JP2006509948A - 吸込ダクト - Google Patents

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Abstract

本発明は、遠心ポンプであって、そのケーシング内に、軸向き又は半軸向きのオープン又はクローズド形構造を有する1つ又は幾つかの羽根車が配置されている遠心ポンプに関するものである。第1の羽根車の上流側には吸込ダクトが装着されている。周囲に交差して分布すると共に流れ方向に延びる複数の溝が前記吸込ダクトの壁領域内に設けられている。クローズド形環状壁領域は、第1の羽根車の入口の部位と前記吸込ダクトのハウジング壁にある前記溝の近端部との間に組み入れられており、該溝は、前記吸込ダクト内のスペースにのみ接続していて、それと協働するようになっている。

Description

本発明は、遠心ポンプであって、そのケーシング内に、軸方向又は半軸方向のクローズド形もしくはオープン形構造の1つ以上の羽根車が配設されていると共に、第1の羽根車の前に吸込ダクトが配置されていて、その壁面には、周囲全体に分散された複数の溝が設けられている、遠心ポンプに関するものである。
特に高速ポンプの場合、設計体積流量の65〜80%の吐出範囲において、関連の有効吸込ヘッド(NPSH)プロフィールに、局所的に限定された著しい上昇がしばしば存在する。時々、ポンプの形式に応じて、関連のプロフィール、Q−H特性曲線プロフィールが特性曲線キンク(ねじれ、kink)或いはサドル(saddle)と一般に称される不安定性を付加的に有することがある。
かかる特性曲線の形態は、体積流量に減少があった場合に羽根車入口の外側領域に起こる部分負荷渦として知られている渦の形成によるものである。部分負荷渦は、羽根車進入流量に対する決定的に重要な影響を有しており、その影響を受けて、羽根車進入流量は、縦流れ断面積(meridional flow cross section)の遮断と羽根車回転方向の高速成分とに遭遇する(同方向渦)。
独国特許第2558840号明細書は部分負荷渦の欠点が発生するのを防止するための解決策を開示しており、ディフューザを羽根車入口の上流側に配置せしめている。この解決策により、部分負荷渦は、それが羽根車入口の上流側に配置された諸構成要素に達しそれらを破壊せしめる前に、その作用方向が反転される。
部分負荷渦に影響を及ぼすための他の対策は、欧州特許出願公開第1069315号明細書、特に先行技術の評価のところに記載されている。該対策“ケーシング処理、セパレータ又は能動制御”は、機械周囲上に追加のアセンブリを必要とするか(能動制御)、或いは機械の最適点であっても効率を低下させるか(ケーシング処理)、或いは構造的観点から経費の増大を必然的に伴っている(セパレータ)。この文献自体は、多数の溝の使用を提案しており、該溝は、それらの湾曲したJ形水路のため、引用文献“J溝による斜流ポンプの特性曲線不安定性の改良”(西暦2001年5月29日〜6月1日、ルイジアナ州ニューオーリンズ、FEDSM2001−18077、西暦2001年米国機械学会流体工学部門夏季総会の会報)によると、概略的にJ溝として設計されている。
該J溝は浅い溝であり、変形例において、これは三次元曲線になって延びると共に、羽根車入口においてオープン形設計を有する羽根車の羽根の上流及び上方で流れ方向にポンプケーシングに形成されている。溝の機能する能力のためには、該溝が羽根車の直径の外側部分とオーバーラップすることが重要である。羽根車のオーバーラップ領域において、羽根車は、オープン形羽根車の羽根の領域にある高圧を有する流体区域と、その上方に配設されたJ溝の先頭との間に接続を得るために、オープン形設計を有していなければならない。この構造的対策に基づいて、上流にある接近流区域への導液接続がJ溝を介して設けられている。主流れ方向に配設されたJ溝のため、オープン形羽根車の羽根は、既に運ばれた流体の部分流れを羽根車の上流側に持続的に運んで、羽根車接近流の区域に戻し入れる。これらのJ溝は、それらの戻し送りがターボ機械の全運転域を通じて絶えずアクティブであるという欠点を有している。これらを備えたターボ機械のピーク効率は、その結果、低下する。
