JP2006510951A - 3レベル切削のキューブコーナー - Google Patents

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Abstract

3組の平行な等距離の対称形のV字形の溝によって画成されるキューブコーナーの規則的な配列を提供する。3組のV字形の溝の方向が3つの角度をなし、そのうちのどの2つも等しくない。平面図で見たときに、キューブコーナーの頂点が、溝の底に沿った線からなる三角形の重心から、その三角形の垂心と重心との距離より実質的に短い距離にあるように、三角形のパターンが決められる。金属被覆しないプリズム型再帰反射性シートでは、準三角形のキューブコーナーを複合傾斜した配列は、小さな入射角で傾斜のない三角形のキューブコーナーの効率に近い利点をもつ。

Description

本発明は一般的に再帰反射性キューブコーナーに関し、具体的には等距離で平行な対称形の3組のV字形の溝によって形成される準三角形のキューブコーナーの配列方式に関する。キューブコーナーの配列は、その形成方向に3つの不等角を形成させ、3つの深さを各キューブコーナーで等しくしないように切削して、金属被覆しないプリズムとして便利な再帰反射性の改善を得る。
出願人は本発明に関するキューブコーナーのプリズム素子の以下の特性を観察している。これら観察は図1から22に関して述べるが、図21を除きそのすべてを出願人が導きだしたものである。本明細書で先行技術を頻繁に参照しているが、その技術の解釈と観察は出願人独自のものであると考える。
再帰反射体は、ある光源から出た光をその光源近傍まで戻す。再帰反射性の道路標識は夜間においては、普通の塗装した標識よりも、車両の運転手にとっては数百倍も明るく見える。日中、標識は普通の塗装した標識とほぼ同じ明るさになると予想される。標識が、日中の光をその光源、太陽および空に戻すと、日中車両の運転手にはきわめて暗いことであろう。このパラドックスの解決策は、再帰反射性の道路標識がある光源から届く光を効果的に再帰反射せず、他の光源からの光を効果的に再帰反射することによって、昼夜とも効果を持たせることである。再帰反射性の道路標識シートは、車両のライトをその現実的なすべての位置で再帰反射できるが、車両のライトをほぼ非現実的な位置では再帰反射しないために優れる。
道路標識シートに対する照射光源の位置は一般的に2つの角度、入射角βと方向角ωで記述される。図1に道路標識に垂直に立てた小さな棒rを示す。光線eが標識を照射するとする。入射角βは光線eと棒rの間の角度である。光線eは棒rの影sを標識に映す。入射角βは影sの長さから求められるであろう。方向角ωは影sの方向から求める。方向角ωは標識シートの名目上の「上」方向から影sまでの角度である。この方向角は右回りに測定され、そのため図1ではωは約+65度に等しい。光線e自体が標識に垂直であれば、入射角β=0で影はないため、方向角ωは意味をもたない。
道路標識の用途に関し、入射角βが大きい場合はほぼ必ず、標識がほぼ垂直であるが、光線eの入射方向ではない面に向いている場合である。これら標識への入射角βの値は40°よりも大きいことがある。このような場合の方向角ω値は、一般的に道路の右側の標識に関しては75°から95°の範囲、道路の左側の標識に関しては−75°から−95°の範囲である。このことが方向角ωの+90と−90°の値となる重要な根拠である。
大きな入射角βで、方向角ωの値も0°と180°で再帰反射性が良好なシートは実用的な利点を有する。シートは巻くことができ、標識の製作時に縦方向にも横方向にも使うことができ経済的である。このように、−90°、0°、90°、および180°の方向角ωの値が重要である。
再帰反射体は光学的に2種類ある。第1の種類は<屈折、反射、屈折>と機能をする。第1の湾曲した屈折面が第2面に光源の画像を生成する。画像面は反射性又は散乱性の反射性のため、画像の光は第1屈折面に折り返し、そこから光源に向かって戻る。この種の再帰反射体の例は、多数の道路標識シートから構成される半金属被覆したガラス球である。第2の種類の再帰反射体は<反射、反射、反射>と機能する。3枚の鏡が直角になる角に光が入射すると、1枚目に反射し、次に2枚目、さらに3枚目の鏡に反射して光源に戻る。同様に、キューブの角をプリズムカットしたものに光が入射すると、3枚のキューブ面に内部反射して、元の方向に戻ることができる。光は4番目のプリズム面から出入りする。完全なシーケンスは、<屈折、反射、反射、反射、屈折>である。2回の屈折が同じ平面で起こるため、3回の反射が再帰反射を提供するものである。この種の再帰反射体の例としては、多くの道路標識シートに整列して配置されるサブミリプリズムである。
道路標識には、プリズム型再帰反射体のほうが、球型再帰反射体よりも有利である。プリズムはより効率的に装填できる。プリズムは異常性が少ない。プリズムはさらにどの光源の方向を再帰反射し、どの方向の光源を再帰反射しないかの選択性を高めることができる。
「キューブコーナー素子」とは、一部が3平面に囲まれた空間領域として定義され、この3平面はキューブの1つの角で会合するキューブの3面の一部である。再帰反射するキューブコーナープリズムの幾何学的効率は、主に2つの要因、つまり有効面積と反射面の組合せ反射度によって決まる。有効面積は、2番目の要因が完璧であると想定して求める。キューブコーナーのプリズムの幾何学形状とその材料の屈折率が、プリズムの面積のうち、ある入射角βと方向角ωの入射のうち再帰反射に参加できる程度を決める。照射面及び射出面での屈折のために、β≠0°の場合は必ず屈折率もキューブコーナーの有効面積を計算に入れる。
有効面積は光線追跡で求められる。有効面積を求める別のよく知られた方法を図2Aおよび2Bに図示する。図2Aは、キューブコーナーに入射する光線の方向から見たキューブコーナー再帰反射体の図を示す。入射角β=0°の照射の場合、これは単に再帰反射性シートの前面に直角なキューブコーナーの図になる。他の照射はどの場合も、図2Aの方法を適用する場合、前面での入射光線の屈折を考慮しなければならない。
図2Aは、キューブコーナーの再帰反射に必要な光路の種類を図示する。光は1本の光線でキューブコーナーに入射し、キューブコーナーはその光線に沿って見たものとして描かれる。図2Aでは、光線はA地点に入射するとする。光線は、面1上のAで示される点に届く。それから、光線は面1から別の面に反射する。図の視線では、この反射路はキューブコーナーの2面の交線4に平行に現れなければならず、この交線4は面1の一部ではない2面2、3の交線である。反射光線はBで示す点で面2に届く。点Bは面1と面2が共有する2面の交線6が線分ABを2等分して作図される。面2上のBで示す点から、光線は面3に反射する。図2A線では、この反射路はキューブコーナーの2面の交線6に平行に現れなければならず、この交線6は面3の一部ではない2面1、2の交線である。反射光線は面3上のCで示す点に届く。点Cは、面2、3が共有する交線4で線分BCを2等分して作図される。光線は、面3上のCで示す点から、その最初の入射光線に平行な方向に反射されて、再帰反射を完了する。
図2Bの影つきの領域は、図2Aのキューブコーナーのうち、視線の方向からの入射に対し再帰反射のために光学的に有効な面積を示す。この有効面積は前述した点Aのようなすべての入射点の集合であり、そのために前述した点Bはキューブコーナーの第2の面にあり、また前述した点Cはキューブコーナーの第3の面にある。
キューブコーナーの頂点は、図2Aの点Oに現れる。幾何学的配列により、AOCは直線で、AO=OCである。図2Aでは、光線の入射点と射出点は頂点に対して対称である。三角形のキューブコーナーの場合、3つの2面の交線4、5、6がそれぞれキューブコーナーの頂点から延び、前記対称となる点AとCがキューブコーナーの内部にあるとき、点Bも必ずキューブコーナーの内部にあることが証明できる。このように、図2Aの作図法は三角形のキューブコーナーについては簡単である。有効面積はキューブコーナーを切断した三角形として求めることができ、この三角形は図2Cに図示するように、点Oを中心に180°回転対称である。
図2Aの作図法で有効面積を求める際、鏡のように反射する面を想定する。金属被覆したキューブコーナーのプリズム面では、光線は、各反射毎に吸収によりいくらか強度が失われるが、鏡のように反射する。真空スパッタリングしたアルミニウムでの金属被覆の場合、この損失は約14%である。3回の前記反射による損失は約36%である。金属被覆しないキューブコーナープリズム面は理想的な鏡のように全反射できる。全反射(TIR)とは強度の点で損失がゼロを意味する。ただし、金属被覆しないキューブコーナープリズム面も反射が弱まることがある。全反射になるには、面への入射角が一定の臨界角を超えなければならない。臨界角はプリズムの材料の屈折率の逆数のアークサインに等しい。例えば、n=1.5の材料の場合、臨界角は約41.81°である。41.82°での入射光は全反射する。41.80°での光の入射はその強度を11%失う。41°での光の入射はその強度を62%失う。金属被覆しない面をもつキューブコーナープリズム面は、ある入射について全反射にならない1又は2つの面をもつことになる。
再帰反射するキューブコーナープリズムの効率は、光がプリズムに出入りする面の反射率にも依存する。この要因は誘電反射に関するフレネルの式に従って前面の材料の屈折率に依存する。前面の材料はプリズム本体の材料とは異なることが多い。その効率に関わる要因は、プリズムの設計とは独立しているためここでは無視する。
再帰反射するキューブコーナープリズムの全体的効率は、個々のプリズムの効率によっては完全には決まらない。あるプリズムが再帰反射しない一部の光が、一般的には前面に全反射して、他のプリズムに入射することがあり、複数のプリズムに関わる光路で再帰反射を生じることもある。この要因はプリズムの設計と、プリズムと前面の間の材料の厚さに依存する。この要因は光線追跡で最適に研究される。本発明のキューブコーナーはキューブコーナー間の効率の点で先行技術のキューブコーナーと大差ないため、本明細書ではこの要因を無視する。
