JP2006525391A - 相対粘度の高いp−アラミドの非繊維状ポリマー溶液 - Google Patents

相対粘度の高いp−アラミドの非繊維状ポリマー溶液 Download PDF

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Abstract

本発明は、a)N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレアおよびこれらの混合物から選択される極性アミド溶媒と、b)p−アラミドのアミド基1モル当たり0.7モル〜7.5重量%のアルカリまたはアルカリ土類塩化物と、c)水との混合物中に、少なくとも50モル%の芳香族基が置換されていないp−アラミドを主成分として1〜8重量%含んでなる非繊維状ポリマー溶液において、形成された塩酸の少なくとも50重量%が中和されることによって、中和無しのポリマー溶液の動的粘度の1/3以下である動的粘度を有する溶液が得られることを特徴とする非繊維状ポリマー溶液に関する。さらに本発明は、前記非繊維状ポリマー溶液の製法、p−アラミドパルプ状繊維、および前記ポリマー溶液から製造される紙およびフィルムに関する。

Description

本発明は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−ホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレアおよびこれらの混合物から選択される極性アミド溶媒と、水と、塩化カルシウム(CaCl)または塩化リチウム(LiCl)のごときアルカリまたはアルカリ土類金属塩化物との混合物中にp−アラミドを含有する非繊維状ポリマー溶液に関する。さらに本発明は、前記溶液を調製するための方法、前記ポリマー溶液を紡糸する方法、および前記溶液から製造されるp−アラミドパルプ、p−アラミド紙およびp−アラミドフィルムに関する。
パラ配向芳香族ジアミンモノマーとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物モノマー(以下、「p−アラミド」と省略する)との縮合重合体であるパラ配向芳香族ポリアミドは、これまで、その高い強度、高い弾性率および高い耐熱性のため、ファイバー、パルプ等のごとき様々な分野において有用であることが知られていた。代表的なp−アラミドとして、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(以下、「PPTA」と略する)が挙げられる。
これまで、PPTAは、以下の方法で、極性アミド溶媒/HMPA系または極性アミド溶媒/塩系で製造されていた。すなわち、PPTAは、極性アミド溶媒中で溶液重合反応を行うことによって製造される。PPTAを沈殿させ、中和し、水で洗浄し、乾燥させ、そしてポリマーとして一旦単離させる。次に、前記ポリマーを溶媒に溶かし、湿式紡糸法によって紡糸することによってPPTA繊維とすることができる。この工程において、PPTAは有機溶媒に簡単に溶けないので、紡糸用ドープの溶媒として、濃硫酸が用いられる。この紡糸用ドープは、通常、光学異方性を示す。
工業的に、PPTA繊維は、長繊維としての性能、特に強度および硬度、を考慮して、濃硫酸を溶媒として用いた紡糸用ドープから製造される。
従来技術の方法によれば、パルプは、PPTA繊維を機械的に切断し、切断した繊維を水中に分散させ、分散させた繊維をビーティング等のごとき機械的剪断手段によってフィブリル化させた後、ろ過および乾燥させることによって製造される。そのような従来技術の方法において、重合工程、紡糸工程およびパルプ製造工程は、互いから完全に独立している。すなわち、重合工程は極性アミド溶媒を用い、紡糸工程は濃硫酸を溶媒として用い、そしてパルプ製造工程は分散媒として水を用いる。これは、工業プロセスとしては、経済的に不利である。
それ故に、ポリマーをパルプへと直接紡糸することが試みられている。米国特許第4,959,453号および第5,021,123号には、注ぐことが不可能な繊維含有ゲルの調製が記載されている。ゲル化後、ポリマーに対する非溶媒を含んでなる激しく攪拌された沈殿媒体に、組成物を希釈によってさらに分散させることによって、生成物を単離させなければならない。この繊維状ゲルの紡糸は非常に困難であり、繊維特性を調節することは不可能であり、そして加圧下および高温度(すなわち、90℃)において押出成形を行わなければならないことが開示されている。さらに、米国特許第5,021,123号の実施例Aに開示されているように、パルプ状繊維を得るためにはN−メチルピロリドンを用いことが必要である。
