JP2006513224A - エステル局所麻酔薬の組み合わせ - Google Patents
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Abstract
本発明は、作用開始が速やかであり、毒性の危険性が低く、効果が持続する、改善した局所麻酔および/または無痛のための組成物および方法を提供する。より詳細には、本発明は、被検体に投与するための少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせを提供する。ここで、少なくとも1種類のエステル麻酔薬が速やかな作用開始をもたらし、少なくとも1種類のエステル麻酔薬が持続的な活性をもたらす。本発明の組成物は無痛および/または麻酔の発生に有用であり、疼痛の予防および/または治療に特に有用である。
Description
発明の背景
局所麻酔薬は、身体のある特定の部位において可逆的に感覚を失わせる薬物である。臨床的に有用な局所麻酔剤の大部分は、カルボニル含有部分によって炭素鎖と置換アミノ基が連結された芳香環からなる。カルボニル含有連結基の種類によって特定される2つの主なクラスがある。エステル結合を有する薬剤として、コカイン、プロカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、アメトカイン、およびクロロプロカインが挙げられる。アミド結合を有する薬剤として、リドカイン、プリロカイン、メピバカイン、ロピボカイン(ropivocaine)、エチドカイン、レボブピバカイン、およびブピバカインが挙げられる。これらの2つの局所麻酔剤クラスの間には重要な実用上の違いがある。エステルはアミドより化学的に不安定であり、血漿コリンエステラーゼおよび他のエステラーゼによって体内で速やかに加水分解される。この代謝があるために、一般的に、エステルは反復してまたは長期間服用してもインビボで毒性濃度まで蓄積しない。アミドは、主に肝臓プロテアーゼによってエステルよりゆっくりと代謝され、その結果、大量にまたは反復して服用すると毒性濃度まで蓄積することがある。現在の臨床行為では、エステル型局所麻酔薬は大部分がアミドクラスの局所麻酔薬に取って代わられている。通常、異なるアミド型局所麻酔薬は共通の経路によって不活化される。より重要なことには、全ての局所麻酔薬は同じ基本毒性プロファイル(例えば、中枢神経系毒性による痙攣ならびに心臓毒性による不整脈および死亡)を共有する。全ての局所麻酔薬の毒性は相加的である。しかしながら、アミド型局所麻酔薬はエステル型麻酔薬よりかなりゆっくりと代謝されるので、アミド型局所麻酔薬の組み合わせには、身体からゆっくりと排泄される2種類の化合物による相加的毒性の可能性がある。エステル型局所麻酔薬はかなり速やかに代謝されるので、薬物吸収による相加的毒性は実際には起こらないが、2種類のエステル型局所麻酔薬が直接静脈内に注射されれば、相加的毒性が予想される。アミド型局所麻酔薬が反復して服用され、ゆっくりとした代謝および不活化のために2回目の服用の毒性が1回目の服用の毒性に加算する場合に、同様の問題が生じる。
局所麻酔薬は、身体のある特定の部位において可逆的に感覚を失わせる薬物である。臨床的に有用な局所麻酔剤の大部分は、カルボニル含有部分によって炭素鎖と置換アミノ基が連結された芳香環からなる。カルボニル含有連結基の種類によって特定される2つの主なクラスがある。エステル結合を有する薬剤として、コカイン、プロカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、アメトカイン、およびクロロプロカインが挙げられる。アミド結合を有する薬剤として、リドカイン、プリロカイン、メピバカイン、ロピボカイン(ropivocaine)、エチドカイン、レボブピバカイン、およびブピバカインが挙げられる。これらの2つの局所麻酔剤クラスの間には重要な実用上の違いがある。エステルはアミドより化学的に不安定であり、血漿コリンエステラーゼおよび他のエステラーゼによって体内で速やかに加水分解される。この代謝があるために、一般的に、エステルは反復してまたは長期間服用してもインビボで毒性濃度まで蓄積しない。アミドは、主に肝臓プロテアーゼによってエステルよりゆっくりと代謝され、その結果、大量にまたは反復して服用すると毒性濃度まで蓄積することがある。現在の臨床行為では、エステル型局所麻酔薬は大部分がアミドクラスの局所麻酔薬に取って代わられている。通常、異なるアミド型局所麻酔薬は共通の経路によって不活化される。より重要なことには、全ての局所麻酔薬は同じ基本毒性プロファイル(例えば、中枢神経系毒性による痙攣ならびに心臓毒性による不整脈および死亡)を共有する。全ての局所麻酔薬の毒性は相加的である。しかしながら、アミド型局所麻酔薬はエステル型麻酔薬よりかなりゆっくりと代謝されるので、アミド型局所麻酔薬の組み合わせには、身体からゆっくりと排泄される2種類の化合物による相加的毒性の可能性がある。エステル型局所麻酔薬はかなり速やかに代謝されるので、薬物吸収による相加的毒性は実際には起こらないが、2種類のエステル型局所麻酔薬が直接静脈内に注射されれば、相加的毒性が予想される。アミド型局所麻酔薬が反復して服用され、ゆっくりとした代謝および不活化のために2回目の服用の毒性が1回目の服用の毒性に加算する場合に、同様の問題が生じる。
局所麻酔薬は、細胞膜の細胞内側からナトリウムチャンネルをブロックすることによって末梢神経のインパルスの伝導を阻止する。これにより、神経膜の脱分極の速度および程度が局所的に低下し、その結果、伝達のための閾電位に達しない。静止電位にも閾電位にも影響を及ぼさないが、不応期および再分極が長くなることがある。
局所麻酔薬は、皮膚、目、耳、鼻、および口、ならびに他の粘膜に局所適用される。ちょっとした外科的処置のために麻酔をかけるために、浸潤法が一般的に用いられる。中程度の作用期間を有するアミド麻酔薬が一般的に用いられる。作用部位は無髄神経終末である。浸潤法では開始は非常に速やかである。しかしながら、局所麻酔の期間は一定せず、注射される薬物の量ならびに局所麻酔薬の物理的特性に左右される。一般的に、脂溶性の局所麻酔薬は、非脂溶性の局所麻酔薬よりゆっくりと開始するが、作用期間が長い。伝導麻酔は、マイナー神経遮断(minor nerve blockage)と、より深い神経または広範囲の皮節分布を有する幹のメジャー遮断(major blockade)に分類することができる。伝導麻酔の開始は、数分(比較的、脂質に溶けない局所麻酔薬の場合)からほぼ1時間(脂溶性の高い局所麻酔薬の場合)に及ぶ。伝導麻酔の期間は、60分(比較的、脂質に溶けない局所麻酔薬の場合)から数時間(脂溶性の高い局所麻酔薬の場合)と異なる。局所麻酔液はまた硬膜外空間に配置することもできる。局所麻酔液を注射すると、硬膜内脊髄神経根での伝導をブロックすることによって無痛が生じる。これもまた、脂溶性局所麻酔薬は、比較的、脂質に溶けない局所麻酔薬より開始が遅いが、作用期間が長い。
例えば、過失による過剰投与量の血管内注射またはくも膜下腔内注射などから、全身および局所の毒性反応が起こることがある。局所麻酔薬に対する全身反応は主に中枢神経系(CNS)および心臓血管系を伴う。CNS毒性の初期症状は、ふらふらする感覚、眩暈、および口周辺の感覚異常を伴い、この後に、視覚および/または聴覚の障害(例えば、焦点を合わせることの困難および耳鳴)が起こることがある。他の兆候として、震え、筋肉の攣縮、および振戦(最初、顔および四肢の遠位部の筋肉を伴う)が挙げられる。最終的に、全身痙攣が起こり、CNS抑制および昏睡に進行する。呼吸抑制によって呼吸が停止する場合がある。
心血管毒性は、通常、CNS毒性を生じるのに必要な用量より高い用量および血中濃度で起こる。極めて高い濃度の局所麻酔薬は、洞房結節における自発的なペースメーカー活動を抑制し、洞徐脈および洞停止をもたらす。局所麻酔はまた、摘出された心臓組織に対して負の向イオン作用を及ぼす。ブピバカインおよびエチドカインは、過失による血管内注射の後に、一部の患者において急速かつ強力な心血管抑制を引き起こすことが報告されている。実際に、メッドライン(Medline)データベースの概要は、ブピバカインにより102人の死亡(例えば、心停止、心筋梗塞、故意による過剰投与)が1990年〜1997年に起こったことを示している。
現在用いられている局所麻酔薬は、多くの場合、作用期間が限られており、作用期間が短すぎて、ほとんどの手術後疼痛を緩和することができないという欠点を有するか、または作用開始が遅いために、外科手術が遅れないように速やかな開始が必要な手術室での有用性が限られているという欠点を有する。麻酔薬の作用開始が一定して速やかな脊椎麻酔とは対照的に、局所麻酔の場合、活性の開始は特に重要な問題である。例えば、Hauch et al.、Reg.Anesth.15:81-85(1990)を参照のこと。アミド局所麻酔薬は、これらの麻酔薬に対する全身毒性反応および局所毒性反応がCNS毒性および心血管毒性につながるので、多くの場合、安全性の問題を欠点として有する。さらに、リドカインなどの現在用いられている局所麻酔薬は投与時に痛みおよび不快感(刺痛)を生じさせる。
前述を考慮して、開始が速やかであり、作用期間が長く、毒性副作用が最小限であり、投与が簡単な局所麻酔製剤および/または無痛製剤が当技術分野において長年にわたって必要とされてきた。本発明は、神経遮断期間が長く、作用開始が速く、毒性が最小限であり、効力が高く、投与が簡単な、改善した持続性の局所麻酔製剤および/または無痛製剤を提供することによって、この必要および他の必要を満たす。
発明の簡単な概要
本発明は、作用開始が速く、毒性の危険性が低く、効果が持続する、改善した局所麻酔および/または無痛のための組成物および方法を提供する。少なくとも2種類のエステル麻酔薬が組み合わされ、ここで、少なくとも1種類が速やかな作用開始をもたらし、かつ少なくとも1種類が持続的な活性をもたらす。重要なことには、エステル麻酔薬の組み合わせは血中で非常に速やかに代謝されるために最小限の毒性しか生じないので、それぞれのエステル麻酔薬は、その薬理学的利益を最大限に発揮するのに十分な量で投与することができる。例えば、開始が速やかなエステル麻酔薬および持続性のエステル麻酔薬は両方とも総量で投与され、それぞれの総量は速やかな作用開始をもたらし、全期間の効果をもたらす。エステル麻酔薬の組み合わせの投与に関連した毒性の低い危険性はまた、アミド麻酔薬では安全に行うことができない総量の反復投与も可能にする。前記の組成物は無痛および/または麻酔の発生に用いられ、疼痛の予防および/または治療に特に有用である。局所麻酔薬として、前記の組成物は、部分麻酔(例えば、局所麻酔、浸潤麻酔、周囲浸潤麻酔、末梢神経ブロック麻酔、硬膜外麻酔、脊椎麻酔、ビールブロック麻酔(bier block anesthesia)、およびその組み合わせ)に有用である。
