JP2007001941A - 遺体からの体液漏出防止法および滲出液防止法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 体液漏れが始まっている遺体や、脳挫傷等で鼻や耳から出血している遺体などの、どのような状態の遺体に対しても適用可能な、効果的な体液漏れ止め法を提供すること。
【解決手段】 水と相溶し、かつ、水と反応して水不溶のゲルを生成する特性のあるプレポリマー、または、このようなプレポリマーを水と相溶する溶媒で希釈したものに、水を加えて硬化反応を起こさせ、注射器での注入が可能な程度の流動性を有している間に、遺体の必要な部位に注入または塗布する方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、遺体の口や鼻等から体液漏れが始まっている遺体や、脳挫傷等で鼻や耳から出血している遺体など、どのような状態の遺体に対しても体液を極めて容易かつ効果的に漏出を阻止する方法に関する。
人間が死亡した場合、体液が遺体の口や鼻等から漏出してくるので、これを漏出させないようにする処置が必要である。また、生前、治療のためにチューブが刺し込まれていた場合には、チューブ抜去後の刺入部から滲出液が出ることがあり、遺体処置者がこれに触れると病気感染の危険性がある。また、創部や手術の縫合部がある場合にも、これらから滲出液が出ることがあり、同様の危険性がある。
体液の漏れ止めの手段としては、従来より脱脂綿を詰める方法が唯一であったが、労力を要し、また、効果が完全ではないという問題があった。そこで、本発明者は高吸水性樹脂(ポリアクリル酸ナトリウム架橋物)の微細パウダーを鼻等に注入するという新しい技術を開発し、下記特許文献により提案したが、脱脂綿詰めに代わって普及しつつある。
特開平10−298001号公報 特開2002−315792号公報
しかし、この高吸水性樹脂の微細パウダーの適用にも限界がある。すなわち、既に体液漏れが始まっている遺体や、脳挫傷等で鼻や耳から出血している遺体には注入が困難である。高吸水性樹脂の微細パウダーは、ドライな状態ではあたかもガスや液体のように細いチューブを経由して口や鼻に注入可能であるが、チューブの先端が体液と接触して濡れてしまうと、パウダーが凝集し、流動性を失うためである。
チューブ刺入部等からの滲出液を止める方法に関しては、滲出液からの感染危険性の認識の低さもあり、有効な手段は開発されていない。せいぜい、ガーゼをあてがって粘着テープで固定する程度であるが、効果は不完全である。
体液漏れ止め用の高吸水性樹脂微細パウダーをチューブ刺入部や手術の縫合部に散布することで滲出液を吸収することはできるが、滲出液を吸収したゲルの強度や付着力が弱いので、遺体を動かすと脱落し、効果はほとんど期待できない。
そこで、本発明は、体液漏れが始まっている遺体や、脳挫傷等で鼻や耳から出血している遺体に対しても適用可能な、効果的な体液漏れ止め法を提供するために考えられたものである。
本発明の遺体からの体液漏出防止法および滲出液防止法は、水と相溶し、かつ、水と反応して水不溶のゲルを生成する特性のあるプレポリマー、または、このようなプレポリマーを水と相溶する溶媒で希釈したものに、水を加えて硬化反応を起こさせ、注射器での注入が可能な程度の流動性を有している間に、遺体の必要な部位に注入または塗布する方法である。
本発明の方法によると、遺体から体液の漏れ止めに効果があるだけでなく、チューブ刺入部や手術の縫合部からの滲出液を止めることにも大きな効果がある。また、本発明の方法によると、体液漏れが始まっている遺体や、脳挫傷等で鼻や耳から出血している遺体などの、どのような状態の遺体に対しても適用して、効果的に体液の漏れ止めを施すことができる。
本発明の方法によると、極めて容易かつ効果的に滲出液をブロックできるので、遺体処置者が病気に感染する危険性を小さくすることができる。
本発明者は、遺体処置や医療分野とは全く異なる土建分野の技術に着目した。すなわち、土建分野では、水と反応してゴム弾性のあるゲルを生成する性質のある親水性のプレポリマーを注入して、止水や地盤安定化、法面の侵食防止等が実施されているが、これに着想を得て、前記の課題を解決できる技術の開発に到達したものである。
