溝の断面形状は滑らかになるように形成され、かつ導体2の長手方向と平行にそれぞれ形成されている。そのため、電線作業者は、絶縁電線1の絶縁体3を長手方向と平行に引き剥がそうとすれば、絶縁体3を導体2から支障なく容易に剥すことができる。
以上説明したように、本実施例に係る絶縁電線1によれば、導体2の外周面に凹部4が複数形成されているため、この凹部4を構成する溝に充填された樹脂により導体2と絶縁体3との密着力が強くなる。そのため、絶縁体3が導体2の上から簡単にずれることが防止されることから、導体2の一部が露出して絶縁不良などを起こすようなことがなくなる。また、この絶縁電線1によれば、凹部4を構成する溝の断面形状が滑らかになるように形成されていることから、導体2の外周面に密着した絶縁体3を導体2から支障なく容易に剥すことができる。
本発明の実施例に係る絶縁電線であり、(a)は絶縁電線の斜視図を示し、(b)は図(a)のW−W方向から見た絶縁電線の断面図とその一部を拡大した図を示している。 図1に示された溝を拡大したものであり、(a)は溝を上からみた図であり、(b)は図(a)のX−X方向からみた導体の断面の一部を表した図であり、(c)は図(a)のY−Y方向からみた導体の断面の一部を表した図である。 本発明の実施例に係る絶縁電線の凹部の形状パターン例を示した図である。 上記凹部が伸線加工によって導体の上に直線状に形成されることを概念的に説明するための図であり、(a)は導体の伸線加工を示す図であり、(b)はダイスの構造を示す図であり、(c)は上記凹部が導体の上に直線状に形成されたことを示す図である。 上記凹部が伸線加工によって導体の上に螺旋状に形成されることを概念的に説明するための図であり、(a)は導体の伸線加工を示す図であり、(b)はダイスの構造を示す図であり、(c)は上記凹部が導体の上に螺旋状に形成されたことを示す図である。
符号の説明
1…………絶縁電線
2…………導体
3…………絶縁体
4…………凹部
10………ダイス

Claims (6)

  1. 単線導体と、その単線導体の上に被覆された絶縁体とからなる絶縁電線において、
    一対の溝から構成される凹部が前記単線導体の外周面に、かつ前記単線導体の長手方向に所定の間隔で複数形成され、
    前記凹部を構成する溝は、略くの字状、略半リング状、略コの字状、又は倒れ略U字状のいずれかの平面形状に形成されることを特徴とする絶縁電線。
  2. 単線導体と、その単線導体の上に被覆された絶縁体とからなる絶縁電線において、
    所定の形状の溝から構成される凹部が前記単線導体の外周面に、かつ前記単線導体の長手方向に所定の間隔で複数形成され、
    前記凹部を構成する溝は、略ひし形状、略リング状、略矩形状、略長円状、又は略楕円状の平面形状、若しくはディンプル状の形状のいずれかに形成されることを特徴とする絶縁電線。
  3. 前記凹部は、前記単線導体の前記外周面の円周方向を等分する位置に複数形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁電線。
  4. 前記凹部を構成する溝は、該溝の底部が曲面状に形成されることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の絶縁電線。
  5. 前記凹部を構成する溝は、0.25〜0.5mmの深さで形成されることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の絶縁電線。
  6. 前記凹部を構成する溝は、0.4〜0.75mmの幅で形成されることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載の絶縁電線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102664058A (zh) * 2012-05-30 2012-09-12 金杯电工股份有限公司 一种具有扎花印痕的电线电缆
CN102682932A (zh) * 2012-05-30 2012-09-19 金杯电工股份有限公司 一种生产电线电缆线排的工艺
JP2016021318A (ja) * 2014-07-14 2016-02-04 三菱日立パワーシステムズ株式会社 燃料電池用の基体管接続構造、基体管、及び基体管の製造方法

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