JP2006512312A - 有効成分を継続的に調節しながら放出するための移植可能な構造物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、
有効成分を継続的に調節しながら放出するための、移植可能な可撓性の構造物であって、
生体に再吸収され得る担体及び有効成分からなり、
上記生体に再吸収され得る担体は、治療効果のある脂肪族ポリエステルを主成分として含む物質から構成されている
構造物に関する。
また、本発明は、この構造物の製造方法にも関する。

Description

本発明は、体内の傷害(特に外科切開創)において有効成分を調節しながら放出するための、生体に再吸収され得る移植可能な構造物、及び、上記構造物の製造方法に関する。
本発明は医薬品及び外科の分野に適用される。
特に病院内における、具体的には外科的介入後の苦痛の治療は、医療従事者にとって最近ますます主要かつ重要な問題になっている。
手術後の苦痛は、あらゆる組織中に存在する自由神経終末が外科的外傷によって直接刺激されることによって、かつ、神経終末の直接刺激及び痛感受容器の活動閾値の低減により苦痛を持続させる痛覚発生物質が外傷部組織から放出されることによって生じる。
鎮痛薬を使用した手術後の苦痛の治療は、神経中枢における苦痛の知覚を緩和する対症療法でしかなく、原因に対処する治療ではない。
局所麻酔薬は神経終末に直接作用して、神経繊維による苦痛の伝達を完全に遮断する。この作用があるため、局所麻酔が浸透した部位を切開及び手術することができる。
介入後に傷に局所麻酔薬が浸透すると手術後の苦痛が効果的に抑制されるが、この効果は麻酔薬が吸収されて数時間後に徐々に消えることが実証されている(非特許文献1〜5)。
上記以外には、カテーテルを使用して局所麻酔薬で傷を連続的に洗浄する方法が効果的であることが研究によって確認されている(非特許文献6〜10)。
しかし、この方法は効果的ではあっても、大きな器具を必要とするので取り扱いがあまり容易ではなく、苦痛緩和という利点が帳消しになってしまうため、不都合である。
特許文献1は、麻酔薬等の有効成分を継続的に放出するための運搬機構の調製に関する。この機構は、水中に懸濁又は溶解したポリマーマトリックスから製造されており、注射を意図したものである。
また、特許文献2は、外科手術において、特に泌尿器科手術において局所麻酔薬を投与するための、室温でゲル状又は低粘度の溶液状の組成物について開示している。
しかし、この機構及び組成物の効果は時間が経つにつれて減少する。
アメリカ特許No.6,063,405 WO00/50004 Nehraら.Pain relief after inguinal hernia repair:a randomized double−blind study.Br.J.Surg.1995,82,1275−7 Dingら.Post−herniorraphy pain in outpatients after pre−incision ilioinguinal−hypogastric nerve block during monitored anaesthesia care.Can.J.Anaesth.1995,42,12−15 Reidら.Day−case herniotomy in children.A comparison of ilio−inguinal nerve block and wound infiltration for postoperative analgesia.Anaesthesia 1987,42,658−61 Laffertyら.A comparison of postoperative pain relief techniques in orchidopexy.Ann.R.Coll.Surg.Engl.1990,72,7−8 Wright.Controlled trial of wound infiltration with Bupivacaine for postoperative pain relief after appendicectomy in children.Br.J.Surg.1993,80,110−11 Thomasら.The direct perfusion of surgical wounds with local anaesthetic solution:an approach to postoperative pain? Ann.R.Coll.Surg.Engl.1983,65,226−9 Levackら.Abdominal wound perfusion for the relief of postoperative pain.Br.J.Anaesth.1986,58,615−19 Oakleyら.Randomized placebo−controlled trial of local anaesthetic infusion in day−case inguinal hernia repair.Br.J.Surg.1998,85,797−9 Griffithら.Prospective randomized study of a new method of providing postoperative pain relief following femoropopliteal bypass.Br.J.Surg.1996,83,1735−8 Fisher et Meller.Continuous postoperative regional analgesia by nerve sheath block for amputation surgery.A pilot study.Anaest.Analg.1991,72,300−3
