JP2006520920A - Slmアドレス指定方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、多数のピクセル素子を備える空間光変調器500に関する。各ピクセル素子は、支持構造511a,511bと、支持構造511a,511bに支持されている、静電気により偏向可能なミラー素子510a,510bと、ミラー素子510a,510bを静電気により引きつけることができる少なくとも1つの電極512a,512bとを備える。この場合、最初に、少なくとも1つの電極に結合しているコンデンサを充電し、その後でコンデンサを選択的に所定のレベルに放電することにより、ミラー素子510a,510bが個々に所望の偏向状態に設定される。本発明は、また、プリンタ、SLMを操作するための方法、パターン・ゼネレータ、およびパターン・ゼネレータを操作するための方法に関する。
Description
本発明は、電磁放射線の変調に係り、特に該放射線を変調するための空間光変調器(SLM)のアドレス指定方法に関する。
微小電子機械システム(MEMS)は、ウェハ基板上にマイクロ電子処理技術により形成された可動ミラーを備えることができる。ほとんどの場合、マイクロミラーを偏向するために静電駆動が用いられる。力を発生するために、一方が固定されていて、他方がミラーに属している2つの電極間に電圧を発生させる。
例えば、マスク書込みツールまたはチップ製造ツールに使用されるアクチュエータ(マイクロミラーまたは反射素子)の配列を備えたSLMは、特定のパターンを取り込まされる。この場合、各スタンプが印刷される前に、各アクチュエータは、アドレス指定されている状態またはアドレス指定されていない状態になっている。例えば、米国特許第6,373,619号参照。このパターンは、通常、それぞれマスクまたはチップ上に印刷されるパターンのサブセット(一部)である。各アクチュエータ・ミラーは、ミラーとその下にあるアドレス電極との間に電圧を印加することにより、静電気により偏向される。その後、電磁放射源がスタンプを印刷するために起動される前に、アクチュエータ・ミラーは所定の偏向状態に移行することができる。
従来から、SLMをアナログ・モードでロード(装荷)するには、ミラーにある電位を印加し、各ミラーに属する少なくとも1つの電極を個々にアドレス指定し、それによりSLMの所望のパターンを生成してきた。アナログ・モードの場合、SLMミラーを、全然偏向されていない状態から最大限度に偏向された状態の範囲内で例えば64または128の状態のような多数の異なる状態に設定することができる。この場合、最大偏向とは、入射した電磁放射線が完全に逸失する状態であり、最小偏向は入射した電磁放射線が完全に反射する状態である。デジタルSLMの場合には、最大偏向とは、反射した電磁ビームが目標面から外に偏向する状態であり、最小偏向とは、入射した電磁放射線が全部反射する状態である。デジタル空間光変調器は偏向モードで動作し、アナログ空間光変調器は回折モードで動作する。個々の素子の偏向角度は、これら2つのタイプの間で種々様々に変化する。この場合、アナログ素子は通常1度だけ偏向した部分であり、デジタル素子は数度偏向する。
しかし、空間光変調器の個々のピクセルの大きさを小さくすると、上記した従来のロードが難しくなる。それは各ピクセルに接続しているトランジスタを、ますます小さくなっていく大きさで製造することができず、トランジスタの大きさの限界が、SLMピクセルの所望の最小寸法よりも大きくなるためであり、これが問題になる。
それ故、本発明の1つの目的は、上記問題を克服するかまたは少なくとも低減し、それによりSLMでもっと小さなピクセル素子の製造を容易にするマイクロ素子をアドレス指定するための方法を提供することである。
とりわけ、本発明の第1の態様によれば、この目的は多数のピクセル素子を備える空間光変調器により達成される。各ピクセル素子は、支持構造と、支持構造により支持されている静電気により偏向できるミラー素子と、ミラー素子を静電気により引きつけることができる少なくとも1つの電極とを備える。この場合、ミラー素子は、最初に、少なくとも1つの電極に結合しているコンデンサを充電し、その後でコンデンサを所定のレベルに選択的に放電することにより所望の偏向状態に個々に設定される。
本発明による他の実施形態の場合には、コンデンサの放電は、コンデンサに電磁放射線を照射することにより行われる。
本発明によるもう1つの実施形態の場合には、ある輝度が入射する時間の長さを変化することにより、マイクロミラーが個々に所望の状態に設定される。
