JP2006526137A - 内部標準の存在下で色素を標識することによる閉じた膜構造上の細胞表面タンパク質の示差分析 - Google Patents

内部標準の存在下で色素を標識することによる閉じた膜構造上の細胞表面タンパク質の示差分析 Download PDF

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Abstract

適合蛍光試薬と、細胞表面上に発現するものなどの膜成分を再現性よく標識し、続いてその標識成分を示差分析して、細胞の種類及び状態の間の差を検出するための方法とを開示する。さらに、本発明は、タンパク質パターンをゲル全体にわたってマッチングさせ、それによってゲルとゲルとの間のばらつきを回避するために内部標準を使用する。本発明による方法は、例えば、低い存在量の膜タンパク質を検出するため、例えばリガンド結合の際、又は刺激に応答して細胞膜中に発現する受容体の変化を検出するために特に有用である。

Description

本発明は、閉じた膜構造を含む試料の表面膜成分の示差分析のための方法に関する。本発明は、より具体的には、無傷細胞個体群をインビボで目標化及び標識し、それによって細胞膜中若しくはその上で発生又は発現する成分を標識し検出する細胞浸透性の特徴を有する発光性色素の使用に関する。
細胞膜は、細胞の生命にとって決定的に重要な機能を有する。すべての生体膜は、主として非共有結合の相互作用によって一緒に保たれている、脂質とタンパク質分子とを含む共通的な一般構造を特徴とする。膜脂質は透過障壁を形成しそれによって細胞の境界を規定し、他方、膜タンパク質は、生物学的信号伝達、小分子の輸送及び細胞付着などの特異的な細胞プロセスを媒介する。したがって、病状を理解するためには、異なる細胞のタイプ及び状態間で、膜成分、特にタンパク質及びその誘導体を特定し識別できることが重要である。
二次元(2D)差ゲル電気泳動法(DIGE)は、2−D電気泳動分離の前に、細胞のタンパク質成分を標識するために、適合したスペクトル的に分解した蛍光色素を使用している(Minden,J.et al.、Electrophoresis(1997)、18、2071)。国際公開第96/33406号(Minden,J.and Waggoner,A.S.)は、異なる細胞試料を溶解させ、全細胞タンパク質を抽出する方法を記載している。次いで、異なるタンパク質試料を、分子の質量及び電荷を2−DEで同等の泳動度をもたらすように適合した色素で標識する。このアプローチは、アミンを標識するためにN−ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステル反応基を有するシアニン色素を使用する。タンパク質試料を蛍光体で事前に標識すると、多数の試料を同一ゲル上で試験することができ、蛍光画像をオーバーレイすることによって、試料間の定量的な差を容易に特定することができる。しかし、この方法は、細胞膜内で生じるタンパク質成分を、他の細胞タンパク質と識別することができない。
ビオチン標識試薬の増強された化学ルミネセンスの使用と、蛍光標識試薬を使用することによる細胞表面タンパク質を目標として特性評価するための無傷細胞の標識を実施している。例えば、Meier,T.et al.(Anal.Biochem.(1992)、204、220 226)は、ストレプトアビジン−HRP複合体と結合した後に、ニトロセルロース転写したビオチニル化抗原を検出するために、細胞全体のビオチンスクシンイミドエステル標識と、増強された化学ルミネセンスを一緒にした、免疫沈澱した細胞表面分子を標識し検出するための手順を記載している。しかし、ビオチン標識するアプローチは、固体膜担体上にタンパク質を転写させるためのゲルのブロッティングを必要とする。ビオチニル化タンパク質の検出は通常、検出可能な生成物を生成する基質とのストレプトアビジン−酵素抱合体を用いて実施する。ビオチニル化試料は、直接比較試験するために多重化することができず、そのことは正確で定量的な情報を得る能力を低下させる。
Bos,C.et al.(J.Bacteriol.(1998)、180(3)、605)は、大腸菌中の細胞表面タンパク質上の曝露システイン残基を標識するためのフルオレセインマレイミドの使用と、フェリクロームによる結合の際のFhuA膜タンパク質内の構造変化を検討するための流動細胞計測法及びSDS−PAGEによる分析を記載している。
国際公開第02/099077号(Proteologics Inc.)は、分析する2つ以上の試料が、識別可能なように選択されたマーキング部分で各々標識されている、膜表面タンパク質の差表示法を開示している。標識後、各試料からのタンパク質を混合し、例えば二次元電気泳動法によって、さらなる分析に一緒にかけることができる。
国際公開第96/33406号パンフレット 国際公開第02/099077号パンフレット Minden,J.et al.、Electrophoresis(1997)、18、2071) Meier,T.et al.(Anal.Biochem.(1992)、204、220 226) Bos,C.et al.(J.Bacteriol.(1998)、180(3)、605)
本発明は、蛍光試薬を提供し、細胞表面上に発現するものなどの膜成分を再現性よく標識し、続いて標識成分を分析して異なる細胞のタイプ及び状態間の差を検出する方法を説明する。
さらに、本発明は、ゲル全体にわたってタンパク質パターンをマッチングさせ、それによってゲルとゲルとの間のばらつきを回避するために内部標準を使用する。例えば、本発明による方法は、低い存在量の膜タンパク質を検出するため、例えばリガンド結合の際、又は刺激に応答して細胞膜中に発現する受容体の変化を検出するために有用である。細胞表面タンパク質の蛍光標識の使用によって、ゲル内での標識タンパク質の直接の検出が可能になり、泳動度適合色素の使用によって示差分析のための多重化が可能になる。異なる膜浸透性の特徴を有する色素の使用によって、細胞の異なるタンパク質サブセット、例えば膜タンパク質及び細胞基質のタンパク質を目標化することが可能になる。
したがって、本発明の第1の態様では、閉じた膜構造を含む2以上の試料からの表面膜成分間の差を検出する方法であって、当該方法が、
i)各試料の別々のアリコートを、色素の適合セットから選択される色素と接触させるステップであって、適合セット中の各色素が膜成分を選択的に標識することができ、且つ各色素が、適合セット中の残留色素の放出ルミネッセント光とは著しく異なる特性を有するルミネッセント光を放出するステップと、
ii)各別々のアリコートから色素標識成分の抽出物を調製するステップと、
iii)異なる色素標識成分を分離するステップと、
iv)試料中の異なる色素標識成分間の発光特性の差を検出するステップと
を含み、
2以上の試料のアリコートのプールした混合物からの膜成分の抽出物を含む内部標準の存在下で、分離ステップiii)を実施し、膜構造を含む試料のプールした混合物を、色素の適合セットから選択される異なる色素と接触させることを特徴とする方法を提供する。
色素の適合セットの各色素は、その電荷及び分子量の特徴によって互いに適合しており、それによって、色素のいずれかで標識した成分の相対的泳動度が、色素の適合セット中の他のいずれかの色素で標識した成分の相対的泳動度と実質的に同じであることが適切である。
本発明によれば、各試料の別々のアリコートを、同一色素、又は色素のセットから選択される異なる色素と接触させることができる。したがって、1つの試料からの色素標識成分は、他の任意の試料からの色素標識成分の発光特性と比べて、同じ発光特性を有していてもまた同じ発光特性を有していなくてもよい。
