JP2007004521A - 車両警報装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自車の運転者の混乱を有効に抑制しつつ、物体との追突を回避するために好適な警報を出力することができ、ひいては、自車の運転者による運転の安全性を向上させることができる「車両警報装置」を提供すること。
【解決手段】 自車との追突の可能性を有する物体を検出し、前記自車の運転者に前記物体への注意を促す警報を出力する車両警報装置1であって、自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合に、前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴に基づいて警報を出力する優先順位を判定し、この判定によって決定された優先順位にしたがって警報を出力すること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両警報装置に係り、特に、自車との追突の可能性を有する物体を検出し、自車の運転者に当該物体への注意を促す警報を出力するのに好適な車両警報装置に関する。
従来から、車両には、カメラやミリ波レーダ等の各種センサからの情報に基づいて、自車と、自車を取り巻く全周囲に存在する他車との位置関係を判定するシステムが採用されていた。
このようなシステムでは、運転の安全性を確保するために、自車の全周囲に存在する他車の中から、自車に対して追突の可能性を有する他車を検出して、自車の運転者に対して前記他車への注意を促す警報を出力することも可能とされていた。
特開平7−237497号公報 特開2003−104146号公報
ところで、従来は、自車の周囲に複数の他車が存在する等の場合においては、ほぼ同時に複数の他車への注意を促す警報を出力する場合が生じる可能性があった。
しかしながら、このように、ほぼ同時に複数の警報が出力される場合、自車の運転者は、いずれの他車への注意を払えばよいか混乱し、かえって運転の安全性が損なわれてしまう虞があった。
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、自車の運転者の混乱を有効に抑制しつつ、物体との追突を回避するために好適な警報を出力することができ、ひいては、自車の運転者による運転の安全性を向上させることができる車両警報装置を提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため、本発明に係る車両警報装置は、自車との追突の可能性を有する物体を検出し、前記自車の運転者に前記物体への注意を促す警報を出力する車両警報装置であって、前記自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合に、前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴に基づいて警報を出力する優先順位を判定し、この判定によって決定された優先順位にしたがって警報を出力することを特徴としている。
そして、このような構成によれば、自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合においても、自車の運転者の過去の運転情報の履歴に基づいた優先順位の判定を行い、この判定によって決定された優先順位にしたがって警報を出力することが可能となる。
また、本発明に係る車両警報装置は、前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴が、前記優先順位を判定する際の自車位置において過去に検出された前記自車の運転者の視線情報の履歴を含む自車位置依存運転情報履歴とされ、この自車位置依存運転情報履歴に基づいて、検出頻度が低い視線情報に対応する物体についての警報ほど、前記優先順位を高くするように判定することを特徴としている。
そして、このような構成によれば、自車の運転者が過去に走行した地点と同じ地点(自車位置)において、自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合に、自車位置依存運転情報履歴に基づいて、その地点において自車の運転者が過去に注意を向けなかった方向と同じ方向に存在する物体に対応する警報を、優先的に出力することが可能となる。
さらに、本発明に係る車両警報装置は、前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴が、前記優先順位を判定する際に前記自車が走行している道路と走行方向および道路形状が同一とされた前記自車が既に走行済みの道路において過去に検出された前記自車の運転者の視線情報の履歴を含む道路形状依存運転情報履歴とされ、前記道路形状依存運転情報履歴に基づいて、検出頻度が低い視線情報に対応する物体についての警報ほど、前記優先順位を高くするように判定することを特徴としている。