本発明は、作用開始が速く、毒性の危険性が低く、効果が持続する、改善した局所麻酔および/または無痛のための組成物および方法を提供する。少なくとも2種類のエステル麻酔薬が組み合わされ、ここで、少なくとも1種類が速やかな作用開始をもたらし、かつ少なくとも1種類が持続的な活性をもたらす。重要なことには、エステル麻酔薬の組み合わせは血中で非常に速やかに代謝されるために最小限の毒性しか生じないので、それぞれのエステル麻酔薬は、その薬理学的利益を最大限に発揮するのに十分な量で投与することができる。例えば、開始が速やかなエステル麻酔薬および持続性のエステル麻酔薬は両方とも総量で投与され、それぞれの総量は速やかな作用開始をもたらし、全期間の効果をもたらす。エステル麻酔薬の組み合わせの投与に関連した毒性の低い危険性はまた、アミド麻酔薬では安全に行うことができない総量の反復投与も可能にする。前記の組成物は無痛および/または麻酔の発生に用いられ、疼痛の予防および/または治療に特に有用である。局所麻酔薬として、前記の組成物は、部分麻酔(例えば、局所麻酔、浸潤麻酔、周囲浸潤麻酔、末梢神経ブロック麻酔、硬膜外麻酔、脊椎麻酔、ビールブロック麻酔(bier block anesthesia)、およびその組み合わせ)に有用である。
1つの局面において、本発明は、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせを投与する段階を含む、局所麻酔の方法を提供する。
別の局面において、本発明は、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせを投与する段階を含む、無痛の方法を提供する。
さらに別の局面において、
(a)少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせ;および
(b)薬学的に許容される担体
を含む、局所麻酔のための薬学的組成物を提供する。
(a)少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせ;および
(b)薬学的に許容される担体
を含む、局所麻酔のための薬学的組成物を提供する。
なおさらに別の局面において、本発明は、
(a)少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせ;および
(b)薬学的に許容される担体
を含む、無痛のための薬学的組成物を提供する。
(a)少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせ;および
(b)薬学的に許容される担体
を含む、無痛のための薬学的組成物を提供する。
発明の詳細な説明
I.定義
本明細書で使用する以下の用語は、特別の定めのない限り、その用語のものとされている意味を有する。
I.定義
本明細書で使用する以下の用語は、特別の定めのない限り、その用語のものとされている意味を有する。
本明細書で使用する単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、特に文脈によってはっきりと規定されていない限り複数の指示物を含む。特別の定めのない限り、本明細書に用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本発明の実施または試験において、本明細書で説明されるものと同様のまたは等価な任意の方法、装置、および材料を使用することができるが、好ましい方法、装置、および材料を本明細書で説明する。
「局所麻酔」という用語は、麻酔剤または麻酔剤の組み合わせた投与された身体部位のみでの感覚の消失を特徴とする麻酔を意味する。局所麻酔は、例えば、麻酔に有効な量の局所麻酔薬と、痛みの刺激が存在する部位の感覚神経突起が接触することによって起こってもよく、痛みの刺激が存在する部位に近接する1つまたは複数の神経の神経伝達を阻害することによって起こってもよい。本明細書で使用する「麻酔に有効な量の」という用語は、麻酔効果(例えば、部分的なもしくは完全な感覚の消失、感覚認知の阻害、または運動機能の阻害)を生じさせる麻酔剤または麻酔剤の組み合わせの量を意味する。好ましくは、麻酔に有効な量は最小限の毒性副作用しか生じない。
「麻酔薬」という用語は、ヒトまたは他の哺乳動物において、意識を消失させて、または意識を消失させずに感覚を消失させる薬剤を意味する。さらに詳細に述べると、「局所麻酔薬」という用語は、末梢神経の興奮および/または伝導を可逆的に阻害することによって局所麻酔を誘導する麻酔剤を意味する。本発明での使用に適した局所麻酔薬として、エステル型麻酔薬、アミド型麻酔薬、アミド型麻酔薬のエステル類似体、および他の麻酔薬のエステル類似体が挙げられるが、これに限定されない。エステル型麻酔薬として、コカイン、プロカイン、2-クロロプロカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、アメトカイン、クロロカイン(chlorocaine)、ブタンベン、ジブカインなどが挙げられるが、これに限定されない。アミド型麻酔薬として、リドカイン、プリロカイン、メピバカイン、ロピボカイン(ropivocaine)、エチドカイン、レボブピバカイン、ブピバカインなどが挙げられるが、これに限定されない。本発明での使用に適した他の麻酔薬として、アコニチン、ジクロニン、ケタミン、プラモキシン、サフロール、およびサリチルアルコールのエステル類似体が挙げられるが、これに限定されない。このようなエステル類似体は構造内のどの場所でもエステル基を含んでよい。
「エステル麻酔薬」および「エステル型麻酔薬」という用語は、式1に示した構造を有する化合物クラスを指すために本明細書で同義に用いられる。
式中、R1およびR2は、独立して、H、および1〜10個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖、分枝鎖、または環式骨格を有する構造断片からなる群より選択され、炭素原子は、-OH、-OR3、-O2CR3、-SH、-SR3、-SOCR3、-NH2、-NHR3、-NH(R3)2、-NHCOR3、-NRCOR3、-I、-Br、-Cl、-F、-CN、-CO2H、-CO2 R3、-CHO、-COR3、-CONH2、-CONHR3、-CON(R3)2、-COSH、-COSR3、-NO2、-SO3H、-SOR3、および-SO2R3からなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、R3は、1〜10個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖、分枝鎖、または環式アルキル基であり、かつArは、フェニル、ナフチル、アントラシル(anthracyl)、フェナントリル、フラン、ピロール、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、およびピリジンからなる群より選択される芳香族置換基であり、Arは、-OH、-OR、-O2CR、-SH、-SR、-SOCR、-NH2、-NHR、-NHCl、-NH(R)2、-NHCOR、-NRCOR、-I、-Br、-Cl、-F、-CN-、-CO2H、-CO2R、-CHO、-COR、-CONH2、-CONHR、-CON(R)2、-COSH、-COSR、-NO2、-SO3H、-SOR、および-SO2Rからなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、Rは、R1およびR2について前記で定義されたものと同じである。他のエステル麻酔薬(ベンゾイルエクゴニン、ブタカイン、コカエチレン、およびメペリジンを含むが、これに限定されない)も本発明の範囲内である。
式中、R1およびR2は、独立して、H、および1〜10個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖、分枝鎖、または環式骨格を有する構造断片からなる群より選択され、炭素原子は、-OH、-OR3、-O2CR3、-SH、-SR3、-SOCR3、-NH2、-NHR3、-NH(R3)2、-NHCOR3、-NRCOR3、-I、-Br、-Cl、-F、-CN、-CO2H、-CO2 R3、-CHO、-COR3、-CONH2、-CONHR3、-CON(R3)2、-COSH、-COSR3、-NO2、-SO3H、-SOR3、および-SO2R3からなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、R3は、1〜10個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖、分枝鎖、または環式アルキル基であり、かつArは、フェニル、ナフチル、アントラシル(anthracyl)、フェナントリル、フラン、ピロール、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、およびピリジンからなる群より選択される芳香族置換基であり、Arは、-OH、-OR、-O2CR、-SH、-SR、-SOCR、-NH2、-NHR、-NHCl、-NH(R)2、-NHCOR、-NRCOR、-I、-Br、-Cl、-F、-CN-、-CO2H、-CO2R、-CHO、-COR、-CONH2、-CONHR、-CON(R)2、-COSH、-COSR、-NO2、-SO3H、-SOR、および-SO2Rからなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、Rは、R1およびR2について前記で定義されたものと同じである。他のエステル麻酔薬(ベンゾイルエクゴニン、ブタカイン、コカエチレン、およびメペリジンを含むが、これに限定されない)も本発明の範囲内である。
「アミド型麻酔薬のエステル類似体」という用語は、式2に示したように、アミド(N-H)基が酸素(O)原子で置換されたアミド型麻酔薬化合物を意味する。
