JP2006523467A - スノーボード - Google Patents

Abstract

本発明は、分割された滑り面を有するスノーボードに関するものである。前記スノーボードは一体の基部を有し、該基部１０が、スノーボード１の長手方向に延びる２つの両側の滑り部分２，３と、滑り部分２，３の間に設けられた長手方向ブリッジ４とから成り、該滑り部分およびブリッジが、スノーボード１の前部区域５および後部区域６と互いに一体に形成されている。

Description

本発明は分割された滑り面を有する、請求項１の上位概念によるスノーボードに関するものである。

近年、スノーボードの形態付与について、また技術的な実施可能性についても種々の解決策がはかられるようになってきた。こうした変化は、単一部分からなる従来型のスノーボードにも、分割形式のスノーボードにも関係している。とくに、分割型のスノーボードの構成については、スノーボードの支持構造や可とう性の改善が目指されているが、そのさいに基礎になる一般的な認識は、様々な構成されたコース（ａｕｓｇｅｂｉｌｄｅｔｅｎ Ｐｉｓｔｅｎ）を考慮した場合、スノーボードの可とう性はスノーボードの走行特性に大きな影響を与えるということである。更にスノーボードの特性は、カーブ走行時には、その胴部（Ｔａｉｌｌｉｅｒｕｎｇ）の構成によって規定される。

スノーボードの高さ方向の可とう性、すなわちスノーボードが上下動時にその長手方向端部に対して示す弾性抵抗は、走行特性に対し大きな影響を及ぼす。スノーボードが平らに雪上に載せられて長手方向に滑走するさい、スノーボードが地面の凹部にさしかかった場合には、長手方向の両端部がスノーボード中央区域に対して上方にたわむように、また隆起部に載った場合には一定の逆のたわみが生じるように、適切に測定された可とう性によって保証されなければならない。

カーブ走行時のスノーボードの特性は、一方では、その胴部の構成−スノーボード中央区域は、通例、長手方向両端部より狭幅になっている−によって規定され、他方では、その時々のカーブ内側の長手縁部の可とう性によって規定される。
カーブ走行時にはスノーボードは傾き、言い換えると側方に傾斜し、そのために事実上カーブ内側の長手縁部が雪と接触する一方、カーブ外側の長手縁部は多少の差はあれ雪から持ち上がることになる。

例えば、ＤＥ ２０１ １３ ７３９ Ｕ１に記載されている一体のボード体を有するスノーボードの場合、ボード体は、事実上その中心軸線に沿って延びる１つのスリットを有し、該スリットがボード体の後端部から少なくとも中央区域まで延び、２つの互いに分かれた脚部を形成し、これらの脚部が、一体の前部区域で終わっている。
スリットを設けることでスノーボードの滑り面が部分的に２つの滑り面に分割され、それにより滑り抵抗の点では好影響が得られるにしても、典型的なスノーボード形状が、中央区域のくびれが著しく減少するように変えられたことで、カーブ走行時に不都合な影響が生じることになった。

分割された滑り面を有するスノーボードはＤＥ １９８ ２０ ６１９ Ａ１にも開示されているが、この場合は、スノーボードの圧力分配曲線を改善して、敏感で制御されたスノーボード走行を可能にしようとしたものである。
この解決策の問題点は、言うまでもなく走行動作のためには、分割された双方の滑り面を、所望の利点が得られるように結合せねばならない点である。このスノーボードの場合、この目的を、双方の滑り部分の、踏み板と滑り面との間にばね兼緩衝スペーサ部材を取り付けることによって実現しようとする。この結合形式は技術的にも経済的にも、きわめて費用がかかり、しかも、この解決策では、スポーツ靴にスノーボードを結合するさい、従来のビンディング形式とは異なるきわめて複雑な別の形式が必要である。

したがって、本発明の根底をなす課題は、走行特性、直進走行特性、カーブ走行特性が改善された分割滑り面を有するスノーボードを開発することである。

この課題は、本発明により、請求項１に記載された特徴を有する手段により解決された。
特別な構成及び好ましい解決策は従属請求項に記載されている。
本発明は、その場合、従来のスノーボードで実際に効果が証明されている形態、構成、製造方法各面の特性は十二分に維持しつつ、スノーボードの使用上の特性を公知の解決策より著しく改善すべきであるという認識から出発する。

