JP2007001937A - 暑熱ストレス軽減組成物及び該組成物を含有する飲食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 食欲や行動意思の低下する暑さの厳しい時期(例えば日本の夏)であっても嗜好的に継続して摂取することができる暑熱ストレス軽減組成物及び該組成物を含有する飲食品を提供する。
【解決手段】 酒粕及び米こうじを少なくとも含有させることにより暑熱ストレス軽減組成物を得る。本発明の暑熱ストレス軽減組成物は、暑熱ストレスによる食欲低下及び/又は暑熱ストレスによる自発行動量低下を抑制するために用いることが好ましい。また、本発明の暑熱ストレス軽減組成物は、酒粕及び米こうじを少なくとも含有する甘酒からなるものとすることができる。この暑熱ストレス軽減組成物を用いて風味を生かした飲食品を得ることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】 酒粕及び米こうじを少なくとも含有させることにより暑熱ストレス軽減組成物を得る。本発明の暑熱ストレス軽減組成物は、暑熱ストレスによる食欲低下及び/又は暑熱ストレスによる自発行動量低下を抑制するために用いることが好ましい。また、本発明の暑熱ストレス軽減組成物は、酒粕及び米こうじを少なくとも含有する甘酒からなるものとすることができる。この暑熱ストレス軽減組成物を用いて風味を生かした飲食品を得ることができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、酒粕及び米こうじを少なくとも含有することを特徴とする暑熱ストレス軽減組成物及び該組成物を含有する飲食品に関する。
健康維持のためには日々の食事から適切に栄養を摂取し、適度に運動することが大切である。しかしながら、暑さの厳しい時期(例えば日本の夏)の気象環境にさらされた体の調子は、健康人であっても不良となりやすく、食欲不振や行動意欲の減退の症状となって現れる。また、暑さの厳しい時期にその症状があらわれなくても、その後快適な気温のなったときに、蓄積されたストレスが食欲不振や行動意欲の減退の症状になって現われることもある。一般に、このような暑熱ストレスに対する応答は、生物体に与えられた生体防御システムの正常な機能発動であるということもできるが、日々の生活を快適に過すためには、その症状を避け得ることが望まれる。したがって、有効に暑熱ストレスを軽減することができる組成物の提供が期待されている。
一方、古くから嗜好飲食品として常用されている甘酒は、麹菌による米の醗酵によって得られる酒粕や米麹からなる、いわゆる発酵食品である。麹菌による米の醗酵においては、麹菌が米を栄養源として増殖する際に、デンプン等が糖化されて甘味成分であるブドウ糖が生成し、さらに人間の体内で生合成されない必須ビタミン類や必須アミノ酸も多く生成する。したがって、甘酒は消化管吸収性のよい栄養成分を多く含む飲食品である。
甘酒の効用としては、例えば、下記特許文献1に、酒粕及び米麹を含有してなることを特徴とする機能性健康飲食品が開示され、甘酒の摂取によって、抗肥満作用、血中脂質改善作用、学習記憶改善作用(健忘症抑制作用)、血圧降下の各種作用効果が得られることが記載されている。
また、その成分である米麹の効用に関して、例えば下記特許文献2には、米麹及び/又はその抽出物からなるストレス性微小循環不全改善剤が開示されている。
特開2004−261119号公報
特開2005−82562号公報
健康維持を目的とした様々な組成物が提案されており、上記特許文献1又は特許文献2に記載された組成物が例示されるが、それらは暑さの厳しい時期(例えば日本の夏)の気象環境にさらされた体の調子を整え、食欲不振や行動意欲の減退の症状を軽減するための組成物ではない。
したがって、本発明は、風味がよく、様々な飲食品に容易に配合可能であり、食欲や行動意思の低下する夏の暑い時期であっても嗜好的に継続して摂取することができる暑熱ストレス軽減組成物及び該組成物を含有する飲食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、甘酒の生理機能を研究する中で、意外にも甘酒が暑熱ストレスを軽減する効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の暑熱ストレス軽減組成物は、酒粕及び米こうじを少なくとも含有することを特徴とする。
