JP2007002282A - 縁部絶縁部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電極板への取り付け及び取り外し作業を簡単に行うことができて電極板に強固に固定されるとともに、電極板との間に電解液が侵入することがなく、電極板に析出した金属を簡単に剥離することができる電解精錬用電極板の縁部絶縁部材を提供する。
【解決手段】 金属の電解精錬に用いられる電極板Eに取り付けられる縁部絶縁部材10であって、棒状をなす絶縁部材本体11の一側面には、電極板Eを嵌入するための装着溝12と電極板Eを挟持する一対の顎部13とが絶縁部材本体11の長手方向に沿って形成され、絶縁部材本体11の他側面には、締め付け具20装着用の嵌合凹所14が絶縁部材本体11の長手方向に沿って形成されるとともに、装着溝12の内面には、絶縁部材本体11よりも軟質な熱可塑性エラストマによって構成された弾性部材15が配置され、弾性部材15と絶縁部材本体11とが二色成形法によって一体成形されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属の電解精製や電解採取などの電解精錬工程において使用される電極板の縁部に取り付ける絶縁部材に関するものである。
一般に、金属の電解精錬においては、ステンレス鋼等の金属からなる電極板を陰極とし、これを精錬する金属からなる陽極とともに電解槽に収容して電解液に浸漬し、電解を行って電極板の両表面に金属を析出させ、これを剥離することで板状精製物を得る方法が適用されている。
例えば、銅の電解精錬では、従来、ステンレス鋼からなる電極板を陰極として比較的短時間の電解を行って厚さ0.5mmから1.0mm程度の銅の種板を得た後に、この種板を陰極として再度電解を行って種板の表面に銅を析出させる方法が用いられていたが、近年では、ステンレス鋼製の電極板を陰極として長時間の電解を行い、厚さ8mmから10mm程度の銅カソードを直接得るパーマネントカソード法が導入されている。このパーマネントカソード法では、種板を用いる場合に比べて銅カソードの懸垂性が改善されるために陰極と陽極との間の距離を短くして電流密度を上げることができ、生産性が大きく向上するとともに、不純物が少なく異常析出がない高品質の電気銅を得ることができるものである。
上記のような種板やカソードをステンレス鋼等で構成された電極板の両面に電着析出させた場合には、電着した金属を剥離する必要があるが、電極板の縁部にカソードが電着して表裏両面のカソードが連結された場合には、カソードを剥ぎ取ることが困難となってしまう。そこで、電極板の縁部へのカソードの電着を防止するための縁部絶縁部材が提供されている(特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1及び特許文献2に記載されている縁部絶縁部材は、棒状の絶縁部材本体の一側面に電極板を嵌入するための装着溝とこの装着溝に嵌入された電極板を挟み込む一対の顎部とが、絶縁部材本体の長手方向に沿って形成され、この装着溝の反対側には、装着溝と対向するように延びる嵌合凹所が形成されたものである。この嵌合凹所に円柱状の締め付け具をはめ込むことで上記一対の顎部が互いに近接するように移動して電極板を挟持することができる構成とされている。
そして、特許文献1に記載の縁部絶縁部材は、装着溝の内面にシール部材としてシリコンゴム(VQM)やクロロプレンゴム(CR)を配置して電極板と縁部絶縁部材とを強固に固定するものである。
また、特許文献2に記載の縁部絶縁部材は、ステンレス鋼製の電極板の縁部に形成された複数の穴部にピンを挿通することにより、縁部絶縁部材を電極板に強固に固定するものである。
特開平05−295584号公報 特開2001−355090号公報
ところで、特許文献1に記載の縁部絶縁部材は、例えばパーマネントカソード法のような電解液に長時間浸漬される電極板を対象としたものでなく、薄い種板を製造するための電極板を対象としたものであり、電解液に比較的短時間浸漬されるものとして構成されている。このため、例えばパーマネントカソード法のように、この縁部絶縁部材が160時間以上の長時間電解液中に浸漬された場合に、電解液を構成する酸や電解液の温度によって劣化してしまうおそれがあった。特に、シール部材としてシリコンゴム(VQM)やクロロプレンゴム(CR)等の熱硬化性エラストマを使用しているので、温度による劣化が激しく、縁部絶縁部材が使用中にずれてしまうおそれがあった。
