JP2006507307A - 黄斑変性を治療、予防および管理するための方法 - Google Patents

黄斑変性を治療、予防および管理するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、黄班変性(MD)を治療、予防および/または管理するための方法に関する。具体的な実施形態は、JNK阻害剤を単独で、あるいは第2の活性物質および/または手術もしくは理学療法と組み合わせて投与することを包含する。また、本発明の方法での使用に適した医薬組成物、単回投与形態、およびキットも開示する。

Description

本出願は、米国仮出願第60/422,896号(2002年10月31日出願)の恩恵を主張するものであり、その記載内容は全て参照により本明細書中に含まれるものとする。
1. 発明の分野
本発明は、黄斑変性(MD)とその関連症候群を治療、予防および/または管理するための方法であって、JNK阻害剤を単独で、または公知の治療法と組み合わせて投与することを含む該方法に関する。また本発明は、医薬組成物および投与プログラムにも関する。特に本発明は、JNK阻害剤を、外科的介入および/または黄斑変性に対する別の標準的な療法と併せて使用することを含む。
2. 発明の背景
2.1 黄斑変性の病理生物学
黄斑変性(MD)は、加齢性黄斑変性(AMD)とも呼ばれる、斑が損傷を受けることにより中心視野が破壊される眼病である。この斑は、網膜、すなわち眼球内面の大部分を覆う神経細胞からなる薄層の一部である。網膜内の神経細胞は、光を感知し、目が見ているものについての信号を脳へ送る。前記の斑は眼球背面の網膜の中心付近にあって、動物がその前方のものに焦点を合わせる際に利用する明瞭で鮮明な中心視野を提供している。網膜の他の部分は側面(周辺)視野を提供している。
MDには2つの型、すなわち滲出型(湿性)と萎縮型(乾性)がある(Riordan-Eva,P., Eye, in Current Medical Diagnosis and Treatment, 第41版、210-211(2002))。患者の90%は乾性であり、湿性はわずか10%にすぎない。しかし、湿性の患者は、その視力を最大で90%も失う可能性がある(DuBosar,R., J. of Ophthalmic Nursing and Technology, 18:60-64(1998))。
黄斑変性は、ドルーゼンを生じた眼内で、脈絡膜新血管形成(CNVM)および/または網膜色素上皮(RPE)の地図状萎縮が見られる場合に起こる(Bird,A.C., Surv.Ophthamol. 39:367-74(1995))。ドルーゼンとは、眼底の、神経網膜の外側に位置する丸みを帯びた白色〜黄色斑点のことである。MDのさらなる症状としては、RPE剥離(PED)および黄斑部円板状瘢痕組織が挙げられる(Algvere,P.V., Acta Ophthalmologica Scandinavica 80:136-143(2002))。
脈絡膜新血管形成は、多種多様な網膜疾患と関係しているが、MDと関連していることが最も多い疾患である。CNVMは、脈絡膜(網膜のすぐ下に位置する、血管が豊富な組織層)から発生した異常血管が網膜の層を貫通して伸びていることを特徴とする。これらの新しい管は非常に脆くて容易に破れてしまうため、結果として血液および体液が網膜の層の内部に溜まることになる。管が漏出すると、それらが繊細な網膜組織を障害するため、視力が低下する。症状の重症度は、CNVMの規模、および斑へのその近接度によって決まる。患者の症状は、視界にぼやけたり歪んだりする領域があるといった非常に軽度のものであるかもしれず、または中心盲点といったより重度のものであるかもしれない。
ドルーゼンおよび場合によっては色素異常があってもCNVMまたは地図状萎縮がみられない患者は、通常は加齢性黄斑変性(ARM)(同上)と診断される。ARMおよびMDの組織病理学的特質は、RPE細胞基底部のブルーフ膜の内部に堆積した微細な細粒状物質からなる連続層である(Sarks,J.P.ら、Eye 2(Pt.5):552-77(1988))。もっとも、これらの基底堆積物は、継続的なRPE食作用によって生じた老廃物、または光受容体外節構成要素として蓄積するものである。この基底堆積物のためにブルーフ膜が肥厚化し、その透過性が低下する。透水性が低下すると栄養素の交換が滞り、水が閉じ込められて軟性ドルーゼンおよびPEDの発達が促進され、最終的にはRPE細胞の萎縮が生じるという仮説が立てられている(同上)。しかし、ARMおよびMDの病因に対する現在の総合的な理解は不十分である(Cour,M.ら、Drugs Aging 19:101-133(2002))。
MDは、高齢者、すなわち最も急速に成長している人口区分で一番多くみられるため、MDは経済的かつ社会的に重大な問題となるに違いない。黄斑変性は、先進国では60歳歳以上の人々がその視力を喪失する最大の原因となっている。黄斑変性によってこれまでに170万人のアメリカ人の中心視野が完全に破壊されており、さらに別の1100万人の人々が危険に晒されている(Dubosar,R., J. of Ophthalmic Nursing and Technology, 18:60-64(1998))。現在のところ、公知の治療法は無い(Rhoodhooft,J., Bull.Soc.belge Ophtalmol. 276:83-92(2000))。従って、MDの効果的な治療方法が至急必要とされている。
2.2 黄斑変性の治療
最近までは、レーザー光凝固がMDに対して通常用いられる唯一の治療法であったが、この治療法では穏やかな効果しか得られない。レーザー光凝固は、強い光線を利用することにより網膜の小領域と斑の下の異常血管を焼くレーザー手術の1種である。焼いた跡は瘢痕組織となって血管を密閉し、それらの血管が斑の下で漏出するのを防ぐ。レーザー光凝固は、湿性MDの患者にのみ有効である。さらに言えば、レーザー光凝固は、それらの患者のうちの約13%に対してのみ実施可能な選択肢である(Joffe,L.ら、International Ophthalmology Clinics 36(2):99-116(1996))。レーザー光凝固は、湿性MDを治すものではなく、むしろ時折その進行を遅らせたり中心視野のさらなる喪失を予防したりするものである。しかし、治療せずにいれば、湿性MDによる視力の低下は、患者がその中心視野を完全に失うまで進行するかもしれない。
レーザー手術の最も重大な欠点は、レーザーが光に反応する斑内の神経細胞の一部に損傷を与えることによって若干の視力低下を招くということである。時には、手術によって生じた視力低下が、無治療の結果生じた視力低下と同じくらい深刻であるか、またはもっと酷いことがある。しかし、一部の患者では、レーザー手術により最初に視力が悪化するものの、より深刻な視力の低下は長期にわたって阻止される。
最近では、湿性MDを治療する際にベルテポルフィンが使用されている(Cour,M.ら、Drugs Aging 19:101-133(2002))。ベルテポルフィンは、注射を介して投与される血管閉塞
性光回復色素である。該色素は、視覚の喪失に関与する血管に移動し、その後酸素の存在下で目に非焼灼光線が照射されると活性化する。ベルテポルフィンは主にリポタンパク質によって血漿内に輸送される。活性化ベルテポルフィンは高反応性で短命の一重項酸素および反応性酸素ラジカルを生成するので、結果として新生血管の内皮が局所的に損傷を受けることになる。このため血管が閉塞する。損傷を受けた内皮は、リポオキシゲナーゼ(ロイコトリエン)およびシクロオキシゲナーゼ(トロンボキサンなどのエイコサノイド)経路を介して凝血原および血管作用性因子を放出することにより、血小板凝集、フィブリンクロット形成および血管収縮を引き起こすことが知られている。ベルテポルフィンは、脈絡膜新血管形成系を含む新血管形成系内にやや選択的に蓄積すると思われる。しかし、動物モデルでは、ベルテポルフィンが網膜内にも蓄積することが示唆されている。従って、ベルテポルフィンを投与すると、網膜色素上皮および網膜の外核層を含む網膜構造が付随的に損傷を受けるかもしれない。
MD治療のために現在研究されている別の計画は、薬理学的抗血管新生療法である(Cour,M.ら、Drugs Aging 19:101-133(2002))。しかし、抗血管新生剤であるインターフェロン-αを用いた最初の臨床試験では、これがMDの治療には効果が無く、しかも高い確率で副作用を引き起こすことが示された(Arch.Ophthalmol. 115:865-72(1997))。
伝えられる所によれば、トリアムシノロンの硝子体内注射(intravitreal injection)は、サルにおいてレーザー誘発性CNVMの成長を阻害するものの、無作為化試験におけるMD患者の重度の視力低下を1年以上にわたって阻止することはできない(Gillies,M.C.ら、Invest.Ophthalmol.Vis.Sci. 42:S522(2001))。血管新生抑制ステロイド(例えば、酢酸アネコルタブ, Alcon)および血管表皮増殖因子(VEGF)抗体またはそのフラグメントを含む数多くの他の抗血管新生薬が、MD患者に使用するための種々の開発段階にある(Guyer,D.R.ら、Invest.Opthalmol.Vis.Sci. 42:S522(2001))。こうしたVEGF抗体の1つはrhuFabである。MD治療用さらなる新薬としては、EYE101(Eyetech Pharmaceuticals)、LY333531(Eli Lilly)、Miravantおよび埋め込み製剤RETISERT(Baush & Lomb)(該製剤は最長で3年間眼内にステロイドを放ち続ける)が挙げられる。。
MDとその関連黄斑変性疾患を治療するための新規かつ有望な計画が研究されているものの、利用しうる効果的な治療法は未だ存在しない。従って、当分野では依然として、MDに対する効果的な治療法が必要とされている。
2.3 Jun-N末端キナーゼ
3種のc-Jun N末端キナーゼ(JNK)酵素が同定されている。これらは3種の遺伝子JNK1、JNK2、およびJNK3が選択的にスプライシングを受けた形態をとっている(Hibi M., Lin A., Smeal T., Minden A., Karin M. Genes Dev. 7:2135-2148, 1993; Mohit A.A., Martin M.H.およびMiller C.A. Neuron 14:67-78, 1995; Gupta,S., Barrett,T., Whitmarsh,A.J., Cavanagh,J., Sluss,H.K., Derijard,B.およびDavis,R.J. The EMBO J. 15:2760-2770, 1996)。JNK経路の活性化は数多くの疾患背景において記録されており、このことが創薬時にこの経路を標的とする理論的根拠となっている。さらに、分子遺伝学的アプローチにより、幾つかの疾患におけるJNK経路の病原的役割が確認されている。TNF-α、IL-2、E-セレクチン、およびマトリックスメタロプロテアーゼ(例えば、コラゲナーゼ1)を含む多くの遺伝子は、転写因子AP-1およびATF-2の活性化を介してJNK経路により調節されている(Manning A.M.およびMercurio F., Exp Opin Invest Drugs, 6:555-567, 1997)。
3. 発明の概要
本発明は、MDを治療および/または予防するための方法であって、MDの治療および/または予防を必要とする患者に有効量のJNK阻害剤を投与することを含む該方法を包含する。また本発明は、MDを管理する(例えば、寛解期間を延長する)ための方法であって、MDの管理を必要とする患者に有効量のJNK阻害剤を投与することを含む該方法も包含する。
本発明の別の実施形態は、有効量のJNK阻害剤を、MDを治療、予防および/または管理するのに有用な別の治療薬(例えば、限定するものではないが、ステロイド、光感作物質、インテグリン、抗酸化物質、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、神経栄養因子、新血管形成調節因子、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物性エストロゲン、抗炎症化合物、IMiD(登録商標)、SelCID(登録商標)、もしくは抗血管新生化合物、またはそれらの組み合わせ)と組み合わせて使用することを包含する。
本発明のさらに別の実施形態は、MDを治療、予防および/または管理するための方法であって、MDの治療、予防および/または管理を必要とする患者に、有効量のJNK阻害剤を、MDを治療または予防する際に用いられる従来の療法、例えば、限定するものではないが、外科的介入(例えば、レーザー光凝固療法および光線力学療法)と組み合わせて投与することを包含する。
本発明はさらに、有効量のJNK阻害剤を含む、MDを治療、予防および/または管理する際の利用に適した医薬組成物、単回投与形態(single unit dosage forms)、およびキットを包含する。
以下の詳細な説明および実施例を用いて、本発明の非限定的な実施形態について説明する。
3.1 定義
本明細書中で使用する場合、「黄斑変性」または「MD」という用語は、患者の年齢とは無関係にあらゆる形態の黄斑変性疾患を包含するが、一部の黄斑変性疾患は特定の年齢層でより多くみられる。これらの疾患としては、限定するものではないが、ベスト病または卵黄様変性(約7歳未満の患者に最も多くみられる)、シュタルガルト病、若年性黄斑ジストロフィまたは黄色斑眼底(約5〜約20歳の患者に最も多くみられる)、ベール病、ソーズビー病、ドイン病または蜂巣状ジストロフィ(約30〜約50歳の患者に最も多くみられる)、および加齢性黄斑変性(約60歳以上の患者に最も多くみられる)が挙げられる。ある実施形態では、黄斑変性疾患の原因は遺伝的要因である。別の実施形態では、黄斑変性疾患の原因は物理的な外傷である。別の実施形態では、黄斑変性疾患の原因は糖尿病である。別の実施形態では、黄斑変性疾患の原因は栄養失調である。別の実施形態では、黄斑変性疾患の原因は感染症である。
本明細書中で使用する場合、「患者」という用語は、動物(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、七面鳥、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギまたはモルモット)、好ましくは非霊長類および霊長類(例えば、サルまたはヒト)などの哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を有する飽和した直鎖または分岐の非環状炭化水素を意味する。「低級アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する前記アルキルを意味する。代表的な飽和直鎖アルキルとしては-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル、-n-ヘキシル、-n-ヘプチル、-n-オクチル、-n-ノニルおよび-n-デシルが挙げられ、一方の飽和分岐鎖アルキルとしては、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルヘキシル、2,4-ジメチルヘキシル、2,5-ジメチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,2-ジメチルヘキシル、3,3-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルヘキシル、4,4-ジメチルヘキシル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、2-エチルヘキシル、3-エチルヘキシル、4-エチルヘキシル、2-メチル-2-エチルペンチル、2-メチル-3-エチルペンチル、2-メチル-4-エチルペンチル、2-メチル-2-エチルヘキシル、2-メチル-3-エチルヘキシル、2-メチル-4-エチルヘキシル、2,2-ジエチルペンチル、3,3-ジエチルヘキシル、2,2-ジエチルヘキシル、3,3-ジエチルヘキシルなどが挙げられる。
「アルケニル基」または「アルキリデン」は、2〜10個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1つの炭素間二重結合を含む、直鎖または分岐の非環状炭化水素を意味する。代表的な直鎖および分岐の(C2-C10)アルケニルとしては、-ビニル、-アリル、-1-ブテニル、-2-ブテニル、-イソブチレニル、-1-ペンテニル、-2-ペンテニル、-3-メチル-1-ブテニル、-2-メチル-2-ブテニル、-2,3-ジメチル-2-ブテニル、-1-ヘキセニル、-2-ヘキセニル、-3-ヘキセニル、-1-ヘプテニル、-2-ヘプテニル、-3-ヘプテニル、-1-オクテニル、-2-オクテニル、-3-オクテニル、-1-ノネニル、-2-ノネニル、-3-ノネニル、-1-デセニル、-2-デセニル、-3-デセニルなどが挙げられる。アルケニル基は、置換されていなくても、置換されていてもよい。「環状アルキリデン」は、3〜8個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1つの炭素間二重結合を含む環であって、該環は1〜3個のヘテロ原子を有していてもよい。
「アルキニル基」は、2〜10個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1つの炭素間三重結合を有する直鎖または分岐の非環状炭化水素を意味する。代表的な直鎖および分岐の-(C2-C10)アルキニルとしては、-アセチレニル、-プロピニル、-1-ブチニル、-2-ブチニル、-1-ペンチニル、-2-ペンチニル、-3-メチル-1-ブチニル、-4-ペンチニル、-1-ヘキシニル、-2-ヘキシニル、-5-ヘキシニル、-1-ヘプチニル、-2-ヘプチニル、-6-ヘプチニル、-1-オクチニル、-2-オクチニル、-7-オクチニル、-1-ノニニル、-2-ノニニル、-8-ノニニル、-1-デシニル、-2-デシニル、-9-デシニルなどが挙げられる。アルキニル基は、置換されていなくても、置換されていてもよい。
「ハロゲン」および「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
「ハロアルキル」は、アルキルが先に定義した通りである、1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。
「ケト」はカルボニル基(すなわち、C=O)を意味する。
「アシル」は、アルキルが先に定義した通りである-C(O)アルキル基、例えば、-C(O)CH3、-C(O)CH2CH3、-C(O)(CH2)2CH3、-C(O)(CH2)3CH3、-C(O)(CH2)4CH3、-C(O)(CH2)5CH3などを意味する。
「アシルオキシ」は、アルキルが先に定義した通りである-OC(O)アルキル基、例えば、-OC(O)CH3、-OC(O)CH2CH3、-OC(O)(CH2)2CH3、-OC(O)(CH2)3CH3、-OC(O)(CH2)4CH3、-OC(O)(CH2)5CH3などを意味する。
