JP2006505550A - バルビツール酸誘導体を含む進歩した造影剤 - Google Patents

バルビツール酸誘導体を含む進歩した造影剤 Download PDF

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Abstract

本発明はインビボイメージングのための診断造影剤に関する。造影剤はインビボ画像診断に適した造影成分で5位を標識された合成バルビツール酸誘導体を含む。本発明はまた放射性医薬の製造用キットと共に造影剤を含む医薬及び放射性医薬組成物を提供する。更にまた、放射性又は常磁性金属イオンを含む造影剤の製造に適したバルビツール酸誘導体のキレーターコンジュゲートを記載する。造影剤はアテローム性動脈硬化症を含む種々の疾患状態のインビボ画像診断に有用である。

Description

本発明はインビボイメージング用の画像診断造影剤に関する。本造影剤は、5位がインビボ画像診断に適した造影成分で標識された合成バルビツール酸誘導体を含む。
バルビツール酸つまりピリミジン−2,4,6−トリオンは公知の薬剤である。
Figure 2006505550
その誘導体、特に5位(すなわちピリミジン環のCH)での置換基の導入で得られるものも知られている。その一例は、バルビタールつまり5,5−ジエチルバルビツール酸である。
Grigsby等[J.Nucl.Med.,22(6),Abstract P12(1981)]は、局所脳血流量の潜在的な放射性造影剤として、放射性同位体が5位のアラルキル置換基の一部である親油性75Se及び123mTe標識バルビツレート誘導体を開示している。
米国特許第3952091号には、バルビツレート薬剤のインビトロラジオイムノアッセイに有用な化合物で、バルビツール酸の5位が放射性同位体125Iで標識されたものが開示されている。
米国特許第4244939号には、バルビツレート薬剤のインビトロラジオイムノアッセイに有用な化合物で、バルビツール酸の1位又は3位(すなわち環窒素)が適宜リンカー基を介して放射性同位体125I又は131Iで標識されたものが開示されている。
国際公開第01/60416号には、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)阻害剤のキレーターコンジュゲート並びに診断用金属との金属鎖体の製造におけるそれらの使用が開示されている。具体的に記載されたMMP阻害剤の種類はヒドロキサメート、特にスクシニルヒドロキサメートである。
米国特許第3952091号明細書 米国特許第4244939号明細書 国際公開第01/60416号パンフレット Grigsby et al, J.Nucl.Med.,22(6),Abstract P12(1981)
今回、5位が造影成分で標識された合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)阻害剤が哺乳類体内のインビボイメージングに有用な診断造影剤であることが判明した。バルビツール酸系MMP阻害剤(すなわちピリミジン−2,4,6−トリオン)は所定のMMP、特にゼラチナーゼ(MMP−2及びMMP−9)及び膜結合MT−MMP1(MMP−14)及び3(MMP−16)並びにMMP−8に対してヒドロキサム酸誘導体よりも高い選択性を示すことができる。造影剤に関しては、このことは不都合なバックグラウンド活性の低減をもたらし、向上したS/N比を与える。バルビツール酸誘導体はまたヒドロキサム酸やペプチド系MMP阻害剤よりも高い親油性を有しているが、これは、本発明の造影剤がその親油性のため細胞膜又は血液脳関門の通過性に優れていることを意味する。従って、本発明の薬剤は脳腫瘍、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病又は脳内のMMP活性の他の部位のような脳疾患のイメージングにも有用であると期待される。
本発明の造影剤は、特定のマトリックスメタロプロテイナーゼが関与していることが判明している一群の疾患(炎症、悪性及び変性疾患)のインビボ画像診断に有用である。こうした疾患としては、以下のものが挙げられる。
(a)アテローム性動脈硬化症、すなわち、種々のMMPが過剰発現されるもの。ヒトアテローム性動脈硬化症プラークには高濃度のMMP−1、3、7、9、11、12、13及びMT1−MMPが検出されている[S.J.George, Exp.Opin.Invest.Drugs,9(5),993−1007(2000)及びその参考文献]。ヒトアテローム中のMMP−2[Z.Li et al.,Am.J.Pathol.,148,121−128(1996)]及びMMP−8[M.P.Herman et al.,Circulation,104,1899−1904(2001)]の発現もまた報告されている。
(b)慢性心障害(Peterson, J.T.et al., Matrix metalloproteinase inhibitor development for the treatment of heart failure,Drug Dev.Res.(2002),55(1),29−44はMMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−8、MMP−9、MMP−13及びMMP−14が心障害においてアップレギュレートされることを報告している)、
(c)癌[Vihinen et al.,Int.J.Cancer 99,p157−166(2002)は癌におけるMMPの関与を検討しており、特に、MMP−2、MMP−3、MMP−7及びMMP−9に着目している]、
(d)関節炎[Jacson et al.,Inflamm.Res.50(4),p183−186(2001)“Selective matrix metalloproteinase inhibition in rheumatoid arthritis−targeting gelatinase A activation”,MMP−2が特に考察されている]、
(e)筋萎縮性側索硬化症[Lim et al.,J.Neurochem,67,251−259(1996);個々ではMMP−2及びMMP−9が関与している]、
(f)脳転移、すなわち、MMP−2、MMP−9及びMMP−13の関与が報告されているもの[Spinale, Circul.Res.,90,520−530(2002)]、
(g)心臓血管疾患、すなわち、MMP−2及びMMP−9の関与が報告されている[Lukes et al.,Mol.Neurobiol.,19,267−284(1999)]、
(h)アルツハイマー病、すなわち、MMP−2及びMMP−9が患部組織に発見されている[Backstrom et al.,J.Neurochem.,58,983−992(1992)]、
(i)神経炎症疾患、すなわち、MMP−2、MMP−3及びMMP−9が関与している[Mun−Bryce et al.,Brain. Res.,933,42−49(2002)]、
(j)COPD(すなわち、慢性閉塞性肺疾患)、すなわち、MMP−1、MMP−2、MMP−8及びMMP−9がアップレギュレートされると報告されている[Segura−Valdez et al.,Chest,117,684−694(2000)]、
(k)眼病[Kurpakus−Wheater et al.,Prog.Histo.Cytochem.,36(3),179−259(2001)]、
(l)皮膚疾患[Herouy,Y.,Int.J.Mol.Med.,7(1),3−12(2001)]。
第1の態様において、本発明は、
バルビツール酸の5位が造影成分で標識された合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤を含む造影剤であって、造影成分が該標識合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の哺乳類生体内への投与後に検出できるものであり、該造影成分が以下の(i)〜(vii)から選択される造影剤を提供する。
(i)放射性金属イオン、
(ii)常磁性金属イオン、
(iii)ガンマ線放出型放射性ハロゲン、
(iv)陽電子放出型放射性非金属、
(v)過分極NMR活性核、
(vi)インビボ光学イメージングに適したレポーター、
(vii)血管内検出に適したβ放射体。
合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤は分子量100〜2000ダルトン、好ましくは分子量150〜600ダルトン、最も好ましくは分子量200〜500ダルトンのものが適している。
造影成分は哺乳類の体外から検出できるものか又はインビボ使用のために設計された検出器の使用を介して検出され、例えば血管内照射又は光学的検出器、例えば内視鏡又は施術内使用のために設計された放射能検出器で検出し得る。好ましい造影成分はインビボ投与後に非侵襲的な方法で外部から検出できるものである。最も好ましい造影成分は放射性、特に放射性金属イオン、ガンマ線放出型放射性ハロゲン及び陽電子放出型放射性非金属、特にSPECT又はPETを用いたイメージングに適したものである。
造影成分が放射性金属イオン、すなわち放射性金属である場合は、適当な放射性金属は、陽電子放出体、例えば64Cu、48V、52Fe、55Co、94mTc又は68Ga、ガンマ放射体、例えば99mTc、111In、113mIn又は67Gaである。好ましい放射性金属は99mTc、64Cu、68Ga及び111Inである。最も好ましい放射性金属はガンマ放射体、特に99mTcである。
造影成分が常磁性金属イオンである場合は、適当なかかる金属イオンとしてはGd(III)、Mn(II)、Cu(II)、Cr(III)、Fe(III)、Co(II)、Er(II)、Ni(II)、Eu(III)又はDy(III)が挙げられる。好ましい常磁性金属イオンはGd(III)、Mn(II)及びFe(III)であり、Gd(III)が特に好ましい。
造影成分がガンマ線放出型放射性ハロゲンである場合は、放射性ハロゲンは123I、131I又は77Brから適宜選択される。好ましいガンマ線放出型放射性ハロゲンは123Iである。
造影成分が陽電子放出型放射性非金属である場合は、かかる陽電子放出体の適当なものとして、11C、13N、15O、17F、18F、75Br、76Br又は124Iが挙げられる。好ましい陽電子放出型放射性非金属は11C、13N及び18Fであり、特に好ましくは11C及び18Fであり、最も好ましくは18Fである。
造影成分が過分極NMR活性核種である場合は、かかるNMR活性核種は非ゼロ核スピンを有し、13C、15N、19F、29Si及び31Pが挙げられる。これらのうち、13Cが好ましい、「過分極」という用語はNMR活性核種の分極の程度がその平衡分極を超えていることを意味する。13Cの天然の存在量(12Cと比較して)は約1%であり、適当な13C標識化合物は過分極される前に5%以上、好ましくは50%以上、最も好ましくは90%以上の存在量となるように適宜濃縮される。本発明のバルビツール酸の5位の炭素含有置換基の1以上の炭素原子は13Cで適宜濃縮され、これを次いで過分極させる。
造影成分がインビボ光学イメージングに適したレポーターである場合は、レポーターは光学イメージング操作法において直接又は間接的に検出できる部分であればよい。レポーターは光散乱体(例えば着色又は未着色粒子)、光吸収体又は光放射体とし得る。さらに好ましくは、レポーターは発色団又は蛍光化合物のような染料である。染料は紫外乃至近赤外域の波長を有する電磁スペクトルの光と相互作用する染料とし得る。最も好ましくはレポーターは蛍光特性を有する。
好ましい有機発色団及び蛍光団レポーターとしては、広範囲に非局在化した電子系を有する基、シアニン、メロシアニン、インドシアニン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、トリフェニルメチン、ポルフィリン、ピリリウム染料、チアピリリアプ染料、スクアリリウム染料、クロコニウム染料、アズレニウム染料、インドアニリン、ベンゾフェノキサジニウム染料、ベンゾチアフェノチアジニウム染料、アントラキノン、ナフトキノン、インダスレン、フタロイルアクリドン、トリスフェノキノン、アゾ染料、分子内及び分子間電荷移動染料及び染料鎖体、トロポン、テトラジン、ビス(ジチオレン)鎖体、ビス(ベンゼン−ジチオレート)鎖体、ヨードアニリン染料、ビス(S,O−ジチオレン)鎖体が挙げられる。蛍光タンパク質、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)及び吸収/発光特性の異なるGFPの修飾物も有用である。ある種の希土類金属(例えばユーロピウム、サマリウム、テルビウム又はジスプロシウム)の鎖体も、蛍光ナノ結晶(量子ドット)のような特定の状況で用いられる。
使用し得る発色団の具体例としては、フルオレセイン、スルホローダミン101(テキサスレッド)、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン19、インドシアニングリーン、Cy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、マリーナブルー、パシフィックブルー、オレゴングリーン488、オレゴングリーン514、テトラメチルローダミン及びAlexaFluor350、AlexaFluor430、AlexaFluor532、AlexaFluor546、AlexaFluor555、AlexaFluor568、AlexaFluor594、AlexaFluor633、AlexaFluor647、AlexaFluor660、AlexaFluor680、AlexaFluor700及びAlexaFluor750が挙げられる。
特に好ましいのは、400nm〜3μm、特に600〜1300nmの可視又は近赤外域に吸収極大を有する染料である。
光学イメージングモダリティ及び測定手法としては、例えば、ルミネセンスイメージング、内視鏡、蛍光内視鏡、光学的密着断層撮影、透過率イメージング、時間分解透過率イメージング、共焦イメージング、非線形顕微鏡分析、光音響イメージング、音響光学イメージング、スペクトル分析、反射スペクトル分析、干渉分析、密着干渉計、拡散光学断層撮影及び蛍光媒介拡散光学断層撮影(連続波長、時間ドメイン及び周波数ドメインシステム)及び光の散乱、吸収、分極、発光、蛍光寿命、量子収率及び消光の測定などが挙げられる。
造影成分が血管内検出に適したβ放射体である場合は、かかるβ放射体として適当なものとして、放射性金属、67Cu、89Sr、90Y、153Sm、186Re、188Re又は192Ir及び非金属32P、33P、38S、38Cl、39Cl、82Br及び83Brが挙げられる。
本発明の造影剤は好ましくは次の式Iのものである。
[{阻害剤}−(A)−[造影成分] (I)
式中、{阻害剤}は合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤であり、
−(A)−はリンカー基であって、Aは独立に−CR−、−CR=CR−、−C≡C−、−CRCO−、−COCR−、−NRCO−、−CONR−、−NR(C=O)NR−、−NR(C=S)NR−、−SONR−、−NRSO−、−CROCR−、−CRSCR−、−CRNRCR−、C4−8シクロヘテロアルキレン基、C4−8シクロアルキレン基、C5−12アリーレン基又はC3−12ヘテロアリーレン基、アミノ酸又は単分散ポリエチレングリコール(PEG)構成要素であり、
Rは独立にH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4アルコキシアルキル又はC1−4ヒドロキシアルキルから選択され、