したがって、本発明のステップi)による第1の実施形態では、各試料の別々のアリコートを、色素の適合セットから選択される異なる色素と接触させ、それによって各試料中の表面膜成分を標識する。図1の流れ図は、異なる試料についての、第1の実施形態による試料調製(1a、1b)と、分離方法及び分析方法(1c)を示す。本方法の1つの変更形態では、図1aに示すように、各試料、及びプールした混合物からの色素標識成分の抽出物を得るために溶解ステップを用いる。別法としては、図1bに示すように、試料混合物を溶解する前に、色素標識試料の各々を、プールした標識試料と一緒に混合し、それによって、標識成分を分離し分析する前に、色素標識抽出物の混合物を得る(図1c)。図1bによる代替の手順は、同じゲル上の分析用試料がすべて同一の溶解条件を施されることになる。それによって、試料調製中に持ち込まれることがあるアーチファクトの可能性を回避することができる。この実施形態では、その方法は、ステップiii)の前に、成分を分離する前に、すべての試料からの色素標識成分の抽出物の一部を互いに混合し、且つプールした混合物からの色素標識成分の抽出物を混合するステップを含む。
第2の好ましい実施形態では、各試料の別々のアリコートを、適合セットから選択される同じ色素と接触させる。第2の実施形態による方法を、2つの異なる試料について、図2(2a、2b及び2c)の流れ図で示す。この実施形態では、各試料、及びプールした混合物からの色素標識成分から抽出物を得るために、溶解ステップを用いることができ(図2aに示す)、次いで、そうして得られた色素標識抽出物をプールした標識抽出物と混合する。或いは、(図2bに示すように)溶解ステップの前に、色素標識試料とプールした混合物との混合を実施することができる。この実施形態では、その方法は、ステップiii)の前に、成分を分離する前に、各々別の試料からの色素標識成分の抽出物の一部を混合したプールした抽出物からの色素標識成分の抽出物の一部を提供するステップを含む。
内部標準は、膜構造の各試料のほぼ等しいアリコートを含むプールした混合物からの成分の抽出物を含むことが適切である。プールした混合物を、色素の適合セットから選択された異なる色素、即ち、別個の試料を各々標識するために選択された色素(又は複数の色素)からの異なる発光特性を有する色素と接触させる。プールした混合物を標識するために選択される色素は、適合セット中のすべての残留色素と同じ移動性と電荷の特徴を有し、且つその色素は、膜成分を選択的に標識することができることになる。しかし、プールした抽出物からの色素標識成分は、各別々の試料抽出物からの色素標識成分の発光特性とは異なる発光特性を有することになる。
したがって、本発明は、適合蛍光色素、及び異なる試料からの膜構造の表面膜成分を標識し、該表面膜成分間の差を検出するための方法に関する。膜は、細胞全体の構成要素であることが適切である。或いは膜は細胞小器官、ミトコンドリア及び細胞核などの内部細胞構造の部分を形成することができる。特に、本発明は、膜タンパク質又はその断片などのタンパク質成分の示差分析のための方法に関する。或いは、本方法は、細胞試料間での炭水化物成分の差を分析するために使用することができる。
本発明によれば、細胞膜の異なる部分に発現するタンパク質を目標化及び標識するために、タンパク質発現とタンパク質組成物の示差分析に特異的な細胞浸透性の特徴を有する反応性蛍光色素を使用する。本明細書で定義するタンパク質は、翻訳後に変性されたタンパク質及びタンパク質断片、例えばペプチドを含むものとする。翻訳後に変性されたタンパク質の例には、ホスホリル化されたタンパク質(リンタンパク質)及び糖タンパク質が含まれる。その方法によって、当該の異なる試料中の無傷細胞個体群又は生物学的な組織の膜タンパク質の比較が可能となる(例えば、対照組織対羅患組織;対照組織又は細胞対薬物治療した組織又は細胞)。
好ましい実施形態では、色素を、膜タンパク質を標識するための適合対として使用する。本発明による図2a及び2bの流れ図を参照すると、各細胞又は組織試料の別々のアリコートを、色素の適合対から選択された第1の色素でインキュベートする。色素の適合対の各々は膜タンパク質成分を選択的に標識することができ、各色素は、色素の適合対のどちらかの一方の色素で標識タンパク質の分離媒体中での相対的泳動度が、他方の色素で標識した成分の分離媒体中での相対的泳動度と同じであるという特徴を有する。さらに、各色素は、他の色素の放出ルミネッセント光とは著しく異なった特性を有するルミネッセント光を放出する。
差タンパク質分析での試料の多重化によって、異なる試料間でのタンパク質レベルの検出が著しく改善された。しかし、ゲル条片中への試料投入の際のタンパク質損失、ゲルとゲルとの間のばらつきなどの実験因子に起因するスポット強度のばらつきは、実験設計における主要な誤差源である可能性がある。したがって、ゲルの解釈から得られる不正確な生物学的な結論を回避するために、各ゲルについて標準試料(内部標準)を含ませ、各分離を実施することが好ましい。DIGE法を使用して全タンパク質の差を定量化するための内部標準の使用は、先にAlban,A.et al.、Proteomics(2003)、3、36−44に記載されており、これを参照されたい。試料中の各タンパク質スポットを、内部標準内のその代表と比較して相対発現の比を得ることができる。そのゲル内の内部標準に対する試料の相対的変化に基づいて、ゲル間の試料の定量的な比較を行う。この方法は、系(ゲルとゲルとの間)のばらつきを効果的に取り除き、試料間での誘発された生物学的な変化の正確な定量を可能にする。ゲルの複製を行う必要性も克服され、それによって、実験当たりに要するゲルの数を少なくなる。ゲル間の内部標準マッチングを使用することはまたより直接的でもある。内部標準画像は、実験におけるすべてのゲル間で共通しているので、内部標準画像間でマッチングを行うことができる。通常の2−D電気泳動法は、異なるゲルでの異なる試料間のマッチングを必要とし、これは、試料と試料、並びにゲルとゲルとの間のばらつきによるスポットパターンの差を招く。内部標準間のマッチングは同一試料間のマッチングを可能にし、それによって、スポットパターンにおける差は電気泳動の差だけによることになる。
本発明による好ましい実施形態において、図2a及び2bを参照すると、すべての細胞試料のプールは、色素の適合対の第2の色素で標識されている。試験するすべての試料のどの表面膜成分も内部標準内に示されることになり、試料内の各成分は、内部標準内のそれ自体と比較することができ、それによって、細胞試料間の細胞表面成分中の差の正確な定量化が可能になる。別個の各試料が同一色素で標識され、内部標準が常に第2の色素で標識されるので、2つの色素の使用によって、試料間に確実に標識アーチファクトがもたらされないことになる。したがって、好ましい方法による2つの色素の使用によって、色素設計の特徴のより簡単なマッチングが提供されて標識成分の同等な泳動度が確実になる。
本発明は、本発明による方法での使用に適した試薬を提供する。蛍光色素の対を用いることが好ましく、色素はその電荷及び分子量の特徴によって互いに適合している。したがって、色素はほぼ等しい分子量であることが好ましいが、そうでなければならないということはない。さらに、それによって、一次元又は二次元の電気泳動法による分離に続いて、差的に標識タンパク質が同じ位置に泳動するように、色素を電荷でマッチングさせる。そうした色素で標識タンパク質からもたらされるplシフトがないので、タンパク質の本来の電荷を保持する色素が特に好ましい。リジンがタンパク質の目標基である場合、色素は+1の正味電荷を有していなければならず、タンパク質中のシステイン残基を目標とする色素では、正味電荷は中性でなければならない。