また、パーマネントカソード法の中で広く採用されているISA法では、ステンレス鋼の電極板の縁部に穴部が複数形成されている。特許文献1に記載の縁部絶縁部材では、顎部での挟持を確実に行うために装着溝の深さは浅くされており、上記のISA法で使用される電極板の穴部を塞ぐことができるものではなかった。
さらに、特許文献1では、装着溝の内側にシール部材としてシリコンゴムやクロロプレンゴム等を接着しているが、シール部材と装着溝との間に電解液が入り込むおそれがあった。電解時間が長い場合には、電解液が入り込んだ部分でも金属が析出してしまい、縁部絶縁部材の装着溝が押し広げられて電極板から外れたりずれたりしてしまうといった問題があった。
また、特許文献2に記載の縁部絶縁部材では、電極板の穴部にピンを挿通して強固に絶縁部材を固定しているものの、絶縁部材本体が電解液の温度によって熱膨張した場合には、この穴部とピンとのわずかな隙間が生じ、電解液が侵入するおそれがあった。この隙間に電解液が侵入した場合には、穴部でも金属が析出し、電極板表面に析出した金属を簡単に剥ぎ取ることができなくなるといった問題があった。
さらに、専用機械によって電極板の表面に析出した金属を剥離した際には、ピンが破損してしまい、縁部絶縁部材を再度使用できなくなってしまうといった問題があった。
また、ピンを数箇所に配置しているので、この縁部絶縁部材の電極板への取り付け作業及び取り外し作業に多くの時間と労力を要していた。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、電極板への取り付け及び取り外し作業を簡単に行うことができて電極板に強固に固定されるとともに、電極板との間に電解液が侵入することがなく、電極板表面に析出した金属を簡単に剥離することができる電解精錬用電極板の縁部絶縁部材を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、金属の電解精錬工程において用いられる電極板の縁部に取り付けられる縁部絶縁部材であって、棒状をなす絶縁部材本体の一側面には、前記電極板を嵌入するための装着溝と該装着溝に嵌入された前記電極板を挟持する一対の顎部とが前記絶縁部材本体の長手方向に沿って形成され、前記絶縁部材本体の他側面には、締め付け具装着用の嵌合凹所が前記絶縁部材本体の長手方向に沿って形成されるとともに、前記装着溝の内面には、前記絶縁部材本体よりも軟質な熱可塑性エラストマによって構成された弾性部材が配置され、該弾性部材と前記絶縁部材本体とが二色成形法によって一体成形されていることを特徴としている。
この構成の縁部絶縁部材では、電極板と接触する装着溝の内面に軟質の弾性部材が配置されており、締め付け具を嵌合凹所に嵌めこむことにより、一対の顎部が互いに近接するように移動し、弾性部材が電極板の表面に強く押圧される。よって、電極板と弾性部材とが密着してこの縁部絶縁部材を電極板に強固に固定することができる。また、ピン等を挿通させることなく、締め付け具を嵌合凹所に嵌合させたり外したりすることで、電極板への取り付け及び取り外しができるので、縁部絶縁部材の取り付け及び取り外し作業を簡単に行うことができる。
また、弾性部材と絶縁部材本体とが二色成形されているので、これらの間に電解液が入り込まず金属が析出することがないので、装着溝が押し広げられて電極板から外れたりずれたりしてしまうおそれがない。
さらに、絶縁部材本体が弾性部材よりも硬質とされており、電解槽に収容する際の衝撃などによって縁部絶縁部材が変形することが防止される。
また,前記弾性部材が、熱可塑性エラストマによって構成されているので、長時間電解液に浸漬されていても弾性部材が劣化することがなく、縁部絶縁部材を電極板に安定して固定することができる。ここで、熱可塑性エラストマとしては、スチレン系(SBC)、オレフィン系(TPO)、ウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPEE)や、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、フッ素系樹脂などが挙げられる。
さらに具体的には、スチレン系(SBC)として、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)などが挙げられる。
また、オレフィン系(TPO)として、ポリプロピレン(PP)の中に各種ゴム材を微分散させた、PP−EPM、PP−EPDM、PP−NBR、PP−IRや、ポリエチレン(PE)の中にエチレンプロピレンゴムを微分散させたPE−EPDMなどが挙げられる。
