JP2006514951A - トロンボポエチン模倣物 - Google Patents

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Abstract

本発明は非ペプチド性TPO模倣物に関する。本発明は本発明の化合物の調製に用いられる新規な方法および中間体に関する。ヒトを含む哺乳動物の血小板減少症の治療法であって、かかる哺乳動物に有効量の選択されたベンズイミダゾール誘導体を投与することを含む方法にも関する。

Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は、トロンボポエチン(TPO)模倣物および血小板生成および巨核球生成の促進剤としてのその使用に関する。
(背景技術)
巨核球は骨髄から誘導される細胞であり、循環性血液血小板の産生に関与している。それらは、ほとんどの種において骨髄細胞の0.25%未満を構成するが、典型的な骨髄細胞の10倍以上の体積を有する。Kuterら、Proc. Natl. Acad. Aci. USA 91: 11104-11108 (1994)を参照のこと。巨核球は、細胞分裂しないで核を複製する核内有糸分裂として知られる工程を経て、そうして倍数細胞を生ずる。血小板の数の減少に応じて、核内有糸分裂速度が上がり、より高い倍数の巨核球が形成され、巨核球の数は3倍まで増加可能である。Harker J. Clin. Invest. 47: 458-465 (1968)を参照のこと。反対に、血小板の数の増加に応じて、核内有糸分裂速度は減少し、より低い倍数の巨核球が形成され、巨核球の数は50%減少しうる。
循環性血小板の大部分が核内有糸分裂速度および骨髄巨核球の数を調節する正確な生理学的フィードバック機構は知られていない。該フィードバックループの媒介に関与する循環性血小板生成因子は、現在、トロンボポエチン(TPO)であると考えられている。より詳細には、TPOは、血小板減少症を含む状況において主要な体液性レギュレーターであることが示された。例えば、Metcalf Nature 369:519-520 (1994)を参照のこと。いくつかの研究において、TPOは、血小板の数を増やし、血小板の大きさを増し、レシピエント動物の血小板中へのアイソトープの取り込みを増加することが示された。特に、TPOは、いくつかの理由から、巨核球生成に影響を及ぼすと考えられる:(1)TPOは巨核球の大きさおよび数の増加をもたらす;(2)TPOは巨核球の倍数形態にてDNA含量の増加をもたらす;(3)TPOは巨核球核内有糸分裂を増加させる;(4)TPOは巨核球の成熟度の増加をもたらす;および(5)TPOは骨髄の小型アセチルコリンエステラーゼ陽性細胞の形態において、前駆体細胞のパーセンテージの増加をもたらす。
血小板(thrombocyte)は血液凝固に不可欠であるため、その数が極めて低いと、患者は大量出血による死の恐れがあり、TPOは、種々の血液学的障害、例えば、主として血小板欠損が原因の疾患の診断および治療の両方において有用な用途を有する可能性がある(Harkerら、Blood 91:4427-4433(1998)を参照のこと)。TPOを用いる進行中の臨床試験は、TPOを患者に安全に投与できることを示した(Basserら、Blood 89:3118-3128(1997);Fanucchiら、New Engl. J.Med. 336:404-409(1997)を参照のこと)。加えて、最近の研究により、血小板減少症、特に化学療法、放射線治療または癌もしくはリンパ腫の治療としての骨髄移植に起因する血小板減少症の治療におけるTPO療法の効力の予測の基礎が提供された。(Harker、Curr.Opin.Hematol. 6:127-134(1999)を参照のこと)。
TPOをコードしている遺伝子がクローン化され、特徴付けられた。Kuterら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:11104-11108 (1994);Barley ら、Cell 77:1117-1124 (1994);Kaushanskyら、Nature 369:568-571 (1994);Wendlingら、Nature 369:571-574 (1994);およびSauvageら、Nature 369:533-538 (1994)を参照のこと。トロンボポエチンは、見かけ分子量が25kDaと31kDaで、共通のN−末端アミノ酸配列を有する、少なくとも2つの形態の糖蛋白である。例えば、Baatout、Haemostasis 27:1-8(1997);Kaushansky、New Engl.J.Med. 339:746-754(1998)を参照のこと。トロンボポエチンは潜在的なArg−Arg切断部位によって分離される2つの別個の領域を有するようである。アミノ末端領域は、ヒトおよびマウスにおいて高度に保存されており、エリスロポエチンならびにインターフェロン−アルファおよびインターフェロン−ベータといくらかホモロジーを有する。カルボキシ末端領域は、幅広い種の相違を示す。
ヒトTPO受容体(TPO−R;c−mplとしても知られる)のDNA配列およびコード化されるペプチド配列が記載された。(Vigonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5640-5644(1992)を参照のこと)。TPO−Rは、N末端部分における保存されたC残基および膜貫通領域に近接したWSXWSモチーフを含む、細胞外ドメインの共通の構造デザインによって特徴付けられるファミリーであるヘマトポエチン成長因子受容体ファミリーのメンバーである。(Bazan、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6934-6938(1990)を参照のこと)。この受容体が造血作用において機能的役割を果たす証拠として、その発現がマウスにおいて脾臓、骨髄または胎児性肝臓(Souyriら、Cell 63:1137-1147(1990)参照)およびヒトにおいて巨核球、血小板およびCD34細胞(Methiaら、Blood 82:1395-1401(1993)参照)に限定されるという観察が挙げられる。さらに、TPO−Rの巨核球生成の重要なレギュレーターとしての証拠は、CD34細胞のTPO−R RNAに対する合成オリゴヌクレオチドアンチセンスへの曝露が赤血球または脊髄コロニー形成に影響を及ぼすことなく巨核球コロニーの出現を有意に阻害するという事実である。いく人かの研究者は、該受容体がG−CSFおよびエリトロポエチンの受容体を用いる状況と同様にホモダイマーとして機能すると仮定する(Alexanderら、EMBO J. 14:5569-5578(1995)を参照のこと)。
血小板減少症患者における血小板レベルのゆっくりとした回復は深刻な問題であり、血小板再生を促進することのできる血液増殖因子アゴニストの探求に対して緊急性が付与されている(Kuter、Seminars in Hematology、37:Supp 4:41-49(2000)を参照のこと)。
TPO模倣物として作用することによって血小板減少症の治療を可能にする化合物を提供することが望ましい。
本明細書に開示されるように、以外にも、ある種のベンズイミダゾールがTPO受容体のアゴニストとして効果的であり、それらが強力なTPO模倣物であることが見出された。
(発明の要約)
本発明は、式(I):
Figure 2006514951
(I)
[式中:
B環は破線で示される一つの二重結合を有する;ただし、Rと結合した窒素が二重結合を有する場合にはRは存在せず、Rと結合した窒素が二重結合を有する場合にはRは存在しない;
、R、RおよびRは、各々独立して、水素、−(CHOR10、−C(O)OR10、ホルミル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アリール、置換アリール、置換アルキル、−S(O)10、シクロアルキル、−NR1112、保護された−OH、−CONR1112、ホスホン酸、スルホン酸、ホスフィン酸、−SONR1112、式(III):
Figure 2006514951
(III)
で示される複素環式メチレン置換基、および式(VII):
Figure 2006514951
(VII)
で示される置換基から選択され、ここで
pは0−6であり;
nは0−2であり;
WおよびZは、各々独立して、C、O、SおよびNR16から選択され(ここで、R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択される);
VおよびXは、各々独立して、O、SおよびNR16から選択され(ここで、R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択される);
10は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択され;
11およびR12は、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、C3−6シクロアルキルおよびアリールから選択されるか、
またはR11およびR12はそれらの結合する窒素と一緒になって酸素および窒素から選択される1個までの他のヘテロ原子を含有する5ないし6員の飽和環を示し;
Tは存在しないか、またはO、SおよびNR16から選択され(ここで、R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択される);
PはOR10、SR10、NR1112およびR10から選択され(ここで、R10は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択される);
25は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択され;
30は水素、アルキル、ハロゲン、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択され;
45は水素、アルキル、ハロゲン、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択され;
は、それと結合する窒素が二重結合を有する場合には存在しないか、あるいは水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールからなる群より選択され;
は、それと結合する窒素が二重結合を有する場合には存在しないか、あるいは水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールからなる群より選択され;
mは0−6であり;
ARは、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有してもよい、3個ないし16個の炭素原子を含有する単環式または多環式芳香族環である;ただし、炭素原子の数が3である場合、その芳香族環は少なくとも2個のヘテロ原子を含有し、炭素原子の数が4である場合、その芳香族環は少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、アシルオキシ、−NR1314、N−アシルアミノ、N−スルホニルアミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、−C(O)OR10、−C(O)NR1314、−S(O)NR1314、−S(O)10、保護された−OH、ならびにアルコキシ、アシルオキシ、アリール、置換アリール、アミノ、N−アシルアミノ、オキソ、ヒドロキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、−C(O)OR10、−S(O)NR1314、−S(O)10、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲンおよび保護された−OHからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で置換されているアルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく;