式中、R1およびR2は、独立して、H、および1〜10個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖、分枝鎖、または環式骨格を有する構造断片からなる群より選択され、ここで、炭素原子は、-OH、-OR3、-O2CR3、-SH、-SR3、-SOCR3、-NH2、-NHR3、-NH(R3)2、-NHCOR3、-NRCOR3、-I、-Br、-Cl、-F、-CN、-CO2H、-CO2R3、-CHO、-COR3、-CONH2、-CONHR3、-CON(R3)2、-COSH、-COSR3、-NO2、-SO3H、-SOR3、および-SO2R3からなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、R3は、1〜10個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖、分枝鎖、または環式アルキル基であり、かつArは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、フラン、ピロール、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、およびピリジンからなる群より選択される芳香族置換基であり、Arは、-OH、-OR、-O2CR、-SH、-SR、-SOCR、-NH2、-NHR、-NHCl、-NH(R)2、-NHCOR、-NRCOR、-I、-Br、-Cl、-F、-CN-、-CO2H、-CO2R、-CHO、-COR、-CONH2、-CONHR、-CON(R)2、-COSH、-COSR、-NO2、-SO3H、-SOR、および-SO2Rからなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、Rは、R1およびR2について前記で定義されたものと同じである。アミド型麻酔薬のエステル類似体の例として、リドカイン、プリロカイン、メピバカイン、リピボカイン、エチドカイン、レボブピバカイン、ブピバカイン、ジブカインなどのエステル類似体が挙げられるが、これに限定されない。アミド型麻酔薬の他のエステル類似体(オキセサジン(oxethazine)、ペントバルビタール、チアミラール、およびチオペンタールを含むが、これに限定されない)も本発明の範囲内である。このようなエステル類似体は、アミド(N-H)基が酸素(O)原子で置換されている。
式中、R1およびR2は、独立して、H、および1〜10個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖、分枝鎖、または環式骨格を有する構造断片からなる群より選択され、ここで、炭素原子は、-OH、-OR3、-O2CR3、-SH、-SR3、-SOCR3、-NH2、-NHR3、-NH(R3)2、-NHCOR3、-NRCOR3、-I、-Br、-Cl、-F、-CN、-CO2H、-CO2R3、-CHO、-COR3、-CONH2、-CONHR3、-CON(R3)2、-COSH、-COSR3、-NO2、-SO3H、-SOR3、および-SO2R3からなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、R3は、1〜10個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖、分枝鎖、または環式アルキル基であり、かつArは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、フラン、ピロール、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、およびピリジンからなる群より選択される芳香族置換基であり、Arは、-OH、-OR、-O2CR、-SH、-SR、-SOCR、-NH2、-NHR、-NHCl、-NH(R)2、-NHCOR、-NRCOR、-I、-Br、-Cl、-F、-CN-、-CO2H、-CO2R、-CHO、-COR、-CONH2、-CONHR、-CON(R)2、-COSH、-COSR、-NO2、-SO3H、-SOR、および-SO2Rからなる群より選択される置換基で置換されていてもよく、Rは、R1およびR2について前記で定義されたものと同じである。アミド型麻酔薬のエステル類似体の例として、リドカイン、プリロカイン、メピバカイン、リピボカイン、エチドカイン、レボブピバカイン、ブピバカイン、ジブカインなどのエステル類似体が挙げられるが、これに限定されない。アミド型麻酔薬の他のエステル類似体(オキセサジン(oxethazine)、ペントバルビタール、チアミラール、およびチオペンタールを含むが、これに限定されない)も本発明の範囲内である。このようなエステル類似体は、アミド(N-H)基が酸素(O)原子で置換されている。
「無痛」という用語は、一般的に、疼痛に苦しんでいるヒトまたは他の哺乳動物において疼痛を和らげること、または疼痛を完全に取り除くことを意味する。本明細書で使用する「無痛に有効な量」は、ヒトまたは他の哺乳動物において疼痛を和らげる、または疼痛を完全に取り除く麻酔薬または麻酔薬の組み合わせの量を意味する。好ましくは、無痛に有効な量は最小限の毒性副作用しか生じない。
「単位剤形」という用語は、ヒト被験者および他の哺乳動物への単位投与として適切な物理的に別個の単位を意味する。それぞれの単位は、適切な薬学的賦形剤(例えば、アンプル)と共同して所望の開始、認容性、および治療効果を生じるように計算された所定量の活性物質を含む。
「投与」という用語は、被検体への経口投与、坐剤、局所接触、粘膜投与としての投与、または非経口経路(例えば、皮内、静脈内、皮下、筋肉内、細動脈内、腹腔内、心室内、頭蓋内、硬膜外、脊髄、直腸、膣など)による投与を意味する。他の送達方法として、リポソーム製剤の使用、静脈内注入、徐放装置(例えば、ミニ浸透ポンプ(mini-osmotic pump))の移植、経皮的パッチなどが挙げられるが、これに限定されない。最も適切な経路は、治療される状態の種類および重篤度に左右される。浸潤法(例えば、注射法)は、皮下注射、手術周囲組織への注射、末梢神経ブロック、ビールブロック静脈内部分麻酔、漿膜および脊椎(neuraxial)送達 (例えば、硬膜外、仙骨など)を含み、本発明の化合物に好ましい経路である。他の適切な投与方法として、エステル麻酔薬の組み合わせがコーティングされた外科用綿撒糸の留置、エステル麻酔薬の気管内投与、および気管内チューブのバルーンの中のエステル麻酔薬の投与が挙げられるが、これに限定されない。
「少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせ」という用語は、開始が速やかであり、作用期間が長く、毒性が最小限であり、および/または投与が簡単な、改善した局所麻酔をもたらすように同時にまたは連続して送達される少なくとも2種類のエステル麻酔薬化合物を意味する。このような組み合わせは、当業者に周知の任意の方法によって反復して投与するのに十分に安全である。
「血管収縮剤」という用語は、血管収縮を誘導または開始し、それによって活性麻酔薬を局所組織に局在させることで本発明のエステル麻酔薬の効力を高め、最大全身濃度を低下させ、作用期間を延ばす薬剤を意味する。適切な血管収縮剤として、アドレナリン(エピネフリン)、フェニルエピネフリン、アンギオテンシン、フェニルプロパノールアミン、およびその組み合わせが挙げられるが、これに限定されない。アドレナリン(エピネフリン)およびフェニルエピネフリンは一般的に用いられる血管収縮剤であり、約1/80,000〜1/500,000の濃度で、好ましくは約1/200,000(5μg/ml)の濃度で添加することができる。
「コルチコステロイド」という用語は、副腎皮質により産生されるステロイドホルモンまたはその合成同等物(例えば、コルチゾールおよびアルドステロン)のいずれかを意味する。インビボ神経遮断を延ばすのに本発明において有用なコルチコステロイドとして、グルココルチコイド(例えば、デキサメタゾン、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、経口投与または注射によって日常的に投与される他のグルココルチコイド)、ならびにその薬学的に許容される塩および組み合わせが挙げられるが、これに限定されない。他のグルココルチコイドとして、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、フルニソリド、メチルプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、アルクロメタゾン、アムシノニド、クロベタゾール、フルドロコルチゾン、ジフルロゾンジアセテート(diflurosone diacetate)、フルオシノロンアセトニド、フルオロメタロン(fluoromethalone)、フルランドレノリド、ハルシノニド、メドリゾン、モメタゾン、ならびにその薬学的に許容される塩および組み合わせが挙げられる。
「浸透促進剤」という用語は、エステル麻酔薬が組織の中に入るのを、または細胞膜を通過するのを助ける薬剤である。本発明での使用に適した浸透促進剤として、胆汁酸塩(例えば、コール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸塩、デオキシコール酸ナトリウム、リトコール酸ナトリウム、ケノコール酸塩(chenocholate)、ケノデオキシコール酸塩、ウルソコール酸塩、ウルソデオキシコール酸塩、ヒドロデオキシコール酸塩、デヒドロコール酸塩、グリコケノコール酸塩、タウロケノコール酸塩、およびタウロケノデオキシコール酸塩)が挙げられるが、これに限定されない。尿素、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ラウリル硫酸ナトリウム、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸の塩および他の誘導体、界面活性剤、胆汁酸塩類似体、胆汁酸塩の誘導体、または米国特許第4,746,508号に記載のような合成浸透促進剤などの他の浸透促進剤も使用することができる。
「親油性溶媒」および「両親媒性溶媒」という用語は、インビボ神経遮断を延ばすために本発明の組成物に添加することができる溶媒を指すために本明細書で同義に用いられる。このような溶媒は当業者に周知であり、様々な商業的供給源から入手することができる。本発明での使用に適した溶媒の例として、約1%アルコールに相当する投与量で添加されたアルコール(例えば、エタノール)、および約1%〜約3%に相当する濃度で添加されたポリオキシエチレンソルビタン誘導体(例えば、ポリソルベート-80すなわちトウィーン(Tween))が挙げられるが、これに限定されない。