「エステル」は、アルキルが先に定義した通りである-C(O)Oアルキル基、例えば、-C(O)OCH3、-C(O)OCH2CH3、-C(O)O(CH2)2CH3、-C(O)O(CH2)3CH3、-C(O)O(CH2)4CH3、-C(O)O(CH2)5CH3などを意味する。
「アルコキシ」は、アルキルが先に定義した通りである-O-(アルキル)、例えば、-OCH3、-OCH2CH3、-O(CH2)2CH3、-O(CH2)3CH3、-O(CH2)4CH3、-O(CH2)5CH3などを意味する。「低級アルコキシ」は、低級アルキルが前記の通りである-O-(低級アルキル)を意味する。
「アルコキシアルコキシ」は、各アルキルが独立して先に定義したアルキル基である-O-(アルキル)-O-(アルキル)、例えば、-OCH2OCH3、-OCH2CH2OCH3、-OCH2CH2OCH2CH3などを意味する。
「アルコキシカルボニル」は、アルキルが先に定義した通りである-C(=O)O-(アルキル)、例えば、-C(=O)O-CH3、-C(=O)O-CH2CH3、-C(=O)O-(CH2)2CH3、-C(=O)O-(CH2)3CH3、-C(=O)O-(CH2)4CH3、-C(=O)O-(CH2)5CH3などを意味する。
「アルコキシカルボニルアルキル」は、各アルキルが独立して先に定義した通りである-(アルキル)-C(=O)O-(アルキル)、例えば、-CH2-C(=O)O-CH3、-CH2-C(=O)O-CH2CH3、-CH2-C(=O)O-(CH2)2CH3、-CH2-C(=O)O-(CH2)3CH3、-CH2-C(=O)O-(CH2)4CH3、-CH2-C(=O)O-(CH2)5CH3などを意味する。
「アルコキシアルキル」は、各アルキルが独立して先に定義したアルキル基である-(アルキル)-O-(アルキル)、例えば、-CH2OCH3、-CH2OCH2CH3、-(CH2)2OCH2CH3、-(CH2)2O(CH2)2CH3などを意味する。
「アリール」は、5〜10個の環原子を含有する炭素環式芳香族基を意味する。代表例としては、限定するものではないが、フェニル、トリル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、ピリジニルおよびナフチル、ならびに5,6,7,8-テトラヒドロナフチルなどのベンゾ縮合炭素環式部分が挙げられる。炭素環式芳香族基は、置換されていなくても、置換されていてもよい。ある実施形態では、炭素環式芳香族基はフェニル基である。
「アリールオキシ」は、アリールが先に定義した通りである-O-アリール基を意味する。アリールオキシ基は、置換されていなくても、置換されていてもよい。ある実施形態では、アリールオキシ基のアリール環はフェニル基である。
「アリールアルキル」は、アルキルおよびアリールが先に定義した通りである-(アルキル)-(アリール)、例えば、-(CH2)フェニル-、-(CH2)2フェニル-、-(CH2)3フェニル-、-CH(フェニル)2-、-CH(フェニル)3-、-(CH2)トリル-、-(CH2)アントラセニル-、-(CH2)フルオレニル-、-(CH2)インデニル-、-(CH2)アズレニル-、-(CH2)ピリジニル-、-(CH2)ナフチルなどを意味する。
「アリールアルキルオキシ」は、アルキルおよびアリールが先に定義した通りである-O-(アルキル)-(アリール)、例えば、-O-(CH2)2フェニル-、-O-(CH2)3フェニル-、-O-CH(フェニル)2-、-O-CH(フェニル)3-、-O-(CH2)トリル-、-O-(CH2)アントラセニル-、-O-(CH2)フルオレニル-、-O-(CH2)インデニル-、-O-(CH2)アズレニル-、-O-(CH2)ピリジニル-、-O-(CH2)ナフチルなどを意味する。
「アリールオキシアルキル」は、アルキルおよびアリールが先に定義した通りである-(アルキル)-O-(アリール)、例えば、-CH2-O-(フェニル)、-(CH2)2-O-フェニル-、-(CH2)3-O-フェニル-、-(CH2)-O-トリル-、-(CH2)-O-アントラセニル-、-(CH2)-O-フルオレニル-、-(CH2)-O-インデニル-、-(CH2)-O-アズレニル-、-(CH2)-O-ピリジニル-、-(CH2)-O-ナフチルなどを意味する。
「シクロアルキル」は、炭素原子および水素原子を有し、かつ炭素間多重結合を持たない単環式または多環式の飽和環を意味する。シクロアルキル基の例としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルを含む(C3-C7)シクロアルキル基、ならびに飽和した環式および二環式のテルペンが挙げられる。シクロアルキル基は、置換されていなくても、置換されていてもよい。ある実施形態では、シクロアルキル基は単環式の環または二環式の環である。
「シクロアルキルオキシ」は、シクロアルキルが先に定義した通りである-O-(シクロアルキル)、例えば、-O-シクロプロピル、-O-シクロブチル、-O-シクロペンチル、-O-シクロヘキシル、-O-シクロヘプチルなどを意味する。
「シクロアルキルアルキルオキシ」は、シクロアルキルおよびアルキルが先に定義した通りである-O-(アルキル)-(シクロアルキル)、例えば、-O-CH2-シクロプロピル、-O-(CH2)2-シクロプロピル、-O-(CH2)3-シクロプロピル、-O-(CH2)4-シクロプロピル、-O-CH2-シクロブチル、-O-CH2-シクロペンチル、-O-CH2-シクロヘキシル、-O-CH2-シクロヘプチルなどを意味する。
「アミノアルコキシ」は、アルキルが先に定義した通りである-O-(アルキル)-NH2、例えば、-O-CH2-NH2、-O-(CH2)2-NH2、-O-(CH2)3-NH2、-O-(CH2)4-NH2、-O-(CH2)5-NH2などを意味する。
「モノ-アルキルアミノ」は、アルキルが先に定義した通りである-NH(アルキル)、例えば、-NHCH3、-NHCH2CH3、-NH(CH2)2CH3、-NH(CH2)3CH3、-NH(CH2)4CH3、-NH(CH2)5CH3などを意味する。
「ジ-アルキルアミノ」は、各アルキルが独立して先に定義したアルキル基である-N(アルキル)(アルキル)、例えば、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-N((CH2)2CH3)2、-N(CH3)(CH2CH3)などを意味する。
「モノ-アルキルアミノアルコキシ」は、各アルキルが独立して先に定義したアルキル基である-O-(アルキル)-NH(アルキル)、例えば、-O-(CH2)-NHCH3、-O-(CH2)-NHCH2CH3、-O-(CH2)-NH(CH2)2CH3、-O-(CH2)-NH(CH2)3CH3、-O-(CH2)-NH(CH2)4CH3、-O-(CH2)-NH(CH2)5CH3、-O-(CH2)2-NHCH3などを意味する。
「ジ-アルキルアミノアルコキシ」は、各アルキルが独立して先に定義したアルキル基である-O-(アルキル)-N(アルキル)(アルキル)、例えば、-O-(CH2)-N(CH3)2、-O-(CH2)-N(CH2CH3)2、-O-(CH2)-N((CH2)2CH3)2、-O-(CH2)-N(CH3)(CH2CH3)などを意味する。
「アリールアミノ」は、アリールが先に定義した通りである-NH(アリール)、例えば、-NH(フェニル)、-NH(トリル)、-NH(アントラセニル)、-NH(フルオレニル)、-NH(インデニル)、-NH(アズレニル)、-NH(ピリジニル)、-NH(ナフチル)などを意味する。
「アリールアルキルアミノ」は、アルキルおよびアリールが先に定義した通りである-NH-(アルキル)-(アリール)、例えば、-NH-CH2-(フェニル)、-NH-CH2-(トリル)、-NH-CH2-(アントラセニル)、-NH-CH2-(フルオレニル)、-NH-CH2-(インデニル)、-NH-CH2-(アズレニル)、-NH-CH2-(ピリジニル)、-NH-CH2-(ナフチル)、-NH-(CH2)2-(フェニル)などを意味する。
「アルキルアミノ」は、各アルキルが独立して先に定義したアルキル基である-N(アルキル)(アルキル)、例えば、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-N((CH2)2CH3)2、-N(CH3)(CH2CH3)、および各アルキルが独立して先に定義したアルキル基である-N(アルキル)(アルキル)、例えば、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-N((CH2)2CH3)2、-N(CH3)(CH2CH3)などの先に定義したモノ-アルキルアミノまたはジ-アルキルアミノを意味する。
「シクロアルキルアミノ」は、シクロアルキルが先に定義した通りである-NH-(シクロアルキル)、例えば、-NH-シクロプロピル、-NH-シクロブチル、-NH-シクロペンチル、-NH-シクロヘキシル、-NH-シクロヘプチルなどを意味する。
「カルボキシル」および「カルボキシ」は-COOHを意味する。
「シクロアルキルアルキルアミノ」は、アルキルおよびシクロアルキルが先に定義した通りである-NH-(アルキル)-(シクロアルキル)、例えば、-NH-CH2-シクロプロピル、-NH-CH2-シクロブチル、-NH-CH2-シクロペンチル、-NH-CH2-シクロヘキシル、-NH-CH2-シクロヘプチル、-NH-(CH2)2-シクロプロピルなどを意味する。
「アミノアルキル」は、アルキルが先に定義した通りである-(アルキル)-NH2、例えば、CH2-NH2、-(CH2)2-NH2、-(CH2)3-NH2、-(CH2)4-NH2、-(CH2)5-NH2などを意味する。
「モノ-アルキルアミノアルキル」は、各アルキルが独立して先に定義したアルキル基である-(アルキル)-NH(アルキル)、例えば、-CH2-NH-CH3、-CH2-NHCH2CH3、-CH2-NH(CH2)2CH3、-CH2-NH(CH2)3CH3、-CH2-NH(CH2)4CH3、-CH2-NH(CH2)5CH3、-(CH2)2-NH-CH3などを意味する。
「ジ-アルキルアミノアルキル」は、各アルキルが独立して先に定義したアルキル基である-(アルキル)-N(アルキル)(アルキル)、例えば、-CH2-N(CH3)2、-CH2-N(CH2CH3)2、-CH2-N((CH2)2CH3)2、-CH2-N(CH3)(CH2CH3)、-(CH2)2-N(CH3)2などを意味する。
「ヘテロアリール」は、5〜10員でかつ窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有し、かつ少なくとも1個の炭素原子を含有する芳香族複素環、例えば、単環式および二環式の環系両方を意味する。代表的なヘテロアリールは、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ピリミジル、オキセタニル、アゼピニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジオキサニル、チエタニルおよびオキサゾリルである。
「ヘテロアリールアルキル」は、アルキルおよびヘテロアリールが先に定義した通りである-(アルキル)-(ヘテロアリール)、例えば、-CH2-トリアゾリル、-CH2-テトラゾリル、-CH2-オキサジアゾリル、-CH2-ピリジル、-CH2-フリル、-CH2-ベンゾフラニル、-CH2-チオフェニル、-CH2-ベンゾチオフェニル、-CH2-キノリニル、-CH2-ピロリル、-CH2-インドリル、-CH2-オキサゾリル、-CH2-ベンゾオキサゾリル、-CH2-イミダゾリル、-CH2-ベンゾイミダゾリル、-CH2-チアゾリル、-CH2-ベンゾチアゾリル、-CH2-イソキサゾリル、-CH2-ピラゾリル、-CH2-イソチアゾリル、-CH2-ピリダジニル、-CH2-ピリミジニル、-CH2-ピラジニル、-CH2-トリアジニル、-CH2-シンノリニル、-CH2-フタラジニル、-CH2-キナゾリニル、-CH2-ピリミジル、-CH2-オキセタニル、-CH2-アゼピニル、-CH2-ピペラジニル、-CH2-モルホリニル、-CH2-ジオキサニル、-CH2-チエタニル、-CH2-オキサゾリル、-(CH2)2-トリアゾリルなどを意味する。
「複素環」は、飽和または不飽和であり、かつ窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜7員の単環式または7〜10員の二環式である複素環式の環、例えば、該複素環のいずれかがベンゼン環と縮合した二環式の環を意味し、ここで窒素および硫黄へテロ原子は場合によって酸化されていてもよく、また窒素へテロ原子は場合によって第4級化(quaternized)されていてもよい。複素環はいずれかのヘテロ原子または炭素原子を介して結合していてもよい。複素環としては、先に定義したヘテロアリールが挙げられる。代表的な複素環としては、モルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロプリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが挙げられる。
「フェニル環と縮合した複素環」は、複素環が先に定義した通りである、フェニル環の2個の隣接する炭素原子部位で該フェニル環と結合した複素環を意味する。
「ヘテロシクロアルキル」は、アルキルおよび複素環が先に定義した通りである-(アルキル)-(複素環)、例えば、-CH2-モルホリニル、-CH2-ピロリジノニル、-CH2-ピロリジニル、-CH2-ピペリジニル、-CH2-ヒダントイニル、-CH2-バレロラクタミル、-CH2-オキシラニル、-CH2-オキセタニル、-CH2-テトラヒドロフラニル、-CH2-テトラヒドロピラニル、-CH2-テトラヒドロピリジニル、-CH2-テトラヒドロプリミジニル、-CH2-テトラヒドロチオフェニル、-CH2-テトラヒドロチオピラニル、-CH2-テトラヒドロピリミジニル、-CH2-テトラヒドロチオフェニル、-CH2-テトラヒドロチオピラニルなどを意味する。
「置換されている(substituted)」という用語は、本明細書中で使用する場合、置換しようとする部分の少なくとも1個の水素原子が置換基で置き換えられている前記の基(すなわち、アリール、アリールアルキル、複素環およびヘテロシクロアルキル)のいずれかを意味する。ある実施形態では、置換しようとする基の各炭素原子が、わずか2個の置換基で置換されている。別の実施形態では、置換しようとする基の各炭素原子が、たった1個の置換基で置換されている。ケト置換基の場合、2個の水素原子が、二重結合を介して炭素に結合した1個の酸素で置き換えられている。置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、一-もしくは二-置換アミノアルキル、アルキルオキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-NRaRb、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)NRaRb、-NRaC(=O)ORb、-NRaSO2Rb、-ORa、-C(=O)Ra、C(=O)ORa、-C(=O)NRaRb、-OC(=O)Ra、-OC(=O)ORa、-OC(=O)NRaRb、-NRaSO2Rb、または式-Y-Z-Ra(Yはアルカンジイルまたは直接結合であり、Zは-O-、-S-、-N(Rb)-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-N(Rb)C(=O)-、-C(=O)-N(Rb)-または直接結合である)のラジカルが挙げられ、ここでRaおよびRbは同一であるかもしくは異なっていて、かつ独立して水素、アミノ、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環もしくはヘテロシクロアルキルであるか、またはRaおよびRbはそれらが結合している窒素原子と一緒になって複素環を形成しているものとする。
「ハロアルキル」は、アルキルが先に定義した通りである、1個以上の水素原子がハロゲン(ハロゲンは先に定義した通りである)で置き換えられたアルキル、例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F、-CBr3、-CHBr2、-CH2Br、-CCl3、-CHCl2、-CH2Cl、-CI3、-CHI2、-CH2I、-CH2-CF3、-CH2-CHF2、-CH2-CH2F、-CH2-CBr3、-CH2-CHBr2、-CH2-CH2Br、-CH2-CCl3、-CH2-CHCl2、-CH2-CH2Cl、-CH2-CI3、-CH2-CHI2、-CH2-CH2Iなどを意味する。
「ヒドロキシアルキル」は、アルキルが先に定義したとおりである、1個以上の水素原子がヒドロキシで置き換えられたアルキル、例えば、-CH2OH、-CH2CH2OH、-(CH2)2CH2OH、-(CH2)3CH2OH、-(CH2)4CH2OH、-(CH2)5CH2OH、-CH(OH)-CH3、-CH2CH(OH)CH3などを意味する。
「ヒドロキシ」は-OHを意味する。
「スルホニル」は-SO3Hを意味する。
「スルホニルアルキル」は、アルキルが先に定義した通りである-SO2-(アルキル)、例えば、-SO2-CH3、-SO2-CH2CH3、-SO2-(CH2)2CH3、-SO2-(CH2)3CH3、-SO2-(CH2)4CH3、-SO2-(CH2)5CH3などを意味する。
「スルフィニルアルキル」は、アルキルが先に定義した通りである-SO-(アルキル)、例えば、-SO-CH3、-SO-CH2CH3、-SO-(CH2)2CH3、-SO-(CH2)3CH3、-SO-(CH2)4CH3、-SO-(CH2)5CH3などを意味する。
「スルホンアミドアルキル」は、アルキルが先に定義した通りである-NHSO2-(アルキル)、例えば、-NHSO2-CH3、-NHSO2-CH2CH3、-NHSO2-(CH2)2CH3、-NHSO2-(CH2)3CH3、-NHSO2-(CH2)4CH3、-NHSO2-(CH2)5CH3などを意味する。
「チオアルキル」は、アルキルが先に定義した通りである-S-(アルキル)、例えば、-S-CH3、-S-CH2CH3、-S-(CH2)2CH3、-S-(CH2)3CH3、-S-(CH2)4CH3、-S-(CH2)5CH3などを意味する。
本明細書中で使用する場合、「JNK阻害剤」という用語は、限定するものではないが、本明細書中に開示した化合物を包含する。理論に縛られるつもりは無いが、特定のJNK阻害剤は、JNKの活性をin vitroまたはin vivoで阻害することができる。JNK阻害剤は、その製薬上許容しうる塩、遊離塩基、溶媒和物、水和物、立体異性体、クラスレートまたはプロドラッグの形態とすることができる。こうした阻害活性は、第5節に記載したものを含め、当分野で周知のアッセイまたは動物モデルにより測定することができる。ある実施形態では、JNK阻害剤は構造(I)〜(III)の化合物である。
