JP2006516731A - 試料の光学測定を行う方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、楕円率測定等の試料の光学測定を行う方法に関する。偏光照射ビームを試料に照射し、戻りビームを線形偏光させる。照射又は戻りビームは、一次変調信号に従って、光弾性変調器等の複屈折変調器で変調される。戻りビームは、マルチチャネル検出器上に向けられる。典型的には、検出器は、一次変調信号の時間より長い応答時間を有するCCD等の遅い検出器である。複数の値を求めるために、検出値が、各々の検出要素において同時に生成され、処理される。ゲーティング間隔にわたる検出器信号の平均化、ICCDの利得のコヒーレント変調を採用する設計及び変調器とコヒーレントなフラッシュ・ランプ設計を含めて、種々の測定技術が説明される。
Description
単純な楕円偏光計は、偏光子を通って平面偏光ビームを形成する光ビームを生成する光源を含む。光源は、単一波長の測定の場合は、レーザー又はLEDとすることができ、或いは分光測定の場合は、白色光源とすることができる。ビームは、試料の表面に当たる前に、リターダ(補償器と呼ばれることがある)を通る。反射光は、第2の偏光子(通常、検光子と呼ばれる)を通り、光検出器に入る。光検出器は、通常は、光ダイオード又は光電子増倍管である。単一の光ダイオード又は光電子増倍検出器を有する楕円偏光計は、単一チャネルの楕円偏光計である。
単一チャネルの複屈折変調器の楕円偏光計は、典型的には一般的な回転要素の楕円偏光計より100倍大きな感度を有する。楕円偏光計は、1つの検出器を有する。それは、ω0及び2ω0において作動するロックイン増幅器のコヒーレント検出を用いることによって非常に高い感度を達成する。これにより、電子回路は、低ノイズ領域となり、周波数及び位相の両方を有するロックインのコヒーレント検出によって変調器とコヒーレントでないノイズ信号が除去される。さらに、変調要素は、重心が動くことなく機械的な共振を受け、これにより、多くの場合、回転要素型設計において残留漂遊信号(レジデュアル・ストレイ・シグナル)をもたらす検出器の光ビームの移動が排除される。
である。
ここで、I0は入射強度であり、Iは検光子に従う強度であり、rsはsの振幅反射率の大きさであり、ρ及びΔは反射偏光楕円のパラメータであり、ρは大きさであり、Δは位相角であり、δは、δ=δ0sinω0tとして時間とともに変化する変調器の位相シフトである。この式を展開して次のように示すことができる。
直流成分の
角周波数ω0における交流成分の
角周波数2ω0における交流成分の
である。
ω0及び2ω0に合わせられたロックイン振幅器が、ω0及び2ω0信号の振幅を出力する。交流/直流信号の比は、これらの2つのパラメータを導出することができるρ及びΔを含む2つの式を与える。次に、パラメータ(x,y)は、ρ及びΔから導出することができ、ここで、
である。
そのような楕円偏光計では、複屈折変調器の有利な特徴(安定変調が高く、重心がほとんど又は全く動かない)を維持することが望ましい。マルチチャネルCCD検出器のフレーム速度は、典型的には、1秒当たり20から200フレームの範囲であるが、典型的な複屈折変調器の変調周波数ω0は、約50kHzである。その他の好適な検出器を用いても急速に変化する変調信号に追従することは不可能である。
複屈折変調器に基づいた分光楕円偏光計は、別の望ましい機器の例である。ここでは、マルチチャネル検出器は、同時に全色を測定することができる。これを達成する単純な方法は、各々がそれらの関連する2つのロックイン増幅器を有する、単一チャネルの多くの検出器から構成されるものである。そのような機器は、非常に大きいものとなる。マルチチャネルのCCD検出器は、あまりに遅くて変調信号に追従することができない。
画像形成又は分光構成において、これは、基板が短時間で調査分析されることを可能にする。本発明のこの態様は、表面特徴が時間とともに変化する、半導体製造又は状況等の時間が肝心なプロセスにおいて特に有用である。
複屈折変調器を使用すると、安定変調が比較的高く、重心がほとんど又は全く動かないという利点がもたらされる。
本発明では、一般的には、例えば500の並列チャネルのために必要な数において、非常に大きく費用がかかるものとなる通常のロックイン増幅器の検出器に対する必要性も無くす。
