JP2006509044A - 粗製カルボン酸スラリーの精製方法 - Google Patents
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Abstract
精製カルボン酸生成物の製造方法を開示する。この方法は、固液置換ゾーンにおいて粗製カルボン酸スラリーから不純物を除去してスラリー生成物を形成させることを含む。このスラリー生成物は更に段階的酸化ゾーン及び結晶化ゾーンにおいて処理して、結晶化生成物を形成させる。結晶化生成物は更に冷却ゾーンにおいて冷却し、続いて濾過及び乾燥ゾーンにおいて濾過及び乾燥する。この方法は、優れたカラー及び低不純物レベルを有する精製カルボン酸を、水素添加のような精製工程を用いずに、製造する。
Description
本発明は粗製カルボン酸スラリーの精製方法に関する。更に詳しくは、本発明は、第1酸化ゾーンと段階的酸化ゾーンとの間に固液置換ゾーン(solid-liquid displacement zone)を用いることによって粗製カルボン酸スラリーを精製する方法に関する。
テレフタル酸は、商業的には、例えばCo、Mn、Brのような触媒及び溶媒などの存在下に、パラキシレンを酸化することによって製造されている。ポリエステル繊維、フィルム及び樹脂の製造に使用されるテレフタル酸は、パラ−キシレンの酸化のために存在する不純物を除去するために更に処理しなければならない。典型的な商業的方法は、特許文献1(引用することによって本明細書中に組み入れるものとする)に記載されるように、粗製テレフタル酸を製造し、次いで高温高圧において固体粗製テレフタル酸を水に溶解させ、得られた溶液を水素添加し、冷却して溶液からテレフタル酸生成物を結晶化させ、固体テレフタル酸生成物を液体から分離する。
精製テレフタル酸固体を製造する多くの方法が開発され、商業的に利用可能である。通常、精製テレフタル酸固体は、粗製テレフタル酸を製造する多段階法で製造される。粗製テレフタル酸は、商業用ポリエチレンテレフタレート(PET)の出発原料として直接使用するのに充分な品質を有さない。その代わりに、粗製テレフタル酸は通常は精製テレフタル酸固体へと精製される。
p−キシレンの液相酸化は粗製テレフタル酸を生成する。粗製テレフタル酸は水に溶解されてから、4−カルボキシベンズアルデヒドをより水溶性の誘導体であるp−トルイル酸に転化するために且つ特徴的な黄色の化合物を無色の誘導体に添加するために、水素添加する。最終精製テレフタル酸生成物中の相当量の4−カルボキシベンズアルデヒド及びp−トルイル酸は、PETの製造におけるテレフタル酸とエチレングリコールとの縮合反応の間に連鎖停止剤として作用する可能性があるので、重合プロセスには特に有害である。典型的な精製テレフタル酸は、重量基準で250百万分率(ppm)より少ない4−カルボキシベンズアルデヒド及び150ppmより少ないp−トルイル酸を含む。
粗製テレフタル酸は、典型的には、主な不純物として重量基準で約800〜7,000百万分率(ppm)の4−カルボキシベンズアルデヒド及び約200〜1,500ppmのp−トルイル酸を含む。粗製テレフタル酸はまたp−キシレンの酸化の間に起こるカップリング副反応によって生じる不純物としての特徴的な黄色の化合物であるベンジル、フルオレノン及び/又はアントラキノンに由来する構造を有する、比較的少ない量、約20〜200ppmの範囲の量の芳香族化合物を含む。
このような精製方法は、典型的には、粗製テレフタル酸に水を添加して粗製テレフタル酸スラリーを形成し、これを加熱して粗製テレフタル酸を溶解させることを含む。次に、粗製テレフタル酸溶液は反応器ゾーンに移され、そこで前記溶液は、約200〜約375℃の温度において不均一触媒の存在下で水素と接触させられる。この還元工程が、粗製テレフタル酸中に存在する種々の着色原因化合物を無色の誘導体に転化する。
典型的な粗製テレフタル酸は、重量基準で、4−カルボキシベンズアルデヒド及びp−トルイル酸を共に過剰量で含む。従って、精製テレフタル酸中に250ppmwより少ない4−カルボキシベンズアルデヒド及び150ppmwより少ないp−トルイル酸を実現するためには、粗製テレフタル酸を精製し且つ混入物質を除去するメカニズムが必要である。
多くの方法において、着色不純物は水素添加によって無色誘導体にされ、プロセスにはテレフタル酸固体生成物及び廃水流が残される。
しかし、本発明の一実施態様は、粗製カルボン酸スラリー生成物の酸化後で且つ最終濾過及び乾燥前に、固液分離器を含む固液置換ゾーンを用いて、水素添加工程を使用せずに、精製カルボン酸スラリーを生成する魅力的な方法を提供する。
