JP2006528692A - 低酸素症への細胞応答を阻害するサウルルスセルヌウス化合物 - Google Patents

低酸素症への細胞応答を阻害するサウルルスセルヌウス化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】 低酸素症誘発性の因子−1の機能を有効に阻止する化合物及び組成物並びにそれらの使用方法を提供する。
【解決手段】本発明の化合物及び組成物はガン、発作、心臓病、眼の新生血管病及び関節炎の予防及び処置に有用である。
【選択図】なし

Description

優先権の情報
本出願は2003年5月8日付け出願の米国特許出願第60/468,896号の優先権を主張する。該出願の内容は参考として本明細書に組入れてある。
政府の支援
本発明は、国防省から許可番号DAMD 17−01−0566の援助のもとになされた。米国政府は本発明の権利を有する。
発明の分野
本発明は一般に、低酸素症即ち低酸素状態(hypoxia)で誘発される因子−1の機能を阻害する能力を示す化合物及び組成物の領域に関する。本発明はまた低酸素症誘発性因子−1(HIF−1)の機能を阻害する方法に関する。HIF−1の特定の阻害剤即ち抑制剤はガン、発作、心臓病、眼の新生血管病、乾癬及び関節炎の予防及び治療に有用であり得る。本発明の化合物はまた血管内皮性成長因子を阻害する。
遺伝子の調節(遺伝子の選択的な賦活化及び不活性化)はガンの発現及び進行、多重に集積した突然変異から得られる疾病併発に重大な役割を演じる。過去20年間に亘って、腫瘍発生、腫瘍の成長、進行、転移及び腫瘍細胞の死滅に作用する多数の遺伝子を確認するのに少数の腫瘍遺伝子からガン遺伝学の本発明者の知識が急速に膨張したのを見てきた。これらの成り行きの下にある分子的なメカニズムを、解明すると、新しいメカニズムに基づいた治療法を開発する機会を与える。その結果として、最初の分子標的剤(トラスツズマブ)は臨床用途にあり、多数のメカニズムに基づいた薬剤は臨床試験中である。
本発明の具体例は腫瘍低酸素症(hypoxia)を特異的に標的とする有効な化学療法剤の発見及び特徴付けである。酸素欠乏(hypoxic)領域の実在は固体腫瘍の共通の特徴である。同じ組織からの正常な細胞とは異なって、腫瘍細胞は慢性的に酸素欠乏性であることが多い。腫瘍低酸素症の程度は前進した段階及び予後不良と相関する。腫瘍が迅速に成長すると、酸素及び栄養分を供給し且つ代謝老廃物を除去する現存血管の能力を追い抜いてしまう。低酸素症は腫瘍の脈管形成(angiogenesis)を誘発し、新たに形成された腫瘍血管は十分発達できないことが多い。その結果として、或る腫瘍領域は不活発で不規則な血流に因り絶えず酸素欠乏性のストレス下にある。酸素欠乏性の腫瘍細胞は酸素正常状態の腫瘍細胞よりも放射線治療及び化学療法に対して耐性であり、これらの酸素欠乏性細胞は疾病の再発に対する重大な寄与体と考えられる。現在、腫瘍低酸素症を克服する一般的な方策は1)呼吸性カルボジエン(95%O2、5%CO2)の如き手段により腫瘍の酸素化を増大するものか; 2)放射線に対する酸素欠乏細胞の感度を増大するのに化学的な感作剤を利用するか; 3)酸素欠乏細胞を選択的に殺滅する酸素欠乏細胞毒を利用するものである。これらの方策は低酸素症−細胞酸素の不足の直接的な作用を目標としている。現在、低酸素性の腫瘍細胞を選択的に殺滅する唯一の生体還元性薬剤(チラパザミン)が臨床試験で存在する。酸素欠乏性細胞毒は現在承認されていない。腫瘍低酸素症はガンの治療には重大なアンメット(unmet)治療要件であり、薬剤発見の努力はこの目標に向けられるのは明らかである。
この薬剤発見努力の焦点は、低酸素症の重大な間接作用−腫瘍細胞の適応及び生存を促進する遺伝子の誘発を目標とするものである。ストレスの形態として、低酸素症は生存プログラムと細胞死滅プログラムとの両方を賦活化する。腫瘍形成上転換した細胞においては、低酸素症は生理的圧力を与え且つアポトーシス能力が低減された細胞を選択する。酸素と栄養分との剥奪に順応した酸素欠乏性の腫瘍細胞は、より攻撃的な表現型及び不十分な予後と係合する。低酸素症で誘発される遺伝子発現に役割を演じる転写因子は、低酸素症−誘発性の因子−1(HIF−1)、即ちbHLH−PASタンパク質のヘテロダイマー HIF−1α及びHIF−1β/ARNTである。HIF−1αは酸素正常状態下では迅速に分解され、酸素欠乏状態下で安定化され、然るにHIF−1βは構成的に発現される。酸素欠乏誘発及び賦活化により、HIF−1は標的遺伝子のプロモーター中に存在する低酸素症応答成分(HRE)に結合し且つ転写を賦活化する。HIF−1により賦活化した生存遺伝子は3つの主要な官能群に分類でき、即ち(i)脈管形成、赤血球生成及び血管拡張を促進することによって酸素の供給を増大する遺伝子;(ii)嫌気性の代謝に伴なう多数の遺伝子(グルコース輸送体及びグルコース分解酵素)を誘発することによって酸素の消費を低減する遺伝子;及び(iii)成長因子に分類できる。低酸素症に加えて、HIF−1活性を増大する別の腫瘍特異性のメカニズムには腫瘍遺伝子(即ちras、src、myc等)の賦活化及び腫瘍サプレッサー遺伝子(即ちPTEN、VHL)の減損がある。酸素で制御されるサブユニットHIF−1αはヒトの普通のガン及びそれらの転移体で過剰発現されしかも乳ガンでの進行段階と係合する。動物のモデルにおいては、HIF−1α又はHIF−1βの何れかを削除すると、低酸素症によって通常誘発される遺伝子の酸素欠乏誘発を阻止し、腫瘍の血管分布状態の低減と腫瘍の成長の遅延とを併発する。更には、HIF−1と補助賦活剤p300/CBPとの間の相互作用を阻害することによってHIF−1機能を抑制すると、低酸素症誘発性の遺伝子発現の減衰と、脈管形成の低減と、生体内で乳ガン細胞と結腸ガン細胞との両方で誘発される腫瘍の成長の抑制とを生起する。要約すると、多数の動物モデルからの結果が示す処によれば、HIF−1の産生/機能を阻害することによって低酸素症で誘発される遺伝子発現を阻止すると腫瘍成長の有意な程の抑制を伴なう。それ故、HIF−1の小分子の特異的な阻害剤は、低酸素症で誘発される遺伝子発現を抑制することにより、腫瘍の成長と進行と低酸素症に伴なう治療耐性とを抑制する有効な化学療法薬剤を表わす。
本発明の化合物及び方法に対する薬剤(chemicals)の供給源は天然生成物−富化植物、海洋の無脊椎動物及び微生物の抽出物(extracts)である。天然生成物は何百年もの間新規薬剤の主要な供給源であり、天然生成物によって提供される生化学的多様性は何れか別の方策によっては匹敵しがたい。統計学が示す処によれば、承認された抗ガン剤の60%以上が天然起源(天然生成物又は天然生成物のモデルに基づいた合成化合物)のものである。官能的な生物検定法によって可能となった、天然生成物薬剤発見の指示した偶然の発見(directed serendipity)は、異なる作用形態を有することが多い多数の化学療法剤の発見に重要な役割を演じ続ける。HIF−1賦活化の場合には、既知の低分子抑制剤は次の範ちゅうに分類できる;i)ゲニステイン、フッ化ナトリウム、PD98059、LY294002、ワルトマンニン及びラパマイシンを包含するタンパク質加リン酸反応の調節剤;ii)ジフェニレン ヨードニウム クロライド(DPI)、ロテノン及びミキソチアゾールを包含するミトコンドリア電子運搬の抑制剤;iii)一酸化炭素及び酸化窒素;iv)転写抑制剤のアクチノマイシンD及びタンパク質の合成抑制剤シクロヘキシミド;及びv)トポI抑制剤のトポテカン。これらの低分子抑制剤の大部分は天然生成物(ゲニステイン、ワルトマンニン、ラパマイシン、ロテノン、ミキソチアゾール、アクチノマイシンD、シクロヘキシミド及びトポテカン)又は天然生成物から誘導した合成化合物(PD98059及びLY294002)である。これらの分子は低酸素症信号化経路以外に多数の細胞信号又は代謝プロセスを制御することも知られている。それ故、これらの化合物は特定のHIF−1抑制剤として機能しそうもない。本発明は、低酸素症で賦活化される遺伝子発現の特定の抑制剤であって酸素正常状態の細胞信号化に作用しない抑制剤を同定し且つ特徴付ける。
