JP2006509023A - コルヒチン誘導体、その製造方法および使用 - Google Patents

コルヒチン誘導体、その製造方法および使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、コルヒチン誘導体の製造方法、該方法により得られる生成物およびその使用に関する。本発明は、本質的に、特に腫瘍学において治療活性を有する有機リン化合物およびそれらの塩の製造方法に関する。

Description

本発明は、一般的に、またその第一の態様によれば、コルヒチン誘導体の新規な製造方法に関する。
より特別には、本発明は、一般式1:
Figure 2006509023
の生成物の製造方法に関する。
一般式1の生成物はコルヒチンおよびコルヒセインの誘導体である。コルヒチンおよびコルヒセインは、ユリ科の植物であるコルヒクム・オータムナレ (Colchicum autumnale)から抽出される天然アルカロイドである。コルヒチンはその抗有糸分裂特性およびチューブリンへのその結合能で知られている (J.M. Andreu, S.N. Timasheff, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 79, 6753, (1982))。
コルヒチンおよびコルヒセインの多くの誘導体がこれまでに製造されている。このように、特許出願WO 99/02166、WO 00/04434およびWO 00/40529はコルヒチン誘導体を特許請求している。
これらの特許出願は一般式1の生成物を記載しており、そこでは、置換基R1およびR2は、ラジカル生成酸化化合物、例えばメタ−クロロ過安息香酸(MCPBA)により生成可能であり、次いで、R1=R2=Hである一般式1のリン酸が得られるようにトリフルオロ酢酸(TFA)で開裂可能であるために選択された炭素系基である。この生成物はコルヒノールリン酸エステル(colchinol phosphate)と呼ばれ、検討される該リン酸エステルに結合した対イオンを持たない。
しかしながら、MCPBAの使用は、第一にその相対的不安定性、そして第二に期待される生成物の単離および精製の困難さに関連する幾つかの問題をもたらす。その結果、このような方法は工業化の点で問題をもたらす。
加えて、コルヒノールリン酸エステルはpH条件に著しく敏感である。従って、許容できる製造方法では温和な反応および処理条件を用いる必要があるだろう。そうしないと、リン酸エステル基の切断および/または生成物のラセミ化の危険性がある。
George R. Pettit ら, Anti-Cancer Drug Design (1995), 10, 299-309 は、コンブレタスタチン誘導体、特にリン酸エステルの製造方法を開示している。これらの生成物を製造するための二つの方法が提示されている (pp. 304-306)。保護されたリン酸エステル基は、ピリジン中で、第一方法の場合には25℃で15時間の後に90℃で2.5時間、第二方法の場合には60℃で10時間の後に周囲温度で56時間反応させることにより、コ
ンブレタスタチンのフェノールと縮合される。
Anti-Cancer Drug Design (1995), 10, 299-309 に記載された方法の使用は、満足すべき結果を得ることを可能にしていない:全ての場合に反応は非常に遅く、そして期待される生成物の約20%で留まった状態となる。リン含有試薬を逐次的に添加させる試みは、この収率の改善を可能にしていない。さらに、生成物の単離が困難である。
驚くべきことに、また全ての予期に反して、ピリジンの代わりに非芳香族アミン官能基を含む化合物を用いることにより、リン酸エステル基とコルヒノールとの縮合の収率の点で明らかに良好である結果を得ることが可能であることを見出した。
想定できる非芳香族アミンの中でもトリアルキルアミンが好ましい。より好ましいトリアルキルアミンはトリエチルアミンである。
また、本発明の利点の一つは、結合反応全体を周囲温度で行うことが可能になることであり、George R. Pettit らにより記載された方法の場合のようにその反応を加熱する必要がない。
本発明の利点のもう一つは、大量の生成物の製造に容易に適合できる従来の技術を用いる抽出によって、得られた生成物の容易な単離が可能になることである。
第一の態様によれば、本発明は、非芳香族アミン官能基を含む化合物の存在下に、
一般式2:
Figure 2006509023
の化合物と一般式3:
Figure 2006509023
の化合物とを結合させることからなる段階を含む、
一般式1:
Figure 2006509023
の生成物の製造方法に関し、
式中、
(i) R1およびR2はアルキル、シクロアルキル、置換されたアルキルおよび置換されたシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか、