nは0ないし2であり;
10は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールからなる群より選択され;
12およびR13は、独立して、水素、シクロアルキル、C−C12アリール、置換シクロアルキル、置換C−C12アリール、アルキル、あるいはアルコキシ、アシルオキシ、アリールオキシ、−NR1010、N−アシルアミノ、オキソ、ヒドロキシ、C(O)OR10、−S(O)10、−C(O)NR1110、−S(O)NR1010、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、C−C12アリール、置換C−C12アリールおよび保護された−OHからなる群より選択され、ここでnおよびR10は上記と同意義である]
で示される化合物あるいはその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物またはエステルに関する。
本発明は、血小板減少症の治療法であって、治療を必要とする対象に式(I)の有効量のTPO模倣化合物を投与することを含む方法に関する。
本発明はまた、式(I)の化合物がTPOレセプターのアゴニストとして活性であるという知見に関する。
本発明のさらなる態様において、本発明のTPO模倣化合物を調製するのに有用な新規な方法および新規な中間体を提供する。
本発明には、医薬担体および本発明の方法において有用な化合物を含んでなる医薬組成物が包含される。
また、本発明のTPO模倣化合物をさらなる活性材料と一緒に投与する方法も包含される。
(発明の詳細な開示)
本発明は上記した式(I)の化合物に関する。
式(II):
Figure 2006514951
(II)
[式中:
、R、RおよびRは、各々独立して、水素、−(CHOR10、−C(O)OR10、ホルミル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アリール、置換アリール、置換アルキル、−S(O)10、シクロアルキル、−NR1112、保護された−OH、−CONR1112、ホスホン酸、スルホン酸、ホスフィン酸、−SONR1112、式(III):
Figure 2006514951
(III)
で示される複素環式メチレン置換基、および式(VII):
Figure 2006514951
(VII)
で示される置換基から選択され、ここで
pは0−6であり;
nは0−2であり;
WおよびZは、各々独立して、C、O、SおよびNR16から選択され(ここで、R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択される);
VおよびXは、各々独立して、O、SおよびNR16から選択され(ここで、R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択される);
10は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択され;
11およびR12は、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、C3−6シクロアルキルおよびアリールから選択されるか、
またはR11およびR12はそれらの結合する窒素と一緒になって酸素および窒素から選択される1個までの他のヘテロ原子を含有する5ないし6員の飽和環を示し;
Tは存在しないか、またはO、SおよびNR16から選択され(ここで、R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択される);
PはOR10、SR10、NR1112およびR10から選択され(ここで、R10は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択される);
25は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択され;
30は水素、アルキル、ハロゲン、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択され;
45は水素、アルキル、ハロゲン、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールから選択され;
mは0−6であり;および
Yは、1ないし3個のヘテロ原子を含有してもよく、アルキル、置換アルキル、C−C12アリール、置換シクロアルキル、置換C−C12アリール、ヒドロキシ、アリールオキシ、アルコキシ、シクロアルキル、ニトロ、シアノ、ハロゲンおよび保護された−OHからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい、炭素数4ないし14の単環または多環式芳香族環を意味する]
で示される化合物あるいはその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物またはエステルは、式(I)で示される本発明の好ましい化合物の中に含まれる。
、R、RおよびRが、各々独立して、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、C−C12アリール、置換C−C12アリール、シクロアルキル、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、ホスフィン酸、式(III):
Figure 2006514951
(III)
で示される置換基、および式(VII):
Figure 2006514951
(VII)
で示される置換基から選択され、
ここで
WおよびZが、各々独立して、C、O、SおよびNR35から選択され(ここで、R35が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたはC−C12アリールから選択される)、
VおよびXが、各々独立して、OまたはSから選択され、
10が水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され、
Tが存在しないか、あるいはO、SまたはNR35から選択され(ここで、R35は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリールまたは置換アルキルから選択される)、
PがOR40、SR40またはR40から選択され(ここで、R40は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリールまたは置換アルキルから選択される)、
25が水素、アルキルまたは置換アルキルから選択され、
30が水素、アルキル、ハロゲンまたは置換アルキルから選択され、および
45が水素、アルキル、ハロゲン、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され;
mが0であり;および
Yがフェニル、ピリジル、チオフェン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、2−イミダゾリンまたは1,3−ジオキソランから選択される(ここで、フェニル、ピリジル、チオフェン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、2−イミダゾリンおよび1,3−ジオキソランは、アルキル、置換アルキル、C−C12アリール、置換C−C12アリール、アルコキシ、ヒドロキシおよびハロゲンからなる群より選択される1個ないし3個の置換基で置換されていてもよい)ところの化合物またはその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物もしくはエステルが、本発明の式(II)で示される化合物の中に含まれる。
本発明の好ましい化合物は:
5−{2−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;
5−{2−[6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;
(E)−3−{2−[6−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル}−2−メチル−アクリル酸;
5−{2−[5−(3,4−ジメチル−フェニル)−チオフェン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;
5−{2−[4−(3,4−ジメチル−フェニル)−チオフェン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;
5−{2−[5−(4−tert−ブチル−フェニル)−フラン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;
5−[2−(4’−tert−ブチル−ビフェニル−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン]−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;または
5−[2−(4’−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−ビフェニル−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン]−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;
あるいはその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物もしくはエステルである。
式(I)の化合物は本発明の医薬組成物に配合され、本発明の方法に用いられる。
本明細書で使用される「保護されたヒドロキシ」または「保護された−OH」なる語は、Theodora W. Greeneの“Protective Groups In Organic Synthesis”、Wiley-Interscience、1981、New Yorkにおいて記載されるような当該分野における慣用的なブロッキング基によって保護され得るアルコール性またはカルボキシル性のOH基を意味する。保護されたヒドロキシ基を含有する化合物はまた、本発明の医薬上活性な化合物の調製における中間体として有用でありうる。
本明細書で使用される「アリール」なる語は、特記しない限り、1〜14個の炭素原子を含有し、1〜5個のヘテロ原子を含有していてもよい(但し、炭素原子数が1の場合、該芳香環は少なくとも4個のヘテロ原子を含有し、炭素原子数が2の場合、該芳香環は少なくとも3個のヘテロ原子を含有し、炭素原子数が3の場合、該芳香環は少なくとも2個のヘテロ原子を含有し、炭素原子数が4の場合、該芳香環は少なくとも1個のヘテロ原子を含有する)単環式または多環式芳香環を意味する。