他の好ましい測定手順において、二次変調信号は、第1の測定モードの間の第1の周波数成分と、第2の測定モードの間の第2の周波数成分とを有する。例えば、二次変調信号は、第1の変調モードの間の一次変調信号の周波数の1つ又はそれ以上の第1の組の高調波と、第2の変調モードの間の該一次変調信号の周波数の1つ又はそれ以上の第2の組の高調波とを含むことができる。或いは、二次変調信号は、第1の測定モードの間の第1の周波数における方形波パルス列と、第2の測定モードの間の第2の周波数における方形波パルス列とを含むことができる。
一連の放射パルスを生成するために放射線源がオンに及びオフにされ、該パルスのスペクトルが加熱及び冷却作用中に時間と共に変化する場合には、この方法はさらに、各々の放射パルスの間の放射又は戻りビームの経路内のゲートを閉鎖するステップか、又は各々の放射パルスの間に検出器の利得を減少させるステップを含むことができる。これは、望ましくない信号を廃棄することによって、放射パルスの「スペクトルのクリーンアップ」を行う。
後述される好ましいハードウェアの例では、マルチチャネル検出器は、電荷結合素子(CCD)検出器である。或いは、検出器は、好適なゲート機能を有する、相補型金属酸化物半導体(CMOS)検出器か又は光ダイオード・アレイ(PDA)検出器とすることができる。
様々な複屈折変調器を使用することができる。後述される好ましいハードウェアの例では、光弾性変調器等の共振変調器が使用される。しかしながら、様々な液晶リターダ又はファラデー若しくはカー効果のリターダ等の、他の非共振タイプの複屈折変調器を使用することができる。
この方法を採用して、実測された特性が試料を通して透過すること、並びに、試料から反射することに関連する様々な測定を行うことができる。例として、楕円率、透過円偏光二色性、応力複屈折及び表面の光学的異方性が挙げられる。
ここでは、第1のハードウェアの例(図1)及び第2のハードウェアの例(図5)を参照して、本発明の種々の実施形態を説明する。
1.1 ハードウェア
図1は、分光楕円偏光計を示す。白色光源1からの光が、偏光子2を透過し、平面偏光ビームを形成する。偏光ビームは、圧電駆動要素4により共振させられる溶融シリカの変調器部分3を含む光弾性複屈折変調器により変調される。圧電ゲージ要素5が、変調器部分の振動に応じて信号を生成し、該信号を、フィードバック経路6を介して駆動要素にフィードバックする。好適な変調器の例は、ニュージーランド、ウェリントン、サラマンカ通り32所在のビーグルホール・インストゥルメント・リミテッド社により製造されたHigh Stability Birefringence Modulatorである。
ビームは、試料7の表面に当たる前に、変調器と、集光レンズ16とを透過する。反射光が、対物レンズ8、第2の偏光子9(通常は検光子と呼ばれる)を透過し、出口平面において増倍型電荷結合素子(ICCD)カメラを有する分光写真器20の入射スリット上に合焦される。ICCDカメラは、CCD10と、5nsまで(製造業者による)の時間内で開閉可能なCCDカメラの正面にあるゲートとを有する。ゲートは、増倍器11と、蛍光スクリーン12とを含む。増倍器は、光電子増倍管と同様な方法で作動し、増倍器11の利得は、入力ライン13を介して制御することができる。好適なICCDカメラの例は、08619、NJ、トレントン、クエーカーブリッジ通り3660所在のローパー・サイエンティフィック社により製造されたPI_MAX1024である。
ゲート・コントローラ14がゲートを制御し、そしてまた、ゲート・コントローラ14は、CCD10からデータを受信して処理するコンピュータ15により制御される。ゲート・コントローラ14は、ゲージ要素5から受信した一次変調信号の正に向かう各々のゼロ交差から、変調器とコヒーレントなパルスの各々の周期を導き出し、変調器が振動する間の特定の時点においてゲートを開閉する。例えば、ゲートは、変調器の1つの完全な周期Tにわたって開放されたままに保つことができ、その場合、
を求め、ac項は平均化されてゼロになる。例えば、0からT/2、0から5T/8といった他の時間間隔により、ρcosΔ及びρsinΔの関数が与えられ、そこからρ及びΔを導出することができる。ショット雑音が制限される場合は、検出器の雑音は、測定時間の間に検出器に当たる光子数の平方根に比例し、それでこの数が、設計効率の尺度となる。この場合、検出器に入射する光子の約1/4は使用されず、I0及び2つの楕円偏光パラメータを求めるのに3つの別の時間間隔の測定が必要となる。
