JP2006521196A - 粉塵及び／または粒子の形態の廃棄物の処分方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、粉塵または粒子の形態の残留物を高温リサイクル方法に含める方法に関し、本方法に従って、残留物を熱処理の前に予備成形する。

Description

本発明は、粉塵及び／または粒子の形態の廃棄物の処分方法に関する。

従来技術においては、粒子または粉塵の形態の残留物、特に高濃度の重金属、塩素化合物、ダイオキシン及びフラン類を含む焼却施設からのフィルターダストの処分及び利用のために、地下投棄が使用されている。しかしながら、地下投棄は非常に高い処分コストをもたらし、処分経路としての何らの長期的解決をも意味せず、というのは、処分すべき材料中の多量の潜在的に有害な物質が保持されるからである。

一方、従来技術による焼却施設または高温リサイクルプラント中への導入による粉塵または粒子の形態の残留物の処分及び利用は不可能であり、というのは、このような粉塵は再度廃ガスと共に放出されるし、従来の焼却施設の場合には重金属及び随伴する物質を堆積するための追加のシンクがないからである。

テルモゼレクト（Thermoselect）における従来技術から−"Der neue Weg, Restmull umweltgerecht zu behandeln [="The new way of dealing with residual waste in an ecologically correct manner"] Dr. Ing, Gunter Hassler, Karlsruhe 1995, Verlag Karl Groener Karlsruhe、は、廃棄物の高温処理の特殊な方法として周知である。

この方法は、全てのタイプの廃棄物の処分及び利用を説明しており、それにおいては、固体及び／または液体形態の任意の有害な物質を含む未分別、未処理の産業廃棄物、一般廃棄物及び／または特殊廃棄物、並びにスクラップ工業製品に反応器中で漸進的に熱を加え、熱分離または物質の転換にさらす。生じる固体残留物はここで高温融解物へと転換され、処分すべき物品は、反応器中に導入する前に、圧縮機中、バッチで、コンパクトな固まり（packet）へと圧縮され、温度が上昇する方向に熱処理段階を通過し、これは少なくとも１つの低温段階を有し、ここでは、印加圧力を維持し、反応器の壁と形状が適合し、力で作用する接触を確実にし、また少なくとも１つの高温帯域を有し、ここでは、処分すべき物品は気体透過性装填物を形成し、合成ガスが発生する。発生した合成ガスを次に高温帯域から導き、冷却水を用いて噴霧することで急冷し、冷却水は沈降槽中に至る。

本発明の目的は、上記の技術から進んで、例えばフィルターダストとして存在する粉塵または粒子の形態の残留物を環境に優しい仕方でかつ低コストで確実に処理できる方法を示すことにある。この目的は、請求項１に記載の本発明による方法によって成し遂げられる。本発明による方法の有利な態様を、従属請求項に示す。

本発明の方法によれば、粉塵及び／または粒子の形態の残留物、特に、有毒煤塵粒子、フィルター残留物（例えば焼却施設からの）、乾燥収着媒及び活性炭（active carbon）を予備成形し、上記に説明し、以下でテルモゼレクトプロセスと呼ぶ方法を使用して熱処理にさらす。以下で、粉塵または粒子形態の残留物の“予備成形”は、本発明に従って、粉塵または粒子形態の残留物を固相または液相へと結合させる任意の前処理、例えばブリケッティング、ペレット化または押出し加工と理解される。

粉塵または粒子形態の残留物の本発明による予備成形及びテルモゼレクトプロセス中へのそれらの導入は、未処理の煤塵粒子をごみ焼却プロセス中に導入するかまたは未処理の煤塵粒子をテルモゼレクトプロセス中に導入することと比較して、廃ガスと共に放出される前に粉塵及び／または粒子形態の残留物が物質の転換を受けるという利点を提供する。粉塵及び／または粒子形態の予備成形済み残留物の本発明による処理は有利に、粉塵または粒子残留物中に含まれる重金属を融解によって無機物質または金属相中にしっかりと結合させ、次に後者と共にプロセスから放出させ、不活性成分として急冷できる。その上、この方法によれば、他の汚染物を、テルモゼレクトプロセスのガス洗浄において水を用いて急冷することによって直接に分離し、プロセス水を浄化する間に、工業的にリサイクルできる水酸化物濃縮物中に充填することによって転換するという利点が生じる。

本発明による方法を様々な好適な具体例において行うことができる。好ましい変形例は、予備成形済みの状態の粉塵または粒子形態の残留物として、分散系（dispersion）、好ましくは懸濁液（suspension）を使用することにある。