キューブコーナープリズムの効率における最初の要因、つまりある入射角βと方向角ωの有効面積は、プリズムが金属被覆されているかどうかに関係ない。キューブコーナープリズムの効率における2番目の要因、つまりある入射角βと方向角ωの3面の反射率の積は金属被覆しているかどうかに大きく依存する。アルミニウム被覆したキューブコーナープリズムの組合せ反射率は、典型的にはβとωにほとんど依存せずに約64%である。金属被覆しないキューブコーナープリズム組合せ反射率は、典型的には、入射角β、方向角ωの多くの組合せで100%であり、入射角β、方向角ωのその他の組合せの多くは10%未満である。
道路標識の再帰反射性シートは、夜間にヘッドライトを再帰反射するだけでなく、日中にも良好な輝度をもたなければならない。金属被覆しないキューブコーナーは、道路標識の用途においては金属被覆したキューブコーナーよりも常に望ましい。金属被覆したキューブコーナーのシートは日中割合暗く見えるからである。車両の運転手にとって、この暗さは、大部分が金属被覆したプリズム面の反射率が絶対的に低くならないためであり、そのため日光や天空光を太陽や空に戻るようによりよく再帰反射してしまう。これに比べると、金属被覆しないものでは全反射にならないことが多く、そのため光がプリズムから漏れることになる。そして、プリズムの裏に貼った白色の裏当フィルムが、光を散乱して反射してよく見える。
1956年10月に「コーナーキューブリフレクターの理論」と題するBritish Road Research Laboratoryのために書いた未出版の研究論文で、K.N. Chandlerは、ある金属被覆しないキューブコーナー再帰反射体の全反射限界を表にした。図3に、4つの照射方向を方向角ωに応じて−90、0、90、180のラベルを貼った四角形のキューブコーナーを示す。形状は全反射限界に関係なく、キューブ面の傾斜と材料の屈折率にのみ依存する。
図4に図3に対応するグラフをチャンドラーグラフの形で示す。図4では、方向角ωの向き(−180°から180°)を円周方向に表し、入射角β(0°から90°)を半径方向に表しており、3つに分かれた曲線はキューブコーナーで全反射を維持するための各方向角ωにおける最大の方向角βを示す。この例では屈折率n=1.586を選んだ。図4は、図3で+90と記される入射光線がどの入射角でも全反射を失うことなく反射可能であるが、図3で−90と記される光線は入射角βが約25°を超えると全反射が失われてしてしまい、図3で0と180と記される光線は入射角が約31°を超えると全反射を失ってしまうことを示している。
図4に示す方向角ω=−90°での反射の弱さを軽減するためには、キューブコーナーを図5で示すように一般的に対にした。図6の2つのチャンドラー曲線は、図5の2つのキューブコーナーに対応するが、これは図5の左側のキューブコーナーがω=−90°で図3と6の右側のキューブコーナーを「補足」し、ω=+90°では反対のことが起きることを示している。ただし、図6はω=0°又は180°のとき31°の入射角以上の改善は示していない。
チャンドラーグラフはたった2つのことに依存する。つまり、内部光線が3つのキューブプリズム面の会合する角度とプリズムの材料の臨界角である。このためチャンドラーグラフを変更するための唯一重要な方法は、プリズムの材料の屈折率と、物体の前面に対するキューブコーナーの傾斜を変えることである。
屈折率を増やすと、図7に示すようにチャンドラーグラフにおいて全反射の領域は大きくなる。この領域の腕の方向をずらすためには、キューブコーナーを傾ける必要がある。
シートにおけるキューブコーナーのプリズム素子は、そのキューブ軸がシートの前面に垂直でないときに、傾くと言われる。キューブ軸は、キューブコーナーの頂点から3つのキューブコーナー面のそれぞれに角度が等しくなる直線である。この直線は完全なキューブの対角線となるであろう。Rowlandの米国第3,684,348号特許は、小さな入射角のときの性能を犠牲してその大きな入射角のときの性能を改善するために、三角形のキューブコーナーの「ティッピング」を開示している。キューブコーナーの配列が3組の平行な対称のV字形の溝によって形成され、溝切りの方向が互いに60°ではないとき、キューブコーナーは傾斜する。
Heenanらの第3,541,606号特許は、傾斜方向に注目して不規則に配置するとともに傾斜したキューブコーナーを開示している。彼は、金属被覆しない六角形のキューブコーナーとそれを180°回転させた対から構成する再帰反射体は、キューブ面が物体の前面にほぼ平行になるような方向にキューブコーナーを傾斜すると、2つの直交面に拡大した入射角(つまり方向角ω=−90°、0°、90°、180°)をもてることを発見した。この効果は、このような方向角ωのために大きな入射角での反射率が100%になるためであった。図8に、六角ではなく四角にしていることを除き、Heenanらの第3,541,606号特許の図19のものと同様10°傾斜した対のキューブコーナーの平面図を示す。矢印で示すキューブ軸は、傾斜が物体の前面に平行になっていない2つのキューブコーナー2面で対称になっていることを示す。キューブコーナーの2面間の交線、キューブ軸、物体の前面に直交するキューブコーナー頂点からの法線は1平面にあり、前記法線は前記2面の交線とキューブ軸の間にある。
出願人は、傾斜したキューブコーナーを除いて、Chandlerのと同様なグラフを作成するのが便利だと分かった。本出願では、このようなグラフをすべて「チャンドラーグラフ」という。図9は、図8のアクリル樹脂製の対の「より面に平行」(face-more-parallel、以下、略して「fmp」という。)であるキューブコーナーのチャンドラーグラフである。図10は、fmpに傾斜したキューブコーナーの傾斜が1.3°大きいアクリル製キューブコーナーのチャンドラーグラフである。
Hoopmanの第4,588,258号特許は、fmp傾斜を規則的に配列した三角形のキューブコーナーへの適用を開示している。当該キューブコーナーのために作成したチャンドラーグラフは、Heenanらの第3,541,606号特許で得たものと実質的に同じである。Hoopmanのキューブコーナーは、三角形のキューブコーナーが大きな入射角で六角又は四角のキューブコーナーよりも大きな有効面積を有するので、Heenanの同様な傾斜したキューブコーナーよりもさらに優れた入射角特性をもつ。
Heenanらの第3,541,606号特許は、「より面縁に平行」(edge-more-parallel、以下、これを略して、「emp」という。)を形成するように傾斜したキューブコーナーも開示している。図11は10°emp傾斜をもつ対の当該キューブコーナーを示す。矢印で示すキューブ軸は、2つのキューブコーナーの2面の交線が物体の前面により平行になるように、2つのキューブコーナー面の傾斜が対称であることを示す。前記2面の交線、キューブ軸、物体の前面に直交するキューブコーナーの頂点からの法線は1平面にあり、キューブ軸は前記2面の交線と前記法線の間にある。図12は、図11のアクリル製で屈折率n=1.49のキューブコーナーに関して作成したチャンドラーグラフである。図9と12はそれぞれ、fmpに傾斜した場合と、empに傾斜した場合の特徴を示す。図6の対称なチャンドラーグラフは、図9では圧縮され、図12では引き伸ばされている。図6、9、12を比較すると、全反射のグラフ上の面積は図6で最も大きく、図9で最も小さい。ただし、図9の全反射領域には、最も好都合な入射角β、方向角ωの対が含まれる。
Smithらの第5,822,121号特許および第5,926,314号特許は、深さの等しい3組の平行な対称的なV字形の溝によって形成されたキューブコーナーの配列を開示しており、溝はどれも角度が同じにならないような方向をもつ。キューブコーナーは不等辺三角形の形状である。出願人は、キューブ軸は必然的に傾斜するが、傾斜はfmpでもempでもないことを観察した。図14に、傾斜が9.74°の対の当該キューブコーナーの平面図を示す。各キューブコーナーに関して、矢印で示すキューブコーナーの軸線は、いずれの2キューブコーナー面の傾斜も対称ではないことを示している。キューブ軸を含むとともに、キューブコーナーの頂点から物体の前面まで引かれる法線をともに含む平面内には、キューブコーナーの2面の交線はない。本出願では、当該傾斜を「複合傾斜」という。
図13Aおよび13Bは、複合傾斜したキューブコーナーのチャンドラーグラフの形状を説明する。図13Aは図14のキューブコーナーの1つと同じ物体の前面に垂直な平面図であるが、太矢印が図14の矢印とは異なる。図13Aの太矢印は三角形の高さを示しており、所定の入射角で、キューブコーナー面への入射角が最も小さくなる方向角を示す。所定の入射角で、すべての方向角で、aの記号の付いた矢印に沿ったものは、最も小さい入射角でaの記号の付いた面に届く。それだけが唯一の傾斜寸法だからである。このため他の方向角よりも入射角が小さいこの方向角の面aでは、全反射にならない。図13Bは図13Aのキューブコーナーのチャンドラーグラフである。図13Bでaの記号が付いた矢印は、図13Aでaの記号がついた矢印に対応する。図13Bの矢印aはチャンドラーグラフの弓状の部分の最小の入射角βを指し、図13Aの面aが全反射にならない場合を示す。弓状の部分は矢印aに対して対称である。
出願人は、三角形のキューブコーナーの1縁を図13Aのように垂直にすると、三角形が図に示すようにその面縁で角度AとBをもつ場合、チャンドラーグラフが3つの腕をほぼ以下の3つの方向角ωの中央にする基本形状が決まることを見出した。
ω=90°−A−B
ω=90°+A−B
ω=90°+A+B (1)
