JP2006521399A - 疼痛管理用ムスカリンm1受容体アゴニスト - Google Patents

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Abstract

慢性神経因性疼痛を処置するための化合物および方法が開示されている。あるムスカリン受容体サブタイプと選択的に相互作用する化合物は神経因性疼痛の処置に有効であることを発見した。具体的には、M1ムスカリン受容体サブタイプと選択的に相互作用する化合物を使用することができる。

Description

本発明は神経因性疼痛に関する。より具体的には、本発明は、ムスカリン受容体サブタイプと選択的に相互作用することによる神経因性疼痛の処置に関する。
感覚神経に対する損傷には、多くの患者で、さまざまな度合いの疼痛が付随する。その体験は、接触または温度に対する感受性の軽度な増加から、耐え難いほどの疼痛まで、多岐にわたりうる。この種の疼痛は、神経系機能の変化または神経系構造の再編成が関わっていると考えられるので、神経因性疼痛と呼ばれる。神経因性疼痛は臨床的に管理することが極めて困難であり、通常は慢性で、標準的な鎮痛薬介入には応答しない。
米国人口の約1.5%は何らかの種類の神経因性疼痛を患っていると考えられる。この集団は、起源が神経原性であるさまざまな形態の背痛を含めると、さらに大きくなる。したがって神経因性疼痛は、外傷が引き起こす神経損傷、または糖尿病、帯状ヘルペス(帯状疱疹)、過敏性腸症候群、末期癌などの疾患が引き起こす神経損傷、または化学傷害が(例えば抗ウイルス薬を含む薬物療法の不都合な結果として)引き起こす神経損傷に関係づけることができる。
重要なことに、炎症性疼痛および急性痛の処置に有効な薬物は、通常、神経因性疼痛の処置には有効でない(オピエート類および非ステロイド系抗炎症剤など)。逆に、神経因性疼痛を緩和する化合物は、急性痛の処置には有効でないだろう(例えばガパペンチン(gapapentin)、三環系抗うつ剤)。現在利用することができる神経因性疼痛の処置薬は、これらの種類の疼痛を処置するために特別に設計されたものではなく、したがってこれらの薬物がそれほど有効でないことも、これらの薬物が全ての患者に効くわけではないことも、驚くには当たらない。したがって、より高い有効性および認容性を示す神経因性疼痛処置薬が、差し迫って必要とされている。
神経因性疼痛の管理に関して有望な分子クラスの一つは、ムスカリン受容体と直接的または間接的に相互作用する分子である。例えばアセチルコリンエステラーゼ(ACHE-I)活性の遮断は、アセチルコリンの分解を妨げることによってアセチルコリンレベルを上昇させ、副次的に、全てのコリン作動性受容体の同時活性化をもたらす。
コリンエステラーゼ活性を阻害する薬物は、ヒトでは、有効な鎮痛剤である。例えば、ACHE-Iの一つ、フィソスチグミンは、手術後に投与すると、外科患者に短時間作用性の鎮痛を引き起こす。化学的に関連するもう一つのACHE-I、ネオスチグミンの髄腔内投与は、急性術後痛、慢性神経因性疼痛を解除し、髄腔内投与されたオピエート類の鎮痛活性を強化する。さまざまなコリン作動性受容体のうち、ムスカリン受容体とニコチン受容体はどちらも、コリンエステラーゼ阻害剤の抗侵害受容および異痛応答を媒介するとされている。しかし、フィソスチグミンの抗異痛作用は、ムスカリン受容体アンタゴニストによって遮断されたが、ニコチン受容体アンタゴニストでは遮断されなかったことから、この形態の疼痛に対するコリンエステラーゼ阻害の作用は、ムスカリン受容体の活性化によって媒介されるのであって、ニコチン受容体の活性化によるものではないことが示唆された。
直接作用性ムスカリン受容体アゴニストも、さまざまな急性痛の動物モデルで、抗侵害受容性である(Bartoliniら,1992;BrodieおよびProudfit,1984;Caponeら,1999;Hartvigら,1989;Pedigoら,1975;Przewlockaら,1999;Shannonら,1997;Sheardownら,1997)。これらの作用はムスカリンアンタゴニストによって遮断することができる(Bartoliniら,1992;Hwangら,1999;NaguibおよびYaksh,1997;Sheardownら,1997)。これらのデータは、急性痛状態の制御におけるムスカリン受容体活性化の役割をさらに裏付けている。
慢性痛状態または神経因性疼痛状態におけるムスカリン受容体活性化の役割を調べた研究はごくわずかである。これらの研究では、コリン作動性トーン(cholinergic tone)の直接的および間接的上昇が、ラットにおける神経因性疼痛の脊髄神経結紮モデルでの髄腔内投与後に、接触性異痛を改善することが示され、これらの作用もムスカリンアンタゴニストによって覆された(Hwangら,1999;Leeら,2002)。このように、ムスカリン受容体の直接的または間接的活性化は、急性鎮痛活性を引き出すと共に、神経因性疼痛を改善することが示されている。ムスカリン性アゴニストおよびACHE-Iは、ヒトに投与するとあまりにも多くの有害事象を誘発する傾向があるので、あまり臨床使用されていない。望ましくない副作用には、例えば過剰な唾液分泌および発汗、胃腸運動の強化ならびに徐脈などの有害事象が含まれる。これらの副作用は、ムスカリン受容体ファミリーが体中の至るところで発現していることに関係している。
1980年代半ばに、体内で異なる分布を持つ遺伝的にユニークな5つのムスカリン受容体M(1)〜M(5)が発見されたことにより、これらの受容体サブタイプの一つと選択的に相互作用し、他の受容体サブタイプとは選択的に相互作用しない分子を設計しようともくろむことが可能になった。選択的分子の設計により、例えば心機能、胃腸機能または腺機能を制御しているムスカリン受容体まで活性化してしまうことなく、中枢神経機能を制御しているムスカリン受容体を調整することが可能になるだろうと考えられた。莫大な努力にもかかわらず、主としてこれら5つの受容体サブタイプの重要な活性化領域が構造的に類似していることから、この望ましい選択性を持つ薬物はまだ開発されていない。
また、上記5つのムスカリン受容体サブタイプのうちのどれが、さまざまな疼痛状態に対するムスカリン性化合物の作用を媒介するのかもわかっていない。実際には、2以上のムスカリン受容体サブタイプの活性化が疼痛制御に関与していることや、異なるムスカリン受容体サブタイプの活性化が異なる形態の疼痛を媒介することも考えられる。例えば、M(2)受容体は、後根神経節の小型〜中型ニューロンで、また脊髄の後角および視床で、高度に発現されることから、M(2)受容体の活性化は、末梢から脊髄を通って脳に至る侵害刺激の伝達の調整に関与している可能性が示唆される。この仮説は、マウスにおけるM(2)受容体の欠失がムスカリン性アゴニストの急性抗侵害受容活性を低下させるという知見によって確認された。また、マウスにおける他のムスカリン受容体サブタイプの欠失に基づいて判断すると、M(2)受容体と、おそらくそれより程度は低いがM(4)受容体との2つだけが、ムスカリン性アゴニストの急性鎮痛活性に寄与しているようである。他の研究者らも、「これらのデータは、ムスカリン性鎮痛が、脊髄性部位でも上脊髄性部位でも、もっぱらM(2)ムスカリン受容体とM(4)ムスカリン受容体との組合せによって媒介されることを示す明白な証拠になる」(Duttaroy Aら,2002)というように、同様の結論に達している。さらに、別の研究者は「しかし、M(1)受容体サブタイプにおける活性は抗侵害受容活性の必要条件ではない」(Sheardownら,1997)と述べている。
これらのデータにもかかわらず、M(2)受容体に直接作用する化合物の治療上の有用性には限りがある。これは、M(2)受容体が心臓および胃腸管でも高度に発現しているからであり、このことから、この受容体はムスカリン受容体の胃腸障害および心血管副作用も媒介することが示唆される。この示唆もまた、M(2)受容体を欠失させたマウスで確認された。したがって、M(2)ムスカリン受容体を直接的または間接的に活性化する薬剤は、望ましくない潜在的に危険な副作用ゆえに、急性痛の処置にさえ有用ではないかもしれない。
神経因性疼痛の場合は同様の科学的概要を利用することができない。神経因性疼痛状態において直接的および間接的ムスカリン性アゴニストの活性を明確に媒介する正確なムスカリン受容体サブタイプはわかっていない。神経因性疼痛の改善に関与するムスカリン受容体サブタイプを決定すること、そしてそれらの受容体を選択的に活性化する薬物を開発することが、医学的に強く求められている。
本明細書には、神経因性疼痛を処置する方法であって、そのような処置を必要とする対象を同定すること、およびM(1)受容体サブタイプを選択的に活性化する少なくとも1つの化合物の有効量を前記対象に与えることを含み、その結果として神経因性疼痛の1以上の症状が軽減される方法を開示する。一部の実施形態では、前記対象が痛覚過敏を呈する。一部の実施形態では、前記対象が異痛を呈する。一部の実施形態では、前記神経因性疼痛が糖尿病、ウイルス感染、過敏性腸症候群、切断、癌、または化学傷害に関係する。一部の実施形態では、M(1)受容体サブタイプを選択的に活性化する前記化合物が、急性痛を緩和しない。一部の実施形態では、前記化合物が、式VII、VIII、およびIXの化合物からなる群より選択される。
Figure 2006521399
また本明細書には、対象における痛覚過敏または異痛を緩和する化合物を同定する方法であって、少なくとも1つのムスカリン受容体試験化合物を前記対象に与えること、および前記少なくとも1つの試験化合物が前記対象における痛覚過敏または異痛を軽減するかどうかを決定することを含む方法も開示する。一部の実施形態では、前記少なくとも1つの試験化合物が、M(1)またはM(4)受容体に選択的であるが、M(2)またはM(3)受容体には選択的でない。一部の実施形態では、前記少なくとも1つの試験化合物がM(1)受容体に選択的である。一部の実施形態では、前記痛覚過敏が熱性痛覚過敏である。一部の実施形態では、前記異痛が接触性異痛である。
また本明細書には、神経因性疼痛の1以上の症状を軽減するのに有効な量でM(1)受容体サブタイプを選択的に活性化する少なくとも1つの化合物の有効量を含む医薬組成物も開示する。一部の実施形態では、前記化合物が式VII、VIIIおよびIXの化合物からなる群より選択される。