更なる欠点は、羽根車の自由な羽根先端と、ケーシングに関して固定された向かい合うJ溝部分との間の相互作用であり、該相互作用が騒音及び振動現象の増大をもたらす。これらの減少は、前述した引用文献の第2頁に図3及びその付随説明に関連して記載されている。このため、自由な羽根先端の上方に配設されたJ溝のこれら端部は、連続な環状溝により互いに接続されている。ケーシングに付加的に形成されるべきこの環状溝を経由して、圧力の均等化が個々のJ溝間で後者の端面に関し行われる。また、一定直径の流入区域から湾曲式に延びて円錐形のケーシング壁面に入るかかる三次元湾曲のJ溝の配置は、製造上の観点から高い経費を必要とする。部分負荷渦に対するこの種の影響は相当な欠点を必然的に伴う。
本発明の基盤となっている課題は、軸向き又は半軸向きのオープン又はクローズド形構造を有する特に高速の遠心ポンプに関して、NPSH挙動を改善すると共に部分負荷挙動を改善する単純な可能性を実現することである。同時に、既に使用中の遠心ポンプを簡単な方法で次に改善を行なうできるという課題が、この場合に遠心ポンプの通常運転範囲における運転挙動に悪影響を及ぼすことなく、解決されねばならない。
この課題に対する解決策によると、複数の溝が吸込ダクトのケーシング壁に採用されていると共に、クローズド形環状壁面が第1の羽根車の羽根車入口と該溝の最近端との間に形成されており、該溝は吸込ダクトにもっぱら作動可能に接続されている。第1の羽根車は、吸込羽根車として設計されている。吸込ダクトのケーシング壁に形成されたクローズド形環状壁面は、接近流方向において羽根車入口の上流側に位置する該溝のこれらの端部と、第1の羽根車の羽根車入口との間に配置されている。このような吸込羽根車は比速度nq≧70min-1を有することができる。
この解決策によると、遠心ポンプの最適動作点は、不変のままであると共に、他の動作点と同様に、多少なりとも悪影響を受けない。しかしながら、大きな予旋回渦とも称される、部分負荷運転中に形成する部分負荷渦は、細長い凹部の助力を受けて減衰される。細長い溝は、部分負荷渦の壁近傍区域から溝内に形成する多数の小さな渦へのエネルギの摩擦伝達の効果を有している。部分負荷運転中にのみ起こるこのエネルギ伝達の結果として、生ずる部分負荷渦の周方向成分と、延いてはその強度とが激減され、その結果、遠心ポンプの部分負荷挙動が改善される。該溝は、それらのエネルギ散逸作用を羽根車から生ずる部分負荷渦のみと相俟って実行するので、羽根車接近流は、他の動作点について影響を受けないままである。通常の羽根車接近流に対する悪影響は起きず、その結果、効率プロフィールに対する悪影響をもたらさない。J溝の形の既知の解決策とは反対に、本発明においては、羽根車から溝を経由して運び戻される流れと羽根車へと流れる主な流れとの混合はない。
溝内への高エネルギ媒体の送込みを計画的に回避しているため、羽根車接近流の擾乱は、通常運転中、防止されている。形成する部分負荷渦の形の擾乱が羽根車により誘発されるときにのみ、溝と部分負荷渦との間の相互作用がある程度始まる。この相互作用は自己制御性をもたらす。この場合、部分負荷渦のエネルギは、多数の小さな溝渦の形成結果として、溝内で散逸し、そのため部分負荷渦の著しい減衰を生ぜしめる。この機能は、吸込ダクト中で羽根車の上流側に配置された溝端部が既に運ばれた流体の供給源からクローズド形環状壁面により確実に遮断されるときにのみ実現することができる。
本発明の実施形態において、溝は吸込ダクトのケーシング壁のウェブ状構成物間に配設されている。吸込ダクトの機械加工が可能ではないか、或いはかなりの困難を伴った場合にのみ機械加工が可能である諸適用例において、溝もしくはウェブを含む環状インサートをポンプの既存吸込ダクト内に押し込んでもよい。
