JP2006512344A - 有機キャリアで安定化された固形薬物分散物及び調製方法 - Google Patents

有機キャリアで安定化された固形薬物分散物及び調製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006512344A
JP2006512344A JP2004561412A JP2004561412A JP2006512344A JP 2006512344 A JP2006512344 A JP 2006512344A JP 2004561412 A JP2004561412 A JP 2004561412A JP 2004561412 A JP2004561412 A JP 2004561412A JP 2006512344 A JP2006512344 A JP 2006512344A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drug
complex
carrier
mixture
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004561412A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006512344A5 (ja
Inventor
コロンボ・イタロ
ジャルヴァソニ・ダリオ
Original Assignee
ユーランド ソシエタ ペル アチオニ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユーランド ソシエタ ペル アチオニ filed Critical ユーランド ソシエタ ペル アチオニ
Publication of JP2006512344A publication Critical patent/JP2006512344A/ja
Publication of JP2006512344A5 publication Critical patent/JP2006512344A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/14Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
    • A61K9/16Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
    • A61K9/1605Excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/1629Organic macromolecular compounds
    • A61K9/1635Organic macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polyvinyl pyrrolidone, poly(meth)acrylates
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/14Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
    • A61K9/16Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
    • A61K9/1605Excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/1629Organic macromolecular compounds
    • A61K9/1652Polysaccharides, e.g. alginate, cellulose derivatives; Cyclodextrin

Abstract

薬物がアモルファス状であり架橋ポリマー及び/又は複合化剤から選択された有機キャリアに主として(バルク状で)分散された新規の固形薬物分散物を開示する。これらの分散物は、薬物とキャリアとをともに混和しこの混合物にマイクロ波領域の周波数を有する振動電磁場を適用して得られる;このマイクロ波は、特定の加熱サイクルに従って適用され、上記の薬物キャリア混合物は、薬物の融解温度よりも高い温度で少なくとも5分間加熱される。公知の技術に対して、本発明は、アモルファス状でキャリアに取り込まれる薬物量を増加させ、アモルファス相の物理的安定性を増加させる。このことは、例えば、水に若干の溶解性のみを示すことで公知の天然型で結晶状の薬物に基づいた薬学的組成物の調製に特に有用である;アモルファス状で増加された薬物量と安定性の恩恵を受け、得られる製剤は、より急速で極めて高い効果を有するとともに、より高いバイオアベイラビリティーに寄与する。