本発明の目的は、上記の不都合を克服して、有効成分を体内の切開創において調節しながら徐々に放出するための構造物を提供することである。
上記構造物は、例えば外科切開後等の治療の際に、迅速かつ容易に配置できるものでなくてはならない。また、上記構造物は、できるだけ迅速に再吸収されるものでなくてはならない。
従って、第一の態様によれば、本発明は、有効成分を継続的に調節しながら放出するための、移植可能な可撓性の構造物であって、生体に再吸収され得る担体及び有効成分からなるものであり、上記有効成分は上記担体と密接に関連しているような構造物に関する。
従って、本発明の基本原理は、上記移植可能な構造物が可撓性を有しているという事実、及び、上記有効成分と上記生体に再吸収され得る担体材料とが密着(連結)していて、この密着は上記構造物の構成要素の一種の湿潤性によって誘導されるという事実である。
本発明によれば、上記生体に再吸収され得る担体の主成分は、治療効果のある脂肪族ポリエステル、すなわち、生体適合性であり、生体中に再吸収可能で、良好に許容され、かつ、局所刺激、アレルギー反応、免疫反応又は全身毒性等の副作用を引き起こさない脂肪族ポリエステルである。上記ポリエステルの例としては、乳酸(LA)及び/又はグリコール酸(GA)由来のポリ−α−ヒドロキシ酸、特に、式PLAGA(x及びyは0〜100の範囲であり、それぞれは乳酸単位及びグリコール酸単位の比を示す)の乳酸/グリコール酸共重合体を挙げることができる。この表記はまた、乳酸単位のジアステレオマーの形態(D、L、DL)も指定している可能性がある。
一般的には、無定形構造で低分子量の物質が好ましいであろう。
乳酸単位とグリコール酸単位との重量比が約80/20〜20/80、好ましくは70/30〜30/70であるようなDL−PLA−GA共重合体を使用するのが有利である。乳酸及びグリコール酸を等しい割合で含む共重合体が非常に好ましい。
また、治療効果のある脂肪族ポリエステルのファミリーの中で、半結晶性構造(結晶度約56%)のポリ−ε−カプロラクトン(PCL)、ポリオルトエステル、ポリ−p−ジオキサノン(DS)又はポリトリメチレンカーボネート(TMC)も挙げることができる。また、PCL/PLAGA混合物等の、上記の多様なポリマーを任意の割合で含む混合物も考慮できる。
本発明の移植可能な構造物は可撓性が良好である。本発明において、「可撓性」は担体材料のTg(ガラス転移温度)が約15℃以下であるという意味で理解され、このため、手術傷中に配置する際に上記担体材料を破壊する恐れなしに容易に取り扱うことが可能である。
上記可撓性は、いわゆる粘弾性を有するポリマー材料に特徴的な性質である。可撓性があるということは、温度Tに加熱した材料が、Tに応じて、ガラス転移温度未満(T<Tg)の温度では構造がいわゆる「硬質−弾性質」の間で転移し、かつ、ガラス転移温度より高い温度(T>Tg)では構造がいわゆる「弾性質−ゴム状」の間で転移することを表す。この特性は一般的に粘弾性測定装置を使用して調べられ、上記転移は、ヤング率又はずれ弾性率といった弾性率が温度によって特徴的に変化することから定義される。
上記治療効果のある脂肪族ポリエステルが室温付近のTgを有する乳酸/グリコール酸共重合体である場合、上記担体材料の可撓性は、当業者に公知の方法で、生体適合性の可塑剤を添加することによって調節される。その例としては特に、乳酸、一般的にOLAと示す乳酸オリゴマー、及び、これらの混合物を挙げることができる。また、上記移植可能な構造物の担体のポリマーに近い溶解度を有する、アルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール及びクエン酸塩のファミリーに由来する生体に許容される任意の物質も挙げることができる。上記可塑剤は上記担体の重量に対して一般的に約0.5%〜20重量%、好ましくは5〜15重量%添加する。
上記治療効果のある脂肪族ポリエステルがポリ−ε−カプロラクトンである場合、上記移植可能な構造物についての放出速度及び分解速度は水溶性物質を添加することによって上昇するに違いない。