nは0〜10の整数であり、
mは1、2又は3である。
式Iのリンカー基−(A)−の役割はバルビツレートメタロプロテイナーゼ阻害剤の活性部位からイメージング部位を隔てることである。これは、造影成分が比較的嵩高い(例えば金属鎖体)場合にMMP酵素への阻害剤の結合が損なわれないようにするため特に重要である。これは、嵩高い基が活性部位から遠ざかる自由度をもつようにするための柔軟性(例えば単純なアルキル鎖)及び/又は金属錯体を活性部位から遠ざけるシクロアルキル又はアリールのスペーサーのような剛直性の組合せによって達成することができる。
リンカー基の性状は造影剤の生体分布を変化させるのにも使用できる。例えば、リンカーにエーテル基を導入すると、血漿タンパク質の結合を最小限にすることが容易になる。−(A)−が単分散ポリエチレングリコール(PEG)構成要素又はアミノ酸残基1〜10個のペプチド鎖を含むと、リンカー基はインビボの造影剤の薬物動態及び血中クリアランスを変化させる機能をもつことができる。かかる「バイオモディファイアー」のリンカー基はバックグランド組織、例えば筋肉又は肝臓及び/又は血液からの造影剤のクリアランスを加速し、バックグラウンドの干渉の低減による良好な診断画像がもたらされる。バイオモディファイアーリンカー基はまた肝臓を経る場合とは異なり、例えば腎臓を経る排出の特定の経路を優先するために使用し得る。
−(A)−がアミノ酸残基1〜10個のペプチド鎖を含む場合、アミノ酸残基は好ましくはグリシン、リジン、アスパラギン酸又はセリンから選択される。−(A)−がPEG部分を含む場合、好ましくは、単分散PEG様構造の重合により誘導される単位、すなわち次の式IIの17−アミノ−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15−テトラオキサヘプタデカン酸を含む。
Figure 2006505550
式中、nは1〜10の整数であり、C末端単位()は造影成分に連結している。
リンカー基がPEG又はペプチド鎖を含まない場合、好ましい−(A)−基は2〜10個の原子、最も好ましくは2〜5個の原子、特に2又は3個の原子の−(A)−部分をなする連結原子の骨格鎖を有する。2原子の最小のリンカー基骨格鎖は如何なる相互作用も最小限とするために造影成分がバルビツール酸系メタロプロテイナーゼ阻害剤から十分隔離されているという利点を与える。
アルキレン基又はアリーレン基のような非ペプチドリンカー基は、それがコンジュゲートしたバルビツール酸系MMP阻害剤と顕著な水素結合相互作用をもたず、バルビツール酸系MMP阻害剤にリンカーが巻きつかないという利点を有する。好ましいアルキレンスペーサー基は−(CH−であり、qは2〜5である。好ましいアリーレンスペーサーは次の式のものである。
Figure 2006505550
式中、a及びbは独立に0、1又は2である。リンカー基−(A)−は好ましくはグルタミン酸、コハク酸、ポリエチレングリコール系単位又は式IIのPEG様単位から誘導される。
造影成分が金属イオンを含む場合、金属イオンは金属鎖体として存在する。かかるバルビツール酸系メタロプロテイナーゼ阻害剤の金属イオンとのコンジュゲートは好適には式Iaのものである。
[{阻害剤}−(A)−[金属鎖体] (Ia)
式中、A、n及びmは上記の式Iの通り定義される。
「金属鎖体」という用語は、金属イオンと1個以上のリガンドとの配位鎖体を意味する。金属鎖体は「トランスキレート化に対して耐性」、すなわち、金属の配位部位に対する他の潜在的な競合リガンドとリガンド交換を容易に行わないことが極めて好ましい。潜在的な競合リガンドには、バルビツール酸部分自体及びインビトロ標品中の他の賦形剤(製剤に使用される例えば放射能保護物質又は抗微生物保存料)又はインビボの内因性化合物(例えばグルタチオン、トランスフェリン又は血症タンパク質)がある。
式Iの金属鎖体は次の式Ibのリガンドのコンジュゲートから誘導される。
[{阻害剤}−(A)−[リガンド] (Ib)
式I、Ia及びIb中、mは好ましくは1又は2であり、最も好ましくは1である。
トランスキレート化に耐性である金属鎖体を形成する本発明の使用に適したリガンドとしては、(金属ドナー原子同士が炭素原子又は非配位複素環原子の非配位骨格で連結されていることによって)5又は6員キレート環が形成されるように2〜6個、好ましくは2〜4個の金属ドナー原子が配列したキレート剤、又はイソニトリル、ホスフィン又はジアゼニドなどの金属イオンに強力に結合するドナー原子を含む単座のリガンドが挙げられる。キレート剤の部分として金属に良好に結合するドナー原子の例はアミン、チオール、アミド、オキシム及びホスフィンである。ホスフィン類は、単座又は2座のホスフィンであっても適当な金属鎖体を形成する程度に強力な金属鎖体を形成する。イソニトリル及びジアゼニドの直線の幾何学的特徴は、それらがキレート剤に容易に取り込まれないようにするためであり、従って、典型的には単座リガンドとして使用される。適当なイソニトリルの例としては、t−ブチルイソニトリルのような単純なアルキルイソニトリル及びmibi(1−イソシアノ−2−メトキシ−2−メチルプロパン)のようなエーテル置換イソニトリルが挙げられる。適当なホスフィンの例としては、テトロホスミン及び単座ホスフィン類、例えばとリス(3−メトキシプロピル)ホスフィンが挙げられる。適当なジアゼニドの例としては、リガンドのHYNICシリーズ、すなわちヒドラジン置換ピリジン又はニコチンアミドが挙げられる。
トランスキレート化に耐性の金属鎖体を形成するテクネチウムのための適当なキレート剤の例としては、例えば以下の(i)〜(v)が挙げられる。
(i)次の式のジアミンジオキシム。
Figure 2006505550
式中、E〜Eは各々独立にR′基であり、
各R′基はH又はC1−10アルキル、C3−10アルキルアリール、C2−10アルコキシアルキル、C1−10ヒドロキシアルキル、C1−10フルオロアルキル、C2−10カルボキシアルキル又はC1−10アミノアルキルであるか、或いは2個以上のR′がそれらと結合した原子と一緒に炭素環、複素環、飽和又は不飽和の環を形成するもので、R′基の1以上はバルビツール酸系MMP阻害剤にコンジュゲートしており、
Qは式−(J)−の結合基であり、fは3、4又は5であり、各Jは独立に−O−、−NR′−又は−C(R′)−であるが、ただし−(J)−が−O−又は−NR′−であるJ基最大1個含むことを条件とする。
好ましいQ基は以下のものである。
Q=−(CH)(CHR′)(CH)−、すなわちプロピレンアミンオキシムつまりPnAO誘導体、
Q=−(CH(CHR′)(CH−、すなわちペンチレンアミンオキシムつまりPentAO誘導体、
Q=−(CHNR′(CH−。
〜Eは、好ましくはC1−3アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、フルオロアルキル、カルボキシアルキル又はアミノアルキルから選択される。最も好ましくは、各E〜E基はCHである。
バルビツール酸系MMP阻害剤は好ましくはE又はEのR′基、又はQ部分のR′基のいずれかでコンジュゲートする。最も好ましくは、バルビツール酸系MMP阻害剤はQ部分のR′基にコンジュゲートする。バルビツール酸系MMP阻害剤がQ部分のR′基にコンジュゲートする場合は、R′基は好ましくはブリッジヘッド位置にある。かかる場合、Qは好ましくは−(CH)(CHR′)(CH)−、−(CH(CHR′)(CH−又は−(CHNR′(CH−、最も好ましくは−(CH(CHR′)(CH−である。特に好ましい官能性ジアミンジオキシムキレーターは次の式IIIを有しており(キレーター1)、合成バルビツール酸系MMP抑制剤はブリッジヘッド−CHCHNH基を介してコンジュゲートする。
Figure 2006505550
(ii)チオールトリアミドドナーセットを有するNSリガンド、例えばMAG(メルカプトアセチルトリグリシン)及び関連のリガンド、又はジアミドピリジンチオールドナーセットを有するもの、例えばPica。
(iii)ジアミンジチオールドナーセットを有するNリガンド、例えばBAT又はECD(すなわちエチルシステイネート二量体)又はアミドアミンジチオールドナーセットを有するもの、例えばMAMA。
(iv)テトラミン、アミドトリアミン又はジアミンジアミンドナーセットを有する開環又はマクロ環状リガンドであるNリガンド、例えばサイクラム、モノオキシサイクラム又はジオキシサイクラム。
(v)ジアミンジフェノールドナーセットを有するNリガンド。
上記リガンドは特にテクネチウム、例えば94mTc又は99mTcとの錯形成に適しており、Jurisson et al[Chem.Rev.,99,2205−2218(1999)]に更に詳細に説明されている。これらのリガンドは、他の金属、例えば銅(64Cu又は67Cu)、バナジウム(例えば48V)、鉄(例えば52Fe)又はコバルト(例えば55Co)にも有用である。他の適当なリガンドとしては、Sandozの国際公開第91/01144号に記載されたものがあり、インジウム、イットリウム及びガドリニウムに特に適したリガンド、特にマクロ環アミノカルボキシレート及びアミノホスホン酸リガンドが挙げられる。ガドリニウムの非イオン系(すなわち中性)の金属鎖体を形成するリガンドは公知であり、米国特許第4885363号に記載されている。放射性金属イオンがテクネチウムである場合は、リガンドは好ましくは4座のキレート剤である。テクネチウムに対する好ましいキレート剤はジアミンジオキシム又は上記N又はNSのドナーセットを有するものである。テクネチウムに対する特に好ましいキレート剤はジアミンジオキシムである。
合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤は、結合が血中において容易に代謝されないような態様で金属鎖体に結合するのが極めて好ましい。かかる代謝が起これば標識メタロプロテイナーゼ阻害剤が所望のインビボの標的部位に到達するより前に金属鎖体が切断されるからである。従って合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤は好ましくは容易に代謝されない結合を介して本発明の金属鎖体に共有結合する。
造影成分が放射性ハロゲン、例えばヨウ素である場合は、バルビツール酸系MMP阻害剤は以下の要素、すなわち:非放射性ハロゲン原子、例えばアリールのヨウ化物又は臭化物(放射性ヨウ素交換を可能とするため)、活性化アリール環(例えばフェノール基)、有機金属前駆体化合物(例えばトリアルキルスズ又はトリアルキルシリル)、又は有機前駆体、例えばトリアジンを含むように適宜選択される。放射性ハロゲン(例えば123I及び18F)を取り込む方法はBolton[J.Lab.Comp.Radiopharm.,45,485−528(2002)]に記載されている。放射性ハロゲン、特にヨウ素が結合することができる適当なアリール基を以下に示す。
Figure 2006505550
両者共に芳香族環上への容易な放射性ヨウ素置換を可能とする置換基を含んでいる。放射性ヨウ素を含む別の置換基は、以下に示すような放射性ハロゲン交換による直接ヨウ素化によって合成できる。
Figure 2006505550
造影成分がヨウ素の放射性同位体である場合は、放射性ヨウ素原子は好ましくは芳香族環、例えばベンゼン環又はビニル基に直接共有結合して結合する。飽和脂肪族系に結合しているヨウ素原子はインビボの代謝を受けやすく、放射性ヨウ素が消失しやすいことが知れれているからである。
造影成分がフッ素の放射性同位体(例えば18F)である場合は、放射性ヨウ素原子は、アルキルブロミド、アルキルメシレート又はアルキルトシレートのような良好な脱離基を有する適当な前駆体との18F−フロリドの反応を用いた直接標識によって実施し得る。18Fはまた、N−(CH 18Fを得るための18F(CHOMs(Msはメシレート)のようなアルキル化剤を用いたアミン前駆体のN−アルキル化によるか、又は、18F(CHOMs又は18F(CHBrを用いたヒドロキシル基のO−アルキル化によって導入することもできる。アリール系の場合は、アリールジアゾニウム塩からの窒素の18F−フロリド置換がアリール−18F誘導体への良好な経路である。18F−標識誘導体への経路を説明しているBolton, J.Lab.Comp.Radiopharm.,45,485−528(2002)を参考にできる。
本発明の好ましい合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤は、次の式IVのものである。
Figure 2006505550
式中、RはR″又はZ基であり、
はR″、Y又は−NRであって、RはH又はR″基であり、RはH、C2−14アシル、C2−10アミノアルキル又は(N−C2−14アシル)C2−10アミノアルキル又はR″基であり、或いはRとRがそれらと結合したN原子と一体として適宜(N−C2−14)アシル化C2−8シクロアミノアルキレン環を形成し、
R″は独立にC1−14アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−14アルケニル、C1−14フルオロアルキル、C1−14パーフルオロアルキル、C6−14アリール、C2−14ヘテロアリール又はC7−16アルキルアリールであり、
Zは基−AO[AO]であって、pは0又は1であり、A及びAは独立にC1−10アルキレン、C3−8シクロアルキレン、C1−10パーフルオロアルキレン、C6−10アリーレン又はC2−10ヘテロアリーレンであり、RはR基であって、Rは独立にH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4アルコキシアルキル又はC1−4ヒドロキシアルキルから選択され、
Yは次式の基である。
Figure 2006505550
式中、EはCR、O、S又はNRであり、RはC2−14アシル又はR″もしくはZ基である。
式IVにおいて、Rは好ましくはY又は−NRである。造影剤が式IVのバルビツール酸系MMP阻害剤を含み、造影成分がガンマ線放出型放射性ハロゲン又は陽電子放出型放射性非金属である場合は、造影成分はR又はR置換基のいずれかにおいて結合していてよい。造影成分が放射性又は常磁性金属イオンである場合は、式IVのR置換基は好ましくは造影成分に結合するか、これを含んでいる。
特に好ましい本発明の合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤は、次の式Vのものである。
Figure 2006505550
式中、EはCHR又はNRであり、RはC6−14n−アルキル又はC6−14アリールである。式Vの好ましい合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤は、E=NRであって、R=C2−14アシル、−(CHOH(式中、dは2、3、4又は5である。)又は−CX(式中、XはH、C1−4アルキル、ハロゲン、OR、NR、NO又はSONRであり、R及びRは独立にR基であり、Rは式IV(上記)の通り定義される。)である。
式Vの特に好ましい合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤はRがn−オクチル、n−デシル、ビフェニル、CX又は−C−O−CXであって、Xが前記の通り定義されるものである。
本発明のバルビツール酸系MMP阻害剤化合物は尿素とモノ又はジ置換マロン酸エステル誘導体との縮合によって調製される。詳細はFoley et al[Bioorg.Med.Chem.Lett,11,969−972(2001)に記載されている。式VのMMP阻害剤はGrams et al[Biol.Chem.,382,1277−1285(2001)]記載の方法によって調製できる。