本発明の根幹は、水と接触してゴム弾性を有する強固な含水ゲルを速やかに形成するプレポリマー組成液を、遺体の必要な部位に注入または塗布し、当該部位にゴム弾性を有する皮膜やブロックを形成させることにある。
注入用液として低粘度の液体を用いることにより、体液が漏れ出している場合でも、注射器による注入を可能にした。
プレポリマーだけを注入または塗布して、体液や滲出液との接触により硬化させる方法が単純であり適用しやすいが、体液や滲出液の量が少ない場合には硬化速度が遅く、注入または塗布したプレポリマーが硬化前に流れ出すことがある。
この観点から、本発明では、注入または塗布の直前にプレポリマーに水を加えて混合し、硬化反応が進行中の混合液を速やかに注入または塗布する方法を採用した。体液や滲出液の有無や量に無関係に速やかにゲルが形成されるので、確実な効果が期待できる。
水と相溶性があり、水と反応して水不溶のゲルを生成するプレポリマーであれば、本発明の目的に使用できるが、最も使いやすいのは親水性のポリエーテルポリオールとポリイソシアネートを反応させて末端をイソシアネート基に変えたウレタンプレポリマーである。
親水性のポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、および、これらの共重合体、すなわち、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドのいずれかまたは両方をモノマーとして得られるポリエーテルポリオールが適している。
本発明を実施する場合、実用上の重要な因子に、組成液の粘度、硬化速度、および、硬化して得られるゲルの強靭性がある。
土建分野では強力なポンプによる圧入が可能であるから、注入するプレポリマーの粘度の制約は受けないが、遺体へ適用する場合には、注射器による注入や滴下が主であるため、粘度が低いことが必要である。
ポリエーテルポリオールの分子量を小さくすることによっても低粘度化は達成できるが、硬化して得られるゲルのゴム弾性が小さくなる傾向がある。ポリエーテルポリオールの分子量は数平均で600〜4000の範囲のものを使用し、溶媒で希釈して粘度を低下させるのが望ましい。溶媒としては、水と混ざり、かつ、ウレタンプレポリマーと反応しないことが必要であり、メチルエチルケトンやプロピレンカーボネートが適している。前者は低価格であるが独特のニオイが強いので、本用途には、後者の方が適している。
硬化速度の制御も重要である。既に体液漏れがあるような遺体では、できるだけ短時間での硬化が望ましい。しかし、余りに、硬化速度が速過ぎる場合、注射器による注入に手間取ると注入困難に陥ることになる。
使いやすい硬化時間は、1分〜3分程度である。これより短いと、注入作業が完了しない危険性があり、これより長いと、既に体液漏れが起きている遺体や出血のある遺体に対しては、適用しにくくなる。
硬化速度は、使用するポリイソシアネートの種類で変わってくる。使いやすいポリイソシアネートの代表はトリレンジイソシアネート(TDI)であるが、他のポリイソシアネートでも使用可能である。
また、ウレタンプレポリマーだけでなく、これにポリイソシアネートを加えた方が、硬化速度が速くなり、かつ、得られるゲルのゴム弾性も高くなる。ウレタンプレポリマーとポリイソシアネートの重量比は、95:5から70:30が適当である。
水を加えて硬化させる場合の水の量も硬化速度に影響する。水の量が多過ぎれば硬化速度が低下し、かつ、ゲルのゴム弾性も低下する。ウレタンプレポリマーと水の重量比が、15:85から40:60が適当である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリエーテルジオール(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド30/70の共重合体。数平均分子量800)とトリレンジイソシアネートを反応させ、末端がイソシアネートのウレタンプレポリマーを調製した。
この際、トリレンジイソシアネートを理論量より多く加え、過剰のトリレンジイソシアネートが残るようにした。