このようなインサートは、溝の簡単な機械的製造を可能にすると共に、新たに製造すべき或いは既に提供されたポンプの吸込ダクト内に簡単に組み付けることができる。たった2〜3ミリであり、壁近傍の境界層にのみ形成される小さな溝深さの結果として、このように設計されたインサートは、プラントに既に提供されたか、組み付けられた遠心ポンプの場合、後からの段階であっても部分負荷挙動の改善を実現することができる。このため、インサートを受け入れる吸込ダクトのみは、溝付きインサートの対応直径サイズを受けることができるように、必要に応じて、内径を若干広げなければならない。このようなインサートを多種のポンプにおいて使用可能とするため、上手に直径を類別することにより、組立キットのタイプが適切に使用される。
本発明の一実施形態によると、クローズド形環状壁面は、部分負荷渦の強度に左右される軸方向長さを有している。軸方向表面の長さは、少なくとも、羽根車入口にある羽根車の羽根とそこの前に配設された溝端部との間に干渉が確実に阻止されるようになっている。従って、騒々しい騒音や振動の発生は可能な最も簡単な方法で防止される。他方、軸方向の環状表面の選択された長さは、ゆっくり形成しそれでも無害な部分負荷渦の程度に相当するほど大きくはない。形成された部分負荷渦がより大きな強度を獲得しているときにのみ、そのはく離ラインが、言及されるように、羽根車から離れてクローズド形環状壁面を跳び越えることが可能である。この結果、部分負荷渦は羽根車から完全に出てくる。この場合、それは接近流とは反対の方に指向されると共に、羽根車回転方向に機械軸線を中心として旋回する。凹部の接線方向溢流と該凹部における多数の小さな渦の発生の結果として、部分負荷渦に含まれるエネルギの大部分が消散し、部分負荷渦の作用は劇的に減衰される。
本発明の更なる実施形態によると、閉じた環状壁面は、部分負荷渦の強度に応じて、羽根車入口直径の0.005−0.02倍程度の軸方向長さを有している。また、溝もしくはウェブの長さは、羽根車入口直径の0.03−0.5倍程度である。この場合、溝の深さ又はウェブの高さは羽根車入口直径の0.005−0.02倍程度である。
また、本発明の別の実施形態によると、溝の幅bと溝の数nの積は、
n・b=0.45−0.65・π・D
の比に相当している。
本発明の例示的な実施形態は、図面に明らかにされており、以下により詳細に説明することにする。
図1は、軸向き又は半軸向き型構造の高速羽根車を備えた遠心ポンプの代表的なNPSH曲線を鎖線のグラフで一例として示している。吐出量Qの値は横軸にプロットされ、NPSHの値は縦軸にプロットされている。NPSHが動作点、即ち吐出の最適点において低い値を有することは明らかである。それに反して、部分負荷運転中、NPSHプロフィールは、NPSHピークとして知られている局所的上昇により確認され、これは、点線で示された所定最大許容NPSHAの場合、或いは関連のプラントでは、およそQminにおける動作範囲を制限する。この動作点以下での運転は許容されないが、その理由は、さもないと連続運転を認めないキャビテーション誘発状態がポンプ内に起こるからである。
このグラフにおける切れ目のない線は、同じ動作点を有してはいるが吸込ダクトに本発明に基づいて配列された溝が追加として形成されている遠心ポンプに対応する更なるNPSH曲線を示している。この方法で設計された遠心ポンプについて確定された曲線のプロフィールは、より十分に望ましいNPSH特性を納得のゆくように例示している。部分負荷運転に特有である局所的なNPSHの上昇が依然としてあるが、それは溝なしのポンプと比較して著しく低いレベルである。このようにして改善されたポンプは、実質的に広くなった動作範囲を有している。
図2は、軸流オープン形羽根車の例による遠心ポンプ1の最適点QOPTでの既存流れ状態を示している。羽根車2は、ケーシング3内で回転している。羽根車2の回転運動中、この羽根車と一緒に回転し弱い乱流の形をとる逆流区域Rがケーシング3と羽根車2の自由な羽根先端4との間に形成される。この逆流Rは、隣接する羽根ダクトの流れ区域間の均圧と、羽根5の吸込側及び吐出側間の均圧とにより生じせしめられる。羽根車2と一緒に回転するかかる逆流区域Rは、羽根幅Bに匹敵する領域をほぼ占めている。