本発明の造影剤が放射性又は常磁性金属イオンを含む場合は、金属イオンは適宜、金属鎖体として存在する。かかる金属鎖体は適宜、式Ibのコンジュゲートと適当な金属イオンとの反応で調製される。式Ibのバルビツール酸系MMP阻害剤のリガンドコンジュゲート又はキレーターコンジュゲートは二官能性キレート法で調製できる。すなわち、官能基を結合したリガンド又はキレート剤の調製は周知である(それぞれ「二官能性リンカー」又は「二官能性キレート」)。結合させる官能基としては、アミン、チオシアネート、マレイミド及び活性エステル、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド又はペンタフルオロフェノールが挙げられる。本発明のキレーター1はアミン官能性付与二官能性キレートの一例である。かかる二官能性キレートは所望のコンジュゲートを形成するためのバルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤上の適当な官能基と反応させることができる。バルビツール酸上のかかる適当な官能基としては、以下のもの:
カルボキシル類(アミン官能性付与二官能性キレーターとのアミド結合形成のため)、
アミン類(カルボキシ又は活性エステル官能性付与2官能セキレーターとのアミド結合形成のため)、
ハロゲン類、メシレート類及びトシレート類(アミン官能性付与二官能性キレーターとのアミド結合形成のため)、及び、
チオール類(マレイミド官能性付与二官能性キレーターとの反応のため)
が挙げられる。
本発明の特に好ましいバルビツレートMMP阻害剤の放射標識は「前駆体」を用いて好適に実施できる。造影成分が金属イオンを含む場合は、かかる前駆体は後記の第4の実施形態において説明する通り、リガンドとのバルビツレートMMP阻害剤の「コンジュゲート」を含むことが適している。造影成分が非金属放射性同位体、すなわちガンマ線放出型放射性ハロゲン又は陽電子発行放射性非金属を含む場合は、かかる「前駆体」は、所望の非金属放射性同位体の好都合な化学形態との化学反応を最小限の工程数(理想的には1工程)で、所望の放射性生成物を得るために特に精製する必要なく(理想的にはそれ以上精製せずに)実施できるように設計された非放射性物質を含むのが適当である。かかる前駆体は好適には良好な化学純度で得ることができ、適宜滅菌形態で供給される。
本発明の特に好ましいバルビツレートMMP阻害剤の放射標識のための「前駆体」(リガンドコンジュゲートを含む)は以下の通り製造できると考えられる。
Figure 2006505550
式VIの化合物の末端−OH基はトシル又はメシル基又はブロモ誘導体に変換してよく、次にこれを用いてアミノ官能性付与キレーターをコンジュゲートすればよい(g=2についてスキーム1に記載)。
Figure 2006505550
上記の前駆体のトシレート、メシレート又はブロモ基は、別法として[18F]フロリドで置き換えることにより、18F標識PET造影剤としてもよい。
放射性誘導体は以下の対応フェノール前駆体から調製することができる。
Figure 2006505550
別の方法は、アミン官能性付与キレーターのNアルキル化のための化合物23[Grams et al.,Biol.Chem.,382,1277−1285(2001)]及び実施例5の工程(h)]の使用である。
スキーム2
Figure 2006505550
化合物23は、アミンとの反応によって以下のような放射性ヨウ素化に適した前駆体とすることができる。
Figure 2006505550
非放射性ヨウ素化類似化合物24が調製されている。
Figure 2006505550
化合物23はまた、放射性ヨウ素化のためのアリールトリメチルシリル(TMS)前駆体に変換することができる。
Figure 2006505550
化合物23はスキーム6に示す通り放射性フッ素化のためのアリールジアゾニウム前駆体に変換することができる。
Figure 2006505550
別の方法はC−5位においてアミノ基を用いることである。この方法においては、キレーターはリンカーを介してコンジュゲートすると予測される(スキーム3)。
スキーム3
Figure 2006505550
かかる第1アミン置換バルビツレートは、ベンジルアミンを用いた化合物23のアルキル化、その後のPd/C触媒を用いた水素化のような標準的条件下のベンジル保護基の除去によって調製できる。
別の方法はキレートを結合させるためのピペラジン誘導体(化合物6、実施例7)の使用である。これはカルボキシ又は活性エステル官能性付与二官能性キレーターとのピペラジン置換基第2アミンの直接のコンジュゲートによるか、又はリンカーを介して行う。後者はスキーム4において示される。ここで、アミン官能性付与キレータがリンカーのペンダントカルボキシル官能基に結合していてもよい。
スキーム4
Figure 2006505550
化合物6をアシル化して適当な放射性ヨウ素化に適した前駆体を得ることができる。
Figure 2006505550
化合物6はまた18F(CHOTs(式中Tsはトシレート基である)又は18F(CHOMs(式中Msはメシレート基である)のような18F標識に適したアルキル化剤と反応させることによりN(CH 18F置換基を有する対応N官能性付与ピペラジン誘導体を得ることができる。或いは、化合物6をまずクロロアセチルクロリドと反応させてN(CO)CHClN誘導ピペラジン(化合物11)とし、その後HS(CH 18Fと反応させることができる。
Figure 2006505550
本発明の造影剤が放射性又は常磁性金属イオンを含む場合は、金属イオンは適宜、金属鎖体として存在する。かかる金属鎖体は適宜、適当な金属イオンとの式Ibのコンジュゲートの反応により調製する。式Ibのバルビツール酸系MMP阻害剤のリガンドコンジュゲート又はキレーターコンジュゲートは二官能性キレート法を介して調製できる。すなわち、官能基が結合したリガンド又はキレート剤を調製することは周知である(それぞれ「二官能性リンカー」又は「二官能性キレート」)。結合させる官能基としては、アミン、チオシアネート、マレイミド及び活性エステル、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド又はペンタフルオロフェノールが挙げられる。本発明のキレーター1はアミン官能性付与二官能性キレートの一例である。かかる二官能性キレートは所望のコンジュゲートを形成するためのバルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤上の適当な官能基と反応させることができる。バルビツール酸上のかかる適当な官能基としては、以下のもの:
カルボキシル類(アミン官能性付与二官能性キレーターとのアミド結合形成のため)、
アミン類(カルボキシ又は活性エステル官能性付与2官能セキレーターとのアミド結合形成のため)、
ハロゲン類、メシレート類及びトシレート類(アミン官能性付与二官能性キレーターとのN−アルキル化のため)、及び、
チオール類(マレイミド官能性付与二官能性キレーターとの反応のため)
が挙げられる。
本発明の放射性金属鎖体は適当なpHで式Iaのリガンドコンジュゲートに適当な酸化状態の放射性金属の溶液を反応させることにより調製してよい。溶液は好ましくは金属と弱く錯形成するリガンド(例えばグルコネート又はシトレート)を含み、すなわち放射性金属鎖体はリガンドの交換又はトランスキレート化により調製する。かかる条件は金属イオンの加水分解のような不都合な副反応を抑制するのに有用である。放射性金属イオンが99mTcの場合は、通常の原料は99Mo発生物質に由来のナトリウムパーテクネテートである。テクネチウムは比較的非反応性であるTc(VII)酸化状態における99mTcパーテクネテート中に存在する。従って、酸化状態の低いTc(I)〜Tc(V)のテクネチウム鎖体の調製は通常は錯形成を促進するために、ナトリウムジチオナイト、ナトリウムビスルファイト、アスコルビン酸、ホルムアミジンスルフィン酸、スズイオン、Fe(II)又はCu(I)のような適当な薬学的に許容される還元剤の添加を必要とする。薬学的に許容される還元剤は好ましくはスズ塩、最も好ましくは塩化スズ、フッ化スズ又は酒石酸スズである。
造影成分が過分極NMR活性核種、例えば過分極13C原子である場合、所望の過分極化合物は適当な13C過剰バルビツール酸誘導体への過分極ガス(例えば129Xe又はHe)からの分極交換により調製できる。
第2の態様において、本発明は哺乳類への投与に適した形態の生体適合性担体と共に上記造影剤を含む医薬組成物を提供する。「生体適合性担体」とは流体、特に液体であり、組成物が生理学的に耐容性を有し、すなわち、毒性又は予定外の不快感を伴うことなく哺乳類体内に投与できるように造影剤を懸濁又は溶解できるものである。生体適合性担体は適宜、注射用担体液体、例えば滅菌された発熱物質非含有の注射用水、水溶液、例えば生理食塩水(注射用の最終生成物が等張性又は非低張性であるように好都合に平衡されていてよい)、浸透圧調節物質(例えば生体適合性対イオンを有する血漿中カチオンの塩)、糖類(例えばグルコース又はスクロース)、糖アルコール(例えばソルビトール又はマンニトール)、グリコール(例えばグリセロール)又は他の非イオン性ポリオール物質(例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール等)の1種以上の水溶液である。
第3の態様において、本発明は哺乳類への投与に適した形態の生体適合性担体(上記において定義)と共に造影成分が放射性である上記造影剤を含む医薬組成物を提供する。かかる放射性医薬組成物は滅菌性を維持しながら皮下注射用の針で単回又は複数回穿刺するのに適したシール(例えばクリンプドオンセプタムシール蓋)と共に提供される何れかの容器中において供給されるのが適している。かかる容器は単回又は多数回の患者用量を含有してよい。好ましい多用量の容器には、多数回の患者用量を含む単一の大型バイアル(例えば10〜30cm容量)を含み、これにより単回分の患者用量を臨床用等級のシリンジ内に様々な時間間隔で臨床状況に適した製剤の有効期限内に取り出すことができる。充填済みシリンジはヒト用単回用量を含むように設計され、従って好ましくは使い捨て又は他の臨床用途に適したシリンジである。充填済みシリンジは適宜放射線量からオペレーターを保護するためにシリンジシールドと共に提供してよい。適当なかかる放射性薬品用シリンジシールドは当該分野で知られており、好ましくは鉛又はタングステンを含む。
造影成分が99mTcを含む場合、診断用イメージング放射性薬品に適した放射線の含量はインビボでイメージングされる部位、取り込み及び標的のバックグラウンドに対する比に応じて、99mTcの180〜1500MBqの範囲である。
第4の態様において、本発明は合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤とリガンドのコンジュゲートであって、バルビツール酸が5位に置換基を含んでおり、5位置換基がリガンドを含んでいるコンジュゲートを提供する。該リガンドコンジュゲートは放射性金属イオン又は常磁性金属イオンのいずれかにより標識された合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の製造に適している。好ましくは、リガンドコンジュゲートは上記の式Ibのものである。最も好ましくは、リガンドコンジュゲートの合成バルビツール酸系MMP阻害剤は上記の式IVのものである。理想的には、リガンドコンジュゲートの合成バルビツール酸系MMP阻害剤は上記の式Vのものである。本発明の第4の態様のコンジュゲートのリガンドは好ましくはキレート剤である。好ましくは、キレート剤はジアミンジオキシム、N又はNSドナーセットを有する。
第5の態様において、本発明は造影成分が非金属放射性同位体、すなわちガンマ線放出型放射性ハロゲン又は陽電子放出型放射性非金属を含む放射性医薬組成物の製造に有用な前駆体を提供する。かかる「前駆体」は、所望の非金属放射性同位体の好都合な化学形態との化学反応が最小限の回数の工程(理想的には1工程)において、所望の放射性生成物を得るために特に精製を必要とすることなく(理想的には更に精製を必要とすることなく)実施できるように設計された合成バルビツール酸系メタロプロテイナーゼ阻害剤物質の非放射性誘導体を含むことが適当である。かかる前駆体は好適には良好な化学的純度で得ることができる。適当な前駆体誘導体はBoltin, J.Lab.Comp.Radiopharm.,45,485−528(2002)に記載されている。
本実施形態の好ましい前駆体は、親電子又は親核ハロゲン化の何れかを起こし、アルキル又はフルオロアルキルハライド、トシレート、トリフレート(すなわちトリフルオロメタンスルホネート)又はメシレートから選択されるアルキル化剤を用いて容易にアルキル化できる誘導体、又はチオエーテル結合を形成するアルキレートチオール部分を含む。第1のグループの例は、以下の(a)〜(c)である。
(a)有機金属誘導体、例えばトリアルキルスタネート(例えばトリメチルスタニル又はトリブチルスタニル)又はトリアルキルシラン(例えばトリメチルシリル)、
(b)ハロゲン交換のためのアルキル又はアリールヨウ化物又は臭化物及び親核ハロゲン化のためのアルキルトシレート又はメシレート、
(c)親電子ハロゲン化のために活性化された芳香族環(例えばフェノール)及び親核ハロゲン化のために活性化された芳香族環(例えばアリールヨードニウム、アリールジアゾニウム又はニトロアリール化合物)。
容易にアルキル化を起こす好ましい誘導体はアルコール、フェノール又はアミン基、特にフェノール及び立体未障害第1又は第2アミンである。
チオール含有放射性同位体反応体をアルキル化する好ましい誘導体はN−ハロアセチル基、特にN−クロロアセチル及びN−ブロモアセチル誘導体である。
所望の非金属放射性同位体の好ましい好適な化学形態としては、以下の(a)〜(c)が挙げられる。
(a)その後の置換反応のための特に水性媒体中のハライドイオン(例えば132I−ヨウ素又は18F−フッ素)、
(b)臭素、メシレート又はトシレートのような良好な脱離基で官能性付与された11C−メチルヨウ化物又は18F−フルオロアルキレン化合物、
(c)N−クロロアセチル又はN−ブロモアセチル誘導体のようなアルキル化前駆体とのS−アルキル化反応のためのHS(CH 18F。
適当なかかる「前駆体」の例及びその調製方法は、第1の実施形態(上記)において記載する通りである。
第6の態様において、本発明は合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤とのリガンドのコンジュゲートを含む上記放射性金属イオン放射性医薬組成物の製造のための非放射性キットを提供する。リガンドコンジュゲート及びその好ましい特徴は上記の第4の実施形態において記載する通りである。かかるキットは例えば血流中への直接の注射によるヒトへの投与に適した滅菌された放射性薬品を与えるように設計される。キットは好ましくは凍結乾燥され、放射性金属の好都合な滅菌原料[例えば99mTc放射性同位体発生物質由来の99mTc−パーテクネテート(TcO )]と共に希釈再調製することによりヒトへの投与に適した溶液を与えるように設計される。適当なキットは遊離の塩基又は酸の塩の形態のリガンド又はキレーターコンジュゲートを含む容器(例えばセプタム密封バイアル)を含む。或いは、キットは適宜放射性金属の添加により所望の生成物を与える金属転移反応(すなわち金属交換)を起こす金属鎖体を含有する。