本発明者が見出した処によれば、湿地植物(サウルルス セルヌウス;Saururus cernuus L.)から単離した抽出物及び精製した化合物は低酸素症誘発性の因子−1の機能を強力に且つ効果的に抑制する能力を示すものである。この能力は低酸素症で賦活化した腫瘍細胞生存経路を有効に阻害し且つヒトの乳腫瘍細胞を含めて脈管形成の成長因子生産腫瘍細胞を低減する。更には、HIF−1の賦活化は、心臓発作及び発作による血管閉塞に続いて、虚血性の組織損傷を伴なう。それ故、HIF−1の抑制剤はガン、心臓病及び発作の予防及び治療に有用であり得る。更には、本発明の化合物及び組成物はガンに対する伝統的な化学療法及び放射線治療の活性を促進し得る。最新の証拠が示唆する処によれば、HIF−1抑制剤は関節炎の治療にも有用であり得る。血管内皮性成長因子(VEGF)の抑制剤は糖尿病網膜症及び加齢黄斑変性の治療に有効な用途を有する。VEGFはHIF−1によって制御され、これらのS.セルヌウス化合物は腫瘍細胞系列におけるHIF−1とVEGFとの両方を抑制する。それ故、これらの化合物及び組成物は糖尿病網膜症及び黄斑変性の治療及び予防に有用であり得る。
HIF−1機能を抑制する物質はガン、心臓病、発作、関節炎、糖尿病網膜症又は黄斑変性の治療には現在利用されていない。慣用の化学療法とは異なって、選択的なHIF−1抑制剤は、低度の非選択的細胞毒性で目標組織に特異的に作用し得る。S.セルヌウスから単離した抽出物及び化合物は、ガン、心臓病、発作、関節炎、糖尿病網膜症又は黄斑変性の治療に用いる用途があるとは従来報告されていなかった。この植物及び別の関連種(S.チネンシス;chinensis)で見出される1組の化合物(マナスサンチンA及びエピマナスサンチンA)は抗腫瘍作用を有すると報告されている。然しながら、S.セルヌウスで見出される活性なリグナン(lignan)の多数(マナスサンチンB、エピ−マナスサンチンB、サウセルネオールA等)は、抗腫瘍活性を有することが知られたS.チネンシス化合物とは構造上異なっている。
従って本発明の目的は以下の化合物1乃至4及びその類似体、立体異性体及び製薬上の塩を含めてここに記載した本発明の化合物又はその塩あるいはこれらを含有する組成物を提供するものである。
Figure 2006528692
本発明の具体例においては、本発明のこれらの及び全ての別の化合物は実質的に純粋である。具体例においては、本発明の化合物は少なくとも90%純粋である。然しながら、本発明は本発明の化合物の混合物、粗製の抽出物及びクロマトグラフィーにより得られた混合物を包含する。
本発明の別の目的は、許容できる製薬調剤又は組成物中に、前記化合物1〜4の1つ又は以下の化合物5の投与を含めて本発明の化合物を製薬上阻止する量でHIF−1機能の阻止を必要とする患者に投与することによりHIF−1機能を阻止する方法を提供するものである。
Figure 2006528692
本発明の別の具体例は前記式1、2、4及び/又は5の化合物のガン治療有効量を投与することからなるガンの治療方法を提供するものである。本発明は例えば肝臓ガン、乳ガン、咽喉ガン、黒皮症、肺ガン、前立腺ガン、結腸ガン、胃ガン、子宮頚ガン、食道ガン、舌ガン、口腔ガン、スイ臓ガン、甲状腺ガン、白血病及び骨髄腫の治療に用い得る。
本発明の別の目的は、次式I
Figure 2006528692
(式中Rは同じでも異なっても良く、H、アルキル、アセチル、アミン、アミド、シアノ、チオシアノ、アルデヒド、ハロゲン、エステル、エーテル、サルフェート、カーボネート、アセトニド、アルデヒド、ハライド、シアノ、チオシアノ基である)の化合物、これの同族体、立体異性体及び製薬上許容し得る塩あるいはこれを含有する組成物である。
本発明の別の目的は次式II
Figure 2006528692
(式中Rは同じでも異なっても良く、H、アルキル、アセチル、アミン、アミド、シアノ、チオシアノ、アルデヒド、ハロゲン、エステル、エーテル、サルフェート、カーボネート、アセトニド、アルデヒド、ハライド、シアノ、チオシアノ基である)の化合物、これの同族体、立体異性体及び製薬上許容し得る塩あるいはこれを含有する組成物である。
本発明の別の目的は次式III
Figure 2006528692
(式中Rは同じでも異なっても良く、H、アルキル、アセチル、アミン、アミド、シアノ、チオシアノ、アルデヒド、ハロゲン、エステル、エーテル、サルフェート、カーボネート、アセトニド、アルデヒド、ハライド、シアノ、チオシアノ基である)の化合物、これの同族体、立体異性体及び製薬上許容し得る塩あるいはこれを含有する組成物である。
本発明の尚別の目的は、本発明の化合物又はその誘導体をHIF−1阻止量でHIF−1阻止治療を必要とする被検者に投与することからなるHIF−1阻止方法である。該化合物は経口投与又は非経口投与に適当な調剤の一部として投与し得る。製薬組成物は、参考のためここに挙げたハーム(Hahm)等のWO 01/87869号の組成物を製造したのと同じ要領で本発明の化合物を用いて形成できる。
本発明の別の目的は、本発明の化合物、その誘導体又はこれの製薬上許容し得る塩の有効量を投与することからなる、ガン、心臓病、発作、慢性の炎症疾患、関節炎、糖尿病網膜症、又は黄斑変性を治療する方法である。
本発明の別の目的は本発明の化合物、その誘導体又はこれの製薬上許容し得る塩の有効量を投与することからなる虚血性組織損傷を治療する方法である。
本発明の別の目的は、本発明の化合物、その誘導体又はこれの製薬上許容し得る塩の有効量を投与することからなる、血管内皮性成長因子(VEGF)を抑制する方法である。
他の具体例は本明細書及び特許請求の範囲を回顧することによって明らかであろう。
図面を参照するに、図1は乳ガン細胞系列におけるHIF−1賦活化に関連するデータを示すグラフである。
図2は低酸素症で誘発されるHIF−1賦活化を抑制するためイソフラボン及びフラボノイド誘導体に関するデータを示すグラフである。
図3は低酸素症で誘発されるHIF−1賦活化を抑制するため本発明の化合物に関するデータを示すグラフである。
図4は分泌したVEGFタンパク質の低酸素症で誘発される増大を抑制するための本発明の化合物に関するデータを示すグラフである。
図5は1,10−フェナントロリンで誘発されるHIF−1賦活化における本発明の化合物に関するデータを示すグラフである。
図6は分泌したVEGFタンパク質の1,10−フェナントロリンで誘発される増大における、本発明の化合物に関するデータを示すグラフである。