本発明の一実施態様においては、テレフタル酸の水素添加も、米国特許第3,584,039号に開示された酸化溶媒からの不純物分離方法も使用することなく、精製カルボン酸生成物を生成する方法が提供される。
本発明の別の実施態様においては、スラリー生成物を生成する方法が提供される。この方法は、固液置換ゾーン中で粗製カルボン酸スラリーから不純物を除去してスラリー生成物を形成させることを含む。
本発明の別の実施態様においては精製カルボン酸生成物を生成する方法が提供される。この方法は、
(a)固液置換ゾーン中で粗製カルボン酸スラリーから不純物を除去して、スラリー生成物を形成させ;
(b)前記スラリー生成物を段階的酸化ゾーンにおいて酸化して、段階的酸化生成物を形成させ;そして
(c)前記段階的酸化生成物を結晶化ゾーンにおいて結晶化して、結晶化生成物を形成させることを含む。
(a)固液置換ゾーン中で粗製カルボン酸スラリーから不純物を除去して、スラリー生成物を形成させ;
(b)前記スラリー生成物を段階的酸化ゾーンにおいて酸化して、段階的酸化生成物を形成させ;そして
(c)前記段階的酸化生成物を結晶化ゾーンにおいて結晶化して、結晶化生成物を形成させることを含む。
本発明の別の実施態様においては精製カルボン酸スラリーの生成方法が提供される。この方法は、
(a)固液置換ゾーンにおいて粗製カルボン酸スラリーから不純物を除去して、スラリー生成物を形成させ(第1酸化ゾーンにおけるパラキシレンの酸化から約140℃〜約170℃の温度において取り出される前記粗製カルボン酸スラリーはテレフタル酸、触媒、酢酸及び不純物を含む);
(b)前記スラリー生成物を段階的酸化ゾーンにおいて酸化して、段階的酸化生成物を形成させ(前記酸化は約190℃〜約280℃の温度において実施され、段階的酸化ゾーンにおいての酸化は第1酸化ゾーンよりも高い温度である);
(c)前記段階的酸化生成物を結晶化ゾーンにおいて結晶化して、結晶化生成物を形成させ;
(d)前記結晶化生成物を冷却ゾーンにおいて冷却して、冷却精製カルボン酸スラリーを形成させ;そして
(e)前記冷却精製カルボン酸スラリーを濾過及び乾燥ゾーン中で濾過及び、場合によっては、乾燥することによって前記冷却カルボン酸スラリーから溶媒の一部を除去して、精製カルボン酸生成物を生成させる
ことを含む。
(a)固液置換ゾーンにおいて粗製カルボン酸スラリーから不純物を除去して、スラリー生成物を形成させ(第1酸化ゾーンにおけるパラキシレンの酸化から約140℃〜約170℃の温度において取り出される前記粗製カルボン酸スラリーはテレフタル酸、触媒、酢酸及び不純物を含む);
(b)前記スラリー生成物を段階的酸化ゾーンにおいて酸化して、段階的酸化生成物を形成させ(前記酸化は約190℃〜約280℃の温度において実施され、段階的酸化ゾーンにおいての酸化は第1酸化ゾーンよりも高い温度である);
(c)前記段階的酸化生成物を結晶化ゾーンにおいて結晶化して、結晶化生成物を形成させ;
(d)前記結晶化生成物を冷却ゾーンにおいて冷却して、冷却精製カルボン酸スラリーを形成させ;そして
(e)前記冷却精製カルボン酸スラリーを濾過及び乾燥ゾーン中で濾過及び、場合によっては、乾燥することによって前記冷却カルボン酸スラリーから溶媒の一部を除去して、精製カルボン酸生成物を生成させる
ことを含む。
本発明の更に別の実施態様においては、精製カルボン酸生成物を生成する方法が提供される。この方法は、
(a)第1酸化ゾーンにおいて芳香族供給原料を酸化して、粗製カルボン酸スラリーを形成させ(前記粗製カルボン酸スラリーはテレフタル酸を含み;前記酸化は約120℃〜約190℃の温度において実施する);
(b)固液置換ゾーンにおいて粗製カルボン酸スラリーから不純物を除去して、スラリー生成物を形成させ(第1酸化ゾーンにおけるパラキシレンの酸化から約140℃〜約170℃の温度で取り出される粗製カルボン酸スラリーはテレフタル酸、触媒、酢酸及び不純物を含む);
(c)前記スラリー生成物を段階的酸化ゾーンにおいて酸化して、段階的酸化生成物を形成させ(前記酸化は約190℃〜約280℃の温度において実施し;前記段階的酸化ゾーンにおいての酸化は、第1酸化ゾーンよりも高い温度である);
(d)前記段階的酸化生成物を結晶化ゾーンにおいて結晶化して、結晶化生成物を形成させ;
(e)前記結晶化生成物を冷却ゾーンにおいて冷却して、冷却精製カルボン酸スラリーを形成させ;そして
(f)濾過及び乾燥ゾーンにおいて冷却精製カルボン酸スラリーを濾過及び、場合によっては、乾燥させることによって前記冷却カルボン酸スラリーから溶媒の一部を除去して、精製カルボン酸生成物を生成させることを含む。