そして、このような構成によれば、自車の運転者が初めて走行する地点(自車位置)においても、自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合に、道路形状依存運転情報履歴に基づいて、その地点と走行方向および道路形状が同一の地点において自車の運転者が過去に注意を向けなかった方向と同じ方向に存在する物体に対応する警報を、優先的に出力することが可能となる。
さらにまた、本発明に係る車両警報装置は、前記自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合に、最も優先順位が高い物体への注意を促す警報のみを出力することを特徴としている。
そして、このような構成によれば、自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合に、最も優先順位が高い物体に対応する警報のみを出力することが可能となる。
また、本発明に係る車両警報装置は、前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴が、前記自車の運転者による前記自車の走行にともなって更新可能とされていることを特徴としている。
そして、このような構成によれば、自車の運転者の過去の運転情報の履歴を更新することにより、この更新された履歴に基づいて、さらに良好な優先順位の判定を行うことが可能となる。
さらに、本発明に係る車両警報装置は、前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴の更新が、外部処理によって行われることを特徴としている。
そして、このような構成によれば、車両警報装置自体が、自車の運転者の過去の運転情報の履歴を更新する処理を行うことが性能的に困難な場合においても、外部処理によって更新された履歴に基づいて優先順位を判定することが可能となる。
さらにまた、本発明に係る車両警報装置は、前記優先順位を判定する際における自車の挙動も加味して、前記優先順位を判定することを特徴としている。
そして、このような構成によれば、自車の挙動に適合した警報を出力することが可能となる。
また、本発明に係る車両警報装置は、自車の運転者の過去の運転情報の履歴を保存する履歴保存手段と、この履歴保存手段によって保存された前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴に基づいて、優先順位を判定する優先順位判定手段とを備えたことを特徴としている。
そして、このような構成によれば、簡易な構成により、自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合における自車の運転者の過去の運転情報の履歴に基づく警報出力の優先順位の判定を行うことが可能となる。
本発明に係る車両警報装置によれば、自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合においても、自車の運転者の過去の運転情報の履歴に基づいた優先順位の判定を行い、この判定によって決定された優先順位にしたがって警報を出力することができる結果、自車の運転者の混乱を有効に抑制しつつ、物体との追突を回避するために好適な警報を出力することができ、ひいては、自車の運転者による運転の安全性を向上させることができる。
また、本発明に係る車両警報装置によれば、自車の運転者が過去に走行した地点と同じ地点において、自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合に、自車位置依存運転情報履歴に基づいて、その地点において自車の運転者が過去に注意を向けなかった方向と同じ方向に存在する物体に対応する警報を、優先的に出力することができる結果、前述した本発明に係る車両警報装置に比べて、物体との追突を回避するためにさらに好適な警報を出力することができ、自車の運転者による運転の安全性をさらに向上させることができる。
さらに、本発明に係る車両警報装置によれば、自車の運転者が初めて走行する地点においても、自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合に、道路形状依存運転情報履歴に基づいて、その地点と走行方向および道路形状が同一の地点において自車の運転者が過去に注意を向けなかった方向と同じ方向に存在する物体に対応する警報を、優先的に出力することができる結果、前述した本発明に係る車両警報装置に比べて、自車の運転者に対して物体との追突を回避するためにさらに好適な警報を出力することができ、自車の運転者による運転の安全性をさらに向上させることができる。