Description

本発明は、高いバイオアベイラビリティーを有する急速で効果的な薬学的組成物に係る技術に関する。薬物が有機キャリア内でアモルファス状で(バルク状で)主として分散された、新規の薬物キャリア複合体の調製を開示する。
薬物の高い溶解動態を確実にし、従って投与に続いて起こる高いバイオアベイラビリティーを確実とした薬学的組成物をレディー・トゥー・ユースで達成することは、薬学技術において、主要な課題である;このような要求は、特に、低いバイオアベイラビリティーを有すると知られる水に対して若干の溶解性しか示さない薬物の場合に顕著である。
水に若干の溶解性のみを示す多くの薬物は、結晶状で存在している:この群に属する薬物の安定性を向上させるシステムは、結晶ネットワークを崩壊させ、これらをアモルファス状とすることである:事実、アモルファス状の物質は、対応する結晶状態に対して、水中でより高い溶解性と、より早い崩壊動態とを有する。結晶の崩壊が結晶ネットワークにおける分子内結合を分断するため溶媒の一部に追加の仲介を必要とする事実に係る理由は、このような仲介は、アモルファス状を必要とすることではなく;後者において、崩壊手法は、より少ないエネルギーのみを必要とし、崩壊がより急速に進行する。
結晶性薬物に関するアモルファス化手法は、長い間知られている(非特許文献1)。しかしながら、結晶の有するより高い溶解性に起因して、アモルファス化された薬物は、安定性が低く(不安定な位相)、容易に再結晶化する傾向にあり、従って、一時的に得た増加された溶解性をなくしてしまう。
この現象を制限する目的に関し、薬学的キャリア上に堆積させたアモルファス状薬物を製造することが提案されている:この場合、この薬物−キャリア相互応力は、アモルファス位相の分子が再凝集する傾向を制限し、これにより、より高い安定性が達成される。このことを達成するため、「溶媒堆積(solvent deposition)」法が提案されており、これによると、薬物は、最初に適当な溶媒に溶解され、この溶液に、不溶性キャリア粒子を添加し、その後、溶媒をエバポレートさせて、キャリア上に堆積されたアモルファス状の薬物が製造される。
しかしながら、上述の戦略は、部分的にのみ有用であって、アモルファス率はそれほど高くない:加えて、薬物は、キャリア粒子の外部表面上にのみ堆積されたままであり、つまり、(バルク状で)キャリア粒子内に内的に分布されているわけではない(非特許文献2):表面に存在する薬物は、結晶構造を容易に形成する再凝集に関して特に自由な挙動を示す。近年、結晶性薬物の溶解性を増加させるため、マイクロ波を使用することが、複数の筆者(非特許文献3)により提案されている:この方法は、薬物を、高い表面領域を有する無機キャリア(二酸化珪素)と混合しマイクロ波に暴露する技術を提供する;しかしながら、この場合においてさえ、この筆者が命名した「表面固体分散物」として複合体が得られ、この場合、アモルファス化された薬物は、キャリア粒子の表面上に局在する。この場合においてさえ、上述のシステムに係る制約が存在し、つまり、薬物は、キャリア粒子の外部表面上にのみ堆積され、従って、再結晶化の現象に起因する。
特許文献1は、直鎖のポリビニルピロリドンなどの水溶性ポリマー中での薬物の固形分散物の調製方法を開示し、この分散物は、マイクロ波処理により得られるものを開示する。特許文献2は、マイクロ波で補助した、薬物−キャリア複合体の調製について開示する;この実施例は、キャリアとして、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びそのアセトコハク酸塩並びに直鎖のポリビニルピロリドンを使用する。上述の文献において、処理の全時間を通じて一定に保持されたマイクロ波出力(ワット)を保持する。
欧州特許出願公開第1308156号明細書 米国特許第6462093号明細書 Yu L.、Amorphous pharmaceutical solids : preparation characterisation and stabilization. Adv. Drug. Delivery Rev.、2001年、48巻、27−42頁 International Journal of Pharmaceutics、33巻、1986年、115−124頁 Drug Dev. Ind. Pharm.、24巻(4号)、1998年、359−363頁 Guidance for Industry:Immediate Release Solid Oral Dosage Forms、Centre for Drug Evaluation and Research編、FDA、1997年 Committee on microwave processing of materials: an emerging industrial technology. Microwave processing of materials, pag. 36, Publication NMAB−473. Washington: National academy Press、1994年
本発明までは、利用可能なアモルファス化処理について、完全に満足いくものはない。本発明の目的は、キャリア全体を通じて活性主体が多く分散し且つこの活性主体が高い頻度でアモルファス化し得るような高度の効果的な方法を提供することである。
本願出願人は、薬物が有機キャリアと混合され特定の加熱サイクルに従ってマイクロ波領域の周波数にて振動電磁場で処理されると、薬物キャリア複合体が得られ、従来技術にて得られた組成物に対して、この薬物はより多量で且つより安定な形態でアモルファス化されることを見出した。
本発明において、マイクロ波での処理は、例えば、グラファイトで負荷(load)されたポリテトラフルオロエチレンなど、マイクロ波で結合する誘電体をベースとした支持体上に載置された、適切な量の溶媒で前もって湿潤された薬物とキャリアとの均一な混合物に対して実行され、或いは、乾燥状態の薬物−キャリア混合物に対して実行される。
このマイクロ波適用サイクルは、上記の薬物混合物が薬物の融解温度よりも高い温度に加熱されるようになされ、この温度は、少なくとも5分間一定に保持される。本発明により得られる複合体(以下、安定化固形分散物と称する)は、存在する薬物の総量に対して50重量%以上の量のアモルファス化薬物を含有することを特徴とし、且つ、薬物がキャリア粒子の内部に(バルク状で)分散されていることを特徴とし、従って、キャリア粒子の外部表面にのみ存在するわけではないことを特徴とする。
本発明による、アモルファス形態で薬物がバルク状態に分散される技術は、水に若干しか溶解性を示さない場合に、特に効果的であり且つ有用であると考えられ、従って、投与後、早い時間で溶解性及びバイオアベイラビリティーに係る特性を向上させ得る。
本発明の第1の目的は、有機キャリアに分散された薬物を有する新規の複合体で構成される。ここで、上記の薬物は:
複合体に存在する薬物の総量に対して50重量%以上の量をアモルファス形態で存在し、且つ
上記のキャリアの粒子内に(バルク状態で)主として分散されている。
「アモルファス形態の薬物」により意図されるのは、薬物が分子クラスターの形態で存在する際、その構造組織は、X線回折技術(PXRD)又は示差走査熱量計により識別され得ないことである。
上述の好適な複合体は、アモルファス形態で少なくとも75%、より好ましくは、少なくとも85%の薬物を有することである;複合体中にアモルファス形態で100%存在する薬物は、本発明により得られ、以下の実験例の箇所で示す。
「主として(バルク状で)分散される」で意図するのは、薬物が、キャリア粒子の表面上のみならず、キャリア粒子内にも堆積されることであって:本発明において、薬物は、キャリア粒子内に拡散され、且つ、”in situ”で安定化される。
上記の有機キャリアは、架橋ポリマー若しくは複合化剤又はこれらの混合物から選択される。架橋ポリマーは、典型的には水に不溶性であるが、複合化剤は、典型的に水溶性である;「溶解性/不溶性」なる用語は、室温(20℃)において水に対して意図するものであり;用語「架橋」とは、天然又は合成的に誘導されたポリマー内結合が存在することを参照し;不溶性架橋ポリマーの好適例は、クロスポピドンで公知の架橋ポリビニルピロリドンであり;このクラスのポリマーの他の例は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋スターチ、架橋デキストラン、架橋ポリスチレン、架橋β−シクロデキストリンである。