本発明によるさらにもう1つの実施形態の場合には、ある時間の間に入射する電磁放射線の輝度を変化させることにより、マイクロミラーが個々に所望の状態に設定される。
本発明によるさらにもう1つの実施形態の場合には、電磁放射線の輝度および電磁放射線がコンデンサに入射する時間の長さの両方を変化させることにより、マイクロミラーが個々に所望の状態に設定される。
本発明によるさらにもう1つの実施形態の場合には、偏向可能なミラー素子は、コンデンサを放電する前は偏向していない。
本発明によるさらにもう1つの実施形態の場合には、偏向可能なミラー素子はコンデンサを放電する前に偏向されている。
本発明によるさらにもう1つの実施形態の場合には、電極は、コンデンサの第1の側面と同じ素子である。
本発明のさらにもう1つの実施形態の場合には、コンデンサは、コンデンサの放電の前に完全に充電される。
本発明のさらにもう1つの実施形態の場合には、偏向可能なミラー素子は、コンデンサの放電の前に完全に偏向されている。
本発明は、また、電磁放射線源と、空間光変調器上に向いている電磁放射線源からの放射線と、多数の静電気により引きつけることができる反射素子および電極に結合しているコンデンサを備える空間光変調器とを備えたプリンタに関する。この場合、各素子は、コンデンサを含む少なくとも1つの電極、感光材料を含む。感光材料は、最初コンデンサを充電し、その後でコンデンサを所定のレベルに選択的に放電することにより、反射素子を所定の状態に選択的にセットした後で、空間光変調器から反射した光を受光するように位置している。
本発明の他の特徴、目的および利点は、特許請求の範囲、下記の本発明の好ましい実施例の詳細な説明、および添付の図1〜図9を見れば理解することができるだろう。下記の好ましい実施例は、単に例示としてのものであって、本発明を制限するものではない。
図面を参照しながら本発明について以下に詳細に説明する。本発明を理解してもらうために好ましい実施例について説明するが、これは本発明の範囲を制限するものではない。本発明の範囲については特許請求の範囲に記載してある。通常の当業者であれば、下記の説明を読めば種々の同じような変更を思い付くことができるだろう。
さらに、マイクロミラーSLMを参照しながら好ましい実施例について説明する。通常の当業者であれば、空間光変調器が、マイクロミラーではなく、例えば、透過性ピクセルのようなピクセルからできている場合もあることを理解することができるだろう。
図3は、現在の技術レベルのアクチュエータ構造300の略側面図である。このようなアクチュエータ構造300は、例えば、空間光変調器(SLM)のマイクロミラー構造であってもよい。図3のアクチュエータ構造は、基板313、第1の電極312および第2の電極314、支持構造311および可動素子310を備える。上記基板は半導体材料から作ることができ、1つまたは複数のCMOS回路を備えることができる。第1および第2の電極は、金、銅、銀、または上記および/または他の導電性材料の合金のような導電性材料からできている。上記電極は、上記CMOS回路のようなステアリング回路に接続することができる。
支持構造311は、好適には、単結晶シリコンのような比較的剛性を有する材料から作ることが好ましいが、もちろん剛性がそんなに大きくない材料から作ることもできる。可動素子310は、好適には、アルミニウムのような優れた光学的特性を有する材料から作ることが好ましい。しかし、所望の特性を持たない材料を選択した場合には、材料をより好適な特性を有する1つまたは複数の他の材料でコーティングし、それによりサンドイッチ構造にすることもできる。
静電気力は、可動素子310を偏向することができる。可動素子310、および第1の電極312および第2の電極313のうちの1つに異なる電位を印加すると静電気力が発生する。可動素子310上に第1の電位を印加し、第1および第2の電極に第2の電位を印加した場合、第1および第2の電位が異なっている場合には、静電気力が発生するが可動素子を偏向しない。何故なら、第1の電極とミラー間の電位差の極性とは無関係に、いつでも引きつける引力は第2の電極と同じミラー間の引力に等しいからである。2つの等しい引力は相互に等化される。
図3においては、アクチュエータ構造は、2つの電極、すなわち第1の電極312および第2の電極313を備える。しかし、可動素子を偏向させるには、1つの電極、すなわち第1の電極312または第2の電極313だけで十分である。2つ以上の電極を使用するには幾つかの理由がある。そのうちの1つの理由は、ミラーを2つの異なる方向に偏向するには、相互間に間隔を有するように配置されている2つの電極が必要だからである。他の理由は、本発明の方法を記述している下記の説明を読めば明らかになる。