本発明の暑熱ストレス軽減組成物においては、更に、甘味成分を含有するものとすることができる。
本発明の暑熱ストレス軽減組成物は、暑熱ストレスによる食欲低下や自発行動量低下を抑制するために好適に用いることができる。
また、本発明の暑熱ストレス軽減組成物は、酒粕及び米こうじを少なくとも含有する甘酒からなるものとすることができる。
本発明のもう一つは、酒粕及び米こうじを少なくとも含有し、暑熱ストレスを軽減するために用いられるものである旨の表示を付した飲食品を提供する。
本発明の飲食品においては、更に、暑熱ストレスによる食欲低下を抑制するために用いられるものである旨の表示を付たものとすることができる。
また、本発明の飲食品においては、更に、暑熱ストレスによる自発行動量低下を抑制するために用いられるものである旨の表示を付したものとすることができる。
更にまた、本発明の飲食品は、酒粕及び米こうじを少なくとも含有する甘酒からなるものとすることができる。
本発明の暑熱ストレス軽減組成物によれば、酒粕及び米こうじを少なくとも含有することにより、暑熱ストレスを軽減することができ、特に、暑さの厳しい時期(例えば日本の夏)の気象環境にさらされた体にかかる暑熱ストレスによる食欲低下や自発行動量低下を抑制することができる。
本発明において暑熱ストレスとは、暑さの厳しい時期(例えば日本の夏)の気象環境にさらされた体にかかる身体的ストレスを意味し、例えば、食欲不振、行動意欲の減退、いわゆる夏バテ等の身体的症状をもたらすものをいうが、それらの症状によって限定されるものではない。特に、持続的な高温日や熱帯夜、又は寒暑の急激な変化等の気象環境下において強く体に与えられるものをいう。
本発明で用いられる酒粕は、麹菌や酵母菌による原料米の発酵を利用した日本酒の醸造工程において生じる固形残渣物である。したがって、上記酒粕は、麹菌による米のデンプン質の糖化作用によって生成するブドウ糖等の甘味成分、酵母菌によるアルコール発酵で生成するアルコール分、麹菌や酵母菌のタンパク質・ペプチド分解酵素の作用によって生成するオリゴペプチド若しくはアミノ酸、麹菌や酵母菌の生合成によって生成するビタミン類、低分子化されずに残る多糖類、ポリペプチド、繊維質などを含有し、更に、原料となった米、麹菌、酵母菌の残渣物を含む組成物である。
上記日本酒の醸造のための方法は、公知の方法に準じたものとすることができ、吟醸酒、吟醸純米酒、大吟醸酒、純米酒、特別純米酒、本醸造酒、特別本醸造酒等であって、風味・芳香のよい日本酒の醸造後に得られる酒粕であれば、その風味・芳香を持ち込んだ暑熱ストレス軽減組成物とすることができるので好ましい。
また、本発明において用いられる酒粕は、事実上の日本酒の醸造にともなって得られる酒粕以外にも、日本酒の醸造とその原理を同じくする処理を上記原料に施すことによっても得ることができる。
本発明において用いられる米こうじは、蒸した米に麹菌を付着させ、増殖させることで米を醗酵させたものである。したがって、上記米こうじは、増殖した麹菌とともに、麹菌による米のデンプン質の糖化作用によって生成するブドウ糖等の甘味成分、麹菌のタンパク質・ペプチド分解酵素の作用によって生成するオリゴペプチド若しくはアミノ酸、麹菌の生合成によって生成するビタミン類、低分子化されずに残る多糖類、ポリペプチド、繊維質などを含む組成物である。
上記米こうじを得るための方法は、公知の方法に準じたものとすることができ、風味・芳香のよい酒や、味噌、醤油等の製造のための種麹として使用されるものであれば、その風味・芳香を持ち込んだ暑熱ストレス軽減組成物とすることができるので好ましい。
本発明においては、上記米こうじを含有させることにより、原料の米の残渣物が、飲食の際の食感としてほどよい粒々感を与えることができる。