放射性金属イオンが99mTcである場合、キットは好ましくは更に生体適合性の還元剤、例えばナトリウムジチオナイト、ナトリウムビスルファイト、アスコルビン酸、ホルムアミジンスルフィン酸、スズイオン、Fe(II)又はCu(I)を含む。生体適合性の還元剤は好ましくは塩化スズ又は酒石酸スズのようなスズ塩である。
非放射性キットは適宜更にトランスキレート剤、放射能保護剤、抗微生物保存料、pH調節剤又は充填剤のような別の成分を含んでよい。「トランスキレート剤」とは急速に反応して放射性金属と弱い鎖体を形成し、次いで「コンジュゲート」のリガンドにより置き換えられる化合物である。これにより放射性不純物、例えばテクネチウム錯形成と競合するパーテクネテートの急速な還元による還元加水分解テクネチウム(RHT)の形成の危険性が最小限となる。適当なかかるトランスキレート剤は、弱い有機酸、すなわち3〜7のpKaを有する有機酸と、生体適合性のカチオンの塩である。適当なかかる弱い有機酸は、酢酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、安息香酸、フェノール又はホスホン酸である。従って適当な塩は、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、グルコヘプトン酸塩、安息香酸塩、フェノレート又はホスホン酸塩である。好ましいかかる塩は酒石酸塩、グルコン酸塩、グルコヘプトン酸塩、安息香酸塩又はホスホン酸塩であり、最も好ましくはホスホン酸塩であり、特にジホスホン酸塩である。好ましいかかるトランスキレート剤はMDP、すなわちメチレンジホスホン酸の生体適合性カチオンとの塩である。
「放射能保護剤」という用語は水の放射線分解で生じる酸素含有フリーラジカルのような高度な反応性を有するフリーラジカルを捕獲することにより酸化還元過程のような分解反応を抑制する化合物を意味する。本発明の放射能保護剤はアスコルビン酸、p−アミノ安息香酸(すなわち4−アミノ安息香酸)、ゲンチシン酸(すなわち2,5−ジヒドロキシ安息香酸)及び上記生体適合性カチオンとのこれらの塩から適宜選択される。
「抗微生物保存料」という用語は、細菌、酵母又はカビのような潜在的に有害な微生物の生育を抑制する薬剤を意味する。抗微生物保存料はまた用量に応じてある程度の殺菌作用も有する。本発明の抗微生物保存料の主な役割は希釈再調製後の放射性医薬組成物中、すなわち放射性診断用品自身中の何れかのかかる微生物の生育を抑制することである。しかしながら抗微生物保存料はまた適宜希釈再調製前の本発明の非放射性キットの成分1種以上中の潜在的に有害な微生物の生育を抑制するために使用し得る。適当な抗微生物保存料としては、パラベン類、すなわちメチル、エチル、プロピル又はブチルパラベン又はこれらの混合物、ベンジルアルコール、フェノール、クレゾール、セトリミド及びチオメルサールが挙げられる。好ましい抗微生物保存料はパラベン類である。
「pH調節剤」という用語は、希釈再調製キットのpHがヒト又は哺乳類への投与のための許容限度(約pH4.0〜10.5)内とするために有用な化合物又は化合物の混合物を意味する。かかるpH調節剤として適当なものとしては、薬学的に許容される緩衝物質、例えばトリシン、ホスフェート又はTRIS[すなわちトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン]及び薬学的に許容される塩基、例えば炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム又はこれらの混合物が挙げられる。コンジュゲートが酸の塩の形態を用いる場合は、pH調節剤は適宜、キットのユーザーが多段階操作法の一部としてpHを調節できるように個別のバイアル又は容器内において提供してよい。
「充填剤」という用語は、製造及び凍結乾燥の間の材料の取り扱いを容易にする薬学的に許容される増量剤を意味する。適当な充填剤としては、塩化ナトリウムのような無機塩及び水溶性糖類又は糖アルコール、例えばスクロース、マルトース、マンニトール又はトレハロースが挙げられる。
第7の態様において、本発明は造影成分が非金属放射性同位体、すなわちガンマ線放出型放射性ハロゲン又は陽電子放出型放射性非金属を含む放射性医薬組成物の製造用キットを提供する。かかるキットは、放射性同位体の滅菌原料との反応により最小数の操作で所望の放射性薬品が得られるように、好ましくは滅菌非発熱物質形態で、第5の実施形態の「前駆体」を含む。かかる考え方は、放射性同位体が比較的短い半減期を有する放射性薬品に関して、取り扱いの容易さとこれによる放射線薬剤師に対する低減された放射線量の観点から、特に重要である。従って、かかるキットの希釈再調製のための反応媒体は好ましくは水性であり、哺乳類への投与に適した形態である。
キットの「前駆体」は好ましくは固体支持体マトリックスに共有結合した状態で供給される。このようにすることにより、所望の放射性医薬品が溶液中に形成され、一方、原料及び不純物は固相に結合したままとなる。18F−フッ化物を用いた固相親電子フッ素化のための前駆体は国際公開第03/002489号に記載されている。18F−フッ化物による固相親核フッ素化のための前駆体は国際公開第03/002157号に記載されている。従って、キットは安定に適合された自動合成装置に装着することができるカートリッジを含んでよい。カートリッジは、固体支持体結合前駆体とは別に、望ましくないフッ化物イオンを除去するためのカラム、及び、反応混合物を蒸発させ生成物が所望の通りに製剤されるようにするために連結された適当な容器を含んでよい。合成に必要な試薬及び溶媒及び他の消耗品もまた、放射性物質の濃度、容量、デリバリー時間等に関する顧客の要望に合致するような方法で合成装置が操作できるようにするソフトウエアの入ったコンパクトディスクと共に組み込んでよい。好適には、キットの全ての要素を使い捨てとすることにより、試験相互間の混入の可能性を最小限にし、滅菌し、品質保証する。
第8の態様において、本発明はアテローム性動脈硬化症、特に不安定な脆弱性のプラークの画像診断のための上記合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤造影剤の使用を開示する。
別の態様において、本発明は他の炎症性疾患、癌又は変性疾患の画像診断のための上記合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤造影剤の使用を開示する。
別の態様において、本発明はプロキシミティ検出を用いたアテローム性動脈硬化症、特に特に不安定な脆弱性のプラークの血管内検出のための上記合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤造影剤の使用を開示する。かかるプロキシミティ検出は、カテーテルのような血管内装置を用いるか、又は、ハンドヘルドの検出器(例えばガンマ線検出器)を用いて術中に行ってよい。かかる血管内検出は造影成分がインビボ光学イメージング又はβ放射体に適したレポーター基である場合には、かかる部分は哺乳類体外では容易に検出されないがプロキシミティ検出には適していることから、特に有用である。
本発明を以下に記載する非限定的な実施例により説明する。実施例1は化合物1,1,1−トリス(2−アミノエチル)メタンの合成を記載する。実施例2は潜在的に有害なアジド中間体の使用を回避する1,1,1−トリス(2−アミノエチル)メタンの別の合成を示す。実施例3はクロロニトロソアルカン前駆体の合成を示す。実施例4は本発明の好ましいアミン置換二官能性ジアミンジオキシムの合成を示す(キレーター1)。実施例5は非放射性ヨウ素化バルビツレートの合成を示す(化合物4)。実施例6は化合物4の放射性ヨウ素化125I類似体の合成を示す(化合物5)。実施例7はピペラジン置換バルビツレート(化合物6)の合成を示し、ここでは別のコンジュゲーション(例えばキレート剤の)のためピペラジンアミンを用いることができる。実施例8はフルオロプロピル誘導体(化合物7)の合成を示し、実施例9は対応18F類似体を示す。実施例10はチオエーテル連結フルオロプロピル誘導体(化合物9)を示し、実施例11は対応18F誘導体を示す(化合物10)。実施例12はクロロアセチル中間体の合成を示す(化合物11)。実施例13及び14は本発明のキレーターコンジュゲートの合成を示す(化合物16及び17)。実施例15はトリブチルスタニル放射性ヨウ素化前駆体の合成を示す(化合物18)。実施例16は[18F]フロリドを用いたフルオロ脱臭素化を介した対応18F類似体の放射性合成のための前駆体として機能するブロモメチル誘導体(化合物13)の合成を示す。実施例17は種々のフェニルピペラジン誘導体の合成を示す(化合物19〜22)。実施例18は化合物24の合成を示す。実施例19及び20は本発明の化合物vs特定のメタロプロテイナーゼ酵素の抑制活性を評価するためのインビトロの試験を示す。表1及び表2はMMP−2、MMP−9及びMMP−12に対する本発明の非放射性ヨウ素化、フッ素化及びキレート誘導体の例に関する抑制試験結果を示す。これは大部分の化合物が比較用の従来の化合物2及び3と同様の抑制活性を有することを示している。これはキレーター又は造影成分、例えばヨウ素原子又はフッ素原子をバルビツレートMMP阻害剤の生物学的活性を犠牲にすることなく導入することができることを示している。実施例21は本発明のキレーターコンジュゲートの99mTc放射標識を示す。実施例22は本発明の適当な非放射性前駆体の放射性ヨウ素化の一般的方法を示している。
図1は本発明の数種の化合物の化学構造を示す。
1,1,1−トリス(2−アミノエチル)メタンの合成
工程1(a):3−(メトキシカルボニルメチレン)グルタル酸ジメチルエステル
トルエン(600ml)中のカルボメトキシメチレントリフェニルホスホラン(167g、0.5モル)をジメチル3−オキソグルタレート(87g、0.5モル)で処理し、反応混合物を36時間窒素雰囲気下に120℃で油浴上に加熱した。次に反応混合物を真空下に濃縮し、油状の残存物を40/60石油エーテル/ジエチルエーテル1:1、600mlで粉状にした。トリフェニルホスフィン酸化物を沈殿させ、上清をデカントし、濾去した。真空下に蒸発させた残存物を高真空Bpt(0.2トルでオーブン温度180〜200℃)下にクーゲルロール蒸留した。
3−(メトキシカルボニルメチレン)グルタル酸ジメチルエステル(89.08g、53%)
NMR H(CDCl):δ3.31(2H,s,CH),3.7(9H,s,3xOCH),3.87(2H,s,CH),5.79(1H,s,=CH,)ppm。
NMR 13C(CDCl),δ36.56,CH,48.7,2xCH,52.09及び52.5(2xCH);122.3及び146.16 C=CH;165.9,170.0及び170.5 3xCOO ppm。
工程1(b):3−(メトキシカルボニルメチレン)グルタル酸ジメチルエステルの水素化
メタノール(200ml)中の3−(メトキシカルボニルメチレン)グルタル酸ジメチルエステル(89g、267ミリモル)を(30時間)水素ガス(3.5バー)雰囲気下に(10%Pd/C:50%水)(9g)とともに振盪した。溶液をケイソウ土を通して濾過し、真空下に濃縮して、油状物として3−(メトキシカルボニルメチル)グルタル酸ジメチルエステルを得た、収量(84.9g、94%)。
NMR H(CDCl),δ2.48(6H,d,J=8Hz,3xCH),2.78(1H,6重線,J=8Hz CH,),3.7(9H,s,3xCH)。
NMR 13C(CDCl),δ28.6,CH;37.50,3xCH;51.6、3xCH;172.28,3xCOO。
工程1(c)トリメチルエステルからトリアセテートへの還元及びエステル化
三首2L丸底フラスコ中に窒素雰囲気下に、テトラヒドロフラン(400ml)中の水素化リチウムアルミニウム(20g、588ミリモル)をテトラヒドロフラン(200ml)中のトリス(メトキシカルボニルメチル)メタン(40g、212ミリモル)で1時間慎重に処理した。激しい発熱反応が発生し、溶媒が激しく還流された。反応混合物を3日間還流下に90℃で油浴上に加熱した。反応混合物を水素の放出が終了するまで酢酸(100ml)を慎重に滴加してクエンチングした。攪拌した反応混合物を穏やかな還流が生じる程度の速度で無水酢酸溶液(500ml)で慎重に処理した。フラスコに蒸留装置を付け、次に90℃(油浴温度)で加熱し、テトラヒドロフランを留去した。無水酢酸(300ml)をさらに添加し、反応混合物を還流配置に戻し、5時間140℃で油浴中に攪拌し、加熱した。反応混合物を放冷し、濾過した。酸化アルミニウム沈殿物を酢酸エチルで洗浄し、合わせた濾液を真空(5mmHg)下に50℃のウォーターバス温度でロータリーエバポレーター上に濃縮し、油状物を得た。油状物を酢酸エチル(500ml)に溶解し、飽和炭酸カリウム溶液で洗浄した。酢酸エチル溶液を分離し、硫酸ナトリウム上に乾燥し、真空下に濃縮して油状物を得た。油状物を高真空下にクーゲルロール蒸留し、油状物としてトリス(2−アセトキシエチル)メタン(45.3g、96%)を得た。沸点0.1mmHgで220℃。
NMR H(CDCl),δ1.66(7H,m,3xCH,CH),2.08(1H,s,3xCH);4.1(6H,t,3xCHO)。
NMR 13C(CDCl),δ20.9,CH;29.34,CH;32.17,CH;62.15,CHO;171,CO。
工程1(d):トリアセテートからのアセテート基の除去
メタノール(200ml)中のトリス(2−アセトキシエチル)メタン(45.3g、165mM)及び880アンモニア(100ml)を2日間80℃で油浴上に加熱した。反応混合物を880アンモニア(50ml)でさらに処理し、24時間油浴上に80℃で加熱した。880アンモニア(50ml)をさらに添加し、反応混合物を24時間80℃で加熱した。次に反応混合物を真空下に濃縮し、全溶媒を除去し、油状物を得た。これを880アンモニア(150ml)に溶解し、24時間80℃で加熱した。次に反応混合物を真空下に濃縮し、全溶媒を除去し、油状物を得た。クーゲルロール蒸留してアセトアミド沸点170〜180 0.2mmを得た。アセトアミドを含有するバルブを清浄し、蒸留を続行した。トリス(2−ヒドロキシエチル)メタン(22.53g、92%)を沸点220℃ 0.2mmで蒸留した。
NMR H(CDCl),δ1.45(6H,q,3xCH),2.2(1H,5重線,CH);3.7(6H,t,3xCHOH);5.5(3H,brs,3xOH)。
NMR 13C(CDCl),δ22.13,CH;33.95,3xCH;57.8,3xCHOH。
工程1(e):トリオールのトリス(メタンスルホネート)への変換
ジクロロメタン(50ml)中のトリス(2−ヒドロキシエチル)メタン(10g、0.0676モル)の攪拌氷冷溶液にジクロロメタン(50ml)中の塩化メタンスルホニル(40g、0.349モル)の溶液を温度が15℃を超えないような速度で窒素下にゆっくり滴下した。次にジクロロメタン(50ml)に溶解したピリジン(21.4g、0.27ミリモル、4当量)を発熱反応で温度が15℃を超えないような速度で滴加した。反応混合物を24時間室温で攪拌し続け、次に5N塩酸溶液(80ml)で処理し、層を分離した。水層をジクロロメタン(50ml)でさらに抽出し有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウム上に乾燥し、濾過し、真空下に濃縮して過剰の塩化メタンスルホニルを含有するトリス[2−(メチルスルホニルオキシ)エチル]メタンを得た。理論上の収量は25.8g。
NMR H(CDCl),δ4.3(6H,t,2xCH),3.0(9H,s,3xCH)、2(1H,6重線,CH),1.85(6H,q,3xCH)。