本明細書中で使用する場合、他に特に明記しない限り、「予防する(prevent)」、「予防する(preventing)」または「予防(prevention)」という用語は、限定するものではないが、MDまたはMDの症状を抑制することを含む。MDの症状としては、限定するものではないが、失明、中心視野の喪失、視界不良、乱視および盲点が挙げられる。
本明細書中で使用する場合、他に特に明記しない限り、「治療する(treat)」、「治療する(treating)」または「治療(treatment)」という用語は、MDまたはMDの症状を解消することを指す。ある実施形態では、「治療する(treat)」、「治療する(treating)」または「治療(treatment)」は、MDまたはMDの症状の蔓延または悪化を最小限に抑えることを指す。
本明細書中で使用する場合、「管理する(manage)」、「管理する(managing)」または「管理(management)」という用語をMDに関連して使用する時は、JNK阻害剤を投与しようとする患者に有益な効果を提供するが、それがMDの治癒にはつながらないことを指す。ある特定の実施形態では、患者に1種以上のJNK阻害剤を投与してMDを管理することにより、MDの進行または悪化を予防する。
「JNK」は、JNK1、JNK2、またはJNK3遺伝子により発現されるタンパク質またはそのアイソフォームを意味する(Gupta,S., Barrett,T., Whitmarsh,A.J., Cavanagh,J., Sluss,H.K., Derijard,B.およびDavis,R.J. The EMBO J. 15:2760-2770(1996))。
本明細書中で使用する場合、「有効量」という表現をJNK阻害剤に関連して使用する時は、MDを治療または予防するのに有用なJNK阻害剤の量を意味する。
本明細書中で使用する場合、「有効量」という表現を第2の活性物質に関連して使用する時は、MDを治療または予防するのに有用な第2の活性物質の量を意味する。
本明細書中で使用する場合、「製薬上許容しうる塩」は、無機酸および無機塩基ならびに有機酸および有機塩基を含む、製薬上許容しうる無毒の酸または塩基から調製された塩を指す。JNK阻害剤の適切な製薬上許容しうる塩基付加塩としては、限定するものではないが、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から作られる金属塩、またはリシン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)およびプロカインから作られる有機塩が挙げられる。適切な無毒の酸としては、限定するものではないが、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フル酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、およびp-トルエンスルホン酸などの無機酸および有機酸が挙げられる。具体的な無毒の酸としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、およびメタンスルホン酸が挙げられる。同様に、具体的な塩の例としては、塩酸塩およびメシル酸塩が挙げられる。他のものは当分野で周知であるので、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第18版、Mack Publishing, Easton PA(1990)またはRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 第19版、Mack Publishing, Easton PA(1995)を参照されたい。
本明細書中で使用しており、かつ他に特に明記しない限り、「多形体」という用語は、特定の結晶配列を有するJNK阻害剤を意味する。多形体は、異なる後処理条件および/または溶媒を利用して取得することができる。具体的に言うと、多形体は、特定の溶媒におけるJNK阻害剤の再結晶化により調製することができる。
本明細書中で使用しており、かつ他に特に明記しない限り、「プロドラッグ」という用語は、生物学的条件下(in vitroまたはin vivo)で加水分解、酸化、または別の様式で反応することにより活性化合物、特にJNK阻害剤を提供しうるJNK阻害剤誘導体を意味する。プロドラッグの例としては、限定するものではないが、生加水分解性(biohydrolyzable)アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバミン酸塩、生加水分解性炭酸塩、生加水分解性ウレイド、および生加水分解性リン酸塩類似体などの生加水分解性部分を含むJNK阻害剤の誘導体ならびに代謝産物が挙げられる。好ましくは、カルボキシル官能基を有する化合物のプロドラッグは、カルボン酸の低級アルキルエステルである。都合の良いことに、カルボン酸エステルは、分子上に存在するいずれかのカルボン酸部分をエステル化することにより形成される。プロドラッグは、典型的には周知の方法、例えば、Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery第6版(Donald J. Abraham編、2001, Wiley)およびDesign and Application of Prodrugs(H.Bundgaard編、1985, Harwood Academic Publishers Gmfh)に記載の方法を用いて調製することができる。
本明細書中で使用しており、かつ他に特に明記しない限り、「立体異性体」または「立体異性体として純粋(stereomerically pure)」という用語は、化合物のある1つの立体異性体であって、該化合物の他の立体異性体を実質的に含まないものを意味する。例えば、1個のキラル中心を有する、立体異性体として純粋な化合物は、該化合物の逆の鏡像異性体を実質的に含まないだろう。2個のキラル中心を有する、立体異性体として純粋な化合物は、該化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まないだろう。典型的な、立体異性体として純粋な化合物は、約80重量%超の該化合物のある1つの立体異性体および約20重量%未満の該化合物の他の立体異性体、より好ましくは約90重量%超の該化合物のある1つの立体異性体および約10重量%未満の該化合物の他の立体異性体、さらに好ましくは約95重量%超の該化合物のある1つの立体異性体および約5重量%未満の該化合物の他の立体異性体、最も好ましくは約97重量%超の該化合物のある1つの立体異性体および約3重量%未満の該化合物の他の立体異性体を含む。
4. 本発明の詳細な説明
4.1 JNK阻害剤の具体例
先に記載した通り、本発明は、MDを治療、予防および/または管理するのに有用な方法であって、MDの治療、予防および/または管理を必要とする患者に有効量のJNK阻害剤を投与することを含む該方法に向けられている。JNK阻害剤の具体例を以下に記載する。
ある実施形態では、JNK阻害剤は、下記構造(I):
Figure 2006507307
〔式中、
Aは直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)b-CH=CH(CH2)c-、または-(CH2)bC≡C(CH2)c-であり、
R1は、アリール、ヘテロアリールまたはフェニルと縮合した複素環であり、それぞれR3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、
R2は-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5または-(CH2)bSO2NR5R6であり、
aは1、2、3、4、5または6であり、
bおよびcは同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ0、1、2、3または4から独立して選択され、
dはそれぞれ0、1または2であり、
R3はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SO2NR8R9、-NR8SO2R9、-CN、-NO2、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、またはフェニルと縮合した複素環であり、
R4は、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環もしくはヘテロシクロアルキルであり、それぞれR3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、またはR4はハロゲンもしくはヒドロキシであり、
R5、R6およびR7は同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環またはヘテロシクロアルキルであり、ここでR5、R6およびR7はそれぞれR3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、さらに
R8およびR9は同一であるかもしくは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、もしくはヘテロシクロアルキルであるか、またはR8およびR9はそれらが結合している1個もしくは複数の原子と一緒になって複素環を形成しており、ここでR8、R9、および一緒になって複素環を形成しているR8とR9はそれぞれ、R3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよい〕
を有する。
ある実施形態では、-A-R1-は、場合によってハロゲン、アルコキシ、-NR8C(=O)R9、-C(=O)NR8R9、および-O(CH2)bNR8R9から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、ここでbは2または3であり、かつR8およびR9は先に定義した通りであるものとする。
別の実施形態では、R2は、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5または-(CH2)bSO2NR5R6であり、かつbは0〜4の整数である。
別の実施形態では、R2は、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、3-トリアゾリルまたは5-テトラゾリルであり、ここでbは0であり、かつR8およびR9は先に定義した通りであるものとする。
別の実施形態では、R2は3-トリアゾリルまたは5-テトラゾリルである。
別の実施形態では、
(a) -A-R1-は、場合によってハロゲン、アルコキシ、-NR8C(=O)R9、-C(=O)NR8R9、および-O(CH2)bNR8R9から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されているフェニルであり、ここでbは2または3であるものとし、さらに
(b) R2は、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、3-トリアゾリルまたは5-テトラゾリルであり、ここでbは0であり、かつR8およびR9は先に定義した通りであるものとする。
別の実施形態では、
(a) -A-R1-は、場合によってハロゲン、アルコキシ、-NR8C(=O)R9、-C(=O)NR8R9、および-O(CH2)bNR8R9から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、ここでbは2または3であるものとし、さらに
(b) R2は、3-トリアゾリルまたは5-テトラゾリルである。
別の実施形態では、R2はR4であり、またR4は場合によってその5位が、
(a) 場合によってヒドロキシル基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基もしくは1-ピロリジニル基で置換されていてもよいC1-C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、あるいは
(b) 2-ピロリジニル基
で置換されている3-トリアゾリルである。
別の実施形態では、R2はR4であり、またR4は場合によってその5位が、メチル、n-プロピル、イソプロピル、1-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、1-(ジメチルアミノ)エチル、1-ピロリジニルメチルまたは2-ピロリジニルで置換されていてもよい3-トリアゾリルである。
別の実施形態では、構造(I)の化合物は、Aが直接結合である場合には構造(IA)を、またAが-(CH2)a-である場合には構造(IB)を有する。
Figure 2006507307
他の実施形態では、構造(I)の化合物は、Aが-(CH2)b-CH=CH(CH2)c-である場合には構造(IC)を、またAが-(CH2)bC≡C(CH2)c-である場合には構造(ID)を有する。
Figure 2006507307
本発明のさらなる実施形態では、構造(I)のR1は、下記構造(IE):
Figure 2006507307
で表されるフェニルまたは置換フェニルなどのアリールまたは置換アリールである。
別の実施形態では、構造(I)のR2は-(CH2)bNR4(C=O)R5である。この実施形態のある態様では、b=0であり、またこの化合物は、下記構造(IF):
Figure 2006507307
を有する。
構造(I)の化合物の代表的なR2基としては、アルキル(例えば、メチルおよびエチル)、ハロ(例えば、クロロおよびフルオロ)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、アルコキシ(例えば、メトキシおよびエトキシ)、アミノ、アリールアルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ)、モノ-またはジ-アルキルアミン(例えば、-NHCH3、-N(CH3)2および-NHCH2CH3)、R6が置換または非置換のフェニルまたはヘテロアリール(例えば、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、エステル、アルコキシ、アルキル、アリール、ハロアルキル、ハロ、-CONH2および-CONHアルキルで置換されたフェニルもしくはヘテロアリール)である-NHC(=O)R4、-NH(ヘテロアリールアルキル)(例えば、-NHCH2(3-ピリジル)、-NHCH2(4-ピリジル))、ヘテロアリール(例えば、ピラゾロ、トリアゾロおよびテトラゾロ)、R6が水素、アルキルまたは先に定義した通りである-C(=O)NHR6(例えば、-C(=O)NH2、-C(=O)NHCH3、-C(=O)NH(H-カルボキシフェニル)、-C(=O)N(CH3)2)、アリールアルケニル(例えば、フェニルビニル、3-ニトロフェニルビニル、4-カルボキシフェニルビニル)、ヘテロアリールアルケニル(例えば、2-ピリジルビニル、4-ピリジルビニルなど)が挙げられる。
構造(I)の化合物の代表的なR3基としては、ハロゲン(例えば、クロロおよびフルオロ)、アルキル(例えば、メチル、エチルおよびイソプロピル)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシおよびイソブチルオキシ)、アミノ、モノ-またはジ-アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミン)、アリール(例えば、フェニル)、カルボキシ、ニトロ、シアノ、スルフィニルアルキル(例えば、メチルスルフィニル)、スルホニルアルキル(例えば、メチルスルホニル)、スルホンアミドアルキル(例えば、-NHSO2CH3)、-NR8C(=O)(CH2)bOR9(例えば、NHC(=O)CH2OCH3)、NHC(=O)R9(例えば、-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CH2C6H5、-NHC(=O)(2-フラニル))、ならびに-O(CH2)bNR8R9(例えば、-O(CH2)2N(CH3)2)が挙げられる。
構造(I)の化合物は、当業者に公知の有機合成技術を用いて、また2002年2月7日に公開された国際公開公報第02/10137号(特に、第35頁第1行目〜第396頁第12行目の実施例1〜430)(該公報は、その全内容が参照により本明細書中に含まれるものとする)に記載されている方法により、作製することができる。さらに、これらの化合物の具体例がこの公報に記載されている。
構造(I)のJNK阻害剤の実例は、以下:
Figure 2006507307
Figure 2006507307
Figure 2006507307
およびそれらの製薬上許容しうる塩である。
別の実施形態では、JNK阻害剤は、下記構造(II):
Figure 2006507307
〔式中、
R1は、場合によってR7から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、
R2は水素であり、
R3は水素または低級アルキルであり、
R4は1〜4個の任意の置換基を表し、ここで各置換基は同一であるかまたは異なっていて、かつハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキルおよび低級アルコキシから独立して選択されるものとし、
R5およびR6は同一であるかもしくは異なっていて、かつ独立して-R8、-(CH2)aC(=O)R9、-(CH2)aC(=O)OR9、-(CH2)aC(=O)NR9R10、-(CH2)aC(=O)NR9(CH2)bC(=O)R10、-(CH2)aNR9C(=O)R10、-(CH2)aNR11C(=O)NR9R10、-(CH2)aNR9R10、-(CH2)aOR9、-(CH2)aSOcR9もしくは-(CH2)aSO2NR9R10であるか、
またはR5およびR6はそれらが結合している窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環を形成しており、
R7はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、置換複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SOcR8、-SOcNR8R9、-NR8SOcR9、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、またはフェニルと縮合した複素環であり、
R8、R9、R10およびR11は同一であるかもしくは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキルであるか、
またはR8およびR9はそれらが結合している1個もしくは複数の原子と一緒になって複素環を形成しており、
aおよびbは同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ0、1、2、3または4から独立して選択され、さらに