上記の添加物は、塩(塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム)、又は、糖(スクロース、ラクトース)、又は、多様な界面活性剤から選択される物質(例えばラウリル硫酸ナトリウム等のラウリル硫酸塩)等の低分子量のものであってよい。これら以外には、親水性ポリマー(ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA))、商品名DEXTRAN(R)(α−1,6−グルカン)若しくはPLURONIC(R)で販売されているもの等の多糖、又は、セルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)も好ましい。
添加する水溶性物質の量は上記担体の重量に対して最大でも約20重量%でなければならず、好ましくは約2〜10重量%の範囲でなければならない。
本発明の範囲内で使用できる有効成分は特定の有効成分一種には限定されず、局所麻酔薬、モルヒネ型又は非モルヒネ型鎮痛薬、治療因子(healing factor)、抗炎症剤、抗生物質、抗真菌剤、コルチコイド、ホルモン、抗有糸分裂薬及び増殖因子から有利に選択できる。また、有効成分の混合物を、
・有効成分の効能の経時的な調節
・多様な累積的治療作用の確保
という目的で使用できる。
上記より、関節若しくはその近辺への抗炎症剤若しくはコルチコイドの適用、慢性的な傷への防腐剤及び/若しくは治療薬の適用、根絶困難な腫瘍若しくは転移部への抗有糸分裂薬の適用、又は、神経構造への刺激物質の適用を考慮できる。
特に好ましくは、有効成分はリドカイン、ブピバカイン、ベンゾイン、テトラカイン、メピバカイン又はロピバカイン(ropivacaine)等の局所麻酔薬である。上記局所麻酔薬の効果を持続させるためにクロニジン又はフェンタニール等の物質を上記局所麻酔薬に添加することができる。
有効成分の量は一般的に担体の重量の60%を超えない量であり、また、有効成分の正確な性質及び意図される治療目的に応じて変える。
本発明の生物分解性の構造物は切開した組織の縫合面に移植することができ、また、意図される治療目的に応じた時間をかけてin situにおいて所定濃度で有効成分を運搬することができる。
上記構造物は、殺菌及び様々な気候条件における保存が可能である。
上記有効成分が局所麻酔薬である場合、本発明の移植可能な構造物は、苦痛、特に手術後の苦痛を除去又は最小限にして、固有の効果(患者にとって理想的な快適性、手術後の心配の軽減、早期歩行再開による血栓塞栓症のリスクの低減、入院期間の短縮及びこれに伴う費用の削減)を呈することができる。また、本発明の移植可能な構造物によって、外来患者の手術の実施が促進され、かつ、患者が迅速に活動再開できるようになる。
本発明の移植可能な構造物は、熱動力による成形法で製造される。この方法は、上記有効成分と上記生体に再吸収され得る担体材料とが密着(連結)していて、この密着は上記構造物の構成要素の一種の湿潤性によって誘導される方法である。
製造工程中のある段階によって決まった融点よりも温度が高くなると、上記有効成分が液相を経るために上述のように湿潤して、望ましい密着性が得られることとなる。
全製造工程を通じて上記有効成分が固体のままである場合には、上記担体材料が製造中に液相又は粘性のある相を経なくてはならない。
上記有効成分の融点と上記担体材料のガラス転移温度又は融点が近い場合、上記有効成分及び上記担体材料が上記の相変化を同時に経過する可能性がある。
望ましく連結させるために必要な上記の相変化は一般的に、いわゆる「トランスファーポット」中で引き起こされる。
従って、第二の態様によれば、本発明は、上記移植可能な構造物の製造方法であって、以下の段階:
a)上記構造物の構成成分を均一に混合する段階、
b)得られた混合物の一部又は全てを、加圧することによって又は加圧せずに、トランスファーポット中で液相及び/又は粘性のある相を経過させる段階、並びに、
c)この中間生成物の状態から、加圧して上記移植可能な構造物を成形する段階:
を含む方法に関する。
必要であれば、上記の異なる段階の最後に加熱処理を補うことができる。
段階a)において、最初固体の物質をあらかじめ有利に乾燥処理する。
上記相変化は段階b)において引き起こされる。この相変化は次の変化:
・有効成分のみによって若しくは担体材料のみによって優先的に誘導される場合には、固体−液体の変化、
・無定形若しくはそれぞれ半結晶性の脂肪族ポリエステル材料によって優先的に誘導される場合には、固体−粘性若しくは固体−粘性−液体の変化、又は、
・有効成分及び担体材料が同時に融解することによって誘導される場合には、液体−液体の変化:
のうちの一種である。
上記工程の終了後、成形物を型から外して、好ましくは冷却した板の上に置く。
上述のことから、本発明の工程は、上記の各段階において溶媒を含まないことが分かる。
上記有効成分の融点(Tm)と上記脂肪族ポリエステルのガラス転移温度又は融点が(上記脂肪族ポリエステルが無定形又は半結晶性のいずれであるかによって)大きく異なる場合、段階b)の相変化は、有利には上記有効成分のTmと上記脂肪族ポリエステルのTg又はTmとの間の温度で、好ましくは上記有効成分のTm付近の温度で引き起こされる。
上記有効成分のTmと上記脂肪族ポリエステルのTg又はTmとが大きく異ならず、最大でも約10〜15℃程度である場合、段階b)の相変化は、有利には上記有効成分のTm及び上記脂肪族ポリエステルのTm又はTgよりも高い温度で引き起こされる。