また、ウレタン系(TPU)として、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール(PBA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール(PHC)などが挙げられる。
さらに、ポリエステル系(TPEE)として、ポリブチレンテレフタレート−ポリカプロラクトン(PBT−PCL)、ポリブチレンアジテート(PBA)などが挙げられる。
また、前記絶縁部材本体を、絶縁性と耐熱性と耐酸性を有するエンジニアリングプラスチックで構成することにより、縁部絶縁部材が電解液に長時間浸漬された場合でも、絶縁部材本体の劣化が防止される。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、フッ素系樹脂、ポリフェニルサルフォン(PPSF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはポリフェニルエーテル(PPE)等が挙げられる。
ここで、要求される耐熱性や耐酸性は浸漬される電解液によって異なるため、電解液を構成する酸や温度等を考慮して、好適な材料を選定することが好ましい。例えば、銅の電解精錬では、電解液が硫酸で構成されて約60℃に保持されているので、硫酸に対する耐酸性を有するとともに60℃で軟化や変質が起こらない程度の耐熱性を有するポリフェニルエーテル(PPE)を使用することが好ましい。
また、前記弾性部材の硬さを、タイプAデュロメータ(JIS K 6253)でA30からA90の範囲内とすることにより、電極板と弾性部材とが確実に密着して電極板に強固に固定される。
また、ISA法に使用されている電極板のように穴部が形成されている場合には、この穴部に弾性部材が弾性変形して入り込むことになる。穴部に入り込んだ弾性部材がアンカーの役割を果たすため、縁部絶縁部材を電極板にさらに強固に固定できる。
ここで、弾性部材の硬さがA90以下とされているので、押圧された際の弾性部材の変形量が小さすぎず、電極板との密着性を確保できる。一方、弾性部材の硬さがA30以上とされているので、押圧された際に弾性部材が潰れてしまうことが防止される。
以上のように、本発明によれば、電極板への取り付け及び取り外し作業を簡単に行うことができて電極板に強固に固定されるとともに、電極板との間に電解液が侵入することがなく、電極板表面に析出した金属を簡単に剥離することができる電解精錬用電極板の縁部絶縁部材を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。図1から図3に本実施の形態である縁部絶縁部材を示す。
縁部絶縁部材10は、図1及び図2に示すように、棒状をなす絶縁部材本体11と、絶縁部材本体11に装着される締め付けロッド20と、電極板Eと接触する弾性部材15とで構成されている。
絶縁部材本体11は、エンジニアリングプラスチックで構成されており、本実施形態では、ポリフェニルエーテル(PPE)で構成されている。このポリフェニルエーテルは、絶縁性、耐衝撃性、耐熱性、耐酸性に優れたものであり、特に、銅の電解精錬に使用される電解液である約60℃の硫酸液に対する耐酸性と耐熱性を有するものである。
棒状をなす絶縁部材本体11の一側面には、電極板Eの縁部を嵌入する装着溝12とこの装着溝12に嵌入された電極板Eを挟み込む一対の顎部13とが、絶縁部材本体11の長手方向に沿って形成されている。
装着溝12は、図1に示すように断面コの字状をなしており、一対の顎部13の内面が装着溝12の側壁面を構成し、一対の顎部13の連結部分に底面を有している。そして、この装着溝12の深さは、本実施形態では、18mmとされており、ISA法で使用されている電極板Eに縁部に形成された穴部を塞ぐことができるものである。
また、絶縁部材本体11において装着溝12が形成された一側面とは反対側の側面には、断面が絶縁部材本体11内部側に凹んだ凹曲線状をなす嵌合凹所14が、絶縁部材本体11の長手方向に沿って装着溝12と平行に延びるように形成されている。本実施形態では、図1に示すように、嵌合凹所14の断面が円の一部を切り欠いた円弧状に形成されている。
この嵌合凹所14には、締め付けロッド20が嵌合される。締め付けロッド20は、図2に示すように長尺の円柱状をなしており、その外径が、嵌合凹所14の断面がなす円弧の径よりもわずかに大きくなるように形成されている。つまり、嵌合凹所14に締め付けロッド20を嵌合することによって、嵌合凹所14が押し広げられるように変形させられるのである。
