JP2006505284A - 炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性についての分子的特徴およびアッセイ - Google Patents

炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性についての分子的特徴およびアッセイ Download PDF

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Abstract

ヒト炭疽感染に対する好ましい治療は、フルオロキノロンクラス(特に、シプロフロキサシン(CIP))に由来する治療である。本発明は、フルオロキノロン(特にCEP)作用の分子的原理を開示し、そして、診断アッセイの原理を形成する分子的特徴を提供する。本発明は、さらにCIP耐性に関連するヌクレオチド特徴が、CIP耐性炭疽菌を迅速に同定するためおよびこれら変異株の耐性レベルを推測するための診断テストにおいて有用であることを開示する。本発明に従って、分子的特徴の診断の可能性が、プライマーエクステンションアッセイを用いて記載される。さらに、これらの特徴の検出を可能にするPCRおよびエクステンションプライマーが開示される。

Description

(国内優先権の主張)
本出願は、「炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性についての分子的特徴およびアッセイ」という発明の名称である、2002年10月11日にPaul S.Keimらによって出願された米国仮出願第60/417,843号に対する優先権を主張し、本出願は、その全体が本明細書中で参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、概して、炭疽菌株についての分子アッセイに関し、より詳しくは、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を同定するためのプライマー、方法、およびキットに関する。
(発明の背景)
炭疽菌(Bacillus anthracis(B.anthracis))は、家畜および野生有蹄動物に本式に感染し、炭疽という疾患を引き起こす。炭疽菌は、地球規模で分散され、および多くの地域に特有であるけれども、株の間の遺伝的多様性をほとんど示さない。パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)(Harrellら、1995)、一塩基多型(SNP)(Priceら、1999;Harrellら、1995)、増幅断片長多型(AFLP)(Keimら、2000)を含む、様々な分析の方法を用いた集団調査すべてから、炭疽菌が高度に単形性であることがわかった。
胞子形成人畜共通感染性である炭疽菌は、時折ヒトに感染し、皮膚性形態、腸性形態、または肺性形態の炭疽を引き起こす(Friedlander、1999)。これら3つのヒト形態はすべて稀であるが、炭疽菌を生物兵器として用いる可能性は、抗生物質耐性の発生を特に関連する問題にする。
ヒト炭疽感染についての好ましい治療は、フルオロキノロン、シプロフロキサシン(CIP)である。フルオロキノロン殺菌作用は、ジャイレース−DNA複合体およびトポイソメラーゼIV−DNA複合体に対し、そこで、薬物結合が、二本鎖DNAの切れ目の放出の原因となる(DrlicaおよびZhao、1997、Piddock、1999)。フルオロキノロン耐性変異体は、ジャイレースのGyrAサブユニットのキノロン耐性決定領域(QRDR)、およびトポイソメラーゼIVのParCサブユニットにおいてアミノ酸変化を有する。耐性は、主要促進因子スーパーファミリーの多剤流出ポンプの過剰発現からまた生じ得る。低いレベルの耐性が、QRDR内の単一のミスセンス変異、または流出ポンプの調節領域中の点変異によって得られ得る。しかし、高いレベルの耐性は、変異の組み合わせを必要とする。高いレベルの耐性のため必要とされるQRDR変異の段階的な蓄積は、種特異的かつ予測可能な経路に従うようである(Ngら、1996;Ferreroら、1995)。
フルオロキノロン耐性は、多くの他の抗生物質に対する耐性と同様に、いくつかの臨床的に重要な種において蔓延し、これは大部分は、推奨されるフルオロキノロン療法の不履行、およびフルオロキノロン類の阻害濃度を患者の軟部組織中で生じるために不十分である標準的な療法が原因である(Brunnerら、1999)。臨床的な原因に加えて、食用動物生成におけるフルオロキノロン類の利用は、フルオロキノロン耐性の出現の主要な原因として同定されている(Endtzら、1990;van den Bogaardら、2000;van den Bogaardら、2001)。