水溶性複合化剤のクラスの好適な例は、シクロデキストリン(例えば、α−、β−、γ−シクロデキストリン及びこれらの誘導体など)並びにマルトデキストリンである。複合化剤は、水和物などの水分子を有していてもよい。
本発明に使用する有機キャリアは、例えば、0,05〜20m/gの高くない表面面積で、例えば、0.5〜2m/gの平均表面領域を有する市販で利用可能なCL−PV及びシクロデキストリンでなされることを好ましく特徴とする。
また、本発明は、2つ以上の有機キャリアの混合物を使用し:例えば、水に不溶性の架橋ポリマーと水溶性複合化剤との混合物を有する。
薬学的に興味ある活性成分(2つ以上の混合物を含む)は、本発明に特許請求の範囲として記載された複合体に存在してもよい;この薬物は、水にほとんど溶解性を示さず、また、生物薬学的システムのクラスIIに属するものである(非特許文献4参照)。かかる化合物の例には、ニメスライド(nimesulide)、イブプロフェン、ニフェルジピン、グリセオフルビン、ピロキシカム、プロゲステロン、インドメタシン、ロラゼパム等が挙げられる。
下述の実施例に示すように、これら製品(低い溶解性を示す結晶状態で本来存在する)が完全にアモルファス化しキャリア中にバルク状で分散して得ることが可能となる。
本発明による複合体において、薬物及びキャリアは、1:0.5乃至1:20、より好ましくは1:1乃至1:10の重量比で好ましく存在する。
本発明による複合体の調製方法は、本発明の第2の目的である。この方法は、もとの薬物(結晶構造の薬物をアモルファス状としてキャリア内に分散するもの)を上述の有機キャリアで混合し、以下のように、マイクロ波領域の周波数の振動電磁場で処理する工程を有する。つまり:
(i)振動電磁場の適用は、マイクロ波の結合能を有する誘電体でなる容器内部に載置された薬物−キャリア混合物に対して実行される。いずれの場合においても、特定の加熱サイクルを以下のように適用する。
第1の変法において、十分湿るまで、薬物−キャリア混合物を、適当量の溶媒で湿潤させる;一般的に水である溶媒を、例えば、混合物を攪拌しながら溶媒を噴霧することなどの公知の技術を用いて添加し、或いは、上記の混合物に単に注入して混合することにより行う。この溶媒の添加量は、乾燥した薬物キャリア混合物の重量に対して0.1mL/g〜5mL/gである。反応器に載置されこのように前もって湿潤された混合物を、オーブンに導入し、好ましく1〜20気圧の圧力でマイクロ波を用いて処理する。
また別の変法(ii)において、薬物−キャリア混合物は、マイクロ波を結合する誘電体でその全体又は部分(たとえば少なくとも約10%)が製造されたサンプルホルダー(反応器)に載置され、マイクロ波アプリケーター(microwave applicator)に導入される。「マイクロ波による結合能」が意図するのは、問題となる材料がマイクロ波に暴露される際、適用される出力に比例して温度が上昇する、ということである;この特性を有する材料の好適例は、グラファイトで負荷されたポリテトラフルオロエチレンである。
上述の結合材料を有する反応器を用いることにより、高圧で制御する必要なく且つ水やその他の保湿剤を添加する必要なく、外気圧でアモルファス化が簡単に進行する;しかしながら、このアモルファス化は、所望する限り、水を添加したり圧力下で制御することを排除するものではない。
上述の変法(i)及び(ii)の両者において、振動電磁場の適用は、120分未満の時間において、100W〜5000Wの出力を有するマイクロ波を用いて行われる。この振動電磁場は、集束されていてもよく、集束されていなくてもよい。適用されるマイクロ波の周波数は、一般的に、400MHz〜25000MHzである。マイクロ波の適用は、一定又は可変出力下で実行してもよい。
マイクロ波処理サイクルは、本発明による基本事項である。事実、サンプル(つまり、処理される薬物−キャリア混合物)がこの混合物に含有される薬物の融解温度よりも高い温度(T°)に達するように同調されるマイクロ波の出力が必要である。温度T°は、その後、少なくとも5分間保持される。
薬物の融解温度に対してこの温度T°がどの程度高いかの制限はない:しかしながら、この薬物融解温度に近い方が好ましい:非限定的な意味合いとして、温度T°は、薬物の融解温度よりも1〜20℃高くてもよい。
「薬物の融解温度」が意図するのは、マイクロ波で誘電処理するのに係る1つのセットと同等の走査率にて実行される示差走査熱量分析(DSC)により測定された、吸熱ピークに対応する温度である。
このマイクロ波処理は、サンプルが温度T°に達するまで、特定の出力レベル(例えば500W)に一時的に設定することにより、行ってもよい;後者は、オペレーターにより自由に選択されてもよく、これは、混合物に存在する薬物の融解温度以上であればよく;一度、温度T°に達すると、この処理は延長され、少なくとも5分間、温度T°にてサンプルの温度を一定に保持するように、マイクロ波の出力を同調(調節)する。
代替的に、標的となる温度T°に達するまで、サンプルの温度が徐々に増加する(例えば10〜25分)第1ステップを実行することも可能であり;その後、この処理を延長し、少なくとも5分間、温度T°においてサンプルの温度を一定に保持するように、マイクロ波の出力を同調(調節)する。
この方法の例を図4に概略的に示す。この図4は、本願出願人により調製され検査されたサンプルPVP/Nif02に関して記録した温度を示す(実施例、例1、表5参照)。
全ての環境において、この方法は、サンプル温度を優先して常に実行され、つまり、固定した出力を供給するのではなく実行され:後者は、薬物−キャリア混合物において前もって設定された温度T°で少なくとも5分間到達させ且つ保持するように、調節される。
この点において、溶融中に進行する位相(固形、液体)の相対量に依存して、溶融物質が不規則な様式にてエネルギーを吸収する点は重要である。従って、溶融プロセス中の安定した電磁場エネルギー(マイクロ波出力)の処理により、サンプルにおいて平行に一定の温度を発生するわけではない:逆に、このように処理したサンプルは、必然的に温度が変化する。一定の温度にサンプルを保持するため、マイクロ波の出力を調節する必要があり、溶融工程中に起こる、サンプルのエネルギー吸収の可変な程度を連続して補完する。このような補完は、サンプル温度における種々の変化を検知し、且つ前もって設定した温度T°にサンプルの温度を一定に保持するマイクロ波の出力を即座に過度又は欠陥を以て修正し得る電子システムにより達成され得る。
このマイクロ波の適用に使用される装置は、上述の間隔で制御しサンプル温度におけるマイクロ波の出力を設定するのに適切な手段を装着した種々のマイクロ波アプリケーターであってもよい。このようなアプリケーターは、本質的に、知られており、溶媒をエバポレートするなど、薬学的技術分野の種々の適用例として既に使用されている。このアプリケーターは、一般的にマイクロ波発生器と、導波管(wave guide)と、適用チャンバーとからなり;この発生器は、「マグネトロン」電子管であり;この導波管は、コリダー(corridor)であり、その壁は、多重反射機構を有する金属製であり、マイクロ波を材料がマイクロ波に暴露される適用チャンバーに伝送する。上記のアプリケーターは、サンプルが暴露されるサンプル温度及び圧力用に、出力分布管理制御システムに便利に適合される。本発明に使用される分布器の例は、プロラボ社製の”Synthewave 402(集束マイクロ波用の単一モードアプリケーター、周波数2.45GHz、最大出力300W)や、Milestone社製”Microsynth”(前混合チャンバー及びピラミッド型ディフューザーを有する非集束マイクロ波用の多重モードアプリケーター、最大出力1000W)などがある。