他のムスカリン受容体サブタイプと比較してM(1)受容体に対して従来にない選択性を持つ化合物が開発された(Spalding TA,Trotter C,Skjaerbaek N,Messier TL,Currier EA,Burstein ES,Li D,Hacksell U,Brann MR「Discovery of an ectopic activation site on the M(1) muscarinic receptor(M(1)ムスカリン受容体上の異所的活性部位の発見)」Mol. Pharmacol,61(6):1297-302,2002:「Benzimidazolidinone Derivatives as Muscarinic Agents(ムスカリン作用薬としてのベンゾイミダゾリジノン誘導体)」と題する米国特許出願第10/262,517号(公開番号20030100545);「Muscarinic Agonists(ムスカリン性アゴニスト)」と題する米国特許第6,627,645号;「Coumpounds with Activity on Muscarinic Receptors(ムスカリン性レセプタに活性を有する化合物)」と題する米国特許第6,528,529号;「Coumpounds with Activity on Muscarinic Receptors(ムスカリン性レセプタに活性を有する化合物)」と題する米国特許出願第10/338,937号(公開番号20030144285);「Tetrahydroisoquinoline Analogues as Muscarinic Agonists(ムスカリン作動薬としてのテトラヒドロキノリン類似体)」と題する米国特許出願第10/329,455号(公開番号20030176418);および「Piperidinyl Dimers as Muscarinic Agents(ムスカリン性作動薬としてのピペリジニル二量体)」と題する米国仮特許出願第60/432,692号。
M(1)ムスカリン受容体に対して比較的選択的な化合物は、全身投与した場合、神経因性疼痛の齧歯類モデルにおいて、熱性痛覚過敏および接触性異痛の改善に極めて有効であることが見いだされた。また、これらの化合物は他のムスカリン受容体サブタイプを活性化しないので、これらのM(1)アゴニストは、従来の非選択的ムスカリン性アゴニストが持つ、生命にかかわる望ましくない作用を引き出さない。したがってM(1)選択的アゴニストは、慢性神経因性疼痛を処置するための治療薬として、とりわけ魅力的である。逆に、M(2)ムスカリン受容体サブタイプおよび他の全てのムスカリン受容体サブタイプと相互作用する非選択的ムスカリン性アゴニストとは異なり、これらのM(1)選択的アゴニストは、急性痛の軽減には有効でない。したがって、選択的M(1)アゴニストは、齧歯類において、とりわけ魅力的なプロファイルを持つ。これらは神経因性疼痛を遮断するが、他の形態の疼痛に対する応答は変化させない。慢性的使用時に、これらの薬剤は、患者が急性痛に対して正常に応答することを許すと同時に、慢性神経因性疼痛を遮断するはずである。
本明細書で使用する「選択的」という用語は、ある化合物の特性であって、ある特定の受容体タイプ、サブタイプ、クラスまたはサブクラスからの望ましい応答をもたらすのに十分な量の当該化合物が、他の受容体タイプの活性にはかなり低い作用しか持たないか、実質的にほとんど作用を持たないか、または全く作用を持たないという特性であると定義される。例えば選択的化合物は、望ましい受容体の活性に対して、他の受容体タイプと比較して少なくとも10倍は高い作用を持ちうる。場合により、選択的化合物は、望ましい受容体の活性に対して、他の受容体タイプと比較して少なくとも20倍は高い作用、または少なくとも50倍は高い作用、または少なくとも100倍は高い作用、または少なくとも1000倍は高い作用、または少なくとも10,000倍は高い作用、または少なくとも100,000倍は高い作用、または100,000倍を超えて高い作用を持ちうる。
神経因性疼痛に対するM(1)アゴニストの作用部位はまだ解明されていない。しかし、M(1)選択的アゴニストの神経因性疼痛解除作用は、中枢神経系浸透性ムスカリンアンタゴニストである塩酸スコポラミンによって遮断されるが、主として末梢作用性のムスカリンアンタゴニストである塩酸メチルスコポラミンでは遮断されないことが示されている。これは、M(1)選択的ムスカリン性アゴニストの神経因性疼痛解除作用が、中枢神経系における作用によって媒介されることを示唆している。さらに、これらのM(1)選択的アゴニストは、脊髄に髄腔内投与した場合は神経因性疼痛の緩和に有効でないが、脳室内に投与した場合には、この形態の疼痛の緩和に有効である。これは、M(1)受容体活性化の神経因性疼痛解除作用が、必ずしも脊髄性作用部位ではなく、上脊髄性作用部位によって媒介されることを示唆している。
M(1)受容体サブタイプと相互作用する化合物が持つ鎮痛活性は今までよく認識されていなかったが、これらは神経因性疼痛の有効な処置薬である。これらの観察結果には、外傷が、または糖尿病、帯状ヘルペス(帯状疱疹)、過敏性腸症候群もしくは末期癌などの疾患が、または化学傷害が(例えば、抗ウイルス薬を含む薬物療法の不都合な結果として)引き起こす神経因性疼痛の処置におけるM(1)アゴニストの使用を支持する実用的な用途がある。
したがって、本発明の一部の実施形態では、有用性を制限する望ましくない副作用を引き起こさずに疼痛を制御する目的で、対象を、M(1)受容体サブタイプと相互作用する化合物の薬理活性量と接触させることによって、ある生物における神経因性疼痛を処置する。
一部の実施形態では、本発明で使用される化合物は、M(1)受容体サブタイプと選択的に相互作用する。
一部の実施形態では、本発明で使用される化合物は、米国特許第10/262,517号(公開番号20030100545)に記載されており、式(I)の構造を持つ:
Figure 2006521399
[式中、
Xは、C、O、NおよびSからなる群より選択される;
Zは、CHおよびNからなる群より選択される;
Yは、=O、=Nおよび=Sまたはそれらの互変異性体、例えばY-アルキル化互変異性体などからなる群より選択される;
SPUは、ZとNの間に距離dをもたらすスペーサーユニットであって、-SPU-は-(CR6R7)n-A-および-C3-8-シクロアルキル-(式中、nは、1、2、3、4、または5など、1〜5の範囲にあり、Aは存在しないか、または置換されていてもよい-C3-8-シクロアルキルである)からなる群より選択される二価基である;
Nは、R1およびR2と共に複素環を形成し、前記複素環はペルヒドロアゾシン、ペルヒドロアゼピン、ピペリジン、ピロリジン、アゼチジン、アジリジンおよび8-アザビシクロ[3.2.1]オクタンからなる群より選択され、前記複素環は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-8-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-8-アルコキシ、C1-8-アルキルカルボニル、C1-8-アルキリデン、C2-8-アルケニル、C2-8-アルキニル、C1-6-アルキルオキシイミノ、およびC1-6-アルキルオキシアミノ(これらはそれぞれ置換基R5で置換されていてもよい)からなる群より選択される1以上の置換基R4で置換されており、前記置換基R4の少なくとも1つは、C1-8-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-8-アルコキシ、C1-8-アルキルカルボニル、C1-8-アルキリデン、C1-8-アルキルオキシイミノ、およびC1-8-アルキルオキシアミノ(これらはそれぞれ置換基R5で置換されていてもよい)からなる群より選択されるR4'である;
R5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-8-アルキル、C1-8-アルコキシ、C3-8-シクロアルキル、C3-8-ヘテロシクリル、C1-8-アルキルカルボニル、C1-8-アルキリデン、C2-8-アルケニルおよびC2-8-アルキニルからなる群より選択される;
RXは、存在しないか、水素、置換されていてもよいC1-8-アルキル、置換されていてもよいC3-8-シクロアルキル、置換されていてもよいC2-8-アルケニル、置換されていてもよいC2-8-アルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールCH2-N(R5)(R5)、CH2-OR5、CH2-SR5、CH2-O-C(=O)R5、CH2-O-C(=S)R5からなる群より選択することができる;
R3は、0〜4回存在することができ、ハロゲン、ヒドロキシ、置換されていてもよいC1-8-アルキル、C1-8-アルコキシ、置換されていてもよいC1-8-アルキリデン、置換されていてもよいC2-8-アルケニル、置換されていてもよいC2-8-アルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいC3-8-シクロアルキル、置換されていてもよいC3-8-ヘテロシクリル、および置換されていてもよいC1-8-アルキルカルボニルからなる群より選択することができる;そして、
各R6および各R7は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換されていてもよいC1-8-アルキル、C1-8-アルコキシ、置換されていてもよいC1-8-アルキリデン、置換されていてもよいC2-8-アルケニル、置換されていてもよいC2-8-アルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいC3-8-シクロアルキル、置換されていてもよいC3-8-ヘテロシクリル、および置換されていてもよいC1-8-アルキルカルボニルからなる群より、独立して選択される]。
一部の実施形態では、本発明で使用される化合物は米国特許第6,627,645号に記載されており、式(II):
Figure 2006521399
[式中、
Z1はCR1またはN、Z2はCR2またはN、Z3はCR3またはN、かつZ4はCR4またはNであって、Z1、Z2、Z3およびZ4のうち、Nであるのは2個以下である;