こうして製造されたスノーボードは、ボードが１つの基体から成り、このボードが次のように構成されている。すなわち、ボードの長手方向に延びる形状の、スノーボード滑り面を形成する両側滑り部分を有し、かつ中央に長手方向ブリッジ形式の隆起した踏み面を有するように構成するのである。
この構成で、発明に属する点は、滑り部分および長手方向ブリッジがボードの前部と後部で、分割されていない前部区域と後部区域とに移行し、これにより分割された滑り面を有する一体のスノーボードが形成されている点である。
この場合とくに重要な点は、製造されたスノーボードが、一体のスノーボードの複数の利点を一緒にまとめて有している、つまりそれ自体で兼ね備えており、しかも、スノーボードの前部区域と後部区域の幅が従来のスノーボードのそれに合致するようにされている点である。
本発明の枠内には、スノーボードの中央区域が胴部またはくびれ（Ｔａｉｌｌｉｅｒｕｎｇ）を有し、このくびれが、両側の滑り部分の長手方向形状によって形成されていることも含まれている。

滑り部分の下側は、スノーボードの滑り面になっているのに対し、使用者がスノーボード上に足を載せる踏み面は、市販のビンディングが固定される相応の支持部、例えばインサートを有するように構成された長手方向ブリッジによって形成されている。長手方向ブリッジは、この場合、両側の滑り部分に対し間隔を有するように、好ましくは３ｃｍ〜５ｃｍの間隔を有するように構成され、両側の滑り面は滑り部分に形成されており、該滑り部分が、スノーボードの前部と後部の、分割されていない滑り区域へ移行している。

隆起した長手方向ブリッジを有するようにスノーボードを構成することで２つの重要な利点が得られる。一つは、スノーボードの可とう性が増すことで、走行特性に好影響が与えられることであり、他は、スノーボードの滑り抵抗が低減されることである。このことは、滑り面を分割することで達せられる。
長手方向ブリッジを隆起するように構成することで、スノーボードの可とう性が増すだけでなく、カーブ走行時の操作も改善される。長手方向ブリッジと両側の滑り部分との高低差、つまりビンディングと滑り部分との間隔は、滑り部分表面に、それも各スキー靴ビンディングの区域に、滑り部分と長手方向ブリッジとの高低差に合致する厚さ寸法を有するスペーサ部材を備えることで補償される。

このスペーサ部材は、滑り部分の表面に接着によって固定でき、しかも、好適な一形式では、スペーサ部材が、スキー靴ビンディングに似た形式で長手方向ブリッジに交換可能または調節可能に配置されている。その場合、どのスペーサ部材にも同じ固定形式が選択され、これにより製造技術の面でも経済的にも好影響が与えられる。
別の変化形では、滑り部分と長手方向ブリッジとの高低差を補償するのに、スキー靴ビンディングの支持面のつま先区域とかかとの区域にスペーサ部材が配置され、これらのスペーサ部材がスノーボードの長手方向ブリッジと滑り部分との高低差に相応する間隔寸法を有するように構成されている。
これにより、異なる足位置でスノーボードを走行させようとするスノーボード使用者の要求または希望に応えることができる。同時に、スノーボード使用時に滑り面への圧力を高め、安定性を改善できる。

スノーボード上で足の位置を変えることは、本発明により、長手方向のブリッジ上またはブリッジ内にスノーボードの長手方向に案内レールを備え、それらの案内レールにスキー靴ビンディングを受容し、しかも該ビンディングを案内レール内でスノーボード長手方向に調節可能にすることで達せられる。