cはそれぞれ0、1または2である〕
を有する。
ある実施形態では、R1は置換または無置換のアリールまたはヘテロアリールである。R1が置換されている場合、該R1は以下に定義した1個以上の置換基で置換されている。ある実施形態では、置換されている場合、R1はハロゲン、-SO2R8または-SO2R8R9で置換されている。
別の実施形態では、R1は置換または無置換のアリール、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニルまたはキナゾリニルである。
別の実施形態では、R1は置換または無置換のアリールまたはヘテロアリールである。R1が置換されている場合、該R1は以下に定義した1個以上の置換基で置換されている。ある実施形態では、置換されている場合、R1はハロゲン、-SO2R8または-SO2R8R9で置換されている。
別の実施形態では、R1は置換または無置換のアリール、好ましくはフェニルである。R1が置換アリールである場合、その置換基は以下に定義したものである。ある実施形態では、置換されている場合、R1はハロゲン、-SO2R8または-SO2R8R9で置換されている。
別の実施形態では、R5およびR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって置換または無置換の窒素含有非芳香族性複素環(ある実施形態では、ピペラジニル、ピペリジニルもしくはモルホリニル)を形成する。
R5およびR6が、それらが結合している窒素原子と一緒になって置換ピペラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルを形成している場合、このピペラジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルは以下に定義した1個以上の置換基で置換されている。ある実施形態では、置換されている場合、その置換基はアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシアルキル、アシル、ピロリジニルまたはピペリジニルである。
ある実施形態では、R3は水素であり、R4は存在せず、またJNK阻害剤およびその製薬上許容しうる塩は、下記構造(IIA):
Figure 2006507307
を有する。
より具体的な実施形態では、R1は場合によってR7で置換されているフェニルであり、下記構造(IIB):
Figure 2006507307
を有する化合物およびその製薬上許容しうる塩である。
さらなる実施形態では、R7は、下記構造(IIC):
Figure 2006507307
で表される化合物およびその製薬上許容しうる塩のように、ピリミジンに対してフェニル基のパラ位に存在する。
構造(II)のJNK阻害剤は、当業者に公知の有機合成技術を用いて、また2002年6月13日に公開された国際公開公報第02/46170号(特に、第23頁第5行目〜第183頁第25行目の実施例1〜27)(該公報は、その全内容が参照により本明細書に含まれるものとする)に記載の方法により、作製することができる。さらに、これらの化合物の具体例がこの公報に記載されている。
構造(II)のJNK阻害剤の実例は、以下:
Figure 2006507307
Figure 2006507307
およびそれらの製薬上許容しうる塩である。
別の実施形態では、JNK阻害剤は、下記構造(III):
Figure 2006507307
〔式中、R0は-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、NHまたは-CH2-である〕
を有し、
該構造(III)の化合物は、(i)無置換であるか、(ii)一置換されており、かつ第1の置換基を有するか、または(iii)二置換されており、かつ第1の置換基および第2の置換基を有し、
第1または第2の置換基は、存在するならば、3、4、5、7、8、9または10位にあり、ここで第1および第2の置換基は、存在するならば、独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、または構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)もしくは(f):
Figure 2006507307
〔式中、R3およびR4は一緒になって、アルキリデンもしくはヘテロ原子含有環状アルキリデンを表しているか、またはR3およびR4は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、もしくはジ-アルキルアミノアルキルであり、さらに
R5は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、またはジ-アルキルアミノアルキルである〕
で表される基である。
別の実施形態では、JNK阻害剤は、下記構造(IIIA):
Figure 2006507307
を有し、
該構造は、(i)無置換であるか、(ii)一置換されており、かつ第1の置換基を有するか、または(iii)二置換されており、かつ第1の置換基および第2の置換基を有し、
第1または第2の置換基は、存在するならば、3、4、5、7、8、9または10位にあり、
ここで第1および第2の置換基は、存在するならば、独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、または構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)もしくは(f):
Figure 2006507307
〔式中、R3およびR4は一緒になって、アルキリデンもしくはヘテロ原子含有環状アルキリデンを表しているか、またはR3およびR4は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、もしくはジ-アルキルアミノアルキルであり、さらに
R5は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、またはジ-アルキルアミノアルキルである〕
で表される基である。
構造(IIIA)の化合物のサブクラスでは、第1または第2の置換基は5、7または9位に存在する。ある実施形態では、第1または第2の置換基は5または7位に存在する。
構造(IIIA)の化合物の第2のサブクラスでは、第1または第2の置換基は5、7または9位に存在し、
第1または第2の置換基は独立してアルコキシ、アリールオキシ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、ジ-アルキルアミノアルキル、または構造(a)、(c)、(d)、(e)もしくは(f)で表される基であり、
R3およびR4は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、さらに
R5は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、またはシクロアルキルアルキルである。
別の実施形態では、JNK阻害剤は、下記構造(IIIB):
Figure 2006507307
を有し
該構造は、(i)無置換であるか、(ii)一置換されており、かつ第1の置換基を有するか、または(iii)二置換されており、かつ第1の置換基および第2の置換基を有し、
第1または第2の置換基は、存在するならば、3、4、5、7、8、9または10位にあり、
ここで第1および第2の置換基は、存在するならば、独立してアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、または構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)もしくは(f):
Figure 2006507307
〔式中、R3およびR4は一緒になって、アルキリデンもしくはヘテロ原子含有環状アルキリデンを表しているか、またはR3およびR4は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、もしくはジ-アルキルアミノアルキルであり、さらに
R5は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、またはジ-アルキルアミノアルキルである〕
で表される基である。
構造(IIIB)の化合物のサブクラスでは、第1または第2の置換基は5、7または9位に存在する。ある実施形態では、第1または第2の置換基は5または7位に存在する。
構造(IIIB)の化合物の第2のサブクラスでは、第1または第2の置換基は独立してアルコキシ、アリールオキシ、または構造(a)、(c)、(d)、(e)もしくは(f)で表される基であり、
R3およびR4は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、さらに
R5は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、またはシクロアルキルアルキルである。
別の実施形態では、JNK阻害剤は、下記構造(IIIC):
Figure 2006507307
を有し、
該構造は、(i)一置換されており、かつ第1の置換基を有するか、または(ii)二置換されており、かつ第1の置換基および第2の置換基を有し、
第1または第2の置換基は、存在するならば、3、4、5、7、8、9または10位にあり、
ここで第1および第2の置換基は、存在するならば、独立してアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、または構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)もしくは(f):
Figure 2006507307
〔式中、R3およびR4は一緒になって、アルキリデンもしくはヘテロ原子含有環状アルキリデンを表しているか、またはR3およびR4は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、もしくはジ-アルキルアミノアルキルであり、さらに
R5は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、またはジ-アルキルアミノアルキルである〕
で表される基である。
構造(IIIC)の化合物のサブクラスでは、第1または第2の置換基は5、7または9位に存在する。ある実施形態では、第1または第2の置換基は5または7位に存在する。
構造(IIIC)の化合物の第2のサブクラスでは、第1または第2の置換基は独立してアルコキシ、アリールオキシ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、ジ-アルキルアミノアルキル、または構造(a)、(c)、(d)、(e)もしくは(f)で表される基であり、
R3およびR4は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、さらに
R5は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、またはシクロアルキルアルキルである。
別の実施形態では、JNK阻害剤は、下記構造(IIID):
Figure 2006507307
を有し、
該構造は、(i)一置換されており、かつ第1の置換基が5、7、もしくは9位に存在するか、(ii)二置換されており、かつ第1の置換基が5位に、また第2の置換基が7位に存在するか、(iii)二置換されており、かつ第1の置換基が5位に、また第2の置換基が9位に存在するか、または(iv)二置換されており、かつ第1の置換基が7位に、また第2の置換基が9位に存在し、
ここで第1および第2の置換基は、存在するならば、独立してアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、または構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)もしくは(f):
Figure 2006507307
〔式中、R3およびR4は一緒になって、アルキリデンもしくはヘテロ原子含有環状アルキリデンを表しているか、またはR3およびR4は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、もしくはジ-アルキルアミノアルキルであり、さらに
R5は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、またはジ-アルキルアミノアルキルである〕
で表される基である。
構造(IIID)の化合物のサブクラスでは、第1または第2の置換基は5または7位に存在する。
構造(IIID)の化合物の第2のサブクラスでは、第1または第2の置換基は独立してアルキル、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、または構造(a)、(c)、(d)、(e)もしくは(f)で表される基である。
構造(IIID)の化合物の別のサブクラスでは、第1および第2の置換基は独立してアルコキシ、アリールオキシ、または構造(a)、(c)、(d)、(e)もしくは(f)で表される基であり、
R3およびR4は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、さらに
R5は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシカルボニル、またはシクロアルキルアルキルである。
別の実施形態では、JNK阻害剤は、下記構造(IIIE):
Figure 2006507307
を有し、
該構造は、(i)一置換されており、かつ第1の置換基が5、7、もしくは9位に存在するか、(ii)二置換されており、かつ第1の置換基が5位に、また第2の置換基が9位に存在するか、(iii)二置換されており、かつ第1の置換基が7位に、また第2の置換基が9位に存在するか、または(iv)二置換されており、かつ第1の置換基が5位に、また第2の置換基が7位に存在し、
ここで第1および第2の置換基は、存在するならば、独立してアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、または構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)もしくは(f):
Figure 2006507307
〔式中、R3およびR4は一緒になって、アルキリデンもしくはヘテロ原子含有環状アルキリデンを表しているか、またはR3およびR4は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、もしくはジ-アルキルアミノアルキルであり、さらに
R5は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、またはジ-アルキルアミノアルキルである〕
で表される基である。
構造(IIIE)の化合物のサブクラスでは、第1または第2の置換基は5または7位に存在する。
構造(IIIE)の化合物の第2のサブクラスでは、構造(IIIE)の化合物は二置換体であり、かつその置換基のうちの少なくとも1個は構造(d)または(f)で表される基である。
構造(IIIE)の化合物の別のサブクラスでは、該化合物は一置換体である。化合物のさらに別のサブクラスでは、該化合物はその5または7位が構造(e)または(f)で表される基で一置換されている。
別の実施形態では、JNK阻害剤は、下記構造(IIIF):
Figure 2006507307
を有し、
該構造は、(i)無置換であるか、(ii)一置換されており、かつ第1の置換基を有するか、または(iii)二置換されており、かつ第1の置換基および第2の置換基を有し、
第1または第2の置換基は、存在するならば、3、4、5、7、8、9または10位にあり、
ここで第1および第2の置換基は、存在するならば、独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、または構造(a)、(b)、(c)、(d)、(e)もしくは(f):
Figure 2006507307
〔式中、R3およびR4は一緒になって、アルキリデンもしくはヘテロ原子含有環状アルキリデンを表しているか、またはR3およびR4は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、もしくはジ-アルキルアミノアルキルであり、さらに
R5は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、またはジ-アルキルアミノアルキルである〕
で表される基である。
ある実施形態では、構造(IIIF)の化合物、またはその製薬上許容しうる塩は、その3、4、5、7、8、9または10位が置換されていない。
構造(III)のJNK阻害剤は、当業者に公知の有機合成技術を用いて、また2001年2月22日に公開された国際公開公報第01/12609号(特に、第24頁第6行目〜第49頁第16行目の実施例1〜7)ならびに2002年8月29日に公開された国際公開公報第02/066450号(特に、第59〜108頁の化合物AA〜HG)(これらの公報は、その全内容が参照により本明細書中に含まれるものとする)に記載の方法により、作製することができる。さらに、これらの化合物の具体例がこれらの公報に記載されている。
構造(III)のJNK阻害剤の実例は、以下:
Figure 2006507307
Figure 2006507307
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およびその製薬上許容しうる塩である。
本発明において有用な他のJNK阻害剤としては、限定するものではないが、国際公開公報第00/39101号(特に、第2頁第10行目〜第6頁第12行目)、国際公開公報第01/14375号(特に、第2頁第4行目〜第4頁第4行目)、国際公開公報第00/56738号(特に、第3頁第25行目〜第6頁第13行目)、国際公開公報第01/27089号(特に、第3頁第7行目〜第5頁第29行目)、国際公開公報第00/12468号(特に、第2頁第10行目〜第4頁第14行目)、欧州特許公開公報第1110957号(特に、第19頁第52行目〜第21頁第9行目)、国際公開公報第00/75118号(特に、第8頁第10行目〜第11頁第26行目)、国際公開公報第01/12621号(特に、第8頁第10行目〜第10頁第7行目)、国際公開公報第00/64872号(特に、第9頁第1行目〜第106頁第2行目)、国際公開公報第01/23378号(特に、第90頁第1行目〜第91頁第11行目)、国際公開公報第02/16359号(特に、第163頁第1行目〜第164頁第25行目)、米国特許第6,288,089号(特に、第22段落25行目〜第25段落35行目)、米国特許第6,307,056号(特に、第63段落29行目〜第66段落12行目)、国際公開公報第00/35921号(特に、第23頁第5行目〜第26頁第14行目)、国際公開公報第01/91749号(特に、第29頁第1〜22行目)、国際公開公報第01/56993号(特に、第43〜45頁)、および国際公開公報第01/58448号(特に、第39頁)に記載されたものが挙げられる(これらの公報および特許は、それぞれその全内容が参照により本明細書中に含まれるものとする)。