図13Aの例では、角度A=50°で角度B=60°なので、3つのチャンドラーの腕は約−20°、80°、200°の中央になる。より重要なのは、3つの腕の方向を分ける3つの角度である。これは大体以下のとおりである。
Δω=2A
Δω=2B
Δω=360°−2A−2B
又はΔω=2C、ここでCは三角形の3番目の角度 (2)
2つの腕は約90°離すのが望ましい。このためには、上記の関係に従い、平面図の三角形の角度のうち1つを45°に等しくする必要がある。出願人はより面に平行に傾斜した二等辺三角形のキューブコーナーではこれは不可能であることに気づいた。そのような二等辺三角形の平面図は、まさに1面であることを意味する45°−45°−90°となるためである。腕は100°離れれば十分である。このためには三角形は50°−50°−80°、つまり傾斜を約21.8°にしなければならない。当該大きな傾斜の結果、入射角β=0°で全反射はなくなる。図16は、屈折率n=1.63と非常に高くしても、16°fmp傾斜すると、入射角β=0°で全反射はほとんどなくなることを示す。
出願人はさらに、三角形を67.5°−67.5°−45°にすると、empとなるように傾斜した二等辺三角形のキューブコーナーでチャンドラーグラフの腕を90°離せることに気づいた。これは約10.8°の傾斜に対応する。図12に、ほぼこのキューブコーナーのチャンドラーグラフを示す。後述するように、このような設計に関しては、大きな入射角βで有効面積に関わる問題がある。
A=45°、B=60°、C=75°のもののように、不等辺三角形のキューブコーナーでもチャンドラーグラフの腕を90°離すことができる。図13AのようにA=50°にして腕を100°離すとさらに実用的である。
図14は、図13Aのキューブコーナーを隣のキューブコーナーと合わせて図示している。点線の矢印は平面図のキューブ軸を示す。図15は2つのキューブコーナーのチャンドラーグラフが互いにどのように補足するかを図示する。これらキューブコーナーを約10°左回りに回転すると、チャンドラーグラフも同様に回転する。そのため、方向角ω=−90°、0°、90°、180°に関して良好な入射角特性の可能性がある。
図15は図12よりも図9に似ている。図15および図10では、6つのチャンドラーの腕が4つの腕に収束し始めている。出願人は、一般的に6つの腕が180°―2A、180°―2B、180°―2Cに従って離れることが証明できることに気づいた。この腕の収束は、角度A、B、Cのうちのどれかが特に大きい結果である。emp傾斜の二等辺三角形のキューブコーナーは、最も大きい2つの角度が等しいため、特に大きい角度をもつことはできない。
図17Aから17Fは、シートの前面に垂直に見たキューブコーナーの平面図であり、それに対応する対のキューブコーナーのチャンドラーグラフである。キューブコーナーはすべて11.3°傾斜し、その傾斜軸を平面図で短い矢印で示す。図17Aのキューブコーナーがfmpに傾斜から図17Fのempに傾斜までの変化を表す。図17Aの二等辺三角形が不等辺三角形に移行して図17Fの二等辺三角形になる。出願人は、図17Aでは、mpと記す1面が特にシート前面に平行なため、特に全反射が起こり難いことに気づいた。図17Fでは、それぞれmpと記す2面が、特にシート前面に平行なため、全反射が起こり難い。この2面は、シート前面により平行に傾斜する面縁が側面に位置する。Heenanらの第6,015,214号特許で試みたように、すべての傾斜をfmpかempのいずれかに分類するのは無理がある。光学特性はfmpからempまで連続的に変化するためである。
規則的に形成した三角形のキューブコーナーは、fmpに傾斜からempに傾斜した変化を図示するのに便利であるが、キューブコーナーの傾斜はキューブコーナーの形状とは独立している。傾斜は、キューブコーナーの頂点に成す3つの角度のシート面に垂直な平面図から明らかである。DとEがこの図の頂点付近に成す3つの角度のうちの2つであれば、またはd=−tanDでe=−tanEであれば、傾斜はHeenanらの第6,015,214号特許の式に等しい式(3)から求められる。
傾斜=c o s−1 (1 / √(3 d e)[1+(√d+√e) √{ (d e-1) / ( d + e) } ] ) (3)
形成した三角形のキューブコーナーに関して、平面図において、三角形の3つの角度はキューブコーナーの頂点を中心とした角度の補角である。例えば、図17Cにおいて、Aの記号がついた角度とDの記号がついた角度を足して180°に等しくならなければならない。
出願人はキューブコーナーの傾斜について、5つの条件の定義を以下のとおり提示する。
キューブ軸: 立方体の角からの対角線、前記立方体とその角は、キューブコーナー素子の土台となる。
傾斜したキューブコーナー: シート面に垂直でない軸をもつキューブコーナー。傾斜は、キューブ軸とシート面の法線の間の角度として測定する。注:傾斜がある場合、シート面に垂直な平面図は、頂点ですべてが120°でない面角を示す。
より面縁に平行に傾斜: キューブ軸、2面の交線のうちの1つ、およびキューブコーナーの頂点からシート面までの法線が1平面上にあり、法線がキューブ軸と2面の交線の間になるようなキューブコーナーの傾斜。注:傾斜がempの場合、シート面に垂直な平面図は、頂点の面角のうち2つが等しく、頂点の第3の面角よりも小さくなる。
より面に平行に傾斜: キューブ軸、2面の交線のうちの1つ、およびキューブコーナーの頂点からシート面までの法線が1平面上になり、2面の交線がキューブ軸と法線の間になるようなキューブコーナーの傾斜。注:傾斜がfmpの場合、シート面に垂直な平面図は、頂点の面角のうち2つが等しく、頂点の第3の面角よりも大きくなる。
複合傾斜:キューブ軸、2面の交線のうちの1つ、およびキューブコーナーの頂点からシート面までの法線が1平面上にならないようなキューブコーナーの傾斜。注:複合傾斜の場合、シート面に垂直な平面図は、頂点の面角のうちどの2つも等しくならない。
等しい深さに切削した平行で対称のV字溝の3組により画成されるキューブコーナーの配列は、三角形のキューブコーナーである。これらキューブコーナーに関して、三角形の形状が傾斜を決め、傾斜が三角形の形状を決める。傾斜はキューブコーナーの頂点を中心とした平面図の角度によって示される。出願人は、傾斜と有効面積に関して以下の観察を行った。傾斜はプリズム材料の屈折率とともに、各入射角β、方向角ωに対する有効面積を決める。図18Aに傾斜のない三角形のキューブコーナーを、図18BからDにそれぞれ傾斜が9.74°の異なる3つの三角形のキューブコーナーを示す。
入射角β=0°の有効面積を示すが、その角度では屈折率は影響しない。9.74°傾斜したキューブコーナーはβ=0°で50%から53.6%の有効面積を持ち、これに対して傾斜のないキューブコーナーは66.7%である。図18AからDの三角形は、等しい面積で描かれている。分数又はパーセントで表している場合、「有効面積」とは、再帰反射に寄与できるキューブコーナーの面積をキューブコーナーの占める面積で割った値を意味する。
幾何学構成又は光線追跡のいずれかにより、任意の入射角βと方向角ωの有効面積を求めることができる。図19AからFに、屈折率1.586で、いくつかの三角形のキューブコーナーの有効面積が−90°、0°、90°、180°の4つの異なる方向角ωに対して入射角βとともにどのように変化するかを出願人が観察した結果を図示する。図19Aは傾斜が0°、図19Bは傾斜が9.74°fmp、図19Cは50°−60°−70°の三角形で複合傾斜9.74°、図19Dおよび19Eは9.74°empの場合である。図19AからEはそれぞれ、1つのキューブコーナーに関するものである。シート前面の面積はキューブコーナー全体に対応する。分数やパーセントによる有効面積の計算は、照射方向で投影したこの面積に基づき、つまり入射角βのコサインを乗じる。
図20A、20B、および20Cはそれぞれ図19B、19C、および19D&Eの傾斜したキューブコーナーのチャンドラーグラフと平面図である。図20Bの三角形のキューブコーナーは鏡映面をもたないため、0°又は90°の方向角ωを定義する方法は明らかでない。キューブコーナーを、そのチャンドラーグラフの最も厚い腕が90°の方向角ωの中心になるように回転した。入射角はほぼ180°の方向角ωで大きいが、ほぼ0°のωでは大きくない。−90°のωに対応する対のキューブコーナーは、180°のωにも対応する。このような非対称を利用するのは、当該キューブコーナーの入射角特性を改善するための技である。
傾斜のないキューブコーナーに関する図19Aの曲線はすべて、入射角βが増えるとともに有効面積が減少することを示す。傾斜したキューブコーナーに関する図19BからFはそれぞれ、βが増えるとともに有効面積が当初増加することを示す少なくとも1つの曲線をもつ。9.74°fmpのキューブコーナーは方向角ω=90°のときそうなる(図19B)。50°−60°−70°のキューブコーナーは、ω=0°および90°のときそうなる(図19C)。9.74°empのキューブコーナーはω=−90°のときそうなる(図19D)。
チャンドラーグラフは、キューブコーナー各面合成の反射度が高い入射角βと広い方向角ωの値を示す。再帰反射が高くなるには、これは必要条件であっても十分条件ではない。もう1つの要因は有効面積である。図19AからEと対応する図20AからCを比較すると、設計法がすぐに分かる。特に、図19Dおよび19Eを図20Cと比較すると、9.74°empのキューブコーナーの問題が明らかになる。チャンドラーグラフはω=−90°に関してβをわずか42.8°に制限している。このように、図19Dに示される最も高い有効面積は破棄されている。図19Dが低い有効面積曲線を示すω=+90°に関して、チャンドラーグラフは制限の無いβを示す。ωが−45°と−135°の場合もチャンドラーグラフは制限の無いβを示す(225°と示される)。図19Eはこれら2つのωで低い有効面積曲線を示す。図19Eはωが+45°と+135°で高い有効面積曲線を示すが、図20Cでは、その方向で全反射はβ=19.7°に制限される。9.74°empのキューブコーナーは、この2つの要因が不整合をきたすために傾斜したキューブコーナーの中で最悪である。