「緩衝剤」という用語は、酸または塩基が溶液に添加された時に溶液の酸性度の変化を最小限にする物質を意味する。このような緩衝剤は当業者に周知である。一般的に、本発明の組成物は、弱酸性または弱アルカリ性のpHを維持するために、例えば、重炭酸塩で緩衝される。溶液の緩衝はまた開始速度を速め、薬物作用期間を延ばす。一般的に、本発明の組成物は、麻酔薬の沈殿に関連しない、可能性のある最も高いpHを維持し、適切な保存性をもたらすように緩衝される。次いで、pHは、インビトロでのエステル麻酔薬のエステル基の、酸および/または塩基によって触媒される加水分解を最小限にするように調節される。
「速やかな作用開始」という用語は、例えば、浸潤麻酔のために送達された時に、麻酔薬が投与されて少なくとも10分以内に始まる麻酔作用の開始を意味し、少なくとも約5分、好ましくは少なくとも約2分、またはそれ以下でもよい。この目的に適した麻酔薬として、プロカインおよび2-クロロプロカインが挙げられる。好ましくは、麻酔薬は2-クロロプロカインである。
「持続的な活性」、「延長した作用期間」、および「長い作用期間」という用語は、例えば、浸潤麻酔によって送達された時に、単回投与による麻酔作用が少なくとも約1時間、好ましくは少なくとも約2時間、より好ましくは少なくとも4時間、さらにより好ましくは少なくとも約6時間、またはそれ以上維持される状況を指すために本明細書で同義に用いられる。
II.概要
本発明は、速やかな作用開始、長い作用期間、および毒性の低い危険性を特徴とする、改善した局所麻酔および/または無痛のための組成物および方法を提供する。少なくとも2種類のエステル麻酔薬が組み合わされ、ここで、少なくとも1種類が速やかな作用開始をもたらし、かつ少なくとも1種類が持続的な活性をもたらす。重要なことには、エステル麻酔薬の組み合わせは血中で非常に速やかに代謝されるために最小限の毒性しか生じないので、それぞれのエステル麻酔薬は、安全で、かつ局所麻酔の開始が速やかであり、作用期間が長くなるのに十分な量で投与することができる。対照的に、麻酔に有効な量のアミド麻酔薬を組み合わせることは、毒性副作用の危険性が高いために不可能である。さらに、エステル麻酔薬の組み合わせの投与に関連した毒性の低い危険性は、アミド麻酔薬では安全に行うことができない反復投与を可能にする。本発明の組成物は無痛および/または麻酔の発生に用いられ、疼痛の予防および/または治療に特に有用である。局所麻酔薬として、前記の組成物は、部分麻酔(例えば、局所麻酔、浸潤麻酔、周囲浸潤麻酔、末梢神経ブロック麻酔、硬膜外麻酔、脊椎麻酔、ビールブロック麻酔、およびその組み合わせ)に有用である。
本発明は、速やかな作用開始、長い作用期間、および毒性の低い危険性を特徴とする、改善した局所麻酔および/または無痛のための組成物および方法を提供する。少なくとも2種類のエステル麻酔薬が組み合わされ、ここで、少なくとも1種類が速やかな作用開始をもたらし、かつ少なくとも1種類が持続的な活性をもたらす。重要なことには、エステル麻酔薬の組み合わせは血中で非常に速やかに代謝されるために最小限の毒性しか生じないので、それぞれのエステル麻酔薬は、安全で、かつ局所麻酔の開始が速やかであり、作用期間が長くなるのに十分な量で投与することができる。対照的に、麻酔に有効な量のアミド麻酔薬を組み合わせることは、毒性副作用の危険性が高いために不可能である。さらに、エステル麻酔薬の組み合わせの投与に関連した毒性の低い危険性は、アミド麻酔薬では安全に行うことができない反復投与を可能にする。本発明の組成物は無痛および/または麻酔の発生に用いられ、疼痛の予防および/または治療に特に有用である。局所麻酔薬として、前記の組成物は、部分麻酔(例えば、局所麻酔、浸潤麻酔、周囲浸潤麻酔、末梢神経ブロック麻酔、硬膜外麻酔、脊椎麻酔、ビールブロック麻酔、およびその組み合わせ)に有用である。
III.態様の説明
1つの局面において、本発明は、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせを投与する段階を含む局所麻酔の方法を提供する。
1つの局面において、本発明は、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせを投与する段階を含む局所麻酔の方法を提供する。
1つの態様において、エステル麻酔薬の少なくとも1種類は速やかな作用開始をもたらし、かつエステル麻酔薬の少なくとも1種類は長期間の効果をもたらす。別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは最小限の毒性副作用しか生じない。さらに別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは、例えば、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、またはそれ以上反復して投与される。なおさらに別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは連続注入によって投与される。さらなる態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは、疼痛の予防および/または治療のために急性的または慢性的に投与される。当業者であれば、このような予防および/または治療を達成するのに必要な急性投与または慢性投与の長さについて知っているだろう。
好ましい態様において、エステル麻酔薬の1種類はプロカインまたは2-クロロプロカインである。好ましくは、エステル麻酔薬は2-クロロプロカインである。特に好ましい態様において、エステル麻酔薬の1種類はテトラカインである。特に好ましい態様において、エステル麻酔薬の1種類は2-クロロプロカインであり、かつエステル麻酔薬の1種類はテトラカインである。1つの態様において、局所麻酔、浸潤麻酔、周囲浸潤麻酔、末梢神経ブロック麻酔、硬膜外麻酔、脊椎麻酔、ビールブロック麻酔、およびその組み合わせからなる群より選択される部分麻酔のために、2-クロロプロカインおよびテトラカインの組み合わせが用いられる。
さらなる態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせが1種類の薬学的製剤として投与される。第1の態様において、薬学的製剤は緩衝剤をさらに含む。第2の態様において、薬学的製剤は血管収縮剤をさらに含む。好ましくは、血管収縮剤はエピネフリンまたはフェニルエピネフリンである。第3の態様において、薬学的製剤はコルチコステロイドをさらに含む。好ましくは、コルチコステロイドは、デキサメタゾン、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、経口または注射によって日常的に投与される他のグルココルチコイド、ならびにその薬学的に許容される塩および組み合わせからなる群より選択されるグルココルチコイドである。第4の態様において、薬学的製剤は前記のような組織浸透促進剤をさらに含む。第5の態様において、局所麻酔製剤は液体(例えば、溶液)として供給される。好ましくは、液体は、さらに混合または希釈することなく直接使用するのに適した濃度の局所麻酔薬および佐剤を含む。第6の態様において、局所麻酔製剤は、注射前に水で再構築可能な凍結乾燥粉末として供給される。
さらに別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは、局所送達されるか、または浸潤によって送達される。好ましくは、浸潤による送達によって、末梢神経ブロック、硬膜外神経ブロック、仙骨神経ブロック、またはその組み合わせが得られる。
別の局面において、本発明は、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせを投与する段階を含む、無痛の方法を提供する。
1つの態様において、エステル麻酔薬の1種類は速やかな作用開始をもたらし、かつエステル麻酔薬の少なくとも1種類は長期間の効果をもたらす。別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは最小限の毒性副作用しか生じない。さらに別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは、例えば、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、またはそれ以上反復して投与される。なおさらに別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは連続注入によって投与される。さらなる態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは、疼痛の予防および/または治療のために急性的または慢性的に投与される。当業者であれば、このような予防および/または治療を達成するのに必要な急性投与または慢性投与の長さについて知っているだろう。なおさらなる態様において、無痛に有効な量のエステル麻酔薬は、神経障害性の疼痛、外傷、または組織虚血の予防および/または治療をもたらす。
好ましい態様において、エステル麻酔薬の1種類はプロカインまたは2-クロロプロカインである。好ましくは、エステル麻酔薬は2-クロロプロカインである。別の好ましい態様において、エステル麻酔薬の1種類はテトラカインである。特に好ましい態様において、エステル麻酔薬の1種類は2-クロロプロカインであり、かつエステル麻酔薬の1種類はテトラカインである。1つの態様において、2-クロロプロカインのテトラカインの組み合わせが疼痛の予防および/または治療に用いられる。
さらなる態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせが一種類の薬学的製剤として投与される。第1の態様において、薬学的製剤は緩衝剤をさらに含む。第2の態様において、薬学的製剤は血管収縮剤をさらに含む。好ましくは、血管収縮剤はエピネフリンまたはフェニルエピネフリンである。第3の態様において、薬学的製剤はコルチコステロイドをさらに含む。好ましくは、コルチコステロイドは、デキサメタゾン、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、経口または注射によって日常的に投与される他のグルココルチコイド、ならびにその薬学的に許容される塩および組み合わせからなる群より選択されるグルココルチコイドである。第4の態様において、薬学的製剤は前記のような組織浸透促進剤をさらに含む。第5の態様において、局所麻酔製剤は液体(例えば、溶液)として供給される。好ましくは、液体は、さらに混合または希釈することなく直接使用するのに適した濃度の局所麻酔薬および佐剤を含む。第6の態様において、局所麻酔製剤は、注射前に水で再構築可能な凍結乾燥粉末として供給される。