スノーボードを一体構成に製造することで、製造面での利点も得られる。例えば該スノーボードは、プラスチック、繊維、木材いずれによっても製造できるが、別の材料でも製造でき、とくに、製造のさい、スノーボードの構成に製造技術や経済面でも好影響を与える材料が考慮される。
全体として、本発明によりスノーボードは、スノーボード滑り面と走行されるコースとの間の滑り抵抗が低減され、スノーボード走行時の静かさが高められるように製造される。このスノーボードには、３つの型のスノーボードの特性がまとめられており、とくにレース用ボードとして使用できるが、万能型のボードとしても、深い雪用の相応の幅のボードとしても使用できる。
以下で本発明の一実施例を図面との関連で詳しく説明する。

添付図面からは、スノーボード１の全体の構成が直接に見て取れ、図面には、スノーボード１が一体のボードとして構成されていることが示されている。
スノーボード１は、スノーボード１の長手方向両側に形成された２つの滑り部分２，３から成っている。滑り部分２，３は、互いに一定の間隔をおいて設けられている。この間隔は、長手方向ブリッジ４の配置と構成に応じて設けられる。長手方向ブリッジは、スノーボード１の前部区域５からスノーボード１の後部区域６まで延び、滑り部分２，３の表面に対し一定の寸法の間隔、すなわち好ましくは最大５ｃｍの高さ寸法を有するように、構成されている。

滑り部分２，３は、外縁部が内方へ湾曲するように構成され、それによってスノーボード１の胴部またはくびれ９が形成される。長手方向ブリッジ４の表面は、スノーボード使用者の踏み面として役立つ。この場合、取り付けられるスキー靴ビンディングの区域にインサート７が設けられ、該インサート７にはスキー靴ビンディングが固定される。インサート７の区域に、スノーボード１の横方向に見て、滑り部分２，３の表面に高さ補償用のスペーサ部材８が設けられており、これによって、ビンディングまたはスノーボード使用者のスキー靴は、靴の先端およびかかとをスペ−サ部材８に載せられ、支持される。こうすることによって、スノーボード使用者の足の動きが直接にスノーボード１の滑り部分へ伝えられ、意図しない傾倒運動が避けられる。

本発明によるスノーボードの斜視図。

Claims (7)

1. 一体の基体から成る、分割された滑り面を有するスノーボードにおいて、
   前記基体（１０）が、スノーボード（１）の長手方向に延びる２つの側方滑り部分（２；３）と、該滑り部分（２；３）の間に設けられた長手方向ブリッジ（４）とから成り、該滑り部分およびブリッジが、スノーボード（１）の前部区域（５）および後部区域（６）と互いに結合されていることを特徴とする、スノーボード。
2. 前記長手方向ブリッジ（４）が、スノーボードの使用者用の踏み面として構成され、かつ滑り部分（２；３）に対して垂直方向の間隔をおいて、すなわち最大５ｃｍ、好ましくは３−５ｃｍの高さ間隔をおいて、基体（１０）に設けられていることを特徴とする、請求項１に記載されたスノーボード。
3. 前記長手方向ブリッジ（４）が、その踏み面の区域に、インサート（７）形式のスキー靴ビンディング用固定部材を装備していることを特徴とする、請求項１または請求項２に記載されたスノーボード。
4. スキー靴ビンディング用の前記固定部材が、スキー靴ビンディングを長手方向に移動可能に取り付け可能な案内レール形式に構成されていることを特徴とする、請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載されたスノーボード。
5. 前記滑り部分（２；３）が、その長手方向でスノーボード（１）の形状を有し、くびれ（９）を形成されており、滑り部分（２；３）の表面にはスペーサ部材（８）が固定的に、または調節可能かつ交換可能に配置されていることを特徴とする、請求項１から請求項４までのいずれか１項に記載されたスノーボード。
6. 前記滑り部分（２；３）へのスペーサ部材（８）の取り外し可能な固定が、インサート（７）を介して行われることを特徴とする、請求項１から請求項５までのいずれか１項に記載されたスノーボード。
7. 基体（１０）の前部区域および後部区域（５；６）への前記長手方向ブリッジ（４）の移行部がアール（Ｒａｄｉｅｎ）を有するように構成され、かつ滑り部分（２；３）と長手方向ブリッジ（４）との間に側部の間隙（１１）が設けられていることを特徴とする、請求項１から請求項６までのいずれか１項に記載されたスノーボード。

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