9.74°fmp傾斜した三角形のキューブコーナーはよりうまくいく。図19Bの有効面積の高い曲線は方向角ω=+90°のものであるが、そのωについて、図20Aによるとキューブはどの入射角でも全反射を維持する。図19Bにおいて有効面積が中位の曲線はω=0°および180°のものであり、図20Aで中位の全反射の維持を示す。図19Bにおいて有効面積の最も小さい曲線はω=−90°のものであるが、その角度で図20Aによると全反射は大きく削られている。ω=−90°は対をなすキューブコーナーでカバーされる。Hoopmanの第4,588,258号特許は、−90°、0°、90°、180°4つすべてのωで幅広い範囲の入射角βをもつfmp傾斜した三角形のキューブコーナーの対を開示している。出願人は、これは2つの幾何学的な要因が有利に整合することによると気づいた。
出願人は、2つの幾何学的な要因は、図19Cおよび20Bの50°−60°−70°のキューブコーナーで例示される複合傾斜した三角キューブコーナーで最も調和のとれた相互作用が生じることに気づいた。図19Bおよび20Aのfmp傾斜したキューブコーナーに関して、図19Cの最も高い曲線は方向角ω=+90°のものであり、図20Bによるとそのωでキューブコーナーはどの入射角でも全反射を維持する。またfmp傾斜したキューブの例に対応して、図19Cの最も低い曲線はω=−90°のものであり、図20Bによるとその角度で全反射は大きく削られる。複合傾斜したキューブコーナーはfmp傾斜のキューブコーナーとは異なり、図19Cがω=0°とω=180°でそれぞれ低い曲線と高い曲線で別の曲線になっているのに対し、図19Bは1本の中位の曲線である。図20Bは、方向角ω=0°の方向に関して入射角β=34.9°で全反射が削られるのに対し、ω=180°に関しては全反射はβ=72.9°に維持されることを示す。図19Cと20Bはきれいに共同する。ω=−90°とω=0°の方向は対をなすキューブコーナーでカバーされる。Smithらの第5,822,121号特許および第5,926,314号特許は、−90°、0°、90°、180°の4つすべてのωで幅広い範囲の入射角をもつ不等辺三角形のキューブコーナーの対を開示している。
再帰反射性のシートは曲げられるように薄くしなければならないため、キューブコーナーは小さく、約150μmから750μmの深さでなければならない。このサイズのキューブコーナーは道路に適切な性能と角度幅で光を回折させる。このためシートとキューブコーナーの光学設計の回折解析が必要である。作用面積が小さいということは回折パターンが大きいことを意味する。一般的に、対のキューブコーナーの一方を大きな作用面積を維持して、もう一方を作用させない設計の方が、対のキューブコーナーの両方ともを中位の作用面積を維持させて合計で前者の設計と同程度にするよりも好ましい。このことや既知の他の理由のために、複合傾斜した三角形のキューブコーナーは、fmp傾斜やemp傾斜の種類のものより有利である。
図18AからDと図19AからEにより、入射角β=0°で傾斜した例の有効面積が、β=0°の傾斜のないキューブコーナーの有効面積の四分の三から五分の四の間であることが分かる。道路標識の大半は必ずβが略0°であるため、これは傾斜した例の重大な欠陥である。略0°のβでの欠陥は、傾斜を大幅に減じて、つまり傾斜のないキューブコーナーに近づけることによって緩和できる。それゆえSzczechの第5,138,488号特許は4.3°fmp傾斜したキューブコーナーの性能を開示している。ただし、対にして、屈折率が1.586などの中程度で4.3°の傾斜は、傾斜が少なすぎて、−90°、0°、90°、180°の4つすべての方向角ωで大きな入射角を実現できない。
図21はHeenanらの第6,015,214号特許の図31と同一である。規則的に配列しない三角形のキューブコーナーから構成する2つのツールを示す。このツールは、完全なツールとなるために、124の記号をつけたもののように面で接合しながら、何度も繰り返すであろう。製造されるシートの前面は図21で垂直に示す線に直交する。図21の三角形の底辺が等辺で、角度xが9.74°に等しいとすると、キューブコーナーは9.74°fmpと9.74°empに交互に傾斜される。ただし、図18Bおよび18Dの対応する傾斜をもって規則的に形成した三角形のようには見えない。図22はfmp傾斜とemp傾斜とが交互になるキューブコーナーのシートに垂直な平面図を示すが、これは図21のツールから得られるであろう。各キューブコーナーは入射角β=0°で62.7%の有効面積をもつ。これは図18Bの規則的に形成した9.74°fmp傾斜のキューブコーナーの50.0%、また図18Dの9.74°emp傾斜のキューブコーナーの53.6%と比べて有利である。Heenanらの第6,015,214号特許は、図21の三角形のキューブコーナーの有効面積における次の利点を開示もしくは示唆しなかった。最初の利点は、fmp傾斜の三角形の1面縁を三角形の残りの面縁よりも深さを浅くする幾何学的な結果として理解するべきである。2番目の利点は、emp傾斜の三角形の1面縁を三角形の残りの面縁よりも深くする幾何学的な結果として理解するべきである。深さは、図21のツールを下側に見たものと考える。
ミムラらの第6,083,607号特許および第6,318,866B1号特許は、emp傾斜の三角形のキューブコーナーにおいて、二等辺三角形の短辺に対応する鋭角の溝を他の2つの溝よりも深くなるように形成するようにすれば、一般的に有効面積が改善することを開示している。ミムラらの第6,390,629B1号特許は、fmp傾斜の三角形のキューブコーナーにおいて、二等辺三角形の長辺に対応する鈍角の溝を他の2つの溝より深くすると、一般的に有効面積が改善することを開示している。
六角形又は長方形のキューブコーナーは一般的に入射角β=0°で100%の有効面積をもつが、βが大きくなると急激に低下する。Heenanらの第6,015,214号特許は、βが小さいときの再帰反射性を犠牲にしながら、βが大きいときの再帰反射性を改善するために、六角形又は長方形のキューブコーナーの頂点を中心からずらす方法を開示している。頂点を中心からずらしてもチャンドラーグラフに影響しないが、様々なβおよびωでの有効面積には強く影響する。三角形のキューブコーナーはβが小さいと有効面積は比較的小さい。傾斜のない三角形のキューブコーナーはβ=0°の場合の有効面積はわずか66.7%である。さらに望ましく傾斜した三角キューブコーナーはβ=の0°のときさらに小さくなる。
本発明の目的は、最も望ましくは傾斜した三角形のキューブコーナーの有効面積を改善することである。これには、上記の考察から、より面に平行又はより面縁に平行に傾斜ではなく、これらを含む複合傾斜をもつ三角形のキューブコーナーであると明らかにしてきた。有効面積を改善するための技術は、すべて平面図で見たときに、キューブコーナーの頂点を三角形の重心に向かって移動するために溝を切削するとき、これら溝を3つの異なる深さに切削することに関わる。
本発明は、3組の平行なV字溝によって画成されるキューブコーナーの配列を含み、3組の溝の方向が3つの角度のうちどの2つも等しくしないようにする。さらに、その配列を平面図で垂直方向に見たときに、溝の底に沿った直線がキューブコーナーの三角形のパターンを決定し、それぞれのキューブコーナーの頂点と三角形の重心とを離す距離は、三角形の垂心と重心の間の距離よりも実質的に短い。キューブコーナーは透明な材料で作り、実質的に平らな第2面をもつ雄型マイクロキューブコーナーでもよく、そのため、第2面に侵入する光を再帰反射できる。本発明のキューブコーナーは金属被覆しないプリズムを意図している。
本発明のある実施例では、3組のV字形の溝の底は、3つの異なる平行な平面にある。本発明の別の実施例では、3組のV字形の溝は3つの平行な面にはなく、深さを基準面に関して、1組の溝が一般的に2組目の溝より深く、2組目の溝が一般的に3組目の溝よりも深い。ある実施例では、浅い組の溝の深さは中間の組の深さの90%以下であり、中間の組の深さは深い組の深さの90%以下である。
各実施例では、典型的なキューブコーナーは異なる挟角をもつ3つのV字形の溝により画成される。最も鈍角のV字形の溝は最も浅く、中間のV字形の溝は中間の深さで、最も鋭角のV字形の溝は最も深い。
これは、キューブコーナーが望ましい複合傾斜をもつように、溝の方向がどの角度も等しくならないようにすることと、幾何学的効率がより小さな入射角で傾斜のない三角形のキューブコーナーの効率にかなり近づくように、前述したように溝の深さを等しくしないためである。3つの溝の深さを変えると、すべて平面図で、溝の底の線により形成される三角形内のどこにでもキューブコーナー頂点を移動できる。
溝の深さが等しいと、その頂点は三角形の垂心になる。本発明は、三角形の垂心から重心までの線に沿って頂点を移動したときの幾何学的効率を詳細に検討する。幾何学的効率は、入射角0°の場合、その線上のほとんどで60%を容易に超える。過度に深いカットを入れずに、必要な方向角で、幅広い範囲の入射角の幾何学的効率は、この線上で1/4から3/4の間に移動するときに良好な値が得られる。好適な実施例は、頂点を垂心から重心までの中間に移動するものである。
基本的な発明のキューブコーナーの配列は、方向角ω=−90°、0°、90°、180°の4つの最も重要な方向で、非常に高い入射角特性を得ることができる。これら4つのω値を重視しながらも、対称性を改善するために、これらの配列は、サブ配列を集めながら同様なサブ配列を90°の回転又は鏡像によって変えて、「ピン止め」できる。