(a)第1酸化ゾーンにおいて芳香族供給原料を酸化して、粗製カルボン酸スラリーを形成させ(前記粗製カルボン酸スラリーはテレフタル酸を含み;前記酸化は約120℃〜約190℃の温度において実施する);
(b)固液置換ゾーンにおいて粗製カルボン酸スラリーから不純物を除去して、スラリー生成物を形成させ(第1酸化ゾーンにおけるパラキシレンの酸化から約140℃〜約170℃の温度で取り出される粗製カルボン酸スラリーはテレフタル酸、触媒、酢酸及び不純物を含む);
(c)前記スラリー生成物を段階的酸化ゾーンにおいて酸化して、段階的酸化生成物を形成させ(前記酸化は約190℃〜約280℃の温度において実施し;前記段階的酸化ゾーンにおいての酸化は、第1酸化ゾーンよりも高い温度である);
(d)前記段階的酸化生成物を結晶化ゾーンにおいて結晶化して、結晶化生成物を形成させ;
(e)前記結晶化生成物を冷却ゾーンにおいて冷却して、冷却精製カルボン酸スラリーを形成させ;そして
(f)濾過及び乾燥ゾーンにおいて冷却精製カルボン酸スラリーを濾過及び、場合によっては、乾燥させることによって前記冷却カルボン酸スラリーから溶媒の一部を除去して、精製カルボン酸生成物を生成させることを含む。
これらの目的及び他の目的は、この開示に接すれば、当業者により明白になるであろう。
図1は、カルボン酸を酸化的に精製する本発明の方法の概略図であり、第1酸化ゾーン20と段階的酸化ゾーン80との間に固液置換ゾーン40を使用する。
本発明は、粗製カルボン酸スラリー30の精製方法を提供する。この方法は、固液置換ゾーン40において、粗製カルボン酸スラリーから母液を排除して、スラリー生成物70を形成させる工程を含む。
従来、粗製テレフタル酸は適当な酸化触媒の存在下においてパラキシレンの液相空気酸化によって製造されている。適当な触媒は、選択された溶媒に可溶であるコバルト、臭素及びマンガンの化合物からから選ばれる少なくとも1種の化合物(これらに限定されるものではない)を含む。適当な溶媒としては、炭素数が好ましくは2〜6の脂肪族モノカルボン酸又は安息香酸及びそれらの混合物並びにこれらの化合物と水との混合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。好ましくは、溶媒は、水と約5:1〜約25:1、好ましくは約8:1〜約20:1の比で混合された酢酸である。本明細書全体を通して、酢酸は溶媒と称するものとする。しかし、前に開示された溶媒のような他の適当な触媒も使用できることを理解されたい。米国特許第4,158,738号及び第3,996,271号のような、テレフタル酸の製造を開示する特許を引用することによって本明細書中に取り入れるものとする。
本発明の一実施態様において、スラリー生成物70を生成する方法を図1に示す。この方法は、固液置換ゾーン40において粗製カルボン酸スラリー30から不純物を除去してスラリー生成物70を形成することを含み、前記スラリー生成物70は水素添加工程を用いずに形成される。
固液置換ゾーン40、不純物、粗製カルボン酸スラリー30及びスラリー生成物70については全て本明細書中で後述する。
本発明の別の実施態様における精製カルボン酸生成物230の生成方法を図1に示す。この方法は、
工程(a)が固液置換ゾーン40において粗製カルボン酸スラリー30から不純物を除去してスラリー生成物70を形成させることを含み;
粗製カルボン酸スラリー30が少なくとも1種のカルボン酸、触媒、少なくとも1種の溶媒及び不純物を含み、ライン30から取り出すこと
を含む。不純物は典型的に以下の化合物の少なくとも1種又はそれ以上を含む。4−カルボキシベンズアルデヒド(4−CBA)、トリメリット酸(TMA)、及び2,6−ジカルボキシフルオレノン(2,6−DCF)。溶媒は典型的に酢酸を含むが、前述した任意の溶媒であることもできる。
工程(a)が固液置換ゾーン40において粗製カルボン酸スラリー30から不純物を除去してスラリー生成物70を形成させることを含み;
粗製カルボン酸スラリー30が少なくとも1種のカルボン酸、触媒、少なくとも1種の溶媒及び不純物を含み、ライン30から取り出すこと
を含む。不純物は典型的に以下の化合物の少なくとも1種又はそれ以上を含む。4−カルボキシベンズアルデヒド(4−CBA)、トリメリット酸(TMA)、及び2,6−ジカルボキシフルオレノン(2,6−DCF)。溶媒は典型的に酢酸を含むが、前述した任意の溶媒であることもできる。