米国特許第3,673,143号、特に実施例8および9には、p−アラミド溶液の調製が記載されている。実施例9では、アルカリまたはアルカリ土類金属塩化物を添加せずに、クロロ置換p−アラミドをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かしている。この場合、これらのクロロ置換p−アラミドはDMAcによく溶けるので、アルカリまたはアルカリ土類金属塩化物の添加は不必要である。しかしながら、これは、非置換p−アラミド、すなわち、50モル%を上回るその芳香族基が置換されていないp−アラミドが用いられているケースではない。これらのp−アラミドはほとんどの溶媒に溶けないことが知られている。この参考文献の実施例8には、大量のヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)を添加することによって非置換p−アラミドをDMAcに溶かしている。しかしながら、HMPAは非常に発癌性が高く、p−アラミドの工業生産におけるその使用は禁止されている。
国際特許出願WO94/24211には、有毒なHMPAを相当量のPVPで置き換えた溶媒系が開示されている。PVPを含有する溶液は紡糸性は良好であるのだが、PPTAとPVPとの混合物としてポリマーが得られるため、製品(繊維、フィルム等)も混合ポリマーから成ってしまうという問題を有する。多くの用途において、そのような混合ポリマーは望ましくない。
欧州特許出願EP572,002には、NMP/CaCl中でp−アラミドポリマーを生成し、前記ポリマーを紡糸、切断および精製することによってパルプを調製することが記載されている。紡糸はNMPと塩化カルシウムとの混合物中のPPTAから直接行われるが、この方法には、切断および精製の前にも繊維を紡糸しなければならないという問題がある。さらに、ポリマー溶液の分子量および上記のようにして得られたパルプの分子量は限定されている。すなわち、この溶液の動的粘度が高いため、ポリマーの相対粘度が低い。
従って、本発明の第1の目的は、好ましくは光学異方性を示し、かつ、ピリジン、ピリミジン、N−メチルピロリドンまたはPVPのごとき余分な成分は含有しないp−アラミド溶液であって、高い圧力および/または高い紡糸温度を加えることなく直接紡糸することが可能なスピニングドープとしてのp−アラミド溶液を提供することである。この目的を達成することによって、所定の長さのアラミドパルプ状繊維を製造することができるようになる。さらに、前記スピニングドープからp−アラミドフィルムおよびp−アラミド紙を製造することができるようになる。
濃硫酸を用いると、繊維すなわちパルプ状繊維を製造する工程がかなり複雑となり、かつ、濃硫酸による装置の腐食を回避しなければならないためかなり高価な装置が必要となる。さらに、HMPAを含んでなる系のごとき有毒な溶媒系は、工業的に非実用的である。
さらに、米国特許出願第5,202,184号に記載されている方法によれば、芳香族ジアミンモノマーと芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物モノマーとを等モル比で重縮合反応せしめ、前記重合の終了前に、光学異方性を示すポリマー溶液ドープから押出物を形成する。そのような方法では、ポリマー溶液ドープは、実質的に、重合の途中で取り出される中間体に過ぎない。従って、前記ポリマー溶液ドープは不安定な状態にあり、高分子量物質に転化したり、全体としてゲルを形成することがある。これによって、均質の生成物を得ることやプロセスを安定して続けることが難しくなる。このように、現段階では、前記方法は工業的に成功しているとは言えない。さらに、紡糸可能な高分子量溶液も未だ得られていない。
本発明の第2の目的は、工業的に有利で単純な方法に従って安定したポリマー溶液および均質な生成物を製造するための方法を提供することならびに相対粘度の高いパルプ状繊維を得ることによって前記問題点を克服することである。相対粘度の高いパルプを一工程で得るには、フィブリルを簡単に形成するために動的粘度の低いポリマー溶液が必要とされる。