図7はHIF−1のサブユニットの低酸素症で誘発される集積を抑制するため化合物2に関するデータを示す。
図8は低酸素症で誘発されるHIF−1の賦活化(A)及び1,10−フェナントロリンで誘発されるHIF−1賦活化(B)における本発明化合物に関するデータを示すグラフである。
図9は分泌したVEGFタンパク質の低酸素症で誘発される増大を抑制するため本発明の化合物に関するデータを示すグラフである。
図10はHIF−1αサブユニットの低酸素症で誘発される集積を抑制するため本発明の化合物に関するデータを示す。
図11はNCI60細胞系列における細胞増殖を抑制するため化合物2の用量反応曲線を示す。
図12は化合物2についてガン細胞系列に対する活性の平均グラフを示す。
前記の如く、本発明の具体例は前記の式I、II、IIIから選んだ化合物を包含する。別の具体例には前記の式I、II、IIIから選んだ化合物を用いる方法がある。
基Rに関して本明細書で用いた時には、用語アルキル基は、直線状即ち直鎖又は分枝鎖状であり得るか、非環式又は環式残基であり得るか又は非環式及び環式サブユニットの何れかの組合せよりなる炭化水素残基を意味すると最も広い意味で理解されるものである。更には、ここで用いた如き用語アルキル基は特に飽和アルキル基並びに不飽和アルキル基を包含し、該不飽和アルキル基は1個又はそれ以上、例えば1個、2個又は3個の二重結合及び/又は三重結合を含有する。1〜20個の炭素原子を含有するアルキル残基の例はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル及びエイコシル基、全てのこれらの残基のn−異性体、イソプロピル、イソブチル、1−メチルブチル、イソペンチル、ネオペンチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、イソヘキシル、2,3,4−トリメチルヘキシル、イソデシル、sec−ブチル、tert−ブチル又はtert−ペンチル基である。
不飽和アルキル基は例えばアルケニル残基例えばビニル、1−プロペニル、2−プロペニル(=アリル)、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、5−ヘキセニル又は1,3−ペンタジエニル基あるいはアルキニル残基例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル(=プロパルギル)又は2−ブチニル基である。
該アルキル基は一般に1個又はそれ以上の同一又は相異なる置換基によって置換されていても置換されていなくても良い。何れかの種類の置換基は、別の基Rの可変部を含めて何れか所望の位置に存在し得るが、但しこの置換は不安定な分子を生じないものとする。アルキル残基はそれらが置換された時不飽和であっても良い。
本明細書に開示した全ての化合物は製薬組成物の如き組成物の形であることができる。即ち、該化合物は経口又は非経口投与用の薬剤形に形成できる。従って本発明は製薬上許容し得る担体と組合せて本発明の化合物を含有する製薬組成物を提供する。特に、本発明は、本発明の化合物の有効量と製薬上許容し得る担体とを含有する製薬組成物を提供する。
ここで用いた如き用語「製薬上許容し得る塩」は無機酸又は有機酸との無毒の酸付加塩例えば塩化水素酸、リン酸、硫酸、マレイン酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、安息香酸、フマル酸、マンデル酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、アスコルビン酸、乳酸、グルコン酸、トリフルオロ酢酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸及び同様物の如き酸との塩を包含すると意図される。製薬上許容し得る塩には、アミンの如き塩基性残基の無機酸塩又は有機酸塩;カルボン酸の如き酸性残基のアルカリ塩又は有機塩;及び同様物があるが、これには限定されない。
本発明の化合物の製薬上許容し得る塩は、水中で又は有機溶剤中であるいはこれら2つの混合物中でこれらの化合物の遊離酸形又は塩基形を化学量論量の適当な塩基又は酸と反応させることにより調製でき;一般にエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルの様な非水性媒質が好ましい。適当な塩の一覧はレミントンの製薬科学(Pharmaceutical Sciences)17版 又はMack Publishing Company (1985) p.1418に見出され、この開示を参考のため本明細書に組入れてある。
本発明の活性化合物を抽出するには、WO 01/87869号及びラオの米国特許第4,619,943号に記載の如き方法を用い得る。従って、該米国特許においては、種々の溶剤を単独で又は互いに組合せての何れかで用い得る。適当な溶剤には例えば炭化水素、アルコール、エーテル、ハロ炭化水素、ケトン、エステル、水及びこれらの混合物がある。炭化水素溶剤には芳香族炭化水素例えばベンゼン、トルエン及びキシレン類並びに好ましくは5〜8個の炭素原子の脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びオクタン、これらの異性体及び対応の環式物質例えばシクロヘキサンがある。エーテル溶剤には脂肪族エーテル例えばジエチルエーテル及び環式エーテル例えばテトラヒドロフランがある。ハロ炭化水素溶剤はハロアルカン例えばメチレンクロリド又はハロフェニル化合物例えばクロロベンゼンであり得る。ケトン溶剤は通常3〜6個の炭素原子の脂肪族ケトン例えばアセトン又はエチルメチルケトン又は脂環式ケトン例えばシクロペンタノン又はシクロヘキノサンである。脂肪族エステル溶剤例えばエチル又はメチルアセテート及び1〜4個の炭素原子を有することが多いアルコール溶剤もまた有用である。抽出は室温又は上昇した温度での回分法又は連続法又は蒸気相法であり得る。
95%エタノールを用いる前記米国特許に記載した好ましい方法においては、回分浸出により室温で3回の抽出を行ない、各々の抽出は2日間持続する。合した抽出液は、好ましくは減圧下に加熱することにより濃厚なシロップにまで濃縮する。粘稠な濃厚物は2.0〜10.0のpH範囲の水と水に非混和性の溶剤好ましくは酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼン又はエーテルとの間で分配させ、これによって有効な材料(SC−ネオリグナン)は有機層に進行する。抽出及び分配法によって、外来の植物材料例えば水溶性材料及び水に非混和性の分配溶剤に不溶である材料を実質的に含有しない溶液が提供される。水に非混和性の溶剤層を濃縮し且つクロマトグラフィーにより処理して最終のクロマトグラフィー前の活性成分の粗製混合物を得る。カラムクロマトグラフィーの手法においては、前記分配からの濃縮物を適当な溶剤例えばベンゼンに溶解し、シリカゲル製のカラムに添加する。ヘキサン、クロロホルム、トルエン等を含めて別の溶剤及び溶剤混合物を用いることができ、吸着剤例えばアルミナ又はケイ酸マグネシウム例えばフロリシル(登録商標)(フロリジン社から入手できる複合ケイ酸マグネシウム)もまた適当である。異なった極性の3つのグループに全体を分離することは増大する極性を有する溶剤での溶離により、好ましくはベンゼン、ベンゼン中の5〜25%アセトン及びベンゼン中の1〜10%メタノールを用いることにより達成される。神経弛緩活性は濃縮乾固後の中間極性のフラクションに一般に見出される。別法として、相異なる溶剤対の間で一連の分配を行なって相異なる極性のフラクションに全体を分離できる。