本発明の方法によれば、接触面が密着していて(すなわち、接触面において密着していない部分がなく)、かつ、融点又はガラス転移温度の低い(上記脂肪族ポリエステルのものより低い)均一な複合構造物を得ることができる。
本発明の方法の例としては、特に「La mise en forme des matieres plastiques(The shaping of plastics):J.F.AGASSANT,P.AVENAS,J.Ph.SERGENT,publ.Lavoisier 1989」中、又は、「Matieres plastiques(Plastics):J.P.TROTIGNON,J.VERDU,A.DOBRACZYNSKI,M.PIPERAUD,publ.Nathan 1996」中に記載される方法、特に次の型の方法を挙げることができる。
・圧縮−トランスファー成形
・射出−トランスファー成形
・トランスファー後の押出し又はスピニング成形
使用する方法として好ましいのは、所定の流動性を有する材料を型にあけた穴の中に加圧して導入することを含む、圧縮−トランスファー成形型の方法であって、通常は四つの段階:
−可塑化(plastification):まず最初にるつぼの中に材料を入れ、その材料の一部又は全てを加熱して、均一な流動状にする段階(相変化)、
・射出:上記で流動状にした材料を、ピストンを使用して型の中に入れる段階、
・成形:その後、上記の材料を型の中で急速に硬化させて成形する段階、
・最後に型から外す段階:
に分かれた方法である。
有利には、出発材料の混合物の粒子の大きさを約5〜150μm、好ましくは約10〜50μmの範囲内に調節する。概して、メカニカルミル又はエアジェットミルを使用することが望ましい。また、上記有効成分の構造が壊れず、かつ、その治療特性が維持されるような温度で成形することが更に望ましい。
射出−トランスファー成形も上記と同様の実験的方法に基づく。また、押出し−トランスファー成形は公知の技術である。
上記移植可能な構造物の形態は変化させることができ、その結果、糸、フィルム、糸束、(特に底面が正方形又は長方形である平行六面体の)リボン、細片、織布若しくは不織布、板、カテーテル、錠剤又はシート等に製造できる。これら以外にも例えば、胸郭手術又は肛門手術、及び、やけど等の皮膚損傷の治療に使用できる可能性のあるフィルム等の形状が考えられる。また、上記有効成分を縫合糸中に組み込んだ構造物も考慮できる。
本発明の様々な構造物を、図1A(リボン)、図1B(ひだのあるリボン)及び図1C(糸束)中に示す。
また、本発明の移植可能な構造物を含む混成複合構造物を製造して、例えば、手術後最初の数時間の放出は急速に、その後は速度を遅くしていくといったように、数通りの相補的速度で放出させることもできる。
これによって生じる特定の形態は従来、図2中に示す構造等のサンドイッチ構造を製造することによって実施される。
有利には、上記移植可能な構造物は、例えば繰り返し又はランダムに幾何学模様をつけて表面がうねった又はざらざらした幾何学形(円柱状、平行六面体)の構造物として製造することによってその比表面積が増大するために、上記生体に再吸収され得る物質と間質液との接触面が増大して、これによって生物分解性が速くなり、従って流体及び上記有効成分の浸透に有利となる可能性がある。
上記移植可能な構造物を挿入する部位は、傷害又は切開創の型によって異なる。
図3及び図4は正中の腹壁切開の概略図である:移植可能な構造物(1)は、腹膜前の空間において切開創の長さ方向に、腹膜の縫合面(2)と腱膜の縫合面(3)の間に配置されている。
図5は横方向の腹壁切開の概略図である:移植可能な構造物(1)は、筋肉の小室内の、腱膜の縫合面(2)の奥の表面に配置されている。
図6はヘルニア縫合の概略図である:インプラントの一つ(1)は外腹斜筋の腱膜(2)の奥の表面に配置されていて、もう一つ(11)は精管(3)の下端において、奥の縫合面(4)及び陰部大腿神経の陰部枝(5)と接して配置されていている。図7は図6の図の腹背方向の切断面である。
四肢又は胸郭における上記以外の型の切開創については、インプラントは一般的に、筋肉又は腱膜の縫合部と接するように配置されるであろう。
静脈瘤切除の場合には、インプラントをストリッパーを使用して切除の道筋に沿って引っ張って適切な場所に配置することができる。
続いて、上記以外にも、異なる種類の手術に適応した形、特に広範囲に渉る細胞剥離を対象としたフィルムとして設計することができる。
移植可能な構造物の寸法及びこの構造物中に組み込まれる有効成分の量が構想する用途の性質に応じて変わるであろうということは、当業者であれば本記載から容易に理解できるであろう。
放出される有効成分の量は、上記生体に再吸収され得る担体の重量、及び、上記担体中における有効成分の初期濃度に応じて変わる。
手術後の苦痛の治療について示すと、リドカイン型の局所麻酔薬の量は、24時間あたり最大約600mgの量を連続的に放出して5日間で約3gである。