前記および他の目的は、アルカリまたはアルカリ土類金属塩化物をHMPAの代わりに用いる非繊維状ポリマー溶液を製造するための方法によって達成された。驚くべきことに、最終的に得られる紡糸溶液中におけるポリマーのアミド基1モル当たり0.7モル〜7.5重量%(好ましくは0.9モル〜7.0重量%)の塩化物に相当する少量、すなわち、重合時に0.5〜4.5重量%の前記塩化物を用いることによって、(部分的に)置換されていないp−アラミドがこの溶媒系に完全に溶解することが分かった。これは驚くべき事実である。と言うのも、高い濃度の塩化物はp−アラミドの溶解性を低下させるからである。中和されていない溶液は動的粘度を高め、これらの溶液を、相対粘度の高い繊維およびパルプを得るための紡糸目的には不向きにさせてしまうので、少なくとも部分的な中和は必要である。そのような溶液の高い動的粘度は、これらの塩化物に加えて、重合中に形成される塩酸の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%が中和されれば、実質的に下がることが現在分かっている。前記塩酸が完全に中和されることが最も好ましい。前記動的粘度は、1/3以下、より好ましくは1/5以下、最も好ましくは1/10以下に下げることができることが分かっている。
このために、本発明は、i)N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレアおよびこれらの混合物から選択される極性アミド溶媒と、最終的に得られるポリマー溶液中におけるp−アラミドのアミド基1モル当たり0.7モル〜7.5重量%のアルカリまたはアルカリ土類塩化物に相当する、重合時において0.5〜4.5重量%のアルカリまたはアルカリ土類塩化物との混合物中に、p−アラミドとなる芳香族ジアミンモノマーと芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物モノマーとを含有する溶液を調製する工程と、ii)塩酸を形成しながら前記モノマーを重合させる工程と、iii)前記モノマーを重合させてp−アラミドを得る工程中または工程後に、前記形成された塩酸の少なくとも50重量%を無機塩基で中和することによって前記最終ポリマー溶液を得る工程とを含んでなる方法に関する。
本発明の別の実施態様によれば、NMP/CaCl、NMP/LiClまたはDMAc/LiClの混合物中にp−アラミドを含有する非繊維状ポリマー溶液が製造され、前記ポリマー溶液の相対粘度はηrelは2.2よりも高い。
別の態様において、本発明は、a)N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレアおよびこれらの混合物から選択される極性アミド溶媒と、b)p−アラミドのアミド基1モル当たり0.7モル〜7.5重量%のアルカリまたはアルカリ土類塩化物と、c)水との混合物中に、少なくとも50モル%の芳香族基が置換されていないp−アラミドを主成分として1〜8重量%含んでなる非繊維状ポリマー溶液において、形成された塩酸の少なくとも50重量%が中和されることによって、中和無しのポリマー溶液の動的粘度の1/3以下である動的粘度を有する溶液が得られることを特徴とする前記非繊維状ポリマー溶液に関する。
本発明のp−アラミドポリマー溶液は、約60℃以下の温度、100〜10,000s−1の剪断速度において、低い動的粘度をを示す。そのため、本発明によるポリマー溶液は60℃よりも低い温度で紡糸することができる。さらに、本発明のp−アラミドドープは、ピリジン、ピリミジン、N−メチルピロリドンまたはPVPのごとき余分な成分は含有せず、また、製造方法を簡略化することができ、かつ、前記方法には濃硫酸を溶媒として用いる従来技術のドープと比較して濃硫酸による装置の腐食の問題が無いという工業的観点から有利に製造することができる。
さらに、本発明の方法によれば、ポリマー溶液を直接紡糸することができ、ヤーンを製造することなく製造物をパルプ状繊維にすることができるため、従来技術のp−アラミドパルプ状繊維の製造方法と比較して製造方法を大幅に簡略化することができる。