W1はO、S、もしくはNR5であり、W2およびW3の一方はNもしくはCR6であり、かつW2およびW3の他方はCGであるか、またはW1はNGであり、W2はCR5もしくはNであり、かつW3はCR6もしくはNであるか、またはW1およびW3はNであり、かつW2はNGである;
Gは、式(III):
Figure 2006521399
で表される;
Yは、O、S、CHOH、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-C(O)-、-OC(O)-、-(O)CO-、-NR7-、もしくは-CH=N-であるか、または存在しない;
pは、1、2、3、4または5である;
ZはCR8R9であるか、存在しない;
各tは、1、2、または3である;
各R1、R2、R3、およびR4は独立して、H、アミノ、ヒドロキシル、ハロ、または直鎖もしくは分枝鎖C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、-CN、-CF3-OR11、-COR11、-NO2、-SR11、-NHC(O)R1、-C(O)NR12R13、-NR12R3、-NR11C(O)NR12R13、-SO2NR12R13、-OC(O)R11、-O(CH2)qNR12R13、もしくは-(CH2)qNR12R13(式中、qは2〜6の整数である)であるか、またはR1およびR2は全体として-NH-N=N-を形成するか、またはR3およびR4は全体として-NH-N=N-を形成する;
各R5、R6、およびR7は独立して、H、C1-6アルキル、ホルミル、C3-6シクロアルキル、C5-6アリール(ハロもしくはC1-6アルキルで置換されていてもよい)、またはC5-6ヘテロアリール(ハロまたはC1-6アルキルで置換されていてもよい)であり、各R8およびR9は独立して、Hまたは直鎖もしくは分枝鎖C1-8アルキルである;
R10は、直鎖もしくは分枝鎖C1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C1-8アルキリデン、C1-8アルコキシ、C1-8ヘテロアルキル、C1-8アミノアルキル、C1-8ハロアルキル、C1-8アルコキシカルボニル、C1-8ヒドロキシアルコキシ、C1-8ヒドロキシアルキル、-SH、C1-8アルキルチオ、-O-CH2-C5-6アリール、-C(O)-C5-6アリール(C1-3アルキルもしくはハロで置換されているもの)、C5-6アリール、C5-6シクロアルキル、C5-6ヘテロアリール、C5-6ヘテロシクロアルキル、-NR12R13、-C(O)NR12R13、-NR11C(O)NR12R13、-CR11R12R13、-OC(O)R11、-(O)(CH2)sNR12R13または-(CH2)sNR12R13であり、sは2〜8の整数である;
R10'は、H、直鎖もしくは分枝鎖C1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C1-8アルキリデン、C1-8アルコキシ、C1-8ヘテロアルキル、C1-8アミノアルキル、C1-8ハロアルキル、C1-8アルコキシカルボニル、C1-8ヒドロキシアルコキシ、C1-8ヒドロキシアルキル、またはC1-8アルキルチオであり、各R11は独立して、H、直鎖もしくは分枝鎖C1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C2-8ヘテロアルキル、C2-8アミノアルキル、C2-8ハロアルキル、C1-8アルコキシカルボニル、C2-8ヒドロキシアルキル、-C(O)-C5-6アリール(C1-3アルキルもしくはハロで置換されているもの)、C5-6アリール、C5-6ヘテロアリール、C5-6シクロアルキル、C5-6ヘテロシクロアルキル、-C(O)NR12R13、-CR5R12R13、-(CH2)tNR12R13であり、tは2〜8の整数である;そして、
各R12およびR13は独立して、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C5-6アリール(ハロもしくはC1-6アルキルで置換されていてもよい)、またはC5-6ヘテロアリール(ハロもしくはC1-6アルキルで置換されていてもよい)であるか、あるいはR12およびR13は全体として環状構造を形成する]
の構造を持つか、または医薬的に許容できるその塩、エステルもしくはプロドラッグである。
一部の実施形態では、本発明で使用される化合物は、米国特許第6,528,529号に記載されており、式(IV):
Figure 2006521399
[式中、
X1、X2、X3、X4およびX5は、C、NおよびOから選択される;
kは、0または1である;
tは、0、1または2である;
R1は、直鎖もしくは分枝鎖C1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C1-8アルキリデン、C1-8アルコキシ、C1-8ヘテロアルキル、C1-8アミノアルキル、C1-8ハロアルキル、C1-8アルコキシカルボニル、C1-8ヒドロキシアルコキシ、C1-8ヒドロキシアルキル、-SH、C1-8アルキルチオ、-O-CH2-C5-6アリール、-C(O)-C5-6アリール(C1-3アルキルもしくはハロで置換されているもの)、C5-6アリールもしくはC5-6シクロアルキル(N、SおよびOから選択される1以上のヘテロ原子を含んでもよい)、-C(O)NR3R4、-NR3R4、-NR3C(O)NR4R5、-CR3R4、-OC(O)R3、-(O)(CH2)sNR3R4または-(CH2)sNR3R4であり、
ここにR3、R4およびR5は、同じであるか異なっていて、H、C1-6アルキル、C5-6アリール(N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を含んでもよく、またハロもしくはC1-6アルキルで置換されていてもよい)、C3-6シクロアルキからそれぞれ独立して選択されるか、あるいはR3およびR4は、N原子が存在する場合はそのN原子と共に全体として、C、N、SおよびOから選択される5〜6個の原子を含む環構造を形成する;
sは、0〜8の整数である;
Aは、C5-12アリールまたはC5-7シクロアルキルであり、これらはそれぞれN、SおよびOから選択される1以上のヘテロ原子を含んでもよい;
R2は、H、アミノ、ヒドロキシル、ハロ、または直鎖もしくは分枝鎖C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6ヘテロアルキル、C1-6アミノアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルキルチオ、C1-6アルコキシカルボニル、-CN、-CF3、-OR3、-COR3、NO2、-NHR3、-NHC(O)R3、-C(O)NR3R4、-NR3R4、-NR3C(O)NR4R5、-OC(O)R3、-C(O)R3R4、-O(CH2)qNR3、-CNR3R4または-(CH2)qNR3R4であり、
ここにqは、1〜6の整数である;
nは、0、1、2、3または4であり、基R2は、n>1の場合、同じであるか異なる;
pは、0または1〜5の整数である;
Yは、O、S、CHOH、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-C(O)-、-OC(O)-、NR7または-CH=N-であり、
R7は、HもしくはC1-4アルキルであるか、または存在しない;そして、
Zは、CR8R9であって、R8およびR9は、Hおよび直鎖もしくは分枝鎖C1-8アルキルから独立して選択される]
の構造を持つか、または医薬的に許容できるその塩、エステルもしくはプロドラッグである。
一部の実施形態では、本発明で使用される化合物は、米国特許出願第10/329,455号(公開番号20030176418)に記載されており、式(V):
Figure 2006521399
[式中、
R1は、置換されていてもよいC1-6-アルキル、置換されていてもよいC2-6-アルキリデン、置換されていてもよいC2-6-アルケニル、置換されていてもよいC2-6-アルキニル、置換されていてもよいO-C1-6-アルキル、置換されていてもよいO-C2-6-アルケニル、置換されていてもよいO-C2-6-アルキニル、置換されていてもよいS-C1-6-アルキル、置換されていてもよいS-C2-6-アルケニル、置換されていてもよいS-C2-6-アルキニルからなる群より選択される一価基である;
mは、0、1または2である;
C3-C4はCH2-CHまたはCH=Cであるか、またはC4がCHであり、かつC3が存在しない;
R2およびR3は、水素、置換されていてもよいC1-6アルキル、置換されていてもよいO-C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシからなる群より独立して選択されるか、またはR2およびR3が全体として環系を形成するように選択される;
各R4およびR5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、置換されていてもよいC1-6-アルキル、置換されていてもよいO-C1-6アルキル、置換されていてもよいアリール-C1-6アルキル、および置換されていてもよいアリールヘテロアルキルからなる群より独立して選択される;
L1およびL2は、-C(R6)=C(R7)、-C(R6)=N-、-N=C(R6)-、-S-、-NH-および-O-からなる群より独立して選択される二価基であって、L1およびL2の一方だけを-S-、-NH-および-O-からなる群より選択することができる;
Yは、O、S、およびH2からなる群より選択される;
Xは、-C(R6)(R7)-C(R6)(R7)-、-C(R6)=C(R7)-、-O-C(R6)(R7)-、C(R6)(R7)-O-、-S-C(R6)(R7)-、-C(R6)(R7)-S-、-N(RN)-C(R6)(R7)-、-C(R6)(R7)-N(RN)-、-C(R6)(R7)-C(R6)(R7)-C(R6)(R7)-、-O-C(R6)(R7)-C(R6)(R7)-、S-C(R6)(R7)-C(R6)(R7)-、N(RN)-C(R6)(R7)-C(R6)(R7)-、-C(R6)(R7)-C(R6)(R7)-O、-C(R6)(R7)-C(R6)(R7)-S、-C(R6)(R7)-C(R6)(R7)-N(RN)-、-C(R6)(R7)-C(R6)=C(R7)-、および-C(R6)=C(R7)-C(R6)(R7)からなる群より選択される二価基である;