工程1(f):1,1,1−トリス(2−アジドエチル)メタンの製造
乾燥DMF(250ml)中のトリス[2−(メチルスルホニルオキシ)エチル]メタン[工程1(e)から、過剰の塩化メチルスルホニルを含有する](25.8g、67ミリモル、理論上)の攪拌溶液をアジ化ナトリウム(30.7g、0.47モル)で15分かけて少しずつ処理した。発熱が観察され、反応混合物をアイスバス上に冷却した。30分後、反応混合物を24時間50℃で油浴上に加熱した。反応混合物が茶色になった。反応混合物を放冷し、希炭酸カリウム溶液(200ml)で処理し、40/60石油エーテル/ジエチルエーテル10:1(3x150ml)で3回抽出した。有機抽出物を水(2x150ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上に乾燥し、濾過した。石油/エーテル溶液にエタノール(200ml)を添加し、トリアゾールを溶液に保持し、真空下に容量を200ml以上に減量した。エタノール(200ml)を添加し、真空下に再濃縮し、エタノール溶液が200ml以上にして石油の痕跡を除去した。トリアゾールのエタノール溶液を工程1(g)に直接使用した。
注意:アジドは潜在的に爆発性があるので、全溶媒を除去してはいけないし、常に希溶液を保持すべきである。
溶液0.2ml未満を真空下に蒸発させてエタノールを除去し、この少量の試料でNMRを実行する。
NMR H(CDCl),δ3.35(6H,t,3xCH),1.8(1H、7重線,CH,),1.6(6H,q,3xCH)。
工程1(g):1,1,1−トリス(2−アミノエチル)メタン
エタノール(200ml)中のトリス(2−アジドエチル)メタン(15.06g、0.0676モル)(前反応から100%収率と推定)を10%Pd/C(2g、50%水)で処理し、12時間水素化した。反応容器を2時間ごとに排気し、反応混合物から放出される窒素を除去し、水素で補充した。NMR分析のために試料を取り、トリアジドのトリアミンへの完全な変換を確認した。
警告:還元しないアジドは蒸留で爆発することがある。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、触媒を除去し、真空下に濃縮して油状物としてトリス(2−アミノエチル)メタンを得た。これを0.4mm/Hgで沸点180〜200℃のクーゲルロール蒸留によりさらに精製し無色の油状物(8.1g、トリオールからの全体的収率82.7%)を得た。
NMR H(CDCl),2.72(6H,t,3xCHN),1.41(H、7重線,CH),1.39(6H,q,3xCH)。
NMR 13C(CDCl),δ39.8(CHNH),38.2(CH.),31.0(CH)。
1,1,1−トリス(2−アミノエチル)メタンの別の製造法
工程2(a):トリメチルエステルのp−メトキシ−ベンジルアミンによるアミノ酸化
トリス(メチルオキシカルボニルメチル)メタン[2g、8.4ミリモル、上記工程1(b)の通り製造]をp−メトキシ−ベンジルアミン(25g、178.6ミリモル)に溶解した。蒸留のために装置を設置し、窒素気流下に24時間120℃で加熱した。反応の進行を収集されるメタノールの量でモニタリングした。反応混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチル30mlを添加し、次に沈殿したトリアミド生成物を30分間攪拌した。トリアミドを濾過により単離し、フィルターケークを十分な量の酢酸エチルで数回洗浄し、過剰のp−メトキシ−ベンジルアミンを除去した。乾燥後、白色粉末4.6g、100%を得た。高度に不溶の生成物をさらに精製又は特性化することなく直接次の工程に使用した。
工程2(b):1,1,1−トリス[2−(p−メトキシベンジルアミノ)エチル]メタンの製造
アイスバス中に冷却した1000ml三首丸底フラスコにおいて、工程2(a)からのトリアミド(10g、17.89ミリモル)をボラン(3.5g、244.3ミリモル)の1Mボラン溶液250mlに慎重に添加した。添加完了後、アイスバスを除去し、反応混合物をゆっくり60℃に加熱した。反応混合物を20時間60℃で攪拌した。反応混合物の試料(1ml)を回収し、5NHCl0.5mlと混合し、30分間放置した。試料に50NaOH0.5ml、ついで水2mlを添加し、白色沈殿が溶解するまで溶液を攪拌した。溶液をエーテル(5ml)で抽出し、蒸発させた。残存物を1mg/mlの濃度でアセトニトリルに溶解し、MSで分析した。MSスペクトルにモノ−及びジアミド(M+H/z=520及び534)が観察されたら、反応は完了していない。反応が完了したら、1MボランTHF100mlをさらに添加し、反応混合物を60℃でさらに6時間攪拌し、以前の試料の操作法に従って新しい試料を回収した。トリアミンへの完全な変換が行われるまで、必要に応じてTHF溶液中の1Mボランをさらに添加し続けた。
反応混合物を周囲温度に冷却し、5NHCLをゆっくり添加した[注意:激しい泡沫形成が発生!]。ガス放出が観察されなくなるまでHClを添加した。混合物を30分間攪拌し、次に蒸発させた。ケークをNaOH水溶液(20〜40%、1:2w/v)中に懸濁し、30分間攪拌した。次に混合物を水で(3倍に)希釈した。次に混合物をジエチルエーテル(2x150ml)で抽出した[注意:ハロゲン化溶媒を使用してはいけない]。次に合わせた有機層を水(1x200ml)、塩水(150ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上に乾燥した。蒸発後の収量:油状物として7.6g、84%。
NMR H(CDCl),δ:1.45,(6H,m,3xCH);1.54(1H、7重線,CH);2.60(6H,t,3xCHN);3.68(6H,s,ArCH);3.78(9H,s,3xCHO);6.94(6H,d,6xAr)。7.20(6H,d,6xAr)。
NMR 13C(CDCl),δ:32.17、CH;34.44、CH;47.00、CH;53.56,ArCH;55.25,CHO;113.78,Ar;129.29,Ar;132.61;Ar;158.60,Ar;
工程2(c):1,1,1−トリス(2−アミノエチル)メタン
1,1,1−トリス[2−(p−メトキシベンジルアミノ)エチル]メタン(20.0グラム、0.036モル)をメタノール(100ml)に溶解し、Pd(OH)(5.0グラム)を添加した。混合物を水素化し(3気圧、100℃、オートクレーブ中)、5時間攪拌した。Pd(OH)を2回に分けて(2×5グラム)それぞれ10及び15時間後に添加した。
反応混合物を濾過し、濾液をメタノールで洗浄した。合わせた有機層を蒸発させ、残存物を真空(1x10−2、110℃)下に蒸留し、前述の実施例1と同様に1,1,1−トリス(2−アミノエチル)メタン2.60グラム(50%)を得た。
3−クロロ−3−メチル−2−ニトロソブタン
2−メチルブタ−2−エン(147ml、1.4モル)及び亜硝酸イソアミル(156ml、1.16モル)の混合物をドライアイス及びメタノールのバス中に−30℃で冷却し、オーバヘッドエア攪拌器で激しく攪拌し、温度をー20℃より下に維持するような速度で、濃塩酸(140ml、1.68モル)で滴下処理した。かなりの発熱があり、過熱を防ぐために注意を払う必要があるのでこれに1時間を要した。エタノール(100ml)を添加し、添加の最後に形成されるスラリーの粘度を減少させ、反応混合物をさらに2時間−20〜−10℃で攪拌し、反応を完了した。沈殿物を真空下に濾取し、冷(−20℃)エタノール4x30ml及び氷冷水100mlで洗浄し、真空下に乾燥し、白色固体として3−クロロ−3−メチル−2−ニトロソブタンを得た。エタノール濾液及び洗浄液をあわせ、水(200ml)で希釈し、冷却し、−10℃で1時間放置したところ、3−クロロ−3−メチル−2−ニトロソブタンがさらに晶出した。沈殿物を濾取し、少量の水で洗浄し、真空下に乾燥し、3−クロロ−3−メチル−2−ニトロソブタンの総収量(115g 0.85モル、73%)を得た。NMRで>98%純度。
NMR H(CDCl)、異性体の混合物として(異性体1、90%)1.5d,(2H,CH),1.65d,(4H,2xCH),5.85,q,及び5.95,q,ともに1H。(異性体2、10%),1.76s(6H,2xCH),2.07(3H,CH)。
ビス[N−(1,1−ジメチル−2−N−ヒドロキシイミンプロピル)2−アミノエチル]−(2−アミノエチル)メタン(キレート剤1)
乾燥エタノール(30ml)中のトリス(2−アミノエチル)メタン(4.047g、27.9ミリモル)の溶液に、無水炭酸カリウム(7.7g、55.8ミリモル、2当量)を窒素雰囲気下に激しく攪拌しながら室温で添加した。3−クロロ−3−メチル−2−ニトロソブタン(7.56g、55.8ミリモル、2当量)の溶液を乾燥エタノール(100ml)に溶解し、この溶液75mlを反応混合物にゆっくり滴下した。次いで反応混合物をシリカ上のTLC[プレートをジクロロメタン、メタノール、濃(0.88sg)アンモニア、100/30/5でランし、ニンヒドリンで噴霧し加熱することによりTLCプレートを展開]に付した。モノ−、ジ−及びトリ−アルキル化生成物がその順番にRFの増加として観察された。3%アンモニア水中の7.5〜75%アセトニトリル勾配中のRPR逆相カラムを使用し分析HPLCを実行した。反応混合物を真空下に濃縮し、エタノールを除去し、水(110ml)に再懸濁した。水性スラリーをエーテル(100ml)で抽出し、いくつかのトリアルキル化化合物及び親油性不純物を除去し、水層にモノ及び所望のジアルキル化生成物を残存させた。良好なクロマトグラフィーを確保するため水溶液を酢酸アンモニウム(2当量、4.3g、55.8ミリモル)で緩衝した。水溶液を自動プリペラティブHPLCで精製する前に1夜4℃で保管した。
収量(2.2g、6.4ミリモル、23%)。
マススペクトル;陽イオン10Vcone電圧。測定値:344;計算M+H=344。
NMR H(CDCl),δ1.24(6H,s,2xCH),1.3(6H,s,2xCH),1.25−1.75(7H,m,3xCH,CH),(3H,s,2xCH),2.58(4H,m,CHN),2.88(2H,t,CH),5.0(6H,s,NH,2xNH,2xOH)。
NMR H((CDSO)δ1.1 4xCH;1.29,3xCH;2.1(4H,t、2xCH);
NMR 13C((CDSO),δ9.0(4xCH),25.8(2xCH),31.0 2xCH,34.6CH,56.8 2xCHN;160.3,C=N。
HPLC条件:流量8ml/分25mmPRPカラム使用
A=3%アンモニア溶液(sp.gr=0.88)/水;B=アセトニトリル
時間 %B
0 7.5
15 75.0
20 75.0
22 7.5
30 7.5
ラン当り水溶液3mlをローディングし、12.5〜13.5分の時間範囲で収集する。
非放射性バルビツール酸ヨウ素(化合物4)の合成
工程(a):1−[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]エタノン
4−フルオロアセトフェノン25.0g(181ミリモル)をDMF(180ml)に溶解し、次に4−ヨードフェノール(39.8g、181ミリモル)及び炭酸カリウム(30.0g、217ミリモル)を添加した。混合物を約7時間還流し、室温に戻し、水で希釈した。塩化メチレン又はクロロホルムで(3回)抽出した後、合わせた有機層を水で1回洗浄し乾燥(NaSO)した。溶媒を真空下に除去し、粗生成物を得た。茶色味をおびた油状の残存物をヘキサン/酢酸エチル(7:3)から再結晶化し、ベージュ色の結晶性固体として純粋な生成物を得た。48.8g(80%)、融点:99〜101℃。
工程(b):2−[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−1−モルホリン−4−イル−エタンチオンの製造
1−[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]エタノン(23.0g、68.0ミリモル)、イオウ(5.45g、170ミリモル)及びモルホリン(11.8g、135ミリモル)の混合物を2.5時間150℃で加熱した。アイスバスで冷却後、混合物を30〜60分間エタノールで処理した。沈殿した明黄色固体を吸引濾取し、エタノールから再結晶化した。生成物は一定量のイオウを含有していた。マスタード黄色固体の収量26.3g(88%)。融点:123〜127℃。
程(c):[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−酢酸
2−[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−1−モルホリン−4−イル−エタンチオン(26.9g、61.1ミリモル)を氷酢酸(54ml)、水(12ml)及び濃硫酸(8ml)の混合物とともに12時間150℃で加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水(約10ml/ミリモル)で希釈し、酢酸エチル(3x)で抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、溶媒を真空下に蒸発させて、ベージュ色固体(20.1g、93%)を得た。融点:148〜150℃。
工程(d)[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−酢酸メチルエステル
メタノール(125ml)中の[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−酢酸17.3g(48.9ミリモル)の溶液を−10℃に冷却した。次に、塩化チオニル(11.6g、7.1ml、97.8ミリモル)を添加し、反応混合物を1時間還流下に加熱した。濃縮後、残存物をエーテルに溶解した。エーテル層を水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、溶媒を蒸発させて、粘性の茶赤色油状物(13.6g、76%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl,TMSインターン):δ[ppm]:7.49(d、J=8.9Hz,2H,HAryl),7.15(d,J=8.9Hz,2H,HAryl),6.84(d,J=8.9Hz,2H,HAryl),6.66(d,J=8.9Hz,2H,HAryl),3.59(s,3H,COOCH),3.50(s,2H,CH)。
工程(e):4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−マロン酸ジメチルエステル
無水ジオキサン(70ml)中のNaH(680mg、28.3ミリモル)及び炭酸ジメチル(8.16g、90.6ミリモル)の懸濁液を100〜120℃に加熱し、次に無水ジオキサン(30ml)中の[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−酢酸メチルエステル(5.21g、14.2ミリモル)を1時間かけて滴加した。3時間還流を続行し、次に反応混合物を1夜室温に戻した。混合物を氷水に注ぎ込み、次いで塩化メチレン(3x)で抽出した。合わせた有機層を水(1x)、塩水(1x)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮して粘性の茶赤色油状物(5.25g、87%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,TMSインターン):δ[ppm]:7.53(d、J=8.7Hz,2H,HAryl),7.29(d,J=8.7Hz,2H,HAryl),6.89(d,J=8.7Hz,2H,HAryl),6.70(d,J=8.7Hz,2H,HAryl),4.71(s,1H,CH),3.68(s,6H,COOCH)。