さらに別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは局所送達されるか、または浸潤によって送達される。好ましくは、浸潤による送達によって、末梢神経ブロック、硬膜外神経ブロック、仙骨神経ブロック、またはその組み合わせが得られる。
さらに別の局面において、本発明は、
(a)少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせ;および
(b)薬学的に許容される担体
を含む、局所麻酔のための薬学的組成物を提供する。
(a)少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせ;および
(b)薬学的に許容される担体
を含む、局所麻酔のための薬学的組成物を提供する。
1つの態様において、エステル麻酔薬の少なくとも1種類は速やかな作用開始をもたらし、かつエステル麻酔薬の少なくとも1種類は長期間の効果をもたらす。別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは最小限の毒性副作用しか生じない。さらに別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは、例えば、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、またはそれ以上反復して投与される。なおさらに別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは連続注入によって投与される。さらなる態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは、疼痛の予防および/または治療のために急性的または慢性的に投与される。
好ましい態様において、エステル麻酔薬の1種類はプロカインまたは2-クロロプロカインである。好ましくは、エステル麻酔薬は2-クロロプロカインである。別の好ましい態様において、エステル麻酔薬の1種類はテトラカインである。特に好ましい態様において、エステル麻酔薬の1種類は2-クロロプロカインであり、かつエステル麻酔薬の1種類はテトラカインである。1つの態様において、2-クロロプロカインは、約0.1%〜約10%、好ましくは約1%〜約6%、より好ましくは約1%〜約3%の濃度で存在する。別の態様において、テトラカインは、約0.05%〜約1%、好ましくは約0.1%〜約0.75%、より好ましくは約0.1%〜約0.5%の濃度で存在する。さらなる態様において、局所麻酔、浸潤麻酔、周囲浸潤麻酔、末梢神経ブロック麻酔、硬膜外麻酔、脊椎麻酔、ビールブロック麻酔、およびその組み合わせからなる群より選択される部分麻酔のために、2-クロロプロカインおよびテトラカインの組み合わせが用いられる。
別の態様において、薬学的製剤は緩衝剤をさらに含む。さらに別の態様において、薬学的製剤は血管収縮剤をさらに含む。好ましくは、血管収縮剤はエピネフリンまたはフェニルエピネフリンである。なおさらに別の態様において、薬学的製剤はコルチコステロイドをさらに含む。好ましくは、コルチコステロイドは、デキサメタゾン、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、経口または注射によって日常的に投与される他のグルココルチコイド、ならびにその薬学的に許容される塩および組み合わせからなる群より選択されるグルココルチコイドである。さらなる態様において、薬学的製剤は前記のような組織浸透促進剤をさらに含む。なおさらなる態様において、局所麻酔製剤は液体(例えば、溶液)として供給される。好ましくは、液体は、さらに混合または希釈することなく直接使用するのに適した濃度の局所麻酔薬および佐剤を含む。なおさらなる態様において、局所麻酔製剤は、注射前に水で再構築可能な凍結乾燥粉末として供給される。
なおさらに別の局面において、本発明は、
(a)少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせ;および
(b)薬学的に許容される担体
を含む、無痛のための薬学的組成物を提供する。
(a)少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせ;および
(b)薬学的に許容される担体
を含む、無痛のための薬学的組成物を提供する。
1つの態様において、エステル麻酔薬の少なくとも1種類は速やかな作用開始をもたらし、かつエステル麻酔薬の少なくとも1種類は長期間の効果をもたらす。別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは最小限の毒性副作用しか生じない。さらに別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは、例えば、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、またはそれ以上反復して投与される。なおさらに別の態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは連続注入によって投与される。さらなる態様において、少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせは、疼痛の予防および/または治療のために急性的または慢性的に投与される。さらなる態様において、無痛に有効な量のエステル麻酔薬によって、神経障害性の疼痛、外傷、または組織虚血が予防および/または治療される。
好ましい態様において、エステル麻酔薬の1種類はプロカインまたは2-クロロプロカインである。好ましくは、エステル麻酔薬は2-クロロプロカインである。別の好ましい態様において、エステル麻酔薬の1種類はテトラカインである。特に好ましい態様において、エステル麻酔薬の1種類は2-クロロプロカインであり、かつエステル麻酔薬の1種類はテトラカインである。1つの態様において、2-クロロプロカインは、約0.1%〜約10%、好ましくは約1%〜約6%、より好ましくは約1%〜約3%の濃度で存在する。別の態様において、テトラカインは、約0.05%〜約1%、好ましくは約0.1%〜約0.75%、より好ましくは約0.1%〜約0.5%の濃度で存在する。1つの態様において、疼痛の予防および/または治療のために、2-クロロプロカインおよびテトラカインの組み合わせが用いられる。
別の態様において、薬学的製剤は緩衝剤をさらに含む。さらに別の態様において、薬学的製剤は血管収縮剤をさらに含む。好ましくは、血管収縮剤はエピネフリンまたはフェニルエピネフリンである。なおさらに別の態様において、薬学的製剤はコルチコステロイドをさらに含む。好ましくは、コルチコステロイドは、デキサメタゾン、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、経口または注射によって日常的に投与される他のグルココルチコイド、ならびにその薬学的に許容される塩および組み合わせからなる群より選択されるグルココルチコイドである。さらなる態様において、薬学的製剤は前記のような組織浸透促進剤をさらに含む。なおさらなる態様において、局所麻酔製剤は液体(例えば、溶液)として供給される。好ましくは、液体は、さらに混合または希釈することなく直接使用するのに適した濃度の局所麻酔薬および佐剤を含む。なおさらなる態様において、局所麻酔製剤は、注射前に水で再構築可能な凍結乾燥粉末として供給される。
IV.組成物
ほとんどの局所麻酔薬は、プロトン化されない限り水にほとんど溶けない塩基である。エステル麻酔薬の中に含まれるアミン部分のプロトン化アミン塩を調製することによって、溶解度は著しく高まる。これらの塩は、一般的に、様々な無機酸および有機酸と麻酔薬の塩基性アミン部分を反応させてプロトン化アミン塩を生成することによって調製される。代表的な無機酸として、塩酸、硫酸、リン酸などを挙げることができる。代表的な有機酸として、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、メチルスルホン酸などが挙げられる。前記にもかかわらず、局所麻酔薬はまた、局所麻酔薬の少なくとも1種類が非プロトン化塩基性アミン部分として送達される水/脂質エマルジョンとしても供給することもできる。
ほとんどの局所麻酔薬は、プロトン化されない限り水にほとんど溶けない塩基である。エステル麻酔薬の中に含まれるアミン部分のプロトン化アミン塩を調製することによって、溶解度は著しく高まる。これらの塩は、一般的に、様々な無機酸および有機酸と麻酔薬の塩基性アミン部分を反応させてプロトン化アミン塩を生成することによって調製される。代表的な無機酸として、塩酸、硫酸、リン酸などを挙げることができる。代表的な有機酸として、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、メチルスルホン酸などが挙げられる。前記にもかかわらず、局所麻酔薬はまた、局所麻酔薬の少なくとも1種類が非プロトン化塩基性アミン部分として送達される水/脂質エマルジョンとしても供給することもできる。
注射による使用(例えば、浸潤法)の場合、エステル麻酔薬の組み合わせは希薄溶液として提供される。例えば、2-クロロプロカインは、約0.1%〜約10%、好ましくは約1%〜約6%、より好ましくは約1%〜約3%、さらにより好ましくは約1.0%、1.5%、2.0%、2.3%、2.5%、または3%の濃度で存在してもよい。ここで、1%で表されている溶液は100ml中に1gの物質を含む。従って、1%の2-クロロプロカイン溶液は、10mg/mlの2-クロロプロカインを含む。テトラカインは、約0.05%〜約1%、好ましくは約0.1%〜約0.75%、より好ましくは約0.1%〜約0.5%、さらにより好ましくは約0.1%、0.17%、0.2%、0.22%、0.3%、0.4%、または0.5%の濃度で存在してもよい。一般的に、溶液は、弱酸性または弱アルカリ性のpHを維持するために、例えば、重炭酸塩で緩衝される。溶液の緩衝はまた開始速度を速め、薬物作用期間を延ばすが、局所麻酔薬が高アルカリ条件下で溶液中で沈殿する傾向によって制限されない。一般的に、溶液は、麻酔薬の沈殿に関連せず、溶液に適切な保存性を与える、可能性のある最も高いpHを維持するように緩衝される。pHは、インビトロでのエステル基の、酸および/または塩基によって触媒される加水分解を最小限にするように調節される。非プロトン化塩基性アミン部分として局所麻酔薬の少なくとも1種類を送達する水/脂質エマルジョンの場合、pHは、局所麻酔薬を非プロトン化状態に維持するように必要に応じて調節される。