(ii) またはそのほかに、R1およびR2は一緒になって、アルキル、シクロアルキル、置換されたアルキルおよび置換されたシクロアルキルから選択される単一の置換基を形成し、
(iii) R3およびR4は不安定な置換基である。
非芳香族アミン官能基を含む好ましい化合物はトリアルキルアミン、好ましくはトリエチルアミンである。
反応はハロゲン化溶剤の存在下に有利に行われる。
好ましいハロゲン化溶剤はジクロロメタンである
R1およびR2は、有利にはハロゲン化脂肪族基であるか、または一緒になって単一のハロゲン化脂肪族基を形成する
許容されるハロゲン化脂肪族基は、塩素、臭素およびヨウ素からなる群より選択される少なくとも1個のハロゲンで置換された炭素系鎖から選択することができる。
炭素系鎖は、有利にはペルハロゲン化遊離末端部分、好ましくは−CH2−RCl型の単位を有するものを含むだろう。RClはペルクロロ化残基である。
より好ましくは、R1およびR2はそれぞれ2,2,2−トリクロロエチル置換基であってよい。
R3は、有利にはH、Li、NaおよびKから選択される。より好ましい置換基R3はHである。
R4は、有利にはCl、BrおよびIから選択される。より好ましい置換基R4はClである。
本発明に係る方法は、一般式1の化合物が(5S)−5−アセチルアミノ−9,10,11−トリメトキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,c]シクロヘプテン−3−イルリン酸ビス(2,2,2−トリクロロエチル)である場合に特に有利に用いることができる。
本発明に係る方法は、一般式3の化合物がN−[(5S)−3−ヒドロキシ−9,10,11−トリメトキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,c]シクロヘプテン−5−イル]アセトアミドであり、そして一般式4の化合物がビス(2,2,2−トリクロロエチル)ホスホクロリドである場合に特に有利に用いることができる。
一般式3と一般式4の化合物との結合反応は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜100℃、極めて好ましくは20〜50℃の温度で行われる。
第二の態様によれば、本発明は、その第一の態様により得られた生成物に関する。
第三の態様によれば、本発明は、少なくとも1種の遷移金属、好ましくは亜鉛の存在下に、その第二の態様による生成物に置換基R1およびR2の切断を受けさせる段階を含む、式4:
Figure 2006509023
の化合物の製造方法に関する。
置換基R1およびR2は2種の異なる遷移金属、好ましくは亜鉛および銅の存在下で、より有利に切断される。
また、式4の化合物は、それをイオン交換樹脂上に通すことにより精製することができる。
第五の態様によれば、本発明は、その第四の態様に従う方法により得られた生成物に関する。
第六の態様によれば、本発明は、その第五の態様による生成物を、金属カチオンのアルカリ化合物で加塩する段階を含み、該金属カチオンがLi、NaおよびKから選択される、一般式5:
Figure 2006509023
(式中、R5およびR6の各々はH、Li、NaおよびKからなる群から独立して選択され、ただし、R5およびR6の少なくとも一方はLi、NaまたはKであるものとする)の化合物の製造方法に関する
金属カチオンの好ましいアルカリ化合物はLiOH、NaOHおよびKOHから選択することができる。NaOHが好ましいだろう。
第七の態様によれば、本発明は、その第六の態様に従う方法により得られた生成物に関する。
第八の態様によれば、本発明は、その第五または第七の態様による生成物を、製薬上許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
第九の態様によれば、本発明は、病的状態、好ましくは癌の治療に有用である医療品を製造するための、その第五または第七の態様による生成物の使用に関する。
第十の態様によれば、本発明は、一般式1
Figure 2006509023
の生成物に関し、
式中、
(i) R1およびR2が独立して、同一または異なる置換基であるか、またはそのほかに、R1およびR2が一緒になって単一の置換基を形成し;
(ii) R1およびR2が、リン酸エステルまたはリン酸基の形成をもたらす少なくとも1種の遷移金属の存在下で切断可能である;
そして
(i) R1およびR2がハロゲン化脂肪族基であり、または
(ii) R1およびR2が一緒になって単一のハロゲン化脂肪族基を形成する。
好ましいハロゲン化脂肪族基は炭化水素に基づく鎖、例えば、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される少なくとも1個のハロゲンを含むアルキル、シクロアルキルである。
炭化水素に基づく鎖は、遊離末端部分がペルハロゲン化されているもの、好ましくは−CH2−RClから有利に選択されるだろう。RClは脂肪族の直鎖または環状のペルクロロ化残基である。