本明細書で使用される「C−C12アリール」なる語は、特記しない限り、フェニル、ナフタレン、3,4−メチレンジオキシフェニル、ピリジン、ビフェニル、キノリン、ピリミジン、キナゾリン、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、イミダゾールおよびテトラゾールを意味する。
式(I)および(II)の化合物に言及する場合、本明細書にて用いられる「置換」なる語は、特に限定しない限り、対象となる化学的部分が−CO20、アリール、−C(O)NHS(O)20、−NHS(O)20、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−C(O)NR2122、アシルオキシ、アルキル、アミノ、N−アシルアミノ、ヒドロキシ、(CHC(O)OR、S(O)、ニトロ、テトラゾール、シアノ、オキソ、ハロゲン、トリフルオロメチル、保護された−OH、式(III)
Figure 2006514951
(III)
で示される複素環式メチレン置換基および式(VII)
Figure 2006514951
(VII)
で示される置換基からなる群より選択される1またはそれ以上の置換基を有することを意味するものであり、ここでgは0−6であり;Rは水素またはアルキルであり;R20は水素、C−Cアルキル、アリールまたはトリフルオロメチルから選択され;R21およびR22は独立して水素、C−Cアルキル、アリールまたはトリフルオロメチルから選択され;V、W、XおよびZは、各々独立して、O、SまたはNR16から選択され(R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択される);R10は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され;R25およびR30は独立して水素、アルキル、ハロゲン、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され;R45は水素、アルキル、ハロゲン、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され;そしてnは0−2である。
本明細書で使用される「アルコキシ」なる語は、−OCHおよび−OC(CHCHを含む−Oアルキル(ここに、アルキルは上記したとおりである)を意味する。
本明細書で使用される「シクロアルキル」なる語は、特記しない限り、非芳香族性の不飽和または飽和単環式または多環式C−C12を意味する。
本明細書で使用されるシクロアルキルおよび置換シクロアルキル置換基の例は、シクロヘキシル、4−ヒドロキシ−シクロヘキシル、2−エチルシクロヘキシル、プロピル4−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシシクロヘキシル、4−カルボキシシクロヘキシルおよびシクロペンチルを包含する。
本明細書で使用される「アシルオキシ」なる語は、−OC(O)アルキル(ここに、アルキルは上記したとおりである)を意味する。本明細書で使用されるアシルオキシ置換基の例は、−OC(O)CH、−OC(O)CH(CHおよび−OC(O)(CHCHを包含する。
本明細書で使用される「N−アシルアミノ」なる語は、−N(H)C(O)アルキル(ここに、アルキルは上記したとおりである)を意味する。本明細書で使用されるN−アシルアミノ置換基の例は、−N(H)C(O)CH、−N(H)C(O)CH(CHおよび−N(H)C(O)(CHCHを包含する。
本明細書で使用される「アリールオキシ」なる語は−Oアリールを意味し、ここにアリールは、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル、アシルオキシ、アミノ、N−アシルアミノ、ヒドロキシ、(CHC(O)OR、−S(O)、ニトロ、シアノ、ハロゲンおよび保護された−OHからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい、フェニル、ナフチル、3,4−メチレンジオキシフェニル、ピリジルまたはビフェニルであり、gは0−6であり、Rは水素またはアルキルであり、nは0−2である。本明細書で使用されるアリールオキシ置換基として、例えば、フェノキシ、4−フルオロフェニルオキシおよびビフェニルオキシが挙げられる。
本明細書で使用される「ヘテロ原子」なる語は、酸素、窒素または硫黄を意味する。
本明細書で使用される「ハロゲン」なる語は、ブロミド、ヨーダイド、クロリドおよびフルオリドから選択される置換基を意味する。
本明細書で使用される「アルキル」なる語およびその派生語は直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和炭化水素鎖を意味し、特記しない限り、その炭素鎖は1ないし12個の炭素原子を含有するであろう。本明細書で使用されるアルキル置換基の例は、−CH、−CH−CH、−CH−CH−CH、−CH(CH、−C(CH、−(CH−CH、−CH−CH(CH、−CH(CH)−CH−CH、−CH=CHおよび−C≡C−CHを包含する。
本明細書で使用される「治療」なる語およびその派生語は、予防または治療的療法を意味する。
限定するものではないが、特許および特許出願を包含する本明細書中に引用した全ての出版物は出典明示により本明細書の一部とされる。
式(I)の化合物は本発明の医薬組成物に配合され、本発明の方法において使用される。−COOHまたは−OH基が存在する場合、医薬上許容されるエステル、例えば、−COOHの場合、メチル、エチル、ピバロイルオキシメチルなど、および−OHの場合、酢酸エステル、マレイン酸エステルなど、および徐放性またはプロドラッグ処方として有用な溶解性または加水分解性特徴を修飾するために当該分野にて既知のエステルを用いることができる。
式IおよびIIの新規な化合物は以下のスキームIないしIIIに示される方法と同様の方法により製造される。出発物質はすべて市販されているか、または当業者であれば市販の出発物質から容易に製造することができる。
Figure 2006514951
(a)BHTHF、THF、0℃ないし室温;(b)デス−マーチンペルヨージナン、ピリジン、CHCl;(c)ローダニン、ピペリジン、EtOH、還流;(d)KCO、EtOH、還流;(e)SnCl、濃HCl、100℃;(f)6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒド、NaHSO、HO、EtOH、60℃
式(I)および(II)の化合物はスキームIに示された方法と同様の方法にて調製することができる。1−スキームIなどの適宜官能基導入された安息香酸を、テトラヒドロフランなどの適当な溶媒中、ボラン−THF複合体または水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ジイソブチルアルミニウムなどの強力な水素化ドナー試薬で還元する。ついで、得られたアルコール2−スキームIを、ジクロロメタン中のデス−マーチンペルヨージナンあるいはクロロクロム酸ピリジニウムまたは三酸化クロム−ピリジン複合体などの別の適当な酸化剤で酸化することで、対応するアルデヒド3−スキームIに変換する。つづいて、3−スキームIを、ピペリジンなどの適当なアミン塩基の触媒量での存在下、ローダニンなどの活性なメチレン化合物を用いてクノエベナゲル(Knoevenagel)縮合[Knovenagel、Chemische Berichte 29:172(1896)]に付し、4−スキームIなどのオレフィンを得る。炭酸カリウムをエタノール中にて還流温度で用いる塩基性条件下、または還流温度での水性塩酸のような酸性条件下のいずれかでN−アセチル保護基の除去を行い、5−スキームIなどの対応するニトロアニリンを得る。塩酸中の塩化スズ(II)などの還元金属を用いるか、または酸化白金などの適当な触媒での接触水素添加に付してそのニトロ基を還元し、所望のジアニリン6−スキームIを得る。後者の7−スキームIなどの式(I)の化合物への変換は、エタノール中の水性亜硫酸水素ナトリウムまたは1,4−ベンゾキノンなどの適当な芳香族化剤の存在下で、6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒドなどの適当なビアリールアルデヒドを用いて環縮合に付すか、またはギ酸、塩酸またはポリリン酸のいずれかの中で加熱しながら適当なビアリールカルボン酸と縮合させて達成される。
Figure 2006514951
(a)(カルボエトキシエチリデン)トリフェニルホスホラン、CHCl、室温;(b)KCO、EtOH、還流;(c)H(g)、PtO、EtOAc、室温;(d)6−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒド、NaHSO、HO、EtOH、60℃;(e)NaOH、HO、MeOH、50℃
別法として、式(I)の化合物はスキームIIに示されるように調製することができる。1−スキームIIなどの適当なアルデヒドを、ホルナー−ウォズワース−エモンス(Horner-Wadsworth-Emmons)反応、あるいは好ましくは(カルボエトキシエチリデン)トリフェニルホスホランなどの適当なホスホランとの塩不含ウィッチヒ(Wittig)反応に付してオレフィン化に付し、対応するオレフィン、2−スキームIIを得る。炭酸カリウムをエタノール中にて還流温度で用いる塩基性条件下、または還流温度での水性塩酸のような酸性条件下のいずれかでN−アセチル保護基の除去を行い、3−スキームIIなどの対応するニトロアニリンを得る。ついで、酸化白金などの適当な触媒での接触水素添加に付してそのニトロ基を還元し、4−スキームIIなどのジアニリンを得る。後者の5−スキームIIで示される式(I)または(II)の化合物への変換は、エタノール中にて加熱しながら、水性亜硫酸水素ナトリウムまたは1,4−ベンゾキノンなどの適当な芳香族化剤の存在下で、6−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒドなどの適当なビアリールアルデヒドを用いて環縮合に付して達成される。ついで、酸性条件、または好ましくは水性メタノール中の水酸化ナトリウムなどの水性塩基を用いる塩基性条件下での5−スキームIIのエステル部分の鹸化は、6−スキームIIなどの式(I)または(II)の化合物をもたらす。
Figure 2006514951
(a)3,4−フェニルボロン酸、Pd(PPh、NaCO、ジオキサン、水
スキームIVはスキームI−IIにて用いられるビアリールアルデヒドの形成を概説する。適宜官能基導入されたハロゲン化アリールを、水性1,4−ジオキサンまたはジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒中、触媒、好ましくはテトラキストリフェニルホスフィノパラジウム、および炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基の存在下で、適当なアリールボロン酸、例えば、3,4−ジメチルボロン酸と反応させて2−スキームIIIなどの置換アリール化合物を得る。
本発明の式(I)の化合物を調製するにおいて、以下の新規な中間体:
N−[2−ニトロ−4−(4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−5−イリデンメチル)−フェニル]−アセトアミド;
5−(4−アミノ−3−ニトロ−ベンジリデン)−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン;
5−(3,4−ジアミノ−ベンジリデン)−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン;