図1および図9は、本発明によるパターン・ゼネレータ100、900の2つの実施例の平面図である。この実施例は、第1のレーザ源10、910と、ビーム整形装置20、920と、空間光変調器(SLM)30、930と、第1のレンズ40、940と、空間フィルタ70、970と、第2のレンズ50、950と、作業片60、960と、第2のレーザ源15、915と、変調器90、990と、偏向装置95、995とを備える。
第1のレーザは、好適には、例えば、248nm、193nm、157nmまたはそれより短い波長のところに出力を有するエキシマ・レーザのようなパルス・レーザであることが好ましい。反復速度は、例えば1000kHzであってもよいが、反復速度はこの周波数より高くても低くてもよい。
ビーム整形装置20、920は、レーザ源10、910からの放射ビームを整形することができる。ビーム整形装置20、920は、ビームを例えば長方形、またはSLMの形に類似している任意の形のような所望の形に形成するための、当業者であれば周知の1つまたは複数のレンズを含むことができる。ビーム整形装置20、920は、また、レーザ源10、910からの出力輝度を調整することができる。レーザ10、910とSLM30、930との間のビーム経路内へビーム拡散素子を導入すると、輝度が低下する。
所望の形および所望の均一性を有するビームは、空間光変調器30、930上に入射する。上記ビームは上記変調器により変調され、それぞれ第1のレンズ40、940および第2のレンズ50、950および上記空間フィルタを通して、作業片60、960上に送られる。
上記空間光変調器のピクセル素子は、全偏向状態と非偏向状態との間の例えば64または128の状態のような複数の状態に個々にセットされる。空間フィルタは、1より高いおよび等しい各回折オーダを除去し、上記空間光変調器からゼロオーダの回折だけを透過する。空間フィルタ70、970は、フーリエ・フィルタとも呼ばれることがある。第1のレンズ40、940は、フーリエ・レンズとも呼ばれることがあり、第2のレンズ50、950は投影レンズと呼ばれることもある。ピクセルをアドレス指定するこの方法は、オンおよびオフという2つの状態しか持たないDMD構造にも同様に適用することができる。このようなDMD構造は、テキサス・インスツルメンツ社が製造している。空間フィルタ70、970および第1のレンズ40、940および第2のレンズ50、950は、それぞれ作業片60上にある画像を生成し、投影システムと呼ばれることもある。図1および図9に概略示す投影システムは、アナログ・モードで動作する空間光変調器用に設計されている。使用するSLMのタイプ、上記投影システムを設置するハウジングのサイズおよび幾何学的形状により種々様々な投影システムが存在する。
作業片は、上記作業片および/または上記投影システムを相互に位置決めするための精密機械システムを備える可動ステージ上に配置することができる。精密機械システムは、作業片のパターン形成中に作業片を一定の速度で移動することができる。SLMは、作業片上に投影することができる供給されたパターンに対応する複数のピクセル素子からなる画像を供給する。複数の各ピクセル素子は、作業片の異なる位置に同時に焦点を結ぶことができる。画像を露出した後で、作業片が移動し次の画像が露出される。露出の間に、ピクセル・マスク・パターンによりピクセル素子を変更することができる。
第2のレーザ15は、上記ピクセル素子を所定の所望の状態に設定するために使用される。可動素子410の下の電極412に接続しているコンデンサ416を照射すると、上記ピクセルの上記設定が行われる(図4参照)。コンデンサ416をレーザ源15、915で照射すると、上記コンデンサは次第に放電を行う。上記コンデンサの放電速度は、放射線の輝度および/または放射線がコンデンサに入射する時間の長さにより異なる。このことを、可動素子410を偏向の所望の状態に設定するのに使用することができる。例えば、電極412には、上記可動素子の最大偏向状態に対応する電位が最初に供給される。
コンデンサ416の一方の側面は、スイッチ418を通して電位源422に接続している。電位源422は共通の接地面420に接続している。上記コンデンサを充電している場合には上記スイッチはオンになる。スイッチは、例えば、機械的に動作するスイッチ、光学的に動作するスイッチ、または半導体により動作するスイッチのような任意のタイプのスイッチであってもよい。上記半導体により動作するスイッチはトランジスタであってもよい。上記コンデンサが所望の値、すなわちマイクロミラー素子が所望の偏向状態になるように放電する場合には、スイッチ418はオフになる。