さらにまた、本発明に係る車両警報装置によれば、自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合に、最も優先順位が高い物体に対応する警報のみを出力することができる結果、前述した本発明に係る各車両警報装置に比べて、自車の運転者の混乱をさらに有効に抑制することができる。
また、本発明に係る車両警報装置によれば、自車の運転者の過去の運転情報の履歴を更新することにより、この更新された履歴に基づいて、さらに良好な優先順位の判定を行うことができる結果、前述した本発明に係る各車両警報装置に比べて、物体との追突を回避するためにより好適な警報を出力することができ、自車の運転者による運転の安全性をより向上させることができる。
さらに、本発明に係る車両警報装置によれば、車両警報装置自体が、自車の運転者の過去の運転情報の履歴を更新するための処理を行うことが性能的に困難な場合においても、外部処理によって更新された履歴に基づいて優先順位を判定することができる結果、前述した本発明に係る各車両警報装置に比べて、車両警報装置自体を安価に構成することができる。
さらにまた、本発明に係る車両警報装置によれば、自車の挙動に適合した警報を出力することができる結果、前述した本発明に係る各車両警報装置に比べて、物体との追突を回避するためにさらに好適な警報を出力することができ、自車の運転者による運転の安全性をさらに向上させることができる。
また、本発明に係る車両警報装置によれば、簡易な構成により、自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合における自車の運転者の過去の運転情報の履歴に基づく警報出力の優先順位の判定を行うことができる結果、自車の運転者による運転の安全性を向上させることができる車両警報装置を安価に製造することができる。
以下、本発明に係る車両警報装置の第1実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
本実施形態における車両警報装置は、自車との追突の可能性を有する物体として、自車との追突の可能性を有する他車が複数検出された場合に、自車の運転者の過去の運転情報の履歴に基づいて警報を出力する優先順位を判定し、この判定によって決定された優先順位にしたがって警報を出力するように構成されている。
具体的には、図1に示すように、本実施形態における車両警報装置1は、自車の運転者の過去の運転情報の履歴を保存する履歴保存手段としての履歴データベース2を有している。
この履歴データベース2には、図2に示すように、自車位置依存運転情報履歴として、自車が過去に走行した自車位置において検出された自車の運転者の視線の方向を示す視線情報の履歴が、自車位置と対応した状態で保存されている。
なお、図2には、自車位置Aに対応する自車位置依存運転情報履歴と、自車位置Bに対応する自車位置依存運転情報履歴との2つの自車位置依存運転情報履歴が示されている。
また、図2における各自車位置依存運転情報履歴は、各自車位置(A、B)における各視線の方向(ルームミラー、左ミラー、右ミラー、正面前方、左前方、右前方、左側方、右側方)ごとの視線情報の検出回数(換言すれば検出頻度)を示したものとなっている。
さらに、自車位置依存運転情報履歴には、視線情報以外にも、自車位置の通過回数が含まれている。
この自車位置依存型運転情報履歴についてさらに詳述すると、例えば、図2における自車位置Aにおいては、通過回数3回のうち、正面前方の方向についての視線情報の検出回数が3回となっている。これは、自車の運転者が、自車位置Aにおいては、正面前方について毎回注意を向けていたことを示している。
一方、自車位置Aにおいて、ルームミラーおよび左ミラーについては、視線情報の検出回数がともに0回となっている。これは、自車の運転者が、自車位置Aにおいて、自車の左後方については一度も注意を向けていなかったことを示している。
図1に戻って、本実施形態における車両警報装置1は、レーダ装置3を有しており、このレーダ装置3は、自車の周囲の状況を検出し、検出結果を出力するようになっている。
レーダ装置3の出力側には、レーダ処理モジュール5が接続されており、このレーダ処理モジュール5には、レーダ装置3から出力された検出結果が入力されるようになっている。
そして、レーダ処理モジュール5は、入力されたレーダ装置3の検出結果に基づいて、自車の周囲に存在する他車を検出し、検出結果を出力するようになっている。
レーダ処理モジュール5の出力側には、警報判定部6が接続されており、この警報判定部6には、レーダ処理モジュール5から出力された検出結果が入力されるようになっている。
そして、警報判定部6は、入力されたレーダ処理モジュール5の検出結果に基づいて、検出された他車に対応する警報データを作成し、この作成した警報データを出力するようになっている。