本発明において用いられる甘味成分は、通常の食品用原料として用いられているものであれば特に制限はなく、砂糖、水アメ、蜂蜜、オリゴ糖、ぶどう糖、ステビア、キシリトール、トレハロース、アスパラテーム、スクラロース等が挙げられる。例えば、砂糖を甘味成分とすれば、本発明の暑熱ストレス軽減組成物を飲食品として用いる場合に、変色しにくくうまみもあるので好ましい。
本発明の暑熱ストレス軽減組成物は、例えば総量1L中の組成として、次の組成が例示される。すなわち、酒粕5〜300g、好ましくは10〜150g、更に好ましくは15〜100g;米こうじ(乾燥こうじ)0.5〜200g、好ましくは1〜150g、更に好ましくは5〜100g。また、所望により甘味料を添加することもできる。甘味料を添加する場合は甘味料が砂糖であれば添加量は砂糖1〜150g、好ましくは10〜100g、更に好ましくは15〜80gである。この配合によれば、酒粕、米こうじ、甘味成分のそれぞれの風味・芳香を相互に引き立て、深みのある味わいを醸し出すことができる。
本発明の暑熱ストレス軽減組成物の製造方法は、原料を適宜混合、攪拌すればよいが、その際、加温してもよい。加温は、糖化促進や各成分の可食化をはかる等の目的で、例えば20〜80℃、好ましくは50〜65℃、更に好ましくは60℃前後とするのがよい。また、米こうじには米粒が残っており、酒粕にも米粒が残っている場合があるため、磨砕処理により飲用し易くしたりすることもできる。また、攪拌混合後、更に、ショウガ、塩、梅肉エキス、柚子等の呈味性を有する調味成分、又は、香料等を添加してもよく、それによってその風味・芳香にアクセントを付与することができる。
また、保存性あるいは流通便宜性の点で有利な凍結乾燥体とすることもでき、その場合は、凍結乾燥体5〜20g、好ましくは10〜15gに対して、4〜100℃、好ましくは60〜80℃の水100mlで戻すことで、好適に飲用に供される。
また、本発明の暑熱ストレス軽減組成物においては、上記のようにして得られた組成物を濃縮・ペースト化等することで、直接食用するのに適した組成物とすることもできる。
更にまた、本発明の暑熱ストレス軽減組成物においては、食品用原料として許容される、増粘剤、保存剤、安定剤、酸味料等を含有することができ、それによって飲食用に適した飲食品素材とすることができる。
本発明において、暑熱ストレス軽減組成物の製剤形態は特に限定されず、公知技術に準じた方法で、医薬的に許容される担体や賦形剤、その他添加剤を用いて、例えば、錠剤、粉末、顆粒、カプセル剤、ドリンク剤等の剤形とすることができる。
本発明の暑熱ストレス軽減組成物においては、上記酒粕及び米こうじを、その合算総重量の固形分換算で5質量%以上含むことが好ましく、10質量%以上含むことがより好ましい。また、上記酒粕及び米こうじのみをその固形成分として含有するものであってもよい。
本発明において「表示を付した」とは、製品の容器、袋、箱等の包装材料等に直接表示されたものだけでなく、製品の袋や箱等に同封された印刷物、製品パンフレット、代理店等に対する販促資料、更にはインターネットのホームページ等に記載された製品情報等に表示されたものを含む意味である。
本発明においては、上記暑熱ストレス軽減組成物又はそれを含む飲食品を経口的に摂取することで暑熱ストレスを軽減することができる。その有効投与(摂取)量は、上記酒粕及び米こうじの合算総重量の固形分換算で成人一日当り0.25〜1g/kgであり、好ましくは0.4〜0.6g/kgである。
本発明の暑熱ストレス軽減組成物の機能性が発揮されるメカニズムの詳細は明らかではないが、上記暑熱ストレス軽減組成物に含まれる、アルコール分、オリゴペプチド、アミノ酸、ビタミン類、繊維質、オリゴ糖、多糖類等の成分、あるいは、米、麹菌、酵母菌の残渣物などによる相乗的な作用効果によるものであることが考えられる。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<実施例1>(甘酒の調製)
下記表1に示した配合により各原料を混合し、品温60℃で攪拌しながら5時間保持して甘酒を調製した。
下記表1に示した配合により各原料を混合し、品温60℃で攪拌しながら5時間保持して甘酒を調製した。