極めて好ましい置換基R1およびR2は、それぞれ2,2,2−トリクロロエチル置換基である。
図1は、本発明に係る方法を用いて、コルヒセイン(I)から出発してコルヒノールリン酸エステルのナトリウム塩(VI)のための合成経路を示す。
第一段階において、芳香族ヨウ素化誘導体(II)を70%の収率で製造するために、コルヒセイ(I)をヨウ素の存在下に水酸化ナトリウムと反応させる。次いで、N−アセチルコルヒノール(III)を82.9%の収率で製造するために、該誘導体(II)を亜鉛/酢酸混合物との反応により還元する。
N−アセチルコルヒノール(III)のフェノール官能基をリン酸誘導体でエステル化して、化合物(IV)を80%の収率で製造する。第四段階において、化合物(IV)上のリン酸エステルをZn−Cuアマルガムで脱保護してリン酸(V)を77%の収率で与え、次いで後者を加塩してコルヒノールリン酸エステル(VI)を製造し、98.3%の収率で得る。
図1に示した段階を下記の実施例によりさらに詳細に説明する。
生成物(II): N−[(5S)−3−ヒドロキシ−2−ヨード−9,10,11−トリメトキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,c]シクロヘプテン−5−イル]アセトアミド
Figure 2006509023
3リットルの水、150gのNaOHペレットおよび150.2gのコルヒセイン(I)を、30リットルの反応器に装入する。得られた溶液を0〜5℃に冷却し、次いで15リットルの水、1.350kgのNaIおよび300gのI2を含む溶液を、攪拌しながら1時間にわたって5℃を超えないように加える。得られた有機溶液を0〜5℃で1時間攪拌し、次いで250mlの10重量%Na225水溶液を加える。生成した溶液を185mlの濃HCl水溶液の添加により酸性化し、次いで70mlの10重量%Na225水溶液を加える。生成物を結晶化する。この溶液を0〜5℃で1時間攪拌し、結晶を濾別し、125mlの水で6回洗浄し、60℃で真空乾燥する。177.7g(94.5%)の黄土色結晶を集める。
分析:融点=210℃。
上記で得た全生成物を1.7リットルの沸騰エタノールに溶解し、熱しながら濾過した後、冷却する。生成物は自然に結晶化する。結晶を集め、70mlの氷冷エタノール、次いで40mlの氷冷エタノールで2回洗浄した後、60℃で真空乾燥する。131.4g(74%)の生成物(II)の緑色結晶を集める。
分析:融点236℃。全収率=70%。
生成物(III): N−[(5S)−3−ヒドロキシ−9,10,11−トリメトキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,c]シクロヘプテン−5−イル]アセトアミド
Figure 2006509023
2.6リットルの酢酸および131gの生成物(II)を含む溶液を、機械的攪拌器、窒素注入口および冷却器を備えた6リットルの3頚フラスコに導入する。393gの亜鉛末をこの溶液に周囲温度(18℃)で速やかに加える。生成した灰色懸濁液を沸点に1時間保ち、次いで周囲温度に冷却する。固体残留物を濾別し、175mlの酢酸で2回洗浄し、17リットルの氷冷水を入れた50リットルの分離器中に濾液を集める。酸性水相を1.5リットルのクロロホルム、次いで1リットルのクロロホルムで3回抽出する。有機相をプールし、1リットルの水で2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、次いで溶剤を減圧蒸留して残留物を非晶質泡状物の形で得る。後者を200mlのエタノールに溶解し、次いで400mlの水を徐々に加える。溶液は混濁状態となり、次いで結晶化する。結晶を集め、40mlのエタノール/水:1/2(vol/vol) の氷冷溶液で2回すすぎ、次いで60℃で真空乾燥する。80.3g(82.9%)の生成物(III)の緑色結晶を得る。分析:融点=157℃。
生成物(IV): (5S)−5−アセチルアミノ−9,10,11−トリメトキシ−6,7
−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,c]シクロヘプテン−3−イルリン酸ビス(2,2,2−ト
リクロロエチル)
Figure 2006509023
78.2gの生成物(III)を1.175リットルのジクロロメタン中の懸濁液として、機械的攪拌器、窒素注入口および滴下ロートを備えた4リットルの3頚フラスコに導入する。61.5mlのトリエチルアミンを、7分の期間にわたって周囲温度で加える。混合物は褐色になる。生成した溶液を20分間攪拌し、次いで166gのClP(O)(OCH2CCl3)2(ビス(2,2,2−トリクロロエチル)ホスホクロリド) および400mlのジクロロメタンを含む溶液を40分の期間にわたって加える。反応媒質の温度を28℃を超えないように調節する。この溶液を2時間攪拌し、次いで750mlの水の添加により分解する。有機相を分離し、順次に、(i) 375mlの水および375mlの飽和NaHCO3溶液を含む溶液、次いで (ii) 750mlの水で洗浄する。有機相をNa2SO4上で乾燥し、溶剤を減圧蒸発除去して緑色樹脂状物を得る。