上記電位を保持している上記コンデンサを照射することにより、上記可動素子を最大偏向状態と非偏向状態の間の任意の必要な値に設定することができる。最大偏向状態からスタートする代わりに、上記コンデンサを最初に完全に充電することができる。完全に充電したコンデンサは、上記可動素子の最大偏向状態に対応していてもよいし、対応していなくてもよい。最初に、上記コンデンサを最大偏向と非偏向との間の偏向状態に対応する任意の値に充電することもできる。好適には、すべてのコンデンサを最初同じレベルに充電し、それにより最初すべてのピクセル素子を同じ偏向状態にすることが好ましい。
多数の変調素子を備える空間光変調器においては、スイッチ418は同じように動作し、そのため空間光変調器内のすべての変調素子は最初既知の偏向状態に設定される。
レーザ15、915は、作業片60上の電磁放射線感知コーティングに影響を与えない波長を放射する。空間光変調器の背面または前面を照射すると、放電を起こさせることができる。上記放電のために、例えば、紫外線照明源、または上記コンデンサを放電することができる任意の他のタイプの照明源の適当な波長が選択される。図1は上記コンデンサの前面放電を示し、図9は上記コンデンサの背面放電を示す。前面からの放電の場合、アクチュエータ素子がコンデンサの大部分を覆っているので、コンデンサの背面からの放電のほうがコンデンサの前面からの放電よりも効率的である。
好適には、接地面は、空間光変調器のすべての可動素子に共通であることが好ましい。このような共通の接続は、上記コンデンサの一方の端子を一緒に接続することにより行うことができる。図では共通面は、接地電位に保持されているが、上記共通面は任意の適当な電位に保持することもできる。
図5は、電磁照射540により第1の状態から所望の第2の状態に設定することができる、2つのアクチュエータ構造500の本発明による実施例の側面図である。構造500は、数百万の上記アクチュエータ構造からなる空間光変調器に属することができるが、図面を見やすくするために、そのうちの2つしか図示していない。この実施例は、ミラー素子510a、510bと、支持構造511a、511bと、第1の電極512a、512bと、第2の電極514a、514bと、バイア・コネクタ516a、516bと、コンデンサの第1の電極518a、518bと、上記コンデンサの第2の電極524と、絶縁材料520、522と、透明基板526と、スイッチ532a、532bと、電位源550とを備える。
すべてのミラー素子510a、510bは、最初に所望の偏向状態に設定される。上記電位源へのスイッチ532a、532bをオンにすることにより、例えば、10Vのようなある電圧が、上記コンデンサの第2の電極524と、上記コンデンサの第1の電極518a、518bとの間に供給される。上記コンデンサの第2の電極524は接地電位に設定される。上記コンデンサの第1の電極518a、518b上に10Vをかけると、第1の電極512a、512bに10Vが発生する。ミラー素子は接地電位に設定され、第2の電極514a、514bは10Vに設定される。このように設定すると、ミラー素子510a、510bは偏向しない。
10Vへの第1の電極518a、518bの接続が解放される。すなわち、上記コンデンサを所望のレベルに選択的に放電するために、第2の電極524上に電磁放射線540を入射する前に、スイッチ532a、532bがオフになる。ある線量および波長の電磁放射線540を短時間だけ照射すると、第1の電極512a、512bの電位が10Vから10Vと接地電位間のある値に下がる。上記電磁放射線をさらに第2の電極524上に照射すると、電極512a、512bの電位はさらに下がり、ある時間経過後に電極512a、512bは接地電位になる。第1の電極512a、512b上の接地電位、および第2の電極514a、514b上の10Vは、ミラー素子が上記アドレス電極および上記ミラー素子上のこの電圧設定に対して最大偏向状態にあることを意味する。
第2の電極514a、514b上の10Vでスタートする代わりに、上記第2の電極を接地電位に接続することができる。この場合、ミラー素子は、最大偏向状態でスタートする。コンデンサが放電されると、上記ミラー素子の偏向角度が次第に小さくなる。
電極512a、512bをある電位に設定するのに要する時間は、電磁放射線の線量、第1の電極518a、518bと第2の電極524との間の距離、第1の電極518a、518bと第2の電極524との間の材料、および第1の電極518a、518bの面積により異なる(第2の電極524の面積が第1の電極518a、518bより広いと仮定した場合)。