この甘酒は温めて飲んでも、更に、冷やして飲んでも口当たりさわやかで風味よい飲料であった。また、その成分は下記表2に示すとおりであり、その栄養学的換算熱量は78.5Kcal/100gであった。
<実験例1>(暑熱ストレス軽減効果)
マウスが31℃の高温生育条件下にさらされることによる暑熱ストレスについて、実施例1で調製した甘酒を用いて、その摂取による影響を調べた。具体的には、実験動物として、ICR系雄性マウス(日本クレア株式会社製)を7週齢で購入し、1週間の予備飼育後、3群(一群10匹)に分け、それぞれ下記の3種の飼育条件で5日間飼育した後、ストレスマーカーであるコルチコステロンの血中濃度を、RIA硫安塩析法を用いて測定した。
マウスが31℃の高温生育条件下にさらされることによる暑熱ストレスについて、実施例1で調製した甘酒を用いて、その摂取による影響を調べた。具体的には、実験動物として、ICR系雄性マウス(日本クレア株式会社製)を7週齢で購入し、1週間の予備飼育後、3群(一群10匹)に分け、それぞれ下記の3種の飼育条件で5日間飼育した後、ストレスマーカーであるコルチコステロンの血中濃度を、RIA硫安塩析法を用いて測定した。
・飼育条件
1:高温(31℃)・甘酒投与群
2:高温(31℃)・水投与群(高温対照群)
3:常温(24℃)・水投与群(常温対照群)
1:高温(31℃)・甘酒投与群
2:高温(31℃)・水投与群(高温対照群)
3:常温(24℃)・水投与群(常温対照群)
なお、上記測定においては、後述する実験例2の試験終了時にマウスを屠殺、採血し、各試験群10匹分からの採血試料を当量づつまとめて各試験群についての測定試料とした。
図1に示すように、血清コルチコステロン濃度は、高温対照群において常温対照群の約2倍に上昇するのに対し、高温・甘酒投与群では約1.5倍の上昇にとどまり抑制された。
この結果から、甘酒の摂取により暑熱ストレスを軽減する効果が得られることが明らかとなった。
<実験例2>(食欲低下抑制効果)
実施例1で調製した甘酒を用いて、マウスが31℃の高温生育条件下にさらされることによる暑熱ストレス状態において、その摂食量及び体重の増減に関して甘酒摂取の影響を調べた。
実施例1で調製した甘酒を用いて、マウスが31℃の高温生育条件下にさらされることによる暑熱ストレス状態において、その摂食量及び体重の増減に関して甘酒摂取の影響を調べた。
実験期間は4日間とし、実施例1で調製した甘酒、又は、対照の水を被験サンプルとして1日一回、定刻(13時)に胃内ゾンデにて投与した。また、マウス飼料(商品名「CE−2」、日本クレア株式会社製)100g(346.8Kcal)を、飼育ケージの飼料置きに配して自由摂食させ、その24時間当りの重量変化からマウスの1日当りの食餌摂取量を求めた。なお、被験マウスは1匹ごとに飼育ケージで飼育し、自由摂食させる飼料は毎日新しいものに交換した。また、飼料交換、飼料の重量測定及びマウスの体重の測定は上記被験サンプル投与前におこなった。それらの結果を、それぞれ試験群について10匹の平均値として、図2(a)及び(b)に示す。
図2(a)に明らかなように、常温(24℃)・水投与群(常温対照群)からは、成長途中のマウス(8週齢)が示す正常な摂食量増加曲線が得られる一方、高温(31℃)・水投与群(高温対照群)においては、全ての測定点においてその食餌摂取量は常温対照群に比べ低く、試験開始から4日目には摂食量の減少傾向が認められた。それに対し、高温(31℃)・甘酒投与群においては、全ての測定点においてその食餌摂取量が対照群に比べ低いものの、試験開始後4日目にもその摂食量増加曲線において減少傾向が認められず、正常な摂食量増加曲線と相似な摂食量増加曲線が得られた。
一方、体重変化については、図2(b)に明らかなように、高温(31℃)・甘酒投与群と高温対照群において、試験開始後1日目と2日目に体重の減少傾向を示し、その後増加傾向に転じ、4日目では再び減少傾向を示した。したがって、その体重増大抑制傾向は共通であったが、高温(31℃)・甘酒投与群の体重増減曲線が高温対照群の体重増減曲線を下回ることはなかった。