本発明のp−アラミドパルプ状繊維から、裂断長の長いp−アラミド紙を製造することができる。自動車用ブレーキなどのごとき摩擦材料の出発原料として用いられる場合、充填剤の保持は良好である。パルプ状繊維は紡糸溶液を紡糸することによって直接製造されるので、繊維を製造することは無い。従って、さらに本発明は、NaおよびClのごとき高速で移動するイオンについて好ましくは250ppmよりも低いイオン含有率を有し、かつ、乾燥されたことのないパルプと乾燥したパルプのCSF(カナダ標準濾水度 Canadian Standard Freeness)の差が少なくとも100、好ましくは少なくとも150であるという構造的不規則性を有するp−アラミドパルプ状繊維に関する。これは、前記パルプの繊維幹がかなり縮れていることを意味しているが、従来技術において周知であるパルプには当てはまらない。前記p−アラミドパルプ状繊維の相対粘度(ηrel)が3.7よりも高いことが好ましい。この点に関して、「縮れている」という用語は、繊維幹が任意の方向に不規則に伸びていることを意味する。
別の実施態様において、さらに本発明は、本発明のポリマー溶液から得られるp−アラミドフィルムに関する。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明において用いられる「p−アラミド」という用語は、パラ配向芳香族ジアミンモノマーとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物モノマーとの重縮合によって得られる物質を意味する。前記モノマーの繰返し単位は、芳香環のパラ配向またはほぼパラ配向逆位、すなわち、パラフェニレン、4,4’−ビフェニレン、1,5−ナフタレンおよび2,6−ナフタレンのように同軸すなわち並列配置に実質的に位置するアミド結合を有する。
前記p−アラミドの具体例は、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(4,4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4,4’−ビフェニレン−ジカルボン酸アミド)およびポリ(パラフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)のごとき、ポリ−パラ配向型またはそれに近い型を有する構造のアラミドが挙げられる。これらのp−アラミドの中で、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)が最も代表的なものである。
本発明において用いられる「パルプ状繊維」という用語は、長さが50mm未満の高度にフィブリル化された小繊維を意味する。本発明によれば、紙とは、任意に他の種類の繊維と組み合わせて、パルプ状繊維から直接得られるまたは作製することのできるパルプ状繊維の一つの形態である。「フィルム」という用語は、非繊維状材料の層を意味する。
この安定した紡糸ドープは、1〜8重量%のp−アラミド濃度と、中程度〜高い重合度とを有するため、高い相対粘度(ηrel>2.2)を有する。前記ポリマー濃度に依存して、前記ドープは異方性(ポリマー濃度>1.5%)または等方性を示す。動的粘度ηdynは、1,000s−1の剪断速度において、好ましくは10Pa・sよりも低く、より好ましくは5Pa・sよりも低い。p−アラミドを形成するモノマーの重合の最中または好ましくはその後に少なくとも部分的な中和が行われる。中和剤は、重合が始まる前に、モノマーの溶液中に存在していない。中和によって、動的粘度が、1/3以下、好ましくは1/5以下、より好ましくは1/10以下にまで下がる。中和されたポリマー溶液は、ノズルを用いたダイレクトパルプスピニングに用いることができる。前記ダイレクトパルプスピニングでは、低圧領域内でポリマーの流れに加圧空気を接触させ、空気の膨張によって前記ポリマーの流れを液滴に変える。前記液滴は希釈されて(パルプ状)繊維となる。前記繊維すなわちパルプ状繊維の凝固は、水または水/NMP/CaClのごとき好適な凝固剤を用いて行われる。CaClの代わりに、LiClのごとき他の塩化物を用いてもよい。ポリマー流量/空気流量比を調節することによって、パルプの長さおよびフィブリル化の度合いを変えることができる。比率が高いと、長く、フィブリル化の度合いの低いパルプが得られるのに対し、比率が低いと、短く、フィブリル化の度合いの高いパルプが得られる。本発明のパルプ状繊維は、p−アラミド紙、自動車用ブレーキのごとき摩擦材料、各種ガスケット、Eペーパー(硫酸溶液から製造されたp−アラミドパルプと比較して極めて少量のイオンを含有しているので、例えば、電子用途用)などの出発原料として有用である。ウォータージェットは省略しても構わず、そしてパルプ/繊維は、凝固が行われる前に、シートまたは不織布の形態をとる。