最後に、発明のキューブコーナーの形状を画成するために、3組の平行な等距離の対称的なV字形溝を使うことで、マスターツールを容易かつ正確に製造でき、形状及び構造全体が単純なために、プラスチック製の再帰反射性シートを効率よく、低コストで製造できる。
本発明を説明するには、2つの幾何学的な定理が必要である。
定理1(図23)。1平面上の任意の3点A、B、Cに関して、AO、BO、COが互いに直交するような点Oが平面の上方に1つだけある。さらに、Oから平面までの垂線は、三角形ACBの垂心、つまり三角形ABCの3つの高さが交わる点Hを通る。
定理2(図24)。1平面で、ABCが三角形で、A’B’C’が平面上のある点を中心に180°回転させた合同な三角形である場合、2つの三角形の交わりの最大面積は1つの三角形の面積の2/3であり、これは三角形ABCの重心を中心に、つまり三角形ABCの3本の中線が会合する点Gを中心に回転したときにのみに起こる。三角形A’B’C’の重心もじ点にある。
定理1から、三角形のキューブコーナーを三角形の平面に対して垂直方向から見ると、必ずキューブコーナーの3つの2面の交線は、三角形の3本の高さの交点とキューブコーナーの頂点が三角形の垂心上にあることを意味する。設定した三角形のキューブコーナーに関して、この概念は光線の入射角β=0°に対応する。
定理2から、設定した三角形のキューブコーナーが入射角β=0°について大きな有効面積をもつためには、その三角形の平面に垂直に見たときに、そのキューブコーナーの頂点が三角形の重心にならなければならないことを意味する。
不等辺三角形の場合、垂心は重心とは異なる。図25に、複合傾斜したキューブコーナーに対応する三角形について、垂心Hが重心Gからきわめて離れていることを示す。このように、定理2によると、キューブコーナーの頂点は、定理1を満たさない場所に位置することになる。
本発明のキューブコーナーの配列は規則的である。つまり、基準面と呼ばれる共通の面に平行な経路に沿って成形ツールの繰り返し直線運動させることによって得ることができる。特に、成形ツールは、本発明のキューブコーナーの配列を画成する対称的なV字形の溝を切削する。
図25の平面図に対応する図26Aの点ABCHは、頂点Hをもつ中実のキューブコーナーを図示する。図25の点Gは、新たな頂点の位置の候補として図26Aにも現れる。図26Aは、キューブコーナーの3面がその元の3つの平面に平行なままで、キューブコーナー頂点がどのように移動できるかを概略的に図示する。新たな頂点Hで2面の交線の会合点は、元の頂点Gの2面の交線の会合点と同一に見える。複合傾斜は残されたままである。三角形ABCの角度A、B、Cはそれぞれ76.9°、43.9°、59.2°である。面HBCを形成する約103.8°のV字形の溝カッターは、深さを浅く切削することによって、概GKLのような面を形成できる。面HCAを形成する約43.7°のV字形の溝カッターは、深さをより深く切削して、概GLCAJのような面を形成できる。面HABを形成する約58.9°のカッターは、中間の深さに切削することによって概GJBKのような面を形成できる。
図26Bは、図26Aが当該3レベルの切削で概略どの程度実現されるかを図示する。図26Bの長さCBを1、頂点Gを深さ0と考えると、最も深く最も鋭角のV字形の溝の深さは0.809であり、OLに沿って示される最も浅く最も鈍角のV字形の溝の深さは0.181であり、JMに沿って示される中間のV字形の溝の深さは0.464である。最も深く最も鋭角な溝が、図26Aのように5側面GLCAJを形成するのは明らかである。最も浅く最も鈍角のV字形の溝は図26Aのように三辺の面GKLを形成するのではなく、むしろ四辺の面GNOLを形成する。中間の深さで中間の幅のV字形の溝は図26Aのように四辺の面GJBKを形成するのではなく、むしろ四辺の面GJMNを形成する。さらに、明らかな四辺の切子面MNOBがある。この切子面は当該キューブコーナーに属するものではない。これは、別の溝を作るときに、つまり点Bで面GLCAJを形成する最も鋭角で最も深いV字形の溝カッターの相対する半分によって形成される。
図26Bの頂点Gをもつキューブコーナーに関し、キューブコーナーの各面のそれぞれは、2つの二面縁と一又は複数の非二面縁をもつ。キューブコーナー各面の最も長い面縁は、その面を画成するV字形の溝の底に沿った非二面縁であることが分かる。キューブコーナーの「最も長い面縁」とは、各面のそれぞれの最も長い縁のことである。
図27は、図26Bのキューブコーナーを規則的に配列させて示すことによって、三角形として見える不自然さを取り除いている。三角形の頂点A、B、Cは平面図において識別される点ではない。三角形ABCは、頂点Gをもつキューブコーナーに関連して整列配置されるが、頂点の角度LGJをもつ面は三角形ABCを超えて広がり、三角形の面積MNOBは頂点Gをもつキューブコーナーによる再帰反射に参加できずに、頂点G’をもつ隣のキューブによりある入射角βと方向角ωでの入射光の再帰反射に弱く参加する。本発明のキューブコーナーは厳密な意味での三角形ではなく、「準三角形」と呼ばれる。
発明のキューブコーナーはミムラらの第6,083,607号特許、第6,318,866号特許、および第6,390,629 B1号特許のものとは、emp又はfmp傾斜ではなく複合傾斜をもつ点で異なる。そのため、発明のキューブコーナーの面はどの2面も合同ではなく、画成する溝の深さは2つとして一致しない。
図26Bおよび図27のキューブコーナーの設計は非常に大きな17.6°の複合傾斜をもち、3レベル切削によって、本発明の頂点の移動の概念を図示するために主に描かれている。図28は、頂点の移動方法を図13A、14、18Cおよび20Bに図示する、より実用的な9.74°傾斜のキューブコーナーに同様に当てはめた場合を図示する。溝切りの方向は互いに50°、60°、70°で、溝切りの深さはキューブコーナーの頂点を移動するように選んだ。図28はキューブコーナーの配列を図示しているが、50°−60°−70°の三角形を重ねており、その中線からキューブコーナーの頂点が三角形ABCの重心に移動したことを示している。
図28には、キューブコーナーの軸のそれぞれの方向も示している。相対する隣接キューブコーナーは、1つのV字形の溝に反対側を向ける。各キューブコーナーの軸は、それに隣接する3つの相対する隣接キューブコーナーの軸とねじれの位置にある。
図29は同じキューブコーナーの配列の一部の斜視図である。図29の各キューブコーナーでは、左側に最も深い溝が見られ、右側に中間の溝、真ん中に最も浅い溝が見られる。図28は、すべての平面図と同様、キューブコーナー内部の図であるため、図29に図示する立体の平らな下側から見た図である。
適切な3レベル切削によって、頂点は三角形のいずれの場所にも移動できる。本発明では、移動は重心に向けているが、必ずしも重心に向ける必要はない。図25など、所望の複合傾斜をもつキューブコーナーの平面図において、垂線Hと重心Gをつなぐ直線を引くことができる。頂点をHからGの線に沿って移動する設計のファミリーは、比で表される移動パラメータρで表す。ρ=0は頂点を移動しない先行技術の設計を表す。ρ=1は、頂点が三角形の重心に移動した設計を表す。好適な複合傾斜には、ρ=0.25からρ=0.75の範囲の移動が好ましいことが分かっている。また、頂点を線HGからずれて点Qに移動すると、線HG上にありQに近い点に移動するより実用的な利点も不利な点もないことが分かっている。
図30Aは、50°−60°−70°の三角形に基づくρ=0.75の準三角形のキューブコーナーを示す。空間的には、3つの異なるレベルにある溝の底g、g、gは、たとえ延長した場合でも交差しない。しかし、図30Aの平面図では、延長した底g、g、gは、同じ深さであった場合に形成されるのと同じ50°−60°−70°の三角形を形成する。点Hはこの三角形の垂心で、点Gは重心である。平面図では、キューブコーナーの頂点Xは、HからGまでの線の75%のところに移動したように見える。ρ=HX/HG=0.75である。
図30Aのキューブコーナーのプリズムのチャンドラーグラフを、プリズムがアクリル製である場合に適切に回転して図13Bに示し、又はプリズムがポリカーボネート製の場合は適切に回転して図20Bに示す。図30Aでは、三角形の最も長い辺が垂直線より左回りに40°のところにあるが、図13Aでは垂直線で、図20Bでは垂直線より左回りに10°のところにあるため回転する必要がある。チャンドラーグラフは頂点の移動とは独立している。
有効面積は頂点の移動に依存する。図31A〜Eには、ポリカーボネート製の50°−60°−70°の三角形と準三角形のキューブコーナーのプリズムの幾何学的効率が頂点の移動パラメータρにどのように依存するかを示す。2つのプリズムの向きが180°離れて規則配列した場合などの幾何学的効率を計算する。三角形は図20Bに示すような向きであるか、又は180°回転する。三角形はすべて、その最も長い辺が垂直線より左回りに10°ずれている。図31A〜Eのそれぞれにおいて、半径方向は0°から60°の入射角βを表し、一方、円周方向は方向角ωを表す。このため、図31A〜Eは、入射角の制限を除き、チャンドラーグラフと同じフォーマットをもつ。
幾何学的効率は、有効面積と各反射面の反射率の積である。反射率はチャンドラーグラフよりも多少参考になる。それはチャンドラーグラフは反射率が100%のときしか図示しないためである。幾何学的効率は表面でのフレネル反射を組み込む光線追跡法により便利に求められる。また、図2Aにより有効面積とフレネル式を3つすべての内部反射度を適用して反射率を別々に計算して求めることもできる。後者の計算は、入射光線がキューブコーナーの任意の面に作る入射角を、最初、2番目、又は3番目に会合したかどうかに関わらず、入ってくる光線に平行で最初にその面に会合する光線がその面に作る入射角と等しいことが分かれば簡単になる。幾何学的効率を求めるにあたって偏光は無視する。