活性化合物を更に精製し且つ分離するには、好ましくはシリカゲルを用いる吸着クロマトグラフィーを利用し、その際適当な寸法のカラム中で混合物1g当り15〜35gの吸着剤の割合でベンゼン中の溶液として混合物を添加する。アルミナ(酸性、中性又は塩基性)、ケイ酸マグネシウム例えばフロリシル、部分的にエーテル化した架橋デキストラン例えばセファデックス(登録商標)(ファルマシア ファイン ケミカルズ社製)及びポリアミドを含めて、クロマトグラフィーに普通用いる別の吸着剤も満足なものである。カラムはベンゼンで溶離し続いてベンゼン中に増大する濃度のアセトン(0〜25%)で溶離し、これは別個の工程で又は勾配様式で成し得る。適当な容量のフラクションを収集し、これらを280 nmでのUV吸着強度及び薄層クロマトグラフィー(シリカゲルプレート、5〜25%アセトン/ベンゼン、目視化:UV光線又は1%硫酸の噴霧及び深紅赤色スポットを生成する加熱)により試験され、これらの組成に基づいて合し、濃縮乾固する。別法として、固定相として水中の50〜80%メタノールを有し且つ移動相として0〜75%ベンゼン勾配付きのリグロインを有する担体としてセファデックスLH20を用いる分配クロマトグラフィーを使用して、極性に基づいたグループにこの更なる分離を行ない得る。
最終的に精製するには、生物学的に純粋な個々の成分を得るのに高性能液体クロマトグラフィーを用い得る。溶離用溶剤例えば脂肪族/芳香族炭化水素、ハロ炭化水素、低級アルコール又は低級脂肪酸ケトンを用いる種々の市販されて入手し得るカラム充填物を、化学的及び生物学的純度で個々の成分を有効に分離するため0〜5000 p.s.i.の圧力で用い得る。
本発明の方法は、当業者によって決定される通り、治療すべき状態に適当な何れかの投与方式によりヒト又は動物に対してここに記載した有効化合物を投与することを包含する。更には、ここに記載した化合物の生理学上許容し得る酸付加塩も本発明の治療方法にも有用である。更に、適当な場合には、本発明の方法は製薬組成物と配合される必要なしに粗製の抽出物を直接投与することを包含する。例えば、粗製の抽出物は被検者のHIF−1活性を阻止するのに投与し得る。粗製抽出物を投与する方法の例には経口投薬、クリーム、点眼剤等がある。
別の具体例については、ここに記載した化合物を、製薬上許容し得る担体に例えば溶液、懸濁液、錠剤、カプセル、軟膏、エリキシル及び注射性組成物に溶解させ得る。製薬製剤は0.1〜99重量%の活性成分を含有できる。単一投薬形である製剤「単位投薬形」は20〜90%の活性成分を含有するのが好ましく、単一投薬形でない製剤は5〜20%の活性を含有するのが好ましい。本明細書で用いた通り、用語「活性成分」はここに記載した化合物、その塩及びここに記載した化合物と別の製薬上活性な化合物との混合物を記載する。投薬単位形例えば錠剤又はカプセルは典型的には約0.05〜約1.0gの活性成分を含有する。
製薬製剤を投与する適当な経路には、例えば、経口、直腸、点眼剤、局所(経皮、頬側及び舌下を含めて)、経膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、鞘内及び硬膜外を含めて)及び経鼻胃管による投与がある。好ましい投与方式は治療される状態に応じて左右されるものでありしかも受容者の状態の如き諸要因と共に変化し得ることは当業者によって理解されるであろう。
本発明の方法によると、ここに記載した有効な化合物は単独で投与できあるいは別の製薬上活性な化合物と組合せて投与できる。ここに記載した化合物と組合せて用いるべき製薬上活性な化合物は受容者における悪影響又は該化合物間の望ましくない相互作用を回避するように選択されることは当業者には理解されるであろう。本明細書で用いた通り、用語「活性成分」は、単独で用いるか又は1種又はそれ以上の追加の製薬上活性な化合物と組合せて用いた時のここに記載した化合物を包含すると意味する。本発明の種々の治療に用いるのに必要とされるここに記載した化合物の量は、就中投与方式、治療すべき動物(例えばヒト)の年令及び体重、及び治療される状態の苛酷さに応じて左右される。
本発明の化合物は製薬調剤(formulations)として投与し得る。有用な調剤は1種又はそれ以上の有効成分と1種又はそれ以上の製薬上許容し得る担体とを含有する。用語「製薬上許容し得る」は調剤の別成分と相溶性であって受容者にとって有毒ではないことを意味する。有用な製薬調剤には、経口、直腸、経鼻、局所、経膣又は非経口投与並びに経鼻胃管による投与に適当な調剤がある。調剤は都合良くは単位投薬形で製造できしかも製剤業者に既知の何れかの方法によって製造できる。かかる方法には、1種又はそれ以上の補助成分を成し得る担体を活性成分と組合せる工程がある。一般に、該調剤は活性成分を液体担体又は微細に分割した固体担体又は両方と均質に組合せ次いで必要ならば生成物を成形することにより製造される。
HIF−1賦活化の阻害剤に対する高処理量(Throughput)生物検定法(Bioassay)
低酸素症で制御される遺伝子発現(遺伝子の選択的な活性化及び不活性化)は、低酸素症への腫瘍細胞の適合及び全体の治療耐性に重大な役割を演じる。転写因子HIF−1は低酸素症で制御される遺伝子発現の重要な調節剤である。HIF−1を特異的に制御し得る化合物は、腫瘍低酸素症を標的とし且つ十分に酸素付加した正常細胞には殆んど影響を及ぼさない強力な薬剤を表わす。HIF−1の特異的な官能性拮抗剤を見出すのに向けた発見努力は選択的な低酸素症/HIF−1経路阻害剤の同定を生じ得る。
HIF−1の官能性拮抗剤を同定するのに、本発明者は低酸素症応答性ヒト乳ガン腫T47D細胞においてHIF−1の阻害剤に対する細胞基質のレポーター検定を確立した。乳ガンはこの薬剤発見努力に対する1例標的として選択され、その理由はこの疾病の高い発生率、腫瘍低酸素症を標的とする化学治療剤を同定する緊急の必要性、乳ガン病因学の包含する知識基準及び生体外モデルとして十分研究したヒト乳ガン腫細胞系列の有益性に因るものである。更に、HIF−1αの過剰発現は乳ガンの進行段階及び予後不良と関連する。HIF−1の活性はエリスロポエチン遺伝子(pTK−HRE3−luc、文献31に記載)からHREの制御下にルシフェラーゼ レポーターを用いて監視する。指数型で成長したT47Dはエレクトロポレーション(electroporation)によりpTK−HRE3−lucレポーターに一時的に取込み(transfected)、96個の凹みのプレートに被覆する。24時間後に細胞は酸素欠乏状態(1%O2/5%CO2/94%N2あるいは化学的な低酸素剤、100μMでの鉄キレーター デスフェリオキサミン(DFO))に16時間暴露する。次いで細胞を溶解させ、ルシフェラーゼ活性を測定する。他に但し書きがなければ、低酸素の酸素欠乏状態の設定(1%O2/5%CO2/94%N2)を低酸素症と単に記載する。同様な分析をヒトの乳ガン腫細胞系列MCF−7及びMDA−MB−231にも行なう。3種の細胞系列からのデータを以下に示す。図1Aに示す通り、酸素欠乏症への暴露は3種の細胞系列全てでHIF−1を賦活化し、最も激しい応答はT47D細胞(60倍の感応)で見られる。低酸素症に模倣のDFOによるHIF−1賦活化は酸素正常状態下の細胞系列で見られ、最も強い応答はT47D細胞(B)で見られる。