図1のハードウェアは、様々な測定手順を用いて作動させることができる。測定手順の例に従う楕円偏光分析の3つの測定手順が下記に示される。
単一チャネルの変調楕円偏光計で測定された信号は、
であり、ここで、Δは、試料による光位相シフトであり、δは、変調器の光位相シフトであり、δ=δ0sinωtである。
第1の測定手順において、信号は、時間t1からt2までの間で積分され、すなわち、
である。
強度への依存性を取り除くために、異なる積分時間にわたって得られた2つの値の比をとる。t2=3T/4のときの全信号をとり、これをt2=Tのときの全信号で割ると、
という比が得られ、ここで、α、βは、δ0及びTの単関数である。異なる時間を選択すると、
に比例した比を同様に得ることができる。これらの比から、楕円率パラメータを導出することができる。
図2は、第1の測定手順の例のタイミング図である。一次変調信号は、角周波数ω0の正弦波として図2の(a)に示される。ゲート・コントローラ14は、一次変調信号の各々の正に向かうゼロ交差からのパルスを生成し、それは、(b)、(c)及び(d)に示されたゲート制御信号の位相を制御するのに用いられる。手順は、次の通りである。
読み取り1: CCDを読み取る。
露光2: 一次変調信号のn2周期において、1周期当たりT/2秒にわたってCCDを露光する。値n2は、CCDがほぼ完全に露光されるように選択され、露光1の場合の値n1と異なってもよい。露光2の間の入力ライン13上のゲート制御信号が、図2の(c)に示される。図2の例では、n2は、2つの値をもつように示されており、そのためゲートは、この場合2つの周期において開かれる。
読み取り2: CCDを読み取る。
露光3: 一次変調信号のn3周期において、1周期当たり5T/8秒にわたってCCDを露光する。値n3は、CCDがほぼ完全に露光されるように選択され、露光1の場合の値n1及び/又は露光2の場合の値n2と異なってもよい。露光3の間の入力ライン13上のゲート制御信号が、図2の(d)に示される。図2の例では、n3は、2つの値をもつように示され、そのためゲートは、この場合2つの周期において開かれる。
読み取り3: CCDを読み取る。
第2の測定手順においては、利得Gは、以下のように矩形波としてオフとG=1との間で切り換えられる。
・時間間隔t/T=0から1/2のとき、奇数変調Godd=1であり、時間t/T=1/2から1のとき、Godd=0である。
・時間間隔t/T=0から1/8、3/8から5/8、7/8から1のとき、偶数変調Geven=0である。時間t/T=1/8から3/8、5/8から7/8のとき、Geven=1である。
次のように変調器の光位相δの時間変数を展開する。
1周期にわたる時間独立項を平均すると、
により与えられるSdcが得られる。Geven=1のオンタイムのときの偶数の時間独立項を平均すると、
が得られる。θ=ω0t=2πt/Tに時間変数を変化させると、
が得られる。
同様に、Goddを用いて、
が求められる。
が得られる。
(x´,y´)、すなわち、
から、パラメータx、y、すなわち、
を導出することができる。
図3は、第2の測定手順の例のタイミング図である。手順は、次の通りである。
露光1: 一次変調信号のn1周期においてCCDを完全に露光する。値n1は、CCDがほぼ完全に露光されるように選択される。露光1の間の入力ライン13上のゲート制御信号が、図3の(b)に示される。図3の例では、n1は、2つの値をもつように示され、そのためゲートは、この場合2つの周期において開かれる。
読み取り1: CCDを読み取る。
露光2: t=T/2について奇数である周波数ω0の方形波をもつ一次変調信号のn2周期においてCCDを露光する。値n2は、CCDがほぼ完全に露光されるように選択され、露光1の場合の値n1と異なってもよい。露光2の間の入力ライン13上のゲート制御信号が、図3の(c)に示される。図3の例では、n2は、2つの値をもつように示され、そのためゲートは、この場合2つの周期において開かれる。
読み取り2: CCDを読み取る。