粗製カルボン酸スラリー30は第1酸化ゾーン20において芳香族供給原料10を酸化することによって生成させる。一実施態様において、芳香族供給原料はパラキシレンを含む。第1酸化ゾーン20は少なくとも1つの酸化反応器を含み、粗製カルボン酸スラリー30は少なくとも1種のカルボン酸を含む。酸化反応器は約120℃〜約200℃、好ましくは約140℃〜約170℃の温度において運転することができる。典型的には、芳香族供給原料10はパラキシレンであり、カルボン酸はテレフタル酸である。本発明の一実施態様において、第1酸化ゾーンは気泡塔(bubble column)を含む。
従って、テレフタル酸を使用する場合には、粗製カルボン酸スラリー30は粗製テレフタル酸スラリーと称し、精製カルボン酸生成物230は精製テレフタル酸生成物と称する。
カルボン酸は有機基質の制御酸化によって製造された芳香族カルボン酸を含む。このような芳香族カルボン酸は、芳香環の一部分である炭素原子に結合した少なくとも1個のカルボン酸基を有する、炭素数が好ましくは少なくとも6の、より好ましくは炭素原子のみを有する化合物を含む。このような芳香環の適当な例としては、ベンゼン、ビフェニル、テルフェニル、ナフタレン及び炭素をベースとする他の縮合芳香環が挙げられるが、これらに限定するものではない。適当なカルボン酸の例としては、テレフタル酸、安息香酸、p−トルイル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ナフタレンジカルボン酸及び2,5−ジフェニル−テレフタル酸が挙げられるが、これらに限定するものではない。粗製カルボン酸スラリー中にテレフタル酸及びイソフタル酸が実質的に存在しない本発明の実施態様はいずれも実施できる。ここで「実質的に存在しない」という用語を使用する場合には、5重量%未満であることを意味する。
粗製テレフタル酸スラリーは、従来は、適当な酸化触媒の存在下においてパラキシレンの液相酸化によって合成されている。適当な触媒としては、選択された溶媒に可溶なコバルト、マンガン及び臭素化合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。本発明の一実施態様において、触媒はコバルト、臭素及びマンガンを含む。コバルト及びマンガンは、合わせて、粗製カルボン酸スラリー中で約150重量ppm〜約3200重量ppmの濃度であることができる。臭素は粗製カルボン酸スラリー中で約10重量ppm〜約5000重量ppmの濃度であることができる。好ましくは、コバルト及びマンガンは、合わせて、粗製カルボン酸スラリー中で約1050重量ppm〜約2700重量ppmの濃度であることができる。臭素は、粗製カルボン酸スラリー中で約1000重量ppm〜約2500重量ppmの濃度であることができる。
導管30中の粗製カルボン酸は、粗製カルボン酸スラリー30中に含まれる液体の一部を除去できる固液置換ゾーン40に供給して、導管70中にスラリー生成物を生成させる。ここで一部とは液体の少なくとも5重量%が除去されることを意味する。導管70においてスラリー生成物を生成する液体の一部の除去は公知の任意の手段で実施できる。典型的には、固液置換ゾーン40は、デカンター型遠心分離機、ロータリーディスク遠心分離機、ベルトフィルター、ロータリー真空フィルターなどからなる群から選ばれた固液分離器を含む。導管30中の粗製カルボン酸スラリーは固液分離器を含む固液置換ゾーン40に供給される。固液分離器は約50℃〜約200℃、好ましくは140℃〜約170℃の温度において操作する。固液分離器は約30psig〜約200psigの圧力において操作する。固液置換ゾーン40中の固液分離器は連続式又は回分式で操作することができるが、商業的方法に関しては連続法が好ましいことが認識されている。
母液中の不純物は固液置換ゾーン40から排除し、ライン60から取り出す。発明の一実施態様においては、追加溶媒をライン50を経て固液置換ゾーン40に供給し、粗製カルボン酸スラリー30は再スラリー化し、スラリー生成物70が形成される。固液置換ゾーン40からライン60を経て母液60を取り出し、それは溶媒、典型的には酢酸、触媒及び臭素化合物を含む。ライン60中の母液は、ライン(図示せず)を経て、酸化溶媒からの不純物分離プロセスに送るか、又はライン(図示せず)を経て触媒系に再循還することができる。化学処理業界において一般に使用される母液60からの不純物除去方法の1つは、再循還流の一部の抜き取り又は「パージ」である。典型的には、再循還流は、単純に廃棄するか、あるいは経済的に妥当であれば、有用成分を回収しながら不所望な不純物を除去するために種々の処理に供される。不純物除去方法の例としては、米国特許第4,939,297号及び第4,356,319号が挙げられる(これらは引用することによって本明細書中に取り入れるものとする)。