有効量のJNK阻害剤を含む、本発明の投与形態を含む医薬組成物は、本発明の方法で使用することができる。
4.2 使用方法
本発明は、MDとその関連症候群の治療、予防および/または管理を必要とする患者においてMDとその関連症候群を治療、予防および/または管理するための方法であって、有効量のJNK阻害剤の投与を含む該方法を包含する。
本発明はさらに、湿性MD、乾性MD、加齢性黄斑変性(ARM)、脈絡膜新血管形成(CNVM)、網膜色素上皮剥離(PED)、および網膜色素上皮(RPE)の萎縮と呼ばれるものを含むがこれらに限定されない種々の段階および特定のタイプの疾患を患う患者において、MDとその関連症候群を治療、予防および/または管理するための方法を包含する。本発明はさらに、MDの治療を受けているが標準薬および非薬物ベースのMD治療に反応しない患者、ならびにこれまでMDの治療を受けたことがない患者を治療するための方法を包含する。MD患者は多様な臨床所見および種々の臨床転帰を呈することがあるので、患者に施す治療を彼/彼女の予後に合わせて変更してもよい。熟練臨床医であれば、過度の実験を行うことなしに、各患者を治療するために有効に使用しうる具体的な二次的薬剤および治療を容易に決定することができるだろう。
ある実施形態では、有効量のJNK阻害剤の投与期間は、約2〜約20週間である。別の実施形態では、有効量のJNK阻害剤の投与期間は、約4〜約16週間である。別の実施形態では、有効量のJNK阻害剤の投与期間は、約8〜約12週間である。別の実施形態では、有効量のJNK阻害剤を、所望の治療効果が得られるまで投与し続ける。
ある実施形態では、MDはベスト病または卵黄様変性(約7歳未満の患者に最も多くみられる)である。
別の実施形態では、MDはシュタルガルト病、若年性黄斑ジストロフィまたは黄色斑眼底(約5〜約20歳の患者に最も多くみられる)である。
別の実施形態では、MDはベール病、ソーズビー病、ドイン病または蜂巣状ジストロフィ(約30〜約50歳の患者に最も多くみられる)である。
別の実施形態では、MDは加齢性黄斑変性(約60歳以上の患者に最も多くみられる)である。
ある実施形態では、MDの原因は遺伝的要因である。
別の実施形態では、MDの原因は物理的な外傷である。
別の実施形態では、MDの原因は糖尿病である。
別の実施形態では、MDの原因は栄養失調である。
別の実施形態では、MDの原因は感染症である。
4.2.1 第2の活性物質との併用療法
本発明はさらに、MDとその関連症状の治療、予防および/または管理を必要とする患者において、MDとその関連症状を治療、予防および/または管理するための方法であって、有効量のJNK阻害剤および有効量の別の活性物質(例えば、限定するものではないが、ステロイド、光感作物質、インテグリン、抗酸化物質、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、神経栄養因子、新血管形成調節因子、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物性エストロゲン、抗炎症化合物、IMiD(登録商標)およびSelCID(登録商標)(Celgene Corporation, New Jersey)(例えば、米国特許第6,075,041号、第5,877,200号、第5,698,579号、第5,703,098号、第6,429,221号、第5,736,570号、第5,658,940号、第5,728,845号、第5,728,844号、第6,262,101号、第6,020,358号、第5,929,117号、第6,326,388号、第6,281,230号、第5,635,517号、第5,798,368号、第6,395,754号、第5,955,476号、第6,403,613号、第6,380,239号、および第6,458,810号に記載されたもの/これらの文献は、それぞれ参照により本明細書中に含まれるものとする)、抗血管新生化合物またはMDを治療または予防するのに有用であることが当分野で知られている他の慣用治療薬)を投与することを含む前記方法を包含する。
光感作物質の例としては、限定するものではないが、ベルテポルフィン、エチオプルプリン・スズ、モテキサフィン・ルテチウムが挙げられる。
キサンチン誘導体の例としては、限定するものではないが、ペントキシフィリンが挙げられる。
抗VEGF抗体の例としては、限定するものではないが、rhuFabが挙げられる。
ステロイドの例としては、限定するものではないが、9-フルオロ-11,21-ジヒドロキシ-16,17-1-メチルエチリジンビス(オキシ)プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオンが挙げられる。
プロスタグランジンの例としては、限定するものではないが、ラタノプロスト(米国特許第6,255,348号を参照されたい/この文献は、その全内容が参照により本明細書中に含まれるものとする)などのプロスタグランジンF2α誘導体が挙げられる。
抗生物質の例としては、限定するものではないが、テトラサイクリンおよびその誘導体、リファマイシンおよびその誘導体、マクロライド、ならびにメトロニダゾール(米国特許第6,218,369号および米国特許第6,015,803号を参照されたい/この文献は、その全内容が参照により本明細書中に含まれるものとする)が挙げられる。
植物性エストロゲンの例としては、限定するものではないが、ゲニステイン、ゲニスチン、6’-O-Malゲニスチン、6’-O-Acゲニスチン、ダイゼイン、ダイジン、6’-O-Malダイジン、6’-O-Acダイジン、グリシテイン、グリシチン、6’-O-Malグリシチン、ビオカニンA、ホルムオノネチンおよびそれらの混合物が挙げられる(米国特許第6,001,368号を参照されたい/この文献は、その全内容が参照により本明細書中に含まれるものとする)。
抗炎症物質の例としては、限定するものではないが、トリアムシノロン・アセトミドおよびデキサメタゾンが挙げられる(米国特許第5,770,589号を参照されたい/この文献は、その全内容が参照により本明細書中に含まれるものとする)。
抗血管新生化合物の例としては、限定するものではないが、サリドマイドが挙げられる。
インターフェロンの例としては、限定するものではないが、インターフェロン-2αが挙げられる。
成長ホルモンの例としては、限定するものではないが、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)およびトランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、脳由来神経栄養因子(BDNF)などの神経栄養因子、ならびにプラスミノーゲンアクチベーター因子2型(PAI-2)などの新血管形成調節因子が挙げられる。
JNK阻害剤および他の活性物質の投与は、同一であるかまたは異なる投与経路により同時にまたは連続的に行うことができる。特定の活性物質に対して用いる特定の投与経路の適切性は、活性物質それ自体(例えば、該活性物質が血流に入る前に分解されることなく経口で投与しうるかどうかということ)および治療しようとする疾患によって決まる。JNK阻害剤の投与経路の1つは経口である。他の活性物質の投与経路は当業者に公知である(例えば、Physician’s Desk Reference 1755-1760(第56版、2002)を参照されたい)。
本発明のある実施形態では、JNK阻害剤を、非経口、静脈内、腹腔内、皮下、硝子体内、局所、粘膜または経口経路により、約0.1 mg〜約2500 mg、約1 mg〜約2000 mg、10 mg〜約1500 mg、50 mg〜約1000 mg、100 mg〜約750 mg、または250 mg〜約500 mgの量を単回または分割有効1日量として投与する。
別の実施形態では、JNK阻害剤を、他の活性物質と共に投与する。他の活性物質は、非経口、静脈内、皮下、皮内、硝子体内、局所、粘膜または経口経路により、約0.1 mg〜約2500 mg、約1 mg〜約2000 mg、10 mg〜約1500 mg、50 mg〜約1000 mg、100 mg〜約750 mg、または250 mg〜約500 mgの有効量で1日1回または2回投与することができる。
さらなる実施形態では、他の活性物質を、週に1回、月に1回、月に2回または年に1回投与する。他の活性物質の具体的な量は、使用する具体的な物質、治療または予防しようとするMDの種類、MDの重症度および進行段階、ならびに患者に投与するJNK阻害剤および任意の他の物質の量によって異なる場合がある。
ある実施形態では、JNK阻害剤を、サイクリング療法の一環として患者に投与する。サイクリング療法とは、一定期間の投与後に別の一定期間の投与を行い、この連続投与を繰り返すことを意味する。サイクリング療法により、1つ以上の療法に対する耐性の発達を抑え、複数の療法のうちの1つに由来する副作用を回避もしくは低減し、および/または治療効果を高めることができる。
ある実施形態では、JNK阻害剤を、約6週間の周期で毎日1回か2回程度投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、約16週間の周期で毎日1回か2回程度投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、約24週間の周期で毎日1回か2回程度投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、約52週間の周期で毎日1回か2回程度投与する。1つの投与周期には、JNK阻害剤の投与および少なくとも1(1)または3(3)週間の非投与を含めることができる。周期の数は、約1〜約12周期、より典型的には約2〜約10周期、さらに典型的には約2〜約8周期とすることができる。
4.2.2 他の療法との併用療法
別の実施形態では、本発明は、MDを治療、予防および/または管理するための方法であって、MDの治療、予防および/または管理を必要とする患者に、有効量のJNK阻害剤および有効量の光線またはレーザー療法を投与することを含む前記方法を包含する。光線またはレーザー療法の例としては、限定するものではないが、レーザー光凝固療法または光線力学療法が挙げられる。JNK阻害剤は、光線またはレーザー療法と同時にまたは連続的に投与することができる。ある実施形態では、JNK阻害剤を、光線またはレーザー療法の前に投与する。ある実施形態では、JNK阻害剤を、光線またはレーザー療法の約4週間前に投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、光線またはレーザー療法の約2週間前に投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、光線またはレーザー療法の約1週間前に投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、光線またはレーザー療法の直前または当日に投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、光線またはレーザー療法の後に投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、光線またはレーザー療法の約1週間後に投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、光線またはレーザー療法の約2〜約8週間後に投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、光線またはレーザー療法の約12〜約16週間後に投与する。ある実施形態では、JNK阻害剤を、光線またはレーザー療法の最中に投与する。
別の実施形態では、本発明は、MDを治療、予防および/または管理するための方法であって、MDの治療、予防および/または管理を必要とする患者に、有効量のJNK阻害剤を眼科手術と併せて投与することを含む前記方法を包含する。JNK阻害剤は、眼科手術と同時にまたは連続的に投与することができる。ある実施形態では、JNK阻害剤を、眼科手術の前に投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、眼科手術の後に投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、眼科手術の最中に投与する。別の実施形態では、JNK阻害剤を、眼科手術の前、最中、およびその後に投与する。
4.3 医薬組成物
JNK阻害剤を含む組成物としては、医薬組成物の製造時に有用なバルク製剤(例えば、不純または非滅菌組成物)および単位投与形態の調製時に使用しうる医薬組成物(すなわち、患者への投与に適した組成物)が挙げられる。こうした組成物は、任意で本明細書中に開示した予防上もしくは治療上有効な量の予防薬および/または治療薬、あるいはそれらの薬と製薬上許容しうる担体との組み合わせを含む。好ましくは、本発明の組成物は、予防上または治療上有効な量のJNK阻害剤および第2の活性物質、ならびに製薬上許容しうる担体を含む。
具体的な実施形態では、「製薬上許容しうる」という用語は、米国の連邦政府もしくは州政府の規制機関により承認されているか、または米国薬局方もしくは他の一般に認められている動物(より詳しくは、ヒト)用の薬局方に掲載されていることを意味する。「担体」という用語は、JNK阻害剤と共に投与する希釈剤、アジュバント、賦形剤またはビヒクルを指す。かかる製薬用ビヒクルは、水および油(例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などの石油、動物、植物または合成物由来の油)といった液体であってもよい。製薬用ビヒクルは、生理食塩水、アカシアゴム、ゼラチン、デンプン糊、タルク、ケラチン、シリカコロイド、尿素などであってもよい。さらに、助剤、安定化剤、増粘剤、滑剤および着色剤を使用してもよい。患者に投与する場合、製薬上許容しうるビヒクルは無菌であることが好ましい。JNK阻害剤を静脈内に投与する場合には、水をビヒクルとすることができる。生理食塩溶液ならびに水溶性デキストロースおよびグリセロール溶液もまた、(特に注射溶液用の)液体ビヒクルとして用いることができる。また、適切な製薬用ビヒクルとしては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどの賦形剤も挙げられる。本発明の組成物には、必要に応じて、少量の湿潤もしくは乳化剤、またはpH調整剤をさらに含有させることができる。
本発明の組成物は、溶液、懸濁物、エマルジョン、錠剤、丸剤、ペレット、カプセル、液体を含有するカプセル、粉末、持続放出性製剤、坐剤、エマルジョン、エアロゾル、スプレー、懸濁物の形態、または使用に適した他のいずれかの形態とすることができる。ある実施形態では、製薬上許容しうるビヒクルはカプセルである(例えば、米国特許第5,698,155号を参照されたい)。適切な製薬用ビヒクルの他の例は、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に記載されている。
好適な実施形態では、JNK阻害剤および場合によって治療もしくは予防薬を、通常の手順に従って、人間への静脈内投与に適合させた医薬組成物として製剤化する。典型的には、静脈内投与用のJNK阻害剤は、滅菌等張水性緩衝剤中の溶液である。必要に応じて、この組成物にさらに可溶化剤を含めることもできる。静脈内投与用の組成物に任意でリグノカインなどの局所麻酔剤を含めることにより、注射部位の痛みを和らげることができる。一般には、複数の成分を単位投与形態で個別または一緒に、例えば、活性物質の量が表示されているアンプルまたはサシェなどの密閉容器中の凍結乾燥粉末または無水濃縮物として供給する。JNK阻害剤を注入により投与しようとする場合、該阻害剤を、例えば無菌医薬品グレードの水または生理食塩水を含有する注入ボトルを用いて分配することができる。JNK阻害剤を注射により投与する場合、注射用滅菌水または生理食塩水の入ったアンプルを用意すると、成分を投与前に混合することができる。
経口送達用の組成物は、例えば、錠剤、トローチ、水性もしくは油性懸濁物、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップ、またはエリキシルの形態とすることができる。経口投与用の組成物に1個以上の任意の物質、例えば、甘味料(例えば、フルクトース、アスパルテームまたはサッカリン)、香味料(例えば、ペパーミント、冬緑油、またはチェリー)、着色料、および保存料を含有させることにより、医薬品として口当たりの良い調製物を得ることができる。さらに、錠剤または丸剤の形態である場合、この組成物をコーティングして胃腸管における崩壊および吸収を遅らせることにより、長期間にわたる持続作用を提供することができる。浸透活性駆動化合物を取り巻く選択的透過膜もまた、経口投与用のJNK阻害剤に適している。これらの後のプラットホームでは、カプセルを取り巻く環境に由来する流体を前記駆動化合物が吸収して膨らむことにより、前記の物質また物質組成物をその隙間を通じて置き換える。これらの送達プラットホームにより、即時放出製剤のスパイクを持つプロフィールとは対照的な、本質的にゼロ次の送達プロフィールを提供することができる。モノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロールなどの遅延(time delay)物質を使用することもできる。経口用組成物には、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的なビヒクルを含めることができる。こうしたビヒクルは、医薬品グレードのものであることが好ましい。
さらに、JNK阻害剤の効果は、適当な製剤によって遅延させたり延長したりすることができる。例えば、JNK阻害剤の遅溶性ペレットを調製し、これを錠剤またはカプセル中に組み込むことができる。この技術は、幾つかの異なる溶解速度を有するペレットを作製し、該ペレットの混合物をカプセルに充填することにより改善しうる。錠剤またはカプセルは、予測しうる期間溶解に耐えるフィルムでコーティングすることができる。非経口用調製物であっても、この化合物を血清中に極めてゆっくりと分散させうる油性または乳化ビヒクル中に該化合物を溶解または懸濁することにより、長期作用性とすることができる。
4.4 製剤
本発明に従って使用するための医薬組成物は、1種以上の生理学上許容しうるビヒクル、担体または賦形剤を使用して、従来のやり方で製剤化することができる。
従って、JNK阻害剤および場合によって第2の活性物質、ならびにそれらの生理学上許容しうる塩および溶媒和物を、吸入または吹送(口もしくは鼻を介するもの)による投与、あるいは経口、非経口または粘膜(例えば、口腔、膣内、直腸、舌下)投与のための医薬組成物として製剤化することができる。ある実施形態では、局所または全身への非経口投与を利用する。