式中、R6およびR7は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、NRNRN、N(RN)-C(O)N(RN)、置換されていてもよいC1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、置換されていてもよいO-C1-6-アルキル、置換されていてもよいO-アリール、置換されていてもよいO-C2-6-アルケニル、置換されていてもよいO-C2-6-アルキニルからなる群より独立して選択される;
式中、RNは、水素、および置換されていてもよいC1-6-アルキルからなる群より選択される]
の構造を持つ。
一部の実施形態では、本発明で使用される化合物は、米国仮特許出願第60/432,692号に記載されており、式(VI):
Figure 2006521399
[式中、
Yは、(CR4R5)m-Z-C(R4R5)nの二価基であって、
和m+nは1〜7である;
Zは、C(R4R5)、C(O)、O、N(R6)、S、O-C(O)、N(R6)C(O)、C(O)-O、およびPからなる群より選択され、
R4およびR5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、NR6N6'、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいC3-8-シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいC1-6-アルキル、置換されていてもよいC1-6-アルコキシ、置換されていてもよいフェノキシ、置換されていてもよいC2-8-アルケニルおよび置換されていてもよいC2-8-アルキニルからなる群より独立して選択される;また、
R1およびR2は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいC3-8-シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいC1-6-アルキル、置換されていてもよいC1-6-アルコキシ、置換されていてもよいC2-8-アルケニルおよび置換されていてもよいC2-8-アルキニルからなる群より独立して選択される;
R3およびR3'は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、NR6N6'、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいC3-8-シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいC1-6-アルキル、置換されていてもよいC1-6-アルコキシ、置換されていてもよいC2-8-アルケニルおよび置換されていてもよいC2-8-アルキニルからなる群より独立して選択される;そして、
R6およびR6'は、水素、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいC3-8-シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいC1-6-アルキル、置換されていてもよいC1-6-アルコキシ、置換されていてもよいC2-8-アルケニルおよび置換されていてもよいC2-8-アルキニルからなる群より独立して選択される]
の構造を持つ。
式(VI)の化合物の具体例を示す化学構造を図1に図示する。これらの化合物の合成を示す例を以下に記載する。
〔1,2-ビス(4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジノ)エタン(55-LH-4-1A)〕
バイアルに4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジン(0.27g、1.25mmol)、1-クロロ-2-ヨードエタン(95mg、0.5mmol)、K2CO3(0.17g、1.25mmol)およびエタノール(2mL)を投入し、60℃で終夜振とうした。水および酢酸エチルを加え、生成物を濾別し、乾燥することにより、標題の化合物113mgを得た。
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.59-1.66 (m, 4H), 2.06-2.15 (m, 4H), 2.27-2.40 (m, 4H), 2.45 (app s, 4H), 2.99-3.06 (m, 4H), 4.07-4.18 (m, 2H), 6.92-7.00 (app s, 6H), 7.16-7.21 (m, 2H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 29.4, 50.9, 53.9, 56.3, 109.3, 109.5, 121.1, 121.1, 129.0, 129.9, 154.4. LC-MS[M-H]+ 461.4
〔1,4-ビス(4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジノ)ブタン・トリフルオロ酢酸塩(55-LH-25A)〕
バイアルに4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジン(1.1g、5.0mmol)、4-ブロモ-1-ブタノール(0.92mg、6.0mmol)、K2CO3(0.86g、6.25mmol)およびエタノール(3mL)を投入し、60℃で9日間振とうした。水および酢酸エチルを加え、有機層を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー[(SiO2、MeOH/EtOAc(1:9)中の5%NH4OH]で精製することにより、4-(4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジノ)ブタノール(55-LH-10)0.22mgを得て、これをさらに特徴づけることなく次のステップに使用した。LC-MS [M-H]+290.1
55-LH-10(0.22g、0.78mmol)、DMSO(66μL、0.93mmol)およびジクロロメタン(1mL)の混合物を−78℃に冷却し、0.5時間撹拌した。塩化オキサリル(73μL、0.85mmol)を加え、その混合物をさらに0.5時間、−78℃に保った。トリエチルアミン(0.54mL、3.9mmol)を加え、その反応混合物を室温にした。水およびジクロロメタンを加え、有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、エバポレートした。得られたアルデヒドをMeOH(2.5mL)に溶解し、4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジン(0.17g、0.78mmol)を加えた後、pH=4〜5になるまでHOAcを加えた。新たに調製したNaCNBH3(54mg、0.85mmol)のMeOH(1mL)溶液を加え、その混合物を周囲温度で終夜撹拌した。水および酢酸エチルを加え、有機層を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残渣をHCl水溶液(1N)に溶解し、分取用HPLC[Lunaカラム(21.2×250mm、15μm C18(2)、H2O中の0.1%TFA/CH3CN/H2O(8:2)中の0.1%TFA(9:1から0:100への勾配))で精製した。純粋な化合物がトリフルオロ酢酸塩(24mg)として水から沈殿した。1H NMR (CD3OD) δ 1.89-1.96 (m, 4H), 2.06-2.14 (m, 4H), 2.79-2.93 (m, 4H), 3.09-3.32 (m, 8H), 3.73-3.3.82 (m, 4H), 4.55-4.65 (m, 2H), 7.05-7.15 (m, 6H), 7.28-7.33 (m, 2H); LC-MS[M-H]+ 489.2
〔5-(4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジノ)ペンタノール(55-LH-27A)〕
55-LH-10の製造に用いた手順に従い、5-ブロモ-1-ペンタノール(1.0g、6.0mmol)を使って、化合物55-LH-27を製造した。60℃で10日後に、水を加え、生成物を濾別することにより、標題の化合物0.79gを得た。
1H NMR (CD3OD) δ 1.35-1.50 (m, 2H), 1.55-1.65 (m, 4H), 1.70-1.85 (m, 2H), 2.10-2.25 (m, 2H), 2.40-2.60 (m, 4H), 3.05-3.15 (m, 2H), 3.50-3.60 (m, 2H), 4.25-4.40 (m, 1H), 7.05-7.15 (m, 3H), 7.35-7.45 (m, 1H); 13C NMR (CD3OD) δ 23.8, 26.5, 28.4, 32.3, 50.7, 53.1, 58.4, 61.6, 109.4,109.6, 121.0, 121.3, 128.5, 129.1, 155.1; LC-MS[M-H]+ 304.3
〔1,5-ビス(4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジノ)ペンタン(55-LH-31A)〕
55-LH-25Aの製造に用いた手順に従い、55-LH-27A(0.30g、1.0mmol)を使って、化合物(55-LH-31A)を製造した。残渣を分取用HPLC[Lunaカラム(21.2×250mm、15μm C18(2)、H2O中の0.1%TFA/CH3CN/H2O(8:2)中の0.1%TFA(9:1から0:100への勾配))によって精製した。溶媒をエバポレートし、残渣を水およびジクロロメタンに溶解した。水酸化アンモニウムをpH=10になるまで加え、有機層を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残渣をMeOHに溶解し、トリフルオロ酢酸(5μL)を加えた。トリフルオロ酢酸塩を分取用HPLC[Lunaカラム(21.2×250mm、15μm C18(2)、H2O中の0.1%TFA/CH3CN/H2O(8:2)中の0.1%TFA(9:1から0:100への勾配)]によって精製した。溶媒をエバポレートし、水溶液にpH=10になるまでNH4OHを加えた。生成物を濾別し、乾燥することにより、標題の化合物47mgを得た。