公知の表面アモルファス化技術により許容される事項に関し、本発明により得られるバルク状のアモルファス化により、アモルファス形態で薬物を導入するのに利用可能なキャリアの全容量を大幅に開拓可能となり:従って、以前に可能であった薬物量に対して、アモルファス化された薬物を有意に大量にキャリアに導入し得るようになる。同様に、同等量のアモルファス化薬物について、キャリア量を少なくすることが可能となる。これにより、賦形剤を削減し、処理や梱包に係る経済性が向上し、且つ患者に対する投与が簡便となり、且つ受容性が向上した、より少ない容量での薬学的製剤(例えば、小型の錠剤)が得られる。
本発明により得られる複合体(安定化された固形の分散物)は、薬学的組成物として且つ患者に投与するものとして直接使用してもよく、或いは、異なった投与に適した薬学的形態を得る目的の元、常套的な薬学技術に従って賦形剤を用いて添加し且つ処理されてもよい。例えば、本発明による複合体は、分解物質、流動促進剤、滑剤、保存料、甘味料、その他の活性成分等と混和されてもよい。薬学的複合化剤の調製方法は、それ自体知られており、例えば、造粒、圧縮、フィルムコーティング、カプセル化、マイクロカプセル化等がある;複合体が製剤化され得る薬学的形態には、一時的に崩壊させるための粒剤、錠剤、小型錠剤、カプセル、マイクロカプセルなどがある。
限定的ではない意味合いとして、以下の例を参照して、本発明を説明する。
(材料及び方法)
1.活性成分
マイクロ波で処理される材料は、生物医薬クラスIIに属するやや水に難溶性の代表例であるイブプロフェン、ニメスライド及びニフェルジピンである。
イブプロフェンの熱特性は、融解温度Tm=75.6℃であり、融解エンタルピーΔHm=126.6J/gである。
ニメスライドの熱特性は、融解温度Tm=148.9℃であり、融解エンタルピーΔHm=111.1J/gである。
ニフェルジピンの熱特性は、融解温度Tm=172.7℃であり、融解エンタルピーΔHm=101.4J/gである。
2.有機キャリア
不溶性両性架橋ポリマーであるクロスポピドン、及び
水溶性複合化剤に属するキャリアであるβ−シクロデキストリン、
である。
3.マイクロ波アプリケーター
周波数2.45GHz、最大出力300ワットで動作する、Prolabo社製の”Synthewave 402単一モードアプリケーター”。この種のアプリケーターに関し、その電磁場は、処理するサンプルに存在する限定された空間容量に集束されるようになされる。
光学的に均一な電磁場を得るようにピラミッド型ディフューザーを有する前混合チャンバーに適合されたMilestone社製の”Microsynth”多重モードアプリケーター。このアプリケーターは、2つの連続発生マグネトロン(非パルス化)と連動し、1000ワットの最大出力を発生する。
両方のアプリケーターには、伝送される出力と、負荷される圧力(20気圧未満)と、サンプルの温度用の制御システムが装着される。サンプル温度をモニターするための制御モニターシステムは、光ファイバーセンサーと他の赤外センサー(パイロメーター)との2種類のセンサーで構成される。
4.複合体における薬物の物理状態に係る特徴(分散の程度及びアモルファス化の度合い)
キャリアにおける薬物の分散の程度は、SEM−EDS(走査型電子顕微鏡及びエネルギー分散型分光光度計)により評価されている。この技術により、キャリア粒子の電子顕微鏡像における単一原子の空間分布を質的/量的にマッピングし得る;このことは、一次電子と材料との間の相互作用により生じるX線放射スペクトルの取得により、なされる。複合体の粒子内のアモルファス化薬物の分散に対する量的情報を取得することが所望されるので、マイクロトームにより上記の粒子の部分を調製し且つエポキシ樹脂マトリックス内に固定する必要がある。
残存する結晶の百分率は、以下の関係を用いて算出されている:
Figure 2006512344
ここで、%Cは、薬物の残存する結晶の百分率であり、ΔHaは、DSCにより同定される溶融物の見かけの特定のエンタルピーであり、Tは、システムにおける含有薬物の百分率であり、定数「slope」は、既知の薬物含量で前もって構成された薬物−キャリア物理的混合物における溶融物のエンタルピーを測定して得られる較正曲線の角度計数を示す(図1の例参照)。アモルファス状態の薬物の百分率(%A)は:
%A=(100%−%C)
である。以下の実施例(例1乃至3)において、一連の薬物−キャリア混合物に、本発明によるアモルファス化工程を施す。
例1
イブプロフェンと水和β−シクロデキストリンとの、及びイブプロフェンとクロスポピドンとの、重量比が1:9の、物理的に均一な混合物を調製し;各試験において、この混合物の約5gを、単一モードのオーブンであるアプリケーターの内部にあるパイレックス(登録商標)製硝子反応器(マイクロ波に非結合性の材料)に導入した。各混合物に対して、パイレックス(登録商標)製硝子中で機械的攪拌機により適当に攪拌しながら、単位β−シクロデキストリンg当たり1mLの精製水(β/Ibu13、β/Ibu14、β/Nim01、β/Nim03の各サンプル)、単位クロスポピドンg当たり2mLの精製水(PVP/Ibu01、PVP/Ibu02、PVP/Nim01の各サンプル)又は単位クロスポピドンg当たり3mLの精製水(PVP/Nim02、PVP/Nim03、PVP/Nim04、PVP/Nif02)を添加した。湿潤した混合物を、プログラムされた温度と環境圧力とで、表1及び2に示す制御条件下でマイクロ波を用いて処理した。
放射に関しては、Prolabo社製の単一モードの”Synthewave 402”アプリケーターを使用し、周波数2.45GHz、最大伝送出力300ワットで動作させた。
得た結果を以下の2つの表に示す。
表1:単一モードアプリケーターで得たイブプロフェン−β−シクロデキストリン複合体に係る製造の動作条件及び残存結晶値。
Figure 2006512344
(*)元の薬物の結晶(=100%)に対する結晶の百分率。
表2:単一モードアプリケーターで得たイブプロフェン−クロスポピドン複合体に係る製造の動作条件及び残存結晶値。
Figure 2006512344
異なる熱特性を有する薬物(ニメスライド、Tm=148.9℃、ΔHm=111.1J/g)についても、同様の手法を使用した。この方法の変法及び結晶データを表3及び4に記載した。
表3:単一モードアプリケーターで得たニメスライド−β−シクロデキストリン複合体に係る製造の動作条件及び残存結晶値。
Figure 2006512344
表4:単一モードアプリケーターで得たニメスライド−クロスポピドン複合体に係る製造の動作条件及び残存結晶値。
Figure 2006512344
多重モードアプリケーターである”Microsynth”を用いて、ニフェルジピンに関して同様の手法を使用した。この製造パラメーター及び結晶特性を、以下の表5に示す。
表5:多重モードアプリケーターで得たニフェルジピン−クロスポピドン複合体に係る製造の動作条件及び残存結晶値。
Figure 2006512344
この試験におけるサンプル温度のグラフを図4に示す。この例で観察した残存結晶百分率に関して、低値又はゼロの値が示すのは、高い品質でアモルファス化が達成されていることを示す。特に、薬物のアモルファス化が完全(残存する結晶が0%)であることを特徴とするイブプロフェン及びニフェルジピン複合体が得られている。
キャリアマトリックス中の薬物分散の評価
活性対象物がバルク状に分散されていることを、以下の通り、SEM−EDS観察により確認した。
図6に示すように、図6の番号1乃至3で示した粒子の表面から成長距離に位置する3つの地点にて、PVP/Nim02mの粒子の部分の領域において硫黄の存在を定量的に評価した。薬物分子(ニメスライド)の一部でありキャリア(クロスポピドン)の一部ではない硫黄を検索する。図6の挿グラフに示したX線スペクトルから明らかなように、全ての地点で多量の硫黄原子を検出した。このことは、ポリマー性キャリアの内部にも、薬物分子が存在することを示すものである。このセクションの内部は、均一で典型的な固形の分散物(アモルファス化されたポリマーマトリックス内に分散されたアモルファス性薬物)を示す。
上記のアモルファス化された薬物の(バルク状の)主要な分散物が達成されたことを示しており、つまり、キャリア粒子の表面上のみならず、粒子の内部深くにも存在することが見出される。