弾性部材15は、図1に示すように、絶縁部材本体11に形成された装着溝12の内面、つまり一対の顎部13が互いに対向する面と装着溝12の底面とにそれぞれ形成されている。この弾性部材15は、熱可塑性エラストマから構成されており、本実施形態では、スチレン系エラストマの一種であるスチレンエチレンブチレンブロック共重合体(SEBS)で構成されている。そして、この弾性部材15の硬さは、タイプAデュロメータでA30からA90の範囲内となるように設定されており、本実施形態ではA82とされている。
絶縁部材本体11と弾性部材15とは、二色成形法によって一体成形されている。つまり、絶縁部材本体11を構成するポリフェニルエーテルと、弾性部材15を構成するスチレンエチレンブチレンブロック共重合体とを、同じ金型内に充填して一体に成形されており、弾性部材15と絶縁部材本体11との間には接着部材などの接合層が形成されていないのである。
この縁部絶縁部材10は、電解精錬で用いられるステンレス鋼製の電極板Eに取り付けられて使用される。図3に示すように、電極板Eの側縁部と下縁部にこの縁部絶縁部材10が取り付けられる。電極板Eへの取り付けは、次のようにして行われる。まず、装着溝12に電極板Eの縁部を嵌入する。その後、装着溝12の反対側に形成された嵌合凹所14に締め込みロッドを嵌合すると、嵌合凹所14が押し広げられるように変形し、一対の顎部13の付け根部分を支点として、一対の顎部13が互いに近づくように変形して、装着溝12に嵌入された電極板Eを挟持して固定するのである。
このようにして電極板Eの両側縁部と下縁部に縁部絶縁部材10が取り付けられ、この電極板Eを陰極として、銅からなる陽極とともに電解槽に収容して硫酸で構成された電解液に浸漬して電解を行うが、パーマネントカソード法では160時間以上の長時間の電解を行うことになる。すると、電極板Eの両表面に厚さ8mmから10mmの銅が析出し、これを剥離することで板状の銅カソードが得られるのである。
この縁部絶縁部材10によって、陰極であるステンレス製の電極板Eと陽極とが接触することが防止され、電解が安定して行われる。さらに、縁部絶縁部材10によって両表面に析出した銅カソードが縁部で接続することが防止され、銅カソードの剥離を容易に行うことができるのである。
そして、本実施形態である縁部絶縁部材10では、電極板Eと接触する装着溝12の内面に軟質の弾性部材15が配置されており、一対の顎部13が互いに近接するように移動して弾性部材15が電極板Eの表面に強く押圧されて密着することにより、縁部絶縁部材10を電極板Eに強固に固定することができる。また、電極板Eと装着溝12との間に隙間が生じず電解液が入り込むことを防止でき、パーマネントカソード法のように電解時間が長い場合でも、上記隙間に銅が析出することがなく、縁部絶縁部材10が外れたりずれたりしてしまうことを防止できる。
また、弾性部材15と絶縁部材本体11とが二色成形法によって一体に成形されているので、弾性部材15と絶縁部材本体11との間に電解液が入り込むことを防止でき、電解液に浸漬中に縁部絶縁部材10がずれたりしてしまうことがない。
また、弾性部材15を、熱可塑性エラストマであるスチレンエチレンブチレンブロック共重合体で構成しているので、約60℃に保持された電解液の中に長時間浸漬された場合であっても、弾性部材15が劣化することがなく、電極板Eと縁部絶縁部材10とが強固に固定され、電解中に縁部絶縁部材10が外れたりずれたりすることを防止できる。
また、絶縁部材本体11を、絶縁性、耐衝撃性、耐熱性、耐酸性に優れたポリフェニルエーテルで構成することにより、縁部絶縁部材10が硫酸で構成された60℃の電解液に長時間浸漬された場合でも、絶縁部材本体11の劣化を防止することができる。
さらに、弾性部材15の硬さが、タイプAデュロメータでA82とされているので、電極板Eと弾性部材15との密着が確実に行われる。また、ISA法に使用されている電極板Eのように穴部が形成されている場合には、この穴部に弾性部材15が弾性変形して入り込んで、穴部に入り込んだ弾性部材15がアンカーの役割を果たすので、縁部絶縁部材10を電極板Eにさらに強固に固定できる。
このように本実施形態である縁部絶縁部材10によれば、ピン等を挿通させることなく、締め付けロッド20を嵌合凹所14に嵌合したり外したりすることで、電極板Eへの取り付け及び取り外しができるので、縁部絶縁部材の取り付け及び取り外し作業を簡単に行うことができる。また、弾性部材15が電極板E表面に強く密着するので、電極板Eとの間に電解液が侵入することがなく、電極板Eに析出した銅カソードを簡単に剥離することができる。