工程(f):5−[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン
ナトリウム(2当量)をエタノール(約10ml/mg)に溶解し、尿素(1.7当量)を溶液に添加した。エタノール中の2−[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−マロン酸ジメチルエステル(2.22g、5.21ミリモル)の溶液を滴加し、反応混合物を6時間還流下に加熱した。室温に冷却後、混合物を氷水に注ぎ込み、希塩酸を使用してpH2に調整した。沈殿物を吸引濾取し、真空下に乾燥し、不定形固体を得た。メタノール/アセトニトリル(1:1)から再結晶化して茶黄色固体を得た。収量480mg(22%)。融点:285〜286℃(分解)。
工程(g):5−ブロモ−5−[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン
四塩化炭素(50ml)中の5−[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン1.10g(2.61ミリモル)、N−ブロモスクシンイミド(557mg、3.31ミリモル)及び触媒量の過酸化ジベンゾイル(77mg)の懸濁液を3時間還流した。室温に冷却後、混合物を濃縮し、残存物を水で処理し、次に酢酸エチル(3x)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、溶媒を蒸発させ、得られた粘性の茶色油状物をさらに精製することなく次工程に使用した(1.26g、96%)。
工程(h):5−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−5−[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物4)
メタノール(5ml)中の5−ブロモ−5−[4−(4−ヨード−フェノキシ)フェニル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン(100mg、200マイクロモル)の溶液をN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン52.0mg(400マイクロモル)で処理し、混合物を室温で24時間攪拌した。約30〜60分後に沈殿物が形成し、最終的に吸引により収集し、真空下に乾燥し、無色の固体として生成物を得た(73.0mg、67%)。
融点:255〜257℃。
1H−NMR(300MHz,DMSO−D):δ[ppm]:11.78(ブロード、 s,2H),7.93(ブロード、d,J=8.9Hz,2H,HAryl),7.63(ブロード、d,J=8.9Hz,2H,HAryl),7.26(ブロード、d,J=8.9Hz,2H,HAryl),7.09(ブロード、d,J=8.9Hz,2H,HAryl),4.53(ブロード、s,1H,OH),3.70−3.66(m,2H,CH),2.80−2.58(m,10H,CH)。
化合物2、すなわち5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)フェニル]−5−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン及び化合物3、すなわち5−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−5−[4−(4−メトキシ−フェノキシ)フェニル]−ピリミジン−2,4,6−トリオンを化合物23、すなわち5−ブロモ−5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)フェニル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン及び5−ブロモ−5−[4−(4−メトキシ−フェノキシ)フェニル]−ピリミジン−2,4,6−トリオンからそれぞれ出発し、Grams等[Biol.Chem.,382,1277−1285(2001)]の方法により、同様にして製造した。
5−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−5−[4−(4−([ 125 I]ヨード−フェノキシ)フェニル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物5)の合成
2,5−ジヒドロキシ安息香酸(0.6mg、3.9マイクロモル)、アスコルビン酸(0.8mg、4.5マイクロモル)、注射用水(20μl)及びCuSO5HO溶液(conc.=注射用水中3.26g/l)5μl(65.3ナノモル)を化合物2(50μl、209ナノモル;濃=2.10g/lEtOH)を含有する円錐バイアルに添加した。
氷冷した混合物をHe気流を使用して10分間脱ガス化し、次にNaOH溶液(10.39MBq)中の[125I]NaI4μlを添加し、混合物を渦動した。混合物を60分間116℃で加熱した。室温に冷却後、注射用水50μlで希釈した。溶液をγ−及びUV−検知及び対応する20x4.6mmプレカラムとともにNucleosil100C−185μ250x4.6mmカラムを有する勾配HPLC−クロマトグラフに注入した。
HPLC−条件
溶離剤A:CHCN/HO/TFA 950/50/1
溶離剤B:CHCN/HO/TFA 50/950/1
勾配:45分かけて92%から50%、次に10分間かけて50%から92%溶離剤B
流量:1.5ml/分
λ:254nm
Rt(生成物画分):32.80−33.90分
この画分の一部(200μl)を同様の条件(上記参照)を使用した勾配HPLCに再注入した。
Rt(化合物5):33.08分
本生成物(HPLC、同条件)の品質管理はγ−チャンネルではいかなる不純物も示さなかった。UV−チャネルでは、恐らくは先駆化合物より生じたと思われる非常に僅かな不純物(31.33分)を検知した。2回目のHPLC実行により画分から不純物を除去することができる。
非放射性ヨウ素標準溶液(化合物4)の一部を2回目の品質管理注入に添加することによりRtパラメータを確立した。
放射性化合物収量:20%
5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)フェニル]−5−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物6)
5−ブロモ−5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)フェニル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン[化合物23、実施例5工程(h)](200mg、440マイクロモル)を無水メタノール(5ml)に溶解し、ピペラジン(75.8mg、880マイクロモル)で処理した。約10分後、無色の沈殿物が形成した。反応混合物を室温で24時間攪拌し、次に沈殿を吸引下に収集し、メタノール中に1時間攪拌し、真空下に乾燥し、無色固体160mg(79%)を得た。
融点:265〜266℃(分解)
H−NMR(300MHz,DMSO−D):δ[ppm]:7.34(ブロード、d,J=8.7Hz,2H,HAryl),7.22(ブロード、d,J=8.7Hz,2H,HAryl),6.82(ブロード、d,J=8.7Hz,2H,HAryl),6.79(ブロード、d,J=8.7Hz,2H,HAryl),2.55−2.23(ブロード、m,8H,CH)。
5−[4−(4−ブロモフェノキシ)フェニル]−5−[4−(3−フルオロプロピル)−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物7)
室温で窒素雰囲気下にピリジン(2ml)中の化合物6(10mg、2.2x10−5モル)の溶液に3−フルオロプロピルトシレート(1.1当量)を添加した。反応混合物を16時間攪拌した。混合物を濃縮し、メタノール(5ml)に溶解した。混合物をHPLC(C18、150x10mm)により精製し、生成物を約13分後に溶離した。溶媒を除去し、オフホワイトの固体(収率38%)を得た。マススペクトル[ES(+ve)521.1]及びHNMR分析により構造を確認した。
18 F−標識誘導体、化合物8の合成
工程(a):3−[ 18 F]フルオロプロピルトシレートの合成
Figure 2006505550
二股コックを介して、バイアル中に製造したアセトニトリル(300μl)中のKryptofix222(10mg)及び水(300μl)中の炭酸カリウム(4mg)をプラスチックシリンジ(1ml)を使用して真鍮加熱器中に設置したカーボンガラズ反応容器中に移送した。次に目標の水(0.5〜2ml)中の18F−フッ素(185−370MBq)を二股コックを通して添加した。加熱器を125℃に設定し、タイマーを開始した。15分後、アセトニトリルの3等分(0.5ml)を1分間隔で添加した。18F−フッ素を合わせて40分間まで乾燥した。40分後、加熱器を圧縮空気で冷却し、ビンの蓋を除去し、1,3−プロパンジオール−ジ−p−トシレート(5〜12mg)及びアセトニトリル(1ml)を添加した。ビンの蓋を戻し、ストッパーで通路を封鎖した。加熱器を100℃に設定し、100℃/10分で標識した。標識後、3−[18F]フルオロプロピルトシレートを以下の条件を使用したGilson RP HPLCにより単離した。
カラム u−bondapak C18 7.8x300mm
溶離剤 水(ポンプA):アセトニトリル(ポンプB)
ループ大きさ 1ml
ポンプ速度 4ml/分
波長 254nm
勾配 20分間かけて5〜90%溶離剤B
生成物Rt 12分。
単離後、分割サンプル(約10ml)を水(10ml)に希釈し、調節したC18sep pakに設置した。sep pakを15分間窒素で乾燥し、有機溶媒、ピリジン(2ml)、アセトニトリル(2ml)又はDMF(2ml)で洗い流した。活性の約99%が洗い流された。
工程(b):化合物6のアルキル化
Figure 2006505550
3−[18F]フルオロプロピルトシレートとともにピリジン中に還流することにより化合物6をアルキル化して化合物8を得ることができる。
5−[4−(4−ブロモフェノキシ)フェニル]−5−{4−(2−フルオロプロピルスルファニル)アセチル]−ピペラジン−1−イル}−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物9)
工程(a):3−トリチルスルファニル−プロパン−1−オール[Ph CS(CH OH]
TFA(10ml)中のトリフェニルメタノール(390.6mg、1.5ミリモル)をTFA(10ml)中の3−メルカプトプロパン−1−オール(129.6μl、1.5ミリモル)の攪拌溶液に滴加した。添加したTFAを減圧下に蒸発させた後、粗生成物を直ちに逆相プリペラティブクロマトグラフィー(Phenomenex Luna C18カラム、00G−4253−V0;溶媒A=水/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA、60分間かけて勾配70〜80%B、流量50ml/分、254nmで検知)により精製し、純粋な化合物372mg(74%)を得た。(分析HPLC:Vydac C18カラム、218TP54:溶媒:A=水/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA、20分間かけて勾配70〜80%B:流量1.0ml/分、保持時間5.4分で214及び254nmで検知)。構造をNMRで検証した。
工程(b):メタンスルホン酸3−トリチルスルファニル−プロピルエステル[Ph CS(CH OMs]
THF(10ml)中に溶解した3−トリチルスルファニル−プロパン−1−オール(372.0mg、1.11ミリモル)にトリエチルアミン(151.7mg、209μl、1.5ミリモル)及び塩化メシル(171.9mg、116.6μl、1.5ミリモル)を添加した。1時間後、沈殿物を濾去し、THFを減圧下に蒸発させ、粗生成物を逆相プリペラティブクロマトグラフィー(Phenomenex Luna C18カラム、00G−4253−V0、溶媒A=水/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA、60分間かけて勾配80〜100%B、流量50ml/分、254nmで検知)により精製し、純粋な化合物318mg(69%)を得た(分析HPLC:Vydac C18カラム、218TP54:溶媒:A=水/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA、20分かけて勾配60〜70%B、流量1.0ml/分、保持時間18.7分に214及び254nmで検知)。構造をNMRで検証した。
工程(c):(3−フルオロプロピルスルファニル)トリフェニルメタン[Ph CS(CH F]
フッ化カリウム(1.4mg、0.024ミリモル)及びkryptofix222(9.0mg、0.024ミリモル)をアセトニトリル(0.2ml)に(加熱しながら)溶解した。アセトニトリル(0.2ml)中のメタンスルホン酸3−トリチルスルファニル−プロピルエステル(5mg、0.012ミリモル)を添加した。反応混合物を90分間80℃に加熱した。粗生成物を逆相プリペラティブクロマトグラフィー(Vydac C18カラム、218TP1022、溶媒A=水/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA、40分間かけて勾配40〜90%B、流量10ml/分、214nmで検知)により精製した。精製した物質2.5mgの収量が得られた(分析HPLC:Phenomenex Luna C18カラム、00B−4251−E0:溶媒:A=水/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA、10分かけて勾配40〜80%B、流量2.0ml/分、保持時間8.2分に214及び254nmで検知)。構造をNMRにより検証した。
工程(d):5−[4−(4−ブロモフェノキシ)フェニル]−5−{4−(2−フルオロプロピルスルファニル)アセチル]−ピペラジン−1−イル}−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物9)
3−フルオロ−トリチルスルファニル−プロパン(4.1mg、0.021ミリモル)をTFA(100μl)、トリイソプロピルシラン(10μl)及び水(10μl)とともに攪拌した。水(300μl)、次いで炭酸カリウム(水)200μlを添加した。CHCN(500μl)中の化合物11(3.25mg、0.0061ミリモル)を添加した。pHを炭酸カリウム(水)で10に調整した。混合物を30分間75℃に加熱した。粗生成物を逆相プリペラティブクロマトグラフィー(Phenomenex Luna C18カラム、00G−4253−N0、溶媒A=水/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA、30分間かけて勾配20〜70%B、流量5ml/分、254nmで検知)により精製した。精製した物質2mg(55%)の収量を得た(分析HPLC:Vydac C18カラム、218TP54:溶媒:A=水/0.1%TFA及びB=CHCN/0.1%TFA、20分かけて勾配20〜70%B、流量1.0ml/分、保持時間17.4分に214及び254nmで検知)。