本発明の方法による使用のための色素は、外部へ曝露されたタンパク質などの特定の細胞の領域を目標とするように、浸透性の特徴を有して設計されることが適切である。具体的な標識試薬の例は、実質的に膜不浸透性であり、したがって、表面膜成分、好ましくは細胞表面上に発現した曝露領域を有する目標膜タンパク質を選択的に標識することができるものである。そうした試薬は膜不浸透性であることによって表面タンパク質について選択的であり、したがって、内部タンパク質の標識を回避する。後続する検出及び分析のために、細胞表面タンパク質を標識するのに適した試薬は、理想的には以下の特性を有するものである。即ち、
a)試薬は細胞膜に浸透してはならない。したがって一般に、色素は、色素の親水性を増大させ、且つ色素分子が細胞膜の疎水性脂質コアを通過するのを阻止する総電荷を有していなければならない。したがって、色素は、親水性の特徴を色素に付与するために、色素発色団に共有結合で結合した1以上の置換基を含むことができる。適切な置換基には、スルホネート、スルホン酸及び四級アンモニウムが含まれる。これらは、色素構造に直接結合していてもよく、或いは、C〜Cアルキル鎖などのリンカー基を介して結合していてもよい。色素構造に直接結合した1以上のスルホネート又はスルホン酸基が特に好ましい。
b)試薬は、表面タンパク質の本来の状態を保持するために生理学的条件下で反応しなければならない。適合セット中の各色素が選択的に反応し、それによって、膜成分を共有結合で標識することができることが好ましい。好ましい実施形態では、色素は、相補的目標官能基を有するタンパク質と特異的に反応し、それによって、タンパク質との安定した結合を形成できなければならない。これは、下流での分析が変性状態の使用を必要とする場合(例えば電気泳動において)に重要である。
c)適合セット中の各色素は、検出手段によって容易に検出でき且つ解像できなければならない。したがって、各色素は、セット中の残留色素の放出ルミネッセント光と著しく異なる特性を有するルミネッセント光を放出することが適切である。各色素は、その蛍光波長及び/又は蛍光寿命によって互いに区別できることが好ましい。したがって、発光特性は色素の放出波長であってよく、各色素は、その異なる発光波長によって、適合セット中の任意の他の色素との違いが特性づけられる。或いは、色素の発光特性はそのルミネッセント寿命であってもよく、そのセット中の各色素は、異なるルミネッセント寿命によって特性づけられる。
本発明での使用に適した特徴を有する色素は、フルオレセイン、ローダミン、シアニン色素、アクリドン色素及びキナクリドン色素を含む周知の蛍光色素の部類から選択することができる。
本発明での使用のために好ましい色素の部類はシアニン色素である。シアニン色素は、合成設計によって、広いスペクトル範囲にわたって調整できる吸収を有する、強力なスペクトル吸収バンドを特徴とする。特に好ましい色素は構造(1)を有するシアニン色素から選択される。
式中、
nは1〜3の整数であり、
X及びYは同一又は異なるもので、>C(CH、O及びSから選択され、
基R及びRの1つは基−E−F(式中、Eは、直鎖又は枝分れC1−20アルキル鎖から選択される1〜20個の連結原子の鎖を有するスペーサ基であり、1以上のエーテル結合、1以上のアミド結合及び1以上の不飽和基を含んでいてもよく、Fは、標識される成分の相補性基と反応することができる目標結合基である)であり、
残りの基R又はRはC〜Cアルキル又は基−(CH−Wであり、Wは下記から選択され、
(式中、R′、R″及びR″′はC〜Cアルキルから選択され、mは1〜10の整数である)、
基R及びRの1以上はスルホネート又はスルホン酸基であり、R及びR基の1つがスルホネート又はスルホン酸基でない場合、残りの基R又はRは水素である。
式(1)によるシアニン色素は色素の適合対であることが好ましい。但し、nは各色素によって異なっていて1又は2であり、X及びYはいずれも>C(CHである。
本発明で使用するための別の色素は、構造(2)を有するアクリドン色素から選択することができる。
式中、
基R、R及びRの1つは基−E−F(式中、Eは、直鎖又は枝分れC1−20アルキル鎖から選択される1〜20個の連結原子の鎖を有するスペーサ基であり、1以上のエーテル結合、1以上のアミド結合及び1以上の不飽和基を含んでいてもよく、Fは、標識される成分の相補性基と反応することができる目標結合基である)であり、
基R又はRのどちらかが基−E−Fでない場合、それらは独立に、水素、ハロゲン、アミド、ヒドロキシル、アミノ、モノ又はジ−C〜Cアルキル置換アミノ、スルフヒドリル、カルボキシル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、スルホネート、スルホン酸、四級アンモニウム及び基−(CH−)−Zから選択され、
基Rが基−E−Fでない場合、それは水素、C〜Cアルキル、基(CH−Z(式中、Zはスルホネート、スルホン酸、四級アンモニウム及びカルボキシルから選択され、kは1〜6の整数である)から選択される。
式(1)又は(2)の化合物の目標結合基Fは反応性の基又は官能基であることが適切である。反応基は、適切な条件下で、標識成分の官能基と反応することができる(表1に示すように)。他方、官能基は、適切な条件下で、成分の反応基と反応し、それによって成分はその化合物で標識される。
目標結合基Fは、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル及びアルデヒド基と反応性である反応基であることが好ましい。反応基はスクシンイミジルエステル、スルホ−スクシンイミジルエステル、イソチオシアナート、マレイミド、ハロアセトアミド及びヒドラジドから選択されることがより好ましい。
式(1)及び(2)の化合物において、スペーサ基Eは1〜20個の連結原子、好ましくは6〜15個の原子を有することが適切である。
Eは−{(CHR−Q−(CHR−(式中、Qは−CHR−、−NR−、−O−、−(CH=CH)−及び−CO−NH−から選択され、Rは水素又はC〜Cアルキルであり、pは0〜5であり、rは1〜5であり、sは1又は2である)であることが好ましい。Qは−CHR−、−O−及び−CO−NH−(式中、Rは上記定義通りである)から選択されることが特に好ましい。
細胞表面タンパク質上のリジン残基を標識するために好ましいシアニン色素の対は、Cy(商標)3及びCy5のモノ−スルホン化NHSエステル、化合物I及びIIである。
化合物I
化合物II
目標タンパク質官能基としてのリジンを、シアニン色素で標識すると正の電荷を失う結果となる。したがって、タンパク質の本来のplを維持するために、正に荷電した色素を用いることによって荷電したリジン残基のこの損失を埋め合わせることが好ましい。このようにして、色素標識タンパク質の泳動位置は、標識されていないタンパク質に対して変化しないままである。追加の正の電荷は、例えば、インドールの窒素原子への共有結合によって、色素に結合した正に荷電のリンカーを用いて実現することができる。
正に荷電したシアニン色素の適切な例は、四級アンモニウムリンカーを有するモノスルホン化シアニン色素NHSエステル、化合物III及びIVである。
化合物III
化合物IV
別の例は、ピリジニウムリンカーを有するモノスルホン化シアニン色素NHSエステル、化合物V及びVIである。
化合物V
化合物VI
細胞表面タンパク質上のシステイン残基を標識するために適したシアニン色素対は、Cy3及びCy5のモノスルホン化マレイミド誘導体、化合物VII及びVIIIである。
化合物VII
化合物VIII