従って、本発明によれば、粉塵及び／または粒子形態の残留物を分散系または好ましくは懸濁液へと転換し、次にこの分散系を高温処理に供給することが提供される。本発明によれば、水を用いた分散系、好ましくは懸濁液が好ましく、というのはこれは廉価に製造できるからである。当然、他の分散系または懸濁液、例えば粘度変更媒質（viscosity-altering medium）を含むものもまた製造できる。ここで言及すべき適切な媒質は、重油を含む結合剤である。さらに、追加の媒質の例えば製油所廃棄物及び／またはデンプンを分散系に加えると有利である。加えて、活性炭（active carbon）及び／または動物粉（animal meal）を、分散系または懸濁液に加えることができる。本発明のこの有利な具体例が理由となって、粉塵及び／または粒子形態の予備成形済み残留物の発熱量はかなり増大し、さらなる熱処理に有利な効果を及ぼす。

予備成形のこの具体例の代替物は、熱可塑性物質の小さな部片を粉塵または粒子形態の残留物に加えるかまたは供給し、次に熱ブリケッティングすることにある。この熱ブリケッティングは好ましくは４０℃〜８０℃の温度範囲で行われる。

さらなる好適な具体例は、上で説明した分散系の製造にあり、これは、さらなる結合剤を加え、それに続き浮遊粉塵と結合剤とのこの混合物をブリケッティングすることを伴う。粉塵または粒子形態の残留物を結合状態にするこのタイプの予備成形は、本発明によれば、再現性のある幾何学的形状を有する物体の製造の問題ではなく、むしろ、本発明の意味において取り扱うことができるようにする材料の予備成形の問題である。従って、ブリケッティングの代替物として、ペレット化または押出し加工もまた明白な選択である。好ましくは、煤塵粒子を重油と共に懸濁できる。さらなる好ましい結合剤は、活性炭、動物粉、製油所廃棄物、デンプンまたは同様の物質である。結合剤はブリケットの発熱量を有利に増大させ、加熱時に即座の分解をもたらし、これによって熱収率（heat yield）はかなり改良される。

本発明による方法のさらなる有利な具体例は、粉塵もしくは粒子形態の残留物または粉塵もしくは粒子形態の残留物と結合剤との混合物の高圧ブリケッティングにある。
最後に、ブリケットをテルモゼレクトプロセスに供給する仕方の様々な変形例を使用できる。まず、ある他の方法で予備成形されたブリケットまたは残留物を廃棄物バンカーを介して供給することが考えられる。別の具体例は、ブリケットまたは残留物をある他の方法で予備成形して、圧縮機（compactor）中に導入することである。最後に、粉塵または粒子形態の予備成形済み残留物も直接に反応器に供給できる。

Claims (11)

1. 全てのタイプの廃棄物を処分及び利用する方法であって、固体及び／または液体形態の任意の有害な物質を含む未分別の産業廃棄物、一般廃棄物及び／または特殊廃棄物、並びにスクラップ工業製品に反応器中で漸進的に熱を加え、熱分離または物質の転換にさらし、生じる固体残留物は高温融解物へと転換され、処分すべき物品は、前記反応器中に導入する前に、圧縮機中、バッチで、コンパクトな固まりへと圧縮され、温度が上昇する方向に熱処理段階を通過し、これは少なくとも１つの低温段階を有し、ここでは、印加圧力を維持し、前記反応器の壁との接触を確実にし、また少なくとも１つの高温帯域を有し、ここでは、前記処分すべき物品は気体透過性装填物を形成し、合成ガスが発生し、発生した合成ガスを前記高温帯域から導き、冷却水を用いて噴霧することで急冷する方法において、廃棄物としての粉塵及び／または粒子の形態の残留物、特にフィルターダスト、乾燥収着媒の例えばカーボネート、及び／または活性炭の場合には、これらを予備成形し、次にプロセスに供給することを特徴とする方法。
2. 前記圧縮機に予備成形済み廃棄物が供給されることを特徴とする、請求項１に記載の方法。
3. 前記予備成形済み廃棄物は前記高温帯域に供給されることを特徴とする、請求項１または２に記載の方法。
4. ペレット化、押出し及び／またはブリケッティングによって、粉塵及び／または粒子形態の残留物が予備成形されることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか１項に記載の方法。
5. 前記粉塵及び／または粒子形態の残留物に熱可塑性物質が加えられ、これは次に予備成形されることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか１項に記載の方法。
6. 前記粉塵及び／または粒子形態の残留物は、分散系の形成によって予備成形されることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか１項に記載の方法。
7. Ｈ₂Ｏを用いて分散系が形成されることを特徴とする、請求項６に記載の方法。
8. 分散系は粘度変更物質を用いて形成されることを特徴とする、請求項６に記載の方法。
9. 前記物質は重油を含む媒質であることを特徴とする、請求項８に記載の方法。
10. 前記分散系に追加の粘度変更物質の例えば製油所廃棄物及び／またはデンプンが加えられることを特徴とする、請求項６〜９のいずれか１項に記載の方法。
11. 結合剤を加えながら前記分散系がブリケッティングされることを特徴とする、請求項６〜１０のいずれか１項に記載の方法。