HNMR(CHCl−dl,TMS基準):δ2.01(m,2H),δ2.72(ブロード、 t,2H),δ2.75(t,2H),δ2.79(ブロード、 t,2H),δ3.30(s,2H),δ3,30(ブロード、 t,2H),δ3.51(s,2H),δ3.64(ブロード、 t,2H),δ4.53(dt,2H),δ6.93(コンプレックスd,2H),δ6.99(コンプレックスd,2H),δ6.93(コンプレックスd,2H),δ7.46(コンプレックスd,2H),δ7.48(コンプレックスd,2H),δ7.77(コンプレックスd,2H)。
−[4−(4−ブロモフェノキシ)−フェニル]−5−{4−(2−[ 18 F]−フルオロプロピルスルファニル)−アセチル]−ピペラジン−1−イル}−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物10)
工程(a):3−[ 18 F]フルオロ−トリチルスルファニル−プロパンの製造
Figure 2006505550
二股コックを介し、バイアル中に製造したアセトニトリル(800μl)中のKryptofix222(10mg)及び水(50μl)中の炭酸カリウム(1mg)をプラスチックシリンジ(1ml)を使用して真鍮加熱器に設置したカーボンガラス反応容器に移送した。次に目標の水(0.5〜2ml)中の18F−フッ素(185−370MBq)も二股コックを通して添加した。加熱器を125℃に設定し、タイマーを開始した。15分後、アセトニトリルの3等分(0.5ml)を1分間隔で添加した。18F−フッ素を合わせて40分間まで乾燥した。40分後、加熱器を圧縮空気で冷却し、ビンの蓋を除去し、トリメチル−(3−トリチルスルファニル−プロポキシ)シラン(1〜2mg)及びDMSO(0.2ml)を添加した。ビンの蓋を戻し、ストッパーで通路を封鎖した。加熱器を80℃に設定し、80℃/5分で標識した。標識後、反応混合物を以下のHPLC条件を使用したRP HPLCにより分析した。
カラム u−bondapak C18 7.8x300mm
溶離剤 0.1%TFA/水(ポンプA):0.1%TFA/アセトニトリル(ポンプB)
ループの大きさ 100ul
ポンプ速度 4ml/分
波長 254nm
勾配 1分 40%B
15分 40〜80%B
5分 80%B。
反応混合物をDMSO/水(1:1v/v、0.15ml)に希釈し、調節したt−C18sep−pak上に装填した。カートリッジを水(10ml)で洗浄し、窒素で乾燥し、3−[18F]フルオロ−1−トリチルスルファニル−プロパンを4等分のアセトニトリル(等分あたり0.5ml)で溶離した。
工程(b):3−[ 18 F]フルオロ−プロパン−1−チオール
Figure 2006505550
アセトニトリル(1〜2ml)中の3−[18F]フルオロ−1−トリチルスルファニル−プロパンの溶液を100℃/10分で窒素気流を使用して蒸発乾固した。TFA(0.05ml)、トリイソプロピルシラン(0.01ml)及び水(0.01ml)の混合物を添加し、次いで80℃/10分で加熱して3−[18F]フルオロ−プロパン−1−チオールを生成した。
工程(c):化合物11との反応
Figure 2006505550
クロロアセチル前駆体を標識する一般的な操作法は工程(b)からの3−[18F]フルオロ−1−メルカプト−プロパンを含有する反応容器を圧縮空気で冷却し、次にアンモニア(水中27%、0.1ml)及び水(0.05ml)中の化合物11前駆体を添加することである。混合物を80℃/10分で加熱する。
5−[4−(4−ブロモフェノキシ)−フェニル]−5−[4−(2−クロロアセチル)−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物11)
窒素及び化合物6(50mg、1.1x10−4モル)を充填したフラスコにジクロロメタン(15ml)を添加した。反応混合物を氷/水バス中に冷却した。塩化クロロアセチル(14μl)及びトリエチルアミン(14μl)を続けて添加した。10分後、アイスバスを除去し、混合物を周囲温度に戻した。18時間後、試料を濃縮した。メタノール(2ml)を添加し、混合物をHPLC(C18、150x10mm)により分離した。生成物が17.5分で溶離した(収率52%)。構造をマススペクトル[ES(−ve)535.1]及びHNMR分析で確認した。
3−(4−{5−[4−(4−ブロモフェノキシ)−フェニル]−2,4,6−トリオキソヘキサヒドロピリミジン−5−イル}−ピペラジン−1−イル)−N−{5−(2−ヒドロキシリミノ−1,1−ジメチルプロピルアミノ)−3−[2−(2−ヒドロキシアミノ−1,1−ジメチルプロピルアミノ)−エチル]−ペンチル}−プロピオンアミド(化合物16)
工程(a):5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−フェニル]−5−[4−(2−カルボキシエチル)ピペラジン−1−イル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物14)
5−ブロモ−5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)フェニル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物23、実施例5)200mg(440マイクロモル)を無水メタノール2mlに溶解し、3−(ピペラジン−1イル)プロピオン酸83.5mg(5.28ミリモル、1.2当量)で処理した。反応混合物を6時間還流下に加熱し、次に濃縮した。黄色の固体残存物を自ら再結晶化し、無色不定形固体170mg(320マイクロモル、72%)を得た。
融点:208〜210℃(分解)
H−NMR(300MHz,DMSO−D):δ[ppm]:7.64(ブロード、d,J=8.6Hz,2H,HAryl),7.50(ブロード、d,J=8.6Hz,2H,HAryl),7.14(ブロード、d,J=8.6Hz,2H,HAryl),7.10(ブロード、d,J=8.6Hz,2H,HAryl),2.75−2.39(m,12H,CH)。
工程(b)
N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中の化合物14(53mg)の溶液に、窒素雰囲気下にTBTU(85mg)及びN−メチルモルホリン(0.01ml)を続いて添加した。10分後、キレート剤1(35mg)を添加し、反応混合物を24時間室温で攪拌した。溶媒を減圧で除去し、混合物をメタノール(5ml)中に溶解した。粗製の混合物をHPLCにより分離した。生成物は約10分後に溶離した(収率75%)。構造をマススペクトル[ES(+ve)858.1]及びHNMR分析により確認した。
化合物17の合成
工程(a):5−[4−(2−アミノエチル)ピペラジン−1−イル]−5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)フェニル]ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物12)
5−ブロモ−5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)フェニル]ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物23、実施例5)200mg(440マイクロモル)を無水メタノール2mlに溶解し、N−(2−アミノエチル)ピペラジン125mg(127μl、9.67マイクロモル)で処理した。反応混合物を室温で攪拌し、約30分後、無色の沈殿物が形成した。16時間攪拌を継続し、次に沈殿物を吸引により収集し、真空下に乾燥し、無色固体100mg(200マイクロモル、45%)を得た。
融点:220〜223℃(分解)
H−NMR(300MHz、DMSO−D):δ[ppm]:7.67(ブロード、d,J=9.0Hz,2H,HAryl,オルトからC−Br),7.55(ブロード、d,J=9.0Hz,2H,HAryl,オルトからCquart.Pyr.−C5に付着),7.15(ブロード、d,J=9.0Hz,2H,HAryl,メタからCquart.Pyr.−C5に付着),7.12(ブロード、d,J=9.0Hz,2H,HAryl,メタからC−Br),2.89−2.79(m,2H,CH−NH),2.77−2.65(m,4H,N1−CH),2.39−2.58(m,6H,N4−CH)。
工程(b):4−[2−(4−{5−[4−(4−ブロモフェノキシ)フェニル]−2,4,6−トリオキソヘキサヒドロピリミジン−5−イル}−ピペラジン−1−イル)−エチルカルバモイル]−酪酸(化合物15)
窒素雰囲気下にN,N−ジメチルホルムアミド(30ml)中の化合物12の溶液に無水グルタル酸(11mg)及びトリエチルアミン(0.01ml)を続いて添加した。24時間後、溶媒を減圧下に除去した。粗製の混合物をメタノール(5ml)に溶解し、HPLCにより分離した。生成物が12分後に溶離した(収率50%)。構造をマススペクトル[ES(+ve)617.9]及びHNMR分析により確認した。
工程(c):4−[2−(4−{5−[4−(4−ブロモフェノキシ)−フェニル]−2,4,6−トリオキソヘキサヒドロピリミジン−5−イル}−ピペラジン−1−イル)−エチルカルバモイル]−酪酸のキレート剤1による結合
ジクロロメタン(5ml)中の化合物15(11mg)の溶液に窒素雰囲気下にTBTU(8mg)及びN−メチルモルホリン(0.1ml)を添加した。5分後、キレート剤1(6mg)を添加し、混合物を24時間攪拌した。溶媒を減圧で除去し、混合物をメタノール(5ml)中に溶解した。混合物をHPLCにより分離し、生成物が約10分後に溶離した(収率58%)。混合物をマススペクトル[ES(+ve)943.2]及びHNMR分析により確認した。
5−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−5−[4−(4−トリブチルスタニルフェノキシ)−フェニル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物18)
窒素雰囲気下にトルエン中の化合物2(80mg)の懸濁液にPd(PPh(200mg)及びヘキサブチルジチン(0.2ml)を添加した。黄色混合物を24時間還流下に加熱した。この後、反応混合物は黒色になった。反応混合物を濾過し、溶媒を減圧で除去した。粗製の混合物をメタノールに溶解し、HPLCにより精製した(収率45%)。構造をマススペクトル[ES(+ve)715.1]及びHNMR分析により確認した。
5−[4−(2−ブロモエチル)ピペラジン−1−イル]−5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)フェノル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物13)
アセトニトリル80ml中の化合物2(1.40g、2.78ミリモル)の懸濁液にトリフェニルホスフィン1.46g(5.56ミリモル)及び四臭化炭素1.84g(5.56ミリモル)を添加した。混合物を18時間の間還流下に加熱し、室温に冷却し、−30℃で1夜保管した。冷却で形成した固体沈殿物を吸引により収集し、ベージュ色固体920mg(58%)を得た。
H−NMR(300MHz,DMSO−D6):δ[ppm]:7.56(d,J=9.0Hz,2H,HAryl),7.40(d,J=8.7Hz,2H,HAryl),7.09(d,J=9.0Hz,2H,HAryl),7.02(d,J=8.7Hz,2H,HAryl),3.83−2.70(m.12H,CH)。
フェニル−ピペラジン誘導体(化合物19から22)の合成
(a)一般の操作法:化合物19から21
対応するフェニルピペラジン(2.0当量)を無水メタノール(約2〜3ml/ミリモル)中の化合物23[実施例5工程(h)]の溶液に少しずつ添加した。反応混合物を20時間室温で攪拌した。沈殿物を吸引下に収集し、メタノールで洗浄した。
かかる方法で製造:
5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−フェニル]−5−[4−(4−ニトロフェニル)ピペラジン−1−イル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物19)−メタノール4ml中の化合物2 400mg(880マイクロモル)及び1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン365mg(1.76ミリモル)の反応から20時間後明黄色の反応生成物320mg(63%)を得た。
H−NMR(400MHz、DMSO−D):δ[ppm]:8.22−7.04(m,12H,HAryl),3.80−2.77(m,8H,CH)。
5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)フェニル]−5−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物20)−メタノール2.5ml中の化合物2 400mg(880マイクロモル)及び1−(4−フルオロフェニル)ピペラジン317mg(1.76ミリモル)の反応から、クロロホルムからの再結晶後、無色の反応生成物290mg(60%)を得た。
融点247〜249.5℃。
H−NMR(400MHz、DMSO−D):δ[ppm]:11.66(s,2H,NH),7.59−6.92(m,12H,HAryl),3.33−2.74(m,8H,CH)。
5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−フェニル]−5−[4−(4−トリメチルシリル−フェニル)ピペラジン−1−イル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物21)−メタノール2.5ml中の化合物2 400mg(880マイクロモル)及び1−(4−トリメチルシリルフェニル)ピペラジン413mg(1.76ミリモル)の反応から、無色の反応生成物440mg(82%)を得た。
融点205〜210℃。
H−NMR(400MHz、DMSO−D):δ[ppm]:7.93−6.77(m,12H,HAryl),3.64−2.66(m,8H,CH),0.20(s,9H,SiCH)。
(b)5−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−フェニル]−5−[4−(4−ヨードフェニル)ピペラジン−1−イル]−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物22)
メタノール25ml中の化合物21 280mg(460マイクロモル)の懸濁液にアルゴン雰囲気下に−70℃で40分間かけてメタノール5ml中のヨウ素1塩化物300mg(1.84ミリモル)の溶液を添加した。橙色溶液を1.5時間かけて室温に戻し、ジクロロメタンで希釈し、10%チオ硫酸ナトリウム水で無色になるまで洗浄した。水層をジクロロメタン(3x)で抽出し、塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO)した。溶媒を蒸発させ、残存物を真空下に乾燥し、未精製の生成物230mgを得た。
メタノールから再結晶化し、無色の結晶性生成物62mg(20%)を得た。