この警報データは、検出された他車が複数の場合には、図3に示すように、各他車にそれぞれ対応する警報データとなる。
図3に示す警報データは、警報1が、自車の左後方を走行する他車への注意を促すことを内容とした警報データとなっており、警報2が、自車の正面前方を走行する他車への注意を促すことを内容とした警報データとなっている。
図1に戻って、本実施形態における車両警報装置1は、車両情報取得部7を有しており、この車両情報取得部7は、車両(自車)から、現在の自車位置等の車両情報を取得し、取得した車両情報を出力するようになっている。
なお、車両情報は、自車位置の他にも、自車のウインカーの作動等の自車の挙動についての情報が含まれていてもよい。また、自車位置については、GPS、車速センサおよびジャイロセンサ等の図示しない自車位置検出手段の検出結果に基づいて自車位置を計算することによって取得することができる。
警報判定部6および車両情報取得部7の出力側には、優先順位判定手段としての優先順位判定部9が接続されており、この優先順位判定部9には、警報判定部6から出力された警報データと、車両情報取得部7から出力された車両情報とがそれぞれ入力されるようになっている。
また、優先順位判定部9の入力側には、前述した履歴データベース2が接続されている。
優先順位判定部9は、車両情報取得部7側から入力された車両情報から得られた現在の自車位置(換言すれば、優先順位の判定の際の自車位置)に対応する自車位置依存運転情報履歴を、履歴データベース2から読み込むようになっている。
そして、優先順位判定部9は、履歴データベース2から読み込んだ自車位置依存運転情報履歴に基づいて、警報判定部6側から入力された警報データの優先順位を判定するようになっている。
この判定に際して、優先順位判定部9は、現在の自車位置と同一の自車位置における過去の検出頻度が低かった視線情報に対応する他車についての警報データほど、優先順位を高くするように判定するようになっている。
具体的には、現在の自車位置が図2に示した自車位置Aの場合であって、警報データが、図3に示した警報1および警報2の場合には、優先順位判定部9は、自車位置Aにおいて過去に注意が向けられていない視線の方向(左後方)に対応する警報1の優先順位を、警報2よりも高くするように判定するようになっている。
そして、優先順位判定部9は、優先順位の判定によって決定された最も優先順位が高い警報データ(図3における警報1)を出力するようになっている。
なお、優先順位判定部9は、警報判定部6側から入力された警報データが、1つだけの場合には、その警報をそのまま出力するようになっている。
また、優先順位の判定に際しては、車両情報から得られた自車の挙動(ウインカの作動等)を加味するようにしてもよい。そのようにすれば、視線情報に加えて、さらに、自車の挙動にも適合した警報を出力することができる。
優先順位判定部9の出力側には、出力制御部10が接続されており、この出力制御部10には、優先順位判定部9から出力された警報データが入力されるようになっている。
そして、出力制御部10は、優先順位判定部9側から入力された警報データを音声データおよび画像データの少なくとも一方に変換して出力するようになっている。
出力制御部10の出力側には、スピーカ11およびモニタ12がそれぞれ接続されており、スピーカ11には、出力制御部10から出力された音声データが入力され、モニタ12には、出力制御部10から出力された画像データが入力されるようになっている。
そして、スピーカ11は、出力制御部10側から入力された音声データを音声に変換して出力することによって、自車の運転者に対して、前記優先順位の判定にしたがった警報を音声出力するようになっている。
また、モニタ12は、出力制御部10側から入力された画像データを画像に変換して出力することによって、自車の運転者に対して、前記優先順位の判定にしたがった警報を画像出力するようになっている。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態における車両警報装置1は、視線検出カメラ14を有しており、この視線検出カメラ14は、自車の運転者の映像を検出し、この検出した映像を出力するようになっている。
視線検出カメラ14の出力側には、視線検出部15が接続されており、この視線検出部15には、視線検出カメラ14から出力された自車の運転者の映像が入力されるようになっている。
そして、視線検出部15は、視線検出カメラ14側から入力された自車の運転者の映像から、自車の運転者の視線の方向(例えば、ルームミラー、左ミラー、右ミラー、正面前方、左前方、右前方、左側方および右側方等)を示す視線情報を検出し、検出した視線情報を出力するようになっている。
視線検出部15および車両情報取得部7の出力側であって、履歴データベース2の入力側には、履歴更新処理部16が接続されている。