(E)−3−(4−アセチルアミノ−3−ニトロ−フェニル)−2−メチル−アクリル酸エチルエステル;
(E)−3−(4−アミノ−3−ニトロ−フェニル)−2−メチル−アクリル酸エチルエステル;
(E)−3−(3,4−ジアミノ−フェニル)−2−メチル−アクリル酸エチルエステル;
6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒド;
6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒド;
6−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒド;
4’−tert−ブチル−2−メトキシ−ビフェニル−3−カルボアルデヒド;および
4’−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−ビフェニル−3−カルボアルデヒド
が調製される。
本明細書に記載の血小板減少症の治療は、血小板の生成を強化することが成し遂げられる。
明細書で使用される「共に投与する」なる語およびその派生語は、本明細書に記載のTPO模倣化合物、および化学療法誘発の血小板減少症および骨髄移植を含む血小板減少症および血小板産生が抑制された他の状態を治療することが知られているさらなる活性成分(複数でも可)の同時投与または別個の一連の投与のいずれかの方法を意味する。本明細書で用いられる「さらなる活性成分」なる語はTPOまたはTPO模倣物と投与した場合に有害な特性を示さないことが知られている、あるいは有害な特性を示さないいずれの化合物または治療薬をも意味する。好ましくは、投与が同時でない場合、化合物は互いに近接した時間間隔で投与される。さらに、化合物が同じ投与系において投与されるか否かは問題ではなく、例えば、一の化合物を局所投与し、別の化合物を経口投与してもよい。
本発明のTPO模倣化合物と組み合わせて用いられるさらなる活性成分(複数でも可)として、例えば、化学的予防薬または骨髄保護剤、例えば、G−CSF、BB10010(Clemonsら、Breast Cancer Res. Treatment、1999、57、127)、アミホスチン(エチオール)(Fetscherら、Current Opinion in Hemat.、2000、7、255−60)、SCF、IL−11、MCP−4、IL−1−ベータ、AcSDKP(Gaudronら、Stem Cells,1999、17、100−6)、TNF−a、TGF−b、MIP−1a(Eggerら、Bone Marrow Transpl.、1998、22(Suppl. 2)、34−35)および抗アポトーシス特性、生存特性または増殖特性を有すると同定される他の分子が挙げられるが、これに限定されるものではない。
TPOは幹細胞の末梢血への動員剤として作用することが明らかにされた(Neumann T. A.ら、Cytokines, Cell. & Mol. Ther.、2000、6、47−56)。この活性はG−CSFなどの幹細胞の動員剤でシナジー作用に付される(Somoloら、Blood、1999、93、2798−2806)。かくして、本発明のTPO模倣化合物は、骨髄切除の化学療法を受ける患者が造血幹細胞移植のために白血球フェレーシス受ける前に、ドナーにおいて循環中の幹細胞の数を増加させるのに有用である。
同様に、TPOは骨髄細胞の増殖、特に顆粒球/マクロファージ連鎖の増殖を刺激する(Hollyら、米国特許第5989537号)。顆粒球/マクロファージの前駆細胞は好中球、単球、好塩基球および好酸球として成熟している骨髄連鎖の細胞である。かくして、本発明にて記載される化合物は好中球減少症の患者にて好中球の増殖を刺激することにおいて治療的有用性を有する。
加えて、本発明のTPO模倣化合物と組み合わせて用いられるさらなる活性成分(複数でも可)として、例えば、幹細胞、巨核球、好中球動員剤、例えば、化学療法剤(すなわち、サイトキサン、エトポシド、シスプラチン(Ballestrero A.ら、Oncology、2000、59、7−13)、ケモカイン、IL−8、Gro−ベータ(King、A. G.ら、J. Immun.、2000、164、3774−82)、受容体アゴニストまたはアンタゴニスト抗体、小分子サイトカインまたは受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、SCF、Flt3リガンド、接着分子阻害剤または抗体、例えば、抗−VLA−4(Kikuta T.ら、Exp. Hemat.、2000、28、311−7)または抗−CD44(Vermeulen Mら、Blood、1998、92、894−900)、サイトカイン/ケモカイン/インターロイキンまたは受容体アゴニストまたはアンタゴニスト抗体、MCP−4(Berkhout TA.ら、J. Biol. Chem.、1997、272、16404−16413;Uguccioni M.ら、J. Exp. Med.、1996、183、2379−2384)が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の医薬上活性な化合物はTPO模倣物として活性であるため、血小板減少症および血小板生成の抑制を伴う他の状態の治療にて治療的有用性を示す。
本明細書で使用される「血小板減少症」なる語は、血小板の数が正常または個々の健康のために望ましいと考えられる数値より低い状態として広く解釈される状態をいう。血小板減少症は、放射線療法、化学療法、免疫療法、免疫血小板減少症紫斑病(ITP、Bussel J. B.、Seminars in Hematology、2000、37、Suppl 1、1−49)、骨髄異形成症候群(MDS)、再生不良性貧血、AML、CML、ウイルス感染(HIV、C型肝炎ウイルス、パルボウイルスを含むが、これに限定されない)肝疾患、骨髄機能廃絶、骨髄移植、幹細胞移植、末梢血幹細胞移植、前駆細胞異常、幹細胞および前駆細胞における多型性、TPOにおける異常、好中球減少症(Sawai, N.、J. Leukocyte Biol.、2000、68、137−43)、樹枝状細胞動員(Kuter D. 、J. Seminars in Hematology、2000、37、Suppl 4、41−49)、増殖、活性化または分化を含む、多数の病因を有することが知られているが、これに限定されない。本発明の医薬上活性な化合物は血小板減少症を発症する因子(複数でも可)と関係なく、該症状を治療するのに有用である。本発明の医薬上活性な化合物はまた、その病因(複数でも可)が未知である、あるいは未だ同定されていない場合の、血小板減少症を治療するのに有用である。
本発明の化合物の予防的使用は、血液または血小板の減少が予想される場合は常に想定されるものである。本発明の化合物の予防的使用は血液または血小板の喪失が予想される前に血小板の形成または血小板形成の開始をもたらす。本発明の化合物の予防的使用は、移植手術、手術、出産前の麻酔および腸の保護を含むが、これに限定されない。
ヒト樹枝状細胞はTPO受容体(Kumamotoら、Br. J. Haem、1999、105、1025−1033)を発現することが解っており、TPOは樹枝状細胞の強力な動員剤である。本発明のTPO模倣化合物はまた、樹枝状細胞の活性および動員を亢進するワクチンアジュバントとして有用である。本発明の医薬上活性な化合物は、経口的に、経皮的にまたは皮下的にデリバリーされるワクチンおよび/または免疫調整剤と組み合わせて投与した場合に、樹枝状細胞の活性および動員を増加させることで、免疫学的アジュバントとして有用である。
TPOは、巨核球、血小板および幹細胞に対する抗アポトーシス/生存作用、および幹細胞および巨核球に対する増殖作用を含む種々の効果を有することが知られている(Kuter D. J.、Seminars in Hematology、2000、37、41−9)。これらのTPO活性は幹細胞および前駆細胞の数を選択的に増加させ、そのためTPOを分化を誘発する他のサイトカインと組み合わせて用いるとシナジー効果がある。
本発明のTPO模倣化合物はまた、細胞を生存または増殖させるように作用することが知られている他の物質と一緒に作用して細胞を生存または増殖させるのに有用である。かかる他の物質として、G−CSF、GM−CSF、TPO、M−CSF、EPO、Gro−ベータ、IL−11、SCF、FLT3リガンド、LIF、IL−3、IL−6、IL−1、プロゲニポエチン、NESP、SD−01またはIL−5、あるいは上記した物質のいずれかの生物学的に活性な誘導体、KT6352(Shiotsu Y.ら、Exp. Hemat. 1998、26、1195−1201)、ウテロフェリン(Laurenz JC.ら、Comp. Biochem. & Phys.、Part A. Physiology.、1997、116、369−77)、FK23(Hasegawa T.ら、Int. J. Immunopharm.、1996、18 103−112)および幹細胞、前駆細胞またはTPO受容体を発現する他の細胞について抗−アポトーシス、生存または増殖特性有すると同定されている他の分子が挙げられるが、これに限定されるものではない。
TPO模倣物としての効能を測定するにおいて、以下のアッセイを利用する:
増殖アッセイ
ヒトTpo−RでトランスフェクトされたネズミBaF3細胞系を用いるインビトロ増殖アッセイにて本発明の化合物のTPOの模倣物としての効能を試験した。生存および増殖はTPOの存在に依存する。
ヒトUT7TPO細胞系を用いるインビトロ増殖アッセイにて本発明の化合物のTPOの模倣物としての効能を試験した。UT7TPO細胞はTpo−Rを発現するヒト巨核芽球細胞系であり、その生存および増殖はTPOの存在に依存する(Komatsuら、Blood、1996、87、4552)。
分化アッセイ
同様に、ヒト骨髄細胞の巨核球成熟アッセイにて本発明の化合物のTPOの模倣物としての活性についても試験する。このアッセイにて、精製したヒトCD34+前駆細胞を試験化合物を含む液体培地中で10日間インキュベートし、トランスメンブラン糖蛋白CD41(gpIIb)を発現する細胞、巨核球マーカーの数をフローサイトメトリーで測定する(Cwirla, S.E.ら、Science、1997、276、1696)。
本発明の範囲内にある好ましい化合物のいくつかは、上記したアッセイのBaF3細胞の増殖にて、1.5ないし6μMの濃度で対照の約20%ないし110%の活性化を示した。
本発明の範囲内にある、5−{2−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オンは、上記のアッセイにおけるBaF3細胞の増殖にて2μMの濃度で対照(対照はTPOに対する最大応答である)の約20%の活性化を示した。本発明の範囲内にある医薬上活性な化合物は、それを必要とする哺乳動物、特にヒトにおけるTPO模倣物として有用である。
したがって、本発明は血小板減少症および血小板生成が抑制されている他の症状の治療方法であって、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物またはエステルを有効量にて投与し、血小板の生成を強化する方法を提供する。式(I)の化合物は、また、TPO模倣物として作用するその能力が明らかにされたため、上記の病態を治療する方法を提供する。薬剤は、限定するものではないが、静脈内、筋内、経口、皮下、皮内、および非経口を含む、いずれの慣用的な投与経路によっても、それを必要とする患者に投与することができる。