経口投与の場合、前記医薬組成物は、例えば、結合剤(例えば、α化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースもしくはリン酸水素カルシウム)、滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクもしくはシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの製薬上許容しうる賦形剤を用いて従来の手段により調製した錠剤またはカプセルの形態とすることができる。錠剤は、当分野で周知の方法によりコーティングすることができる。経口投与用の液体調製物は、例えば、溶液、シロップまたは懸濁物の形態とすることができるし、またはそれらを使用前に水もしくは他の適当なビヒクルで構成するための乾燥製品として提示してもよい。かかる液体調製物は、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体もしくは水素化食用油脂)、乳化剤(例えば、レシチンもしくはアカシア)、非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコールもしくは分留した植物油)、および保存剤(例えば、メチルもしくはプロピル-p-ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)などの製薬上許容しうる添加剤を用いて、従来の手段により調製することができる。該調製物には、必要に応じて、緩衝塩、香味料、着色料および甘味料をさらに含有させることもできる。
経口投与用の調製物を適当に製剤化することで、JNK阻害剤の放出を制御することができる。
口腔投与の場合、前記医薬組成物は、従来のやり方で製剤化した錠剤またはトローチの形態とすることができる。
吸入による投与の場合、本発明に従って使用するための医薬組成物は、適切な高圧ガス、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素もしくは他の適切な気体を利用して加圧パックまたは噴霧器から押し出されたエアロゾルスプレーという形で上手く送達される。加圧エアロゾルの場合、バルブを備え付けて一定量を送達することにより、投与単位を決定することができる。吸入器または吹送器で使用するための(例えば、ゼラチン製の)カプセルおよびカートリッジは、前記化合物とラクトースまたはデンプンなどの適当な粉末基剤との混合粉体を含有するよう製剤化することができる。
前記医薬組成物は、注射、例えばボーラス注射または連続注入による非経口投与に合わせて製剤化することができる。注射用の製剤は、防腐剤を添加した単位投与形態(例えば、アンプルまたは複数回投与用の容器)で提供することができる。該医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁物、溶液またはエマルジョンといった形態とすることができるし、また懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤用物質を含有させることもできる。あるいは、その活性成分を、使用前に適切なビヒクル、例えば発熱物質不含滅菌水で構成するための粉末形態とすることができる。
前記医薬組成物は、例えばカカオバターまたは他のグリセリドといった従来の坐剤用基剤を含有する、坐剤または停留浣腸などの直腸作用性組成物として製剤化することができる。
既に記載した製剤の他に、前記医薬組成物をデポー製剤として製剤化することもできる。こうした長期作用性製剤は、移植(例えば、皮下もしくは筋内)または筋内注射により投与することができる。従って、例えば、医薬組成物を、適切な高分子材料もしくは疎水性材料(例えば、許容しうる油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂を用いて、あるいはやや溶けにくい誘導体、例えばやや溶けにくい塩として、製剤化することができる。
また本発明では、前記医薬組成物は、量を表示したアンプルまたはサシェなどの密閉容器中に詰めることができると定めている。ある実施形態では、前記医薬組成物を密閉容器中の乾燥滅菌凍結乾燥粉末または無水濃縮物として提供するが、これを例えば水または生理食塩水で再構成することにより、患者へ投与するのに適した濃度とすることができる。
前記医薬組成物は、必要に応じて、活性成分を含有する1つ以上の単位投与形態を含有させうるパックまたはディスペンサー装置に入れて提供することができる。パックには、例えば、金属箔またはプラスチック箔(例えば、ブリスターパック)を含めることができる。パックまたはディスペンサー装置には、投与に関する取扱説明書を添付することができる。
ある特定の好適な実施形態では、前記のパックまたはディスペンサーに、Physician’s Desk Reference(第56版、2002/該文献は、その全内容が参照により本明細書中に含まれるものとする)において決定された推奨投与量の製剤のみを含有する1つ以上の単位投与形態を含有させる。
4.5 投与経路
JNK阻害剤および場合によって第2の活性物質を投与する方法としては、限定するものではないが、非経口投与(例えば、皮内、筋内、腹腔内、静脈内および皮下)、局所、硬膜外および粘膜(例えば、鼻腔内、直腸、膣内、舌下、口腔または経口経路)が挙げられる。具体的な実施形態では、JNK阻害剤および場合によって第2の活性物質を、筋内、静脈内、または皮下に投与する。さらに、JNK阻害剤および場合によって第2の活性物質は、注入またはボーラス注射により投与することができるし、また他の生物活性物質と一緒に投与することもできる。投与は局所投与または全身投与とすることができる。さらに、JNK阻害剤および場合によって第2の活性物質ならびにそれらの生理学上許容しうる塩および溶媒和物は、吸入または吹送(口もしくは鼻を介する)により投与することもできる。ある実施形態では、局所または全身への非経口投与を利用する。
具体的な実施形態では、JNK阻害剤を、治療を要する部位に局所的に投与することが望ましい場合がある。これは、例えば、限定するものではないが、手術中の局所注入により、局所適用により(例えば、手術後に創傷被覆材と併用することにより)、注射により、カテーテルを利用して、坐剤を利用して、または移植片(該移植片は、シアラスティック(sialastic)膜などの膜もしくは繊維を含む有孔、無孔、もしくはゼラチン様の物質である)を利用して達成することができる。ある実施形態では、投与は、アテローム斑組織部位(またはそれ以前の部位)における直接注射によるものとすることができる。別の実施形態では、JNK阻害剤を、例えば点眼器により、目に直接投与することができる。
経肺投与もまた、例えば吸入器もしくは噴霧器および製剤をエアロゾル化剤と共に使用することにより、またはフルオロカーボンもしくは合成肺界面活性物質による潅流を介して、利用することができる。ある特定の実施形態では、JNK阻害剤を、従来型の結合剤およびビヒクル(例えば、トリグリセリド)を用いて坐剤として製剤化することができる。
別の実施形態では、JNK阻害剤を、小胞、特にリポソームで送達することができる(Langer, 1990, Science 249:1527-1533;Treatら、in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez-BeresteinおよびFidler(編)、Liss, New York, pp.353-365(1989);Lopez-Berestein, 同書、pp.317-327を(一般には同書を)参照されたい)。
さらに別の実施形態では、JNK阻害剤を、制御放出系で送達することができる。ある実施形態では、ポンプを使用することができる(Langer, 上掲;Sefton, 1987, CRC Crit.Ref.Biomed.Eng. 14:201;Buchwaldら、1980, Surgery 88:507 Saudekら、1989, N.Engl.J.Med. 321:574を参照されたい)。別の実施形態では、高分子材料を使用することができる(Medical Applications of Controlled Release, LangerおよびWise(編)、CRC Press., Boca Raton, Florida(1974); Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance, SmolenおよびBall(編)、Wiley, New York(1984); RangerおよびPeppas, 1983, J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61を参照されたい/また、Levyら、1985, Science 228:190; Duringら、1989, Ann.Neurol. 25:351; Howardら、1989, J.Neurosurg. 71:105も参照されたい)。さらに別の実施形態では、制御放出系をJNK阻害剤の標的(例えば、肝臓)付近に配置することにより、全身投与量のごく一部で済ませることができる(例えば、Goodson, in Medical Applications of Controlled Release, 上掲、vol.2, pp.115-138(1984)を参照されたい)。Langer, 1990, Science 249:1527-1533の概説中で検討されている他の制御放出系を使用することができる。
4.6 投与量
MDの治療、予防および/または管理に有効なJNK阻害剤の量は、標準的な研究技術により決定することができる。例えば、MDの治療、予防および/または管理に有効であろうJNK阻害剤の投与量は、JNK阻害剤を、例えば当業者に公知の動物モデルといったモデル動物に投与することにより決定することができる。さらに、in vitroアッセイを場合によって利用して、最適な投与量範囲を特定するのに役立てることができる。
特に有効な投与量の選択は、当業者が、当業者には公知であろう幾つかの要素を考慮した上で(例えば、臨床試験を通じて)行うことができる。かかる要素としては、治療、予防および/または管理しようとする疾患、それに伴う症状、患者の体格、患者の免疫状態および当業者に公知の他の要素が挙げられる。
製剤に使用する正確な量は、投与経路、およびMDの重症度にも左右される場合があるため、開業医の判断および各患者の状況に基づいて決定すべきである。有効な投与量は、in vitroまたは動物モデル試験系で得られる用量反応曲線から推定することができる。
ヒトなどの患者に投与するJNK阻害剤の投与量はかなり広範囲にわたって変動するので、独自の判断が必要とされることがある。実際には、1日量のJNK阻害剤を1日のうちの様々な時間に投与することが多い。しかし、いずれの場合にも、投与するJNK阻害剤の量は、その活性成分の溶解度、使用する剤形、患者の状態(例えば、体重)、および/または投与経路などの要素に左右されるだろう。
JNK阻害剤単独の場合、またはこれと第2の活性物質を組み合わせた場合の有効量の一般的な範囲は、約0.001 mg/日〜約1000 mg/日、より好ましくは約0.001 mg/日〜750 mg/日、より好ましくは約0.001 mg/日〜500 mg/日、より好ましくは約0.001 mg/日〜250 mg/日、より好ましくは約0.001 mg/日〜100 mg/日、より好ましくは約0.001 mg/日〜75 mg/日、より好ましくは約0.001 mg/日〜50 mg/日、より好ましくは約0.001 mg/日〜25 mg/日、より好ましくは約0.001 mg/日〜10 mg/日、より好ましくは約0.001 mg/日〜1 mg/日である。無論、実際には、1日量の化合物を何回かに分けて、1日のうちの様々な時間に投与することが多い。しかし、いずれの場合にも、投与する化合物の量は、その活性成分の溶解度、使用する剤形、被験体の状態(例えば、体重)、および/または投与経路などの要素に左右されるだろう。
4.7 キット
本発明は、JNK阻害剤ならびに場合によってMDの治療、予防および/もしくは管理に有用な1種以上の第2の活性物質を含有する1つ以上の容器を含む医薬パックまたはキットを提供する。また本発明は、前記医薬組成物の1種以上の成分を含有する1つ以上の容器を含む医薬パックまたはキットも提供する。場合によって、かかる容器に医薬品または生物学製剤の製造、使用または販売を規制する政府機関により指示された形態の情報を添付することができる。該情報は、ヒトへの投与に関する製造、使用もしくは販売の機関による承認、または前記組成物の使用に関する指示を反映したものである。
本発明は、上記方法に使用しうるキットを提供する。ある実施形態では、キットは、JNK阻害剤を1つ以上の容器中に、また場合によってMDの治療、予防および/または管理に有用な1種以上の第2の活性物質を1つ以上の追加の容器中に含む。
5. JNK阻害剤活性アッセイ
JNK阻害剤がJNKを阻害する能力、またそれ故にMDの治療、予防および/または管理に有用なその能力は、下記アッセイのうちの1つ以上を利用して実証することができる。
5.1 実施例:5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンの生物活性
Figure 2006507307
JNKアッセイ
水中に20 mM HEPES(pH 7.6)、0.1 mM EDTA、2.5 mM塩化マグネシウム、0.004%Triton×100、2μg/mLロイペプチン、20 mMβ-グリセロールリン酸、0.1 mMバナジウム酸ナトリウム、および2 mM DTTを含有する20%DMSO/80%希釈緩衝液中の5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オン10μLに、同一希釈緩衝液中50〜200 ngの His6-JNK1、JNK2、またはJNK3 30μLを加えた。この混合物を室温で30分間プレインキュベートした。水中の20 mM HEPES(pH 7.6)、50 mM塩化ナトリウム、0.1 mM EDTA、24 mM塩化マグネシウム、1 mM DTT、25 mM PNPP、0.05%Triton×100、11μM ATP、および0.5μCiγ-32P ATPからなるアッセイ用緩衝液中10μgの GST-c-Jun(1-79) 60μLを加え、室温で1時間反応を進行させた。150μLの12.5%トリクロロ酢酸を加えることにより、c-Junのリン酸化を終了させた。30分後、析出物をフィルタープレート上に回収し、50μLのシンチレーション液で希釈してから計測器で定量した。IC50値は、c-Junのリン酸化が対照値の50%まで抑制される5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンの濃度として算出した。JNKを阻害する化合物は、このアッセイで0.01〜10μMのIC50値を示すことが好ましい。このアッセイによれば、5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンは、JNK2に対しては1μM、またJNK3に対しては400 nMというIC50を示す。しかし、このアッセイで測定した5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンの実測IC50値には、5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンの水性媒体への溶解度に限界があるため、多少のばらつきがある。しかし、こうしたばらつきにも関わらず、該アッセイでは常に、5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンがJNKを阻害することが示される。このアッセイにより、JNK阻害剤の1具体例である5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンが、JNK2およびJNK3を阻害すること、またそれ故にMDの治療、予防および/または管理に有用であること、が実証される。
JNKに対する選択性:
5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンを、当業者に公知の手法を用いて、以下に列挙した幾つかのプロテインキナーゼに対するその阻害活性についてもアッセイした(例えば、Protein Phosphorylation, Sefton & Hunter編、Academic Press, pp.97-367, 1998を参照されたい)。以下のIC50値が得られた。
Figure 2006507307
このアッセイにより、JNK阻害剤の1具体例である5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンが、他のプロテインキナーゼと比べてJNKを選択的に阻害すること、またそれ故に選択的なJNK阻害剤であること、が示される。従って、JNK阻害剤の1具体例である5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンは、MDの治療、予防および/または管理に有用である。
Jurkat T細胞のIL-2産生アッセイ:
Jurkat T細胞(クローンE6-1)をManassas, VAのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから購入し、10%ウシ胎仔血清(Omaha, NEのHyclone Laboratoriesから市販されている)およびペニシリン/ストレプトマイシンを添加した2 mM L-グルタミン(Herndon, VAのMediatech Inc.から市販されている)含有RPMI 1640からなる増殖培地中で維持した。全ての細胞は、95%大気および5%CO2下で37℃にてインキュベートした。細胞は、200μLの培地中にウェル当たり0.2×106細胞の密度で蒔いた。化合物のストック(20 mM)を増殖培地で希釈し、容量25μLの10×濃縮液として各ウェルに加え、混合し、細胞と共に30分間プレインキュベートした。化合物ビヒクル(ジメチルスルホキシド)は、全てのサンプルにおいて最終濃度0.5%で維持した。30分後、細胞をPMA(ホルボールミリステートアセテート、最終濃度50 ng/mL)およびPHA(フィトヘマグルチニン、最終濃度2μg/mL)で活性化した。PMAおよびPHAは、増殖培地中で作製した10×濃縮液としてウェル当たり25μLの容量で加えた。細胞プレートを10時間培養した。細胞を遠心分離によりペレット化し、培地を取り出して-20℃で保存した。培地のアリコートは、製造業者(Woburn MAのEndogen Inc.)の指示に従って、IL-2の存在についてサンドイッチELISAにより分析する。IC50値は、IL-2産生が対照値の50%まで抑制される5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンの濃度として算出した。JNKを阻害する化合物は、このアッセイで0.1〜30μMのIC50値を示すことが好ましい。5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンは、30μMというIC50値を示す。しかし、このアッセイで測定した5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンの実測IC50値には、5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンの水性媒体への溶解度に限界があるため、多少のばらつきがある。しかし、こうしたばらつきにも関わらず、該アッセイでは常に、5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンがJNKを阻害することが示される。