上記の量は、活性がより高いと認識されているブピバカイン、メピバカイン及びロピバカイン等の特定の局所麻酔薬については減らすことができる。
ここで、本発明のインプラントは一般的に長さ3〜25cm、好ましくは約7cmであり、この大きさは通常の切開創の大部分に対して適切である。15〜20cmの切開創が必要とされるより大きな介入について、一日に放出される局所麻酔薬量が同期間で等量であることが望ましく、かつ、上記インプラントが同じ組成である場合、他の二方向の寸法を短くする必要があることは明らかである:
・長さ14cmで厚さ0.22cmの同重量かつ同体積のインプラントについて、幅は0.75cmとする必要がある。また、7×0.22×0.75cmのインプラントを二つ使用することもできる。
・長さ21cmで厚さ0.22cmのインプラントについて、幅は0.5cmとする必要がある。また、7×0.22×0.5cmのインプラントを三つ使用することもできる。
また、上記インプラントの長さを伸ばすことによって、上記の基本的な例示中とほぼ同じ厚さ及び幅で体積を増大させることができるため、有効成分をより多く放出することもできる。この場合、結果的に上記インプラントの組成は大きく異なる。
以下の実施例によって本発明をより詳細に記載するが、これらの実施例は単なる例示として示すものである。
<可塑剤の添加がTgに及ぼす影響>
下記表1は、本発明の範囲内の生体に再吸収され得る担体として使用できるポリマー二種(すなわちPLA50GA50(本質的に生物分解性の無定形材料)及びPCL(生物分解性が低いと考えられる半結晶性材料))のガラス転移温度(Tg)及び融点(Tm)を示す。
PLA50GA50について記録されたTg値の差は、その名称が意味する組成、特にそれらの分子量(PURAC社販売の共重合体について75,000g/mol、MEDISORB社販売の共重合体について65,000g/mol)に関連している。
通常、PLAGAの各群についてTg値を系統的に調べる。
表2は、乳酸を5、10又は15重量%添加したPLA50GA50共重合体のTg値(℃)を示す。
表1及び表2中の結果は、PCLを使用すれば更に物質を添加しなくても室温で可撓性の担体が得られること、及び、可塑剤を添加することによってPLA50GA50の「可撓性」を室温で調節できるということを示す。
<生体に再吸収され得る構造物についての成形条件の最適化>
この実施例の目的は、理論上は有効成分の放出量を500mg/日に調節して3日間(すなわち計1500mg)放出できる平行六面体のリボンを製造することである。
予備試験を実施して、どの成形方法を選択するかに関わらず、所望の可撓性を維持したままで、有効成分約50%かつ担体材料50%という割合で移植可能な構造物の中に組み込むことができることを保証した。
上記インプラントの全重量は上記の条件において3gである。上記インプラントの平均密度が推定1.3であれば、上記インプラントの体積は2.31cmであろう。この体積は、例えば、次の寸法の平行六面体の体積と同じである。
決定した長さ:7cm
決定した幅:1.5cm
厚さ:0.22cm(2.2mm)
局所麻酔薬の粒子の大きさは一般的に10〜500μmの範囲であるため、まず最初にこの粉末をすりつぶし、その後オーブンを通して(例えば40℃で1時間)最終的な粒子の大きさを10〜50μmとする必要がある。
A/PLA50GA50共重合体について次の一般的な操作状態を選択し、圧縮−トランスファー成形によってこの特定の形態とした。
・可塑化温度:80℃〜90℃
・型に射出する際の圧力:60bar〜100bar
・テフロンコート板上での最終冷却後、型から外す。
B/ポリ−ε−カプロラクトンについて、SCAMIA社販売の単軸押出し機を使用して押し出すことによって成形する際の条件はそれぞれ65、80及び120℃であり、この条件によれば伸展させることができるため(m/分で示す)、速度1m/分で動くコンベヤーのベルトの上に押出した構造物を集めることができる。
ここで、分子量37,000g/molのPCLの粘度を、次の異なる温度(表3参照)において、HAAKE社から商品名RHEOSTRESS RS 150で販売されている装置を使用して測定した。この試験は、負荷した応力τ(パスカル:Pa)とずれ速度D=dγ/dt(秒−1、s−1)との関係を示す式τ=ηDの、古典的ないわゆるニュートンの関係を呈する。粘度ηはパスカル・秒(Pa.s)で示す。
実験は、Dを0.1s−1〜200s−1負荷して又はτを1Pa〜12,000Pa負荷して任意に実施した。
温度を上げることによって材料の粘度を下げる(すなわち流動性を上げる)ことができ、また、温度上昇は上記有効成分と上記担体との間の結合にとって適切かつ有利である。
<PLA50GA50に基づくインプラントからのin vitroにおけるリドカインの放出速度>
上記速度を、実施例2A/の操作条件で調製し、リドカインを1500mg放出できる(圧縮−トランスファー成形によって製造した)リボン3gについて測定した。このリボンを、PBS500ml(pH7.4)を37℃で磁気的に撹拌している中に浸漬する。浸漬媒体は、放出された物質で飽和しないように24時間毎に交換する。