フラボノイドのゲニステイン及びPD98059はHIF−1賦活化を阻害し得ることが示されていたけれども、IC50値を測定するのに定量的な用量−反応の研究は発表されていなかった。それ故、本発明者はMCF−7、MDA−MB−231及びT47D細胞における低酸素症で誘発されるHIF−1賦活化を抑制するためにゲニステイン及びPD98059のIC50を確認した。
供試化合物を1μM、10μM及び100μMの最終濃度で、pTK−HRE3−lucを取込んだ細胞に添加する。37℃で30分間培養したのに続いて、細胞を16時間酸素欠乏状態に暴露し、溶解し、ルシフェラーゼ活性を測定する。得られたデータを図2(ゲニステイン−2A、PD98050−2B)に示す。各々の化合物の構造式を各々の図の右側に示す。T47D細胞においては、ゲニステインについてのIC50は1μMであり、PD98059についてのIC50は2μMである。酸素正常状態及び酸素欠乏状態下で、PD98059は最高の供試濃度で有意な程の細胞毒性を発揮しないが、然るに100μMのゲニステインで処置するとT47D細胞生存能力の50%低下を生ずる(C)。前述した通り、ゲニステインはタンパク質チロシンキナーゼの広範囲阻害剤である。観察される細胞毒性はチロシンキナーゼを必要とする信号化経路の非特異的阻害によって最も生起することが多い。それ故、細胞内の信号化経路の阻害剤を反復抑制する(dereplicate)手段として、細胞生存能力における活性抽出物の作用を二次的な生体検定法の1つとして検査する。
HIF−1賦活化の阻害剤用に天然生成物抽出物の検定
本発明者は、HIF−1賦活化の新規な特異的阻害剤を同定するのに一時的な検定としてHIF−1官能性拮抗剤用のHIS検定を用いる天然生成物の化学的方式を採用する。天然生成物に富む抽出物(DMSOに溶解した)を5μg/mlの最終濃度で試験する。少なくとも70%だけ(溶剤対照物の30%活性に同等である)HIF−1の酸素欠乏性賦活化を抑制し得る粗製抽出物は活性であると考えられる。活性化合物が5%の抽出物(より少量であることが多い)を構成し且つ分子量が500であると推量するならば、70%の抑制に要する活性化合物の濃度はその時0.5μMであり、ゲニスタイン又はPD98059(10μM)についての濃度の1/20である。
低酸素症選択性のHIF−1阻害剤を含有する抽出物の化学的解明(dereplication)はHPLCによるクロマトグラフィーでの分離及びUV(UV−光ダイオード系列)及び質量スペクトル(LC−ESIMS)による分析によって達成されるものである。リグナン及び他の物質の幾つかの相異なるセットはサーモフィニガン アクア サーモクエスト システム(ThermoFinnigan aQa thermoquest system)(NCNPR、UM)を用いてLC−ESIMSにより明白に区別された。
HIF−1の酸素欠乏賦活化を選択的に阻害する有効な天然生成物阻害剤の識別及び分子的特性
水生植物サウウルス セルヌウスL(Saururus cernuus L)(ドクダミ科Saururaceae)からの化合物区的に富化した活性抽出物に、生物検定法で指導されるクロマトグラフィー分別を行なう。活性フラクションは正常相及び逆転相HPLCの組合せにより更に精製する。幾つかの一連の高度に有効なHIF−1阻害性リグナン/ネオリグナンを単離し、それらの構造を分光分析的に/分光測定的に測定する。
活性化合物1及び2の化学構造は前述されている。化合物2は既知の化合物マナサンチンBであり、化合物1は本発明の新規化合物である。両方の化合物共T47D細胞に基づいたレポーター検定でHIF−1の酸素欠乏性賦活化を抑制する(図3)。示したデータは3回で行なった1つの実験からの平均であり、棒線は平均標準偏差を表わす。同様な結果は別個の実験から得られる。IC50は化合物2については3 nMであり、化合物1については30 nMである。完全な抑制は化合物2については10 nM及び化合物1については100 nMで見られる。ANOVA分析が表わす処によれば、これらの阻害活性は酸素欠乏対照に関して統計学的に有意義である(p<0.0001)。何れかの化合物の存在下で対照プラスミド(pGL3対照)からのルシフェラーゼ発現で統計学的に有意な差異は見出されず、これは見出された阻害はHIF−1に特異的であることを示している。
酸素恒常性のマスター調整剤として、HIF−1は、細胞の生存及び低酸素症への適応を促進する多数の遺伝子の発現を調整する。かかる1つのHIF−1標的遺伝子は、VEGF、新生血管の生成を促進するのに腫瘍細胞によって分泌される重要な前駆脈管形成因子(pro-angiogenic factor)である。ガン患者のうちには、増大したVEGFタンパク質濃度は高い微小血管密度、進行段階の疾患及び予後不良に相互関連する。VEGF生産/機能の阻害剤は現在ガンについて臨床試験段階にある。分泌VEGFタンパク質は生体活性形であるので、分泌したVEGFタンパク質の濃度を低下させ得る化合物は有効な腫瘍脈管形成阻害剤を表わす。HIF−1の酸素欠乏性賦活化と分泌したVEGFタンパク質の酸素欠乏性誘導との両方を抑制し得る化合物は、腫瘍低酸素症を標的とする「真の」手本を表わすと本発明者は推論する。
分泌されたVEGFタンパク質の酸素欠乏性誘発における化合物1及び2の作用をT47D細胞で試験する。指数型で成長したT47D細胞を96個の凹みのプレート中に30,000の細胞/凹みの密度で被覆する。化合物での処理及び酸素欠乏への暴露は前記したのと同じである。培養に続いて、調製した培地中で分泌されたVEGFタンパク質の濃度をエリザ法(R & Dシステム)により測定し、データは生育できる細胞の個数によって標準化する。図4に示した結果は4回で行なった代表的な実験からの平均であり、棒線は標準誤差を表わす。1つの星印(*)は酸素欠乏性対照に関して有意の程度(p<0.01)を示し、2つの星印(**)は有意の程度(p<0.0001)を示し、星印無しは統計的差異なしを示す(ANOVA及びフィッシャーのPLSDポスト ホック試験)。化合物1(100 nMで)、化合物2(10 nMで)及びPD98059(100μMで)は全てpHRE−luc検定でHIF−1の酸素欠乏性賦活化を完全に抑制するけれども、化合物1及び2での処理のみが低酸素症によって誘導される分泌したVEGFタンパク質の統計上の有意な減少を生じる。化合物1及び2での結果はpHRE−luc検定で見られる結果と同様であり、その際化合物2は分泌したVEGFタンパク質の濃度を低減するのに化合物1よりも10倍有効である。組換え型VEGFタンパク質標準品及び化合物1及び2でのエリザ検定が表わす処によればどちらの化合物もエリザ検定を妨害せず、これは見出された抑制が分泌したVEGFタンパク質の真実な(bona fide)減少に因るものであることを示している。