このアッセイにより、JNK阻害剤の1具体例である5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンが、Jurkat T細胞におけるIL-2産生を阻害すること、またそれ故にJNKを阻害すること、が示される。従って、JNK阻害剤の1具体例である5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンは、MDの治療、予防および/または管理に有用である。
[ 3 H]ドーパミン細胞培養アッセイ
ドーパミン作動性ニューロンの培養物を、RaymonおよびLeslieにより記載された手順(J.Neurochem. 62:1015-1024, 1994)の変法に従って調製した。妊娠時期を合わせた (time-mated)妊娠ラットを胎齢14〜15日目(頭殿長11〜12 mm)に犠牲にし、胎仔を帝王切開によって取り出した。ドーパミン作動性ニューロンを含有する中脳腹側を各胎仔から切り出した。およそ48匹の胎仔から得た組織片を合わせて、これを酵素的および機械的に解離させた。得られた細胞懸濁物から採取したアリコートを計数し、この細胞を、10%ウシ胎仔血清添加高グルコースDMEM/F12培養培地で、Biocoatポリ-D-リシン被膜96ウェルプレートのウェル当たり1×105細胞の密度で平板培養した。平板培養の翌日をin vitro 1日目(1 DIV)とした。細胞は、安定した環境で、37℃、湿度95%、および5%CO2にて維持した。部分的な培地交換を3 DIVに行った。7 DIVに、細胞を、5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンの存在下および非存在下で神経毒6-ヒドロキシドーパミン(6-OHDA、30μM)を用いて処理した。この培養物を、[3H]ドーパミンの取り込みについて22時間後に処理した。
[3H]ドーパミンの取り込みを、培養物中のドーパミン作動性ニューロンの健全性および完全性の指標として利用する(Prochiantzら、PNAS 76:5387-5391, 1979)。これらの研究では、[3H]ドーパミンの取り込みを利用して、神経毒6-OHDAに曝露した後のドーパミン作動性ニューロンの生存能力をモニターしていた。6-OHDAはin vitroおよびin vivoの両方でドーパミン作動性ニューロンに損傷を与えることが証明されており、パーキンソン病で観察される細胞死のモデルを作製するために利用されている(Ungerstedt,U., Eur.J.Pharm., 5(1968)107-110およびHeftiら、Brain Res., 195(1980)123-137)。簡単に言うと、5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンの存在下または非存在下で6-OHDAを用いて処理した細胞を、6-OHDAへの曝露の22時間後に取り込みアッセイで評価した。培養培地を除去し、カルシウムとマグネシウム、10μMパージリン、1 mMアスコルビン酸、および50 nM[3H]ドーパミンを添加した温リン酸緩衝生理食塩水(PBS)と入れ換えた。培養物を37℃で20分間インキュベートした。放射能を除去し、培養物を氷冷PBSで3回洗浄した。[3H]ドーパミンの細胞内集積について調べるため、細胞をM-PER洗剤で溶解し、液体シンチレーション計測のためにアリコートを採取した。しかし、このアッセイで測定した、5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンが[3H]ドーパミンの細胞内集積に及ぼす実測効果には、5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンの水性媒体への溶解度に限界があるため、多少のばらつきがある。しかし、こうしたばらつきにも関わらず、該アッセイでは常に、5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンがラット中脳腹側ニューロンを6-OHDAの毒性作用から保護することが示される。従って、JNK阻害剤の1具体例である5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンは、MDの治療、予防および/または管理に有用である。
5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンのin vivoにおける脳−血漿分布
5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンを、Sprague-Dawleyラットの血管に静脈内投与(10 mg/kg)した。2時間後、血液サンプルを動物から採取し、それらの血管系におよそ100 mLの生理食塩水を灌流させることにより、それらの脳から血液を除去した。脳を動物から取り出し、重量を測定し、さらに10当量(w/v)のメタノール/生理食塩水(1:1)を含有する50 mL円錐管中でTissue Tearer(Fischer Scientific)を用いてホモジナイズした。このホモジナイズした物質を、30秒間ボルテックスミキサーにかけた250μLの脳ホモジネートに600μLの冷メタノールを加えることにより抽出し、これをさらに5分間遠心分離した。遠心分離後、得られた上清のうち600μLを清潔なチューブに移し、減圧下で室温にて蒸発させることによりペレットを得た。得られたペレットを250μLの30%水性メタノール中で再構成することにより、脳ホモジネート分析サンプルを得た。血漿分析サンプルは、前記の脳ホモジネート分析サンプル手順を利用し、脳ホモジネートの代わりに血漿を使用することにより取得した。さらに、既知量の5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンを含有する標準血漿サンプルおよび標準脳ホモジネートサンプルは、対照ラット血漿(Hicksville, NYのBioreclamation)または対照脳ホモジネート250μLに冷エタノール中で新たに調製した5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オン溶液の連続希釈物(50:1)5μLを加えることによって調製した。次に、前記の標準血漿サンプルおよび標準脳ホモジネートサンプルを、前記脳ホモジネートに使用したタンパク質沈殿、遠心分離、蒸発、および再構成手順を用いて前記と同じ抽出に供することにより、脳ホモジネート標準分析サンプルおよび血漿標準分析サンプルを得た。脳ホモジネート分析サンプル、血漿分析サンプル、および標準分析サンプルについては、HPLCを利用し、100μLのサンプルを5μm C-18 Lunaカラム(4.6 mm×150 mm、Torrance, CAのPhenomenexから市販されている)上に注入し、0.1%トリフルオロ酢酸含有30%水性アセトニトリルから8分間で0
.1%トリフルオロ酢酸含有90%水性アセトニトリルとする直線勾配を用いて1 mL/分で溶出し、さらに0.1%トリフルオロ酢酸含有90%水性アセトニトリルで3分間維持し、450 nmにおける吸光度を検出することにより、分析および比較を行った。5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンの回収率は、血漿の場合は56±5.7%であり、また脳の場合は42±6.2%であった。脳および血漿中の5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンの濃度は、脳ホモジネート分析サンプルおよび血漿分析サンプルから得たHPLCクロマトグラムを、それぞれ脳ホモジネート標準分析サンプルおよび血漿標準分析サンプルの分析結果から構築した検量線と比較することによって決定した。この研究で得られた結果は、5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンが、静脈内投与後に、有意な程度まで血液脳関門を通過することを示している。具体的に言うと、投与2時間後のの脳内薬物濃度はおよそ65 nmole/g、また血漿濃度はおよそ7μMであったので、脳-血漿濃度比は(脳組織1 gが血漿1 mLに相当すると仮定すると)およそ9倍ということになる。本実施例により、JNK阻害剤の1具体例である5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンは、血液脳関門を通過するための能力が高められていることが示される。その上、本実施例により、JNK阻害剤、具体的に言うと5-アミノ-アントラ(9,1-cd)イソチアゾール-6-オンは、患者に投与された場合に血液脳関門を通過しうることが示される。
5.2 黄斑変性の臨床研究
40名の黄斑変性患者を2つのグループに分ける。第1グループには、ベルテポルフィンを用いる光線力学療法により漏出脈絡膜血管(この疾患の特徴)を閉じるための従来治療を施す(例えば、Ophthalmol. 117:1329-1345(1999)を参照されたい)。第2グループには、ベルテポルフィンを用いる前記と同一の従来療法と併せて、約300 mg/日の1-(5-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)(1H-インダゾール-3-イル))-3-(2-ピペリジルエトキシ)ベンゼンをアジュバントとして20週間施す。
1-(5-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)(1H-インダゾール-3-イル))-3-(2-ピペリジルエトキシ)ベンゼンを施すグループでは、光線力学療法の効果が無期限に延長されるほど血管新生カスケードが阻害される。しかし、1-(5-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)(1H-インダゾール-3-イル))-3-(2-ピペリジルエトキシ)ベンゼンを使用しない第1グループは、治療の数週間後には剥離血管の進行性再灌流を経験するだろう。その後は進行性の視力障害が生じるため、光線力学療法を繰り返し行う必要がある。
他の好適な実施形態は、1-(5-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)(1H-インダゾール-3-イル))-3-(2-ピペリジルエトキシ)ベンゼンを約75〜900 mg/日またはそれ以上の量、一般には1日量の約1.5〜2.5倍の量で1日おきに投与する場合であると考えられる。さらに、アジュバント療法は、MDを治療または予防する際に用いられる他のタイプの従来療法(例えば、限定するものではないが、レーザー光凝固といった外科的介入)に適用しうると考えられる。
本発明の具体的な実施形態を例示目的で本明細書中に記載してきたが、本明細書中に記載しかつ特許請求の範囲に記載した本発明の範囲は、本明細書中に開示した具体的な実施形態により限定されるものではないことが理解されよう。これらの実施形態は、本発明の幾つかの態様の例示を目的とする。等価な実施形態はいずれも本発明の範囲内にあるものとする。実際には、本明細書中に明示および記載された事項の他に、上記の説明を参照して本発明に種々の改変を行いうることが、当業者には自明なものとなるであろう。こうした改変もまた、特許請求の範囲に含まれるものとする。
数多くの文献を引用してきたが、これらの文献の全開示内容は全て参照により本明細書中に含まれるものとする。

Claims (37)

  1. 患者においてMDを治療または予防するための方法であって、MDの治療または予防を必要とする患者に、有効量のJNK阻害剤またはその製薬上許容しうる塩、溶媒和物もしくは立体異性体を投与することを含む前記方法。
  2. 患者においてMDを治療または予防するための方法であって、MDの治療または予防を必要とする患者に、下記式:
    Figure 2006507307
    〔式中、
    Aは直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)bCH=CH(CH2)c-、または-(CH2)bC≡C(CH2)c-であり、
    R1は、アリール、ヘテロアリールまたはフェニルと縮合した複素環であり、それぞれR3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、
    R2は-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5または-(CH2)bSO2NR5R6であり、
    aは1、2、3、4、5または6であり、
    bおよびcは同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ独立して0、1、2、3または4であり、
    dはそれぞれ0、1または2であり、
    R3はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SO2NR8R9、-NR8SO2R9、-CN、-NO2、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、またはフェニルと縮合した複素環であり、
    R4は、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環もしくはヘテロシクロアルキルであり、それぞれR3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、またはR4はハロゲンもしくはヒドロキシであり、
    R5、R6およびR7は同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環またはヘテロシクロアルキルであり、ここでR5、R6およびR7はそれぞれR3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、さらにR8およびR9は同一であるかもしくは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環もしくはヘテロシクロアルキルであるか、またはR8とR9はそれらが結合している1個もしくは複数の原子と一緒になって複素環を形成しており、ここでR8、R9、および一緒になって複素環を形成しているR8とR9はそれぞれ、R3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよい〕
    を有する有効量の化合物またはその製薬上許容しうる塩、溶媒和物もしくは立体異性体を投与することを含む前記方法。
  3. 患者においてMDを治療または予防するための方法であって、MDの治療または予防を必要とする患者に、下記式:
    Figure 2006507307
    〔式中、
    R1は、アリールまたはヘテロアリールであり、R7から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、
    R2は水素であり、
    R3は水素または低級アルキルであり、
    R4は1〜4個の任意の置換基を表し、ここで各置換基は同一であるかまたは異なっていて、かつ独立してハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキルまたは低級アルコキシであり、
    R5およびR6は同一であるかもしくは異なっていて、かつ独立して-R8、-(CH2)aC(=O)R9、-(CH2)aC(=O)OR9、-(CH2)aC(=O)NR9R10、-(CH2)aC(=O)NR9(CH2)bC(=O)R10、-(CH2)aNR9C(=O)R10、-(CH2)aNR11C(=O)NR9R10、-(CH2)aNR9R10、-(CH2)aOR9、-(CH2)aSOcR9もしくは-(CH2)aSO2NR9R10であるか、
    またはR5とR6はそれらが結合している窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環を形成しており、
    R7はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SOcR8、-SOcNR8R9、-NR8SOcR9、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、またはフェニルと縮合した複素環であり、
    R8、R9、R10およびR11は同一であるかもしくは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環もしくはヘテロシクロアルキルであるか、
    またはR8およびR9はそれらが結合している1個もしくは複数の原子と一緒になって複素環を形成しており、
    aおよびbは同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ独立して0、1、2、3または4であり、さらに
    cはそれぞれ0、1または2である〕
    を有する有効量の化合物、またはその製薬上許容しうる塩、溶媒和物もしくは立体異性体を投与することを含む前記方法。
  4. 患者においてMDを治療または予防するための方法であって、MDの治療または予防を必要とする患者に、下記式:
    Figure 2006507307
    〔式中、R0は-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、NHまたは-CH2-である〕
    を有する有効量の化合物またはその製薬上許容しうる塩、溶媒和物もしくは立体異性体を投与することを含み、
    該化合物は、(i)無置換であるか、(ii)一置換されており、かつ第1の置換基を有するか、または(iii)二置換されており、かつ第1の置換基および第2の置換基を有し、
    第1または第2の置換基は、存在するならば、3、4、5、7、8、9または10位にあり、ここで第1および第2の置換基は、存在するならば、独立してアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、スルホニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、モノ-アルキルアミノアルコキシ、ジ-アルキルアミノアルコキシ、または式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)もしくは(f):