炭疽サンプルの培養およびその培養物のフルオロキノレン(fluoroquinolene)への暴露は、以前から、炭疽の特定の株が、フルオロキノレン耐性を示すかどうかを決定するために用いられる方法である。しかし、細菌培養物の増殖は、培養物が増殖するために細菌細胞の臨界質量を必要とする。さらに、その株が耐性であるか否かを決定するために、細菌培養物が目に見える大きさまで増殖しなければならないという点で、培養は迅速ではない。
従って、迅速に炭疽を診断し炭疽を処置する治療方法を開発するために、特に、生物テロリズム攻撃において用いられ得る炭疽の耐性株の検出および処置に用いる効果的な手段を開発する際に、確実かつ迅速に少量サンプルから炭疽菌のフルオロキノロン耐性株を決定する手段および方法についての必要性が存在する。さらに、分子に基づく迅速な検出方法が、炭疽感染の疫学研究を行うために必要とされる。
(発明の要旨)
炭疽菌変異体におけるフルオロキノリン耐性と関連する単一ヌクレオチド変化が、炭疽菌DNAに直接由来する種のフルオロキノリン耐性を検出するための迅速なアッセイの基礎を提供することが発見された。シプロ耐性変異体が、単離され、そして、特徴的なSNP配列が同定された。これらのSNP配列を増幅アッセイ(好ましくは、多重)においてアッセイするための、プライマーおよびプライマー対が提示される。炭疽菌株由来のサンプルDNAを多重化するために有用なキットが、与えられる。
単離されたオリゴヌクレオチドは、配列番号1;配列番号2;配列番号3;配列番号4;配列番号5;配列番号6;配列番号7;配列番号8;配列番号9;配列番号10;配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号16;配列番号17;配列番号18;配列番号19;配列番号20;配列番号21;配列番号22;配列番号23;配列番号24;配列番号25;配列番号26;配列番号27;配列番号28;配列番号29;配列番号30;配列番号31;配列番号32;配列番号33;配列番号34;配列番号35;配列番号36;配列番号37;配列番号38;配列番号39;配列番号40;配列番号41;配列番号42;配列番号43;配列番号44;配列番号45;配列番号46;配列番号47;配列番号48;配列番号49;配列番号50;配列番号51;配列番号52;および配列番号53からなる群より選択される核酸配列のうちの少なくとも12個連続するオリゴヌクレオチドを含んで提供され、そのオリゴヌクレオチドは、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を示すDNAに選択的に結合可能である。
本発明の特定の好ましい実施形態において、そのオリゴヌクレオチドは、固体表面、クロマトグラフィー表面、例えば、またはナノメートルスケールの診断プレート上に、固定化されている。本発明の他の好ましい実施形態において、上記ヌクレオチドは、観察可能なマーカー(最も好ましくは、蛍光標識または放射性基)をさらに含む。
配列番号1および配列番号2;配列番号3および配列番号4;配列番号5および配列番号6;配列番号7および配列番号8;配列番号9および配列番号10;配列番号11および配列番号12;配列番号13および配列番号14;配列番号15および配列番号16;配列番号17および配列番号18;配列番号19および配列番号20;配列番号21および配列番号22;配列番号23および配列番号24;配列番号25および配列番号26;配列番号27および配列番号28;配列番号29および配列番号30;配列番号31および配列番号32;配列番号33および配列番号34;配列番号35および配列番号36;配列番号37および配列番号38;ならびに配列番号39および配列番号40からなるオリゴヌクレオチド対の群より選択されるプライマー対が、提示され、そのオリゴヌクレオチドプライマー対は、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を示すDNAに選択的に結合可能である。
配列番号41;配列番号42;配列番号43;配列番号44;配列番号45;配列番号46;配列番号47;配列番号48;配列番号49;配列番号50;配列番号51;配列番号52;および配列番号53からなる群より選択される内部オリゴヌクレオチドプライマーが提示され、そのプライマーは、一塩基多型を検出可能であり、この一塩基多型は、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性の特徴である。
上記の内部オリゴヌクレオチドプライマーおよびポリポリヌクレオチドテールを含む単一塩基伸長(SBE)プライマーは、PCR機器中でのSNPの増幅および単離において用いるためのものであり、このSBEプライマーは、アンプリコンの電気泳動での分離を助けるための誂えた(customizied)アンプリコン長を提供する。