以下の式により、薬物がバルク状で分散されていることがさらに示される:
上述の実施例に使用した薬物/ポリマーの重量比が1:5であることを考慮すると、複合体の質量バランスは:
=MDC+MDA+M
であり、ここで、MDCは、複合体における結晶性薬物の質量を示し、MDAは、アモルファス状の薬物の質量を示し、Mは、キャリアの質量を示し、Mは、全質量を示す。
上述した実施例に関し:
DC=206.4mg*0.366=75.5、
DA=206.4mg−75.5mg=130.9、
=1028.9mg、
=1235.4mg
である。
使用したPVP−CLは、4.5m/gの特定表面領域を有するので、複合体に含まれる重量画分は、4.5*0.833=3.75m/gの全表面現像(total surface development)を有する。
合理的には、キャリア表面上でアモルファス形態で安定化し得る薬物分子は、これら表面と相互作用する分子単一層を構築する。
上述の薬物分子は、キャリア表面上に存在するポリビニルピロリドン分子と相互作用し得る。この相互作用は、(使用するポリマーの両性の性質を考慮すると)本質的には、疎水的であるか親水的であるかのいずれかである;これら2つの相互作用を特徴とするニフェルジピンの分子表面現像を算出すると、一つは、表面と相互作用する単一の分子により占有される領域を算出可能である。
ソフトウェア”Spartan 02”を用いた分子機械的(MMFF応力フィールド)及び準経験的(AM1)アルゴリズムの両方で最小限化された三次元分子構造を有するニメスライドを用いると、包含されるこれら2つの分子記述子を算出し得る(疎水性特性を有する分子表面領域と、親水性特性を有する分子表面領域)。これら記述子の測定は、分子予測ソフトウェアである”QikProp”で実行され、以下の値を与えた:
疎水性分子表面領域=0.9mm
親水性分子表面領域=1.75mm
これら2つの寄与を考慮すると、ニメスライドの単一分子で覆われた表面は、2.65nmである。
キャリア表面上でアモルファス単一層を構成するのに必要な分子の量は、3.75m*g−1/2.65×10−18=140.7×1016分子であって、0.721mgのニメスライドに相当する。MDAに関するこれらの値とバランスを取る方程式を書き換えると、一つは、MDC=205.7mgの値を与え、これは、99.6%の結晶に相当する。
従って、調製物PVP/Nim02に含まれる過剰量のアモルファス性薬物が、キャリア粒子の内部に(バルク状で)多量に分散されることが見出されると、結論づけられる。
(例2)
重量比1:2及び1:5で、ニメスライドとクロスポピドンとの、及びニメスライドとβ−シクロデキストリンとの物理的に均一な混合物を調製した。また、ニフェルジピンとクロスポピドンとの混合物を1:5(w/w)で調製した;各試験に関し、この混合物5gを、グラファイトで負荷されたPTFE容器に挿入し、多重モードの”Microsynth”オーブン(Mileston社製)の適用チャンバー内に載置した。加えて、1:9のイブプロフェン−β−シクロデキストリン混合物を調製し、処理時間に関して、オーブンの出力を600ワットと一定の値に固定した上述と同様のオーブンで処理した。水は添加せず、反応環境は、大気圧(1気圧)に保持した。
得た複合体の製造条件及び物理特性を、以下の表6に示す。
表6:多重モードアプリケーターで得た、ニメスライド−β−シクロデキストリン、イブプロフェン−β−シクロデキストリン、ニメスライド−クロスポピドン及びニフェルジピン−クロスポピドン複合体の製造条件及び残存結晶値。
Figure 2006512344
(a)薬物とキャリアとの重量比率。
この残存結晶値もまた、薬物が高度にアモルファス化されていることを示す。上述と同様の方法で、薬物がバルク状に分散されていることを確認した。
(例3)
重量比1:5のニメスライド/クロスポピドンの混合物を調製し;この混合物の約6gを多重モードのアプリケーターの反応器に挿入した。この混合物に対して、約10mLの精製水を添加した。このように湿潤された混合物を、プログラムされた温度で1気圧(T=25℃)から5気圧未満(T=155℃)という水の位相ダイアグラムに従って増加する圧力にて、マイクロ波を用いて処理した。
製造条件及び得た残存する結晶を、以下の表7に示す。
Figure 2006512344
(例4(参照))
本発明において使用する処置の臨界性を確認するため、ニメスライド−クロスポピドン混合物を1:5の重量比で調製し;この混合物約2gを、単一モードのアプリケーター内の一般的な反応器(パイレックス(登録商標)製)に導入した。本発明において要求されるのと異なるように、ここで使用した反応器は、マイクロ波が結合する誘電体をベースとしていない。このようにして得た混合物を、続いて、プログラムされた温度にて、以下の表8に示す制御条件下で低い圧力(0.1×10Pa)で処理した。
表8:ニメスライド−クロスポピドン複合体の動作条件及び残存結晶値。
Figure 2006512344
残存結晶の百分率(96〜97%)のデータから明らかなように、上述の処置では、アモルファスを得ることは出来ず;薬物は、実質的に未変化の結晶状態のままであった。これらのデータは、乾燥条件で作動させる際、マイクロ波と結合する反応器がない場合、アモルファス化された薬物の分散物を得ることは不可能であることを示す。図2及び3において示すのは、上述の処理サイクルにおける2つの参照サンプルに関する温度プロファイルである:これら図から明らかなように、処理された両方の混合物は、使用したアプリケーターの最大出力にもかかわらず、結晶性薬物において固体−液体移相を誘導するような有意な温度増加が見られない;さらに、これら実験条件下で、薬物のアモルファスが起こらないことがさらに確認された。
(例5(参照))
この例では、薬物−キャリア混合物をマイクロ波で乾燥処理した;本発明と異なり、架橋ポリマーでなく複合化剤でもない直鎖のポリビニルピロリドンをキャリアとして使用した;適用した出力は、特許文献1に記載の例1などの従来技術に係る教示に従って、全処理中、一定に保持した。
つまり、1gのニフェルジピンと5gのポリビニルピロリドンK30をテフロン(登録商標)製反応器に載置し、630Wの出力で4分間マイクロ波を用いて処理した。このように処理した材料の残存結晶は、DSCにより同定して93.2%であった。従って、薬物の7%未満がアモルファス形態に変換されたこととなる。
(例6(参照))
この例において、薬物としてニフェルジピンを、キャリアとして架橋ポリビニルピロリドンを用い、サンプルをマイクロ波で湿潤処理した;本発明とは異なるように、例えば、特許文献2の例4のように従来技術に係る教示に従って、全処理中、適用される出力を一定に保持した。
つまり、テフロン(登録商標)製の反応器において、1gのニフェルジピン及び5gのクロスポピドンからなる混合物に1.25gの水を添加し、700Wの出力で20分間マイクロ波(2.45GHz)を用いて処理した。混合物が炭化され完全に分解されたため、5分後に処理を停止した。700Wでの約10分の処理の後、上述と同様に、材料が完全に炭化された。この現象は、温度に関連した複素誘電率(欠損計数)の一部が突然増加することにより起こる”サーマルランナウェー(thermal runaway)”に起因すると考えられる。このような増加により、誘電結合が増加し、さらにサンプル温度が増加する(これらの現象は、非特許文献5を参照のこと)。
イブプロフェン−シクロデキストリン、イブプロフェン−クロスポビドン及びニフェルジピン−クロスポピドンシステムに関する較正曲線であって、●はイブプロフェン/β−シクロデキストリンを、■はイブプロフェン/クロスポピドンを、▲はニフェルジピン/クロスポピドンを示す。 サンプルPVP/Nif01の処置で得られた出力(破線)及び温度(実線)プロファイル(例4、表8)を示す。 サンプルPVP/Nim06の処置で得られた出力(破線)及び温度(実線)プロファイル(例4、表8)を示す。 複合体PVP/Nif02の製造に適用される温度サイクル(例1、表5)を示す。 走査型電子顕微鏡で観察した複合体PVP/Nim02の部分図を示す。 粒子部分の3つの点における薬物濃度を分析した、図5の粒子に係る拡大画像を示す。