本発明の組成物はまた凍結乾燥された形で提供することもできる。このような組成物は、投与前に再構築するために緩衝剤(例えば、重炭酸塩)を含んでもよく、緩衝剤は、再構築(例えば、水を用いた再構築)のために凍結乾燥組成物に含まれてもよい。凍結乾燥組成物は、適切な血管収縮剤(例えば、エピネフリン)をさらに含んでもよい。本発明の1つの態様において、凍結乾燥組成物は注射器に入れて提供され、任意に、再構築された麻酔薬組成物をすぐに患者に投与できるように再構築用の緩衝剤と共に梱包される。
薬学的組成物は、活性成分として、エステル麻酔薬またはその薬学的に許容される塩の組み合わせ、ならびに1種類またはそれ以上の種類の薬学的に許容される賦形剤、担体、希釈剤、組織浸透促進剤、可溶化剤、および佐剤を含む。他の治療剤として、例えば、血管収縮剤、抗炎症剤、抗生物質、および反対刺激薬を挙げることができる。化合物は、Remington's Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Co.、Philadelphia、Pa.17th Ed.(1985)および「Modern Pharmaceutics」Marcel Dekker,Inc.3rd Ed.(G.S.Banker&C.T.Rhodes,Eds.)に記載のような従来法を用いて処方することができる。活性薬剤の薬学的に許容される塩(例えば、酸添加塩)は、合成有機化学の当業者に周知であり、例えば、J.March、Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structure、4th Ed.(New York Wiley-Interscience、1992)に記載の標準的な手順を用いて調製することができる。
ほとんどの局所麻酔薬はある程度の血管拡張を生じさせ、局所注射後に速やかに吸収されることがある。従って、活性麻酔薬を局所組織に局在させることで効力を高め、最大全身濃度を低下させ、作用期間を延ばすために、血管収縮剤が添加されてもよい。アドレナリン(エピネフリン)およびフェニルエピネフリンは一般的に用いられる血管収縮剤であり、約1/80,000〜1/500,000の濃度で、通常、約1/200,000(5μg/ml)の濃度で添加することができる。特に、浸潤麻酔および末梢神経ブロックに使用する時、アドレナリンを添加することによって作用期間が延びる。アドレナリンはまた硬膜外麻酔の期間を延ばすこともできる。
インビボ神経遮断を延ばすのに有用なコルチコステロイドとして、グルココルチコイド(例えば、デキサメタゾン、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、および経口投与または注射によって日常的に投与される他のグルココルチコイド)が挙げられる。他のグルココルチコイドとして、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、フルニソリド、メチルプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、アルクロメタゾン、アムシノニド、クロベタゾール、フルドロコルチゾン、ジフルロゾンジアセテート、フルオシノロンアセトニド、フルオロメタロン、フルランドレノリド、ハルシノニド、メドリゾン、モメタゾン、ならびにその薬学的に許容される塩および混合物が挙げられる。
浸透促進剤も含めることができる。浸透促進剤は、エステル麻酔薬が組織の中に入るのを、または細胞膜を通過するのを助けるのに用いられる。代表的な促進剤として、胆汁酸塩(例えば、コール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸塩、デオキシコール酸ナトリウム、リトコール酸ナトリウム、ケノコール酸塩、ケノデオキシコール酸塩、ウルソコール酸塩、ウルソデオキシコール酸塩、ヒドロデオキシコール酸塩、デヒドロコール酸塩、グリコケノコール酸塩、タウロケノコール酸塩、およびタウロケノデオキシコール酸塩)を挙げることができる。尿素、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ラウリル硫酸ナトリウム、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸の塩および他の誘導体、界面活性剤、胆汁酸塩類似体、胆汁酸塩の誘導体などの他の浸透促進剤を挙げることができる。または、米国特許第4,746,508号に記載のような合成浸透促進剤も使用することができる。
神経遮断局所麻酔を延ばすために担体に、親油性溶媒および/または両親媒性溶媒を添加することができる。これらの材料は当業者に周知であり、様々な商業的供給源から入手することができる。溶媒の例として、約1%アルコールに相当する投与量で添加されたアルコール(例えば、エタノール)、1%〜3%に相当する濃度で添加されたポリオキシエチレンソルビタン誘導体(例えば、ポリソルベート-80すなわちトウィーン)が挙げられる。
局所での使用の場合、本発明の組成物は、例えば、約10重量%までの、好ましくは約5重量%までのエステル麻酔薬の組み合わせを含む、エマルジョン、クリーム、ゼリー、液剤、および軟膏の形をしていてもよい。非経口投与の場合、組成物は、滅菌注射液および包装された滅菌粉末の形をしていてもよい。好ましくは、注射液は約4.5〜約7.5のpHで処方される。適切な賦形剤のいくつかの例として、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカントゴム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、食塩水、シロップ、およびメチルセルロースが挙げられるが、これに限定されない。製剤は、潤滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油);湿潤剤、乳化剤、および懸濁剤;防腐剤(例えば、安息香酸メチルおよびプロピルヒドロキシベンゾエート)、甘味剤、ならびに着香剤をさらに含んでもよい。組成物はまた、生分解性ポリマービーズならびにデキストランおよびシクロデキストリン封入体を含んでもよい。
V.投与方法
エステル麻酔薬の組み合わせは、1回の注射として、または留置カテーテルを介して連続的に投与されてもよく、皮膚、粘膜などに局所投与されてもよい。エステル麻酔薬の組み合わせを含む溶液は、例えば、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、またはそれ以上反復して投与されてもよく、長期間の効果をもたらすエステル麻酔薬は、エステル麻酔薬の組み合わせが投与された後に反復投与で(例えば、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、またはそれ以上)別個に投与されてもよく、溶液は連続注入によって投与されてもよい。
エステル麻酔薬の組み合わせは、1回の注射として、または留置カテーテルを介して連続的に投与されてもよく、皮膚、粘膜などに局所投与されてもよい。エステル麻酔薬の組み合わせを含む溶液は、例えば、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、またはそれ以上反復して投与されてもよく、長期間の効果をもたらすエステル麻酔薬は、エステル麻酔薬の組み合わせが投与された後に反復投与で(例えば、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、またはそれ以上)別個に投与されてもよく、溶液は連続注入によって投与されてもよい。
本発明の組成物は、類似の有用性を有する薬剤の許容される任意の投与方法によって(例えば、局所投与、粘膜投与によって、または非経口経路(例えば、皮内投与、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、硬膜外投与、直腸投与、膣投与など)によって)投与することができる。最も適切な経路は、治療される状態の種類および重篤度に左右される。末梢神経ブロック、漿膜および脊椎送達(例えば、硬膜外、仙骨など)を含む浸潤法が本発明の化合物に好ましい経路である。他の適切な投与方法として、エステル麻酔薬の組み合わせがコーティングされた外科用綿撒糸の留置、エステル麻酔薬の気管内投与、および気管内チューブのバルーンの中のエステル麻酔薬の投与が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の組成物は無痛および/または麻酔の発生のために投与することができ、疼痛の予防および/または治療に特に有用である。局所麻酔薬として、組成物は、部分麻酔(例えば、局所麻酔、浸潤麻酔、手術周囲組織の浸潤麻酔、周囲浸潤麻酔、末梢神経ブロック麻酔、硬膜外麻酔、脊椎麻酔、ビールブロック麻酔、およびその組み合わせ)に有用である。さらに、組成物は、静脈穿刺、腰椎穿刺、鼓膜穿刺、および動脈カニューレ挿入に関連した疼痛の緩和のために投与されてもよい。組成物は、神経障害性の疼痛、外傷、または組織虚血の治療および/または予防を含む他の治療用途を有する。
本明細書で使用する「局所麻酔」という用語は、粘膜、上気道および下気道、皮膚などへの本発明の組成物の投与を意味する。粘膜の例として、鼻、口、食道、気管気管支樹、および尿生殖器管が挙げられるが、これに限定されない。本発明の局所麻酔製剤は、皮膚病、痔、および軽度の熱傷による疼痛の緩和に、ならびにS状結腸鏡検査に関連した、および直接喉頭鏡検査前の上気道麻酔における疼痛の軽減に有用である。皮膚の局所麻酔として、パッチまたは他のリザーバシステムによる投与、局所麻酔薬を含む包帯またはガーゼによる投与、およびクリーム、軟膏、スプレー、または当業者に周知の他の経皮薬物投与システムによる投与が挙げられる。