工程(b)は、段階的酸化ゾーン80においてスラリー生成物70を酸化して、段階的酸化生成物110を形成させることを含む。
本発明の一実施態様において、スラリー生成物70はライン70を経て段階的酸化ゾーン80に取り出す。段階的酸化ゾーン80において、前記スラリー生成物70は約190℃〜約280℃、好ましくは約200℃〜約250℃に加熱し、更にライン100によって供給される空気によって酸化して、段階的酸化生成物110を生成させる。
段階的酸化ゾーン80は、少なくとも1つの段階的酸化反応器を含む。スラリー生成物70は段階的酸化ゾーン80に供給する。ここで用語「段階的(staged)」とは、酸化が前述の第1酸化ゾーン20と段階的酸化ゾーン80の両方で起こることを意味する。例えば、段階的酸化ゾーン80は直列の複数の段階的酸化反応器を含むことができる。
カルボン酸がテレフタル酸である場合には、段階的酸化ゾーン80は、約190℃〜約280℃、好ましくは約200℃〜約250℃、最も好ましくは205〜225℃に加熱し且つ更にライン100から供給する空気又は分子酸素供給源で酸化する酸化反応器を含み、段階的酸化生成物110を生成させる。一般に、段階的酸化ゾーン80における酸化は、不純物の除去を促進するために、第1酸化ゾーン20における酸化よりも高い温度である。段階的酸化ゾーン80は、溶媒蒸気若しくは導管90からの水蒸気によって直接、又は公知の任意の手段によって間接的に加熱することができる。段階的酸化ゾーンにおける精製は再結晶又は結晶成長及び不純物の酸化を含むメカニズムによって行われる。
追加の空気又は分子酸素は、導管100を経て段階的酸化ゾーン80に、粗製カルボン酸スラリー30又はスラリー生成物70中の4−カルボキシベンズアルデヒド(4−CBA)のような部分酸化生成物のかなりの部分を対応するカルボン酸に酸化するのに必要な量で供給することができる。一般に、段階的酸化ゾーン80において、4−CBAの少なくとも70重量%がテレフタル酸に転化される。好ましくは、段階的酸化ゾーン80において、4−CBAの少なくとも80重量%がテレフタル酸に転化される。テレフタル酸生成物中の4−カルボキシベンズアルデヒド及びp−トルイル酸の濃度が大きいと、それらはポリエチレンテレフタレート(PET)の製造においてテレフタル酸とエチレングリコールとの縮合反応の間に連鎖停止剤として働く可能性があるので、重合プロセスに特に不利である。典型的なテレフタル酸生成物は、重量基準で、約250百万分率(ppm)より少ない4−カルボキシベンズアルデヒド及び約150ppmより少ないp−トルイル酸を含む。
テレフタル酸粒子が段階的酸化ゾーン80中に溶解し且つ再結晶する際に、粗製カルボン酸スラリー30又はスラリー生成物70中の不純物を溶解する。段階的酸化ゾーン80からのオフガスはライン105を経て取り出し、回収系に供給し、そこで揮発性有機化合物(VOCs)を含むオフガスから溶媒を除去する。臭化メチルを含むVOCsは、例えば触媒酸化ユニット中における焼却によって処理することができる。段階的酸化ゾーン80からの段階的酸化生成物110はライン110を経て取り出す。
工程(c)は、結晶化ゾーン120中において段階的酸化生成物110を結晶化して、結晶化生成物160を形成させることを含む。一般に、結晶化ゾーン120は少なくとも1つの晶析装置を含む。結晶化ゾーンからの蒸気生成物は、少なくとも1つの凝縮器中で凝縮し、結晶化ゾーンに戻すことができる。場合によっては、凝縮器からの液体又は結晶化ゾーンからの蒸気生成物は再循還することができ、あるいは取り出すか又はエネルギー回収装置に送ることができる。更に、晶析装置のオフガスはライン170を経て除去する。このオフガスは、回収系に送ることができ、そこで溶媒を除去し、VOCsを含む晶析装置のオフガスは、例えば触媒酸化ユニットにおける焼却によって処理することができる。
カルボン酸がテレフタル酸である場合には、段階的酸化ゾーン80からの段階的酸化生成物110はライン110を経て取り出し、少なくとも1つの晶析装置を含む結晶化ゾーン120に供給し、そこで約110℃〜約190℃の温度に冷却して結晶化生成物160を形成させ、好ましくは約140℃〜約180℃、最も好ましくは約150℃〜約170℃の温度に冷却する。
結晶化ゾーン120からの結晶化生成物160はライン160を経て取り出す。典型的には、結晶化生成物160は次に、容器に直接供給し、冷却して、冷却精製カルボン酸スラリー210を形成させる。カルボン酸がテレフタル酸である場合には、冷却結晶化精製カルボン酸スラリー210は容器中で典型的には約90℃又はそれ以下の温度に冷却してから、乾燥粉末又は湿潤ケーキとしてテレフタル酸を回収するプロセスに導入する。