それぞれ次の割合(重量)の組成について試験した:
PLA50GA5085%及び乳酸15%(85/15)、又は、
PLA50GA5090%及び乳酸10%(90/10)、又は、
PLA50GA5095%及び乳酸5%(95/5)。
放出曲線の傾きの値を表4中に示す。
上記移植可能な構造物から放出された麻酔薬についてin vitroで測定する際の方法はUV分光測定法である(PERKIN ELMER社製Lambda20)。特性線は波長263nmに位置する。測定は連続又は不連続モードで、浸漬媒体を24時間毎に交換して実施する。
上記インプラントをまず最初に40℃で2時間加熱処理した場合、24時間毎の放出速度の様子はより一定で、約350mg/24時間であることが観察される。
<PCLに基づいて押出しによって製造したインプラントからのin vitroにおけるリドカインの放出速度>
「A/ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)(分子量=37,000g/mol)、リドカインの割合が異なる」
次の混合物について試験する。
試験1:PCL8g+リドカイン2g
試験2:PCL6g+リドカイン4g
試験3:PCL5g+リドカイン5g
上記試験を、実施例2B/の操作条件で、温度は80℃のみで実施する。
定常状態において、「時間に対するリドカイン濃度(g/L)」の曲線の傾きの値を表5中に示す。
「B/PCL(分子量=37,000g/mol)、リドカインの割合は一定」
実施例2B/の操作条件で、同量のPCL(8g)及びリドカイン(2g)から構成され、異なる温度で押出しを実施したインプラントについて実施した試験の結果を表6中に示す。
表6は、上記有効成分と上記担体との間の結合が80℃以上で最適となることを示す。
「C/PCL(分子量=37,000g/mol)及びPCL(分子量=10,000g/mol)、リドカインの割合は一定」
分子量37,000g/molのPCLと分子量10,000g/molのPCLのオリゴマーとの混合物を使用した。次の初期混合物について試験する。
試験1:PCL(分子量37,000g/mol)9g+PCL(分子量10,000g/mol)1g+リドカイン1g
試験2:PCL(分子量37,000g/mol)8g+PCL(分子量10,000g/mol)2g+リドカイン1g
試験3:PCL(分子量37,000g/mol)7g+PCL(分子量10,000g/mol)3g+リドカイン1g
定常状態において、放出曲線の傾きの値を表7中に示す。
「D/PCL(分子量=37,000g/mol)及びPCL(分子量=10,000g/mol)、リドカイン濃度が異なる」
C/中に記載する試験に加えて、次の混合物について試験する。
試験1:PCL(分子量37,000g/mol)5g+PCL(分子量10,000g/mol)2g+リドカイン3g
試験2:PCL(分子量37,000g/mol)5g+PCL(分子量10,000g/mol)3.5g+リドカイン1.5g
結果を表8中に示す。
<PLA50GA50に基づくインプラントからのin vitroにおけるブピバカインの放出速度>
ブピバカインの放出についての追加試験を、底面が正方形である平行六面体で、寸法70×5×5mm、重量2.7g、かつ、上記局所麻酔薬を50%含む同一の4群のインプラントについて実施した。この試験は、上記インプラントを37℃でPBS(pH=7.4)500cm中に浸漬することによって実施し、この試験においては磁気的な撹拌は実施しなかった。
磁気的な撹拌は、液体媒体を測定時に分取する前に均一にするために測定時にのみ実施した。
6日間の放出曲線を図13中に示し、これに加えて、24時間毎の放出量を示すグラフを示す(図14参照)。予想した通り、放出量は第1日目により多いが、それ以外の試験日には本質的に一定である。また、6日間浸漬した後では、上記インプラントの構造が完全に分解していることも分かった。
<PLA50GA50に基づくインプラントからのin vitroにおける局所麻酔薬混合物の放出速度>
実施例5中に記載した実験と同一の実験を、局所麻酔薬を次の濃度で含むインプラントについて実施した。
・リドカイン5%
・ブピバカイン45%
・PLA50GA5050%
24時間毎の放出量を示すグラフを図15中に示す。放出速度は実施例5において観察された程安定ではないということが分かる。
<PLA50GA50に基づく「サンドイッチ」構造のインプラントからのin vitroにおける局所麻酔薬の放出速度>
トランスファー成形法を使用して、図2中に示すものと同じ「サンドイッチ」構造のインプラントを製造した。外側の構造(エンベロープ)は1.5gのリボン二本から構成されていて、このリボンの担体はPLA50GA50と乳酸との95/5(重量比)混合物であり、このリボンはリドカインを相対的な割合として25重量%含む。内部の構造(芯部)も上記と同じ担体材料で構成されているが、ブピバカインを相対的な割合として50重量%含む。