或いは、翻訳後変性タンパク質、例えば糖タンパク質などのタンパク質のサブセットを目標とすることができる色素を用いることができる。まず、末端の糖の近接ヒドロキシル基を酸化してアルデヒド基にし、続いてヒドラジド反応基を担持する色素と反応させることによって、糖タンパク質の末端炭水化物基を標識することができる(Wilchek,M.and Bayer,E.A.、Methods in Enzymology、Volume138、429−442(1987)を参照されたい。細胞表面糖タンパク質上の炭水化物基を標識するために適切なシアニン色素対は、Cy3及びCy5のモノスルホン化ヒドラジド誘導体、化合物IX及びXである。炭水化物基を標識するのに有用な代替の反応基は、セミカルバジド又はアミノ誘導体である。糖タンパク質上の総電荷を維持するために、適切な色素は全体として中性の電荷を担持しなければならない。全体として正味中性の電荷は、先に定義した基Wなどの適切に荷電したリンカーの使用によって得ることができる。
化合物IX
化合物X
より具体的には、その方法は以下のことを含む。即ち、まず色素の適合対、例えば化合物IX及びXから選択される蛍光色素で細胞表面を標識する前に、メタ過ヨウ素酸ナトリウムなどの酸化剤で無傷細胞を処理して、近接するジオールを短時間に酸化してアルデヒド基にする。或いは、細胞試料をガラクトース酸化酵素で処理して、末端ガラクトース上にアルデヒド基を生成させ、続いて適切な蛍光色素で反応させることによって、細胞表面糖タンパク質を標識することができる。
本発明による方法は、種に関して認知されている任意のソース(例えば、ヒト、げっ歯類、サル)、組織ソース(例えば、脳、肝臓、肺、心臓、腎臓、皮膚、筋肉)及び細胞タイプ(例えば、上皮、内皮)に由来するすべての正常な細胞及び形質転換細胞を含む様々な細胞タイプを用いて使用することができる。
本発明は、例えば培養した植物細胞を用いて、植物からの試料中の細胞表面成分を比較するために使用することもできる。多様な細胞タイプの培養のため利用できるプロトコルが確立されている(例えばFreshney,R.I.、Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique、2nd Edition、Alan R.Liss Inc.1987を参照されたい)。さらに、本発明の方法で使用するための試料を、組み換え遺伝子を形質移入され、次いで培養された細胞、或いは外部刺激(熱ショック又は薬物治療など)にかけられた細胞から誘導することができる。
細胞小器官(例えば核、ミトコンドリア)中の膜タンパク質を目標にすることを望む場合、膜構造を標識する前に事前の分画ステップをこの方法に導入することができる。そうした場合、周知の任意の方法で膜構造を濃縮することができる。例えば、分画遠心法、密度勾配遠心法(例えばスクロース勾配を用いて)、連続フロー電気泳動法又は水性2相分配法。
蛍光色素で表面膜成分を標識するための方法は、よく知られており、一般に、膜を選択した蛍光性の標識試薬に、十分なインキュベーション期間接触させて、試薬の結合、並びに色素と表面膜成分との間の安定した結合の形成を可能にすることを含む。
様々な周知の方法及び抽出試薬を用いて、色素標識膜成分を、無傷の膜から単離して抽出物を形成させることができる。一般に、組織/培養物からの細胞を、例えば、ホモジナイズ化、超音波処理、細胞溶解でバラバラにし、タンパク質を、尿素、チオ尿素などの変性剤、SDS、CHAPS、Triton X−100、NP−40などの洗浄剤、ジチオスレイトール(DTT)、メルカプトエタノールなどの還元剤及びTris、HEPESなどのバッファーを含む試薬の存在下で、抽出し溶解させる。抽出のためのバッファー及びpHを選択する際、必要とするバッファー能力の程度、pHに対する温度及びイオン強度の影響、金属イオンとの相互作用並びに後続する精製手順との適合性を含む多くの要素を考慮しなければならない。一般に、抽出はpH5〜9の範囲で実施することができる。内因性プロテアーゼによる分解を最少化するために、プロテアーゼ阻害剤、例えばフェニルメタン−スルホニルフルオリド(PMSF)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ロイペプチン、アプロチニンを加えることもできる。検出感度を増大させるために、存在量が低い色素標識膜成分は、分析する前に、様々なよく知られている方法を使用して、例えば色素と結合する固相抗体を用いて、試料中で物理的に濃縮することができる。
各細胞試料からの色素標識成分は、試料を個々の成分に溶解することができる分離法で分離する。すべての試料のプールした混合物からの色素標識成分の抽出物の一部を、内部標準として実施することが適切である。分離する前に、プールした混合物からの色素標識抽出物の一部を、標識膜成分の各個別の抽出物の一部に加えることが好ましい。炭水化物、タンパク質及びその誘導体などの細胞の成分を分離するための技術はよく知られている。分離ステップは一般に標識成分の物理特性をもとにする(例えば電荷及び分子量)。電気泳動法又はクロマトグラフ法によってもよい。例えばペプチド及びタンパク質は、一次元電気泳動法、二次元電気泳動法、キャピラリーゾーン電気泳動法、キャピラリーゲル電気泳動法又は等電集束法で分離することができる。クロマトグラフ法を用いる場合、それはアフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー又はイオン交換クロマトグラフィーであってよい。標識成分、特に標識細胞表面タンパク質を分離するために好ましい分析方法は2−Dゲル電気泳動法である。
分離されたタンパク質は、光学的手段、適切には、CCDカメラ、蛍光スキャナー又は共焦点イメージャーなどの画像機器によって検出及び/又は定量化する。異なる標識成分から放出された蛍光信号を分析することによって、試料間に存在するタンパク質の差を測定することができる。異なる試料からのタンパク質間の相対的蛍光信号の比較を、誘発された生物学的変化として、例えば疾患又は薬物治療の結果として、タンパク質の存在量の変化を定量化するために使用することができる。ゲル画像の分析は一般に、2−DE分析用に特に設計されたソフトウェアを用いて実施する。例えば、DeCyder(商標)(Amersham Biosciences)は、スポット検出、バックグラウンド除去法、正規化、定量化、位置マッチング及び多重画像の差的タンパク質発現分析のための完全自動化画像分析ソフトウェアである。これによって、同一ゲル内の別々に標識した試料の共検出、及び実験の中ですべてのゲルにわたる内部標準試料の相互ゲルマッチングが可能になる。次いで内部標準と比較すると、測定しようとする試料間のタンパク質存在量比が得られ、データの重要性を決定するために適用する統計的試験が可能になる。
試料中のタンパク質の同一性は一般に、分離ステップ後に当該のタンパク質を単離し、タンパク質をトリプシンで消化させ、MALDI−MSでペプチドフィンガープリント法を実施することによって得られる。個別タンパク質成分の同一性はMS/MSペプチド配列決定法を用いて決定することもできる。標識タンパク質(したがって細胞表面成分)をはっきり同定するために、分離及び/又はMS分析前に、様々な周知の方法、例えば色素と結合する固相抗体を用いて、色素標識成分を濃縮するか又は標識されていない成分から精製することができる。