この組成物にプロピレンカーボネートを加えて希釈した。湿気による硬化を防ぐため密閉容器で保管した。
このウレタンプレポリマー組成液の濃度は次の通りである。
(1)ウレタンプレポリマー :74%
(2)トリレンジイソシアネート:11%
(3)プロピレンカーボネート :15%
(実施例2)
ポリエーテルジオール(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド50/50の共重合体。数平均分子量2000)と4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を反応させ、末端がイソシアネートのウレタンプレポリマーを調製した。
このプレポリマーにポリメリックMDIを加え、プロピレンカーボネートを加えて希釈した。湿気による硬化を防ぐため密閉容器で保管した。
このウレタンプレポリマー組成液の濃度は次の通りである。
(1)ウレタンプレポリマー :70%
(2)ポリメリックMDI : 5%
(3)プロピレンカーボネート:25%
(実施例3)
実施例1で調製したウレタンプレポリマー組成液5mLを注射器で吸い上げ、次いで、水15mLを吸い上げた。直ちに、注射器を10秒間激しく振り、水とウレタンプレポリマー組成液を均一に混合した後、脳挫傷を起こしている遺体の鼻に注射器を通して全量注入した。
同じ操作を、左右の耳に対しても施し、それぞれに、混合液各20mLを注入した。
遺体は、出血を起こしており、鼻と耳から血が混じった体液が漏出していたが、混合液注入後、2分でゴム弾性があるゲルが生成し、血が混じった体液の漏出が止められた。
(実施例4)
実施例1で調製したウレタンプレポリマー組成液5mLを注射器で吸い上げ、次いで、水10mLを吸い上げた。直ちに、注射器に入れたまま10秒間激しく振り、水とウレタンプレポリマー組成液を均一に混合した後、遺体のチューブ刺入部に注入した。注入後1分間でゴム弾性のある皮膜が形成され、刺入部からの滲出液がブロックされた。
(実施例5)
実施例2で調製したウレタンプレポリマー組成液5mLを注射器で吸い上げ、次いで、水10mLを吸い上げた。直ちに、注射器に入れたまま10秒間激しく振り、水とウレタンプレポリマー組成液を均一に混合した後、遺体の手術縫合部に注射器を通して滴下した。滴下後1分間でゴム弾性のある皮膜が形成され、縫合部からの滲出液がブロックされた。

Claims (3)

  1. 水と相溶し、かつ、水と反応して水不溶のゲルを生成する特性のあるプレポリマー、または、このようなプレポリマーを水と相溶する溶媒で希釈したものに、水を加えて硬化反応を起こさせ、注射器での注入が可能な程度の流動性を有している間に、遺体の必要な部位に注入または塗布することを特徴とする、遺体からの体液漏出防止法および滲出液防止法。
  2. プレポリマーが次の特徴を有するウレタンプレポリマーである請求項1記載の遺体からの体液漏出防止法および滲出液防止法。
    (1)プロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドのいずれかまたは両方をモノマーとして得られるポリエーテルポリオールとイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートとを反応させて生成する、末端がイソシアネート基である親水性ウレタンプレポリマー。
    (2)上記ウレタンプレポリマーに対し、ポリイソシアネートを5ないし30%添加した親水性ウレタンプレポリマー組成物。ポリイソシアネートは後添加に限定するものではなく、ポリエーテルポリオールにポリイソシアネートを反応させる際に、理論量より過剰に加える方式でも差し支えない。
  3. ウレタンプレポリマーまたはウレタンプレポリマー組成物をプロピレンカーボネートで希釈して粘度を下げ、注射器による吸い上げ、注入、塗布を可能にしたことを特徴とする請求項2記載の遺体からの体液漏出防止法および滲出液防止法。
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