平行六面体構造(長さ7cm、幅1cm、厚さ1mm)各々について、85℃に加熱したトランスファーポット中における時間は15分である。テフロンコートした板上での成形圧は65barである。得られたデータを表9に示す。
放出速度は実質的に直線状であることが観察される。
<PLA50GA50/乳酸/ブピバカインからなるインプラントのin vitroにおける構造分解の速度>
最後に、表10は、37℃に加熱したPBS(pH=7.4)中での、圧縮−トランスファー成形法で製造したPLA50GA50共重合体/乳酸/ブピバカイン(BPV)のインプラントの構造分解速度を示す。ブピバカインの量は、全重量3gのインプラントについて1.5gで一定量とした。
低温破断(cryofracture)して得られたリボン断面を走査型電子顕微鏡で観察することによって、上記構造分解速度に関する機構を解明した。
顕微鏡としては、低温破断による試料調製のための台(OXFORD社製CT1500HF)を取り付けた電界放射性の走査型電子顕微鏡(JEOL−6400F)を使用する。操作プロトコルは以下の通りである。
・顕微鏡とは独立している凍結チャンバー内において、試料を液体窒素中に浸漬して第一の真空状態(10−3トル)にする。
・その後、第二の真空状態(10−6トル)になっているチャンバー内に移す。
・鈍器で破砕する。
・上記試料上に存在する氷を全て昇華させる。
・破砕した試料の上に金(100Å)を載せる。
・最後に、空気に触れさせずに、顕微鏡の台の上に試料を移す。
上記のようにして、次の実験データを得た。
・まず最初に、固体の有効成分(図解例中のブピバカイン)の密度が上記試料の表面及び芯部において確実に均一となるように、かつ、有効成分とポリマー担体との接触面が外観上確実に完全に密着させるために試験を実施した(図8A及び図8B)。
・PBS(pH=7.4、T=37℃)中に数時間(2〜5時間)浸漬させた後、インプラント表面における有効成分の完全な溶解に関与している可能性のある微細孔の局在を視覚化する(図9A及び図9B)。
・9時間浸漬させた後、インプラント表面において有効成分が完全に溶解していることを記録する(図10)。
・12時間浸漬させた後、有効成分の溶解が続いて徐々に材料の芯部に達する(図11)。
・同時に、ポリマー中の微細孔及びナノ細孔の数が増加する(図12)。
上記のことから、孔があくためにポリマー構造が局所的に分解することによって有効成分が有利に溶解でき、従って、溶解した状態で時間をかけて放出されることが可能であるようである。
本発明の様々な構造物を示し、図1A:リボン、図1B:ひだのあるリボン、及び、図1C、糸束である。 サンドイッチ構造を示す。 正中の腹壁切開の概略図である。符号は、1:移植可能な構造物、2:腹膜の縫合面、及び、3:腱膜の縫合面である。 正中の腹壁切開の概略図である。符号は、1:移植可能な構造物、及び、3:腱膜の縫合面である。 横方向の腹壁切開の概略図である。符号は、1:移植可能な構造物、及び、2:腱膜の縫合面である。 ヘルニア縫合の概略図である。符号は、1:インプラント、2:外腹斜筋の腱膜、3:精管、4:奥の縫合面、5:陰部大腿神経の陰部枝、及び、11:インプラントである。 図6の図の腹背方向の切断面である。符号は、1:インプラント、及び、2:外腹斜筋の腱膜である。 試料の表面及び芯部において、ブピバカインの密度が均一である、並びに、有効成分とポリマー担体との接触面が外観上完全に密着している(図8A及び図8B)。 PBS中に数時間浸漬させた後、インプラント表面における有効成分の完全な溶解に関与している可能性のある微細孔の局在を示す(図9A及び図9B)。 9時間浸漬させた後、インプラント表面における有効成分の完全な溶解を示す。 12時間浸漬させた後、有効成分の溶解が続いて徐々に材料の芯部に達することを示す。 同時に、ポリマー中の微細孔及びナノ細孔の数が増加していることを示す。

Claims (19)

  1. 有効成分を継続的に調節しながら放出するための、移植可能な可撓性の構造物であって、
    生体に再吸収され得る担体及び有効成分からなり、
    前記有効成分は前記担体と密接に関連していて、
    前記生体に再吸収され得る担体は、乳酸/グリコール酸共重合体と、前記担体の重量に対して約0.5%〜20重量%、好ましくは約5〜15重量%の、乳酸、乳酸オリゴマー及びこれらの混合物から選択される生体適合性の可塑剤との混合物から構成されていて、
    前記共重合体と可塑剤との混合物のTgは15℃以下である
    ことを特徴とする移植可能な構造物。
  2. 前記乳酸/グリコール酸共重合体の乳酸単位とグリコール酸単位との重量比が、約80/20〜20/80、好ましくは約70/30〜30/70、特に好ましくは50/50である
    ことを特徴とする請求項1に記載の移植可能な構造物。
  3. 前記有効成分は、局所麻酔薬、モルヒネ型又は非モルヒネ型鎮痛薬、治療因子、抗炎症剤、抗生物質、抗真菌剤、コルチコイド、ホルモン、抗有糸分裂薬、増殖因子、及び、これら有効成分の混合物から選択される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の移植可能な構造物。