本発明は、細胞信号伝達(例えばホルモン及び成長因子受容体、Gタンパク質結合受容体)に関与するもの、輸送体タンパク質(例えば糖輸送)、イオンチャンネル(例えばNa−K ATPase、H−ATPase)、エネルギートランスデューサー(例えばATPシンテターゼ)、酵素、抗原受容体、リガンド結合(例えばインスリン受容体)及び細胞骨格などの細胞外タンパク質との結合を有するもの(例えばインテグリン)などの、細胞表面上に存在するか又は発現する受容体を目標にするために使用することもできる。この方法は、異なる細胞刺激などの異なる治療の効果、或いは、膜成分、存在量の変化、タンパク質の細胞の位置又は構造(例えば、遊離チオール又は他の官能基を比較することによって)及びタンパク質の翻訳後変性(特にグリコシル化)に対する異なる環境影響の効果を直接比較するために使用することができる。
本発明は、各色素が細胞表面成分を選択的に標識することができる色素の適合対も提供する。さらに、各色素は互いに著しく異なる特性を有するルミネッセント光を放出する。したがって、第2の態様では、各色素が構造(1)を有するシアニン色素から選択される色素の適合対を提供する。
式中、
nは1〜3の整数であり、
X及びYは同一又は異なるもので、>C(CH、O及びSから選択され、
基R及びRの1つは基−E−F(式中、Eは、直鎖又は枝分れC1−20のアルキル鎖から選択される1〜20個の連結原子の鎖を有するスペーサ基であり、1以上のエーテル結合、1以上のアミド結合及び1以上の不飽和基を含んでいてもよく、Fは、標識される成分の相補性基と反応することができる目標結合基である)であり、
残りの基R又はRはC〜Cアルキル又は基−(CH−Wであり、Wは下記から選択され、
(式中、R′、R″及びR″′はC〜Cアルキルから選択され、mは1〜10の整数である)、
基R及びRの1以上はスルホネート又はスルホン酸基であり、R及びR基の1つがスルホネート又はスルホン酸基でない場合、残りの基R又はRは水素である。
各色素を、その電荷及び分子量特性によって互いに適合させ、それによって、色素の一方で標識した成分の分離媒体中での相対的泳動度が、他方の色素で標識した成分の分離媒体での相対的泳動度と同じであることが好ましい。
nは各色素について異なっていて1又は2であり、X及びYはいずれも>C(CHであることが好ましい。
各色素はヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル及びアルデヒド基と反応性である目標結合基を有することが適切である。目標結合基はスクシンイミジルエステル、スルホ−スクシンイミジルエステル、イソチオシアナート、マレイミド、ハロアセトアミド及びヒドラジドから選択される反応基であることが好ましい。
一実施形態では、基R及びRの1つは先に定義した基−E−Fであり、残る基R又はRはC〜Cアルキルから選択される。他の実施形態では、残る基R又はRは基−(CH−Wである。但し、Wは下記式から選択される。
(式中、R′、R″及びR″′はC〜Cアルキルから選択され、mは1〜10の整数である)
本発明は、細胞信号伝達に関与するもの(例えばホルモン及び成長因子受容体、Gタンパク質結合受容体)、輸送体タンパク質(例えば糖輸送)、イオンチャンネル(例えばNa−K ATPase、H−ATPase)、エネルギートランスデューサー(例えばATPシンテターゼ)、酵素、抗原受容体、リガンド結合(例えばインスリン受容体)及び細胞骨格などの細胞外タンパク質との結合を有するもの(例えばインテグリン)などの、細胞表面上に存在するか又は発現する受容体を目標にするために使用することもできる。この方法は、異なる細胞刺激などの異なる治療の効果、或いは、膜成分、存在量の変化、タンパク質の細胞の位置又は構造(例えば、遊離チオール又は他の官能基を比較することによって)及びタンパク質の翻訳後変性(特にグリコシル化)に対する異なる環境影響の効果を直接比較するために使用することができる。
本発明を、以下の実施例と図を参照してさらに説明する。これらは、本明細書で例示のためだけに示されるものであり、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
実施例1
色素の合成
i)概略実験手順
1H NMR(δ)スペクトルをJeol JNM−LA300 FT NMR分光計で記録した。化学シフトをδ(ppm)で示す。試料をd−メタノールなどの適切な重水素溶媒中の溶液として調製した。Unicam UV3 UV/VIS分光計を用いてUV/VIS分光法を実施した。トリメトキシプロペンはKarl Industries Inc.、Ohio、USAから購入した。他のすべての化学品はSigma−Aldrich Company Limited、Dorset、Englandから購入した。
ii)2,3,3−トリメチルインドレニン−5−スルホン酸カリウム
ヒドラジノベンゼンスルホン酸(20.0g)を酢酸(60ml)中に溶解し、次いで3−メチル−2−ブタノン(26.0g)を加えて、3時間加熱還流した。所望の化合物を冷蔵庫中で掻き落としながら冷却して沈澱させ、オフホワイトのスラリーをプロパン−2−オルで希釈し、濾過した(71%)。
2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドレニン(16.45g)をメタノール(160ml)中で加熱して溶解し、プロパン−2−オル(100ml)中のKOHの飽和溶液を加えた。溶液は黄色に変色し固形物が生成した。溶液を冷却し、固形物を濾過してオフホワイトの固形物が形成された(15.9g、98%)。δ(300MHz、CDOD)7.84(m,2H)、7.46(d,1H)、3.30(s,3H)及び1.35(s,6H)。
iii)1,2,3,3−テトラメチル−5−スルホニル−インドリウムアイオダイド
2,3,3−トリメチルインドレニン−5−スルホン酸カリウム(1.0g、3.61ミリモル)及びヨードメタン(0.25ml、3.97ミリモル)を窒素雰囲気下でジクロロベンゼン(10ml)と混合した。溶液を、砂浴を用いて100℃で4時間加熱した。固形物が生成し始めたが、tlc(MeOH30%/DCM70%)による分析によって生成物の生成が完全でないことが分かったので、追加的に当量のヨードメタンを加え、反応液をさらに2時間加熱し、次いで室温に冷却した。濾過して固形物を集め、ジクロロベンゼン、ジエチルエーテルで洗浄し、次いで、真空中で乾燥して紫色の固形物を得た(0.89g、98%)。δ(300MHz、CDOD)8.06(m,1H)、7.94(dd,1H)、7.84(m,1H)、4.02(s,3H)及び1.61(s,6H)。
iv)1−エチル−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウムアイオダイド
2,3,3−トリメチルインドレニン−5−スルホン酸カリウム(10.0g、41.97ミリモル)及びヨードエタン(4.0ml、50.35ミリモル)を窒素雰囲気下でジクロロベンゼン(40ml)と混合した。溶液を、砂浴を用いて120℃で16時間加熱して紫色の固形物を生成した。固形物を濾取し、次いでジクロロベンゼン、クロロホルム及びエーテルで洗浄して薄ピンク色の固形物を得た(10.2g、91%)。δ(300MHz、CDOD)7.98(m,3H)、4.55(q,2H)、1.56(s,6H)及び1.48(t,3H)。
v)1−(5−カルボキシペンチル)−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウムアイオダイド
2,3,3−トリメチルインドレニン(6.4g、40ミリモル)をジクロロベンゼン(25ml)中に溶解し、溶液が均一になるまで攪拌した。この溶液に、6−ブロモヘキサン酸(15.6g、80ミリモル)を加え、反応液を砂浴中110℃で6.5時間加熱した。反応液を室温まで冷却させ、そこでフラスコの側部を掻き落とし、次いでフラスコを冷蔵庫の中に1時間に置いた。次いで、紫色の溶液中にベージュ色の固形物が生成したので固形物を濾取し、次いでジクロロベンゼンとエーテルで洗浄してベージュ色の固形物を得た(7.42g、52%)。δ(300MHz、CDOD)7.91(m,1H)、7.78(m,1H)、7.62(m,2H)、4.52(t,2H)、2.38(t,2H)、2.04(p,2H)、1.88〜2.45(m,4H)及び1.61(s,6H)。