Claims (19)

  1. 複合化剤若しくは架橋ポリマー又はこれらの混合物から選択された有機キャリアに分散された薬物を有する複合体であって、
    前記薬物は、当該複合体内に(バルク状で)主として分散され、且つ当該複合体に存在する薬物全量に対し50重量%以上でアモルファス状態で存在することを特徴とする複合体。
  2. 前記薬物及び前記キャリアは、1:0.5乃至1:20の重量比で存在することを特徴とする請求項1に記載の複合体。
  3. 前記薬物及び前記キャリアは、1:1乃至1:10の重量比で存在することを特徴とする請求項2に記載の複合体。
  4. 前記架橋ポリマーは、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋スターチ、架橋デキストラン、架橋ポリスチレン及び架橋β−シクロデキストリンから選択されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の複合体。
  5. 前記複合化剤は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリン並びにこれらの誘導体並びにマルトデキストリンから選択されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の複合体。
  6. 前記有機キャリアは、0.05m/g乃至20m/gの表面領域を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の複合体。
  7. 前記薬物は、水に若干の溶解性を示す薬物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の複合体。
  8. 前記薬物は、ニメスライド、イブプロフェン、ニフェルジピン、グリセオフルビン、ピロキシカム、プロゲステロン及びロラゼパムから選択されることを特徴とする請求項7に記載の複合体。
  9. 治療に用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の複合体。
  10. 選択的に薬学的に許容可能な賦形剤に関連づけられた、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の複合体を有する薬学的組成物。
  11. 粒剤、錠剤、小型錠剤、カプセル及びマイクロカプセルとして処方されたことを特徴とする請求項10に記載の薬学的組成物。
  12. 請求項1乃至8に記載の複合体の調製方法であって:
    a)前記薬物と前記有機キャリアとの湿潤した混合物を形成させるステップ;及び
    b)該ステップa)で得た混合物を、該混合物が前記薬物の融解温度以上の温度に加熱され該温度が少なくとも5分間保持されるように、マイクロ波で照射するステップ;
    を有することを特徴とする方法。
  13. 前記の湿潤した混合物は、前記のキャリアと薬物との複合体に、該複合体の乾燥混合物に対して0.1mL/g乃至5mL/gの量で水を添加して形成されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記照射が実行される圧力が、1乃至20気圧であることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
  15. マイクロ波を用いた前記照射は、120分未満の時間で、100W乃至5000Wの出力範囲で行われることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の複合体の調製方法であって:
    a)前記薬物と前記有機キャリアとをともに混合するステップ;
    b)該ステップa)で得た混合物を、マイクロ波に結合し得る誘電体製の容器に載置するステップ;及び
    c)前記混合物を有する前記容器を、該混合物が前記薬物の融解温度以上の温度に加熱され該温度が少なくとも5分間保持されるように、マイクロ波で照射するステップ;
    を有することを特徴とする方法。
  17. 前記誘電体は、グラファイトで負荷されたポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. マイクロ波を用いた前記照射は、120分未満の時間で、100W乃至5000Wの出力範囲で行われることを特徴とする請求項16又は17に記載の方法。
  19. 請求項12乃至18のいずれか一項に記載の方法にて得られることを特徴とする複合体。
JP2004561412A 2002-12-23 2003-12-22 有機キャリアで安定化された固形薬物分散物及び調製方法 Pending JP2006512344A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IT002748A ITMI20022748A1 (it) 2002-12-23 2002-12-23 Dispersioni solide stabilizzate di farmaco in un carrier organico e procedimento per la loro preparazione.
PCT/EP2003/014740 WO2004056340A2 (en) 2002-12-23 2003-12-22 Stabilised solid drug dispersions in an organic carrier and a process for preparing the same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006512344A true JP2006512344A (ja) 2006-04-13
JP2006512344A5 JP2006512344A5 (ja) 2011-01-13