露光3: t=T/2について偶数である周波数2ω0の方形波をもつ一次変調信号のn3周期においてCCDを露光する。値n3は、CCDがほぼ完全に露光されるように選択され、露光1の場合の値n1及び/又は露光2の場合の値n2と異なってもよい。露光3の間の入力ライン13上のゲート制御信号が、図3の(d)に示される。図3の例では、n3は、2つの値をもつように示され、そのためゲートは、この場合2つの周期において開かれる。
読み取り3: CCDを読み取る。
次に、信号のゆらぎが望まれるだけ小さくなるまで、上記のステップを前の場合と同様に繰り返す。
図7は、第2の測定手順を用いた、パラメータx、yの幾つかの予備測定を示す。偏光子及び検光子が、630nmにおいてはyが1まで、xが0までの、420nmから800nmまでの範囲でのみ有効であることに注目されたい。
図8は、正規化データを示すグラフである。上方の実線曲線は、dcで割った偶数データを示し、下方の実線曲線は、dcで割った奇数データを示す。破線は、比較する目的のための計算値を示す。
矩形変調ゲートを用いるのではなく増倍管を用いて、利得が偶数及び奇数の調和正弦波の合計として時間を経て変化するように、検出器の利得(ゲイン)Gを変調することができる。
利得が1/2G0{1+cos(ωgt+φg)}として変調されると、信号は、
となる。
式が展開される場合は、強度の半分は、前の場合と同様に同じdc及びacを取り、他の半分は、角周波数ωg±ω0、ωg±2ω0を有する和の項及び差分項を含む。このように、ωgが順に0、ω0、2ω0に設定される場合には、差分周波数は、dc及びacの各々についてゼロになり、3つのゼロ周波数信号の時間平均測定を行うことができる。利得変調信号は、それが正確にコヒーレントとなるように変調振動振幅から導出されることに注目されたい。効率は約1/3である。利得の位相シフトφgは、最大ゼロ周波数信号に合わせて調整することができる。第3の測定手順が、効果的に検出器を自動ロックイン増幅器に変える。
次に、ゼロ周波数の項を、上記の式3、式4、式5の交流、直流項における偶数及び奇数調波から導出することができ、
に比例したゼロ周波数信号が与えられる。
検出器の利得を変える代わりに、光源の輝度を均等に変えることができる。LEDは、明るく、且つ、本質的には非コヒーレントな供給源であり、画像形成楕円偏光用途に適当な狭い帯域供給源を提供することができる。レーザ・ダイオードはまた、高い周波数で変調することができるが、コヒーレンス長を長くすれば、これらは、画像形成用途には適当とならなくなる。LED照射は、同じコヒーレンスをもたない。
図4は、第3の測定手順の例を示す。手順は次の通りである。
露光1: 一次変調信号のn1周期においてCCDを完全に露光する。値n1は、CCDがほぼ完全に露光されるように選択される。露光1の間の入力ライン13上のゲート制御信号が、図4の(b)に示される。図4の例では、n1は、2つの値をもつように示され、そのためゲートは、この場合2つの周期において開かれる。
読み取り1: CCDを読み取る。
露光2: 図4の(c)に示すように、t=T/2について奇数である、3つの奇数の正弦の和で利得が変調された、一次変調信号のn2周期においてCCDを露光する。値n2は、CCDがほぼ完全に露光されるように選択され、露光1の場合の値n1と異なってもよい。図4の例では、n2は、2つの値をもつように示され、そのためゲートは、この場合2つの周期において開かれる。
読み取り2: CCDを読み取る。
露光3: 図4の(d)において示すように、t=T/2について偶数である、3つの偶数の正弦の和で利得が変調された、一次変調信号のn3周期においてCCDを露光する。値n3は、CCDがほぼ完全に露光されるように選択され、露光1の場合の値n1及び/又は露光2の場合の値n2と異なってもよい。図4の例では、n3は、2つの値をもつように示され、そのためゲートは、この場合2つの周期において開かれる。
読み取り3: CCDを読み取る。
次に、上記のステップを繰り返す。
2.1 ハードウェア
代替的な分光楕円偏光計が、図5に示される。ハードウェアの大部分は、図1に示されるハードウェアと同じであり、それで参照符号は、同じ構成要素について繰り返し用いられる。