vi)1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1−エチル−3,3−ジメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物I)
1−エチル−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウムアイオダイド(2.0g、7.48ミリモル)、N,N′−ジフェニルホルムアミジン(1.5g、7.48ミリモル)及びトリエチルオルトホルメート(1.1g、7.48ミリモル)をエタノール(10ml)中に溶解し、次いで還流下(100℃)で3時間加熱した。反応フラスコの側部に固形物が生成し、UV/VISは408nmに新規のピークを示した。ジエチルエーテルを加え、濾取した沈殿物と固形物をエーテルで洗浄し、真空で乾燥して黄色/橙色の固形物を得た(1.83g、66%)。UV/VIS(MeOH);吸収λmax=408nm。
Cy3ハーフ色素(1.83g、6.22ミリモル)の無水ピリジン(10ml)中の溶液に無水酢酸(1.0ml)を加え、反応液を窒素雰囲気下で10分間攪拌した。次いで、1−(5−カルボキシペンチル)−2,3,3−トリメチルインドリウムブロミド(2.2g、6.22ミリモル)を加え、反応液を室温で16時間攪拌した。反応の進行をtlc(MeOH20%/DCM80%)で監視した。減圧下で溶媒を除去し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相シリカ:水−50%メタノール勾配)で精製して所望のCy3酸生成物(9%)299mgを得た。UV/VIS(MeOH);吸収λmax=550nm。
Cy3酸(50mg、0.09ミリモル)を窒素雰囲気下で無水DMF中に溶解し、次いで室温で攪拌した。DIPEA(16μl、0.09ミリモル)とTSTU(30mg、0.09ミリモル)を加え、tlc(MeOH20%/DCM80%)で完全にNHSエステルになっていると判断されるまで反応液を2時間攪拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をエーテルで粉砕してピンク色の粉末(40g、67%)を得た。δ(300MHz、CDCl)8.35(m,2H)、7.89(m,2H)、7.35〜7.10(m,5H)、6.55(m,1H)、4.07(m,4H)、3.69(m,2H)、3.11(m,2H)、2.54(m,2H)、1.75〜1.60(m,6H)及び1.42(m,15H)。ESi+MS648.3。UV/VIS(MeOH);吸収λmax=550nm。
vii)1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(1,3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物II)
1,2,3,3−テトラメチル5−スルホニル−インドリウムアイオダイド(5.00g、11.90ミリモル)を酢酸(40ml)とTFA(2ml、18.0ミリモル)の混合液中に懸濁させてすべての固形物を溶解させた。1,3,3−トリメトキシプロペン(12.5ml、95.0ミリモル)を反応液に加え、室温で5時間攪拌した。溶液をピペットで500mlのジエチルエーテル中に取り、沈殿物を濾取した(4.80g、塩を含有)。
メタノール(40ml)中のCy5ハーフ色素(4.80g、14.9ミリモル)の溶液に、酢酸カリウム(3.00g、34.2ミリモル)と1−(5−カルボキシペンチル)−2,3,3−トリメチルインドリウムブロミド(3.00g、16.4ミリモル)を加えた。終夜攪拌後、溶液をジエチルエーテル(500ml)中にピペットで取り、青色の固形物を濾取し真空下で乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相シリカ:水−50%メタノール勾配)で精製して所望の生成物2.30g(28%)を得た。
Cy5酸(50mg、0.09ミリモル)を窒素雰囲気下で無水DMF中に溶解し、次いで室温で攪拌した。DIPEA(16μl、0.09ミリモル)とTSTU(30mg、0.09ミリモル)を加え、tlc(MeOH20%/DCM80%)で完全にNHSエステルになっていると判断されるまで反応液を2時間攪拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をエーテルで粉砕して青色の粉末(65g、90%)を得た。δ(300MHz、CDOD)8.29(m,2H)、7.88(m,2H)、7.32〜7.00(m,5H)、6.57(t,J=13Hz,1H)、6.13(m,2H)、3.97(m,2H)、3.66〜3.51(m,3H)、3.08(m,4H)、2.55(m,2H)、1.75(m,2H)、1.64(m,2H)及び1.35(m,12H)。ESi+MS660.3。UV/VIS(MeOH);吸収λmax=642nm。
実施例2
2.1 細胞培養、表面タンパク質標識及びタンパク質単離
最初の実験をECACC(ECACC No.85011440 CB No.CB2275)から供給をされたU937細胞(白人の組織球リンパ腫細胞(Human caucasian histiocytic lymphom cell))で実施した。U937細胞を供給業者の奨励するプロトコルによって培養した。竪型フラスコ内で、37℃、5%CO、RPMI−1640増殖媒体(10%ウシ胎仔血清)中で細胞を増殖させた。細胞をカウントし、細胞濃度を2〜9×10細胞/mlに維持しながら2〜3日毎に継代させた。収集する前日に、細胞を沈降させ、新鮮な媒体中に再懸濁して、生育不能な細胞のレベルを最少にした。
標識の間の細胞生存度を維持し、Cy色素の加水分解を最少にするために、使用する直前にシアニン色素をPBS中に元に戻して最終濃度80μMを得た。
タンパク質分解を最少化するために、用いるすべてのバッファーを氷冷し、可能な場合すべてのステップを氷上で実施した。さらに、溶解バッファーにPSCプロテクター(Roche)とプロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche)を含めた。一般に各標識反応で1.5×10の細胞を使用し、実験当たり5〜10×10の細胞を収集した。細胞を、4℃、12,000×gで10分間遠心分離にかけて小球形にし、Dulbeccoの処方によるPBS pH7.2の中で洗浄した。PBSを除去して、細胞をPBS(3〜6ml)中に再懸濁して1mlの画分に分割した(標識実験当たり1つ)。各1ml標識反応液について、細胞を遠心分離にかけて小球形にし、PBSを除去した。細胞をCy色素フルオール(fluor)50μlのPBS(80μM)溶液に再懸濁させた。標識のために、全タンパク質50μg当たり約45ピコモルのフルオールを用いた。氷上において、15分間で、細胞にフルオールでインキュベートして、細胞表面タンパク質を標識した。細胞を遠心分離にかけて小球形にして未反応フルオールをできるだけ除去した(内部タンパク質の標識を防止するため)。残留する未反応フルオールをすべてクェンチするため、細胞を、リジン10mMを含む溶解バッファー(尿素7M、チオ尿素2M、CHAPS4重量/容積%、Tris30mM pH7.5)中に再懸濁させた。細胞を超音波処理で溶解させた(6μmの振幅、10サイクルで20秒間、氷水上で1分間冷却)。溶液を遠心分離にかけて、細胞片及び残留するタンパク質(上澄み中に)を小球形にした。