第1の電極518a、518b上に適当な線量の電磁放射線を照射することにより、個々のピクセル素子(可動素子)は所望の角度に偏向される。上記照明の線量は固定することができ、各コンデンサが照射される時間を変更することにより偏向角度が変わる。コンデンサが照射される時間が長ければ長いほど、初期の設定による上記可動素子の偏向角度はますます小さくなるか、ますます大きくなる。上記コンデンサを一定の線量で照射する代わりに、偏向角度を変えるために上記照射時間を変えるだけで、照射時間は一定のままで放射線の線量を変えることができる。別の方法としては、偏向角度を所望の状態に設定するために、照射時間と線量の両方を同時に変えることができる。
上記コンデンサを照射するには幾つかの方法がある。1つの方法は、各ピクセル素子がその所望の状態に設定されるまで、あるピクセル素子と他のピクセル素子間で空間光変調器上を1本のビームで走査する方法である。図1の変調器90は、照射時間を変えるためおよび/または放射線の輝度を変えるために使用される。偏向装置はSLMの表面上を上記放射線でスイープまたは走査するために使用される。
好適には、レーザ15からのビームの断面の面積は、この場合は、コンデンサのサイズである照射面積より小さいことが好ましい。レーザ15からのビームの断面の面積があまり大きすぎると、一度に2つ以上のコンデンサが放電し、それにより特定のコンデンサの放電の精度を制御するのがもっと難しくなる。さらに、レーザ15からのビームの断面の面積が照射面積より小さいと、ビームをピクセル素子に整合するのが容易になり、断面の面積がもっと小さくなると整合がもっと容易になる。
上記SLM上でのパターンの形成をスピードアップするために、複数のレーザ・ビームを同時に使用することができる。例えば、複数のビームを生成するために、回折素子をレーザ15と変調器90との間に導入することができる。
別の方法としては、図2に示すように、SLM230を走査するためにダイオード215のアレイを使用することができる。各ダイオードは、コンデンサの所望の放電を行うために個々に設定することができる。図2のセットアップ200は、ピクセルを所望の偏向状態に設定するためのSLMの前面または背面の照射を示す。
図6は、電磁照射により設定することができる2つのアクチュエータ構造600のもう1つの本発明の実施例の側面図である。この実施例は、ミラー素子610a、610bと、支持構造611a、611bと、第1の電極612a、612bと、第2の電極614a、614bと、バイア・コネクタ616a、616bと、コンデンサの第1の電極618a、618bと、上記コンデンサの第2の電極624と、絶縁材料620、622と、透明基板626と、nドーピング領域634およびpドーピング領域630a、630bを有する半導体材料と、半透明アイソレータ632a、632b、660a、660bと、スイッチ632a、632bと、電位源650とを備える。
この実施例の機械的機能は、図5のところで説明した実施例に似ているので、これ以上の説明は省略する。この実施例は、この実施例がアクチュエータ構造600に接続しているLEDを備えているという点で図5の実施例とは異なる。半透明アイソレータ632a、632b、660a、660b領域は、異なる発光ダイオード間のクロストークの危険を防止するために導入される。変調器構造に対してピクセル素子当たり1つのLEDが配置される。LEDは、空間光変調器の製造と同じプロセスで組み込まれる。
図7は、電磁照射により設定することができる2つのアクチュエータ構造700の本発明のさらにもう1つの実施例の側面図である。この実施例は、ミラー素子710a,710bと、支持構造711a、711bと、第1の電極712a、712bと、第2の電極714a、714bと、バイア・コネクタ716a、716bと、コンデンサの第1の電極718a、718bと、上記コンデンサの第2の電極724と、絶縁材料720、722と、透明基板726と、nドーピング領域746およびpドーピング領域740a、740bを備える半導体材料と、光アイソレータ(半透明材料)742a、742bと、支持基板748と、スイッチ732a、732bと、電位源760とを備える。この実施例の機械的機能は、図5および図6のところで説明した実施例に似ているので、これ以上の説明は省略する。この実施例は、LEDが別の構造750として配置されているという点で図6の実施例とは異なる。
金属(半透明の材料)742a、742b領域は、異なる発光ダイオード間のクロストークの危険を防止するために導入される。構造750内にはピクセル素子当たり1つのLEDが配置される。