本明細書で使用する「浸潤麻酔」という用語は、麻酔しようとする部位への血管外留置による本発明の組成物の投与を意味する。好ましくは、本発明の浸潤麻酔薬製剤は注射によって投与される。注射は、手術による刺激もしくは痛みの刺激が生じるその場の部位、または痛みの信号を伝達する神経が通っている組織で行われる。本明細書で使用する「末梢神経ブロック麻酔」は、主要な神経のすぐ隣にある組織への血管外留置による本発明の投与(例えば、上肢の神経のブロック(例えば、斜角筋間ブロック、鎖骨上ブロック、鎖骨下ブロック、腋窩ブロック、正中神経ブロック、橈骨神経ブロック、筋皮神経ブロック、尺骨神経ブロック、指ブロック(digit block))、下肢の神経のブロック(例えば、腰神経叢ブロック、坐骨神経ブロック、大腿神経ブロック、閉鎖神経ブロック、外側大腿皮神経ブロック、腓骨神経ブロック、脛骨神経ブロック、くるぶしブロック)、ならびに主要な叢 (例えば、頚神経叢、腕神経叢、腹腔神経叢、仙骨神経叢、大腿動脈神経叢) のブロック)を意味する。本明細書で使用する「硬膜外麻酔」という用語は、硬膜外空間または仙骨尾骨空間に注射された局所麻酔液によって引き起こされる麻酔を意味する。「脊椎麻酔」という用語は、腰椎くも膜下空間に局所麻酔薬が注射された後の麻酔を意味する。好ましくは、脊椎麻酔は、2-クロロプロカインおよびテトラカインの組み合わせを含む製剤を用いて行われる。「ビールブロック麻酔」という用語は、止血帯によって隔離された末端部への局所麻酔薬注射を意味する。
アミド型局所麻酔薬とは対照的に、エステル麻酔薬は血中でおよび多くの体組織において極めて速やかに代謝され、不活化される。従って、エステル麻酔薬の全身濃度は直接静脈内注射によって投与される時以外は非常に低いので、毒性の可能性は非常に低い。非常に低い全身濃度の結果として、エステル麻酔薬を使用すると、少なくとも2種類のエステル麻酔薬を、改善した局所麻酔活性および/または無痛活性を示すそれぞれの総量で組み合わせることが可能になる。このような組み合わせはアミド麻酔薬では不可能である。なぜなら、アミド麻酔薬はかなりゆっくりと代謝されるので、組織および血中の麻酔薬濃度が高いからである。全ての局所麻酔薬の毒性は相加的であるので、2種類の総量のアミド麻酔薬の組み合わせに起因する高い血中濃度および組織濃度は、患者を、全身毒性(痙攣、心血管虚脱、および死亡を含む)のかなりの危険性にさらす可能性が高い。さらに、毒性の問題は本発明の組成物を用いて克服されたので、無痛および/または麻酔に有効な最適量のそれぞれのエステル麻酔薬を、麻酔薬を必要とする被検体に投与することができる。対照的に、アミド麻酔薬の組み合わせが投与される時、それぞれのアミド麻酔薬の高い血中濃度が予想され、局所麻酔薬の相加的毒性が記録に残っているので、最適量以下のそれぞれのアミド麻酔薬を使用することが必要である。例えば、麻酔に有効な量のリドカイン(2%)およびブピビカイン(bupivicaine)(0.5%)が併用されれば、非常に高い毒性を示し、潜在的に死亡の原因となり得るだろう。例えば、Mets et al.、Anesth.Analg.、75:611-614(1992);Naguib et al.、Drug Saf.、18:221-250(1998);Kytta et al.、Reg.Anesth.16:89-94(1991)を参照のこと。
現在用いられている局所麻酔薬(例えば、リドカイン)は被検体への投与時に痛みおよび不快感(刺痛)を生じさせる。対照的に、本発明の組成物(例えば、2-クロロプロカインおよびテトラカインの組み合わせ)は、わずかな痛みおよび不快感しか生じさせない。従って、このような組成物は投与が簡単なだけでなく、投与の際に被検体に良好に許容される。
本発明は、作用開始が速やかな少なくとも1種類のエステル麻酔薬を提供する。ここで、麻酔作用の開始は、例えば、浸潤麻酔のために送達される場合、麻酔薬が投与されて少なくとも10分以内に始まり、少なくとも約5分、好ましくは少なくとも約2分でもよく、またはそれより短くてもよい。この目的に適した麻酔薬としてプロカインおよび2-クロロプロカインが挙げられる。好ましくは、麻酔薬は2-クロロプロカインである。
本発明はまた、作用期間が長時間にわたる少なくとも1種類のエステル麻酔薬も提供する。ここで、単回投与による麻酔作用は、例えば、浸潤麻酔のために送達される場合、少なくとも約1時間、好ましくは少なくとも約2時間、より好ましくは少なくとも4時間、さらにより好ましくは少なくとも約6時間、またはそれより長く維持される。
全ての局所麻酔薬と同様に、投与される用量は、麻酔手順、組織の血管分布、麻酔の深さ、必要とされる筋肉弛緩の程度、所望の麻酔期間、および患者の身体状態によって異なる。好ましくは、望ましい結果を生じるのに必要とされる最小の用量および濃度を使用すべきである。投与量は、子供、老人、衰弱した患者、ならびに心臓病患者および/または肝臓病患者に合うように適切に調節すべきである。
以下のガイドラインは、本発明の方法および組成物で使用される可能性のある用量に対する制限を示すことを目的としていないが、製剤についてのいくつかのガイドラインを示すかもしれない。以下のガイドラインは一般的に最大単回量について言及し、単回量を分割することによって、量を増やすことができる。前記のように、投与後にエステル型麻酔薬は速やかに不活化されるので、この麻酔薬の組み合わせが反復投与された時に広い安全限界が得られる。
例えば、エピネフリンと併用せずに、成人に単回注射として投与される2-クロロプロカインの用量は約10mg/kg、約25mg/kg、約50mg/kgから約100mg/kgまででもよい。臨床ガイドラインでは800mgの最大総量が示唆されているが、最近のデータでは、それより非常に高い用量(例えば、最大約1500mg、約2500mg、約5000mg、通常、多くとも約10,000mg)を毒性作用なく投与できることが示唆されている。例えば、1:200,000濃度のエピネフリンを添加すると、麻酔薬の用量を約20%増やすことができる。以前のガイドラインでは、テトラカインの最大単回量は脊椎麻酔では約20mgまでであると示唆されている。しかしながら、このような用量を超えて、最大約50mg、約200mgまででもよく、通常、約400mgを超えない。最大単回量のプロカインは約1000mgである。それより高い用量の場合、麻酔薬を血管に直接注射しないように気をつけなくてはならない。
組成物は好ましくは単位剤形で処方される。「単位剤形」という用語は、ヒト被験者および他の哺乳動物への単位投与として適切な物理的に別個の単位を意味し、それぞれの単位は、適切な薬学的賦形剤(例えば、アンプル)と共同して所望の開始、認容性、および治療効果を生じるように計算された所定量の活性物質を含む。さらに、高濃度の組成物が調製されてもよく、次いで、高濃度の組成物から低濃度の単位投与組成物が生成されてもよい。従って、高濃度の組成物は、本発明の化合物の麻酔または無痛に有効な量より実質的に多い(例えば、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、またはそれより多い)量を含む。
本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩は、無痛および/または麻酔に有効な量で投与される。局所麻酔薬の薬物作用の作用期間および/または効力は、1種類のエステル型局所麻酔薬しか含まない製剤の局所麻酔作用と比較して高く、より毒性の高いアミド型局所麻酔薬製剤によって生じる期間に等しいか、またはそれより長い麻酔期間を生じる(実施例2および3を参照のこと)。従って、投与量および投与計画はそれに応じて調節されることがある。製剤中の2種類のエステル型局所麻酔薬の比は固定されるが、実際に投与される製剤の総量は、治療しようとする状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物およびその相対活性、個々の患者の年齢、体重、および応答、患者の症状の重篤度などを含む関連状況を考慮して、医師によって決定されることが理解されるだろう。
本発明の麻酔薬の組み合わせの活性は、様々な周知のアッセイ(例えば、バトラコトキシン(BTX)置換アッセイ(McNeal et al.、J.Med.Chem.28:381(1985))、パッチクランプ法(Neher and Sakmann、「The Patch Clamp Technique」Scientific American pp.44-51(1992);Hamill et al.、Pflugera Arch.391:85(1981)を参照のこと);無傷の摘出された神経を用いたアッセイ(例えば、摘出されたカエル坐骨神経);モルモットにおける体幹皮筋反射(CTMR)の遮断(Bulbring et al.、J.Pharmacol.Exp.Therap.85:78-84(1945);Blight et al.、J.Compar.Neurology 296:614-633(1990;Choi et al.、Life Sci.61:PL177-84(1997))において試験することができる。ラットにおける坐骨神経ブロック間の運動機能および交感神経機能の評価は、例えば、Grant et al.、Anesth.Analg.75:889-94(1992)およびThalhammer et al.、Anesthesiology 82:1013-25(1995)において述べられている。
実施例2:個々に投与された局所麻酔薬と、組み合わせ投与された局所麻酔薬の比較
リドカイン、ブピバカイン、テトラカイン、および2-クロロプロカインによる坐骨神経ブロックの開始および停止を、ラットにおいて行われた試験において調べた。3種類のモダリティー:(1)疼痛(例えば、つまみに対する離脱(withdrawal to pinch));(2)固有感覚(例えば、足をテーブルの上にまっすぐに置く能力);および(3)運動の強さ(例えば、足がスケールの上に作用する下向きの圧力)を試験した。それぞれの場合において、等量の局所麻酔剤を試験した。関心対象のモダリティーは、つまみに対する離脱であった。それぞれの局所麻酔薬を、ほぼ同一の大きさおよび年齢の5匹のラットにおいて試験した。結果を図1に示す。
リドカイン、ブピバカイン、テトラカイン、および2-クロロプロカインによる坐骨神経ブロックの開始および停止を、ラットにおいて行われた試験において調べた。3種類のモダリティー:(1)疼痛(例えば、つまみに対する離脱(withdrawal to pinch));(2)固有感覚(例えば、足をテーブルの上にまっすぐに置く能力);および(3)運動の強さ(例えば、足がスケールの上に作用する下向きの圧力)を試験した。それぞれの場合において、等量の局所麻酔剤を試験した。関心対象のモダリティーは、つまみに対する離脱であった。それぞれの局所麻酔薬を、ほぼ同一の大きさおよび年齢の5匹のラットにおいて試験した。結果を図1に示す。