履歴更新処理部16には、視線検出部15から出力された視線情報が入力されるようになっている。
さらに、履歴更新処理部16には、視線情報が検出された際の自車位置の情報を含む車両情報として、車両情報取得部7から出力された車両情報が入力されるようになっている。
履歴更新処理部16は、視線検出部15側からの入力によって取得された視線情報(以下、取得視線情報と称する)と、車両情報取得部7側からの車両情報の入力によって取得された視線情報検出時の自車位置(以下、取得自車位置と称する)とを、互いに対応関係を有した状態で履歴データベース2に保存するようになっている。
これにより、履歴更新処理部16は、自車位置依存運転情報履歴の更新処理を行うようになっている。
より具体的には、履歴更新処理部16は、履歴データベース2を検索することによって、取得自車位置と同じ自車位置に対応する視線情報(方向は問わない)が、履歴データベース2に既に保存されているか否かを判定するようになっている。
そして、履歴更新処理部16は、前記判定の結果、前記取得自車位置と同じ自車位置に対応する視線情報が、履歴データベース2に保存されていない場合には、前記取得自車位置に対応する前記取得視線情報を、履歴データベース2に新規に保存するようになっている。
図2の例でいえば、前記取得自車位置が自車位置Cで、前記取得視線情報が、左ミラーの場合には、履歴更新処理部16は、履歴データベース2に対して、自車位置Cの欄を新規に設け、この自車位置Cにおける通過回数を1とし、この自車位置Cにおける左ミラーの検出回数を1とするようになっている。
一方、履歴更新処理部16は、前記判定の結果、前記取得自車位置と同じ自車位置に対応する視線情報が、履歴データベース2に既に保存されている場合には、前記取得自車位置に対応する前記取得視線情報を、履歴データベース2に追加するようになっている。
図2の例でいえば、前記取得自車位置が自車位置Aで、前記取得視線情報が左ミラーの場合には、履歴更新処理部16は、履歴データベース2に対して、自車位置Aの通過回数をインクリメントして4とし、左ミラーの検出回数をインクリメントして1とするようになっている。
このような構成を有する第1実施形態の車両警報装置1によれば、ある地点において、自車との追突の可能性を有する他車が複数検出された場合においても、優先順位判定部9が、履歴データベース2に保存された自車位置依存運転情報履歴に基づいて、当該地点において自車の運転者が過去に注意を向けなかった視線の方向に対応する他車についての警報ほど、優先順位を高くするように判定することができる。
そして、この判定によって決定された優先順位にしたがった警報を、スピーカ11による音声出力およびモニタ12による画像出力の少なくとも一方によって出力することができる。
この結果、自車の運転者の混乱を招かずに、他車との追突を回避するために好適な警報を出力することができ、ひいては、自車の運転者による運転の安全性を向上させることができる。
さらに、第1実施形態の車両警報装置1によれば、履歴更新処理部16によって、自車位置依存運転情報履歴に対する更新処理を行うことができるため、更新された自車位置依存運転情報履歴に基づいて、さらに良好な優先順位の判定を行うことができる。
この結果、他車との追突を回避するためにより好適な警報を出力することができ、自車の運転者による運転の安全性をより向上させることができる。
なお、自車位置依存運転情報履歴の更新処理は、外部処理によって行うようにしてもよい。
この外部処理の一例としては、例えば、自車の走行中に視線検出カメラ14によって検出された映像を、自車位置のデータとともに車両警報装置1内に保持しておき、これらを自車の走行が終了した時点でリムーバブルメディア(HDD、各種Flashメモリ等)にコピーし、PC(パソコン)へ持ち出す。
そして、PC上で、視線の方向を検出して視線情報を生成し、さらに、この生成した視線情報と自車位置のデータとを用いることによって、自車位置依存運転情報履歴の更新処理を行う。
そして、更新処理を行った自車位置依存運転情報履歴を、再度、リムーバブルメディアを介して車両警報装置1へコピーし、この自車位置依存運転情報履歴に基づいて、実走行時に優先順位の判定を行うようにする。
これにより、車両警報装置1のスペックが劣り、更新処理のためのリアルタイム処理が困難な場合においても、優先順位の判定を確実に行うことができる。
また、前記外部処理の他の一例としては、自車の走行中に視線検出カメラ14によって検出された映像を、自車位置のデータとともに携帯電話や無線LAN等の通信手段を介してサーバ(情報センタ)へ転送し、サーバ上において視線情報を生成し、自車位置依存運転情報履歴の更新処理を行う。そして、更新処理を行った自車位置依存運転情報履歴を通信手段を介して車両警報装置1にダウンロードする。