5つの図31A、31B、31C、31D、31Eは、それぞれρ=0、0.25、0.5、0.75、1の場合である。最初の3つの図は、幾何学的効率が先行技術のρ=0からρ=0.25、さらにρ=0.5まで段階的な改善を示す。次の図は、ρ=0.75でさらにわずかな改善を示唆する。最後の図はρ=1で低下することを示す。つまり、ρ=1は小さな入射角βではρ=0.75よりもほとんど改善しないが、大きな入射角βでは大幅に悪くなる。
図31A〜Eは、−90°、0°、90°、180°の4つすべての方向角ωで良好な入射角を達成するために、プリズム素子の回転の重要性を図示する。これらの例で使用する左回りに10°の回転は、ω=±90°のための非常に大きな入射角での幾何学的効率は、ω=0°と180°のときに多少入射角が小さくなる効率を犠牲にして得られる妥協を表す。約20°の左回りと約20°の右回りの間の他の回転では、他の妥協の影響を選ぶことになるかもしれない。
図32A〜Bは、定量的な比較のために、図31A〜Eのデータの一部を示す。図32Aは、方向角ωが−90°又は+90°に対応する図31A〜Eの水平スライスでの幾何学的効率を示す。図32Bは、ωが0又は180°に対応する図31A〜Eの垂直スライスでの幾何学的効率を示す。先行技術のρ=0のキューブコーナーより大幅に改善されていることは明らかである。ρ=1よりρ=0.75が優れているのも明らかである。ρ=0.5は一般的にρ=0.25よりも優れている。ρ=0.75とρ=0.5は考慮した5つの頂点移動の中で最も効果的である。ρ=0.75とρ=0.5との選択は、それぞれ入射角が小さいか大きいかの相対的な重要性による。
本発明では、頂点の移動パラメータρの定義される範囲にわたって効果的であるため、またρが定義されるHG線から頂点までの距離が短いときは悪影響がないため、本発明では各溝セットの内部の溝の深さを一定に保たないような方法でも適用できる。例えば、各セットの溝の深さは、移動パラメータρ=0.75を出す深さとρ=0.5を出す深さとを交互にすることができよう。この例では、キューブコーナーの1/8がρ=0.75の場合で、1/8がρ=0.5の場合である。残りの3/4は、その頂点がHG線上にない6つの混合タイプからなる。図30Bはρ=0.75の点Xを含め図30AのHG線の拡大図を示す。図30Bの点Yはρ=0.5の点である。それより小さい6つの点は、各溝セットの深さを交互に配置した例のための他の頂点の位置を示す。
図31B〜Dおよび図32A〜Bに特徴付けられるキューブコーナーの設計は−90°、0°、90°、180°の4つすべての方向角ωで良好な入射角特性をもつが、その方向は同等ではない。キューブコーナーのプリズムとそれを180°回転した対を合わせてもそれを達成できない。4つすべての方向で等しい効果が必要なアプリケーションの場合、後に「タイリング」と呼ばれる旧来の「ピン止め」という技巧を採用できる。ピン止めの仕組みはMontalbanoの第4,460,449号特許に開示されており、1986年に初めて市場に出されたStimsoniteの「高性能グレード」プリズム型シートにピン止めが使われた。同一のキューブコーナーの配列を支える大きく厚いマスターを線を引いてさいの目に切って四角いピンにし、キューブコーナーの配列の回転と合わせて、それを新たな大きく厚いマスターに再組み立てした。その結果が、最終的に複数の回転をもつキューブコーナープリズムの配列であった。図33に、本発明の50°−60°−70°のρ=0.5のキューブコーナープリズムを利用した2ピンアセンブリを概略的に示す。図33の左のピンは最も鈍角の溝の方向を垂直線から左回りに10°にし、図31A〜Eで使用したのと同じ回転をもつ。図33の右のピンは90°右回りに、又は同様に左回りに回転した同じキューブコーナーをもつ。この10°と100°にピン止めしたアセンブリの幾何学的効率は、個々のピンの効率の平均である。図35に、ρ=0(先行技術)、0.25、0.5、0.75、および1のそれぞれについて、このピン止め構造の4つすべての主な方向角ωの方向の幾何学的効率を示す。図35は図32Aと32Bを平均したものに等しい。図35には、ここでも、ρ=0(先行技術)とρ=1の設計が最も幾何学的効率が劣ることを示す。ρ=0.25の設計はρ=0.5よりも多少劣る。ρ=0.5とρ=0.75のどちらを選ぶかはアプリケーションによる。図36Aには、このピン止め構造におけるρ=0.5の設計の幾何学的効率を示す。図36Aは、ピン止めなく同じプリズムを使用した図31Cとの比較である。図36Aは90°の回転対称であるが、やはり左右の対称性はない。図34には、図33に概略的に示した50°−60°−70°のキューブコーナーピンの鏡像である70°−60°−50°のキューブコーナーとともに2つのピンを概略的に示す。図34の構造の幾何学的効率は、図36Aの鏡像となる。図33および34の4つのピンすべてを1つのシート構造に組み立てると、図36Bに示す幾何学的効率になり、90°の回転対称性も左右対称性ももつ。図35のグラフは4ピン構造に当てはまる。
ピン止めアセンブリは、対称性を達成するが欠点もある。端を切った正確なピンは製造しにくく、組み立てにくい。キューブコーナーが削られるか又はゆがめられるため、ピンの先端での再帰反射性はどうしても失われる。このため、図35、36A〜Bの効率を0.95倍に減じることが現実的である。
以下の表には、ρ=0.25、0.5、0.75および1のときの50°−60°−70°のキューブコーナーの成形寸法をまとめ、対照として先行技術のρ=0も含めている。ρが大きくなるにつれて構造の深さが大きくなるため、ρが小さい方が製造上の利点がある。
Figure 2006510951
最も鈍角の2つの溝gとgが、三角形の最も小さな角度の50°で会合する。最も鋭角の2つの溝gとgが、三角形の最も大きな角度の70°で会合する。
ポリカーボネート製の50°−60°−70°のキューブコーナープリズムはすべて、方向角ω=±90°についてほぼ入射角β=11°で幾何学的効率が突然下がる。これは、図20Bのチャンドラーグラフに示すように、キューブコーナーの半分で全反射が失われるためである。多少大きな9.74°の複合傾斜は信頼できる。すべてのキューブコーナーがすべての方向角ωで少なくとも入射角β=15°まで機能する設計は、道路標識の用途に好ましい。複合傾斜が6.70°の53°−60°−67°のキューブコーナーの設計を、本発明のこの好適な実施例で使用する。表2に、ρ=0.25、0.5、0.75および1のときの53°−60°−67°のキューブコーナーの規定寸法をまとめ、対照として先行技術のρ=0も含めている。
Figure 2006510951
この実施例では、キューブコーナーの頂点はρ=0.5の分だけ移動している。プリズムの材料はn=1.586のポリカーボネートである。キューブコーナーの配列は、キューブコーナーの最も鈍角で最も浅い表2のgで示される溝に対応する三角形の最も長い辺が、垂直線から左回りに10°になるように回転する。
図37は、好適な本実施例の1つの準三角形のキューブコーナーを示す。図38は、当該キューブコーナーの配列の一部を示す。図39は、対の当該キューブコーナーのチャンドラーグラフを示す。
図39のキューブコーナーのチャンドラーグラフのどの腕も、約140.0°、119.1°、100.9°の相互角をなす。これらの角度を求めるにあたり、入射角β=50°のときの腕の中心点をとる。製造された物体では、キューブコーナーは、小さいほうの2つの角度を成す腕が長いシートとほぼ並ぶように回転する。このため、他の腕の一方が垂直方向から約10°離れるとともに、3番目の腕は垂直方向から約30°離れる。
図39のチャンドラーグラフは±90°の方向角で制限のない入射角を示し、0°と180°の方向で約57°に制限される入射角を示す。控えめにいうと、後者の方向で有用な入射角は45°から50°間に制限される。
ほとんどの道路標識のアプリケーションは、方向角ωに制限がない場合に、0°から15°の範囲の入射角βを伴う。うまく機能する道路標識シートは、すべてのキューブコーナーをこの範囲内で機能させる必要がある。チャンドラーグラフの図39は15°の完全な円内で全反射を示す。この全反射は、屈折率が少なくとも1.580であれば、53°−60°−67°のキューブコーナーで維持する。
前述の角度で、等しい深さの溝に切削されたρ=0の先行技術は三角形のキューブコーナーの配列から構成され、垂直な入射で幾何学的効率は59.3%である。この59.3%の値を等辺の傾斜のないキューブコーナーの66.7%の幾何学的効率とを比較するべきである。このρ=0.5の好適な実施例では、頂点は重心までの途中へ移動する。移動は、すべての溝の角度、方向、および間隔を変えずに、溝の深さをきわめて不均一にして行う。表2から、最も浅い溝は対応する先行技術の溝の深さの88%であり、中間の溝は先行技術の深さの102%であり、最も深い溝は先行技術の深さの118%である。
得られた3レベルの準三角形のキューブコーナーの配列は、垂直な入射角で64.8%の幾何学的効率となり、これは単一な深さの三角形のキューブコーナーの1.09倍である。入射角が大きくなると増分はいくらか減じるが、50°から55°になるまでそれと同等にはならない。
図40は、入射角βが0°から60°における方向角ωの全範囲にわたる好適な本実施例の幾何学的効率を示す。図41Aは図40の水平および垂直スライスからのデータをグラフ化した。図41Aから、入射角β=50°のとき、実施例は±90°の方向角ωの方向で幾何学的効率が24.8%であり、0°および180°のωの方向で16.5%である。
出願人は、屈折率n=1.586の材料の三角形又は準三角形から構成され、好適な本実施例の以下3つの特徴を組み合わせたキューブコーナーの配列をこれ以外には知らない。
1. すべてのキューブが全方向角ωで入射角β=15°のとき全反射をもつ