本発明において用いることのできるパラ配向芳香族ジアミンの例としては、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、2,6−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、および4,4’−ジアミノベンズアニリドが挙げられる。2−メチル−p−フェニレンジアミンおよび2−クロロ−p−フェニレンジアミンのごとき、最大50モル%の置換芳香族ジアミンを用いることができる。
本発明において用いることのできるパラ配向芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物の例としては、テレフタロイルジクロライド、4,4’−ベンゾイルジクロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、および1,5−ナフタレンジカルボン酸ジクロライドが挙げられる。2−クロロテレフタロイルジクロライド、2,5−ジクロロテレフタロイルジクロライドおよび2−メチルテレフタロイルジクロライドのごとき、最大50モル%の置換芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物を用いることができる。
いずれにせよ、置換芳香族ジアミンモノマーと芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物モノマーとの合計は50%未満であるべきである。ポリマーの芳香族基の少なくとも70%が置換されていないことが好ましい。
本発明において、0.5〜4.5重量%のアルカリ金属塩化物またはアルカリ土類金属塩化物が溶けている極性アミド溶媒中のパラ配向芳香族カルボン酸ハロゲン化物の1モル当たり、0.950〜1.050モル、好ましくは0.980〜1.030モル、さらに好ましくは0.995〜1.010モルのパラ配向芳香族ジアミンが用いられる。これにより、その得られるp−アラミドの濃度が、1〜8重量%、好ましくは1〜6重量%、さらに好ましくは3〜5.5重量%となる。本発明において、p−アラミドの重合温度は、−20℃〜70℃、好ましくは0℃〜30℃、さらに好ましくは5℃〜25℃である。この温度範囲において、動的粘度は所望の範囲内であり、紡糸によって製造されるそのパルプ状繊維は十分な結晶化度と結晶方位度とを有することができる。
本発明において用いることのできるアルカリ金属塩化物またはアルカリ土類金属塩化物の例としては、塩化リチウムおよび塩化カルシウムが挙げられる。本発明において用いることのできる極性アミド溶媒の具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、およびテトラメチルウレアが挙げられる。
本発明による混合物は、少なくとも中和反応のため、微量の水をさらに含有する。含水率は、通常は5重量%未満、好ましくは1重量%未満である。
本発明の本質的特徴とは、重合反応をまず促進させた後、無機塩基、好ましくは酸化カルシウムまたは酸化リチウムを添加することによってポリマー溶液またはポリマーを形成する溶液を少なくとも部分的に中和することによって前記重合反応を停止させてもよいことである。この点において、「酸化カルシウム」および「酸化リチウム」は、それぞれ、水酸化カルシウムおよび水酸化リチウムを含んでなる。この中和によって、重合反応中に形成される塩化水素が除去される。中和によって、(中和されていない対応する溶液に関して)動的粘度が1/3以下にまで下がる。中和後、重縮合反応中に形成されるアミド基1モル当たり、塩化物は、少なくとも0.7モル、さらに好ましくは少なくとも0.9モルの量で存在する。塩化物の総量は、溶媒中に用いられるCaClおよび中和剤(塩基)として7.5重量%以下、好ましくは7.0重量%の量で用いられるCaOまたはCa(OH)に由来する場合がある。塩化カルシウム含有量が高過ぎるまたは低過ぎる場合、溶液の動的粘度は、紡糸溶液として好適となるには高くなり過ぎてしまう。