この場合においても、ダウンロードによって取得された更新処理後の自車位置依存運転情報履歴に基づいて、優先順位の判定を確実に行うことができる。
次に、本発明に係る車両警報装置の第2実施形態について、図4を参照しつつ第1実施形態との構成上の差異を中心に説明する。
なお、第1実施形態と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
本実施形態における車両警報装置1は、第1実施形態と同様に、レーダ装置3を介して自車との追突の可能性を有する他車が複数検出された場合に、優先順位判定部9によって、履歴データベース2に保存された自車の運転者の過去の運転情報の履歴に基づいて、警報を出力する優先順位を判定するようになっている。
そして、この判定によって決定された優先順位にしたがった警報を、スピーカ11およびモニタ12の少なくとも一方によって出力するように構成されている。
ただし、本実施形態においては、履歴データベース2に保存された自車の運転者の過去の運転情報の履歴が、第1実施形態とは異なっている。
すなわち、本実施形態において、履歴データベース2には、自車の運転者の過去の運転情報の履歴として、図4に示すような道路形状依存運転情報履歴が保存されている。
この道路形状依存運転情報履歴は、既に自車が走行済みの道路において過去に検出された自車の運転者の視線の方向を示す視線情報の履歴が、道路形状と対応した状態で保存されたものとなっている。
なお、図4には、直線に対応する道路形状依存運転情報履歴と、カーブに対応する道路形状依存運転情報履歴と、交差点に対応する道路形状依存運転情報履歴との3つの道路形状依存運転情報履歴が示されている。
また、図4における各道路形状依存運転情報履歴は、各道路形状(直線、カーブ、交差点)における各視線の方向(ルームミラー、左ミラー、右ミラー、正面前方、左前方、右前方、左側方、右側方)ごとの視線情報の検出回数(換言すれば検出頻度)を示したものとなっている。
なお、図示はしないが、図4における各道路形状依存運転情報履歴は、いずれも、走行方向が前進方向の場合における履歴となっている。走行方向が後退方向の場合における履歴は、図4の各履歴と識別可能な状態で保存するようにしてもよい。
さらに、道路形状依存運転情報履歴には、視線情報以外にも、各道路形状の道路の通過回数が含まれている。
この道路形状依存型運転情報履歴についてさらに詳述すると、例えば、図4における直線の道路においては、通過回数3回のうち、正面前方の方向についての視線情報の検出回数が3回となっている。これは、自車の運転者が、直線の道路においては、正面前方について毎回注意を向けていたことを示している。
一方、直線の道路において、ルームミラーおよび左ミラーについては、視線情報の検出回数がともに0回となっている。これは、自車の運転者が、直線の道路において、自車の左後方については一度も注意を向けていなかったことを示している。
そして、本実施形態においては、このような道路形状依存運転情報履歴に基づいて、優先順位判定部9による優先順位の判定を行うようになっている。
具体的には、優先順位判定部9は、優先順位を判定する際には、まず、車両情報取得部7側から入力された車両情報から、現在の自車位置および自車の走行方向を取得し、続いて、現在の自車位置における道路形状のデータを、図示しない道路形状データベースから取得するようになっている。
この道路形状データベースは、例えば、ナビゲーション装置の地図データベースであってもよい。
そして、優先順位判定部9は、道路形状データベースから取得した道路形状のデータと、車両情報から取得した自車の走行方向とに基づいて、履歴データベース2から、現在自車が走行している道路と、走行方向および道路形状が同一とされた道路形状依存運転情報履歴を読み込むようになっている。
そして、優先順位判定部9は、履歴データベース2から読み込んだ道路形状依存運転情報履歴に基づいて、警報判定部6側から入力された警報データの優先順位を判定するようになっている。
この優先順位の判定に際して、優先順位判定部9は、現在自車が走行している道路と走行方向および道路形状が同一とされた道路における過去の検出頻度が低かった視線情報に対応する他車についての警報データほど、優先順位を高くするように判定するようになっている。
具体的には、現在の自車位置における道路形状が図4に示した直線であって、警報データが、図3に示した警報1および警報2の場合には、優先順位判定部9は、直線の道路において過去に注意が向けられていない視線の方向(左後方)に対応する警報1の優先順位を、警報2よりも高くするように判定するようになっている。
なお、この判定に際しては、第1実施形態と同様に、車両情報から得られた自車の挙動(ウインカの作動等)を加味するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、第1実施形態と同様に、履歴更新処理部16が、道路形状依存運転情報履歴に対する更新処理を行うようになっている。