通常の光源1は、半値全幅値(FWHM)において1.75μsまでの幅を有するパルスを生成するHamamatsu Supere-quiet 15W Xe Flash管等のフラッシュ・ランプ21に置き換えられる。フラッシュの各々は、0.15Jのエネルギーを必要とする。ランプは、1秒当たり100回のフラッシュを与えることができる。ランプは、1.5mmのアーク・サイズを有する。変調器の時間Tは20μsであり、それで以下の分析においては、第1の近似としてパルス幅がその時間と比較して小さいと仮定する。より詳細な分析では、有限幅を考慮に入れることができる。
キセノン・アーク・ランプ21は、100Hzまでの最大反復周波数を有するパルスを生成するトリガ・パルス・モードで作動できる。例えば、t/T=0、1/4、1/2、3/4における周期の間の4つの異なる時点で測定を行う場合には、I0、δ0、ρ及びΔを導出することができる。フラッシュ・ランプの時間平均輝度は、可視スペクトルの大部分にわたって75W CW Xeランプより小さいが、より多くの深紫外線光を有する。効率は、上述の第1の実施形態の平均モードより高い。
変調楕円偏光計の単一チャネルで測定された信号は、
であり、ここで、Δは、試料による光位相シフトであり、δは、変調器の光位相シフトであり、δ=δ0sinωtである(上式は、C/λまでの波長によって変化する)。
短時間にわたって測定する場合には、例えば、次の表に示すように、ωtの特定値におけるΙを記録する。
ωt=0、π/2、π及び3π/2において輝度の4つの測定を行うと、次の比を求めることができる。
に注目されたい。
関数(x´,y´)は、通常の変調楕円偏光関数(x,y)に近く、後者は直接(x´,y´)から導出することができ、そのスケーリングはδ0及びx´によって決まる。
cosδ0(1+x´)=1の場合に共振が起こり、yについてもδ0=πのときに共振が起こることに注目されたい。これらの共振間には、x´、y´の測定されたパラメータを正確に訂正することができる3の係数の範囲がある。
B及びDの測定は、他の位相において行うことができ、例えば、π/4なら、δの値は
となり、それに応じて輝度の範囲が変更されることになることに注目されたい。
フラッシュ・ランプにより放出される輝度は、電気トリガ・パルスにより作動させられる短い持続時間の光パルスである。通常は、メインフラッシュに追従してゆっくりと減衰する尾部が存在する。この尾部は、メインフラッシュにより放出されるスペクトルと異なる光スペクトルを有する。従って、スペクトルに依存する光信号は、スペクトルの変化、並びに、時間と共に変わる輝度に関連する第1の変化による時間依存を有することになる。
フラッシュの主要部分のみを調査すれば、スペクトルの変化を削減することができる。尾部の影響を削減する比較的簡単な方法は、フラッシュを作動させる同じトリガの制御を受けるゲート検出器を使用することである。フラッシュ・トリガ・パルスの生成とフラッシュの発生との間には、通常或る程度の一定した遅れがある。従って、この同じトリガ・パルスを使用して、検出器へのゲートを開閉することができる。
増倍器技術が高電圧の高速切り換えに依存するため、増倍器をCCDに付加することは高価な選択である。幾つかのCCD(例えば、ライン間転送)は、10マイクロ秒ほどの短い時間間隔を下回る露光制御を行うことができる。従って、図5に示されるICCDを使用する代わりに、電子回路が(i)露光を開始し、(ii)フラッシュ・トリガを送信し、(iii)尾部を遮断するのに適当な時間で露光を停止する、正確なタイミングを有する場合には、増倍器を必要とすることなく、これらのカメラを使用することができる。タイミングには、特定のフラッシュ/カメラの組み合わせに合わせるために慎重な調整が必要となるが、フラッシュが露光間隔の最終部において発生するような調整が容易に達成される。
図6は、図5のシステムの例示となる作動を示す。ゲート・コントローラ14は、(b)から(e)に示すように、フラッシュ・ランプ及びゲート制御信号の位相を制御する。
手順は、次の通りである。
露光1: 位相点Aにおけるフラッシュ・ランプのn回のフラッシュでCCDを露光する。フラッシュ・ランプは、典型的には、100Hzから300Hzの範囲のペースでフラッシュできる。値nは、CCDがほぼ完全に露光されるように選択される。露光1の1回のみのフラッシュの間のフラッシュ・ランプ出力が(b)において示され、ゲート制御信号は(c)において示される。値nは、典型的には、2つか又は3つの値を取ることができる。