本発明の医薬上活性な化合物は、カプセル、錠剤、または注射可能製剤のような都合のよい投与形中に配合される。固体または液体医薬担体を用いる。固体担体は、澱粉、ラクトース、硫酸カルシウム二水和物、白土、シュークロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸を包含する;液体担体は、シロップ、落花生油、オリーブ油、セイラインおよび水を包含する。同様に、担体または希釈剤は、単独またはワックスを伴ういずれかの長時間放出性の材料、例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを包含しうる。固体担体の量は幅広く変化するが、好ましくは、投与単位あたり約25mg〜約1gであろう。液体担体を使用する場合、調製物はシロップ、エリキシル、エマルジョン、ソフトゼラチンカプセル、アンプルのような滅菌注射用液体、水性または非水性液体懸濁液の形態であろう。
医薬調製物は、錠剤形の場合に必要ならば、材料を混合、造粒、圧縮を含む製薬化学の分野における慣用的な技法にしたがって、製造されるか、または適宜、材料を混合、充填および溶解して所望の経口または非経口用製品を得ることを含む技法にしたがって製造される。
上記のような医薬投与単位における本発明の医薬上活性な化合物の投与量は、好ましくは、0.001〜100mg/kgの範囲、好ましくは0.001〜50mg/kgの活性化合物から選択される効力があって無毒な量である。TPO模倣物を必要とするヒト患者を治療する場合、選択される投与量は、好ましくは1日に1〜6回、経口または非経口的に投与される。非経口投与の好ましい形態は、局所的、直腸的、経皮的、注射による、および点滴による連続的な投与を包含する。ヒト投与のための経口投与単位は、好ましくは、0.05〜3500mgの活性化合物を含有する。より低投与量の経口投与が好ましい。しかしながら、患者に安全で都合のよい場合、高投与量の非経口投与もまた用いることができる。
投与すべき最適の投与量は当業者であれば容易に決定でき、使用する個々のTPO模倣物、調製物の強度、投与様式および病態の進行によって変化するであろう。患者の年齢、体重、食餌および投与回数を含む、治療されるべき個々の患者に依存する付加的な因子は、投与量を調整する必要性を生じさせるであろう。
ヒトを含む哺乳動物におけるTPO模倣活性を包含する本発明の方法は、かかる活性を必要とする対象に有効なTPO模倣の量の本発明の医薬上活性な化合物を投与することを含む。
本発明はまた、TPO模倣物として有用な医薬の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。
本発明はまた、治療において有用な医薬の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。
本発明はまた、血小板生成を強化するのに有用な医薬の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。
本発明はまた、血小板減少症の治療に有用な医薬の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。
本発明はまた、式(I)の化合物および医薬上許容される担体を含む、TPO模倣物として有用な医薬組成物を提供する。
本発明はまた、式(I)の化合物および医薬上許容される担体を含む、血小板減少症の治療に有用な医薬組成物を提供する。
本発明はまた、式(I)の化合物および医薬上許容される担体を含む、血小板生成を強化するのに有用な医薬組成物を提供する。
本発明の化合物を本発明にしたがって投与する場合、許容できない毒物学的効果は予想されない。
加えて、本発明の医薬上活性な化合物は、化学療法誘発の血小板減少症および骨髄移植を含む、血小板減少症、ならびに血小板生成が抑制された他の症状を治療することが知られている他の化合物、またはTPO模倣物と組み合わせて使用される場合に有用であることが知られている他の化合物などのさらなる活性成分と共に投与することができる。
予想される均等物
式IおよびIIの化合物がまた、互変異性体の形態で存在することは当業者であれば予想するであろう。例えば、式IIにおいて、イミダゾール環の窒素原子と2位の間に描かれている二重結合は、イミダゾール環の2位と該環の別の窒素原子の間に存在する。式IおよびIIの化合物の互変異性体の形態は以下の式(VI):
Figure 2006514951
(VI)
[式中、各R、mおよびY基は上記と同じである]
で例示される。かかる化合物はすべて本発明の範囲内に含まれ、本質的に式IおよびIIの化合物の範囲内に含まれる。
当業者であれば、さらに工夫することなく、これまでの記載に従って、本発明を最大限利用することができる、と考える。従って、以下の実施例は単なる例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない、と解釈すべきである。
実験的記載
実施例1
5−{2−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オンの調製
a)N−[2−ニトロ−4−(4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−5−イリデンメチル)−フェニル]−アセトアミド
N−(4−ホルミル−2−ニトロ−フェニル)−アセトアミド(Tanakaら、Chem. Pharm. Bull. 1994、42、560;200mg、0.961ミリモル)およびローダニン(rhodanine)(141mg、1.06ミリモル)の外界温度での無水エタノール(10mL)中攪拌懸濁液に、ピペリジン(10μL、0.096ミリモル)を添加した。反応混合物を加熱還流して一夜攪拌させ、その際に外界温度にまで冷却して濾過した。濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄し、真空下、50℃で乾燥させて293mg(94%収率)の橙色固体を得た。H NMR[400MHz、(CHSO]δ 10.40(s,1H)、8.24(brs,1H)、8.03(d,J=2.0Hz,1H)、7.78(dd,J=8.6、2.0Hz,1H)、7.70(d,J=8.6Hz,1H)、7.18(s,1H)、2.08(s,3H)。
b)5−(4−アミノ−3−ニトロ−ベンジリデン)−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン
実施例1(a)の化合物(190mg、0.588ミリモル)の外界温度での無水エタノール(11mL)中攪拌懸濁液に、炭酸カリウム(408mg、2.95ミリモル)を添加した。反応混合物を2.5時間加熱還流させ、その際に該反応物を冷却して濾過した。減圧下で溶媒を除去し、得られた暗赤色残渣を水(10mL)に懸濁させて濾過した。濾過ケーキを水(5mL)で洗浄し、減圧下、50℃で乾燥させて152mg(92%)のレンガ色固体を得た。H NMR[400MHz、(CHSO]δ 8.09(d,J=1.8Hz,1H)、7.75(brs,2H)、7.56(brdd,J=8.6、2.0Hz,1H)、7.06(d,J=8.8Hz,1H)、7.04(s,1H)。
c)5−(3,4−ジアミノ−ベンジリデン)−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン
実施例1(b)の化合物(38.3mg、0.136ミリモル)の濃塩酸(3mL)中攪拌懸濁液に、塩化スズ(II)(77.4mg、0.408ミリモル)を添加した。ついで、反応混合物を100℃で2.5時間の間攪拌し、その際に外界温度にまで冷却して濾過した。濾過ケーキを冷水(3mL)で洗浄し、減圧下、50℃で乾燥させて33mgの淡橙色固体を得た。H NMR[400MHz、(CHSO]δ 7.48(s,1H)、7.39−7.34(m,2H)、6.92(d,J=8.10Hz,1H)。
d)6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒド
6−ブロモ−ピリジン−2−カルボアルデヒド(Caiら、Tetrahedron Lett. 1996、37、2537の操作に従って調製される;200mg、1.08ミリモル)の外界温度での1,4−ジオキサン(8mL)中攪拌溶液に、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム(16.2mg、13.8マイクロモル)を添加した。後者の化合物が完全に溶解した後(3分)、3,4−ジクロロフェニルボロン酸(191.4mg、1.08ミリモル)を一度に添加し、つづいて水性炭酸ナトリウム(2M、1.08mL、2.16ミリモル)を添加し、得られた混合物を還流温度で一夜加熱した。外界温度に冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣をシリカゲル上の勾配フラッシュクロマトグラフィー(1:1 ジクロロメタン/ヘキサン→4:1 ジクロロメタン/ヘキサン)に付して精製し、生成物(228mg、84%収率)を白色結晶固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 10.16(s,1H)、8.24(d,J=2.1Hz,1H)、8.00−7.92(複雑なm,4H)、7.59(d,J=8.3Hz,1H)。
e)5−{2−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン
実施例1(c)の化合物(16mg、63.7マイクロモル)の60℃での無水エタノール(2mL)中攪拌溶液に、水(0.3mL)を、つづいて亜硫酸水素ナトリウム(30mg)を添加した。該深紅色溶液を5分間攪拌し、その際に実施例1(d)の化合物の無水エタノール(2.5mL)中溶液を15分間にわたって滴下した。得られた混合物を60℃で3時間攪拌し、外界温度にまで冷却し、ついで濾過した。濾過ケーキを水(2mL)で、ついでジエチルエーテル(5mL)で洗浄し、減圧下、50℃で乾燥させて生成物(26.8mg、87%収率)を淡橙色固体として得た。MS(ES+) m/z 483.2(M+H)
実施例2
5−{2−[6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オンの調製
a)6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒド
標記化合物を、3,4−ジクロロフェニルボロン酸の代わりに3,4−ジメチルフェニルボロン酸を用いることを除き、実施例1(d)の化合物の調製と同様の方法にて調製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ 10.17(s,1H)、7.94−7.85(複雑なm,4H)、7.80(dd,J=7.8、1.5Hz,1H)、7.27(d,J=7.8Hz,1H)、2.37(s,3H)、2.34(s,3H)。
b)5−{2−[6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン
標記化合物を、実施例1(d)の化合物の代わりに実施例2(a)の化合物を用いることを除き、実施例1(e)の化合物の調製と同様の方法にて調製した。MS(ES+) m/z 443.2(M+H)
実施例3
(E)−3−{2−[6−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル}−2−メチル−アクリル酸の調製
a)(E)−3−(4−アセチルアミノ−3−ニトロ−フェニル)−2−メチル−アクリル酸エチルエステル