この逆流区域Rは、ケーシングの壁体6に沿って、羽根車への接近流LAとは反対に延びる矢印で示された流れ方向を有している。逆流区域Rがその流れ方向を反転する部位のところに、はく離ラインSLとして知られているラインが描かれている。これは、言ってみれば、ケーシングの壁体6の周囲を走る境界ラインである。このラインSLの領域において、羽根車への接近流LAのエネルギは、逆流区域Rのエネルギよりも大きく、そのため後者の流れの逆転が生じる。半軸流又は軸流オープン形羽根車を有するポンプにおいて、かかる逆流区域Rは、全運転範囲にわたり存在しており、また、最適効率の部位の領域においてさえ存在している。
図3によると、異なる2つの形式のクローズド羽根車において同一の逆流区域がある。図3の上側図示では、半軸流ポンプ設計の場合における状況が示されているのに対し、下側図示では、軸流ポンプにおける状況が示されている。これらの羽根車において、カバーディスク7は、既知のように、羽根先端4を介する羽根車の羽根5の吸込側及び吐出側の間にエネルギ交換が起こるのを防止している。このために、かかる羽根車2において、ケーシングの壁体6とカバーディスク7との間に小さな間隙流LFがあり、羽根車の上流側及び下流側の圧力差がこの間隙流の原因となっている。ケーシングの壁体6とカバーディスク7との間の適当に小さな間隙により、このような漏れ損失が大きく減少される。
図4は、オープン羽根車2の例により、部分負荷運転中に起こる部分負荷渦PLVの生成を示している。この記載及び以下の記載は、クローズド形構造の羽根車にも同様にあてはまる。羽根車と共に回転するこのような部分負荷渦PLVは、羽根車入口縁8における羽根車外径Dの領域において羽根車2から羽根車接近流LAに向き合って生じて、吸込ダクト9中に逆に流れる。回転する部分負荷渦PLVが起こるときに、羽根車接近流と羽根の周辺流との間に強い非定常相互作用が存在し、これは、特に、NPSH値の急激な上昇になって現われる。この上昇の度合いは、形成する部分負荷渦の強度に左右される。図4において○で囲まれた参照符号x及びyは、詳細であり、図5の速度三角形を説明するのに役立つ。多数の溝10は、吸込ダクト9の周囲に分散して、その内壁面6に、羽根車9の上流側に配設されている。
図5は、図4の部位x及びyにおける形成部分負荷渦PLVの速度条件を示している。部位xは、羽根車2から生じる部分負荷渦PLVの近傍領域における速度状態を示しており、部位yは、羽根車2に再流入する、壁から遠い部分負荷渦PLVの状態を示している。この説明図は、部位x及びyのところに、絶対速度c、相対速度w及び周速度uについての方向及び大きさの矢印で構成された速度三角形を描いている。
部位xのところで、絶対速度cxは、羽根5の壁近傍周速度uxから、そして羽根車により発生する、部分負荷渦PLVの逆流相対速度wxから得られると共に、高周方向成分cuxであることを特徴としている。それに反して、速度表示c∞の付いた矢印は、吸込ダクト9内における、ここでは断面で描かれたプロフィールを有する羽根5をもつ羽根車への乱されていない接近流を表わしている。
これと同様に、符号yでは、羽根車2内への部分負荷渦PLVの進入部位の領域にある部位yで確定された速度三角形が描かれている。進入部位yはより小さな直径のところにあるので、周速度uyはそれに応じてより小さい。また、部分負荷渦PLVのエネルギは減衰するので、その絶対速度cyも呼応してより小さくなり、従って、この実施形態において、相対速度wyは部分負荷渦PLVの現われつつある流線(flow thread)の相対速度wxに関して、言ってみれば、90°偏っていることになる。
部分負荷渦PLVの減衰は、特に、図4及びケーシング壁体6の展開平面図である図6に示されているように、軸方向の平行溝10の接線方向溢流をもたらす周方向成分cuxにより惹起される。外側の羽根先端4は、ケーシング壁体6のこの壁面を常に通り過ぎている。周囲全体にわたり分散されるよう配設されて羽根車接近流c∞の方向に延びる複数の溝10がケーシング壁体6に形成されている。接近流方向に延びると共に吸込ダクト9内で壁面6に設けられた溝10に関し、それらの溝端部11は、羽根車2の外径Dにある羽根入口縁8の上流側にある距離で配置されている。接近流方向に或いは軸方向に平行に延びるこれら溝10の先頭がここで示されていないのは、溝10の長さが吐出量の関数であり、また構造の羽根車形状の関数であるためである。これらの溝10の長さは、羽根車入口直径の0.03〜0.5倍程度に達する。通常の運転中、流入流体は溝10を通って流れるが、この場合、遠心ポンプの動作挙動に悪影響を与えることはない。