鉄キレート剤及び遷移金属(例えばコバルト及びニッケル)はHIF−1を賦活化できしかも化学的な低酸素症模倣品として用いられていた。本発明者が見出した所によれば、Fe2+の選択的なキレート剤1,10−フェナントロリンはHIF−1を賦活化するのに通常用いたFe3+選択性のキレート剤DFOよりも少なくとも10倍は有効である。HIF−1αサブユニットの発現はHIF−1生物活性を定量的に決定する(転写の賦活化)。更に、本発明者が見出した所によれば、1,10−フェナントロリン(10μM)は100 nMでのDFOに関して酸素で調整されるHIF−1αサブユニットタンパク質の強力な誘導質である。よれ故本発明者はシステムで化学的な低酸素症を誘導するのに1,10−フェナントロリン(10μM)を用いていた。
1,10−フェナントロリンによりHIF−1の賦活化に化合物1及び2の作用を検査し、データを図5に示す。有意な程に高濃度の両化合物が1,10−フェナントロリンによるHIF−1の賦活化を阻害するのに必要とされる(1μMの化合物で45%の阻害及び100nMの化合物2で44%の阻害)。何れの化合物もpGL−3対照プラスミドからのルシフェラーゼ発現に有意な作用を及ぼさない。SI=[1,10−フェナントロリンによるpTK−HRE3−lucについてのIC50/低酸素症によるpTK−HRE3−lucについてのIC50]として特異性指数(SI)を定義するならばその時化合物1はSI>33を有し、化合物2はSI>33を有する。これらの結果が示唆する処によれば、化合物1及び2は生理的な低酸素症(酸素圧力の低下)によりHIF−1賦活化の高度に選択的な阻害剤である。本発明者の知識によれば、これらはHIF−1賦活化の第1の高度に有効な低酸素症−選択性の阻害剤である。
最近、ラピサルドラ等は、匹敵し得るHTSレポーター検定を用いて、代表的なNCI化合物ライブラリーにおいて最大の三次元化学多様性を表わす大体2000個の純粋な化合物のコレクションからHIF−1賦活化の阻害剤として3個のカンプトテシン類似体と1個のキノカルミシン類似体とを同定した。最良の特徴付けた活性化合物、トポテカンはU251ヒトのグリオーマ細胞において低酸素症で賦活化したHIF−1と鉄キレート剤(DFO)で賦活化したHIF−1との両方を抑制する(低酸素症についてはEC50:71.3nM、DFOについてはEC50;181nM)。トポテカンはまたDNAトポイソメラーゼI抑制剤であり、ガンのための抗腫瘍剤として臨床的に用いられていた。SI=[DFOに対するEC50]/[低酸素症に対するEC50]の式を用いるならば、その時はトポテカンは2.5のSIを有する。これが示唆する処によればトポテカンの如きHIF−1阻害剤は生理的な低酸素症に対して限定された選択性のみを有することができ、しかもまた低酸素症と鉄キレート剤との両方によるHIF−1賦活化に共通なプロセス(又はターゲット)を目標とする。
本発明者は更に、1,10−フェナントロリンにより分泌されたVEGFタンパク質の誘導における化合物2の影響を検査する。細胞の平板培養及び化合物での処置は酸素欠乏状態について前記したのと同様である。30分間供試化合物での処置に続いて、1,10−フェナントロリン(10μM最後)を添加し、培養(インキュベーション)を37℃で更に16時間続行した。培養の終了時に、調整した培地中に分泌したVEGFタンパク質の濃度をELISA法により測定し、データを生存細胞の個数により標準化する。図6に示す通り、1,10−フェナントロリンでの処置はT47D細胞中に分泌したVEGFタンパク質濃度を有意な程に低下させ、化合物2は1,10−フェナントロリンによる分泌したVEGFタンパク質の低下に作用しない。
HIF−1の生物学的活性はHIF−1αタンパク質の利用可能性により測定されしかも低酸素症はHIF−1αタンパク質を誘発するので、本発明者はHIF−1αタンパク質の誘発に化合物2での処置の作用を検査した。
全細胞抽出物中のHIF−1αタンパク質の存在が低いことに因り、核抽出物を調製し、核抽出物中のHIF−1αタンパク質の濃度をウエスタン ブロッティング法により測定する。要約すると、指数型で成長したT47D細胞を化合物2に30分間暴露する。次いで培養は10μMの1,10−フェナントロリン又は低酸素症の何れかの存在下に37℃で更に4時間続行する。核抽出物を対照及び処置した細胞から調製し、SDS/PAGEゲル上に分離し、分離したタンパク質をニトロセルロース膜に移送し、一次抗体(抗−HIF−1α及び抗−HIF−1βモノクローナル抗体、ノブス バイオロジカル社)、二次抗体のビオチニル化した抗−マウス イムノグロブリンG及びベクタスタインABC試薬(ベクター ラボラトリーズ社)と共に培養し、ECL試薬(アメルシャム バイオサイエンス社)を用いて展開する。図7に示す通り、低酸素症と1,10−フェナントロリンとの両方とも核HIF−1αタンパク質を誘発し、構成的に発現されるHIF−1βタンパク質には有意な作用を及ぼさない。化合物2はHIF−1αタンパク質の酸素欠乏性誘発を特異的に抑制するが、1,10−フェナントロリンで誘発したHIF−1αタンパク質を抑制しない。HIF−1βタンパク質濃度の変化は処置内では見出されない。低酸素症で賦活化されるHIF−1に対する化合物2の選択性はHIF−1αタンパク質の酸素欠乏性誘発の選択的な閉塞によって生起されると結論するのが適当である。
化合物1及び2に加えて、本発明者はまたサウルルス セルヌウス(Saururus cerenuus)抽出物の活性フラクションから構造上類縁の純粋な化合物18個を単離した。18個の化合物のうち、4個の化合物は0.01ppmで50%以上だけHIF−1の賦活化を抑制し、1個の化合物は0.1 ppmで抑制し、5個の化合物は1ppmで抑制し、8個の化合物は不活性である。単離した化合物中には4個の最も活性な化合物(2,3,4,5)が包含される。当初の研究が表わす処によれば化合物2、3及び4は10nMでHIF−1の酸素欠乏性賦活化を完全に抑制し、化合物5は100nMで抑制し、他の化合物は1μMまでの濃度で50%以下の抑制を示す。4個の最も活性な化合物について別の用量−反応研究を行ない、データを図8に示す。pTK−HRE3−lucレポーター及び対照のプラスミドpRL−TK(プロメガ社)を取込んだT47D細胞を、96個の凹みを有する培養板で培養し、指示した濃度の供試化合物と共に30分間培養し、続いて更に16時間酸素欠乏性培養(図8A)又は10μMの1,10−フェナントロリンへの暴露(図8B)を行なった。培養の終了時に、細胞を溶解し、ルシフェラーゼ(pTK−HRE3−lucから)及びレニラ ルシフェラーゼ(pRL−TKから)活性はデュアル−ルシフェラーゼ(登録商標)レポーター検定システム(プロメガ社)を用いて測定する。ルシフェラーゼ データは内部コントロールのレニラ ルシフェラーゼで標準化し、3回で行なった1つの代表的な実験からの平均として表わし、棒線は標準誤差を表わす。