1H NMR (CD3OD) δ 1.37-1.46 (m, 2H), 1.59-1.68 (m, 4H), 1.74-1.82 (m, 4H), 2.16-2.25 (m, 4H), 2.44-2.60 (m, 8H), 3.12-3.20 (m, 4H), 4.28-4.38 (m, 2H), 7.02-7.08 (m, 6H), 7.36-7.41 (m, 2H); 13C NMR (CD3OD) δ 25.6, 26.6, 28.4, 50.7, 53.1, 58.3, 109.4, 109.6, 121.0, 121.3, 128.5, 129.1, 155.1; LC-MS[M-H]+503.1
〔1,3-ビス(4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジノ)プロパン(55-LH-3B)〕
バイアルに4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジン(1.09g、5mmol)、1-クロロ-3-ヨードプロパン(250μL、2mmol)、K2CO3(0.69g、5mmol)およびエタノール(10mL)を投入し、60℃で6日間振とうした。水、酢酸エチルおよびMeOHを加えた。有機層をエバポレートし、残渣をカラムクロマトグラフィー[(SiO2、MeOH/酢酸エチル(1:9)中の5%NH4OH]で精製した後、分取用HPLC[Lunaカラム(21.2×250mm、15μm C18(2)、H2O中の0.1%TFA/CH3CN/H2O(8:2)中の0.1%TFA(9:1から0:100への勾配)]で精製した。溶媒をエバポレートし、水溶液にpH=10になるまでNH4OHを加えた。生成物を濾別し、水で洗浄し、乾燥することにより、標題の化合物235mgを得た。
1H NMR (CD3OD) δ 1.76-1.88 (m, 6H), 2.20-2.28 (m, 4H), 2.48-2.62 (m, 8H), 3.14-3.22 (m, 4H), 4.28-4.38 (m, 2H), 7.02-7.09 (m, 6H), 7.35-7.40 (m, 2H); 13C NMR (CD3OD) δ 24.0, 28.4, 50.7, 53.1, 56.3, 109.4, 109.5, 121.1, 121.3, 128.5,128.2, 155.1; LC-MS[M-H]+ 475.4
〔1,3-ビス(1-フェニル-4-オキソ-1,3,8-トリアザスピロ[4,5]デカン-8-イル)プロパン(55-LH-4-3A)〕
バイアルに1-フェニル-1,3,8-トリアザスピロ[4,5]デカン-4-オン(0.29g、1.25mmol)、1-クロロ-3-ヨードプロパン(0.10g、0.5mmol)、K2CO3(0.17g、1.25mmol)およびエタノール(2mL)を投入し、60℃で終夜振とうした。水および酢酸エチルを加えた。生成物を濾別し、乾燥することにより、標題の化合物154mgを得た。
1H NMR (CD3OD) δ 1.69-1.83 (m, 6H), 2.43-2.49 (m, 4H), 2.57-2.67 (m, 4H), 2.84-2.90 (m, 8H), 4.68 (s, 4H), 6.82-6.87 (m, 2H), 6.99-7.04 (m, 4H), 7.22-7.27 (m, 4H); 13C NMR (CD3OD) δ 23.9, 28.8, 49.5, 56.5, 59.4, 59.7, 116.5, 119.4, 128.9, 143.6, 178.2; LC-MS[M-H]+ 503.4
〔3-[4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジノ]-1-(4-ブチルピペリジノ)プロパン(55-LH-11C)〕
バイアルに、4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジン(0.13g、0.6mmol)、1-クロロ-3-ヨードプロパン(64μL、0.6mmol)、K2CO3(0.173g、1.25mmol)およびエタノール(2mL)を投入し、60°Cで5日間振とうした。4-ブチルピペリジン(0.85g、0.6mmol)を加え、その混合物を60℃でさらに2日間振とうした。水および酢酸エチルを加えた。有機層を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー[(SiO)2、MeOH/酢酸エチル(1:9)中の5%NH4OH]、分取用LC-MS[WatersシンメトリーC18(19×50mm、5μm粒子)、H2O中の0.15%TFA/CH3CN/H2O(95:5)中の0.15%TFA(9:1から0:100への勾配)]および分取用HPLC[Lunaカラム(21.2×250mm、15μm C18(2)、H2O中の0.1%TFA/CH3CN/H2O(8:2)中の0.1%TFA(9:1から0:100への勾配)]で精製した。溶媒をエバポレートし、pH=10になるまでNH4OHを水溶液に加えた。有機層を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、エバポレートすることにより、標題の化合物11.4mgを得た。
1H NMR (CD3OD) δ 0.88-0.93 (m, 3H), 1.18-1.34 (m, 9H), 1.68-1.83, (m, 6H), 1.97-2.06 (m, 2H), 2.15-2.24 (m, 2H), 2.38-2.58 (m, 6H), 2.94-3.01 (m, 2H), 3.10-3.17 (m, 2H), 4.26-4.36 (m, 1H), 7.02-7.08 (m, 3H), 7.36-7.39 (m, 1H); 13C NMR (CD3OD) δ 13.2, 22.8, 23.7, 28.4, 28.9, 29.7, 35.6, 36.2, 50.8, 53.1, 53.9, 56.4, 56.9, 109.4, 109.5, 121.0, 121.3, 128.5, 129.2, 155.1; LC-MS[M-H]+ 399.3
〔1,3-ビス(4-ブチルピペリジノ)プロパン(40-LH-67)〕
バイアルに4-ブチルピペリジン(0.13g、0.9mmol)、1-クロロ-3-ヨードプロパン(107μL、1.0mmol)、K2CO3(0.35g、2.5mmol)およびエタノール(4mL)を投入し、60℃で終夜振とうした。水および酢酸エチルを加えた。有機層をエバポレートし、残渣を分取用LC-MS[WatersシンメトリーC18(19×50mm、5μ粒子)、H2O中の0.15%TFA/CH3CN/H2O(95:5)中の0.15%TFA(9:1から0:100への勾配)]で精製することにより、標題の化合物6.4mgを得た。
1H NMR (CDCI3) δ 0.84-1.10 (m, 6H), 1.16-1.32 (m, 18H), 1.62-1.74 (m, 6H), 1.82-1.91 (m, 4H), 2.26-2.32 (m, 4H), 2.86-2.92 (m, 4H); 13C NMR (CDCl3) δ 14.3, 23.1, 25.0, 29.3, 32.7, 36.1, 36.6, 54.4, 57.6; LC-MS[M-H]+323.4
〔1,3-ビス[4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジノ]-2-プロパノール(55-LH-30B)〕
バイアルに4-(2-オキソベンゾイミダゾリン-1-イル)ピペリジン(0.44g、2mmol)、エピクロロヒドリン(78μL、1mmol)、K2CO3(0.35g、2.5mmol)およびエタノール(3mL)を投入し、60℃で19日間振とうした。水を加え、生成物を濾別することにより、粗生成物400mgを得た。そのうちの150mgを分取用HPLC[Lunaカラム(21.2×250mm、15μm C18(2)、H2O中の0.1%TFA/CH3CN/H2O(8:2)中の0.1%TFA(9:1から0:100への勾配)]で精製することにより、標題の化合物50mgを得た。
1H NMR (CD3OD) δ 1.76-1.84 (m, 4H), 2.32-2.66 (m, 12H), 3.20-3.28 (m, 4H), 4.01-4.08 (m, 1H), 4.28-4.38, (m, 2H), 7.02-7.09 (m, 6H), 7.35-7.40 (m, 2H); 13C NMR (CD3OD) δ 28.4, 28.4, 50.7, 53.2, 54.2, 62.6, 65.4, 109.4, 109.5, 121.1, 121.3, 128.5, 128.2, 155.1; LC-MS[M-H]+ 491.0
〔1,3-ビス(4-フェニル-1-ピペラジニル)プロパン(55-LH-15)〕
バイアルに4-フェニルピペラジン(191μL、1.25mmol)、1-クロロ-3-ヨードプロパン(54μL、0.5mmol)、K2CO3(0.17g、1.25mmol)およびエタノール(3mL)を投入し、60℃で5日間振とうした。水を加え、生成物を濾別し、乾燥することにより、標題の化合物145mgを得た。
1H NMR (CD3OD) δ 1.76-1.86 (m, 2H), 2.44-2.51 (m, 4H), 2.63-2.69 (m, 8H), 3.17-3.22 (m, 8H), 6.81-6.86 (m, 2H), 6.94-6.99 (m, 4H), 7.20-7.26 (m, 4H); 13C NMR (CD3OD) δ 23.4, 49.1, 53.1, 56.5, 116.3, 120.0, 128.9, 151.5; LC-MS[M-H]+365.2
〔1,3-ビス(4-(2-ニトロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-1-ピペラジニル)プロパン(55-LH-16B)〕