N−(4−ホルミル−2−ニトロ−フェニル)−アセトアミド(406mg、1.95ミリモル)の外界温度でのジクロロメタン(17mL)中溶液に、(カルボエトキシエチリデン)トリフェニルホスホラン(919mg、2.54ミリモル)のジクロロメタン(17mL)中溶液を15分間にわたって滴下した。反応混合物を外界温度で一夜攪拌し、ついで減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(40:1 ジクロロメタン/メタノール)に付して精製し、標記化合物(560mg、98%収率)を淡黄色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 10.37(s,1H)、8.82(d,J=9.1Hz,1H)、8.26(d,J=1.8Hz,1H)、7.68(dd,J=8.8、2.0Hz,1H)、7.60(s,1H)、4.28(q,7.1Hz,2H)、2.31(s,3H)、2.13(d,J=1.3Hz,3H)、1.35(t,J=7.1Hz,3H)。
b)(E)−3−(4−アミノ−3−ニトロ−フェニル)−2−メチル−アクリル酸エチルエステル
実施例3(a)の化合物(543mg、1.86ミリモル)の無水エタノール(20mL)中溶液に、炭酸カリウム(514mg、3.72ミリモル)を添加した。得られた混合物を還流感度で1時間攪拌し、その際に外界温度にまで冷却し、濾過して減圧下で濃縮した。残渣を水(50mL)に溶かし、得られた溶液を濃塩酸でpH4の酸性にし、ジクロロメタン(3x50mL)で抽出した。合した有機抽出液をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して標記化合物(421mg、91%収率)を橙色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 8.23(d,J=1.8Hz,1H)、7.54(s,1H)、7.45(dd,J=8.6、2.0Hz,1H)、6.84(d,J=8.6Hz,1H)、6.25(brs,2H)、4.26(q,7.3Hz,2H)、2.14(d,J=1.5Hz,3H)、1.34(t,J=7.1Hz,3H)。
c)(E)−3−(3,4−ジアミノ−フェニル)−2−メチル−アクリル酸エチルエステル
実施例3(b)の化合物(121.6mg、4.86ミリモル)の酢酸エチル(10mL)中溶液を外界温度および外界圧で酸化パラジウム(IV)触媒を用いて水素添加した。該反応の過程をTLCで10分毎にモニター観察した;出発物質が40分で完全に消化された。水素を通気し、濾過で触媒を除去した。濾液を減圧下で濃縮し、標記化合物(108mg、定収率)を桃色油として得、それをさらに精製することなく次工程に用いた。H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.56(s,1H)、6.86(dd,J=8.1、1.8Hz,1H)、6.83(d,J=1.8Hz,1H)、6.70(d,J=8.1Hz,1H)、4.24(q,J=7.1Hz,1H)、3.57(brs,2H)、3.38(brs,2H)、2.13(d,J=1.2Hz,3H)、1.33(t,J=7.1Hz,3H)。
d)6−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒド
標記化合物を、3,4−ジクロロフェニルボロン酸の代わりに4−tert−ブチルフェニルボロン酸を用いる以外、実施例1(d)の化合物の調製と同様の方法にて調製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ 10.16(s,1H)、8.02(明瞭なd,J=8.6Hz,2H)、7.96−7.86(一連のm,3H)、7.55(明瞭なd,J=8.6Hz,2H)、1.38(s,9H)。
e)(E)−3−{2−[6−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル}−2−メチル−アクリル酸エチルエステル
標記化合物を、実施例1(c)の化合物の代わりに実施例3(c)の化合物を、実施例1(d)の化合物の代わりに実施例3(d)の化合物を用いる以外、実施例1(e)の化合物の調製と同様の方法にて調製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ 10.76(brs,1H)、8.34(dd,J=7.8、0.8Hz,1H)、8.02(d,J=2.3Hz,1H)、8.00(d,J=2.3Hz,1H)、7.96−7.82(一連のm、3H)、7.78(dd,J=8.1、0.8Hz,1H)、7.61−7.50(m,3H)、7.36(d,J=8.3Hz,1H)、4.30(q,J=7.1Hz,2H)、2.21(dd,J=4.3、1.3Hz,3H)、1.39−1.37(m,12H)。
f)(E)−3−{2−[6−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル}−2−メチル−アクリル酸
実施例3(e)の化合物(30mg、68.2マイクロモル)のメタノール(2mL)中溶液に、水性水酸化カリウム(2M、0.34mL、0.680ミリモル)を添加し、得られた混合物を50℃で24時間攪拌した。ついで、該反応混合物を6N水性塩酸で中和し、減圧下で濃縮し、シリカゲル上の勾配フラッシュクロマトグラフィー(30:1→10:1 ジクロロメタン/メタノール)に付して精製し、生成物(25mg、89%収率)をガラス状固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 8.23(明瞭なd,J=8.4Hz,2H)、8.19(dd,J=6.8、2.0Hz,1H)、8.01−7.94(m,2H)、7.86(s,1H)、7.79(s,1H)、7.71(d,J=8.6Hz,1H)、7.57(明瞭なd,J=8.6Hz,2H)、7.40(dd,J=8.4、1.2Hz,1H)、2.20(d,J=1.6Hz,3H)、1.39(s,9H)。
実施例4
5−{2−[5−(3,4−ジメチル−フェニル)−チオフェン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オンの調製
標記化合物を、実施例1(d)の化合物の代わりに5−(3,4−ジメチル−フェニル)−チオフェン−2−カルボアルデヒド(WO139773の記載に従って調製される)を用いることを除き、実施例1(e)の化合物の調製と同様の方法にて調製した。H NMR[400MHz、(CDSO]δ 13.28(brs,1H)、7.86(brs,1H)、7.77−7.61(m,3H)、7.58(d,J=3.8Hz,1H)、7.54(brs,1H)、7.50−7.39(m,2H)、2.29(s,3H)、2.26(s,3H)。
実施例5
5−{2−[4−(3,4−ジメチル−フェニル)−チオフェン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オンの調製
標記化合物を、実施例1(d)の化合物の代わりに4−(3,4−ジメチル−フェニル)−チオフェン−2−カルボアルデヒド(WO139773のの記載に従って調製される)を用いることを除き、実施例1(e)の化合物の調製と同様の方法にて調製した。H NMR[400MHz、(CDSO]δ 13.31(brs,1H)、8.30(brs,1H)、8.03(s,1H)、7.90−7.63(m,3H)、7.53(brs,1H)、7.51−7.38(m,2H)、7.24(d,J=7.8Hz,1H)、2.30(s,3H)、2.26(s,3H)。
実施例6
5−{2−[5−(4−tert−ブチル−フェニル)−フラン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オンの調製
標記化合物を、実施例1(d)の化合物の代わりに5−(4−tert−ブチル−フェニル)−フラン−2−カルボアルデヒド(WO139773の記載に従って調製される)を用いることを除き、実施例1(e)の化合物の調製と同様の方法にて調製した。H NMR[400MHz、(CDSO]δ 7.89(複雑なm,4H)、7.75(d,J=8.3Hz,1H)、7.53(明瞭なd,J=8.8Hz,2H)、7.49(dd,J=8.6. 1.5Hz,1H)、7.39(d,J=3.8Hz,1H)、7.18(d,J=3.8Hz,1H)、1.33(s,9H)。
実施例7
5−[2−(4’−tert−ブチル−ビフェニル−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン]−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オンの調製
標記化合物を、実施例1(d)の化合物の代わりに4’−tert−ブチル−ビフェニル−3−カルボアルデヒド(WO139773の記載に従って調製される)を用いることを除き、実施例1(e)の化合物の調製と同様の方法にて調製した。H NMR[400MHz、(CDSO]δ 13.34(brs,1H)、8.49(s,1H)、8.19(d,J=8.1Hz,1H)、7.82(brd,J=8.1Hz,2H)、7.77−7.70(複雑なm,4H)、7.75(t,J=7.8Hz,1H)、7.55(明瞭なd,J=8.3Hz,2H)、7.47(brd,J=7.6Hz,1H)、1.35(s,9H)。
実施例8
5−[2−(4’−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−ビフェニル−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン]−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン
a)4’−tert−ブチル−2−メトキシ−ビフェニル−3−カルボアルデヒド
標記化合物を、6−ブロモ−ピリジン−2−カルボアルデヒドの代わりに3−ブロモ−2−メトキシ−ベンズアルデヒド(Aristoffら、Tetrahedron Lett. 1984、25、3955の操作に従って調製される)を用い、3,4−ジクロロフェニルボロン酸の代わりに4−tert−ブチルフェニルボロン酸を用いることを除き、実施例1(d)の化合物の調製と同様の方法にて調製した。H NMR(400MHz、CDCl)δ 10.49(d,J=0.8Hz,1H)、7.83(dd,J=7.8、1.8Hz,1H)、7.60(dd,J=7.6、1.8Hz,1H)、7.54−7.50(m,2H)、7.49−7.45(m,2H)、7.27(dt,J=7.6、0.8Hz,1H)、3.53(s,3H)、1.38(s,9H)。
b)4’−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−ビフェニル−3−カルボアルデヒド
実施例8(a)の化合物(100mg、0.373ミリモル)の0℃でのジクロロメタン(2mL)中溶液に、三塩化ホウ素溶液(1M、1mL、1.00ミリモル)を添加し、得られた混合物をこの温度で3.5時間攪拌した。該反応物を水(2mL)でクエンチし、ジエチルエーテル(3x5mL)で抽出した。合した有機抽出液をMgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ジクロロメタン/ヘキサン)に付し、標記化合物(93mg、98%収率)を無色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 11.55(s,1H)、9.95(s,1H)、7.63(dd,J=7.6、1.8Hz,1H)、7.58−7.52(m,3H)、7.51−7.46(m,2H)、7.10(t,J=7.6Hz,1H)、1.37(s,9H)。