読み取り1: CCDを読み取る。
露光2: 位相点Bにおけるフラッシュ・ランプのn回のフラッシュでCCDを露光する。露光2の1回のみのフラッシュの間のフラッシュ・ランプ出力が(d)に示され、ゲート制御信号は(e)に示される。
読み取り2: CCDを読み取る。
露光3: 位相点Cにおけるフラッシュ・ランプのn回のフラッシュでCCDを露光する。露光3の間のフラッシュ・ランプの出力及びゲート制御信号は図6に示されていない。
読み取り3: CCDを読み取る。
露光4: 位相点Dにおけるフラッシュ・ランプのn回のフラッシュでCCDを露光する。露光4の間のフラッシュ・ランプの出力及びゲート制御信号は図6に示されていない。
読み取り4: CCDを読み取る。
次に、上記のステップを繰り返す。
図9は、トリガ・フラッシュ・ランプ法を用いたスペクトル生データを示すグラフである。
3.用途
3.1 分光楕円偏光計
既述の例では、本発明は、分光楕円偏光計に採用される。分光楕円偏光計は、ICCDの表面にわたって戻りビームを分散させる分光写真器20を含んでいたので、各々のピクセルが、その関連する波長の輝度を記録する。
3.2 画像形成楕円偏光計
この用途では、試料は、コンデンサにより照射され、次いで、対物レンズが、マルチチャネルCCD又はICCD上に該試料の画像を形成する。次に、上述の手順の1つ又は他のものを用いて画像の各地点についての楕円率パラメータを見出すことができる。コンピュータは、所望の対象領域(ROI)内の又は全画像領域にわたる楕円率パラメータを算出し、所望の形式で該楕円率パラメータを表示することができる。例えば、楕円率パラメータx又はyは、画像内の各ピクセルの輝度が試料表面上のその地点におけるパラメータ値を示す、グレースケール画像内で表すことができる。
4.要約
本発明がその実施形態の説明により例示され、且つ、実施形態を詳細に説明してきたが、添付の請求項の範囲をそのような詳細に限定するか又は多少なりとも制限することは、出願人の意向ではない。さらなる利点及び修正が、当業者には容易に明らかになるであろう。それゆえ、そのより幅広い態様における本発明は、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに示され説明された図示例に限定されるものではない。従って、出願人の一般的な発明概念の精神又は範囲から逸脱することなく、そのような詳細から逸脱することができる。
Claims (38)
- 試料の測定を行う方法であって、
偏光照射ビームを前記試料に照射し、
前記試料からの戻りビームを直線偏光させ、
一次変調信号に従って複屈折変調器で前記照射ビーム又は戻りビームを変調し、
前記一次変調信号との所定の位相関係を有する二次変調信号を生成し、
複数の検出要素を有するマルチチャネル検出器上に前記戻りビームを方向付け、
各々の検出要素において検出値を同時に生成し、
前記同時に生成された検出値を処理して、各々の値がそれぞれの検出要素に対応し、前記試料により誘起された前記照射ビーム上の変化の指標となる複数の値を求め、
前記二次変調信号に従って前記照射又は戻りビームを変調するか、又は前記二次変調信号に従って前記検出値の生成又は処理を制御する、
ことを含む方法。 - 前記二次変調信号が、2つ又はそれ以上の測定モード間で順に交互に起こることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記二次変調信号が、第1の測定モード間で前記一次変調信号と第1の位相関係を有するとともに、第2の測定モード間で前記一次変調信号と第2の位相関係を有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記二次変調信号が、前記第1の測定モード間で前記一次変調信号と前記第1の位相関係を有する一連のパルスと、前記第2の測定モード間で前記一次変調信号と前記第2の位相関係を有する一連のパルスとを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記二次変調信号が、前記第1の測定モード間で第1のパルス幅を有する一連のパルスと、前記第2の測定モード間で第2のパルス幅を有する一連のパルスとを