バイアルに(4-(2-ニトロ-4-トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン(0.34g、1.25mmol)、1-クロロ-3-ヨードプロパン(54μL、0.5mmol)、K2CO3(0.17g、1.25mmol)およびエタノール(3mL)を投入し、60℃で5日間振とうした。水を加え、生成物を濾別し、乾燥した。再結晶(2-プロパノール)により、標題の化合物226mgを得た。
1H NMR (CD3OD) δ 1.74-1.83 (m, 2H), 2.46-2.52 (m, 4H), 2.61-2.66 (m, 8H), 3.18-3.23 (m, 8H), 7.37-7.42 (m, 2H), 7.76-7.79 (m, 2H), 8.04-8.07 (m, 2H); 13C NMR (CD3OD) δ 23.4, 50.4, 52.7, 56.2, 121.3, 121.9, 123.5, 123.8, 129.9, 141.2, 148.0; LC-MS[M-H]+ 591.2
〔1,3-ビス(4-(2-ベンゾチアゾリル)ピペリジノ)プロパン(55-LH-46)〕
バイアルに(4-(2-ベンゾチアゾリル)ピペリジン(0.15g、0.69mmol)、1-クロロ-3-ヨードプロパン(36μL、0.34mmol)、K2CO3(97mg、0.70mmol)およびエタノール(2mL)を投入し、60℃で5日間振とうした。水を加え、生成物を濾別し、乾燥することにより、標題の化合物138mgを得た。
1H NMR (CD3OD) δ 1.74-1.84 (m, 2H), 1.90-2.03 (m, 4H), 2.14-2.26 (m, 8H), 2.41-2.48 (m, 4H), 3.04-3.20 (m, 6H), 7.36-7.42 (m, 2H), 7.44-7.51 (m, 2H), 7.89-7.96 (m, 4H); 13C NMR (CD3OD) δ 23.6, 32.0, 41.2, 53.2, 56.6, 121.7, 122.0, 125.0, 126.1, 134.4, 152.8, 176.8; LC-MS[M-H]+ 477.1
〔1,3-ビス(4-(2-ベンゾチアゾリル)ピペリジノ)-2-プロパノール(55-LH-47)〕
バイアルに(4-(2-ベンゾチアゾリル)ピペリジン(0.15g、0.69mmol)、エピクロロヒドリン(27μL、0.34mmol)、K2CO3(97mg、0.70mmol)およびエタノール(2mL)を投入し、60℃で5日間振とうした。水を加え、生成物を濾別し、乾燥することにより、標題の化合物140mgを得た。
1H NMR (CD3OD) δ 1.90-2.05 (m, 4H), 2.10-2.20 (m, 4H), 2.21-2.52 (m, 8H), 3.07-3.18 (m, 6H), 3.96-4.04 (m, 1H), 7.35-7.42 (m, 2H), 7.44-7.51 (m, 2H), 7.88-7.96 (m, 4H); 13C NMR (CD3OD) δ 32.2, 32.2, 41.2, 53.4, 54.2, 63.2, 65.7, 121.7, 122.0, 125.0, 126.1, 134.4, 152.8, 177.1; LC-MS[M-H]+ 493.1
一部の実施形態では、本発明で使用される化合物に、米国特許第6,627,645号に開示されている式VIIの化合物:
Figure 2006521399
ならびに米国特許出願第10/329,455号(公開番号20030176418)に開示されている式VIIIおよびIXの化合物:
Figure 2006521399
が含まれる。
本発明の化合物のうち、いくつかは、光学異性体を含む立体異性体として存在しうる。本発明は全ての立体異性体を包含し、そのような立体異性体のラセミ混合物と、当業者に周知の方法に従って分離することができる個々のエナンチオマーを、どちらも包含する。
医薬的に許容できる付加塩の例には、無機酸および有機酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩およびシュウ酸塩、ならびに水酸化ナトリウムおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス、トロメタン(tromethane))などの塩基との無機塩基および有機塩基付加塩が含まれる。
本発明の化合物は、化合物を未加工の化学薬品として投与するだけでなく、医薬的に使用することができる調製物への本化合物の加工を容易にする賦形剤および補助剤を含む適切な医薬的に許容できる担体を含有する医薬調製物の一部として投与することもできる。好ましくは、これらの調製物、特に経口投与または局所外用することができ、かつ好ましい投与タイプに使用することができる調製物、例えば錠剤、糖衣剤、徐放性口中剤およびカプセル剤、口内洗浄剤およびうがい薬、ゲル剤、懸濁液剤、ヘアリンス、整髪用ゲル、シャンプーなど、そして直腸に投与することができる調製物、例えば坐剤、ならびに注射による投与、局所外用または経口投与に適した溶液剤は、約0.01〜99パーセント、好ましくは約0.25〜75%の活性化合物を、賦形剤と共に含有する。
本発明の範囲には、本発明の化合物の医薬的に許容できる無毒性の塩も包含される。酸付加塩は、本明細書に記載するM1受容体アゴニストの溶液を、医薬的に許容できる無毒性の酸、例えば塩酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸、シュウ酸などの溶液と混合することによって形成される。塩基性塩は、本明細書に記載する特定のM1受容体の溶液を、医薬的に許容できる無毒性の塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化コリン、炭酸ナトリウム、トリスなどの溶液と混合することによって形成される。
本発明の医薬組成物は、本発明化合物の有益な作用を体験しうる任意の動物に投与することができる。そのような動物のうち主なものは、哺乳動物、例えばヒトであるが、本発明はそのように限定されないものとする。
M1受容体アゴニストおよびその医薬組成物は、その使用目的を果たす任意の手段によって投与することができる。例えば投与は、非経口経路、皮下経路、静脈内経路、筋肉内経路、腹腔内経路、経皮経路、口腔粘膜経路、髄腔内径路、頭蓋内経路、鼻腔内経路、または局所外用経路によって行なうことができる。これらに代えて、またはこれらと同時に、投与を経口経路によって行なうこともできる。投与量は受容者の年齢、健康状態および体重、併用処置があればその種類、処置の頻度、および所望する作用の性質に依存するだろう。
本明細書に記載するM1受容体アゴニストの医薬調製物は、自体公知の方法で、例えば通常の混合、造粒、糖衣剤形成、溶解、または凍結乾燥などの工程を使って製造される。したがって経口使用のための医薬製剤は、活性化合物を固形賦形剤と混合し、得られた混合物を必要であれば粉砕し、そしてその顆粒混合物を、所望または必要であれば、適切な補助剤を添加してから、錠剤または糖衣剤の核が得られるように加工することによって、得ることができる。
好適な賦形剤は、特に、糖類などの充填剤、例えば乳糖もしくはショ糖、マンニトールまたはソルビトールなど、セルロース調製物および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウム、ならびにデンプンのりなどの結合剤、例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などを使用するものである。必要であれば、例えば上述のデンプン、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤を加えてもよい。なかでも補助剤は、流動性調節剤および滑沢剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸もしくはその塩、例えばステアリン酸マグネシムもしくはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコールなどである。糖衣剤の核には、必要であれば胃液に対して耐性であるような適切なコーティングが施される。この目的には、必要であればアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含有してもよい濃厚な糖溶液を使用することができる。胃液に対して耐性なコーティングを施すには、適切なセルロース調製物の溶液、例えばアセチルセルロースフタレートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどを使用する。錠剤または糖衣剤剤皮には、例えば識別のために、または活性化合物量の組合せを特徴づけるために、染料または色素を添加することができる。
経口的に使用することができる他の医薬調製物には、ゼラチン製の押込み式カプセル剤、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤でできた軟密封入カプセル剤が含まれる。押込み式カプセル剤は、乳糖などの充填剤、デンプンなどの結合剤、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および必要であれば安定剤と混合された顆粒状の活性化合物を含有することができる。軟カプセル剤の場合は、活性化合物を、好ましくは適切な液体、例えば脂肪油または液体パラフィンなどに溶解または懸濁する。さらに安定剤を加えてもよい。
直腸に使用することができる医薬調製物としては、例えば浣腸剤または1以上の活性化合物と坐剤基剤との組合せからなる坐剤などが考えられる。好適な坐剤基剤は、例えば、天然もしくは合成トリグリセリド、またはパラフィン炭化水素などである。また、活性化合物と基剤との組合せからなるゼラチン直腸カプセル剤を使用することもできる。考えうる基剤材料には、例えば液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール、またはパラフィン炭化水素などが含まれる。