図8は、上記空間光変調器のアドレス指定が、上記SLMの電磁放射線により行われる、真空内で作業片をパターン形成するための本発明の装置の側面図である。この装置800は、縮小レンズ805と、第1のウィンドウ820と、空間光変調器830と、ハウジング840と、第2のウィンドウ845と、レーザ源815と、ビーム・スプリッタ890と、第1のレンズ860と、第2のレンズ870と、電位源895と、スイッチ897と、作業片880とを備える。
縮小レンズ805は、空間光変調器をアドレス指定するために使用する電磁放射線を縮小する。この縮小は、個々のピクセルを個々に設定することができるような方法で行われる。1つまたは複数のビームを同時に縮小することができる。レーザ源815は、空間光変調器にビームを照射し、作業片880をパターン形成するために使用される。電位源は、すべてのピクセルを所定の状態に設定するために上記空間光変調器に接続している。図1〜図7のところで説明したように、上記空間光変調器をアドレス指定するためにウィンドウ820を通して上記電磁放射線を照射した場合、上記スイッチはオフになる。ハウジングは真空状態に保持することができる。DUV領域またはEUV領域内の波長を使用する場合には真空にする必要がある。レーザ源と上記ウィンドウとの間の距離は無限小である。ある実施例の場合には、ウィンドウ845は、レーザ815の出口用ウィンドウである。フーリエ・フィルタとも呼ばれる空間フィルタは、フーリエ・レンズとも呼ばれる第1のレンズ860と、投影レンズとも呼ばれる第2のレンズ870の間に挿入することができる。
アクチュエータが、アレイ内に配置されているマイクロミラー構造である、SLM内でアクチュエータをアドレス指定するための本発明の方法は、作業片をパターン形成するためのSLMを使用するパターン・ゼネレータ内で使用することができる。米国特許第6,373,619号参照。上記アレイは、数百万のマイクロミラー構造を有することができる。リソグラフィを使用する作業片をパターン形成するための現在の技術レベルのパターン・ゼネレータは、作業片上にSLM上のパターンを画像形成するために、パルス・レーザ源を利用することができる。上記作業片上のSLMのスタンプは、画像形成するための完全なパターンの一部だけを形成することができる。レーザ・フラッシュの間に、新しいパターン記述がSLM内にロードされる。すなわち、ミラー素子と下に位置する電極との間に異なる電位差を加えることにより、個々のマイクロミラーが新しい偏向状態に設定される。この場合、上記電位差は本発明により設定される。
今まで詳細に説明してきた幾つかの好ましい実施例および幾つかの例を参照しながら本発明を説明してきたが、これらの例は説明のためのものであって、本発明を制限するものでないことを理解されたい。当業者であれば種々の修正および組み合わせを容易に思い付くことができるだろうが、このような修正および組み合わせは、本発明の精神および特許請求の範囲に含まれる。例えば、上記説明において、最初にある偏向状態に設定され、その後で特定のピクセル素子に属するコンデンサを照射することにより最終状態に設定される、すなわち上記照射が偏向の状態をもっと偏向の少ない状態に変えるミラー素子について記述してある。しかし、本発明は、偏向していないミラー素子でスタートして、上記ミラー素子に属するコンデンサを放電することにより、上記ミラー素子を偏向するために同様に適用することができる。このことは、第1の電極512a、512b、および第2の電極514a、514bの両方上で接地電位の状態で、また共通のコンデンサ電極524を接地電位とは異なる電位に設定した状態でスタートすることにより達成される。
Claims (58)
- 多数のピクセル素子を備える空間光変調器(500)であって、各ピクセル素子が、
支持構造(511a,511b)と、
支持構造(511a,511b)に支持されている、静電気により偏向可能なミラー素子(510a,510b)と、
ミラー素子(510a,510b)を静電気により引きつけることができる少なくとも1つの電極(512a,512b)とを備え、最初に少なくとも1つの電極に結合しているコンデンサを充電し、その後でコンデンサを選択的に所定のレベルに放電することにより、ミラー素子(510a,510b)が個々に所望の偏向状態に設定される空間光変調器。 - 前記コンデンサの放電が、前記コンデンサ上に電磁放射線を照射することにより行われる、請求項1に記載の空間光変調器。
- 前記マイクロミラーが、ある輝度が照射される時間の長さを変化させることにより個々に所望の状態に設定される、請求項2に記載の空間光変調器。
- 前記マイクロミラーが、ある時間の間、照射される前記電磁放射線の輝度を変化させることにより個々に所望の状態に設定される、請求項2に記載の空間光変調器。