この緑色樹脂状物の全部を、シリカゲル上で7/3ジクロロメタン/酢酸エチル混合物を用いてクロマトグラフィーにかける。122.67g(80%)の生成物(IV)の白色泡状物を集める。
分析: 1H NMR, 400 MHz, (CD3)SO; δ (ppm) : 1.88 (3H, s); 1.90 (1H, 未分解ピーク); 2.03 (1H, 未分解ピーク); 2.18 (1H, 未分解ピーク); 2.53 (1H, 未分解ピーク); 3.50 (3H, s); 3.78 (3H, s); 3.84 (3H, s); 4.50 (1H, 未分解ピーク); 4.95 (4H, 未分解ピーク); 6.79 (1H, s); 7.27 (2H, 未分解ピーク); 7.36 (1H, d, J = 8.5Hz); 8.42 (1H, d, J = 9.0Hz)。
生成物(V): (5S)−5−アセチルアミノ−9,10,11−トリメトキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,c]シクロ−ヘプテン−3−イルリン酸
Figure 2006509023
3.065リットルの酢酸および111.2gの酢酸銅を、機械的攪拌器、窒素注入口および冷却器を備えた第一の6リットルの3頚フラスコに導入する。この懸濁液を100℃にし、次いで228.8gの亜鉛末を攪拌しながら速やかに加える。加熱を25分間維持し、次いでこの懸濁液を周囲温度に戻す。この懸濁液を沈降により分離し、上澄み液を窒素雰囲気中での吸引により吸収させ、1700mlの酢酸を第一の3頚フラスコに導入する。この懸濁液を攪拌し、沈降により分離する。上澄み液を吸引により吸収させる。洗浄、沈降による分離および吸引からなる段階を、1リットルのDMFを用いて2回繰り返す。これら2回の追加の洗浄が終了したとき、1リットルのDMFを第一の3頚フラスコに導入し、全混合物を窒素雰囲気中で放置する。
122.6gの生成物(IV)を1870mlのDMF中の溶液として、機械的攪拌器、窒素注入口および冷却器を備えた第二の6リットルの3頚フラスコに導入する。次いで180.6gのペンテン−1,4−ジオンおよび340mlのDMFを加える。次いで第一の3頚フラスコ中で製造した懸濁液を、この混合物に速やかに加えた後、240mlのDMFを第二の3頚フラスコに導入する。反応媒質を55℃で1時間加熱し、次いで周囲温度に冷却する。残留物を濾過し、340mlのDMFで2回洗浄し、濾液をプールし、周囲温度で一夜放置した後、溶剤を減圧蒸発させる。残留物を、5780mlのアセトニトリルおよび1930mlの水を含む混合物に溶解した後、2リットルの水、次いで1リットルの水で2回予備洗浄した1600gのDowex 50WX8樹脂を溶液に加える。この混合物を約10分間攪拌し、次いで樹脂を濾別し、450mlのアセトニトリル/水:3/1(vol/vol) 混合物で2回洗浄する。濾液を30〜35℃の温度で減圧(50〜60mbar(50〜60hPa))下に濃縮する。アセトニトリルを蒸発除去すると、生成物は水から結晶化する。この結晶を集め、次いでCaCl2の存在下に40℃で真空乾燥する。59.05g(77%)の生成物(V)の白色結晶を得る。
分析: 1H NMR, 400 MHz, (CD3)SO; δ (ppm) : 1.88 (3H, s); 1.88 (1H, 未分解ピーク); 2.05 (1H, 未分解ピーク); 2.15 (1H, 未分解ピーク); 2.51 (1H, 未分解ピーク); 3.51 (3H, s); 3.78 (3H, s); 3.84 (3H, s); 4.51 (1H, 未分解ピーク); 6.77 (1H, s); 7.13 (2H, 未分解ピーク); 7.28 (1H, d, J = 8.5Hz); 8.39 (1H, d, J = 9.0Hz)。
生成物(VI): (5S)−5−アセチルアミノ−9,10,11−トリメトキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,c]シクロヘプテン−3−イルリン酸二ナトリウム
Figure 2006509023
58.6gの上記で得た生成物(V)を、機械的攪拌器を備えた2リットルの3頚フラスコに入れた600mlの水中に懸濁させる。263.5mlの1N NaOHをこの懸濁液に、反応媒質の温度が10℃を超えないように注意して、9≦pH≦10が得られるまで、徐々に注ぐ。得られた淡黄色溶液を濾過し、次いで30℃で15〜20mbar(15〜20hPa)で蒸発させて、残留物を黄色樹脂状物の形で得る。後者を340mlのエタノールに溶解し、生成物を510mlのジエチルエーテルの添加により沈殿させる。沈殿を濾別し、170mlのジエチルエーテルで2回洗浄し、CaCl2の存在下に40℃で減圧乾燥して、63.39g(98.3%)の予期した生成物(VI)を白色粉末の形態で得る。