なお、本実施の形態においては、パーマネントカソード法による銅の電解精錬について説明したが、これに限定されることはなく、他の金属、例えばNi、Znなどの電解精製、電解採取に使用される電極板Eに取り付ける縁部絶縁部材10であってもよい。
また、絶縁部材本体11をポリフェニルエーテルで構成したもので説明したが、これに限定されることはなく、他の合成樹脂であってもよい。ただし、電極板Eが浸漬される電解液の成分、温度、時間を考慮して、耐酸性、耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチックを選定することが好ましい。
また、弾性部材15を構成する熱可塑性エラストマとして、スチレン系であるスチレンエチレンブチレンブロック共重合体(SEBS)を使用したもので説明したが、これに限定されることはなく、他の熱可塑性エラストマであってもよい。ただし、ウレタン系(TPU)のものは耐酸性が劣り、ポリエステル系のものは耐温水性に劣るため、特にスチレン系(SBC)、オレフィン系(TPO)の熱可塑性エラストマで構成することが好ましい。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った比較実験の結果について説明する。比較試験は、図4に示すように、厚さ3.2mmのステンレス板を絶縁部材で挟み込んで、一方(図4において右側)のステンレス板を固定し、他方(図4において左側)から絶縁部材をバネ秤を用いて引っ張り、ステンレス板が外れた際の引っ張り力を評価した。
比較例として、顎部の内面にエラストマを配置しない縁部絶縁部材を試験に供した。本発明例1として、顎部の内面に硬さがタイプAデュロメータでA99であるエラストマを配置したものを試験に供した。また、本発明例2として、顎部の内面に硬さがタイプAデュロメータでA82であるエラストマを配置したものを試験に供した。
比較試験結果を表1に示す。
Figure 2007002282
表1に示すように、比較例では、74Nの引っ張り力で縁部絶縁部材が外れており、電極板と縁部絶縁部材とが密着していないことが確認された。
本発明例1では、181Nの引っ張り力で縁部絶縁部材が外れている。比較例に比べて強固に固定されていることが確認された。
さらに、本発明例2では、200N以上の引っ張り力においても縁部絶縁部材が外れておらず、電極板と縁部絶縁部材とが強固に密着していることが確認された。
このように本発明例によれば、電極板と縁部絶縁部材とが強固に密着して外れないので、電極板と縁部絶縁部材との間に電解液が侵入するおそれがない。
本実施の形態である縁部絶縁部材の断面図である。 図1の縁部絶縁部材をステンレス電極板に取り付けた状態を示す斜視部分拡大図である。 図2の正面図である。 比較実験の様子を示す説明図である。
符号の説明
10 縁部絶縁部材
11 絶縁部材本体(本体)
12 装着溝
13 顎部
14 嵌合凹所
15 弾性部材
20 締め付けロッド(締め付け具)

Claims (3)

  1. 金属の電解精錬工程において用いられる電極板の縁部に取り付けられる縁部絶縁部材であって、
    棒状をなす絶縁部材本体の一側面には、前記電極板を嵌入するための装着溝と該装着溝に嵌入された前記電極板を挟持する一対の顎部とが前記絶縁部材本体の長手方向に沿って形成され、前記絶縁部材本体の他側面には、締め付け具装着用の嵌合凹所が前記絶縁部材本体の長手方向に沿って形成されるとともに、
    前記装着溝の内面には、前記絶縁部材本体よりも軟質な熱可塑性エラストマによって構成された弾性部材が配置され、
    該弾性部材と前記絶縁部材本体とが二色成形法によって一体成形されていることを特徴とする縁部絶縁部材。
  2. 前記絶縁部材本体が、絶縁性と耐熱性と耐酸性とを有するエンジニアリングプラスチックで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の縁部絶縁部材。
  3. 前記弾性部材の硬さが、タイプAデュロメータでA30からA90の範囲内とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の縁部絶縁部材。
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