2. 入射角β=0°のとき幾何学的効率が64%以上
方向角ω=−90°、0°、90°、180°で入射角β=50°のとき幾何学的効率が16%以上
好適な本実施例は設計の妥協を含むことは理解されるであろう。例えば、10°の回転がなければ、図41Aの代わりに図41Bになるであろう。図41Aと41Bの比較から、10°の回転が0°と180°の方向角ωの方向で入射角β=50°の幾何学的効率を実質的に改善したが、0°と180°のωの方向でβ=35°の幾何学的効率は実質的に減じたことが分かる。本発明の利用者は、再帰反射体の設計には難しい妥協が伴うことが多く、多くの場合βとωの相反する性質が関わることを認めることになる。前述したように、4ピンの利用で効果のつりあいを取ることができる。図42Aは、4ピンのそれぞれに、10°回転した状態の代表的なキューブコーナーを示す。図42Bは4ピンそれぞれに、回転しない状態の代表的なキューブコーナーを示す。4つのピン止めされたアセンブリの場合、図41Aの2本の曲線は1本の平均化された曲線になり、また図41Bの2本の曲線は1本の平均化された曲線になる。図44は得られた2本の幾何学的効率の曲線を示す。ピン止めの後、2つの設計はよりほぼ同等になるが、一部β=35°対β=50°のトレードオフは残る。図44の幾何学的効率の曲線は、ピン止め損失のために見積もった0.95倍の劣化は考慮していないことに注意する。また、これら比較のデータでは、βは5°の間隔で、ωは10°の間隔で収集したことにも注意されたい。図43Aおよび43Bは、図42Aおよび42Bに図示するピンそれぞれに対応するチャンドラーグラフを示す。
本発明のキューブコーナーは、現在の技術水準で最善に形成されるマイクロキューブコーナーと思われる。本発明の各準三角形のキューブコーナーを画成する3つの溝の底は一般的に交差しないが、溝の底に沿った線が平面図で基準面に直交する方向に見たときに三角形を決定する。この三角形の面積は、マイクロキューブコーナーの場合約0.3mm未満である。典型的には、三角形の面積は約0.007mmから約0.07mmの範囲である。
実施例を記述するための2つの光学的な要因がまだ残されている。光学素子のサイズと素子の収差である。シートのキューブコーナープリズムはその回折特性が再帰反射性に大幅に影響するほど小さいため、サイズを規定しなければならない。幾何学的効率は、構造全体の面積に対する有効面積に依存する。回折の効率は、有効面の絶対面積と形状に依存する。素子のサイズと収差はシートの意図する用途に応じて選ぶべきである。本発明のキューブコーナーは道路標識と類似のシート用途のためのものである。主に長距離の再帰反射用の道路標識シートは、発散度がおそらくわずか0.5°に規定される密な再帰反射される光ビームを生じさせるために、三角形の面積が0.03mmよりも大きな比較的大きなプリズムをもち、収差が小さくなる。短距離の再帰反射用の道路標識シートは、おそらく発散度が2.0°に規定される再帰反射した光を幅の広いビームに広げるために、意図的な収差をもつべきである。さらに、三角形の面積が0.015mm未満にプリズムを割合小さくして、回折に拡散の一部を任すと便利で経済的である。こうするとビームの中心での意図的な低下がなくなるが、その方策から得るものはほとんどない。2.0°の発散ビームにおける再帰反射されるビーム強度の予想レベルは、同様な形態の0.5°の発散ビームでのレベルの1/4である。このように、短距離の道路標識シートの設計は、長距離の道路標識シートの設計よりはるかに難しい。本発明のキューブコーナーは幾何学的効率が高いために、短距離の道路標識シートに適するが、この好適な実施例は大半の道路標識のための中距離の道路標識シートである。
好適な本実施例は、頂点の移動が移動パラメータρ=0.5で、三角形の面積が0.015mmの準三角形の53°−60°−70°のキューブコーナーである。三角形の面積が0.015mmということは、表2の単位のない長さ寸法はすべて√0.015mm=0.1225mmを乗じて、表3の形成寸法を得なければならないことになる。
Figure 2006510951
本発明の利用者には、V字形の溝と溝の間隔について表3に記載されるものよりも正確な計算をしてもらうことになる。しかし、溝の深さは重要ではない。溝の深さの0.001mmの誤差は、移動パラメータρの小さな誤差になるか、又はHG線からの頂点の小さなずれになるが、どちらも許容できる。
製造中にキューブコーナーの収差を導入するための方法は、Appeldornの第4,775,219号特許から業界では周知である。2002年6月11日に出願された係属中の米国特許出願S.N.10/167,135号は、2001年6月11日に出願されたS.N.60/297,394号の利益を主張しているが、他の方法を開示している。しかし、2002年12月12日に出願された「局在する基板応力の方法により製造する発散度を制御した再帰反射体」と題する係属中の米国特許出願で開示されるツール製造工程中にキューブコーナーの収差を導入するための別の方法を、好適な本実施例では採用する。シートはPriconeらの第4,478,769号特許で開示される方法で製造されるツールを使って、表3に記載するキューブコーナーを2002年12月12日の出願で開示するものとスケールと分布が似た収差をもつように変更して含めて、Priconeらの第4,486,363号特許で開示される方法で無色透明なポリカーボネートにエンボス加工すると想定される。具体的には、平均二面角が1.0分で、標準偏差が7.3分である。
本出願時点では、シート用の再帰反射係数Rの計算値しかない。計算には、Edson R.Peck(「コーナーレフレクターとキャビティの偏光特性」、ジャーナル・オブ・オプティカル・ソサエティ・オブ・アメリカ、第52巻、3号、1962年3月)に従って、偏光と回折の影響を含めている。複数のキューブコーナーに関わる再帰反射は無視する。金属被覆しないシートの溶接部の非再帰反射面積にRの30%の減少を見込み、加工、材料、および製造の欠陥にさらに10%の減少を見込んでいる。
図45Aおよび45Bは、ASTM E 810−02「共面幾何学を利用した再帰反射性シートの再帰反射係数の標準試験方法」に従い測定した場合の好適な本実施例の再帰反射係数の計算値を示す。図45Aは入射角β=4°の場合、図45Bは入射角β=30°の場合である。
再帰反射係数Rは、1平方メートルのシートについて、照射ビームが与える垂直な照射に対する再帰反射光の光度を測定する。ASTMの試験方法は、この強度を、照射方向とシート面法線を含む平面における様々な広がり角αについて測定する。ASTM E 810−02の試験方法の角度εは方向角ωに等しい。再帰反射角についてはすべて、ASTM E 808−01「再帰反射性を記述するための標準実務」に説明されている。本出願の角度ωはASTM文書の「ω」のことである。
図45Aおよび45Bから導いた表4に、ASTM D 4956−02「交通整理のための再帰反射性シートに関する標準仕様書」で要求される16の角度試験点について、好適な本実施例のシートのRの計算値を記載する。
Figure 2006510951
当業者には、上記好適な本実施例が本発明の単なる例示であり、本発明の範囲および精神を逸脱することなく多くの変更や変形が可能であることは理解されるであろう。本発明に従って製造したシートから作った道路標識は夜間に車両のヘッドライトを効率よく再帰反射し、日中の太陽光や天空光下でも明るいと予想される。
図1は、入射角βと方向角ωを図示するために、その中心から投影する仮想の棒を有する道路標識の斜視図である。 図2Aは、入射する光の方向のキューブコーナーの図で、射出点Cが到着点Aからどのように求められるかを図示する。図2Bは、図2Aのキューブコーナーのうち、再帰反射に光学的に有効な面積を図示する。図2Cは、キューブコーナーの頂点を中心にキューブコーナーの三角形の断面を180°回転させたときに、三角形のキューブコーナーの有効面積がどのように求められるかを図示する。 図3は、先行技術の傾斜のないキューブコーナーの平面図であり、光の入射ビームが侵入できる様々なωの方向を図示する。 図4は、図3の先行技術のキューブコーナーのチャンドラーグラフである。 図5は、−90°から+90°を含む方向角ωの範囲で、大きな入射角で全反射を提供するために、先行技術において傾斜のないキューブコーナーをどのように「対」にするかを図示する。 図6は、アクリル製プリズムとして、図5の2つのキューブコーナーのチャンドラーグラフを重ね合わせて図示する。 図7は、材料の屈折率の関数として、傾斜のないプリズム型キューブコーナーのチャンドラーグラフがどのように変化するかを図示する。 図8は、先行技術の10°より面に平行に傾斜した対のキューブコーナーの平面図である。 図9は、アクリル製プリズムとして、図8に図示するキューブコーナーのチャンドラーグラフである。 図10は、アクリル製プリズムとして、図8に図示するものであるが、より面に平行な傾斜が11.3°である先行技術の対のキューブコーナーのチャンドラーグラフである。 図11は、先行技術の10°より面縁に平行な対のキューブコーナーの平面図である。 図12は、アクリル製プリズムとして、図11に図示するキューブコーナーのチャンドラーグラフである。 図13Aは、先行技術の三角形のキューブコーナーの平面図であり、太矢印が三角形の高さを示し、所定の入射角で、キューブコーナー面に最も小さい入射角をなす方向角を示す。図13Bは、図13Aのキューブコーナーのチャンドラーグラフであり、矢印は図13Aの矢印に対応する。 図14は、図13Aの先行技術の対のキューブコーナーの平面図であり、キューブコーナーの軸線間の傾斜関係を図示する。 図15は、図14に図示する対のキューブコーナーのチャンドラーグラフである。 図16は、屈折率n=1.63の材料の16°より面に平行なキューブコーナーのチャンドラーグラフである。 