本発明の重要な局面において、炭疽菌におけるフルオロキノロン耐性に関連する複数の選択された標的DNA配列が存在するか否かを検出することによりフルオロキノロン耐性炭疽菌株を検出するための方法が、提示される。
炭疽菌のフルオロキノリン耐性株を検出するための特定の好ましい方法は、
i.炭疽菌株由来のDNAサンプルを提供する工程;
ii.配列番号1および配列番号2;配列番号3および配列番号4;配列番号5および
配列番号6;配列番号7および配列番号8;配列番号9および配列番号10;配列番号11および配列番号12;配列番号13および配列番号14;配列番号15および配列番号16;配列番号17および配列番号18;配列番号19および配列番号20;配列番号21および配列番号22;配列番号23および配列番号24;配列番号25および配列番号26;配列番号27および配列番号28;配列番号29および配列番号30;配列番号31および配列番号32;配列番号33および配列番号34;配列番号35および配列番号36;配列番号37および配列番号38;ならびに配列番号39および配列番号40からなるオリゴヌクレオチド対の群より選択される1つ以上のプライマー対を提供する工程であって、そのオリゴヌクレオチドプライマーの対は、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を示すDNAに選択的に結合可能である、工程;
iii.1つ以上の上記プライマー対を用いて上記DNAを増幅する工程;ならびに
iv.この多重化工程の結果を、公知のフルオロキノリン耐性株由来のDNA増幅の結果と比較する工程、
を包含する。
好ましくは、DNAの増幅は、1つ以上の適切なプライマー対を用いる多重化による。炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を検出するための方法における他の好ましい実施形態は、
i.炭疽菌株由来のDNAサンプルを提供する工程;
ii.配列番号1;配列番号2;配列番号3;配列番号4;配列番号5;配列番号6;配列番号7;配列番号8;配列番号9;配列番号10;配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号16;配列番号17;配列番号18;配列番号19;配列番号20;配列番号21;配列番号22;配列番号23;配列番号24;配列番号25;配列番号26;配列番号27;配列番号28;配列番号29;配列番号30;配列番号31;配列番号32;配列番号33;配列番号34;配列番号35;配列番号36;配列番号37;配列番号38;配列番号39;配列番号40;配列番号41;配列番号42;配列番号43;配列番号44;配列番号45;配列番号46;配列番号47;配列番号48;配列番号49;配列番号50;配列番号51;配列番号52;および配列番号53からなる群より選択される核酸配列のうち少なくとも12個連続するヌクレオチドを含む、1つ以上の単離オリゴヌクレオチドを提供する工程であって、そのオリゴヌクレオチドは、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を示すDNAに選択的に結合可能である、工程;
iii.上記DNAが上記オリゴヌクレオチドに結合する条件下で、上記オリゴヌクレオチドと上記DNAとを合わせる工程;および
iv.結合したオリゴヌクレオチドの存在または非存在を検出する工程であって、結合したオリゴヌクレオチドの存在は、フルオロキノリン耐性炭疽菌株を示す、工程、
を包含する。
好ましくは、この好ましい方法において、上記オリゴヌクレオチドは、観察可能なマーカー(最も好ましくは蛍光性基または放射性基)を含む。炭疽菌のフルオロキノリン耐性株を検出するための本発明の他の好ましい方法は、
i.炭疽菌株由来のDNAサンプルを提供する工程;
ii.a)配列番号1および配列番号2;配列番号3および配列番号4;配列番号5および配列番号6;配列番号7および配列番号8;配列番号9および配列番号10;配列番号11および配列番号12;配列番号13および配列番号14;配列番号15および配列番号16;配列番号17および配列番号18;配列番号19および配列番号20;配列番号21および配列番号22;配列番号23および配列番号24;配列番号25および配列番号26;配列番号27および配列番号28;配列番号29および配列番号30;配列番号31および配列番号32;配列番号33および配列番号34;配列番号35および配列番号36;配列番号37および配列番号38;ならびに配列番号39および配列番号40からなるオリゴヌクレオチド対の群より選択される一対のオリゴヌクレオチドプライマーであって、このオリゴヌクレオチドプライマーの対は、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を示すDNAに選択的に結合可能である、オリゴヌクレオチドプライマー対;