好適な非経口投与用製剤には、水溶型の活性化合物(例えば水溶性塩)の水溶液およびアルカリ溶液が含まれる。また、活性化合物の懸濁液を適当な油性注射懸濁液として投与することもできる。好適な親油性の溶媒またはビヒクルには、脂肪油、例えばゴマ油、または合成脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチルもしくはトリグリセリド、またはポリエチレングリコール-400(本化合物はPEG-400に可溶である)が含まれる。水性注射懸濁剤は、懸濁液の粘度を増加させる物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランなどを含有してもよい。必要であれば、本懸濁剤は安定剤も含有してよい。
本発明の範囲に含まれる組成物には、本明細書に記載する化合物がその使用目的を果たすのに有効な量で含まれている全ての組成物が包含される。個々の要求はさまざまであるが、各成分の有効量の至適範囲の決定は、当分野の技術で行なうことができる。これらの化合物は、典型的には、哺乳動物(例えばヒト)に、処置される哺乳動物の体重に対して1日につき0.0025〜50mg/kgの用量、または医薬的に許容できるその塩の等価な量で、経口投与される。好ましくは約0.01〜約10mg/kgを経口投与する。筋肉内注射の場合、用量は一般に経口用量の約半分である。
1回経口量は、約0.01〜約50mg、好ましくは約0.1〜約10mgの化合物を含みうる。1回量は、各錠が約0.1〜約10、好適には約0.25〜50mgの化合物またはその溶媒和物を含有する1以上の錠剤として、毎日1回または複数回投与することができる。
局所外用製剤の場合、本化合物は、担体1グラムにつき約0.01〜100mgの濃度で存在しうる。好ましい実施形態では、本化合物が、約0.07〜1.0mg/ml、より好ましくは約0.1〜0.5mg/ml、最も好ましくは約0.4mg/mlの濃度で存在する。
以下の実施例は、本発明を成し使用する方法を当業者に完全に開示し説明するために記載するものであって、本発明者らが自らの発明であると見なしているものの範囲を限定しようとするものではないし、下記の実験が行なわれた全てのまたは唯一の実験であることを表すものでもない。
<実施例1>
基本的に米国特許第5,707,798号、第5,912,132号、および第5,955,281号に開示されている機能的受容体アッセイ、受容体選択増幅技術(Receptor Selection and Amplification Technology:R-SAT)を使って、既知および新規ムスカリン性アゴニストの薬理学的特性を調べた。したがって、キサノメリン、オキソトレモリン、ミラメリン、ならびに式VII、VIIIおよびIXの化合物を試験した。
これらの実験により、これらの薬剤のそれぞれについて、最も意味のある受容体、M(1)およびM(2)ムスカリン受容体サブタイプに対する分子プロファイルまたはフィンガープリントを得た。表1からわかるように、3つの参照薬剤、キサノメリン、オキソトレモリンおよびミラメリンは、M(1)受容体サブタイプでもM(2)受容体サブタイプでも、強力で有効な完全アゴニストである。これに対して、式VII、VIIIおよびIXの化合物は強力かつ有効なM(1)アゴニストではあるが、M(2)受容体では弱い部分アゴニストであるに過ぎない。
Figure 2006521399
〔CCI/熱性痛覚過敏〕
無菌加温条件下で、0.9%食塩水6.8ml中のケタミン(100mg/ml)1.6mlとキシラジン(100mg/ml)1.6mlとの組合せを使って、0.1ml/100gの液量で、ラットを麻酔した。左四頭筋部分を剃毛し、ヨウ素溶液で十分にこすり洗いした。坐骨切痕のレベルで、遠位側に坐骨神経三枝分岐(sciatic trifurcation)まで、坐骨神経を露出した。神経そのものに外傷が起こらないように、極めて注意深く、その神経から下層の筋肉と結合組織を取り除いた。坐骨切痕のすぐ隣の最近位レベルから出発して、ほぼ1mm間隔で、坐骨神経三枝分岐の近位で終わるように、4-0クロミックカットグット縫合材(chromic catgut suture material)を使って、坐骨神経の周りにやや緩い結紮を4箇所で行なった。拡大下で、動物の左足または神経を取り囲む筋系にわずかな攣縮が観察されるまで、結紮糸を締めた。4-0絹製縫合材で筋切開を閉じ、皮膚を創傷クリップで留めた。動物を、麻酔から完全に回復するまで、注意して観察した。この手術は、痛覚過敏実験でも異痛実験でも同じとした。
痛覚過敏試験では、ラットを、31±1℃に保たれた透明ガラス製温度調節床上の彩色プラスチック箱に入れた。この床は焦点放射放熱源(ハロゲン投射ランプCXL/CXP、50W,8v,USHIO、東京)を持っていた。熱源はガラスの下で動かすことができ、直径約3mmの放射ビームを持ち、これをラット後足の足底面の下に配置することができた。
試験を開始するために、ラットを彩色箱に入れ、その新しい環境に10〜20分間順応させた。次に放射放熱器を後足の足底面の下に配置した。熱源の活性化と同時に、タイマーを始動させた。後足の反射運動が起こると、動きセンサーの活性化が起こって、タイマーを停止させ、熱源を不活化した。熱源は、非損傷動物での平均応答潜時が20秒を超えないように調節した。各ラットは、2日間の術前ベースライン潜時測定を受け、その測定では左後足底面を3〜4回測定した。処置を施す前と後に、2〜3回の左側術後ベースライン潜時測定を行なった。術後2日目および4日目の測定で、最大の痛覚過敏度が得られたので、このアッセイではこれらを利用した。各動物を、各試験の間に少なくとも48時間の間隔を空けて、2回試験した。
外科処置した左足には、熱刺激に対する足逃避潜時の減少によって証明されるように、熱性痛覚過敏が発生した。最大痛覚過敏は術後2〜4日目に起こった。外科処置した左側の足逃避潜時は、術後5〜12日の間に徐々にベースラインレベルまで復帰した。外科処置を施していない右足は、12日間の試験中ずっと同じような足逃避潜時であったことから証明されるように、手術による有意な影響を受けなかった。
各群でのビヒクル投与は熱性痛覚過敏を変化させなかった。これに対し、参照ムスカリン性アゴニストは、用量依存的に、熱性痛覚過敏を逆転させた(表1)。キサノメリンは熱性痛覚過敏を逆転させた[F(2,15)=57.43、p<0.001]。ダネットの事後比較により、キサノメリンは、ビヒクルと比較して、熱性痛覚過敏を10mg/kgで逆転させるが(p<0.001)、3mg/kgでは逆転させない(p>0.05)ことがわかった。オキソトレモリンも熱性痛覚過敏を逆転させた[F(2,11)=13.74、p=0.0018]。事後比較により、1mg/kg(18.468±1.532秒;p<0.001)および0.3mg/kg(13.683秒±1.36;p<0.05)のオキソトレモリンを投与した後の足逃避潜時は、ビヒクルとは統計的に異なることが証明された。有意な抗痛覚過敏はミラメリンでも観察され[F(2,14)=106.9、p<0.0001]、1mg/kg p(p<0.001)および0.3mg/kg(p<0.0001)の用量では、足逃避潜時が有意に増加した。これに対し、モルヒネ[F(3,20)=15.55、p<0.0001]は、1mg/kg(16.856秒±1.05、p<0.01)および3mg/kg(16.817秒±1.6、p<0.01)の用量で、有意な抗痛覚過敏を引き起こした。
参照ムスカリン性アゴニストと同様に、式VII,VIIIおよびIXの化合物も、熱性痛覚過敏を用量依存的に逆転させた:式VII、F(4,29)=13.2、p<0.0001;式VIII、F(2,23)=6.066、p=0.0041;式IX、[F(4,24)=14.51、p<0.0001]。ダネットの事後比較により、式VII、VIIIおよびIXの化合物は10mg/kg(p<0.001)で熱性痛覚過敏を逆転させることがわかった。
〔CCI/接触性異痛〕
CCI手術後の有意な機械誘発性異痛の発症および持続時間は約10〜14日であり、ほぼ2ヶ月間持続する。この異痛時間枠内で、それぞれ特定の異痛実験について、薬物投与前および薬物投与後の測定を、log(10毛を座屈させるのに必要な力、mg)によって指定される2〜26グラムの範囲の7つのフォンフライ(von Frey)毛(番号4.31〜5.46)を使って行なった。各毛は、わずかな座屈を引き起こすのに足りる力で、左損傷後足底面中央に対して垂直に押しつけて、6〜8秒間維持し、それを最も細い毛から開始して最も太い毛まで行なった。損傷した足を素早く引っ込めた場合は陽反応と記録し、この応答は、次に太い毛を同じ応答について試験することによって、陽性と確認した。応答が2回見られた場合にのみ、そのスコアを受け入れた。応答がないまま26という最大グラム重量に達した場合は、これを異痛行動のピーク閾値カットオフとみなし、そのスコアを記録した。術後ベースライン測定値が6グラム以下である場合は、動物を異痛症であるとみなした。2日のベースライン測定日を設けて、1日に1ラウンドの試験を行なった。薬物試験の日には、ベースライン測定を1ラウンド行ない、適当な前処置を腹腔内に施し、2ラウンド目の測定を記録した。各動物を複数の実験に利用し、1回の実験につき1回の処置を行なうと共に、実験の間には適当なウォッシュアウト期間を設けた。
有意な接触性異痛が、術後8日目から始まって、術後35日目まで続いた。これらのムスカリン性アゴニスト後の接触応答性の評価は、これらの術後時点内に行なった。ビヒクル処置群では、損傷後前処置スコアがベースラインから統計的に有意でなかった[F(2,95)=1.275、p>0.05]。3つの参照ムスカリン性アゴニストは、やはり用量依存的に、接触性異痛を逆転させた。キサノメリンは、10.0および30mg/kg(p<0.01)の用量で接触性異痛を逆転させた[F(3,22)=12.58、p<0.0001]。オキソトレモリンも、0.3mg/kg(p<0.05)および1mg/kg(p<0.01)の用量で、接触性異痛を逆転させた[F(3,19)=32.49、p<0.0001]。CI-979に関する結果は、他のムスカリン性アゴニストに見られる結果と同様だった[F(2,14)=24.38、p<0.0001]。0.3mg/kg(p<0.05)および1mg/kg(p<0.01)の用量で、CI-979は接触閾値を増加させた。モルヒネはこれらのムスカリン性アゴニストと同じように抗異痛状態を引き出した[F(2,17)=6.257、p=0.0106]。