図1の上パネルは、2.0%リドカイン(市販されている最も強い濃度のリドカイン)を用いた坐骨神経ブロックの時間経過を示す。この濃度で、リドカインはブロックをほぼ即時に開始した(すなわち、注射の2分後に行われる最初の試験時点で100%であった)。しかしながら、感覚遮断の期間は約45分であり、この時点で低下し始めた。
図1の中央パネルは、ラット坐骨神経のすぐそばに注射された等量の0.5%ブピバカインを用いた坐骨神経ブロックの時間経過を示す。感覚遮断の開始は2.0%リドカインより4倍遅く、試験した全ての動物において完全な感覚遮断を達成するのに8分を必要とした。しかしながら、良好な感覚遮断が60分まで持続し、この時点で低下し始めた。
図1の下パネルは、テトラカインおよび2-クロロプロカインの組み合わせの投与による坐骨神経ブロックの時間経過を示す。この製剤は、0.17%テトラカインおよび2.3%2-クロロプロカインを含んでいた。この実験から、局所麻酔薬の組み合わせを投与すると、リドカインと同じくらい速やかに感覚遮断が開始し(例えば、約2分までに完全に開始する)、リドカイン単独より実質的に長い期間の持続活性(例えば、完全な感覚遮断)が得られることが証明される。実際に、完全な感覚遮断の期間は、ブピバカインで観察された期間より長かった。従って、テトラカインおよび2-クロロプロカインなどの局所エステル麻酔薬の組み合わせを単回注射で投与すると、リドカインに匹敵する感覚遮断の開始と、ブピバカインと同等の、またはブピバカインより長い持続性感覚遮断期間を得ることができる。
実施例3:組み合わせ投与された局所麻酔薬の協力作用の証明
図2は、2%2-クロロプロカイン投与後のラット坐骨神経ブロックの開始および期間を示す。ブロックの期間は、テトラカインの同時投与がない場合よりかなり短く、完全な感覚遮断は約30分しか続かなかった。さらに、2-クロロプロカイン投与によるブロックの開始はテトラカインの同時投与より遅かった。このことは、テトラカインは、2-クロロプロカイン麻酔の開始を速めるように協力的に作用することを示唆している。
図2は、2%2-クロロプロカイン投与後のラット坐骨神経ブロックの開始および期間を示す。ブロックの期間は、テトラカインの同時投与がない場合よりかなり短く、完全な感覚遮断は約30分しか続かなかった。さらに、2-クロロプロカイン投与によるブロックの開始はテトラカインの同時投与より遅かった。このことは、テトラカインは、2-クロロプロカイン麻酔の開始を速めるように協力的に作用することを示唆している。
図3は、0.22%テトラカイン(上パネル)または0.5%テトラカイン(下パネル)の投与後の坐骨神経ブロックの開始および期間を示す。驚くべきことに、両濃度のテトラカインとも十分な感覚遮断を生じなかった(例えば、感覚遮断は60%未満であった)。対照的に、さらに低い濃度のテトラカインが2-クロロプロカインと同時投与された時、完全な感覚遮断が得られる(図1、下パネルを参照のこと)。さらに、0.22%テトラカインまたは0.5%テトラカインの投与によって生じた部分的な感覚遮断は開始が遅いだけでなく、急速に消失した。様々な用量のテトラカインを用いた複数の研究から、1匹のラットにおいてどの試験濃度のテトラカインを用いても非常に大きくかつ持続的な感覚遮断が示されなかったので、これらの結果が確かめられた。完全な長期間の運動遮断を証明することによって、使用した全ての動物を、坐骨神経付近の局所麻酔薬注射の正確な位置について評価した(データ示さず)。従って、これらの結果から、テトラカイン自体は、速やかな開始、および長い作用期間でラット坐骨神経の感覚遮断を生じるのには不十分な局所麻酔薬であることが分かる。
さらに、これらの結果は、テトラカインおよび2-クロロプロカインの組み合わせを投与した際に達成される速やかな作用開始および長い作用期間が、テトラカイン単独および2-クロロプロカイン単独の個別の作用の合計より明らかに速い(長い)ことを証明している。さらに詳細に述べると、2-クロロプロカインの非存在下では、テトラカインによる感覚遮断はどの時点でも不十分である。同様に、テトラカインの非存在下では、2-クロロプロカインによる感覚遮断は非常に一過的である。2種類の局所麻酔薬の組み合わせだけが、60分間を超えて続く感覚遮断を生じることができる。従って、テトラカインおよび2-クロロプロカインは組み合わせ投与された時に、安全な、完全な、速やかな、かつ持続的な局所麻酔薬活性をもたらすように協力作用する。
実施例4:局所麻酔薬投与後の神経毒性の測定
局所麻酔薬注射の5日後に、ラット腓骨神経の切片を光学顕微鏡で評価するために作成した。詳細に述べると、それぞれの神経の切片を作成し、軸索消失を評価するために、総軸索数を測定した。それぞれの処置条件について5本の神経を調べた。対照(食塩水)、ブピバカイン、および2.3%2-クロロプロカイン/0.17%テトラカイン注射の5日後の腓骨神経の軸索数は、それぞれ、2063±30(SEM)、1959±81、および1993±45であった。ブピバカインと2-クロロプロカイン/テトラカインと食塩水対照との間には総軸索数に有意な違いはなかった。対照的に、2.0%リドカインで処置された神経の総軸索数は、食塩水対照から有意に低下した1602±167であった。これは、リドカイン投与後の著しい神経毒性を証明している。
局所麻酔薬注射の5日後に、ラット腓骨神経の切片を光学顕微鏡で評価するために作成した。詳細に述べると、それぞれの神経の切片を作成し、軸索消失を評価するために、総軸索数を測定した。それぞれの処置条件について5本の神経を調べた。対照(食塩水)、ブピバカイン、および2.3%2-クロロプロカイン/0.17%テトラカイン注射の5日後の腓骨神経の軸索数は、それぞれ、2063±30(SEM)、1959±81、および1993±45であった。ブピバカインと2-クロロプロカイン/テトラカインと食塩水対照との間には総軸索数に有意な違いはなかった。対照的に、2.0%リドカインで処置された神経の総軸索数は、食塩水対照から有意に低下した1602±167であった。これは、リドカイン投与後の著しい神経毒性を証明している。
同様に、局所麻酔薬注射の5日後に、坐骨神経の端から端までの切片も作成し、肉眼で見える病理学的傷害について調べた。2.3%2-クロロプロカイン/0.17%テトラカイン注射および0.5%ブピバカイン注射の適切な部位にある坐骨神経の光学顕微鏡用切片は食塩水対照とは見分けがつかなかったのに対して、2.0%リドカイン注射部位にある坐骨神経は著しい浮腫および神経損傷を示した。これは、リドカイン投与後の著しい神経毒性を示している。
これらの実験は、2-クロロプロカイン/テトラカインの組み合わせは神経毒性がなく、組織病理学的に食塩水対照とは見分けがつかないことを証明している。対照的に、2.0%リドカインは、坐骨神経周囲注射および遠位腓骨神経の両方のレベルで著しい神経毒性を示した。
本明細書で引用された全ての刊行物および特許出願は、それぞれ個々の刊行物または特許出願が参照として組み入れられるように詳細かつ個々に示されるように本明細書に参照として組み入れられる。前述の発明は、はっきりと理解できるようにするために例示および実施例によっていくらか詳細に説明されたが、添付の特許請求の範囲の精神または範囲を逸脱することなく、ある特定の変化および変更を加えることができることは、本発明の開示を考慮すれば当業者に容易に明らかであると思われる。
Claims (28)
- 少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせを投与する段階を含む、局所麻酔の方法。
- エステル麻酔薬の少なくとも1種類が速やかな作用開始をもたらし、かつエステル麻酔薬の少なくとも1種類が長期間の効果をもたらす、請求項1記載の方法。
- エステル麻酔薬の1種類がプロカインまたは2-クロロプロカインである、請求項2記載の方法。
- エステル麻酔薬の1種類がテトラカインである、請求項2記載の方法。
- エステル麻酔薬の1種類が2-クロロプロカインであり、かつ1種類がテトラカインである、請求項2記載の方法。
- 少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせが1種類の薬学的製剤として投与される、請求項2記載の方法。
- 薬学的製剤が緩衝剤をさらに含む、請求項6記載の方法。
- 製剤が血管収縮剤をさらに含む、請求項6記載の方法。
- 血管収縮剤がエピネフリンまたはフェニルエピネフリンである、請求項8記載の方法。
- 製剤がコルチコステロイドをさらに含む、請求項6記載の方法。
- 製剤が組織浸透促進剤をさらに含む、請求項6記載の方法。
- エステル麻酔薬の組み合わせが局所送達される、請求項2記載の方法。
- エステル麻酔薬の組み合わせが浸潤によって送達される、請求項2記載の方法。
- 浸潤によって末梢神経ブロックが得られる、請求項13記載の方法。
- 浸潤によって硬膜外神経ブロックが得られる、請求項13記載の方法。
- 浸潤によって仙骨神経ブロックが得られる、請求項13記載の方法。
- 局所麻酔のための薬学的製剤であり、以下を含む薬学的製剤:
(a)少なくとも2種類のエステル麻酔薬の組み合わせ;および
(b)薬学的に許容される担体。 - エステル麻酔薬の少なくとも1種類が速やかな作用開始をもたらし、かつエステル麻酔薬の少なくとも1種類が長期間の効果をもたらす、請求項17記載の薬学的組成物。
- エステル麻酔薬の1種類がプロカインまたは2-クロロプロカインである、請求項18記載の薬学的組成物。
- エステル麻酔薬の1種類がテトラカインである、請求項18記載の薬学的組成物。
- エステル麻酔薬の1種類が2-クロロプロカインであり、かつ1種類がテトラカインである、請求項18記載の薬学的組成物。
- 2-クロロプロカインが約1%〜約3%の濃度で存在する、請求項21記載の薬学的組成物。
- テトラカインが約0.1%〜約0.5%の濃度で存在する、請求項21記載の薬学的組成物。
- 薬学的製剤が緩衝剤をさらに含む、請求項17記載の薬学的組成物。
- 製剤が血管収縮剤をさらに含む、請求項17記載の薬学的組成物。
- 血管収縮剤がエピネフリンまたはフェニルエピネフリンである、請求項25記載の薬学的組成物。
- 製剤がコルチコステロイドをさらに含む、請求項17記載の薬学的組成物。
- 製剤が組織浸透促進剤をさらに含む、請求項17記載の薬学的組成物。
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