b)配列番号41;配列番号42;配列番号43;配列番号44;配列番号45;配列番号46;配列番号47;配列番号48;配列番号49;配列番号50;配列番号51;配列番号52;および配列番号53からなる群より選択される内部オリゴヌクレオチドプライマーであって、このプライマーは、一塩基多型の検出が可能であり、この一塩基多型は、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性の特徴である、プライマー;または
c)それらの組み合わせ、
から選択される1つ以上のプライマー対を提供する工程;
iii.1つ以上の上記プライマーを用いて、上記DNAを増幅する工程であって、上記プライマーは、好ましくは観察可能なマーカー(最も好ましくは蛍光性基または放射性基)を含む、工程;および
iv.この増幅工程の結果を、上記プライマーを用いた公知のフルオロキノリン耐性炭疽菌の増幅の結果と比較する工程、
を包含する。
好ましい方法において、内部オリゴヌクレオチドプライマーを含みかつポリヌクレオチドテールをさらに含む単一塩基伸長(SBE)プライマー(表3)は、PCR機器中でのSNPの増幅および単離において用いるためのものであり、このSBEプライマーは、電気泳動での分離を助けるための誂えたアンプリコン長を提供する。本発明の別の重要な局面において、熱再利用増幅(好ましくは、多重化)によるフルオロキノロン類耐性炭疽菌を検出するためのキットが、提供される。炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を検出するための好ましいキットは、配列番号1および配列番号2;配列番号3および配列番号4;配列番号5および配列番号6;配列番号7および配列番号8;配列番号9および配列番号10;配列番号11および配列番号12;配列番号13および配列番号14;配列番号15および配列番号16;配列番号17および配列番号18;配列番号19および配列番号20;配列番号21および配列番号22;配列番号23および配列番号24;配列番号25および配列番号26;配列番号27および配列番号28;配列番号29および配列番号30;配列番号31および配列番号32;配列番号33および配列番号34;配列番号35および配列番号36;配列番号37および配列番号38;ならびに配列番号39および配列番号40からなるオリゴヌクレオチド対の群より選択されるオリゴヌクレオチドプライマー対の1つ以上の対を含み、そのオリゴヌクレオチドプライマーの対は、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を示す生成物の増幅を引き起こすことが可能である。
最も好ましくは、本発明のキットは、tnp(最も好ましくは標識された、例えば、ATP、TTP、GTP、CTP、およびUTP)、ならびにPCR器具中でのDNAの増幅を引き起こすのに適切なtaqポリメラーゼ、塩および緩衝液をさらに含む。特定の他のキットは、配列番号41;配列番号42;配列番号43;配列番号44;配列番号45;配列番号46;配列番号47;配列番号48;配列番号49;配列番号50;配列番号51;配列番号52;および配列番号53からなる群より選択される1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーを含み、そのプライマーは、一塩基多型の検出が可能であり、この一塩基多型は、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性の特徴である。最も好ましくは、それらのプライマーは、観察可能なマーカー(蛍光性基または放射性基)で標識される。好ましい実施形態においては、そのキットは、DNAおよびプライマーの結合を引き起こすために適切な塩、および緩衝液をさらに含む。
(詳細な説明)
本発明は、シプロフロキサシン(CIP)耐性と関連する一塩基多型(SNP)について炭疽菌をスクリーニングするための分子アッセイを開示する。この診断的アプローチは、サンプルの培養が不可能である状況下において、CIP耐性についての炭疽菌サンプルの迅速なスクリーニングを提供する。何らかの生物テロリスト活動が生じた場合、この迅速なアッセイは炭疽の故意の蔓延を早期に検出することを可能にすることが予想される。
複数の変異炭疽菌株の研究は、野生型炭疽菌におけるCIPの主要な標的は、GyrAであり、第2の標的はParCであり、第3の標的はまだ完全には決定されていないことを示した。CIPの標的順序は、ジャイレースおよびトポイソメラーゼIVのサブユニットQRDRのアミノ酸残基によって決定されているようである。