液状p−アラミド重合溶液を、圧力容器を用いて、紡糸ポンプへと供給し、ノズルへと供給して、ジェット紡糸によって100〜1,000μmのパルプ状繊維にすることができる。液状p−アラミド溶液は、紡糸ノズルを通じて、低圧領域へと紡糸される。空気ジェット紡糸の場合、1バールよりも高い空気ジェット、好ましくは4〜6バールの空気ジェットを前記領域に対して環状チャネルを介して分配して吹き付けることによって、空気の膨張の生じさせる。膨張する空気流の影響を受けて、液状紡糸溶液は小さな液滴へと分割され、それと同時にまたはその後に、延伸によって配向される。そして、前記領域内においてパルプ状繊維に凝固剤ジェットを吹き付けて凝固させ、そして形成されたパルプはフィルターで回収されるかまたは直接紙へと加工される。あるいは、前記繊維を板の上に敷き詰めて直接紙を形成した後、凝固させる。凝固剤は、水、水とNMPとCaClとの混合物、および任意の他の好適な凝固剤から選択される。
以下、本発明を下記実施例によって説明するが、本発明は下記実施例に何ら制限されるものではない。
下記実施例および比較例で用いられた試験方法、評価方法および判定基準は以下の通りである。
試験方法
相対粘度
試料を、室温、0.25%(m/v)の濃度で、硫酸(96%)に溶かした。硫酸中の試料溶液のフロータイムを、25℃で、ウベローデ粘度計で測定した。同一条件下において、前記溶媒のフロータイムも測定した。そして、観察した2つのフロータイムの比として、粘度比を計算した。
動的粘度
動的粘度は、キャピラリーレオメーターを用いて室温で測定した。パワーロー係数およびラビノビッチ補正を用いて、実壁剪断速度および粘度を計算した。
繊維長の測定
Kajaani FS200を用いて繊維長の測定を行った。「重量加重長さ(Weight Weighted Length)(WL)」を用いて、パルプの長さを測定した。
比表面積(SSA)の測定
比表面積(m/g)は、Micromeretics社製のGemini 2375を用いて、BET比表面積法によって、窒素の吸着を用いて測定した。湿ったパルプ試料は、120℃で一晩乾燥させた後、200℃で少なくとも1時間窒素で洗浄した。
光学異方性(液晶状態)の評価
光学異方性は、偏光顕微鏡(ブライトイメージ)で検査し、および/または、攪拌時に乳白光を発していた。
再分散性試験
3グラム(乾燥重量)の乾燥されたことのないパルプを、ローレンツ−ウェッター粉砕機で1,000回叩く間に、1リットルの水に分散させた。よく開いたパルプが得られた。Canadian Standard Freeness(CSF)値を測定し、パルプの重量のわずかな差に対して補正した(Tappi227)。3グラム(乾燥重量)の乾燥されたことのないパルプを、ローレンツ−ウェッター粉砕機で1,000回叩く間に、1リットルの水に分散させた。このパルプからハンドシートを作製し、シートドライヤー(Labtech)で120℃で1時間乾燥させた。乾燥後、ハンドシートを手で破って小片(3cmx3cm以下)にし、1リットルの水に浸した。パルプをL&Wミキサーで1,000回叩く間に再分散させ、そしてCSF値を測定し、パルプの重量のわずかな差に対して補正した。
実施例1
p−フェニレンテレフタルアミドの重合を、160リットルのドライス反応器を用いて行った。反応器を十分乾燥させた後、CaCl濃度が2.5重量%であるNMP/CaCl(N−メチルピロリドン/塩化カルシウム)を64リットル、反応器に添加した。続いて、1,487グラムのp−フェニレンジアミン(PPD)を添加し、室温で溶解させた。その後、得られたPPD溶液を10℃まで冷却し、2,772グラムのテレフタロイルジクロライド(TDC)を添加した。TDCを添加した後、重合反応を45分間続けた。その後、ポリマー溶液を、酸化カルシウム/NMPスラリー(NMP中に776グラムのCaO)で中和した。CaOスラリーを添加した後、ポリマー溶液を少なくともさらに1分間攪拌した。この中和を行うことによって、重合中に形成された塩酸(HCl)を取り除いた。4.5重量%のPPTA含有率と3.8の相対粘度(0.25%HSO中)とを有するゲル状ポリマー溶液が得られた。得られた溶液は光学異方性を示し、一月以上経っても安定していた。