U937細胞溶解物のタンパク質濃度を、製造メーカー(Bio−Rad、Hertfordshire、UK)の説明にしたがってBio−Rad Dc Protein Assayを用いて測定した。
2.2 全タンパク質抽出及び標識
細胞表面に発現したタンパク質を全タンパク質と比較するために、細胞溶解物を調製した。実施例2で説明したようにしてU937細胞を収集した後、細胞を溶解バッファー中に再懸濁した。細胞を超音波処理で溶解させた(6μmの振幅、10サイクルで20秒間、氷水上で1分間冷却)。溶液を遠心分離にかけて、細胞片、及び標準Cy色素DIGE最小標識プロトコル(Ettan DIGE user manual、Amersham Biosciences、Buckinghamshire、UK)で標識したタンパク質(上澄み中の)を小球形にした。
2.3 2D電気泳動法によるタンパク質分離
標準的なAmersham Biosciences 2D PAGE装置及びPlusOne(商標)試薬(Buckinghamshire、UK)を用いて2−D電気泳動法を実施した。Immobiline DryStrips(pH3〜10 NL、24cm)を、Immobiline DryStrip再膨潤トレー(Reselling Tray)中でDryStripカバー用流体(Cover Fluid)2.5mlでオーバーレイした、450μl再水和バッファー(尿素7M、チオ尿素2M、CHAPS4重量/容積%、Pharmalytes(pH3〜10)1%、DTT2mg/ml)中で終夜かけて再水和させた。IPGphor等電点電気泳動システムを用いて条片の焦点をあわせた。2次元PAGEの前に、各条片を10ml平衡バッファーA(尿素7M、チオ尿素2M、Tris−HCl pH6.8 100mM、グリセロール30容積/容積%、SDS1重量/容積%、DTT5mg/ml)でロッキングテーブル上で10分間、続いて、10ml平衡バッファーB(尿素7M、チオ尿素2M、Tris−HCl pH6.8 100mM、グリセロール30容積/容積%、SDS1重量/容積%、ヨードアセトアミド45mg/ml)でさらに10分間平衡化させた。次いで、条片を、イソクラティック(isochratic)12.5% Laemmli SDS−PAGEゲルに載せて操作した。
2.4 蛍光ゲル画像化及び画像分析
標識タンパク質を、Typhoon 9410スキャナー(Amersham Biosciences、Buckinghamshire、UK)を用いて以下の設定で可視化させた。
個々の実験で99,000の画像の最大ピクセル値が得られて、信号の飽和が回避されるように曝露時間を最適化した。色素マッチングの詳細な定量的分析のために、ゲル画像をDeCyder(Amersham Biosciences、Buckinghamshire、UK)、2D示差分析ソフトウェアプログラム中に送り出した。
2.5 IN Cell(商標)アナライザーを用いた細胞膜浸透度の測定
細胞膜の異なるフルオールへの浸透度を測定するために、標識細胞を実施例2.1で説明したようにして調製し、無傷細胞をIN Cellアナライザーを用いて分析した。この機器は、>0.5μmの解像度で細胞を可視化することができ、蛍光標識の局在化を測定するために使用できる共焦点蛍光顕微鏡である。タンパク質分解を最少化するため、使用したすべてのバッファーを氷冷し、可能な場合すべてのステップを氷上で実施した。試験した各フルオールについて、細胞を調製し、氷上で標識反応を行った(実施例2.1で説明したように)。所望の時点で、複製のアリコートの標識細胞を取り出した。
標識細胞のアリコートを384ウェルマイクロタイタープレートに置き、IN Cellアナライザーで読み取った。細胞の生存度をチェックするために、生死判別染色(分子プローブ)をウェルに加え、10分間反応させた。各ウェルをIN Cellアナライザーで再度読んで死んだ細胞を測定した。生育不能な細胞は色素に浸透することになるので、生存していることが分かった細胞だけを、細胞浸透性の評価に用いた。
アリコートの標識細胞を洗浄して未反応の遊離色素を除去した。細胞をPBSで洗浄し、次いで細胞を遠心分離にかけて小球形にした。細胞をPBS中に再懸濁し、アリコートをマイクロタイタープレートに置きIN Cellアナライザーで読み取った。残る容積部に生死判別染色を行い、細胞を氷上で10分間インキュベートした。他のアリコートをマイクロタイタープレートに置きIN Cellアナライザーで読み取った。
3つの標識色素を用いた、本発明による方法の一実施形態の試料調製手順を示す流れ図である。 3つの標識色素を用いた、本発明による方法の一実施形態の代替的な試料調製手順を示す流れ図である。 3つの標識色素を用いた本発明による方法の分離及び分析プロトコル(1c)を示す流れ図である。 色素の適合対を用いた、本発明による方法の好ましい実施形態の実験設計を示す対応流れ図である。 色素の適合対を用いた、本発明による方法の好ましい実施形態の実験設計を示す対応流れ図である。 色素の適合対を用いた、本発明による方法の好ましい実施形態の実験設計を示す対応流れ図である。 生存U937細胞(灰色の細胞)が、PBS中で(a)Cy3(化合物I)又は(b)Cy5(化合物(II)のモノスルホン化NHSエステルに浸透できないことを示す、細胞培養浸透度アッセイからの画像を示す図である。別個の生/死判別染色を、高い色素取り込みを示す細胞(白色の細胞)が個体群中の生育不能な細胞であることを示すために使用した。 U937細胞から抽出されたタンパク質を分離する2−D電気泳動法ゲルからの画像を示す図である。(a)Cy3モノスルホン化NHSエステル(化合物I)を用いて細胞表面タンパク質を無傷細胞上に標識した。(b)Cy5モノスルホン化NHSエステル(化合物II)で細胞溶解とタンパク質抽出をした後、全細胞のタンパク質を標識した。各図から、細胞表面に存在するタンパク質をハイライトするため、領域を選択し拡大した。 (a)Cy3モノスルホン化NHSエステル(化合物I)又は(b)Cy5モノスルホン化NHSエステル(化合物II)を用いた、無傷のU937細胞上に標識した細胞表面タンパク質の2−D電気泳動法ゲルの画像を示す図である。タンパク質を単一のゲル上で抽出し、混合して分離し、2つの色素を共検出した。各画像の同じ領域の上に配置した格子状の線は各色素で標識タンパク質のオーバーレイと同一泳動度を示す。

Claims (24)

  1. 閉じた膜構造を含む2以上の試料からの表面膜成分間の差を検出する方法であって、当該方法が、
    i)各試料の別々のアリコートを、色素の適合セットから選択される色素と接触させるステップであって、適合セット中の各色素が膜成分を選択的に標識することができ、且つ各色素が、適合セット中の残留色素の放出ルミネッセント光とは著しく異なる特性を有するルミネッセント光を放出するステップと、
    ii)各別々のアリコートから色素標識成分の抽出物を調製するステップと、
    iii)異なる色素標識成分を分離するステップと、
    iv)試料中の異なる色素標識成分間の発光特性の差を検出するステップと
    を含み、
    2以上の試料のアリコートのプールした混合物からの膜成分の抽出物を含む内部標準の存在下で、分離ステップiii)を実施し、膜構造を含む試料のプールした混合物を、色素の適合セットから選択される異なる色素と接触させることを特徴とする方法。