フルオロキノロン耐性炭疽菌を決定するためのアッセイが提示され、それは6つのgyrAヌクレオチドおよび3つのparCヌクレオチドの変異の状態に基づいている。9つの遺伝子座を増幅する多重化のためのプライマーが、表3および図2で開示される。これら9つの遺伝子座は、最も一般的な変異を表し、本方法を用いて迅速にアッセイされ得る。これら9つの変異は、CIP耐性のレベルの決定において非常に重要な役割を果たすので、SNPの情報は、大発生の初期段階において、適切な抗生物質の治療の戦略を開発する際に用いられ得る。新たに得られた株は、ほんの2〜3時間のうちに遺伝子型を決定され得る。
抗生物質の乱用または悪意のどちらかによって生じたCIP耐性炭疽菌の株は、開示されるSNPアッセイを用いて迅速に遺伝子型を決定され得る。本アッセイは、SNaPshotTM技法(ABI PRISMTM Applied BioSystems Inc.)を用いて開発されたが、当該分野で公知の他のSNPアッセイも利用可能であり、用いられ得る。本アッセイにおいて、6つのgyrAヌクレオチドおよび3つのparCヌクレオチドの変異状態は、ABI377またはAB3100上の単一レーン中で容易に観察される。
以下の定義が、本明細書中で用いられる:
「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」は、変性、プライマーとのアニーリング、およびDNAポリメラーゼでの伸長のサイクルが、標的DNA配列のコピー数をおよそ106倍以上増幅するために用いられる技術である。核酸を増幅するためのポリメラーゼ連鎖反応のプロセスは、米国特許第4,683,195号、および同第4,683,202号に記載されている。これらの米国特許は、本明細書中で参考として援用する。
「プライマー」は、プライマーの3’末端がDNAポリメラーゼ酵素を用いて重合の部位として作用し得るような様式で、座のDNA鎖とハイブリダイズする、一本鎖のオリゴヌクレオチドまたはDNAフラグメントである。
「プライマー対」は、増幅されるDNA配列の一端の一本鎖にハイブリダイズするプライマー1と、増幅されるDNA配列の相補鎖上のもう一方の一端にハイブリダイズするプライマー2とを含む、2つのプライマーである。
「プライマー部位」:プライマーがハイブリダイズする標的DNAの領域。
「多重化」は、熱サイクリング機器での単一アッセイプロセス(PCR)における、同時の複数の決定のためのアッセイ系である。あるプロセスにおいてそのような能力を実行するためのプロセスは、「多重化アッセイ」である。いくつかの座を含むシステムは、多重化系と呼ばれ、例えば、Schummらに対する米国特許第6,479,235号、Lewisらに対する同第6,270,973号、およびChandlerらに対する同第6,449,562号に記載されている。
「単離された核酸」は、天然に存在する核酸と同一であってもまたは同一でなくてもよい、核酸である。「単離された核酸」が、プライマーを記載するために用いられる場合、その核酸は、少なくとも遺伝子の長さに広がる天然に存在する核酸の構造と同一ではない。本明細書中のプライマーは、両方の隣接配列を結合するように設計されている。特定のプライマーはまた、目的のDNA配列に内部で結合し得る。上記プライマーのこれらの隣接配列への結合を損なわないこれらの開示される配列において挿入または欠失を含むプライマー配列もまた、本発明に組み込まれることが意図されることが、理解されるべきである。
(フルオロキノロン類耐性株を検出するための迅速な炭疽菌アッセイの方法)
(DNA抽出)
DNAを、Keimら、2000に記載されたように抽出した。手短には、DNAを、血液寒天プレート由来の約1mgの細胞物質を150μlのヒート−ソーク(heat−soak)緩衝液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA、pH8.0)に懸濁し、85℃まで30分間加温することによって、各耐性変異体から抽出した。細胞の破片を、遠心分離によってペレットにし、その上清をPCR反応のテンプレートとして用いた。
(PCR増幅)
すべてのプライマー(表1)を、The Institute for Genomic Research、Rockville、MD、USAによって一般的に提供されている不完全な炭疽菌ゲノム配列から設計した。PCR産物を、50μlPCR反応において増幅し、そして以下のように調製した:1×PCR緩衝液(20mM Tris pH8.4、50mM KCl)(Gibco/BRL、Bethesda、MD、USA)、0.10mM DNTP、2mM MgCl、2μlヒート−ソーク上清(テンプレートとして)、0.04U/μl Taqポリメラーゼ(Gibco/BRL、Bethesda、MD、USA)、0.2μM 順方向プライマーおよび逆方向プライマーを、フィルター濾過(0.2μm)した17.8mΩ E−pure水で50μlに調整した。反応を、94℃まで5分間加熱し、次に94℃で20秒間、60℃で20秒間、および72℃で20秒間の35サイクルに供した。この後に、プライマーの伸長を完成するために72℃まで5分間加熱した。PCR産物を、EtBr染色した1.5% SynergelTM(Diversified Biotech、Boston、MA、USA)/0.7%アガロース(Gibco/BRL、Bethesda、MD、USA)上で定量した。定量したPCR産物を、次のように配列決定した。