実施例2、3および4
これらの実施例は、表1に示されるPPDとTDCのモル比を用いて、実施例1と同様にして実施した。これらの実施例は、モノマー比を調節することによって重合度が変わることを示している。反応時間は表1に示した通りである。実施例2の溶液を、圧力容器を用いて、紡糸ポンプへと供給(11kg/h)し、350μmの紡糸口へと供給した。紡糸温度は、周囲温度であった。前記ノズルを通じて、PPTAを低圧領域へと紡糸した。前記領域に対して7バールの空気ジェットを環状チャネルを介して分配して吹き付けたところ、空気の膨張が起こった。その後、凝固剤ジェット(1,110kg/h)を吹き付けることによって前記領域内でパルプを凝固させ、形成されたパルプをフィルターで回収した。前記凝固剤として水を用いた。得られたパルプ(相対粘度:2.4)の長さは1.2mm、SSAは6.9m/g、CSFは175であった。
実施例5
本実施例は、PPDとTDCのモル比を1.000として、実施例1と同様にして実施した。相対粘度が2.4である溶液を得るために、少量(30ml)のHOをNMP溶液に添加した。
実施例6
実施例1のポリマー溶液を、ポリマー濃度が3.6重量%になるまで、NMPで希釈した。得られた溶液はゲル状であり、光学異方性を示した。この重合溶液を、圧力容器を用いて、紡糸ポンプへと供給(8kg/h)し、350μmの紡糸口へと供給した。紡糸温度は、周囲温度であった。前記ノズルを通じて、PPTAを低圧領域へと紡糸した。前記領域に対して7バールの空気ジェットを環状チャネルを介して分配して吹き付けたところ、空気の膨張が起こった。その後、凝固剤ジェット(1,500kg/h)を吹き付けることによって前記領域内でパルプを凝固させ、形成されたパルプをフィルターで回収した。前記凝固剤として水を用いた。得られたパルプ(相対粘度:3.8)の長さは1.2mm、SSAは1.9m/g、CSFは480であった。この材料で製紙し、乾燥させた後、破いてバラバラにしたところ、CSFが666まで大きく増加した。
実施例7
本実施例では、実施例1の溶液を、ポリマー濃度が1重量%になるまで、NMPで希釈した。得られた1重量%ポリマー溶液の性質は、明らかに等方性であった。
実施例8
p−フェニレンテレフタルアミドの重合を、160リットルのドライス反応器を用いて行った。反応器を十分乾燥させた後、CaCl濃度が3.3重量%であるNMP/CaClを64リットル、反応器に添加した。続いて、2,050グラムのPPDを添加し、室温で溶解させた。その後、得られたPPD溶液を10℃まで冷却し、3,792グラムのTDCを添加した。TDCを添加した後、重合反応を45分間続けた。その後、ポリマー溶液を、酸化カルシウム/NMPスラリー(NMP中に1,047グラムのCaO)で中和した。CaOスラリーを添加した後、ポリマー溶液を30分間攪拌した。この中和を行うことによって、重合中に形成されたHClを取り除いた。5.9重量%のPPTA含有率と2.6の相対粘度(0.25%HSO中)とを有するゲル状ポリマー溶液が得られた。
実施例9
実施例1と同様にして重合を行った。得られたポリマー溶液の動的粘度は、1,000s−1において2Pa・sであることが分かった。
実施例A(比較例)
本実施例では、中和を行わない場合に何が起こるのかを示す。CaOスラリーを添加しなかった以外は、実施例9と同様にして重合を行った。重合によって、1,000s−1における動的粘度が30Pa・sである砕けた反応生成物が得られた。
実施例B(比較例)
本実施例では、中和を行わない場合に何が起こるのかを示す。CaOスラリーを添加しなかった以外は、実施例8と同様にして重合を行った。重合によって、砕けた反応生成物が得られた。
実施例C(比較例)
13.5m/gのSSAおよび1.4のWLに特徴付けられる高度にフィブリル化された湿った従来技術の標準的なTwaron(登録商標)パルプのCSFは、130であった。この材料で製紙し、乾燥させた後、破いてバラバラにしたところ、CSFが165までわずかに増加しただけであった。
Figure 2006525391

Claims (14)