工程(d)は、冷却ゾーン200において結晶化生成物を冷却して、冷却精製カルボン酸スラリー210を形成することを含む。
結晶化生成物160は、結晶化ゾーン120からライン160を経て取り出す。結晶化生成物160は冷却ゾーン200に供給し、約90℃未満に冷却して、冷却精製カルボン酸スラリー210を形成させる。精製カルボン酸スラリーの冷却は、公知の任意の手段によって行うことができる。典型的には冷却ゾーン200はフラッシュタンクを含んでなる。
工程(e)は、濾過及び乾燥ゾーン220において冷却精製カルボン酸スラリー210を濾過し且つ、場合によっては、乾燥させて、前記冷却精製カルボン酸スラリー210から溶媒の一部を除去し、精製カルボン酸生成物230を生成させることを含む。
冷却精製カルボン酸スラリー210は冷却ゾーン200から取り出し、濾過及び乾燥ゾーン220に供給する。一部の溶媒並びに残留触媒及び不純物を分離し、精製カルボン酸生成物をライン230から取り出す。
濾過及び乾燥ゾーン220は、固体カルボン酸を回収するのに適当なフィルター及び乾燥機を含む。濾過は、公知の任意の手段によって行うことができる。例えば、ロータリー真空フィルターを濾過に用いて濾過ケーキを生成させることができる。濾過ケーキは最初の溶媒除去工程を経て、次に酸洗浄液によってすすがれて残留触媒を除去し、次いで溶媒を再び除去してから、乾燥機に送る。濾過ケーキの乾燥は、濾過ケーキ中に残る揮発分の少なくとも10%を蒸発させることができる公知の任意の手段によって行うことができ、カルボン酸生成物を生成させる。例えば、Single Shaft Porcupine(商標)プロセッサー乾燥機を使用できる。
精製カルボン酸生成物230は約4.5より小さいb*を有する。好ましくは、精製カルボン酸生成物230のb*カラーは約3.5より小さい。最も好ましくは、精製カルボン酸生成物230中のb*カラーは約3より小さい。b*カラーは、分光反射率に基づく機器で測定される色彩3属性の1つである。カラーは、公知の任意の装置によって測定されることができる。典型的には、計測装置は、反射率モードのHunter Ultrascan XE機器である。プラスの測定値は黄色度(又は青色の吸収度)を示し、マイナスの測定値は青色度(又は黄色の吸収度)を示す。
前述の処理ゾーンは、精製カルボン酸生成物を生成する任意の他の論理的順序で使用できることを理解されたい。また、処理ゾーンの順序を変える場合には処理条件が変化する可能性があることも理解されたい。
本発明の別の実施態様において、各実施態様は場合によっては、カルボン酸又はエステル化カルボン酸を水素添加によって脱色することを含む追加工程を含むことができる。
精製カルボン酸スラリー又はエステル化カルボン酸の脱色は、公知の任意の手段によって行うことができ、水素添加に限定されるものではない。しかし、例えば、本発明の一実施態様において、脱色は、例えばエチレングリコールによってエステル化処理されたカルボン酸を、反応器ゾーン中で水素添加触媒の存在下において分子水素と反応させることによって実施することができ、脱色カルボン酸溶液又は脱色エステル生成物が生成する。反応器ゾーンに関しては、その形態又は構成には、反応器ゾーンにおいてカルボン酸又はエステル生成物と触媒とを充分に接触させる水素の供給を可能にする配列に制約される特別な制限はない。典型的には、水素添加触媒は通常、単一の第VIII属金属又は第VIII金属の組合せである。好ましくは、触媒はパラジウム、ルテニウム、ロジウム及びそれらの組合せからなる群から選ばれる。反応器ゾーンは、特徴的な黄色の化合物の一部を無色の誘導体へと水素添加するのに充分な温度及び圧力において運転する水素添加反応器を含む。
本発明は、その好ましい実施態様の以下の実施例によって更に説明するが、これらの実施例は説明のためにのみ記載するのであって、特に断らない限り本発明の範囲を制限することを目的としないことは言うまでもない。
実施例1
Co、Mn、Br触媒系を用いて160℃においてパラキシレンを酸化して、固形分30〜35%の粗製テレフタル酸スラリーを生成させた。図1に示した方法を用いて、水素添加工程を用いずに、粗製テレフタル酸スラリーを結晶化及び精製し、結晶化ゾーン120からの結晶化生成物を直接、フラッシュタンクに移した。生成物を、濾過及び乾燥後に取り出し、4−カルボキシベンズアルデヒド(4−CBA)、トリメリット酸(TMA)及び2,6−ジカルボキシフルオレノン(2,6−DCF)、透過%及びb*に関して分析した。b*は、分光反射率に基づく機器で測定される色彩3属性の1つである。典型的には、計測装置は、Hunter Ultrascan XE機器である。プラスの測定値は黄色度(又は青色の吸収度)を示し、マイナスの測定値は青色度(又は黄色の吸収度)を示す。