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記二次変調信号が、第1の測定モード間で第1の周波数成分と、第2の測定モード間で第2の周波数成分とを有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記二次変調信号が、前記第1の測定モード間で前記一次変調信号の周波数の1つ又はそれ以上の第1の組の高調波と、前記第2の測定モード間で前記一次変調信号の周波数の1つ又はそれ以上の第2の組の高調波とを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記二次変調信号が、前記第1の測定モード間で第1の周波数における矩形波パルス列と、前記第2の測定モード間で第2の周波数における矩形波パルス列とを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記二次変調信号が、3つ又はそれ以上の測定モード間で順に切り換わることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記測定モードの1つが、直流測定モードであることを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 前記照射又は戻りビームが、該ビームの経路内のゲートを開閉することによって前記二次変調信号に従って変調されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記照射ビームが、放射線源をオンに及びオフにすることによって前記二次変調信号に従って変調されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記放射線源が、フラッシュ・ランプ源であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
- 前記放射線源が、ガス放電ランプであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
- 一連の放射パルスを生成するために前記放射線源がオンに及びオフにされ、前記方法がさらに、各々の放射パルス間で前記照射ビーム又は戻りビームの前記経路内のゲートを閉鎖するか、又は各々の放射パルス間で前記検出器の利得を減少させること含む、請求項12、請求項13、又は請求項14に記載の方法。
- 前記照射ビームが、放射線源の強度を変化させることによって前記二次変調信号に従って変調されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記放射線源が、発光ダイオードであることを特徴とする請求項16に記載の方法。
- 前記検出値の前記生成又は処理が、前記二次変調信号に従って前記マルチチャネル検出器の利得を変化させることによって制御されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 前記マルチチャネル検出器が、積分検出器であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 前記マルチチャネル検出器から前記検出値を連続的に読み取ることをさらに含むことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
- 前記マルチチャネル検出器が、電荷結合素子であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
- 前記マルチチャネル検出器が、前記一次変調信号の時間より長い応答時間を有することを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
- 各々の組の検出値が前記複屈折変調器の異なる所定の位相に対応する、複数の組の検出値を生成することをさらに含む請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
- 前記複屈折変調器が光弾性変調器であることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
- 前記複屈折変調器が共振変調器であることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