(DNA配列決定)
PCR産物を、1:5で水に希釈し、ABI PRISM(登録商標)Ready Reaction BigDyeTM Terminator Cycle Sequencing Kit(ともに、Perkin−Elmer/Applied Biosystems Inc.、Foster City、CA、USAより得た)を用いて、ABI377蛍光シークエンサー上で配列決定した。必要な場合、連続する遺伝子配列を、個々の配列からSeqManTMソフトウエア(DNASTAR,inc.、Madison、WI、USA)を用いて調製した。連続する配列を、MegAlignTMソフトウエア(DNASTAR,inc.、Madison、WI、USA)を用いて野生型配列と整列させた。
(SNP多重化アッセイ)
一塩基多型(SNP)アッセイを開発して、9つの観察された耐性変異体を迅速に同定した(表2)。隣接プライマー(flanking primer)(表3)を、gyrAの塩基203〜323(122塩基対生成物)、およびparCの塩基175〜320(146塩基対生成物)を増幅するために設計した。PCR産物を、最終濃度の1×PCR緩衝液(上記)、3mM MgCl、0.1mM dNTP、順方向プライマーおよび逆方向プライマーの対(0.1μM gyrAプライマー/0.4μM parCプライマー)、1U Platinum(登録商標)Taq DNAポリメラーゼ(Gibco/BRL、Bethesda、MD、USA)、および1μlのヒート−ソーク上清(テンプレートとして)と共に10μlの一重または二重のPCRにおいて増幅した。反応を、94℃まで5分間加熱し、次に94℃で20秒間、60℃で30秒間、および72℃で30秒間の30サイクルに供した。手順の残りを、当該分野で公知の方法に従って実行した。ABI PRISM(商標登録)SNaPshotTM Multiplex Kitにおいて好ましい指示を与え、AB3100 genetic analyzer(Applied Biosystems、Foster City、CA、USA)上で実行した。単一塩基伸長(SBE)プライマー(表3)を、電気泳動的に分離するようした場合にアンプリコン長を4塩基対間隔に誂えるために、ポリヌクレオチドテール(ポリCおよび単一A)で設計し、6つのgyrA SNPを5’から3’の変異が見出される順序で検出し、その後3つのparC SNPを検出した(また、5’から3’の存在順序)。プライマーgyrA265およびプライマーgyrA254は、各々1つおよび2つSNP座が重なっているので、工程3の変異とテンプレート上でアニーリングすることが可能なように、それらを部位266および部位265にて縮重塩基対を用いて設計した。プライマー縮重にもかかわらず、13プライマー多重におけるgyrA265の増幅は、S3−2変異体において弱かった。従って、テンプレートがS3−2変異体であると推測した場合、2つのgyrA265プライマーのみを含んだ第2のSBEを実行することによって、この座を、個々に標的にした。SBE生成物の順序は、SBE PCRの多重化を可能にし、記録を容易にし、サイズ標準物についての必要性を排除した。従って、このアッセイを、5−ダイキャピラリー機器が利用できない場合に、4−ダイABI377で実行し得る。
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(変異炭疽菌株の選択およびフルオロキノロン類耐性部位の同定)
(細菌株)