図17A〜17Fは、より面に平行から、複合を経由し、より面縁に平行まで11.3°の傾斜を変化させた場合と、これに対応するアクリル製キューブコーナーのチャンドラーグラフを図示する。 図18A〜18Dは、垂直入射で先行技術で規則的形成した三角形のキューブコーナーの有効面積が傾斜とともにどのように変わるかを図示する。 図19A〜19Eは、傾斜なしの場合、9.74°より面に平行な場合、50°−60°−70°の複合傾斜の場合、9.74°より面縁に平行に傾斜した場合、先行技術で規則的に形成した三角形のポリカーボネート製キューブコーナーについて、有効面積が選択した方向角ωで入射角βの関数としてどのように変わるかを図示する。 図20A、20B、および20Cは、それぞれ図19B、19C、および19D&Eの9.74°傾斜したキューブコーナーのチャンドラーグラフである。 図21は、規則的に形成しない三角形のキューブコーナーを構成する先行技術の雄ツールの斜視図である。 図22は、図21の2つのキューブコーナーの有効面積を図示する。 図23は、明細書に記載の定理1を図示する。 図24は、明細書に記載の定理2を図示する。 図25は、不等辺三角形について、垂心が重心からどれほど違うかを図示する。 図26Aおよび26Bは、不等辺三角形で画成されるキューブコーナーの頂点が、3レベルの切削どのように有利に移動するかを図示する。 図27は、図26Bを含め、本発明の3レベルで切削したキューブコーナーの配列の平面図である。 図28は、本発明の3レベルで切削したキューブコーナーと、50°−60°−70°の三角形とをその重心を重ね合わせた平面図である。 図29は、図28のキューブコーナー配列の一部の斜視図である。 図30Aは、移動パラメータρ=0.75の本発明の準三角形のキューブコーナーを図示する。図30Bは、溝の深さがρ=0.5とρ=0.75で交互に変わるように規則的切削したときの8個の頂点の位置を図示する。 図31A〜31Eは、本発明のキューブコーナーの配列方式に関して、入射角βが0°から60°の範囲ですべての方向角ωの幾何学的効率の極座標グラフであり、移動パラメータがρ=0からρ=0.75まででの改善を図示する。 図32Aおよび32Bは、図31A〜31Eから導いたグラフであり、図32Aは−90°と+90°の2つの方向角ωの場合の幾何学的効率の詳細図であり、図32Bは0°と100°の2つのωの場合の幾何学的効率の詳細図である。 図33は、本発明の50°−60°−70°で移動パラメータρ=0.5のキューブコーナーを用いた2つのピンアセンブリを概略的に示す。 図34は、図33に図示するキューブコーナーの鏡像を用いた2つのピンアセンブリを概略的に示す。 図35は、移動パラメータρ=0から1の範囲について、図33および34のものと同様な本発明のピン止めしたキューブコーナーを設計したときの、ポリカーボネート製プリズムとしての幾何学的効率をグラフ化したものである。 図36Aは、図33又は34の2ピン構造の、ポリカーボネート製プリズムとしての幾何学的効率を図示した極図である。図36Bは、図33と34を組み合わせた4ピン構造の、ポリカーボネート製プリズムとしての幾何学的効率を図示した極図である。 図37は、好適な実施例の準三角形のキューブコーナー1つの平面図である。 図38は、図37のキューブコーナーを規則的に配列したときの平面図である。 図39は、図38に図示したキューブコーナーの2回転のチャンドラーグラフである。 図40は、好適な実施例に関して、入射角βが0°から60°の範囲ですべての方向角ωに関する幾何学的効率の極座標図である。 図41Aおよび41Bは、好適な実施例の幾何学的効率を図示したグラフであり、それぞれ溝gが物体に垂直な状態と、溝gが10°回転している状態である。 図42Aおよび42Bは、好適な実施例の4ピンアセンブリを概略的に示し、前者は溝gが垂直又は水平に10°ずれており、後者は溝gが垂直又は水平な状態である。 図43Aおよび43Bは、図42Aおよび42Bのピンに対応するチャンドラーグラフを図示する。 図44は、図42Aおよび42Bに概略したピンアセンブリの幾何学的効率を図示するグラフである。 図45Aおよび45Bは、好適な実施例の再帰反射係数の計算値を図示するグラフである。

Claims (27)

  1. キューブコーナーの規則的配列方式において、各キューブコーナーが互いにねじれの位置関係にある長い面縁を有するキューブコーナーの規則的配列方式。
  2. 前記キューブコーナーが複合傾斜を有する請求項1に記載のキューブコーナーの規則的配列方式。
  3. 前記キューブコーナーが雄型であり、実質的に平らな第2面を有する透明な材料で形成され、前記キューブコーナーが第2面に入射する光を再帰反射する請求項2に記載のキューブコーナーの規則的配列方式。
  4. 各前記キューブコーナーの軸がそれに相対する3つの隣接するキューブコーナーの軸に斜めである請求項1に記載のキューブコーナーの規則的配列方式。
  5. 各2つの合同な形をしたマイクロキューブコーナーからなることを特徴とする請求項4に記載のキューブコーナーの規則的配列方式。
  6. S1、S2、S3の3組の対称的なV字形の溝により画成されるマイクロキューブコーナー素子の配列方式であって、各組の溝が平行で等距離になるように、またS1の溝の底が一般的にS2の溝の底よりも基準面から遠く、S2の溝の底が一般的にS3の溝の底よりも基準面から遠くなるような基準面をもつように形成されたマイクロキューブコーナー素子の配列方式。
  7. 前記3組のV字形の溝の底と一直線上にない2対の直線が、前記マイクロキューブコーナー素子の配列方式を平面図で見たときに同じ角度をなす請求項6に記載のマイクロキューブコーナー素子の配列方式。
  8. 頂点が1平面上にあり、長い面縁が3平面上にあるマイクロキューブコーナーの配列方式。
  9. 前述の4面が平行で、頂点を含む平面からある組の長い面縁を含む平面までの距離が第2の組の長い面縁を含む平面までの90%以下で、頂点を含む平面から第2の組の長い面縁を含む平面までの距離が第3の組の長い面縁を含む平面までの90%以下である請求項8に記載のマイクロキューブコーナーの配列方式。
  10. 3組の平行なV字形の溝によって画成され、前記3組の溝の方向がどの2つも等しくならない3つの角度をなすキューブコーナーの配列方式であって、前記配列に垂直な方向の平面図で見たときに、前記溝の底に沿った直線は、前記キューブコーナーの頂点がそれぞれ前記直線によって描かれる三角形の重心から、前記三角形の垂心と重心の間の距離よりも実質的に短い距離にある三角形のパターンを決めるキューブコーナーの配列方式。
  11. 前記キューブコーナーがマイクロキューブコーナーである請求項10に記載のキューブコーナーの配列方式。
  12. 三角形の面積が0.1mm以下であり、再帰反射性の請求項11に記載のキューブコーナーの配列方式を形成するためのツール。
  13. 三角形の面積が0.1mm以下の請求項11に記載のキューブコーナーからなる再帰反射性シート製品。
  14. 前記キューブコーナーが雄型であり、実質的に平らな第2面を有する透明な材料で作られ、前記キューブコーナーが第2面に侵入する光を再帰反射する請求項11に記載のキューブコーナーの配列方式。
  15. 前記キューブコーナーの頂点から三角形の重心までの距離が前記三角形の垂心から前記重心までの距離の75%以上にならない請求項14に記載の再帰反射性を有するキューブコーナーの配列方式。
  16. 前記キューブコーナーの各々が4°から16°の間で傾斜する請求項14に記載の再帰反射性を有するキューブコーナーの配列方式。
  17. 溝の組においては方向が互いに少なくとも5°角度が異なる請求項14に記載の再帰反射性を有するキューブコーナーの配列方式。
  18. 前記キューブコーナーの頂点から三角形の重心までの距離が前記三角形の垂心から前記重心までの距離の75%より大きくならない請求項17に記載の再帰反射性を有するキューブコーナーの配列方式。
  19. 前記キューブコーナーの素子が、一般的に、垂直な入射光について有効面積が少なくとも60%である請求項18に記載の再帰反射性を有するキューブコーナーの配列方式。
  20. 前記透明な材料の屈折率が1.40から1.80の間である請求項18に記載の再帰反射性を有するキューブコーナーの配列方式。
  21. 少なくともそのうちの2つが請求項18に記載するとおりで複数に区別できるサブ配列からなる再帰反射性を有するキューブコーナーの配列方式。
  22. サブ配列の一部は、チャンドラーグラフが90°回転していることを除き、他のサブ配列のチャンドラーグラフと同一である請求項21に記載の再帰反射性を有するキューブコーナーの配列方式。
  23. サブ配列の一部は、チャンドラーグラフが鏡像であることを除き、他のサブ配列のチャンドラーグラフと同一である請求項21に記載の再帰反射性を有するキューブコーナーの配列方式。
  24. 前記透明な材料の屈折率が少なくとも1.58で、すべてのキューブコーナーの素子がすべての方向角ωについて15°までのすべての入射角βで3回全反射して再帰反射する請求項18に記載の再帰反射性を有するキューブコーナーの配列方式。
  25. 前記キューブコーナーの素子が垂直な入射光で有効面積が少なくとも64%である請求項24に記載の再帰反射性を有するキューブコーナーの配列方式。
  26. 方向角ωが90°づつ異なる4つの値で、入射角β=50°のとき、幾何学的効率が少なくとも16%である請求項25に記載の再帰反射性を有するキューブコーナーの配列方式。
  27. 請求項26に記載のキューブコーナーの配列方式からなり、前記4つの方向角ωのうちの2つをシートの網の方向と一直線に並べた再帰反射性シート製品。
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