c)5−[2−(4’−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−ビフェニル−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン]−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン
標記化合物を、実施例1(d)の化合物の代わりに実施例8(b)の化合物を用いることを除き、実施例1(e)の化合物の調製と同様の方法にて調製した。H NMR[400MHz、(CDSO]δ 13.66(brs,1H)、13.59(brs,1H)、8.16−7.94(m,2H)、7.94−7.73(m,2H)、7.67−7.46(複雑なm,6H)、7.13(t,J=7.7Hz,1H)、1.34(s,9H)。
実施例9−カプセル組成物
TPO受容体の本発明のアゴニストを投与する経口投与形を、標準的なツーピース型ハードゼラチンカプセルに以下の表Iに示す割合の成分を充填することにより製造する。
Figure 2006514951
実施例10−注射用非経口組成物
TPO受容体の本発明のアゴニストを投与する注射用形態は、水中10容量%のプロピレングリコール中で、1.5重量%の5−{2−[6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン(実施例2の化合物)を攪拌することにより製造される。
実施例11−錠剤組成物
以下の表IIに示されるシュークロース、硫酸カルシウム二水和物およびTPO受容体の本発明のアゴニストを所定の割合にて10%ゼラチン溶液と混合して造粒させた。その湿った顆粒をスクリーンに付し、乾燥させ、澱粉、タルクおよびステアリン酸と混合し;打錠する。
Figure 2006514951
本発明の好ましい実施形態を上記に示すが、本発明は当該明細書に開示されている指示そのものに限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲内にあるあらゆる修飾する権利も留保されている。

Claims (44)

  1. 次式(I):
    Figure 2006514951
    (I)
    [式中:
    B環は破線で示される一つの二重結合を有する;ただし、Rと結合した窒素が二重結合を有する場合にはRは存在せず、Rと結合した窒素が二重結合を有する場合にはRは存在しない;
    、R、RおよびRは、各々独立して、水素、−(CHOR10、−C(O)OR10、ホルミル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アリール、置換アリール、置換アルキル、−S(O)10、シクロアルキル、−NR1112、保護された−OH、−CONR1112、ホスホン酸、スルホン酸、ホスフィン酸、−SONR1112、式(III):
    Figure 2006514951
    (III)
    で示される複素環式メチレン置換基、または式(VII):
    Figure 2006514951
    (VII)
    で示される置換基から選択され、ここで
    pは0−6であり;
    nは0−2であり;
    WおよびZは、各々独立して、C、O、SまたはNR16から選択され(ここで、R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択される);
    VおよびXは、各々独立して、O、SまたはNR16から選択され(ここで、R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択される);
    10は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され;
    11およびR12は、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、C3−6シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、
    またはR11およびR12はそれらの結合する窒素と一緒になって酸素および窒素から選択される1個までの他のヘテロ原子を含有する5ないし6員の飽和環を示し;
    Tは存在しないか、またはO、SもしくはNR16から選択され(ここで、R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択される);
    PはOR10、SR10、NR1112またはR10から選択され(ここで、R10は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択される);
    25は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され;
    30は水素、アルキル、ハロゲン、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され;
    45は水素、アルキル、ハロゲン、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され;
    は、それと結合する窒素が二重結合を有する場合には存在しないか、あるいは水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールからなる群より選択され;
    は、それと結合する窒素が二重結合を有する場合には存在しないか、あるいは水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールからなる群より選択され;
    mは0−6であり;
    ARは、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有してもよい、3個ないし16個の炭素原子を含有する単環式または多環式芳香族環である;ただし、炭素原子の数が3である場合、その芳香族環は少なくとも2個のヘテロ原子を含有し、炭素原子の数が4である場合、その芳香族環は少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、アシルオキシ、−NR1314、N−アシルアミノ、N−スルホニルアミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン、−C(O)OR10、−C(O)NR1314、−S(O)NR1314、−S(O)10、保護された−OH、ならびにアルコキシ、アシルオキシ、アリール、置換アリール、アミノ、N−アシルアミノ、オキソ、ヒドロキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、−C(O)OR10、−S(O)NR1314、−S(O)10、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲンおよび保護された−OHからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で置換されているアルキルからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく;
    nは0ないし2であり;
    10は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルおよび置換C−C12アリールからなる群より選択され;
    12およびR13は、独立して、水素、シクロアルキル、C−C12アリール、置換シクロアルキル、置換C−C12アリール、アルキル、あるいはアルコキシ、アシルオキシ、アリールオキシ、−NR1010、N−アシルアミノ、オキソ、ヒドロキシ、C(O)OR10、−S(O)10、−C(O)NR1110、−S(O)NR1010、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、C−C12アリール、置換C−C12アリールおよび保護された−OHからなる群より選択され、ここでnおよびR10は上記と同意義である]
    で示される化合物あるいはその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物またはエステル。
  2. 次式(II):
    Figure 2006514951
    (II)
    [式中:
    、R、RおよびRは、各々独立して、水素、−(CHOR10、−C(O)OR10、ホルミル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アリール、置換アリール、置換アルキル、−S(O)10、シクロアルキル、−NR1112、保護された−OH、−CONR1112、ホスホン酸、スルホン酸、ホスフィン酸、−SONR1112、式(III):
    Figure 2006514951
    (III)
    で示される複素環式メチレン置換基、または式(VII):
    Figure 2006514951
    (VII)
    で示される置換基から選択され、ここで
    pは0−6であり;
    nは0−2であり;
    WおよびZは、各々独立して、C、O、SおよびNR16から選択され(ここで、R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択される);
    VおよびXは、各々独立して、O、SまたはNR16から選択され(ここで、R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択される);
    10は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され;
    11およびR12は、各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、C3−6シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、
    またはR11およびR12はそれらの結合する窒素と一緒になって酸素および窒素から選択される1個までの他のヘテロ原子を含有する5ないし6員の飽和環を示し;
    Tは存在しないか、またはO、SもしくはNR16から選択され(ここで、R16は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択される);
    PはOR10、SR10、NR1112またはR10から選択され(ここで、R10は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択される);
    25は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され;
    30は水素、アルキル、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され;
    45は水素、アルキル、ハロゲン、シクロアルキル、C−C12アリール、置換アルキル、置換シクロアルキルまたは置換C−C12アリールから選択され;
    mは0−6であり;および