Co、Mn、Br触媒系を用いて160℃においてパラキシレンを酸化して、固形分30〜35%の粗製テレフタル酸スラリーを生成させた。図1に示した方法を用いて、水素添加工程を用いずに、粗製テレフタル酸スラリーを結晶化及び精製し、結晶化ゾーン120からの結晶化生成物を直接、フラッシュタンクに移した。生成物を、濾過及び乾燥後に取り出し、4−カルボキシベンズアルデヒド(4−CBA)、トリメリット酸(TMA)及び2,6−ジカルボキシフルオレノン(2,6−DCF)、透過%及びb*に関して分析した。b*は、分光反射率に基づく機器で測定される色彩3属性の1つである。典型的には、計測装置は、Hunter Ultrascan XE機器である。プラスの測定値は黄色度(又は青色の吸収度)を示し、マイナスの測定値は青色度(又は黄色の吸収度)を示す。
テレフタル酸中の4−CBA、TMA、2,6−DCFの濃度を液体クロマトグラフィーによって分析した。透過%を求めるために、テレフタル酸生成物の2M KOH中10%溶液を、紫外線可視分光計を用いて340nmにおいて測定した。テレフタル酸のb*は、反射カラー法(reflectance color method)を用いて340nmにおいて測定した。結果を表Iに示す。
本発明の方法によって生成された精製テレフタル酸生成物中に存在する4−CBAの量は、粗製カルボン酸スラリー中に検出される典型的なレベルよりも著しく低下した。典型的なレベルはこの試験の間に測定するのではなく、これらのレベルは、これまでに開示されたレベルとほとんど同じであることが当業者には知られていた(テレフタル酸を含む粗製カルボン酸スラリーは典型的には、重量基準で、約800〜7,000百万分率(ppm)の4−カルボキシベンズアルデヒドを含む)。精製テレフタル酸生成物の透過%は、生成するポリエチレンテレフタレート(PET)のカラーに直接的な影響を与える。望ましいPTA(精製テレフタル酸)は白色である(低カラーを有すると見なされる)。透過%が高いほど、PTAにおいて低いカラーを示す。測定した全てのカテゴリーにおける改良の度合いは、固液分離ゾーンにおける遠心分離が単純であること及び水素添加工程を実施しなかったことを考えれば、特に驚異的である。従来は、同程度の純度レベルは、典型的には、多数の工程及び装置の多数の構成要素を含む水素添加プラント並びに大きい設備投資を用いて達成されている。
本発明を、特にその好ましい実施態様に関して詳述したが、本発明の精神及び範囲内において変更及び変形が可能であることはいうまでもない。
Claims (31)
- 固液置換ゾーンにおいて粗製カルボン酸スラリーから不純物を除去してスラリー生成物を形成させることを含んでなるスラリー生成物の製造方法。
- 前記固液置換ゾーンが約50℃〜約200℃の温度において操作される固液分離器を含む請求項1に記載の方法。
- 前記固液置換ゾーンが約140℃〜約170℃の温度において操作される固液分離器を含む請求項1に記載の方法。
- 前記固液置換ゾーンが約30psig〜約200psigの圧力において操作される固液分離器を含む請求項2に記載の方法。
- 前記固液置換ゾーンがデカンター型遠心分離機を含む請求項1に記載の方法。
- 前記固液置換ゾーンがベルトフィルター、ロータリー真空フィルター及びロータリーディスクパック遠心分離機からなる群から選ばれた固液分離器を含む請求項1に記載の方法。
- 前記固液置換ゾーンが約100psiaより低い圧力で操作される請求項1に記載の方法。
- 前記固液置換ゾーンが連続式で操作される請求項1に記載の方法。
- 前記スラリー生成物が水素添加を行わずに形成される請求項1に記載の方法。
- (a)固液置換ゾーンにおいて粗製カルボン酸スラリーから不純物を除去して、スラリー生成物を形成させ;
(b)段階的酸化ゾーンにおいて前記スラリー生成物を酸化して、段階的酸化生成物を形成させ;そして
(c)結晶化ゾーンにおいて前記段階的酸化生成物を結晶化して、結晶化生成物を形成させる
ことを含んでなる精製カルボン酸生成物の製造方法。 - 冷却ゾーンにおいて前記結晶化生成物を冷却して、冷却精製カルボン酸スラリーを形成することを更に含む請求項10に記載の方法。
- 濾過及び乾燥ゾーンにおいて前記冷却精製カルボン酸スラリーを濾過及び、場合によっては、乾燥させ、前記冷却カルボン酸スラリーから溶媒の一部を除去して、精製カルボン酸生成物を生成させることを更に含む請求項11に記載の方法。