  1. a)N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレアおよびこれらの混合物から選択される極性アミド溶媒、
    b)p−アラミドのアミド基1モル当たり0.7モル〜7.5重量%のアルカリまたはアルカリ土類塩化物、
    c)水、
    の混合物中に、少なくとも50モル%の芳香族基が置換されていないp−アラミドを主成分として1〜8重量%含んでなる非線維状ポリマー溶液において、
    形成された塩酸の少なくとも50重量%が中和されることによって、中和無しのポリマー溶液の動的粘度の1/3以下である動的粘度を有する溶液が得られる、
    ことを特徴とする、前記非繊維状ポリマー溶液。
  2. 前記溶液が、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)と塩化カルシウム(CaCl)との混合物またはジメチルアセトアミド(DMAc)と塩化リチウム(LiCl)との混合物中にp−アラミドを含有する異方性溶液である、請求項1に記載のポリマー溶液。
  3. 1,000s−1の剪断速度における動的粘度ηdynが10Pa.s未満である請求項1または2に記載のポリマー溶液。
  4. 1〜6重量%のp−アラミドを含んでなる、請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリマー溶液。
  5. 前記p−アラミドがPPTAである、請求項1〜4のいずれか1つに記載のポリマー溶液。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のポリマー溶液を製造するための方法であって、
    i)a)N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレアおよびこれらの混合物から選択される極性アミド溶媒と、b)最終的に得られるポリマー溶液中におけるp−アラミドのアミド基1モル当たり0.7モル〜7.5重量%のアルカリまたはアルカリ土類塩化物に相当する、重合時において0.5〜4.5重量%のアルカリまたはアルカリ土類塩化物との混合物中に、p−アラミドとなる芳香族ジアミンモノマーと芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物モノマーとを含有する溶液を調製する工程と、ii)塩酸を形成しながら前記モノマーを重合させる工程と、iii)前記モノマーを重合させてp−アラミドを得る工程中または工程後に、前記塩酸の少なくとも50重量%を無機塩基または有機強塩基で中和することによって前記最終ポリマー溶液を得る工程と、を含んでなる前記方法。
  7. 前記形成された塩酸が、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化リチウムまたは水酸化リチウムで中和される、請求項6に記載の方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のポリマー溶液を紡糸する方法であって、前記溶液が60℃よりも低い温度で紡糸される、ことを特徴とする前記方法。
  9. 乾燥されたことのないパルプと乾燥したパルプのCSFの差が少なくとも100である、という構造的不規則性を有するp−アラミドパルプ状繊維。
  10. 前記乾燥されたことのないパルプと乾燥したパルプのCSFの差が少なくとも150である、請求項9に記載のp−アラミドパルプ状繊維。
  11. 前記構造的不規則性は、パルプの繊維幹の縮れ構造に含まれる、請求項9または10に記載のp−アラミドパルプ状繊維。
  12. 相対粘度(ηrel)が3.7よりも大きい、請求項9〜11のいずれか1つに記載のp−アラミドパルプ状繊維。
  13. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のポリマー溶液から得られるp−アラミド紙。
  14. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のポリマー溶液から得られるp−アラミドフィルム。
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