更に、図6は、点線の例示で種々のはく離ラインSL1,SL2,SL3を示している。はく離ラインSL1及びSL2は、異なる運転条件における形成逆流区域Rの吸込側境界を示している。最適点Qoptの領域において、はく離ラインSL1は、羽根車の羽根5の幅内にあり、そして増大する部分負荷運転にともなって、はく離ラインSL2のところまで羽根車又は羽根入口縁8の前に移動する。通常の運転中、このはく離ラインSL2の位置は、クローズド形環状壁面12の領域において羽根車2の前に常に留まっている。この壁面12は、区域Rから流れ戻る流体材料が溝10に確実に入ることができないようにする。羽根車接近流方向LAに対向すると考えられる、溝端部11のところまで羽根車入口の前に延びる壁面12の長さは、0.005−0.02×羽根車入口直径に相当する程度である。ここで使用される軸流羽根車の実施形態において、羽根車入口直径は、羽根車出口直径Dに通例匹敵している。半軸流羽根車の場合、それは相応してより小さくなっている。また、クローズド形羽根車に関する場合、それは、カバーディスク7の内径の限りの直径に相当する。
部分負荷渦PLVが形成されるときにだけ、はく離ラインSL2は閉じた環状壁面12を跳び越えて、溝10を備えた壁面6に達する。部分負荷渦PLVの、次いで惹起される軸方向拡大の限界は、はく離ラインSL3により例示されている。
従って、部分負荷渦PLVが呼応する高エネルギに達するときに、それは、羽根車の上流側に位置したクローズド形環状壁面12を越えて吸込ダクト9に逆流する。大部分周方向に向かう絶対速度成分cuxの結果として、吸込ダクト9内に形成された部分負荷渦PLVは溝10を越えて主として接線方向に流れる。この場合、その渦流エネルギは、溝10内に形成される多数の小さな渦巻中に消えてゆく。部分負荷渦PLVの場合、これは速度エネルギの抽出になるので、部分負荷渦PLVは全体的により弱くなり、その軸方向及び半径方向の拡大が相当に減少する。従って、それは、はく離ラインSL3のところまで広がるに過ぎず、そこで部分負荷渦PLVの流れの反転が起こる。同時に惹起される部分負荷渦の旋回成分の減少の結果として、NPSH上昇の減少に加えて、部分負荷を受ける遠心ポンプの特性曲線安定性もまた明白に改善される。従って、溝10の機能は、部分負荷渦PLVの形の大きな予旋回渦巻から、いずれの場合にも溝10に入っている多数の小さな渦巻へのエネルギの摩擦伝達に基づいている。
図7は、図6のA−A線に沿う断面であり、溝10内における多数の小さなエネルギ散逸渦系13の発生を例示している。多数の小さな渦系13は、溝方向に関して接線方向に向かう部分負荷渦流の周方向成分cuxにより生ぜしめられる。
互いに対応付けられている図8及び図9のグラフは比較して示している。図8の説明図において、鎖線で描かれた曲線プロフィールは、吸込ダクトに溝のない遠心ポンプのQ−H特性曲線に対応している。Q−H曲線は、マークした動作点QPLVを越えて、特性曲線に明らかなキンクを有している。この場合の吐出量はより小量に減少する。これは、形成される部分負荷渦PLVの反応により生ぜしめられる。それに反して、中断されていない線により例示されたQ−H特性曲線は、特性曲線にキンクのない下降プロフィールを有している。これは、羽根車の上流側のある距離で終端する流路もしくは溝10を吸込ダクトに備えた遠心ポンプの特性曲線である。特性曲線にキンクがある鎖線の曲線プロフィールは、部分負荷渦の形成と、そのため結果として起こる羽根車接近流の減衰とによりもたらされる。
これとは対照的に、同じポンプに関する場合、中断されていない線により描かれた特性曲線プロフィールは、吸込ダクト9の壁面6において吸込羽根車の上流側に溝10の対応する形成が行なわれたときに確認された。QPLVの右側の通常運転範囲にある対応の曲線プロフィールは、通常運転中の溝の機能を納得のゆくように守っている。