分析: 1H NMR, 400 MHz, D2O; δ (ppm) : 2.01 (1H, 未分解ピーク); 2.10 (3H, s); 2.26 (1H, 未分解ピーク); 2.26 (1H, 未分解ピーク); 2.54 (1H, 未分解ピーク); 3.63 (3H, s); 3.89 (6H, s); 4.51 (1H, dd, J = 6.0 および 12.0Hz); 6.85 (1H, s); 7.20 (1H, d, J = 2.5Hz); 7.26 (1H, dd, J = 2.5 および 8.5Hz); 7.35 (1H, d, J = 8.5Hz)。HPLC 純度 : 98.7%
本発明に係る方法により、コルヒセイン(I)から出発してコルヒノールリン酸エステルのナトリウム塩(VI)を製造するための合成経路を示す。

Claims (35)

  1. 非芳香族アミン官能基を含む化合物の存在下で、
    一般式2:
    Figure 2006509023
    の化合物と一般式3:
    Figure 2006509023
    の化合物とを結合させることからなる段階を含む、
    一般式1:
    Figure 2006509023
    の生成物の製造方法であって、
    式中、
    (i) R1およびR2はアルキル、シクロアルキル、置換されたアルキルおよび置換されたシクロアルキルからなる群より独立して選択されるか、
    (ii) または、R1およびR2は一緒になって、アルキル、シクロアルキル、置換されたアルキルおよび置換されたシクロアルキルから選択される単一の置換基を形成し、
    (iii) R3およびR4は不安定な置換基である、
    上記の方法。
  2. 非芳香族アミン官能基を含む化合物がトリアルキルアミンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. トリアルキルアミンがトリエチルアミンであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 反応がハロゲン化溶剤の存在下に行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. ハロゲン化溶剤がジクロロメタンであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. (i) R1およびR2がハロゲン化脂肪族基であるか、または、
    (ii) R1およびR2が一緒になって単一のハロゲン化脂肪族基を形成する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. ハロゲン化脂肪族基が炭素系鎖であること、そしてそれが塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される少なくとも1個のハロゲンを含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 炭素系鎖がペルハロゲン化遊離末端部分を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. ペルハロゲン化遊離末端部分を含む炭素系鎖が−CH2−RClであり、RClがペルクロロ化残基であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. R1およびR2がそれぞれ2,2,2−トリクロロエチル置換基であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. R3がH、Li、NaおよびKから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  12. R3がHであることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. R4がCl、BrおよびIから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  14. R4がClであることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 一般式1の化合物が(5S)−5−アセチルアミノ−9,10,11−トリメトキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,c]シクロヘプテン−3−イルリン酸ビス(2,2,2-トリクロロエチル)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  16. 