すなわち、履歴更新処理部16には、第1実施形態と同様に、視線検出部15から出力された視線情報が入力されるようになっている。
さらに、履歴更新処理部16には、車両情報取得部7側から、自車の現在の走行方向を含む車両情報が入力され、さらに、前述した道路形状データベース側から、視線情報が検出された際の自車位置における道路形状のデータが入力されるようになっている。
履歴更新処理部16は、視線検出部15側からの入力によって取得された視線情報(以下、取得視線情報と称する)と、道路形状データベース側からの入力によって取得された道路形状(以下、取得道路形状と称する)とを互いに対応関係を有した状態で履歴データベース2に保存するようになっている。
これにより、履歴更新処理部16は、道路形状依存運転情報履歴の更新処理を行うようになっている。
より具体的には、履歴更新処理部16は、履歴データベース2を検索することによって、取得道路形状と同じ道路形状に対応する視線情報(方向は問わない)が、履歴データベース2に既に保存されているか否かを判定するようになっている。
そして、履歴更新処理部16は、前記判定の結果、前記取得道路形状と同じ道路形状に対応する視線情報が、履歴データベース2に保存されていない場合には、前記取得道路形状に対応する前記取得視線情報を、履歴データベース2に新規に保存するようになっている。
図4の例でいえば、取得道路形状が分岐で、取得視線情報が、左ミラーの場合には、履歴更新処理部16は、履歴データベース2に対して、分岐の欄を新規に設け、この分岐における通過回数を1とし、この分岐における左ミラーの検出回数を1とするようになっている。
一方、履歴更新処理部16は、前記判定の結果、前記取得道路形状と同じ道路形状に対応する視線情報が、履歴データベース2に既に保存されている場合には、前記取得道路形状に対応する前記取得視線情報を、履歴データベース2に追加するようになっている。
図4の例でいえば、取得道路形状が直線で、取得視線情報が左ミラーの場合には、履歴更新処理部16は、履歴データベース2に対して、直線の通過回数をインクリメントして4とし、この直線における左ミラーの検出回数をインクリメントして1とするようになっている。
このような構成を有する第2実施形態の車両警報装置1によれば、ある地点において、自車との追突の可能性を有する他車が複数検出された場合においても、優先順位判定部9が、履歴データベース2に保存された道路形状依存運転情報履歴に基づいて、当該地点と道路形状および走行方向が同一とされた地点において自車の運転者が過去に注意を向けなかった視線の方向に対応する他車についての警報ほど、優先順位を高くするように判定することができる。
そして、この判定によって決定された優先順位にしたがった警報を、スピーカ11による音声出力およびモニタ12による画像出力の少なくとも一方によって出力することができる。
この結果、第1実施形態と同様に、自車の運転者の混乱を招かずに、他車との追突を回避するために好適な警報を出力することができ、自車の運転者による運転の安全性を向上させることができる。
特に、第2実施形態においては、自車の運転者が自車によって初めて走行する地点においても、道路形状依存運転情報履歴に基づいて、警報を出力する優先順位を確実に判定することができる。
さらに、第2実施形態の車両警報装置1によれば、履歴更新処理部16によって、道路形状依存運転情報履歴に対する更新処理を行うことができるため、更新された道路形状依存運転情報履歴に基づいて、さらに良好な優先順位の判定を行うことができる。
この結果、他車との追突を回避するためにより好適な警報を出力することができ、自車の運転者による運転の安全性をより向上させることができる。
なお、道路形状依存運転情報履歴の更新処理も、前述した自車位置依存運転情報履歴の場合と同様に、PC上での処理あるいはサーバ上での処理等の外部処理によって行うようにしてもよい。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、履歴データベース2に、必要に応じて、自車位置依存運転情報履歴と道路形状依存運転情報履歴との双方を保存するようにし、自車の走行地点に応じて双方の履歴を適宜使い分けるようにしてもよい。
そのようにすれば、例えば、自車の運転者が自車によって過去に走行した地点を再び走行する場合には、自車位置依存運転情報履歴に基づいて優先順位を判定することができ、自車の運転者が自車によって初めて走行する地点においては、道路形状依存運転情報履歴に基づいて優先順位を判定することができるため、利便性をさらに向上させることができる。