  2. 各試料の別々のアリコートを、色素の適合セットから選択される異なる色素と接触させる方法であって、当該方法が、ステップiii)の前に、成分を分離する前にすべての試料からの色素標識成分の抽出物の一部を互いに混合し、且つ、プールした混合物からの色素標識成分の抽出物の一部と混合するステップを含む、請求項1記載の方法。
  3. 各試料の別々のアリコートを、色素の適合セットから選択される同一色素と接触させる方法であって、当該方法が、ステップiii)の前に、成分を分離する前に各々別の試料からの色素標識成分の抽出物の一部と混合された、プールした抽出物からの色素標識成分の抽出物の一部を提供するステップを含む、請求項1記載の方法。
  4. 各色素が、その電荷及び分子量特性によって互いに適合している、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
  5. 色素の適合セットがフルオレセイン、ローダミン、シアニン色素及びアクリドン色素から選択される、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  6. 色素の適合セットが次式の構造を有するシアニン色素から選択される、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
    式中、
    nは1〜3の整数であり、
    X及びYは同一又は異なるもので、>C(CH、O及びSから選択され、
    基R及びRの1つは基−E−F(式中、Eは、直鎖又は枝分れC1−20アルキル鎖から選択される1〜20個の連結原子の鎖を有するスペーサ基であり、1以上のエーテル結合、1以上のアミド結合及び1以上の不飽和基を含んでいてもよく、Fは、標識される成分の相補性基と反応することができる目標結合基である)であり、
    残りの基R又はRはC〜Cアルキル又は基−(CH−Wであり、Wは下記から選択され、
    (式中、R′、R″及びR″′はC〜Cアルキルから選択され、mは1〜10の整数である)、
    基R及びRの1以上はスルホネート又はスルホン酸基であり、R及びR基の1つがスルホネート又はスルホン酸基でない場合、残りの基R又はRは水素である。
  7. 色素の適合セットが以下の構造を有するアクリドン色素から選択される、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
    式中、
    基R、R及びRの1つは基−E−F(式中、Eは、直鎖又は枝分れC1−20アルキル鎖から選択される1〜20個の連結原子の鎖を有するスペーサ基であり、1以上のエーテル結合、1以上のアミド結合及び1以上の不飽和基を含んでいてもよく、Fは、標識される成分の相補性基と反応することができる目標結合基である)であり、
    基R又はRのどちらかが基−E−Fでない場合、それらは独立に、水素、ハロゲン、アミド、ヒドロキシル、アミノ、モノ又はジ−C〜Cアルキル置換アミノ、スルフヒドリル、カルボキシル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、スルホネート、スルホン酸、四級アンモニウム及び基−(CH−)−Zから選択され、
    基Rが基−E−Fでない場合、それは水素、C〜Cアルキル、基(CH−Z(式中、Zはスルホネート、スルホン酸、四級アンモニウム及びカルボキシルから選択され、kは1〜6の整数である)から選択される。
  8. セットの各色素が、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル及びアルデヒド基と反応性である反応基である目標結合基Fを有する、請求項6又は請求項7記載の方法。
  9. 反応基がスクシンイミジルエステル、スルホ−スクシンイミジルエステル、イソチオシアナート、マレイミド、ハロアセトアミド及びヒドラジドから選択される、請求項8記載の方法。
  10. 色素の適合セットがジピロメチンボロンジフルオリド色素の誘導体である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  11. 各色素がその蛍光波長及び/又はその蛍光寿命によって互いに識別可能である、請求項1記載の方法。
  12. 成分が膜タンパク質又はその断片を含む、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の方法。
  13. タンパク質がリンタンパク質を含む、請求項12記載の方法。
  14. 成分が炭水化物誘導体を含む、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の方法。
  15. 分離ステップが電気泳動法による、請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の方法。
  16. 電気泳動法が一次元電気泳動法、二次元電気泳動法、キャピラリーゾーン電気泳動法、キャピラリーゲル電気泳動法又は等電集束法を含む、請求項15記載の方法。
  17. 分離ステップがクロマトグラフ法による、請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の方法。
  18. クロマトグラフ法がアフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー又はイオン交換クロマトグラフィーを含む、請求項17記載の方法。
  19. 発光特性の差を検出するステップが蛍光顕微鏡検査法による、請求項1乃至請求項18のいずれか1項記載の方法。
  20. 発光特性の差を検出するステップが光学画像形成法による、請求項1乃至請求項18のいずれか1項記載の方法。
  21. 各色素が、細胞表面成分を選択的に標識することが可能であり、各色素が、他の色素の放出ルミネッセント光とは著しく異なる特性を有するルミネッセント光を放出し、各色素が次の構造(1)を有するシアニン色素から選択される色素の適合対。
    式中、
    nは1〜3の整数であり、
    X及びYは同一又は異なるもので、>C(CH、O及びSから選択され、
    基R及びRの1つは基−E−F(式中、Eは、直鎖又は枝分れC1−20アルキル鎖から選択される1〜20個の連結原子の鎖を有するスペーサ基であり、1以上のエーテル結合、1以上のアミド結合及び1以上の不飽和基を含んでいてもよく、Fは、標識される成分の相補性基と反応することができる目標結合基である)であり、
    残りの基R又はRはC〜Cアルキル又は基−(CH−Wであり、Wは下記から選択され、
    (式中、R′、R″及びR″′はC〜Cアルキルから選択され、mは1〜10の整数である)、
    基R及びRの1以上はスルホネート又はスルホン酸基であり、R及びR基の1つがスルホネート又はスルホン酸基でない場合、残りの基R又はRは水素である。
  22. 各色素が、色素の一方で標識した成分の分離媒体中の相対的泳動度が、他方の色素で標識した成分の分離媒体中の相対的泳動度と同じであるという特徴を有する、請求項21記載の色素の適合対。
  23. 各色素が、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル及びアルデヒド基と反応性である反応基である目標結合基を有する、請求項21又は請求項22のいずれか1項記載の色素の適合対。
  24. 各色素がスクシンイミジルエステル、スルホ−スクシンイミジルエステル、イソチオシアナート、マレイミド、ハロアセトアミド及びヒドラジドから選択される反応基を有する、請求項23記載の色素の適合対。
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