一般式2の化合物がN-[(5S)-3-ヒドロキシ-9,10,11-トリメトキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,c]シクロヘプテン−5−イル]アセトアミドであること、そして一般式3の化合物がビス(2,2,2−トリクロロエチル)ホスホクロリドであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  17. 一般式2の化合物と一般式3の化合物との結合反応が0〜100℃の温度で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  18. 結合反応が20〜100℃の温度で行われることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 結合反応が20〜50℃の温度で行われることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. 少なくとも1種の遷移金属の存在下で、請求項1〜19の何れか1項に記載の方法により得られた生成物に置換基R1およびR2の切断を受けさせる段階を含むことを特徴とする、式4:
    Figure 2006509023
    の化合物の製造方法。
  21. 遷移金属が亜鉛であることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
  22. 置換基R1およびR2が2種の異なる遷移金属の存在下で切断されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
  23. 2種の異なる遷移金属が亜鉛および銅であることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
  24. 式4の化合物をイオン交換樹脂上に通すことによりそれを精製するための段階も含むことを特徴とする、請求項20〜23の何れか1項に記載の方法。
  25. 請求項20〜24の何れか1項に記載の方法により得られた生成物を、金属カチオンのアルカリ化合物で加塩する段階を含み、該金属カチオンがLi、NaおよびKから選択されることを特徴とする、一般式5:
    Figure 2006509023
    (式中、R5およびR6の各々はH、Li、NaおよびKからなる群から独立して選択され、ただし、R5およびR6の少なくとも一方はLi、NaまたはKであるものとする)の化合物の製造方法。
  26. 金属カチオンのアルカリ化合物がLiOH、NaOHおよびKOHから選択されることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  27. 金属カチオンのアルカリ化合物がNaOHであることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
  28. 請求項1〜27の何れか1項に記載の方法により得られた生成物を、製薬上許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物。
  29. 病的状態の治療に有用である医療品を製造するための、請求項1〜27の何れか1項に記載の方法により得られた生成物の使用。
  30. 病的状態が癌であることを特徴とする、請求項29に記載の使用。
  31. 一般式1
    Figure 2006509023
    の生成物であって、
    式中、
    (iii) R1およびR2が独立して、同一または異なる置換基であるか、またはそのほかに、R1およびR2が一緒になって単一の置換基を形成すること;
    (iv) R1およびR2が、リン酸エステルまたはリン酸基の形成に導くために少なくとも1種の遷移金属の存在下で切断可能であること;
    そして
    (i) R1およびR2がハロゲン化脂肪族基であること、または
    (ii) R1およびR2が一緒になって単一のハロゲン化脂肪族基を形成すること
    を特徴とする、上記生成物。
  32. ハロゲン化脂肪族基が炭化水素に基づく鎖であること、そしてそれが塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される少なくとも1個のハロゲンを含むことを特徴とする、請求項31に記載の生成物。
  33. ハロゲン化脂肪族基の遊離末端部分がペルハロゲン化されていることを特徴とする、請求項32に記載の生成物。
  34. ハロゲン化脂肪族基が−CH2−RClであり、RClがペルクロロ化残基であることを特徴とする、請求項33に記載の生成物。
  35. R1およびR2がそれぞれ2,2,2−トリクロロエチルであることを特徴とする、請求項34に記載の生成物。
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