ここでも、参照ムスカリンアゴニストと同様に、式VII、VIIIおよびIXの化合物は、用量依存的に、接触性異痛を逆転させた:式VII、F(3,20)=29.11、p<0.0001;式VIII、F(3,23)=11.764、p<0.0001;式IX、F(4,28)=7.569、p=0.0004。ダネットの事後比較により、式VIIは、10mg/kg(p<0.001)で接触性異痛を逆転させ、式VIIIは30mg/kg(p=0.08)で接触性異痛を逆転させ、式IXは17.8mg/kg(p<0.001)で接触性異痛を逆転させることがわかった。
〔急性熱鎮痛〕
検出器で調節されたホットプレートを使って、水を加熱して、55℃±1℃に保った。体重約200g〜250gの雌ラットを、プラスチック製ラット拘束具に入れて、そこから取り出すことにより、前もって数日間順応させた。実験日には、試験を行なう1分前に、各ラットを拘束具に入れた。尾のうち約1インチを水中に沈めると同時に、タイマーを始動させた。尾が完全に水から取り出されたら直ちにタイマーを停止し、時間を記録した。動物が10秒以内に応答しない場合は、加熱した水から実験者が尾を取り出し、これを最大スコアとして記録した。1ラウンドのベースライン測定値を収集した。試験化合物を投与し、適当な前処置間隔後に、手順を繰り返した。各動物を複数の実験に利用し、1回の実験につき1回の処置を行なうと共に、実験の間には少なくとも48時間の適当なウォッシュアウト期間を設けた。急性侵害受容に対する試験化合物の効果を表1に示す。処置前ベースライン尾逃避潜時平均値は2.281秒±0.25だった。ビヒクル投与は尾逃避潜時を変化させず、平均潜時は3.16秒±0.21だった。キサノメリン[F(2,16)=4.952、p<0.05]、オキソトレモリン[F(2,17)=20.50、p<0.05]、およびミラメリン[F(2,17)=19.25、p<0.05]は有意な抗侵害受容をもたらした。キサノメリンは10.0mg/kgの用量だけで活性、オキソトレモリンは0.3mg/kgおよび1.0mg/kgの用量で活性、ミラメリンは1.0mg/kgの用量で活性だった。モルヒネ[F(3,23)=5.903、p<0.01]は10mg/kgの用量で抗侵害受容性だった。
驚いたことに、式VII、VIIIおよびIXの化合物は、急性温熱痛の緩和には活性でないことがわかった(表1)。したがって式VII、VIIIおよびIXの化合物は慢性神経因性疼痛を逆転させるが、急性抗侵害受容性ではない。
<実施例2>
〔ムスカリン性副作用〕
試験した参照ムスカリン受容体アゴニストはいずれも、表2に示すように、コリン作動性副作用をもたらした。各用量で各副作用を示す動物の数を、試験した動物の数(N)と比較して示す。用量30mg/kgのキサノメリンは、この用量で試験した動物の全てに下痢、唾液分泌、および嗜眠をもたらしたが、これより低い10mg/kgの用量では、試験した11匹中2匹に下痢をもたらしただけだった。オキソトレモリンは、1mg/kgの用量で、大半のラットに測定したムスカリン性副作用のうちの5つすべてをもたらしたが、0.3mg/kgでは下痢、唾液分泌および嗜眠だけをもたらした。1mg/kgのミラメリンはオキソトレモリンと同様に、測定した副作用のうち、振戦を除く4つをもたらしたが、これより低い0.3m/kgの用量では、主として下痢をもたらした。これに対して、式VII、VIIIまたはIXの化合物はいずれも、3.0mg/kg〜30mg/kgの用量で、これらの副作用を何ももたらさなかった。したがって、参照ムスカリン性アゴニストがこれらの疼痛モデルで効力を生じるのに必要な用量とよく似た用量で、重篤なムスカリン媒介副作用をもたらすのに対して、式VII、VIIIおよびIXの化合物は、神経因性疼痛モデルにおいて有効な用量で、これらの副作用をもたらさない。
Figure 2006521399
<実施例3>
〔部分坐骨神経結紮(PSL)手術/接触性異痛〕
1%イソフルラン(1Lpm)吸入麻酔薬を使って、無菌加温条件下で、雄マウス(C57Bl/6)を麻酔した。左四頭筋部分を剃毛し、ヨウ素溶液で十分にこすり洗いした。坐骨切痕を触診し、その切痕から四頭筋中央部まで切開した。坐骨切痕のレベルで、遠位側に坐骨神経三枝分岐まで、坐骨神経を露出した。神経そのものに外傷が起こらないように、極めて注意深く、その神経から下層の筋肉と結合組織を取り除いた。必要な場合は、露出した組織が乾燥しきらないように、露出した組織に滅菌食塩水を適用した。10-0ポリプロピレン製青色モノフィラメント縫合糸を使って坐骨神経を坐骨切痕のすぐ遠位側で突き刺し、坐骨神経の1/3〜1/2を閉塞するように結紮した。拡大下で、動物の左足にわずかな攣縮が観察されるまで、結紮を締めた。筋切開を、必要であれば、7-0ポリプロピレン製縫合糸で閉じ、皮膚を創傷クリップで留めた。術後ブプレネックス(buprenex)を0.075mg/kgの用量で皮下投与した。動物を、麻酔から完全に回復するまで、注意して観察した。
有意なPSL手術後接触性異痛の発症は約4〜6日であり、ほぼ1ヶ月間続く。この異痛時間枠内で、それぞれ特定の異痛実験について、薬物投与前および薬物投与後の測定を、log(10毛を座屈させるのに必要な力)によって指定される0.07〜4グラムの範囲の8つのフォンフライ毛を使って行なった。各毛は、毛をわずかに座屈させるのに足りる力で、左損傷後足底面中央に対して垂直に押しつけて、6〜8秒間維持し、それを最も細い毛から開始して最も太い毛まで行なった。損傷した足を素早く引っ込めた場合は陽反応と記録し、この応答は、次に太い毛を同じ応答について試験することによって、陽性と確認した。応答が2回見られた場合にのみ、最初に行動応答をもたらした毛からのスコアを受け入れた。応答がないまま10という最大グラム重量に達した場合は、これを異痛行動のピーク閾値カットオフとみなし、そのスコアを記録した。術後ベースライン測定値が術前ベースライン測定値の約60%である場合に、動物を異痛症であるとみなした。2日のベースライン測定日を設けて、1日に1ラウンドの試験を行なった。薬物試験の日には、ベースライン測定を1ラウンド行ない、適当な前処置を腹腔内または皮下に施し、2ラウンド目の測定を記録した。各動物を複数の実験に利用し、1回の実験につき1回の処置を行なうと共に、実験の間には適当なウォッシュアウト期間を設けた。
術前触覚感度についても(t=1.094、df=15、p=0.2913)、術後異痛についても(t=0.2338、df=15、p=0.8183)、ムスカリンM(1)受容体ノックアウト(KO)マウスは、野生型(WT)と相違しなかった。M(1)KOマウス((t=5.765、df=7、p=0.0007)とWTマウス(t=3.551、df=8、p=0.0075)はどちらも、PSL手術後に強い接触異痛を発症した。しかし、用量30mg/kgの式IXの化合物は、WTマウスにおける接触性異痛を有意に緩和したが、式IXの化合物の作用はM(1)KOマウスでは完全に消失したことから、生体内での神経因性疼痛におけるM(1)受容体の役割が確認された。術前(Pre-PSL)および術後(PSL)の対照触覚感度を、野生型マウス(+/+)およびM(1)受容体ノックアウトマウス(-/-)における式IXの化合物による処置後の感度と比較するために、図2に示す。
さらに図3に示すように、式IXの化合物は、脳室内(i.c.v)投与後に、PSL神経障害性損傷を持つマウスにおける接触性異痛を有意に逆転させたことから、M(1)受容体分布と合致する上脊髄性作用機序が示唆される。
式(VI)の化合物の例の化学構造を表す。
式IXの化合物による処置が部分的坐骨神経結紮後の触覚感度に及ぼす作用を表す。
IXの化合物の脳室内投与が部分的坐骨神経結紮後の触覚感度に及ぼす作用を表す。
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Claims (13)

  1. 神経因性疼痛を処置する方法であって、
    そのような処置を必要とする対象を同定すること、および
    M(1)受容体サブタイプを選択的に活性化する少なくとも1つの化合物の有効量を前記対象に与えること、
    を含み、その結果として神経因性疼痛の1以上の症状が軽減される方法。
  2. 前記対象が痛覚過敏を呈する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象が異痛を呈する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記神経因性疼痛が糖尿病、ウイルス感染、過敏性腸症候群、切断、癌、または化学傷害に関係する、請求項1に記載の方法。
  5. M(1)受容体サブタイプを選択的に活性化する前記少なくとも1つの化合物が急性痛を緩和しない、請求項1に記載の方法。
  6. 前記化合物が式VII、VIII、およびIX:
    Figure 2006521399
    の化合物からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 対象における痛覚過敏または異痛を緩和する化合物を同定する方法であって、
    少なくとも1つのムスカリン受容体試験化合物を前記対象に与えること、および
    前記少なくとも1つの試験化合物が前記対象における痛覚過敏または異痛を軽減するかどうかを決定すること、
    を含む方法。
  8. 前記少なくとも1つの試験化合物が、M(1)またはM(4)受容体に選択的であるが、M(2)またはM(3)受容体には選択的でない、請求項7に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つの試験化合物がM(1)受容体に選択的である、請求項7に記載の方法。
  10. 前記痛覚過敏が熱性痛覚過敏である、請求項7に記載の方法。
  11. 前記異痛が接触性異痛である、請求項7に記載の方法。
  12. 神経因性疼痛の1以上の症状を軽減するのに有効な量でM(1)受容体サブタイプを選択的に活性化する少なくとも1つの化合物の有効量を含む医薬組成物。
  13. 前記化合物が式VII、VIIIおよびIX:
    Figure 2006521399
    の化合物からなる群より選択される、請求項12に記載の組成物。
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