上記の結果にみられる、高温(31℃)環境下での摂食量の低下や体重増大の抑制傾向は、試験例1の結果と合わせると、暑熱ストレスに対する身体症状として表れたものであることが明らかであった。そして、特に、摂食量については、暑熱ストレス付与期間の一定期間経過後の低下傾向を、甘酒を摂取することで抑制できることが明らかとなった。
<実験例3>(自発行動量低下抑制効果)
実施例1で調製した甘酒を用いて、マウスが31℃の高温生育条件下にさらされることによる暑熱ストレス状態において、その自発行動量に関して甘酒摂取の影響を調べた。
実施例1で調製した甘酒を用いて、マウスが31℃の高温生育条件下にさらされることによる暑熱ストレス状態において、その自発行動量に関して甘酒摂取の影響を調べた。
・飼育条件
1:高温(31℃)・甘酒投与群
2:高温(31℃)・水投与群
1:高温(31℃)・甘酒投与群
2:高温(31℃)・水投与群
具体的には、暑熱ストレス付与期間を5日間とし、上記の飼育条件についてそれぞれ10匹ずつのマウスについて上記試験例2と同様にして、1日一回、定刻(13時)に、胃内ゾンデにて投与した。そして、暑熱ストレス付与期間経過後に、マウスの常温環境下で自発的な運動量を測定した。すなわち、その自発的な運動量を自発運動量測定装置(株式会社夏目製作所製)の回転ケージの回転数を30分毎に計測することにより観察した。
なお、マウスは予備飼育期間も含めて飼育期間中、一日のうち12時間(午前6時〜午後6時)を照明の照射による明所下に飼育し、残りの12時間(午後6時〜午前6時)には照明を照射せずに暗所下に飼育した。そして、マウスの行動時間である暗所下、すなわち、暑熱ストレス付与開始前日の暗所下飼育時(12時間)及び暑熱ストレス付与期間経過後の翌日の暗所下飼育時(12時間)に、回転ケージの回転数を30分毎に計測し、その自発的な運動量を観察した。
図3(a)(b)には30分毎の回転ケージの回転数を、図3(c)(d)には12時間の総回転数を、それぞれ試験群について10匹の平均値として示す。図3(c)に示すように、暑熱ストレス付与開始前日の総回転数には有意な差は認められなかった。一方、図3(d)に示すように、暑熱ストレス付与期間経過後においては、甘酒投与群において、有意に総回転数の値が高く、対照の水投与群に比べてそのマウスの自発的な運動量が増大していることが明らかとなった。なおここで、暑熱ストレス付与期間経過後においては総回転数の値がいずれも暑熱ストレス付与開始前に比べて高い値となるのは、マウスの成長による相対的な運動量の増加によるものであることが考えられた。
上記の対照群の結果にみられる運動量の抑制傾向は、試験例1の結果と合わせると、暑熱ストレスの身体症状として表れたものであることが明らかであった。そして、暑熱ストレスによる自発行動量低下を甘酒の摂取によって抑制できることが明らかとなった。
本発明の暑熱ストレス軽減組成物は、習慣・継続的に摂取可能な健康食品等に好適に利用することができる。
Claims (9)
- 酒粕及び米こうじを少なくとも含有することを特徴とする暑熱ストレス軽減組成物。
- 更に、甘味成分を含有する請求項1記載の暑熱ストレス軽減組成物。
- 暑熱ストレスによる食欲低下を抑制するために用いる請求項1又は2記載の暑熱ストレス軽減組成物。
- 暑熱ストレスによる自発行動量低下を抑制するために用いる請求項1又は2記載の暑熱ストレス軽減組成物。
- 酒粕及び米こうじを少なくとも含有する甘酒からなる請求項1〜4のいずれか一つに記載の暑熱ストレス軽減組成物。
- 酒粕及び米こうじを少なくとも含有し、暑熱ストレスを軽減するために用いられるものである旨の表示を付した飲食品。
- 更に、暑熱ストレスによる食欲低下を抑制するために用いられるものである旨の表示を付した請求項6記載の飲食品。
- 更に、暑熱ストレスによる自発行動量低下を抑制するために用いられるものである旨の表示を付した請求項6又は7記載の飲食品。
- 酒粕及び米こうじを少なくとも含有する甘酒からなる請求項6〜8のいずれか一つに記載の飲食品。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110802 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120124 |