炭疽菌の非病原性のpX01−/pX02−、Ames株の選別を行った(Ivinsら、1986)。多様性研究のために用いたすべてのDNAサンプルは、本発明者らの炭疽菌DNAコレクションに由来した(Keimら、2000)。炭疽菌株を、結果として生じる段階的な変異の蓄積を生成するために、増大する漸増CIP濃度で連続して選択した。変異株を、64μg CIP/ml程度の高さの(野生型より1000倍高い)MICを用いて単離した。これらの結果を、表2に示した。変異の蓄積が、特有かつ順序付けられた様式で生じた。第1レベルの変異体を、0.25μg CIP/mlで選択した。これは、6.6×10−10の割合で発生し、そしてgyrA QRDR内の5つの変異のうちの1つを有していた(表2)。これらの変異体のうちの不相応な数(71%)が、gyrA中にC254→Tのミスセンス変異を有していた(表2)。この変異によって付与される耐性のレベルは、他のS1変異の耐性レベルと類似していた。この変異体は、他のS1変異を超える選択的優位性を提供しなかったので、炭疽菌gyrAのC254ヌクレオチドを変異多発点と呼ぶことは、妥当である。第2レベルの変異体を、1.5μg CIP/mlで選択した。これは、1.0×10−8の割合で発生し、そしてparC QRDR内の4つの変異のうちの1つを有していた(表2)。S1変異と同様に、1つのS2遺伝子型(C242→T)は代表が多すぎた(71%)(表2)。parCのC242ヌクレオチドが別の変異多発点を表すことが起こりうる一方、代表の多すぎることはまた、上記変異によってその株に付与される不相応な耐性レベルの結果でもあり得た(表2)。第3レベルの変異体を、24μg CIP/mlで選択した。これは、4.8×10−10の割合で発生した。2つの第3レベルの変異体を、gyrA QRDR内の新規の変異を用いて同定した(表2)。しかし、他の21個の第3レベル変異体は、gyrAまたはparC QRDRのどちらにも、さらなる変化を有さなかった。gyrBおよびparEにおける潜在的QRDRをまた、これらの株由来から配列決定し、そしてこれらの領域においてさらなる変異がないことを明らかにした。標的化された段階的な変異の蓄積(S1 gyrA→S2 parC→S3 gyrA/?)は、特定のフルオロキノロン類が、種々の細菌種の中の異なる主要なトポイソメラーゼ標的を有するという仮説(Ferreroら、1995;Ngら、1996;PanおよびFisherら、1998)を支持するための、さらなる証拠を提供する。
炭疽菌は、CIPの存在下における炭疽菌の増殖を可能にする、複数の異なったミスセンス変異を発生する能力を有する。炭疽菌がCIPへの耐性を発生する段階的な表現型の割合(4.8×10−10〜1.0×10−8)は、他の種におけるフルオロキノロン耐性について報告された割合と類似している。ヒトの炭疽症例が稀なこと、およびこの病原体の死体依存性伝染サイクルは、患者の不履行によるCIP耐性炭疽菌の発生および蔓延を起こりそうもないことにする。しかし、抗菌性成長促進剤の農業上での実施は、この潜在的な結果を有する。0.38μg CIP/ml以上の血清濃度および組織濃度を標的としたCIPレジメンは、CIP耐性炭疽菌が発生するための機会を減少させる。これは、統計的に起こりそうもないgyrAおよびparCのQRDRにおいて同時に有利な変異を発生する細菌の事象(6.6×10−18)か、gyrAおよびparCのQRDRにおいて同時に有利な変異を発生することを必要とすることによる。家畜において抗菌性成長促進剤として抗生物質を低レベルで供給することから生じる血清濃度および組織濃度は、最大許容濃度(MPC)に到達せず、そしておそらく野生型炭疽菌のための最小発育阻止濃度(MIC)が不足した。従って、この実行は、特に炭疽菌が地域特有である畜産地域において、耐性株の発生についての潜在的危険性を提示し得た。
(多様性研究)
gyrAおよびparCのQRDRを、8つの主要な多様性群から配列決定し、下に記載のように点変異について分析した。8つの株は、3(74−42C−8)、25(14185)、39(46)、45(2B80)、62(Oct−321)、77(Vollum)、80である。
(段階的な変異体選択)
炭疽菌Ames−/−株を、凍結ストックから取り、血液寒天プレート上に線引きし、35℃で一晩増殖させた。単離したコロニー由来の細胞を、5mlのミューラー−ヒントンブロスを含む培養チューブに接種し用いた。培養物を、G24 Environmental Incubator Shaker(New Brunswick Scientific、Edison、NJ、USA)中にて225rpmで振盪して、37℃にて一晩インキュベートした。これらの培養物の各々(平均OD625約1.4×10または1.43×10CFU/ml)を、0.45μmニトロセルロースメンブレンフィルター(Millipore、Bedford、MA USA)に移した。メンブレンを、0.25μg CIP/mlを含むミューラー−ヒントン寒天上に細胞側を上にして配置し、約40時間インキュベートした。各陽性プレートからの単一コロニー由来の細胞を、血液寒天上に線引きし、35℃で一晩培養した。これらのプレート由来の細胞を、凍結ストックを調製するため、および配列決定のためのDNAを単離するために、用いた(下記を参照のこと)。最も一般的な独自の遺伝子型であるS1−1を、1.5μg CIP/mlを含むミューラー−ヒントン寒天上での次の回の選択に供した。同様に、この選択からの最も一般的な遺伝子型であるS2−1を、24μg CIP/mlを含む寒天上での第3回かつ最終回である選択に供した。