  4. 前記有効成分が局所麻酔薬である
    ことを特徴とする請求項3に記載の移植可能な構造物。
  5. 糸、フィルム、糸束、リボン、細片、織布又は不織布、板、カテーテル、錠剤、シート又は縫合糸の形状である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の移植可能な構造物。
  6. サンドイッチ構造である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の移植可能な構造物。
  7. 有効成分を継続的に調節しながら放出するための移植可能な構造物の製造方法であって、
    前記移植可能な構造物について、
    生体に再吸収され得る担体及び有効成分からなり、
    前記有効成分は前記担体と密接に関連していて、かつ、
    前記生体に再吸収され得る担体は、治療効果のある脂肪族ポリエステルを主成分として含んでいてTgが15℃以下である物質から構成されている移植可能な構造物の製造方法であって、
    前記方法は以下の段階:
    a)前記構造物の構成成分を混合する段階、
    b)得られた混合物の一部又は全てを、加圧することによって又は加圧せずに、トランスファーポット中で液相及び/又は粘性のある相を経過させる段階、並びに、
    c)この中間生成物の状態から、加圧して前記移植可能な構造物を成形する段階:
    を含む
    ことを特徴とする方法。
  8. 段階d)加熱処理を更に含む
    ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 段階b)を、前記有効成分の融点と前記治療効果のある脂肪族ポリエステルのガラス転移温度又は融点との間の温度で実施する
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
  10. 段階b)を、前記有効成分の融点及び前記治療効果のある脂肪族ポリエステルのガラス転移温度又は融点の両方より高い温度で実施する
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
  11. 圧縮−トランスファー成形、射出−トランスファー成形、又は、トランスファー後の押出し又はスピニング成形である
    ことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 段階a)で得られた混合物をすりつぶして、粒子の大きさを約5〜150μm、好ましくは約10〜50μmの範囲内にする
    ことを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記治療効果のある脂肪族ポリエステルは、乳酸及び/又はグリコール酸由来のポリ−α−ヒドロキシ酸、ポリ−ε−カプロラクトン、並びに、これらの混合物から選択される
    ことを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記生体に再吸収され得る担体は、乳酸/グリコール酸共重合体と、前記担体の重量に対して約0.5%〜20重量%、好ましくは約5〜15重量%の生体適合性の可塑剤との混合物から構成されている
    ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記乳酸/グリコール酸共重合体の乳酸単位とグリコール酸単位との重量比が、約80/20〜20/80、好ましくは約70/30〜30/70、特に好ましくは50/50である
    ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記生体適合性の可塑剤は、乳酸、乳酸オリゴマー及びこれらの混合物から選択される
    ことを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
  17. 前記生体に再吸収され得る担体は、ポリ−ε−カプロラクトンと、前記担体の重量に対して最大でも約20重量%、好ましくは約2〜10重量%の水溶性物質との混合物である
    ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  18. 前記有効成分は、局所麻酔薬、モルヒネ型又は非モルヒネ型鎮痛薬、治療因子、抗炎症剤、抗生物質、抗真菌剤、コルチコイド、ホルモン、抗有糸分裂薬、増殖因子、及び、これら有効成分の混合物から選択される
    ことを特徴とする請求項7〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記有効成分が局所麻酔薬である
    ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
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