- 前記マイクロミラーが、前記電磁放射線の輝度、および前記電磁放射線が前記コンデンサ上を照射している時間の長さの両方を変化させることにより個々に所望の状態に設定される、請求項2に記載の空間光変調器。
- 前記偏向可能なミラー素子が、前記コンデンサを放電する前は偏向されていない、請求項1に記載の空間光変調器。
- 前記偏向可能なミラー素子が、前記コンデンサを放電する前に偏向されている、請求項1に記載の空間光変調器。
- 前記電極(512a,512b)が、コンデンサ(518a,518b)の第1の側面と同じ素子である、請求項1に記載の空間光変調器。
- 前記コンデンサが、前記コンデンサの放電の前に完全に充電される、請求項1に記載の空間光変調器。
- 前記偏向可能なミラー素子が、前記コンデンサの放電の前に完全に偏向される、請求項7に記載の空間光変調器。
- プリンタにおいて、
電磁放射線源であって、該電磁放射線源からの放射線が空間光変調器上に向けられる電磁放射線源と、
前記空間光変調器が、静電気により引きつけることができる多数の反射素子と、電極と結合しているコンデンサとを備え、前記各素子には前記コンデンサを有する少なくとも1つの電極が設けられていることと、
光応答性材料とを備え、該光応答性材料が、最初に前記コンデンサを充電し、その後で前記コンデンサを所定の値に選択的に放電することにより前記反射素子を所定の状態に選択的に設定した後で、前記空間光変調器から反射した光を受光するように位置しているプリンタ。 - 前記コンデンサの放電が、前記コンデンサ上に電磁放射線を照射することにより行われる、請求項11に記載のプリンタ。
- 前記反射素子が、ある輝度で照射される時間の長さを変化させることにより個々に所望の状態に設定される、請求項12に記載のプリンタ。
- 前記反射素子が、ある時間の間照射される前記電磁放射線の輝度を変化させることにより個々に所望の状態に設定される、請求項12に記載のプリンタ。
- 前記反射素子が、前記電磁放射線の輝度、および前記電磁放射線が前記コンデンサ上に照射している時間の長さの両方を変化させることにより個々に所望の状態に設定される、請求項12に記載のプリンタ。
- 前記反射素子が、前記コンデンサを放電する前は偏向されていない、請求項11に記載のプリンタ。
- 前記反射素子が、前記コンデンサを放電する前に偏向されている、請求項11に記載のプリンタ。
- 前記電極(512a,512b)が、コンデンサ(518a,518b)の第1の側面と同じ素子である、請求項11に記載のプリンタ。
- 前記コンデンサが、前記コンデンサの放電の前に完全に充電される、請求項11に記載のプリンタ。
- 前記反射素子が、前記コンデンサの放電の前に完全に偏向される、請求項7に記載のプリンタ。
- 2以上の複数の変調状態を生成することができる多数の偏向可能なピクセル素子を備える空間光変調器を操作するための方法であって、
a.所定の電位に少なくとも1つのコンデンサを充電する段階であって、少なくとも1つの偏向可能なピクセル素子が、前記偏向可能なピクセル素子を、静電気により引きつけることができる前記電位を保持している少なくとも1つのコンデンサを備える段階と、
b.所定の電位に前記コンデンサを選択的に放電することにより、少なくとも1つのピクセル素子を個々に所望の偏向状態に設定する段階とを含む方法。 - 前記放電が、各コンデンサ上に電磁放射線を選択的に照射することにより行われる、請求項21に記載の方法。
- 前記電磁放射線が、前記空間光変調器上を走査するレーザである、請求項22に記載の方法。
- 前記レーザが、数個のコンデンサを同時に照射することができる複数のビームを備える、請求項23に記載の方法。
- 前記所望の偏向状態が、前記レーザ・ビームの輝度を変化させることにより達成される、請求項22または23に記載の方法。
- 前記所望の偏向状態が、前記レーザが前記コンデンサ上を照射する時間の長さを変化させることにより達成される、請求項22または23に記載の方法。
- 前記放電が、前記空間光変調器を走査しているダイオード・アレイにより行われる、請求項22に記載の方法。
- 前記放電が、前記空間光変調器に内蔵され、前記コンデンサを放電することができるダイオードにより行われる、請求項22に記載の方法。
- 前記所望の状態が、前記ダイオードから種々の長さの時間放射線を放射することにより達成される、請求項28に記載の方法。
- 前記所望の状態が、前記ダイオードから異なる輝度で放射線を放射することにより達成される、請求項28に記載の方法。
- すべてのコンデンサが同時に充電される、請求項21に記載の方法。
- 前記コンデンサが完全に充電される、請求項21または31に記載の方法。