Family

ID=32676862

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004561412A Pending JP2006512344A (ja) 2002-12-23 2003-12-22 有機キャリアで安定化された固形薬物分散物及び調製方法

Country Status (11)

Country Link
US (1) US7951401B2 (ja)
EP (1) EP1581189B1 (ja)
JP (1) JP2006512344A (ja)
AT (1) ATE544446T1 (ja)
AU (1) AU2003303183B2 (ja)
CA (1) CA2529818C (ja)
DK (1) DK1581189T3 (ja)
ES (1) ES2382076T3 (ja)
IT (1) ITMI20022748A1 (ja)
PT (1) PT1581189E (ja)
WO (1) WO2004056340A2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017061521A (ja) * 2011-03-04 2017-03-30 グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 経口投与用タペンタドールの水性医薬製剤
US10898452B2 (en) 2016-09-23 2021-01-26 Gruenenthal Gmbh Stable formulation for parenteral administration of Tapentadol
US11013701B2 (en) 2015-03-27 2021-05-25 Grünenthal GmbH Stable formulation for parenteral administration of tapentadol

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10026698A1 (de) 2000-05-30 2001-12-06 Basf Ag Selbstemulgierende Wirkstoffformulierung und Verwendung dieser Formulierung
US8377952B2 (en) 2003-08-28 2013-02-19 Abbott Laboratories Solid pharmaceutical dosage formulation
US8025899B2 (en) 2003-08-28 2011-09-27 Abbott Laboratories Solid pharmaceutical dosage form
CN102321234A (zh) * 2005-05-24 2012-01-18 日立化成工业株式会社 共轭聚合物的制造方法
ES2409055T3 (es) 2009-06-29 2013-06-24 Bender Analytical Holding B.V. Sistema de suministro de fármacos que comprende polioxazolina y un agente bioactivo
CN102293734A (zh) * 2010-06-25 2011-12-28 江苏恒瑞医药股份有限公司 托伐普坦固体分散体及其制备方法
US9327264B2 (en) * 2011-01-31 2016-05-03 Uchicago Argonne, Llc Containerless synthesis of amorphous and nanophase organic materials
CA3172889A1 (en) 2020-04-20 2021-10-28 John Docherty Compositions and methods for enhanced delivery of antiviral agents

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6317665A (ja) * 1986-07-11 1988-01-25 Snow Brand Milk Prod Co Ltd マイクロ波による加熱調理方法とその加熱調理用容器
JPH0397761A (ja) * 1989-08-17 1991-04-23 Kalamazoo Holdings Inc 水に分散可能な基質上に複合体を形成したクルクミン
JPH03215226A (ja) * 1990-01-19 1991-09-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電子レンジ用圧力調理容器
JPH07216046A (ja) * 1993-11-11 1995-08-15 Enichem Spa 架橋可能な液体組成物
JPH08231165A (ja) * 1994-12-28 1996-09-10 Ntn Corp ガイドシュー
WO1997006781A1 (fr) * 1995-08-11 1997-02-27 Nissan Chemical Industries, Ltd. Procedes permettant de rendre amorphes des medicaments peu solubles
WO2001034702A2 (en) * 1999-10-29 2001-05-17 Solvay Advanced Polymers, Llc Polyester ovenware for microwave cooking applications
WO2001078716A1 (fr) * 2000-04-19 2001-10-25 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. Dispersion solide a meilleur pouvoir absorbant
WO2002013792A1 (fr) * 2000-08-11 2002-02-21 Eisai Co., Ltd. Dispersion solide médicamenteuse à solubilité accrue
JP2002528487A (ja) * 1998-11-04 2002-09-03 スーパージェン インコーポレイテッド アデノシンアナログの経口投与
WO2002081453A1 (fr) * 2001-04-04 2002-10-17 Laboratoires Fournier Sa Hiohydantoïnes et leur utilisation dans le traitement du diabete

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2516524B2 (ja) 1992-04-27 1996-07-24 大洋薬品工業株式会社 持続性製剤
DE4223116A1 (de) * 1992-04-30 1993-11-04 Mikrowellen Labor Systeme Vorrichtung zur verdampfungsbehandlung von vorzugsweise fluessigen stoffen, insbesondere reagenzstoffen, oder zum aufbereiten oder analysieren von probenmaterial
CA2190502A1 (en) * 1994-05-18 1995-11-23 Robert M. Platz Methods and compositions for the dry powder formulation of interferons
US5972381A (en) 1996-06-28 1999-10-26 Schering Corporation Solid solution of an antifungal agent with enhanced bioavailability
EP0954288B1 (en) 1996-06-28 2004-08-11 Schering Corporation Solid solution of an antifungal agent with enhanced bioavailability