融点:210〜211℃。
H−NMR(300MHz、DMSO−D):δ[ppm]:11.55(s,2H,NH),7.50−6.63(m,12H,HAryl),3.03(s,4H,CH),2.63(s,4H,CH)。
5−[4−(4−ブロモフェノキシ)−フェニル]−5−(4−ヨードフェニルアミノ)−ピリミジン−2,4,6−トリオン(化合物24)
ジクロロメタン(20ml)中の化合物23(実施例5、90mg)の溶液に4−ヨードアニリン(50mg)及びトリエチルアミン(0.2ml)の1.1当量を添加した。反応混合物を16時間窒素雰囲気下に攪拌した。溶媒を減圧で除去した。残存物をメタノール(2ml)に溶解した。粗製の混合物をHPLCにより分離し、新規の化合物が約20.5分後に溶離した。溶媒を減圧で除去し、オフホワイトの固体(収率85%)を得た。構造をマススペクトル[ES(−ve)591.9]及びHNMR分析で確認した。
インビトロメタロプロテイナーゼ阻害試験
化合物2から4及び20をHuang W.等[J Biol Chem.272,22086−22091(1997)]の方法により検討した。
このようにして、一定濃度の蛍光発生基質(1μM)及び各々のMMPs(1nM)を漸増量のMMP−阻害剤(100pM〜100μM)とともにインキュベートし、そのIC50値を決定した。結果を表1に示す。
Figure 2006505550
追加のインビトロメタロプロテイナーゼ阻害試験
化合物を以下の市販で入手可能なBiomol試験キットを使用してスクリーニングした。
MMP−2比色分析試験キット−カタログ番号AK−408、
MMP−9比色分析試験キット−カタログ番号AK−410、
MMP−12比色分析試験キット−カタログ番号AK−402。
これらは、Affiniti Research Products Ltd.(Palatine House,Matford Court,Exeter,EX2 8NL,UK)から入手可能である。
(a)被験化合物製造
阻害剤を粉末形態で用意し、4℃で保管した。各阻害剤ごとに、DMSO中の1mM保存溶液を製造し、20μl等分に分配し、これら等分を−20℃で保管した。保存溶液を希釈し、8つの阻害剤濃度を得た(推奨:50μM,5μM,500nM,50nM,5nM,500pM,50pM及び5pM)。キット試験緩衝液で希釈を行った。阻害剤保存溶液の5倍希釈を作成し、試験ウェルに加えたため、最終的な濃度範囲は10μMから1pMになった。
(b)実験操作法
詳細は市販のキットで提供されているが、以下のように要約できる
− 上記のように被験化合物希釈を用意する
− プレートに試験緩衝液を添加する
− プレートに被験化合物を添加する
− 標準キット阻害剤NNGHを製造する(希釈係数についてはキットを参照)
− NNGHを対照阻害剤ウェルに添加する
− MMP酵素を製造する(希釈係数についてはキットを参照)
− MMPをプレートに添加する
− 〜15分間37℃でプレートをインキュベートする
− チオペプトリド基質を製造する(希釈係数についてはキットを参照)
− 基質をプレートに添加する
− 37℃、Labsystems iEMSプレートリーダ上に414nmで1時間2分毎にカウントする。
(c)結果
結果を表2に示す。
Figure 2006505550
化合物16及び17の 99m Tc−放射線識別
99mTc鎖体を同様の方法で製造し、以下の窒素充填P46バイアルに添加した。
パージMeOH1ml
100μlMeOH中の化合物16(又は17)100μg
NaCO/NaHCO緩衝液(pH9.2)0.5ml
Tc発生器からTcO 0.5ml
SnCl/MDP溶液0.1ml
(Nパージ塩水100ml中のSnCl10.2mg及びメチレンジホスホン酸101mgを含有する溶液)。
99mTc−化合物16に対し溶液の放射能を測定したところ216MBqであり、溶液を33分間37℃で加熱した。SGプレート及びMeOH/(NHOAc0.1M)1:1を移動相に使用したITLC(即時薄層クロマトグラフィー)は原点で1%RHT(還元加水分解Tc)を示した。HPLC分析は99mTc−化合物16 93%を示し、RCP92%を得た。
99mTc−化合物17を同様の方法で製造した。鎖体溶液の活性を203MBqとして測定した。ITLCにより4%コロイドを得て、HPLC分析は9mTc−化合物17 93%を示し、RCP89%を得た。
XterraRP18、3.5μm、4.6x150mmカラムを使用し、NHOH0.06%を水性移動相(溶媒A)に、アセトニトリルを有機移動相(溶媒B)を使用し、流量1ml/分でHPLC分析を実行した。使用した典型的な勾配は以下の通り:0〜5分(10〜30%B)、5〜17分(30%B)、17〜18分(30〜100%B)、18〜22分(100%B)及び22〜24分(100〜10%B)。99mTc−化合物16の保持時間は7.6分であり、一方99mTc−化合物17の保持時間は7.5分であった。
バルビツレート前駆体の親電子放射性ヨウ素化の一般操作法
新規に製造した水中の0.01M過酢酸10μL(1x10−7モル)を適当な溶媒中の前駆体基質(1x10−7モル)を含有するシラン化されたバイアルに、0.2MNHOAc緩衝液(pH=4)200μL、Na127I100μL(1x10−7モル)及びNa123Iとともに添加した。反応混合物を静かに攪拌し、生成物をHPLCにより精製した。
は本発明の数種の化合物の化学構造を示す。

Claims (33)

  1. バルビツール酸の5位が造影成分で標識された合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤を含む造影剤であって、造影成分が該標識合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の哺乳類生体内への投与後に検出できるものであり、該造影成分が以下の(i)〜(vii)から選択される造影剤。
    (i)放射性金属イオン、
    (ii)常磁性金属イオン、
    (iii)ガンマ線放出型放射性ハロゲン、
    (iv)陽電子放出型放射性非金属、
    (v)過分極NMR活性核、
    (vi)インビボ光学イメージングに適したレポーター、
    (vii)血管内検出に適したβ放射体。
  2. 合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤リガンドコンジュゲートが次の式Iのものである、請求項1記載の造影剤。
    [{阻害剤}−(A)−[造影成分] (I)
    式中、{阻害剤}は合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤であり、
    −(A)−はリンカー基であって、Aは独立に−CR−、−CR=CR−、−C≡C−、−CRCO−、−COCR−、−NRCO−、−CONR−、−NR(C=O)NR−、−NR(C=S)NR−、−SONR−、−NRSO−、−CROCR−、−CRSCR−、−CRNRCR−、C4−8シクロヘテロアルキレン基、C4−8シクロアルキレン基、C5−12アリーレン基又はC3−12ヘテロアリーレン基、アミノ酸又は単分散ポリエチレングリコール(PEG)構成要素であり、
    Rは独立にH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4アルコキシアルキル又はC1−4ヒドロキシアルキルから選択され、
    nは0〜10の整数であり、
    mは1、2又は3である。
  3. 合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤がリガンドとコンジュゲートしており、リガンドが放射性金属イオン又は常磁性金属イオンと金属鎖体を形成している、請求項1又は請求項2記載の造影剤。
  4. リガンドがキレート剤である、請求項3記載の造影剤。
  5. 放射性金属イオンがガンマ放射体又は陽電子放出体である、請求項3又は請求項4記載の造影剤。
  6. 放射性金属イオンが99mTc、111In、64Cu、67Cu、67Ga又は68Gaである、請求項5記載の造影剤。
  7. ガンマ線放出型放射性ハロゲン造影成分が123Iである、請求項1又は請求項2記載の造影剤。
  8. 陽電子放出型放射性非金属が18F、11C又は13Nから選択される、請求項1又は請求項2記載の造影剤。
  9. 合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤が次の式IVのものである、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の造影剤。
    Figure 2006505550
    式中、RはR″又はZ基であり、
    はR″、Y又は−NRであって、RはH又はR″基であり、RはH、C2−14アシル、C2−10アミノアルキル又は(N−C2−14アシル)C2−10アミノアルキル又はR″基であり、或いはRとRがそれらと結合したN原子と一体として適宜(N−C2−14)アシル化C2−8シクロアミノアルキレン環を形成し、
    R″は独立にC1−14アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−14アルケニル、C1−14フルオロアルキル、C1−14パーフルオロアルキル、C6−14アリール、C2−14ヘテロアリール又はC7−16アルキルアリールであり、
    Zは基−AO[AO]であって、pは0又は1であり、A及びAは独立にC1−10アルキレン、C3−8シクロアルキレン、C1−10パーフルオロアルキレン、C6−10アリーレン又はC2−10ヘテロアリーレンであり、RはR基であって、Rは独立にH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C1−4アルコキシアルキル又はC1−4ヒドロキシアルキルから選択され、
    Yは次式の基である。
    Figure 2006505550
    式中、EはCR、O、S又はNRであり、RはC2−14アシル又はR″もしくはZ基である。
  10. がY又は−NRである、請求項9記載の造影剤。
  11. 造影成分がR置換基に結合している、請求項9又は請求項10記載の造影剤。
  12. 次の式Vのものである、請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載の造影剤。
    Figure 2006505550
    式中、EはCHR又はNRであり、RはC6−14n−アルキル又はC6−14アリールである。
  13. EがNRであって、RがC2−14アシル、−(CHOH(式中、dは2、3、4又は5である。)又は−CX(式中、XはH、C1−4アルキル、ハロゲン、OR、NR、NO又はSONRであり、R及びRは独立にR基であり、Rは請求項9記載の通り定義される。)である、請求項12記載の造影剤。
  14. がn−オクチル、n−デシル、ビフェニル、CX又は−C−O−CXであって、Xが請求項13記載の通り定義される、請求項12又は請求項13記載の造影剤。
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の造影剤を哺乳類への投与に適した形態の生体適合性担体と共に含んでなる医薬組成物。
  16. 請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の造影剤を哺乳類への投与に適した形態の生体適合性担体と共に含んでなり、造影成分が放射性である、放射性医薬組成物。
  17. 造影成分が放射性金属イオンを含む請求項16記載の放射性医薬組成物。
  18. 造影成分が陽電子放出型放射性非金属又はガンマ線放出型放射性ハロゲンを含む、請求項16記載の放射性医薬組成物。
  19. 合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤とリガンドのコンジュゲートであって、バルビツール酸が5位に置換基を含んでおり、5位置換基が放射性又は常磁性金属イオンと金属鎖体を形成できるリガンドを含む、コンジュゲート。
  20. 次の式Ibのものである、請求項19記載のコンジュゲート。
    [{阻害剤}−(A)−[リガンド] (Ib)
    式中、{阻害剤}、A、n及びmは請求項2記載の通り定義される。
  21. 合成バルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤が請求項9乃至請求項14記載の式IV又は式Vのものである、請求項19又は請求項20記載のコンジュゲート。
  22. リガンドがキレート剤である、請求項19乃至請求項21のいずれか1項記載のコンジュゲート。
  23. キレート剤がジアミンジオキシム、N又はNSドナーセットを有する、請求項22記載のコンジュゲート。
  24. 請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載のバルビツール酸系マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の非放射性誘導体を含む請求項18記載の放射性医薬組成物の製造のための前駆体であって、非放射性誘導体が陽電子放出型放射性非金属又はガンマ線放出型放射性ハロゲンの原料との反応によって所望の放射性医薬を形成できる前駆体。
  25. 陽電子放出型放射性非金属又はガンマ線放出型ハロゲンが以下の(i)〜(iv)から選択される、請求項24記載の前駆体。
    (i)ハライドイオン、
    (ii)F又はI、又は、
    (iii)アルキルハライド、フルオロアルキルハライド、トシレート、トリフレート又はメシレートから選択されるアルキル化剤、
    (iv)HS(CH 18F。
  26. 非放射性誘導体が以下の(i)〜(v)から選択される、請求項24又は請求項25記載の前駆体。
    (i)トリアルキルスタネート又はトリアルキルシランのような有機金属誘導体、
    (ii)親核置換のためのアルキルもしくはアリールヨウ化物もしくは臭化物、アルキルトシレート又はアルキルメシレートを含む誘導体、
    (iii)親核又は親電子置換のために活性化された芳香族環を含む誘導体、
    (iv)容易にアルキル化を起こす官能基を含む誘導体、
    (v)アルキルチオールとのアルキル化によってチオエーテルを形成する誘導体。
  27. 請求項19乃至請求項23のいずれか1項記載のコンジュゲートを含む請求項17記載の放射性医薬組成物の製造用キット。
  28. 放射性金属イオンが99mTcであり、当該キットが更に生体適合性還元剤を含む請求項27記載のキット。
  29. 請求項24乃至請求項26のいずれか1項記載の前駆体を含む請求項18記載の放射性医薬組成物の製造用キット。
  30. 前駆体が固相に結合している、請求項29記載のキット。
  31. アテローム性動脈硬化症の画像診断のための請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の造影剤の使用。
  32. 不安定プラークの画像診断のための請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の造影剤の使用。
  33. アテローム性動脈硬化症の血管内検出のための請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の造影剤の使用。
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