前述した通り、1つの重要なHIF−1標的遺伝子はVEGF、腫瘍脈管形成用の主要な要素である。HIF−1の賦活化と分泌されるVEGFタンパク質の生産との両方を抑制し得る化合物は、腫瘍の生存と低酸素症で誘発される脈管形成との両方を抑制する強力で有効な化学療法剤を表わす。分泌されるVEGFタンパク質の酸素欠乏性誘発における4個の有効例(化合物2,3,4及び5)の作用はT47D細胞で検査され、得られたデータを図9に示す。指数型で成長するT47D細胞は12個の培養板中に356,000個の細胞/凹みの密度で被覆する。化合物での処理及び酸素欠乏性暴露は前記したのと同じである。培養に続いて、調整培地中の分泌されたVEGFタンパク質の濃度をエリザ法(R & Dシステム)により測定し、データを生存細胞の個数により標準化する。図9に示した結果は3回で行なった代表的な実験からの平均であり、棒線は標準誤差を表わす。酸素欠乏性の暴露は分泌されるVEGFタンパク質の濃度に2倍の増大を生ずる。化合物2、3、4及び5は全て低酸素症で誘発される正の対照に関してVEGFタンパク質濃度を有意な程に抑制する。有意の程度(p<0.01)はANOVA及びフィッシャーのPLSDポストホック試験により測定する。典型的な化合物2、3及び4は全て10nM程の低い濃度で、分泌されるVEGFタンパク質の酸素欠乏性誘発を完全に阻止する。典型的な化合物5は10nMで60%だけ酸素欠乏性誘発を抑制し、100nMで完全に阻止する。100nMで試験した時には、化合物の何れもがVEGF標準品を用いてエリザ検定を妨害しない(15%以下の差異)。これらの結果が示唆する処によれば、マナサンチン及び活性誘導体は腫瘍脈管形成と酸素欠乏性生存との両方を抑制する有効な化学療法剤である。
作用のメカニズムを研究するのに、HIF−1αタンパク質の酸素欠乏性安定化におけるこれらの化合物の作用はウエスタン ブロッティング法を用いてT47D細胞中で検査する。図10に示す通り、4個の化合物は全てHIF−1αタンパク質の低酸素症で誘発される安定化を阻止し、然るに不活性化合物6は作用を有しない。
要約すると、本発明はHIF−1賦活化の生理的な低酸素症選択性抑制剤の1腫の発現及びかかる機能に必要とされる薬剤基準(pharmacophore)を記載する。これらの化合物は腫瘍細胞の生存、進行、転移及び治療耐性を抑制し得る有効な化学療法剤を表わす。
低酸素症によるHIF−1の賦活化はp53、NIP 3及びNIXの如き細胞壊死遺伝子の賦活化を生じる。これらの前アポトーシス遺伝子の賦活化は心臓発作及び卒中に因る血管閉塞に続いて虚血組織の損傷を伴なう。ここに記載した活性化合物は心臓発作及び卒中に続いて虚血性組織の損傷を防止する有効な用途を有し得る。
最近の研究では、リウマチ様関節炎の如き関節炎状態の治療及び予防にHIF−1抑制剤の有効な応用を立証している。それ故、粗製のS. セルヌウス製剤及び精製した化合物1〜5(化合物1〜5の立体異性体、誘導体又はこれの塩)は関節炎の治療に有用であり得る。
眼内の新生血管の病理的な成長(眼の血管化)から生ずる眼の併発症は、未熟児網膜症(ROP)、糖尿病網膜症(PDR)及び加齢による黄斑変性(AMD)を包含する眼の疾病で視力喪失の原因となる。これらの3種類の眼の新生血管病は、一生の全ての段階で即ち幼児、成人及び初老の段階で患者を悩まし、法律上の盲目の大抵の場合の原因となる。
現在、網膜及び脈絡膜の血管疾病を治療する主要な方法は外科手術である。目の血管疾病(RDP、PDR及びAMD)を治療するのに用いた外科的手法は部分的に有効であるに過ぎず、該手法は網膜にかなりの損傷を生じる。網膜を修復するのに網膜の試みに伴なう生物学的な過程例えば炎症、線維症、グリオーシス、瘢痕化、血管化等は結局は部分的又は完全な視力喪失を生起してしまう。眼内の血管化を抑制し得る小さな薬剤用の分子は、安全、有効、安価であるという効果且つより少ない副作用を生ずるという効果を奏するものである。
最近の研究では、病理的な眼の血管化に主要な脈管形成誘発剤として血管の内皮成長因子(VEGF)が強調されている。VEGFの濃度は健康な被検者では低く(又は検出不能である)、高い眼内のVEGF濃度は、PDR、増殖性の硝子体網膜症、増殖性の鎌状赤血球網膜症、網膜の静脈閉塞及びAMDを含めて虚血性疾病のある患者における活性な血管化と相関する。眼内のVEGF濃度はレーザー光凝固治療が成功した後には血管化の休止と共に基底値に下傾する。
VEGF発現の傾向は網膜虚血の傾向に釣り合い、これはVEGFが眼内の血管化を促進する網膜の虚血によって誘発されることを示唆している。それ故VEGFの酸素欠乏性誘発を抑制する化合物は網膜虚血によって誘発される眼内の血管化を阻止できしかも眼の血管化によって生起される眼の併発症に治療効力を有する。それ故、粗製のS. セルヌウス製剤及び精製した化合物1〜5(又は化合物1〜5の誘導体)は眼の黄斑変性及び他の関連する眼の血管新生疾病の治療及び予防に有用であり得る。
典型的な目的のため、本発明の具体例を或るガン細胞株に関して活性について試験した。図11及び12は化合物2について米国の国立ガン協会の発展治療プログラム(US National Cancer Institute Developmental Therapeutics Program)(NCI−DTP)からの生体外での60個の細胞株の抗腫瘍試験からの結果である。試験はNCIの生体外細胞株スクリーニング プロジェクト(IVCLSP)と関連している。実験及びそれらの解明に関する詳細な情報はNCIから入手し得る。
図11は種々の範ちゅう(例えば結腸ガン、乳ガン等)に分類した腫瘍細胞株の成長率(%)に対する用量−反応曲線を描写する。該曲線は化合物2で処置した時の各々の腫瘍細胞株の応答を表わす。
図12は種々の範ちゅう(例えば結腸ガン、乳ガン等)に分類した腫瘍細胞株についてGI50、TGI及びLC50(左〜右)の平均グラフを描写する。該データは互いに関連する各々の細胞株の相対的な応答選択率を示すのに設定される。この形式のデータ表示は供試化合物の相対的な腫瘍特異性を検査するのに用いる。該曲線は化合物2で処置した時の各々の腫瘍細胞株の応答を表わす。
患者に対する非選択的な細胞毒性の発生率を低減するためには、腫瘍に特異的な選択性を有する抗腫瘍剤が高度に望ましい。これらの図面に示したデータが明らかに示す処によれば化合物2は腫瘍細胞株(例えば2種のCNS腫瘍株、黒色腫細胞株及び幾つかの乳腫瘍細胞株)に対して高度に選択性(若干の場合には10,000倍まで)である。化合物2は、現在承認されている抗腫瘍薬剤に見られる選択率よりも、このGI50の60個の細胞株パターンにより示される如く優れた且つ予期せぬ程度の選択率を生ずる。化合物2はまたNCI/ADR−RES乳腫瘍細胞株を有効に抑制する。これは特別な重要性を有する。何故ならば、このNCI/ADR−RES乳腫瘍細胞株はアドリアマイシン、タキソール等の如き多数の現在用いられている抗腫瘍剤に耐性であるからである。
かくして本発明を記載するけれども、本発明は多数の仕方で変更できることは明らかであろう。かかる変更は当業者には明らかであり、本発明の記載の一部と考えられるものである。
但し書きがなければ、本明細書で用いた成分の量を表わす全ての数値、反応条件の如き特性及びその他は、全ての場合に用語「約」によって修飾されると理解すべきものである。従って別に指示がなければ、本明細書に挙げた数値パラメータは本発明によって決定される所望の特性に応じて変化し得る近似値である。
本発明の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータは近似であるにも拘らず、実験部分又は実施例部分で挙げた数値は、できるだけ正確に記録される。然しながら、何れかの数値は本質的にそのそれぞれの試験測定で見出される標準偏差から必然的に生じる誤差を含む。
援用文献
本明細書(次のリストを含めて)に亘って、種々の特許及び/又は刊行物が援用されている。各々の特許/刊行物(また、特に以下のリストを含めて)は参考のため、その全体が本明細書に組込まれ、本明細書の開示の一部と考えられる。