    Yは、1ないし3個のヘテロ原子を含有してもよく、アルキル、置換アルキル、C−C12アリール、置換シクロアルキル、置換C−C12アリール、ヒドロキシ、アリールオキシ、アルコキシ、シクロアルキル、ニトロ、シアノ、ハロゲンおよび保護された−OHからなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい、炭素数4ないし14の単環または多環式芳香族環を意味する]
    で示される化合物あるいはその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物またはエステル。
  3. 5−{2−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;
    5−{2−[6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;
    (E)−3−{2−[6−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル}−2−メチル−アクリル酸;
    5−{2−[5−(3,4−ジメチル−フェニル)−チオフェン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;
    5−{2−[4−(3,4−ジメチル−フェニル)−チオフェン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;
    5−{2−[5−(4−tert−ブチル−フェニル)−フラン−2−イル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン}−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;
    5−[2−(4’−tert−ブチル−ビフェニル−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン]−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;および
    5−[2−(4’−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−ビフェニル−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチレン]−2−チオキソ−チオゾリジン−4−オン;
    から選択される請求項1記載の化合物あるいはそのその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物またはエステル。
  4. その治療を必要とするヒトを含む哺乳動物における血小板減少症の治療法であって、治療上有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物をかかる哺乳動物に投与することを含む方法。
  5. 哺乳動物がヒトである、請求項4記載の方法。
  6. 化合物が請求項3に列挙されている化合物より選択される、請求項5記載の方法。
  7. その強化を必要とするヒトを含む哺乳動物における血小板生成の強化法であって、治療上有効量の請求項1に記載の化合物をかかる哺乳動物に投与することを含む方法。
  8. 哺乳動物がヒトである、請求項7記載の方法。
  9. 化合物が請求項3に列挙されている化合物より選択される、請求項8記載の方法。
  10. 請求項1に記載の化合物および医薬上許容される担体を含む、血小板生成の強化にて用いるための医薬組成物。
  11. 血小板減少症の治療にて用いるための医薬の製造における請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
  12. 化合物を経口投与する、請求項4記載の方法。
  13. 化合物を非経口投与する、請求項4記載の方法。
  14. 請求項1に記載の有効量の式(I)の化合物を投与することを含む、対象におけるTPO受容体を作動させる方法。
  15. 医薬上許容される担体または希釈剤と、請求項1に記載の有効量の式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物またはエステルとを含有する医薬組成物の調製方法であって、式(I)の化合物を医薬上許容される担体または希釈剤と一緒にすることからなる、方法。
  16. さらに、コロニー刺激因子、サイトカイン、ケモカイン、インターロイキンまたはサイトカイン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、可溶性受容体、受容体アゴニストまたはアンタゴニスト抗体あるいは一またはそれ以上の上記物質と同じ機序により作用する小分子またはペプチドからなる群より選択される治療上有効量の物質を一緒に投与することを含む、請求項4記載の方法。
  17. 物質が、G−CSF、GM−CSF、TPO、M−CSF、EPO、Gro−ベータ、IL−11、SCF、FLT3リガンド、LIF、IL−3、IL−6、IL−1、プロゲニポエチン、NESP、SD−01、IL−8またはIL−5あるいは上記した物質の生物学的に活性な誘導体からなる群より選択される、請求項16記載の方法。
  18. さらに、コロニー刺激因子、サイトカイン、ケモカイン、インターロイキンまたはサイトカイン受容体アゴニストからなる群より選択され、かつ共同して投与される、治療上有効量の物質を含む、請求項10記載の医薬組成物。
  19. 物質が、G−CSF、GM−CSF、TPO、M−CSF、EPO、Gro−ベータ、IL−11、SCF、FLT3リガンド、LIF、IL−3、IL−6、IL−1またはIL−5あるいは上記した物質の生物学的に活性な誘導体からなる群より選択される、請求項18記載の組成物。
  20. ドナーから得られる血小板の生成を強化する方法であって、血小板フェレーシス、献血または血小板の提供の前に、治療上有効量の請求項1に記載の化合物をかかるドナーに投与することを含む、方法。
  21. ドナーから得られる末梢血幹細胞の数を増加させる方法であって、白血球フェレーシスの前に、治療上有効量の請求項1に記載の化合物をかかるドナーに投与することを含む、方法。
  22. さらに、コロニー刺激因子、サイトカイン、ケモカイン、インターロイキンまたはサイトカイン受容体アゴニスト、接着性分子のアンタゴニストまたは抗体からなる群より選択される治療上有効量の造血細胞動員物質を一緒に投与することを含む、請求項21記載の方法。
  23. 動員物質が、G−CSF、GM−CSF、TPO、EPO、Gro−ベータ、IL−8、サイトキサン、VLA−4阻害剤、SCF、FLT3リガンドおよびG−CSF、GM−CSF、TPO、EPO、Gro−ベータまたはIL−8の生物学的に活性な誘導体からなる群より選択される、請求項22記載の方法。
  24. 巨核球の成熟および/または血小板の生成の刺激を強化するインビトロまたはエクスビボでの方法であって、請求項1に記載の有効量の化合物をTPO受容体を発現する細胞の培地に加えることを含む、方法。
  25. 巨核球の成熟および/または血小板の生成の刺激を強化するインビトロまたはエクスビボでの方法であって、請求項1に記載の有効量の化合物を幹細胞、骨髄細胞、臍帯血細胞または末梢血細胞の培地に加えることを含む、方法。
  26. 化学療法または放射線治療に付した後の哺乳動物に巨核球または血小板を戻す、請求項25記載の方法。
  27. 幹細胞、骨髄細胞、臍帯血細胞、末梢血細胞または培地にてTPO受容体を発現する他の型の細胞の生存および/または増殖を強化するインビトロまたはエクスビボでの方法であって、該細胞を請求項1に記載の有効量の化合物を含有する培地にて培養することを含む、方法。
  28. さらに、治療上有効量のコロニー刺激因子、サイトカイン、ケモカイン、インターロイキンまたはサイトカイン受容体アゴニストを一緒に投与することを含む、請求項27記載の方法。
  29. 化学療法または放射線治療に付した後の哺乳動物に幹細胞を戻す、請求項27記載の方法。
  30. その治療を必要とするヒトを含む哺乳動物における好中球減少症の治療方法であって、請求項1に記載の治療上有効量の式(I)の化合物をかかる哺乳動物に投与することを含む、方法。
  31. 好中球産生の刺激を強化するインビトロまたはエクスビボでの方法であって、請求項1に記載の有効量の化合物を、幹細胞、骨髄細胞、臍帯血細胞、末梢血細胞またはTPO受容体を発現する他の型の細胞に加えることを含む、方法。
  32. 化学療法または放射線治療に付した後の哺乳動物に好中球を戻す、請求項31記載の方法。
  33. 血小板減少症が化学療法または放射線治療により惹起される骨髄抑制によるものである、請求項4記載の方法。
  34. 血小板減少症が臓器移植によるものである、請求項4記載の方法。
  35. 血小板減少症が骨髄、幹細胞または肝臓の移植によるものである、請求項4記載の方法。
  36. 血小板減少症が特発性血小板減少性紫斑病(ITP)によるものである、請求項4記載の方法。
  37. 血小板減少症が骨髄異形成症候群(MDS)、再生不良性貧血または白血病によるものである、請求項4記載の方法。
  38. 血小板減少症がウイルス、真菌、微生物または寄生体感染によるものである、請求項4記載の方法。
  39. 血小板減少症が肝機能不全によるものである、請求項4記載の方法。
  40. 血小板減少症が外科手術によるものである、請求項4記載の方法。
  41. 血小板減少症が抗ウイルス剤または抗生物質での治療によるものである、請求項4記載の方法。
  42. 請求項1に記載の化合物の免疫アジュバントとしての使用。
  43. 免疫アジュバントをワクチンおよび/または免疫賦活剤と一緒に投与する、請求項41記載の使用。
  44. 以下の化合物より選択される請求項1に記載の化合物の調製に用いられる中間体:
    N−[2−ニトロ−4−(4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−5−イリデンメチル)−フェニル]−アセトアミド;
    5−(4−アミノ−3−ニトロ−ベンジリデン)−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン;
    5−(3,4−ジアミノ−ベンジリデン)−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン;
    (E)−3−(4−アセチルアミノ−3−ニトロ−フェニル)−2−メチル−アクリル酸エチルエステル;
    (E)−3−(4−アミノ−3−ニトロ−フェニル)−2−メチル−アクリル酸エチルエステル;
    (E)−3−(3,4−ジアミノ−フェニル)−2−メチル−アクリル酸エチルエステル;
    6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒド;
    6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒド;
    6−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボアルデヒド;
    4’−tert−ブチル−2−メトキシ−ビフェニル−3−カルボアルデヒド;および
    4’−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−ビフェニル−3−カルボアルデヒド。
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