- 前記値を表す2次元画像を表示することをさらに含む請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
- 前記戻りビームを波長分散要素上に向けることをさらに含む請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
- 各々の値が楕円率値を含むことを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
- 放射線源と、
偏光子と、
一次変調信号に従って照射ビーム又は戻りビームを変調するように構成された複屈折変調器と、
検光子と、
前記一次変調信号と所定の位相関係を有する二次変調信号を生成する手段と、
各々の検出要素において検出値を同時に生成するように構成された複数の検出要素を有するマルチチャネル検出器と、
前記同時に生成された検出値を処理して、各々の値がそれぞれの検出要素に対応し、試料により誘起された前記照射ビーム上の変化の指標となる複数の値を求めるプロセッサと、
前記二次変調信号に従って前記照射ビーム又は戻りビームを変調するか、又は前記二次変調信号に従って前記検出値の生成又は処理を制御する手段と、
を含む測定装置。 - 請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されたことを特徴とする請求項29に記載の装置。
- 試料の測定を行う方法であって、
偏光照射ビームを前記試料に照射し、
前記試料からの戻りビームを直線偏光させ、
光弾性変調器で前記照射ビーム又は戻りビームを変調し、
複数の検出要素を有するマルチチャネル検出器上に前記戻りビームを方向付け、
各々の検出要素において検出値を同時に生成し、
前記同時に生成された検出値を処理して、各々の値がそれぞれの検出要素に対応し、前記試料により誘起された前記照射ビーム上の変化の指標となる複数の値を求める、
ことを含む方法。 - 請求項31及び請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法
- 放射線源と、
偏光子と、
光弾性変調器と、
検光子と、
各々の検出要素において検出値を同時に生成するように構成された複数の検出要素を有するマルチチャネル検出器と、
前記同時に生成された検出値を処理して、各々の値がそれぞれの検出要素に対応し、試料により誘起された照射ビーム上の変化の指標となる複数の値を求めるプロセッサと、
を含む測定装置。 - 請求項1〜28のいずれか1項、請求項31、又は請求項32に記載の方法を実行するように構成されたことを特徴とする請求項33に記載の装置。
- 試料の測定を行う方法であって、
偏光照射ビームを前記試料に照射し、
前記試料からの戻りビームを直線偏光させ、
一次変調信号に従って複屈折変調器で前記照射ビーム又は戻りビームを変調し、
複数の検出要素を有し、前記一次変調信号の時間より長い応答時間を有するマルチチャネル検出器上に前記戻りビームを方向付け、
各々の検出要素において検出値を同時に生成し、
前記同時に生成された検出値を処理して、各々の値がそれぞれの検出要素に対応し、前記試料により誘起された前記照射ビーム上の変化の指標となる複数の値を求める、
ことを含む方法。 - 請求項35、及び請求項1〜28、31又は32のいずれか1項に記載の方法。
- 放射線源と、
偏光子と、
一次変調信号に従って照射ビーム又は戻りビームを変調するように構成された複屈折変調器と、
検光子と、
各々の検出要素において検出値を同時に生成するように構成された複数の検出要素を有し、前記一次変調信号の時間より長い応答時間を有するマルチチャネル検出器と、
前記同時に生成された検出値を処理して、各々の値がそれぞれの検出要素に対応し、前記試料により誘起された前記照射ビーム上の変化の指標となる複数の値を求めるプロセッサと、
を含む測定装置。 - 請求項1〜28、31、32、35、又は36のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されたことを特徴とする請求項37に記載の装置。
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