    Figure 2006507307
    〔式中、R3およびR4は一緒になって、アルキリデンもしくはヘテロ原子含有環状アルキリデンであるか、またはR3およびR4は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、もしくはジ-アルキルアミノアルキルであり、さらに
    R5は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノ、モノ-アルキルアミノ、ジ-アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アミノアルキル、モノ-アルキルアミノアルキル、またはジ-アルキルアミノアルキルである〕
    で表される基である、
    前記方法。
  5. Aが直接結合である、請求項2記載の方法。
  6. Aが-(CH2)a-である、請求項2記載の方法。
  7. Aが-(CH2)b-CH=CH(CH2)c-である、請求項2記載の方法。
  8. Aが-(CH2)bC≡C(CH2)c-である、請求項2記載の方法。
  9. 前記化合物またはその製薬上許容しうる塩、溶媒和物もしくは立体異性体が、下記式:
    Figure 2006507307
    〔式中、
    Aは直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)bCH=CH(CH2)c-、または-(CH2)bC≡C(CH2)c-であり、
    R1は、アリール、ヘテロアリールまたはフェニルと縮合した複素環であり、それぞれR3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、
    R2は-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5または-(CH2)bSO2NR5R6であり、
    aは1、2、3、4、5または6であり、
    bおよびcは同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ独立して0、1、2、3または4であり、
    dはそれぞれ0、1または2であり、
    R3はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SO2NR8R9、-NR8SO2R9、-CN、-NO2、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、またはフェニルと縮合した複素環であり、
    R4は、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環もしくはヘテロシクロアルキルであり、それぞれR3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、またはR4はハロゲンもしくはヒドロキシであり、
    R5、R6およびR7は同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環またはヘテロシクロアルキルであり、ここでR5、R6およびR7はそれぞれ、R3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、さらに
    R8およびR9は同一であるかもしくは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環もしくはヘテロシクロアルキルであるか、またはR8およびR9はそれらが結合している1個もしくは複数の原子と一緒になって複素環を形成しており、ここでR8、R9、および一緒になって複素環を形成しているR8とR9はそれぞれ、R3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよい〕
    を有する、請求項2記載の方法。
  10. 前記化合物またはその製薬上許容しうる塩、溶媒和物もしくは立体異性体が、下記式:
    Figure 2006507307
    〔式中、
    Aは直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)bCH=CH(CH2)c-、または-(CH2)bC≡C(CH2)c-であり、
    R1は、アリール、ヘテロアリールまたはフェニルと縮合した複素環であり、それぞれR3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、
    R2は-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5または-(CH2)bSO2NR5R6であり、
    aは1、2、3、4、5または6であり、
    bおよびcは同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ独立して0、1、2、3または4であり、
    dはそれぞれ0、1または2であり、
    R3はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SO2NR8R9、-NR8SO2R9、-CN、-NO2、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、またはフェニルと縮合した複素環であり、
    R4は、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環もしくはヘテロシクロアルキルであり、それぞれR3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、またはR4はハロゲンもしくはヒドロキシであり、
    R5、R6およびR7は同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環またはヘテロシクロアルキルであり、ここでR5、R6およびR7はそれぞれR3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく、さらに
    R8およびR9は同一であるかもしくは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環もしくはヘテロシクロアルキルであるか、またはR8およびR9はそれらが結合している1個もしくは複数の原子と一緒になって複素環を形成しており、ここでR8、R9、および一緒になって複素環を形成しているR8とR9はそれぞれ、R3から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよい〕
    を有する、請求項2記載の方法。
  11. 前記化合物またはその製薬上許容しうる塩、溶媒和物もしくは立体異性体が、下記式:
    Figure 2006507307
    を有する、請求項2記載の方法。
  12. 前記化合物またはその製薬上許容しうる塩、溶媒和物もしくは立体異性体が、下記式:
    Figure 2006507307
    〔式中、
    R1は、R7から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、
    R2は水素であり、
    R3は水素または低級アルキルであり、
    R4は1〜4個の任意の置換基を表し、ここで各置換基は同一であるかまたは異なっていて、かつ独立してハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキルまたは低級アルコキシであり、
    R5およびR6は同一であるかもしくは異なっていて、かつ独立して-R8、-(CH2)aC(=O)R9、-(CH2)aC(=O)OR9、-(CH2)aC(=O)NR9R10、-(CH2)aC(=O)NR9(CH2)bC(=O)R10、-(CH2)aNR9C(=O)R10、-(CH2)aNR11C(=O)NR9R10、-(CH2)aNR9R10、-(CH2)aOR9、-(CH2)aSOcR9もしくは-(CH2)aSO2NR9R10であるか、
    またはR5およびR6はそれらが結合している窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環を形成しており、
    R7はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SOcR8、-SOcNR8R9、-NR8SOcR9、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、またはフェニルと縮合した複素環であり、
    R8、R9、R10およびR11は同一であるかもしくは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、複素環もしくはヘテロシクロアルキルであるか、
    またはR8およびR9はそれらが結合している1個もしくは複数の原子と一緒になって複素環を形成しており、
    aおよびbは同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ独立して0、1、2、3または4であり、さらに
    cはそれぞれ0、1または2である〕
    を有する、請求項3記載の方法。
  13. 前記化合物またはその製薬上許容しうる塩、溶媒和物もしくは立体異性体が、下記式:
    Figure 2006507307
    〔式中、
    R1は、R7から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、
    R2は水素であり、
    R3は水素または低級アルキルであり、
    R4は1〜4個の任意の置換基を表し、ここで各置換基は同一であるかまたは異なっていて、かつ独立してハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキルまたは低級アルコキシであり、
    R5およびR6は同一であるかもしくは異なっていて、かつ独立して-R8、-(CH2)aC(=O)R9、-(CH2)aC(=O)OR9、-(CH2)aC(=O)NR9R10、-(CH2)aC(=O)NR9(CH2)bC(=O)R10、-(CH2)aNR9C(=O)R10、-(CH2)aNR11C(=O)NR9R10、-(CH2)aNR9R10、-(CH2)aOR9、-(CH2)aSOcR9もしくは-(CH2)aSO2NR9R10であるか、
    またはR5およびR6はそれらが結合している窒素原子と一緒になって複素環もしくは置換複素環を形成しており、
    R7はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SOcR8、-SOcNR8R9、-NR8SOcR9、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、またはフェニルと縮合した複素環であり、
    R8、R9、R10およびR11は同一であるかもしくは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキルであるか、
    またはR8およびR9はそれらが結合している1個もしくは複数の原子と一緒になって複素環を形成しており、
    aおよびbは同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ独立して0、1、2、3または4であり、さらに
    cはそれぞれ0、1または2である〕
    を有する、請求項3記載の方法。
  14. 前記化合物またはその製薬上許容しうる塩、溶媒和物もしくは立体異性体が、下記式:
    Figure 2006507307
    〔式中、
    R1は、R7から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、
    R2は水素であり、
    R3は水素または低級アルキルであり、
    R4は1〜4個の任意の置換基を表し、ここで各置換基は同一であるかまたは異なっていて、かつ独立してハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキルまたは低級アルコキシであり、
    R5およびR6は同一であるかもしくは異なっていて、かつ独立して-R8、-(CH2)aC(=O)R9、-(CH2)aC(=O)OR9、-(CH2)aC(=O)NR9R10、-(CH2)aC(=O)NR9(CH2)bC(=O)R10、-(CH2)aNR9C(=O)R10、-(CH2)aNR11C(=O)NR9R10、-(CH2)aNR9R10、-(CH2)aOR9、-(CH2)aSOcR9もしくは-(CH2)aSO2NR9R10であるか、
    またはR5およびR6はそれらが結合している窒素原子と一緒になって複素環を形成しており、
    R7はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SOcR8、-SOcNR8R9、-NR8SOcR9、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-O(CH2)bNR8R9、またはフェニルと縮合した複素環であり、
    R8、R9、R10およびR11は同一であるかもしくは異なっていて、かつそれぞれ独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環もしくはヘテロシクロアルキルであるか、
    またはR8およびR9はそれらが結合している1個もしくは複数の原子と一緒になって複素環を形成しており、
    aおよびbは同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ独立して0、1、2、3または4であり、さらに
    cはそれぞれ0、1または2である〕
    を有する、請求項3記載の方法。
  15. R0が-O-である、請求項4記載の方法。
  16. R0が-S-である、請求項4記載の方法。
  17. R0が-S(O)-である、請求項4記載の方法。
  18. R0が-S(O)2-である、請求項4記載の方法。
  19. R0がNHである、請求項4記載の方法。
  20. R0がCH2-である、請求項4記載の方法。
  21. 前記化合物またはその製薬上許容しうる塩、溶媒和物もしくは立体異性体が、下記式:
    Figure 2006507307
    を有する、請求項4記載の方法。
  22. 有効量のステロイド、光感作物質、インテグリン、抗酸化物質、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、神経栄養因子、新血管形成調節因子、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物性エストロゲン、抗炎症化合物、IMiD(登録商標)、SelCID(登録商標)、抗血管新生化合物、またはそれらの組み合わせを投与することをさらに含む、請求項1記載の方法。
  23. 有効量のステロイド、光感作物質、インテグリン、抗酸化物質、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、神経栄養因子、新血管形成調節因子、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物性エストロゲン、抗炎症化合物、IMiD(登録商標)、SelCID(登録商標)、抗血管新生化合物、またはそれらの組み合わせを投与することをさらに含む、請求項2記載の方法。
  24. 有効量のステロイド、光感作物質、インテグリン、抗酸化物質、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、神経栄養因子、新血管形成調節因子、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物性エストロゲン、抗炎症化合物、IMiD(登録商標)、SelCID(登録商標)、抗血管新生化合物、またはそれらの組み合わせを投与することをさらに含む、請求項3記載の方法。
  25. 有効量のステロイド、光感作物質、インテグリン、抗酸化物質、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、神経栄養因子、新血管形成調節因子、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物性エストロゲン、抗炎症化合物、IMiD(登録商標)、SelCID(登録商標)、抗血管新生化合物、またはそれらの組み合わせを投与することをさらに含む、請求項4記載の方法。
  26. 前記MDが湿性MDである、請求項1記載の方法。
  27. 前記MDが乾性MDである、請求項1記載の方法。
  28. ベルテポルフィンの投与をさらに含む、請求項1記載の方法。
  29. 前記抗血管新生化合物がサリドマイドである、請求項22記載の方法。
  30. 前記抗VEGF抗体がrhuFabである、請求項22記載の方法。
  31. 前記キサンチン誘導体がペントキシフィリンである、請求項22記載の方法。
  32. 前記インターフェロンがインターフェロン-2αである、請求項22記載の方法。
  33. レーザー光凝固療法を施すことをさらに含む、請求項1記載の方法。
  34. 光線力学療法を施すことをさらに含む、請求項1記載の方法。
  35. ARM、CNVM、PEDまたはRPEの萎縮を治療または予防するための方法であって、ARM、CNVM、PEDまたはRPEの萎縮の治療または予防を必要とする患者に、有効量のJNK阻害剤またはその製薬上許容しうる塩、溶媒和物もしくは立体異性体を投与することを含む前記方法。
  36. 有効量のステロイド、光感作物質、インテグリン、抗酸化物質、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、神経栄養因子、新血管形成調節因子、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物性エストロゲン、抗炎症化合物または抗血管新生化合物を投与することをさらに含む、請求項35記載の方法。
  37. 有効量のJNK阻害剤と、ステロイド、光感作物質、インテグリン、抗酸化物質、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、神経栄養因子、新血管形成調節因子、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物性エストロゲン、抗血管新生化合物、またはそれらの組み合わせとを含む医薬組成物。
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