また、自車を複数の運転者が運転するような場合には、履歴データベース2に、各運転者の過去の運転情報の履歴(自車位置依存型運転情報履歴や道路形状依存型運転情報履歴)を保存し、各運転者にそれぞれ対応する履歴に基づいた優先順位の判定を、各運転者ごとに個別に行うことができるようにしてもよい。
そのようにすれば、1台の自車を複数の運転者が共同で使用する場合においても、各運転者ごとに固有の運転の特性に応じた優先順位の判定を確実に行うことができ、各運転者が他車との追突を回避するために好適な警報を出力することができる。
さらに、前述した実施形態においては、自車との追突の可能性を有する物体として、自車との追突の可能性を有する他車について述べているが、本発明は、これに限定されるものではなく、歩行者や自転車等の他車以外の物体についても有効に適用することができ、歩行者や自転車等との追突を回避するために好適な警報を出力することができるものである。
本発明に係る車両警報装置の第1実施形態を示すブロック図 本発明に係る車両警報装置の第1実施形態において、履歴データベースに保存された自車位置依存運転情報履歴の一例を示す図 本発明に係る車両警報装置の第1実施形態において、警報判定部から出力される警報データの一例を示す図 本発明に係る車両警報装置の第2実施形態において、履歴データベースに保存された道路形状依存運転情報履歴の一例を示す図
符号の説明
1 車両警報装置
2 履歴データベース
9 優先順位判定部
16 履歴更新処理部

Claims (8)

  1. 自車との追突の可能性を有する物体を検出し、前記自車の運転者に前記物体への注意を促す警報を出力する車両警報装置であって、
    前記自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合に、前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴に基づいて警報を出力する優先順位を判定し、この判定によって決定された優先順位にしたがって警報を出力することを特徴とする車両警報装置。
  2. 前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴が、前記優先順位を判定する際の自車位置において過去に検出された前記自車の運転者の視線情報の履歴を含む自車位置依存運転情報履歴とされ、
    この自車位置依存運転情報履歴に基づいて、検出頻度が低い視線情報に対応する物体についての警報ほど、前記優先順位を高くするように判定すること
    を特徴とする請求項1に記載の車両警報装置。
  3. 前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴が、前記優先順位を判定する際に前記自車が走行している道路と走行方向および道路形状が同一とされた前記自車が既に走行済みの道路において過去に検出された前記自車の運転者の視線情報の履歴を含む道路形状依存運転情報履歴とされ、
    この道路形状依存運転情報履歴に基づいて、検出頻度が低い視線情報に対応する物体についての警報ほど、前記優先順位を高くするように判定すること
    を特徴とする請求項1に記載の車両警報装置。
  4. 前記自車との追突の可能性を有する物体が複数検出された場合に、最も優先順位が高い物体への注意を促す警報のみを出力することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両警報装置。
  5. 前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴が、前記自車の運転者による前記自車の走行にともなって更新可能とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両警報装置。
  6. 前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴の更新が、外部処理によって行われることを特徴とする請求項5に記載の車両警報装置。
  7. 前記優先順位を判定する際における自車の挙動も加味して、前記優先順位を判定することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車両警報装置。
  8. 前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴を保存する履歴保存手段と、
    この履歴保存手段によって保存された前記自車の運転者の過去の運転情報の履歴に基づいて、前記優先順位を判定する優先順位判定手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の車両警報装置。
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