- 前記コンデンサの充電が、前記偏向可能なピクセル素子それ自身を、最大偏向状態と最小偏向状態との間のある状態に設定する、請求項21または31に記載の方法。
- 電磁放射線を感知する作業片上にパターンを生成するための装置であって、
c.電磁放射線を放射する放射線源と、
d.前記放射線が照射することができる多数の偏向可能な変調素子(ピクセル)を有する空間光変調器(SLM)と、
e.前記作業片上に前記変調器の画像を生成する投影システムと、
f.相互に前記作業片および/または投影システムを位置決めするための精密機械システムとを備え、
g.前記変調素子が、少なくとも1つのコンデンサを充電することにより、2以上の幾つかの変調状態を生成することができ、少なくとも1つの偏向可能なピクセル素子が、前記偏向可能なピクセル素子を静電気により引きつけることができ、その後で前記コンデンサを所定の電位に選択的に放電することにより、少なくとも1つのピクセル素子を個々に所望の偏向状態に設定することができるある電位で充電することができるコンデンサを備える装置。 - すべてのコンデンサが同時に充電される、請求項34に記載の装置。
- 前記コンデンサが完全に充電される、請求項34に記載の装置。
- 前記コンデンサの充電が、前記偏向可能なピクセル素子それ自身を最大偏向状態と最小偏向状態との間のある状態に設定する、請求項34に記載の装置。
- 前記コンデンサの一方の電極が一緒に結合している、請求項34に記載の装置。
- 前記コンデンサの放電が、前記コンデンサ上への電磁放射線の照射により行われる、請求項34に記載の装置。
- 前記電磁放射線が走査レーザ・ビームである、請求項39に記載の装置。
- 前記レーザ・ビームが多重ビームである、請求項40に記載の装置。
- 前記コンデンサを放電させる前記レーザが、前記作業片上に前記画像を生成するために前記SLMを照射する前記レーザとは異なる、請求項40に記載の装置。
- 前記コンデンサを放電させる前記レーザが、前記作業片に影響を与えない波長を有する、請求項40に記載の装置。
- 前記放電が、前記SLMに内蔵されている各コンデンサに対する1つのダイオードにより行われる、請求項34に記載の装置。
- 前記放電が、前記空間光変調器を走査するダイオードのアレイにより行われる、請求項34に記載の装置。
- 電磁放射線を感知する作業片上にパターンを生成するための方法であって、
h.対象面上に電磁放射線を放射する段階であって、多数の偏向可能な変調素子(ピクセル)を有する空間光変調器が配置されている段階と、
i.前記作業片上に前記変調器の画像を生成する段階と、
j.前記画像が生成される前記作業片上の所望の位置に前記画像を位置決めするために、相互に前記作業片および/または投影システムを位置決めする段階と、
k.少なくとも1つのコンデンサを充電する段階であって、少なくとも1つの偏向可能なピクセルが、前記偏向可能なピクセルを静電気により引きつけることができるある電位を共有することができるコンデンサを備えている段階と、
l.前記コンデンサを所定の電位に選択的に放電することにより、少なくとも1つのピクセル素子を個々に所望の偏向状態に設定する段階とを含む方法。 - 前記各素子が共通に前記最大偏向状態に設定される、請求項46に記載の方法。
- m.前記コンデンサの一方の電極を一緒に結合する段階をさらに含む、請求項46に記載の方法。
- n.前記放電を行うために前記コンデンサ上に電磁放射線を照射する段階をさらに含む、請求項46に記載の方法。
- 前記電磁放射線が走査レーザ・ビームである、請求項46に記載の方法。
- 前記レーザ・ビームが多重レーザ・ビームである、請求項50に記載の方法。
- 前記コンデンサを放電する前記レーザが、前記作業片上に前記画像を生成するために、前記SLMを照射する前記レーザから分離されている、請求項50に記載の方法。
- 前記コンデンサを放電させる前記レーザが、前記作業片に影響を与えない波長を有する、請求項50に記載の方法。
- 前記放電が、前記SLMに内蔵されている各コンデンサに対する1つのダイオードにより行われる、請求項46に記載の方法。
- 前記放電が、前記空間光変調器を走査するダイオードのアレイにより行われる、請求項46に記載の方法。
- すべてのコンデンサが同時に充電される、請求項46に記載の方法。
- 前記コンデンサが完全に充電される、請求項46に記載の方法。
- 前記コンデンサの放電が、前記偏向可能なピクセル素子自身を、最大偏向状態と最小偏向状態との間のある状態に設定する、請求項46に記載の方法。
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