付随するNPSH曲線は図8の下にある図9に描かれている。鎖線で例示されたNPSHプロフィールは、溝が吸込ダクト9に設けられていないポンプに対応している。これとは対照的に、中断されていない特性曲線プロフィールは、複数の溝10が吸込ダクト9に設けられているポンプを示している。部分負荷渦PLVの作用が溝10により大きく減じられているので、かかるポンプのNPSH挙動は決定的に改善されている。このNPSHプロフィールは、所定プラント値NPSHAをもはや越えてはおらず、その結果、もはやNPSH誘発動作限界Qminはそこにはない。部分負荷渦PLVのエネルギ減少の形式とそれにより軽減される非定常相互作用とは、特にPLV近辺の運転範囲において、流れ状態の改良となり、その結果として、NPSHの挙動が改善されると共に、ポンプ特性曲線が安定化される。
従って、吸込オリフィス/流入オリフィスのケーシング壁体において羽根車の上流側のある距離に設けられた溝の形に輪郭を作ることは、部分負荷運転中に羽根車から生ずる部分負荷渦に限って抑制作用を有していることを発明者が認識しており、これは、発明者の名誉となることである。遠心ポンプの騒音挙動が不変であることは付加的な顕著な効果として生じた。その結果、プラントに既に供給され据え付けられたポンプは、その騒音挙動が以前のレベルに留まっているので、問題なしに切り替えることができる。
溝を備えた及び溝を備えていない一般的な遠心ポンプのNPSH曲線を示している。 通常運転中のオープン形羽根車を備えた軸流ポンプの逆流区域の流れを図解し示している。 クローズド形羽根車を有する通常運転中の半軸流及び軸流ポンプに関する流れを図解し示している。 部分負荷運転中の軸流ポンプに関する部分負荷渦の流れを図解し示している。 羽根車からの部分負荷渦の発生中における軸流機械の筒形部分内の種々の速度三角形を示している。 筒形部分を使用した溝内の部分負荷渦の流れプロフィールを示している。 溝内の流れを図解して示している。 改良特性を有するQ−H曲線を示している。 改良特性を有するNPSHを示している。

Claims (7)

  1. 遠心ポンプであって、そのケーシング内に、軸方向又は半軸方向のオープン又はクローズド形構造の1つ以上の羽根車が配設されていると共に、第1の羽根車の前に吸込ダクトが配置されていて、その壁面には、周囲全体に分散されると共に流れ方向に延びる複数の溝が設けられている、前記遠心ポンプにおいて、前記吸込ダクト(9)のケーシング壁体(3)には、前記第1の羽根車(2)の羽根車入口と前記溝(10)の最も近い端部(11)との間にクローズド形環状壁面(12)が形成されており、前記溝(10)は、前記吸込ダクト内のスペースにのみ作動可能に接続されている、ことを特徴とする遠心ポンプ。
  2. 前記溝(10)は前記ケーシング壁体(3)のウェブ状構成物間に配設されている、ことを特徴とする請求項1に記載の遠心ポンプ。
  3. 溝(10)もしくはウェブを有するインサート、特に薄壁環状要素により特徴付けられる、請求項1又は2に記載の遠心ポンプ。
  4. 前記クローズド形環状壁面(12)は、部分負荷渦(PLV)の強度に応じて羽根車入口直径の0.005−0.02倍程度の軸方向長さを有している、ことを特徴とする請求項1、又は2又は3に記載の遠心ポンプ。
  5. 前記溝(10)、もしくはウェブの長さは、羽根車入口直径の0.03−0.5倍程度である、ことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
  6. 前記溝(10)の深さ(t)又は前記ウェブの高さ(h)は羽根車入口直径の0.005−0.02倍程度である、ことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
  7. 前記溝の幅bと前記溝の数nの積は、
    n・b=0.45−0.65・π・D
    の比に相当している、ことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
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