- 前記固液置換ゾーンが約50℃〜約200℃の温度において操作される固液分離器を含む請求項10、11又は12に記載の方法。
- 約110℃〜約200℃の温度において第1酸化ゾーンから取り出される前記粗製カルボン酸スラリーがテレフタル酸、触媒、酢酸及び不純物を含む請求項10、11又は12に記載の方法。
- 前記固液置換ゾーンがベルトフィルター、ロータリー真空フィルター及びロータリーディスクパック遠心分離機からなる群から選ばれた固液分離器を含む請求項12に記載の方法。
- 前記精製スラリーが水素添加を行わずに形成される請求項12に記載の方法。
- 前記精製スラリー生成物が約4.5より小さいb*を有する請求項15に記載の方法。
- 前記触媒がコバルト、マンガン及び臭素化合物を含む請求項14に記載の方法。
- コバルト及びマンガンが合わせて、粗製カルボン酸スラリー中に約150重量ppm〜約3200重量ppmの濃度で存在し、且つ臭素が粗製カルボン酸スラリー中に約10重量ppm〜約5000重量ppmの濃度であることができる請求項18に記載の方法。
- (a)固液置換ゾーンにおいて、第1酸化ゾーンでのパラキシレンの酸化から約140℃〜約170℃において取り出され、かつテレフタル酸、触媒、酢酸及び不純物を含む、粗製カルボン酸スラリーから不純物を除去して、スラリー生成物を形成させ;
(b)段階的酸化ゾーンにおいて前記スラリー生成物を、約190℃〜約280℃においてかつ第1酸化ゾーンにおける酸化よりも高温で酸化して、段階的酸化生成物を形成させ;
(c)結晶化ゾーンにおいて前記段階的酸化生成物を結晶化して、結晶化生成物を形成させ;
(d)冷却ゾーンにおいて前記結晶化生成物を冷却して、冷却精製カルボン酸スラリーを形成させ;そして
(e)濾過及び乾燥ゾーンにおいて前記冷却精製カルボン酸スラリーを濾過及び、場合によっては、乾燥し、前記冷却カルボン酸スラリーから溶媒の一部を除去して、精製カルボン酸生成物を生成させる
ことを含んでなる精製カルボン酸生成物の製造方法。 - (a)第1酸化ゾーンにおいて芳香族供給原料を約120℃〜約200℃の温度において酸化して、テレフタル酸を含む、粗製カルボン酸スラリーを形成させ;
(b)固液置換ゾーンにおいて、第1酸化ゾーン中におけるパラキシレンの酸化から約140〜約170℃において取り出され、かつテレフタル酸、触媒、酢酸及び不純物を含む、粗製カルボン酸スラリーから不純物を除去して、スラリー生成物を形成させ;
(c)段階的酸化ゾーンにおいて、前記スラリー生成物を、約190℃〜約280℃において、かつ第1酸化ゾーンにおける酸化よりも高温で酸化して、段階的酸化生成物を形成させ;
(d)結晶化ゾーンにおいて前記段階的酸化生成物を結晶化して、結晶化生成物を形成させ;
(e)冷却ゾーンにおいて前記結晶化生成物を冷却して、冷却精製カルボン酸スラリーを形成させ;そして
(f)濾過及び乾燥ゾーンにおいて前記冷却精製カルボン酸スラリーを濾過及び、場合によっては、乾燥し、前記冷却カルボン酸スラリーから溶媒の一部を除去して、精製カルボン酸生成物を生成させる
ことを含んでなる精製カルボン酸生成物の製造方法。 - 前記精製カルボン酸スラリー又はエステル化されたカルボン酸を、反応器ゾーンにおいて、脱色することを更に含む請求項20又は21に記載の方法。
- 粗製カルボン酸溶液を、反応器ゾーン中で、水素添加触媒の存在下において水素と反応させることによって脱色して、脱色カルボン酸溶液が生成させる請求項22に記載の方法。
- 前記固液分離ゾーンが約50℃〜約200℃の温度において操作される固液分離器を含む請求項20又は21に記載の方法。
- 前記精製スラリー生成物が約4.5より小さいb*を有する請求項20又は21に記載の方法。
- 前記触媒がコバルト、マンガン及び臭素化合物を含む請求項21に記載の方法。
- コバルト及びマンガンが、合わせて、粗製カルボン酸スラリー中に約1050重量ppm〜約2700重量ppmの濃度で存在し、且つ臭素が粗製カルボン酸スラリー中に約1000重量ppm〜約2500重量ppmの濃度であることができる請求項26に記載の方法。
- 前記粗製カルボン酸スラリーがテレフタル酸を含む請求項1、10、19、20又は21に記載の方法。
- 請求項21に記載の方法によって製造されるスラリー生成物。
- 請求項21に記載の方法によって製造される段階的酸化生成物。
- 請求項21に記載の方法によって製造される結晶化生成物。
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