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図1は乳ガン細胞系列におけるHIF−1賦活化に関連するデータを示すグラフである。 図2は、低酸素症で誘発されるHIF−1賦活化を抑制するためイソフラボン及びフラボノイド誘導体に関するデータを示すグラフである。 図3は低酸素症で誘発されるHIF−1賦活化を抑制するため本発明の化合物に関するデータを示すグラフである。 図4は分泌したVEGFタンパク質の低酸素症で誘発される増大を抑制するための本発明の化合物に関するデータを示すグラフである。 図5は1,10−フェナントロリンで誘発されるHIF−1賦活化における本発明の化合物に関するデータを示すグラフである。 図6は分泌したVEGFタンパク質の1,10−フェナントロリンで誘発される増大における、本発明の化合物に関するデータを示すグラフである。 図7はHIF−1αサブユニットの低酸素症で誘発される集積を抑制するため化合物2に関するデータを示す。 図8は低酸素症で誘発されるHIF−1の賦活化(A)及び1,10−フェナントロリンで誘発されるHIF−1賦活化(B)における本発明化合物に関するデータを示すグラフである。 図9は分泌したVEGFタンパク質の低酸素症で誘発される増大を抑制するため本発明の化合物に関するデータを示すグラフである。 図10はHIF−1αサブユニットの低酸素症で誘発される集積を抑制するため本発明の化合物に関するデータを示す。 図11はNCI 60細胞系列における細胞増殖を抑制するため化合物2の用量反応曲線を示す。 図12は化合物2についてガン細胞系列に対する活性の平均グラフを示す。

Claims (18)

  1. 次式:
    Figure 2006528692
    〔式中R及びR1は同じでも異なっていても良く、個々にH、アルキル、アセチル、アミン、アミド、シアノ、チオシアノ、アルデヒド、ハロゲン、エステル、エーテル、サルフェート、カーボネート、アセトニド、アルデヒド、ハライド、シアノ、チオシアノ基を表わし;但し各々のRがメチル基である時に各々のR1は同時にはHではない〕の化合物;及びこれの類似体、立体異性体及び製薬上の塩。
  2. 次式:
    Figure 2006528692
    を有する請求項1記載の化合物及びこれの類似体、立体異性体及び製薬上の塩。
  3. 次式:
    Figure 2006528692
    を有する請求項1記載の化合物及びこれの製薬上の塩。
  4. 次式:
    Figure 2006528692
    〔式中R及びR1は同じでも異なっても良く、個々にH、アルキル、アセチル、アミン、アミド、シアノ、チオシアノ、アルデヒド、ハロゲン、エステル、エーテル、サルフェート、カーボネート、アセトニド、アルデヒド、ハライド、シアノ、チオシアノ基を表わし;但し各々のRがメチル基である時各々のR1は同時にはHではない〕を有する化合物及びこれの類似体、立体異性体及び製薬上の塩。
  5. 次式:
    Figure 2006528692
    〔式中各々のRは同じでも異なっても良く、個々にH、アルキル、アセチル、アミン、アミド、シアノ、チオシアノ、アルデヒド、ハロゲン、エステル、エーテル、サルフェート、カーボネート、アセトニド、アルデヒド、ハライド、シアノ、チオシアノ基を表わし;但し各々のRはメチル基ではない〕を有する化合物及びこれの類似体、立体異性体及び製薬上の塩。
  6. HIF−1機能阻害を必要とする被検者に対して次の化合物
    Figure 2006528692
    〔式中各々のRは同じでも異なっても良く、個々にH、アルキル、アセチル、アミン、アミド、シアノ、チオシアノ、アルデヒド、ハロゲン、エステル、エーテル、サルフェート、カーボネート、アセトニド、アルデヒド、ハライド、シアノ、チオシアノ基を表わす〕から選んだ化合物の有効阻害量を投与することからなる、HIF−1機能阻害を必要とする被検者のHIF−1機能を阻害する方法。
  7. HIF−1機能の阻害は、ガン、発作、心臓病、眼の新生血管病、関節炎、乾癬、糖尿病網膜症、黄斑変性に関連する症状を改善するか又は予防する請求項6記載の方法。
  8. 虚血組織の損傷を予防又は処置する方法において、この処置を必要とする患者に対して、次の化合物:
    Figure 2006528692
    〔式中各々のRは同じでも異なっても良く、個々にH、アルキル、アセチル、アミン、アミド、シアノ、チオシアノ、アルデヒド、ハロゲン、エステル、エーテル、サルフェート、カーボネート、アセトニド、アルデヒド、ハライド、シアノ、チオシアノ基を表わす〕から選んだ化合物の有効量を投与することからなる、虚血組織の損傷を防止又は処置する方法。
  9. ガンの処置又は予防を必要としている被検者に、次の化合物:
    Figure 2006528692
    〔式中R及びR1は同じでも異なっても良く、個々にH、アルキル、アセチル、アミン、アミド、シアノ、チオシアノ、アルデヒド、ハロゲン、エステル、エーテル、サルフェート、カーボネート、アセトニド、アルデヒド、ハライド、シアノ、チオシアノ基を表わし;但し各々のRがメチル基である時に各々のR1は同時にはHではない〕から選んだ化合物及びこれの類似体、立体異性体及び製薬上の塩を有効量で投与することからなる、ガンの処置又は予防方法。
  10. 該処置は放射線又は化学療法のガン処置と組合せてある請求項9記載の方法。
  11. ガンは肝臓ガン、乳ガン、子宮頚ガン、食道ガン、舌ガン、口腔ガン、スイ臓ガン、甲状腺ガン、白血病、骨髄腫である請求項9記載の方法。
  12. 血管内皮性成長因子(VEGF)を阻害する方法において、この阻害を必要としている被検者に対して次の化合物:
    Figure 2006528692
    〔式中各々のRは同じでも異なっても良く、個々にH、アルキル、アセチル、アミン、アミド、シアノ、チオシアノ、アルデヒド、ハロゲン、エステル、エーテル、サルフェート、カーボネート、アセトニド、アルデヒド、ハライド、シアノ、チオシアノ基を表わす〕から選んだ化合物の有効量を投与することからなる、VEGFの阻害方法。
  13. サウルルス セルヌウス(Saururus cernuus)Lから単離した抽出物を生成し;
    被検者に対してHIF−1機能阻害有効量を投与することからなる、HIF−1機能阻害を必要としている被検者のHIF−1機能を阻害する方法。
  14. 投与量は粗製の抽出物の形である請求項13記載の方法。
  15. 投与量は組成物の形である請求項13記載の方法。
  16. 抽出物は次の化合物:
    Figure 2006528692
    Figure 2006528692
    から選んだ化合物の少なくとも1種を含有する、請求項13記載の方法。
  17. HIF−1阻害はガン、発作、心臓病、眼の新生血管病、関節炎、乾癬、糖尿病網膜症、黄斑変性に関連する症状を改善又は予防する請求項13記載の方法。
  18. 前記抽出液はアルコール溶剤抽出液である請求項13記載の方法。
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