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6317665A (ja) * 1986-07-11 1988-01-25 Snow Brand Milk Prod Co Ltd マイクロ波による加熱調理方法とその加熱調理用容器
JPH0397761A (ja) * 1989-08-17 1991-04-23 Kalamazoo Holdings Inc 水に分散可能な基質上に複合体を形成したクルクミン
JPH03215226A (ja) * 1990-01-19 1991-09-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電子レンジ用圧力調理容器
JPH07216046A (ja) * 1993-11-11 1995-08-15 Enichem Spa 架橋可能な液体組成物
JPH08231165A (ja) * 1994-12-28 1996-09-10 Ntn Corp ガイドシュー
WO1997006781A1 (fr) * 1995-08-11 1997-02-27 Nissan Chemical Industries, Ltd. Procedes permettant de rendre amorphes des medicaments peu solubles
JP2002528487A (ja) * 1998-11-04 2002-09-03 スーパージェン インコーポレイテッド アデノシンアナログの経口投与
WO2001034702A2 (en) * 1999-10-29 2001-05-17 Solvay Advanced Polymers, Llc Polyester ovenware for microwave cooking applications
JP2004538337A (ja) * 1999-10-29 2004-12-24 ソルベイ アドバンスド ポリマーズ、エルエルシー 電子レンジ調理使用に適するポリマー組成物
WO2001078716A1 (fr) * 2000-04-19 2001-10-25 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. Dispersion solide a meilleur pouvoir absorbant
WO2002013792A1 (fr) * 2000-08-11 2002-02-21 Eisai Co., Ltd. Dispersion solide médicamenteuse à solubilité accrue
WO2002081453A1 (fr) * 2001-04-04 2002-10-17 Laboratoires Fournier Sa Hiohydantoïnes et leur utilisation dans le traitement du diabete
JP2004525175A (ja) * 2001-04-04 2004-08-19 ラボラトワール フルニエ エス・アー チオヒダントイン及び糖尿病治療のためのその使用

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017061521A (ja) * 2011-03-04 2017-03-30 グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 経口投与用タペンタドールの水性医薬製剤
US11547678B2 (en) 2011-03-04 2023-01-10 Gruenenthal Gmbh Aqueous pharmaceutical formulation of tapentadol for oral administration
US11013701B2 (en) 2015-03-27 2021-05-25 Grünenthal GmbH Stable formulation for parenteral administration of tapentadol
US10898452B2 (en) 2016-09-23 2021-01-26 Gruenenthal Gmbh Stable formulation for parenteral administration of Tapentadol

Also Published As

Publication number Publication date
EP1581189B1 (en) 2012-02-08
US20060051422A1 (en) 2006-03-09
PT1581189E (pt) 2012-05-25
AU2003303183B2 (en) 2010-02-25
DK1581189T3 (da) 2012-05-07
ITMI20022748A1 (it) 2004-06-24
WO2004056340A3 (en) 2004-11-11
CA2529818C (en) 2012-10-30
CA2529818A1 (en) 2004-07-08
EP1581189A2 (en) 2005-10-05
ES2382076T3 (es) 2012-06-05
US7951401B2 (en) 2011-05-31
ATE544446T1 (de) 2012-02-15
AU2003303183A1 (en) 2004-07-14
WO2004056340A2 (en) 2004-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Celebioglu et al. Metronidazole/Hydroxypropyl-β-Cyclodextrin inclusion complex nanofibrous webs as fast-dissolving oral drug delivery system
RU2097027C1 (ru) Лекарственные препараты на носителе
JP2006512344A (ja) 有機キャリアで安定化された固形薬物分散物及び調製方法
Fukuda et al. Influence of sulfobutyl ether β-cyclodextrin (Captisol®) on the dissolution properties of a poorly soluble drug from extrudates prepared by hot-melt extrusion
Badruddoza et al. Core–shell composite hydrogels for controlled nanocrystal formation and release of hydrophobic active pharmaceutical ingredients
Uekama et al. Inhibitory effect of 2‐hydroxypropyl‐β‐cyclodextrin on crystal‐growth of nifedipine during storage: superior dissolution and oral bioavailability compared with polyvinylpyrrolidone K‐30
Obaidat et al. Using supercritical fluid technology (SFT) in preparation of tacrolimus solid dispersions
Solunke et al. Formulation and evaluation of gliclazide nanosponges
Malviya et al. Stability facilitation of nanoparticles prepared by ultrasound assisted solvent-antisolvent method: Effect of neem gum, acrylamide grafted neem gum and carboxymethylated neem gum over size, morphology and drug release
Thurein et al. Physicochemical properties of β-cyclodextrin solutions and precipitates prepared from injectable vehicles
Hanada et al. Ternary amorphous solid dispersions containing a high-viscosity polymer and mesoporous silica enhance dissolution performance
Fule et al. Preparation and characterisation of lornoxicam solid dispersion systems using hot melt extrusion technique
Dixit et al. In vitro and in vivo advantage of celecoxib surface solid dispersion and dosage form development
Zhang et al. Microwave induced dielectric heating for the on-demand development of indomethacin amorphous solid dispersion tablets
Nyavanandi et al. Feasibility of high melting point hydrochlorothiazide processing via cocrystal formation by hot melt extrusion paired fused filament fabrication as a 3D-printed cocrystal tablet
AU2002321061B2 (en) Process of thermodynamical activation of water-insoluble drugs loaded into cross linked polymers
Patel et al. Solid-state characterization and in vitro dissolution behavior of lorazepam: Hydroxypropyl-β-cyclodextrin inclusion complex
JP2006512344A5 (ja)
Noteborn et al. Dual‐crosslinked human serum albumin‐polymer hydrogels for affinity‐based drug delivery
EP3349734B1 (fr) Utilisation de fractions solubles, insolubles d'un polymère de cyclodextrine ou de leurs mélanges comme excipient dans un comprimé
ITMI20012749A1 (it) Procedimento per la preparazione mediante trattamento con microonde di composti di inclusione tra farmaco e ciclodestrine e prodotti ottenut
Szabó et al. The role of solid state characterization in predicting stability of solid dosage forms
Wolf Bead cellulose products with film formers and solubilizers for controlled drug release
Jange et al. Investigating the role of dry compaction and layer-wise agglomeration to control the dissolution of granular urea fertilizer
Teofilović et al. Synthesis, characterization and kinetics of sustained pantoprazole release studies of interpenetrated poly (acrylic acid)-chitosan-bentonite hydrogels for drug delivery systems

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100519

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100810

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100810

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100810

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100903

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100921

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100929

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20101019

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20101026

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20101119

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110317

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140324

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140411