(変異率)
工程1、工程2、および工程3のシプロフロキサシン耐性変異体についての変異率を、野生型Ames−/−、S1−1、およびS2−1の各々の96個の独立培養物を用いて決定した。出発単離体の単一コロニーを、LBブロス中に懸濁し、およそ1,000細胞を独立培養物の各々に接種するために用いた。工程1および工程3の変異体について、96個の1ml培養物を、4個の24ウェルプレート(Costar)においてLBブロス中で培養した。工程2について、96個の100μl培養物を、1つの96ウェルプレート(Costar)においてLBブロス中で培養した。すべてのプレートを、G24 Environmental Incubator Shaker(New Brunswick Scientific、Edison、NJ、USA)中にて225rpmで振盪して、37℃にて一晩インキュベートした。6つの培養物を各工程についてランダムに選択し、そして各培養物中に存在する細胞の平均の総数を決定するために用いた。残った90個の培養物を、工程1、工程2、および工程3の各々について、0.25μg CIP/ml、1.5μg CIP/ml、および24μg CIP/mlの濃度でミューラー−ヒントンシプロフロキサシンプレート上にプレートした。工程2については、100μl培養物を直接プレートした。工程1および工程3について、1ml培養物を、無菌の1.5ml微量遠心チューブに移し、3,000×gで5分間遠心分離した。およそ850μlの上清を除き、ペレットを残ったブロス中に再懸濁し、プレートした。プレートのすべてを、37℃にて約48時間インキュベートした。4つに至るまで、各陽性プレート由来の推定の4個までの耐性コロニーを、新たな選択培地に移し、そして耐性を確認するために37℃にて約48時間インキュベートした。耐性変異体を欠くプレートの数は、ゼロ変異事象を表す。この値を、各工程についての変異率を評価するために位置分布における細胞数とともに用いた。
(感受性テスト)
MICを、National Committee for Clinical Laboratory Standards(National committee、1997)の指針に従って、ミューラー−ヒントン寒天希釈法により決定した。E試験ストリップ(AB BIODISK)を、迅速なスクリーニングのために使用した。これを、図1に示す。
Figure 2006505284
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本発明の好ましい実施形態の特定のものは、記載され、特異的に上に例示される一方、本発明がそのような実施形態に限定されることは、意図されない。種々の改変が、添付する特許請求の範囲に示される本発明の範囲および精神から逸脱することなしに、本発明になされ得る。
図1は、異なるシプロフロキサシン濃度に対する変異体の感受性を示す。野生型の親株(A)および3つの連続した段階的な変異株(B−D)は、E−ストリップ(E−strip)を用いて、シプロフロキサシン感受性について評価される。段階的な変異株は、(B)S1−1、(C)S2−3、および(D)S3−1である。自然に起こる段階的な変異率(世代あたりの変化)が、矢印で示される。 図2は、CIP耐性に関連する変異性の変化についてのSNPアッセイを示す。ABI377ゲルイメージの図解が、7つの炭疽菌株の間の9つのSNP座とともに示される(野生型、2つの工程1の変異体、2つの工程2の変異体、および2つの工程3の変異体)。さらに、キャピラリー電気泳動機器(AB3100)上で作成される野生型遺伝子型の1つの波形データは、診断基盤全体にわたるアッセイの柔軟性を説明することが示される。変異遺伝子型のSNPは、S1−1:gyrA254(R)C→T;S1−2:gyrA265(R)G→A;S2−1:gryA254(R)C→TおよびparC242 C→T;S2−2:gyrA254(R)C→TおよびparC242 C→A;S3−1:gyrA254(R)C→Tおよび→265(R)G→AおよびparC242 C→T;S3−2:gyrA254(R)C→TおよびgyrA266(R)A→CおよびparC242 C→Tである。

Claims (22)

  1. 単離されたオリゴヌクレオチドであって、配列番号1;配列番号2;配列番号3;配列番号4;配列番号5;配列番号6;配列番号7;配列番号8;配列番号9;配列番号10;配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号16;配列番号17;配列番号18;配列番号19;配列番号20;配列番号21;配列番号22;配列番号23;配列番号24;配列番号25;配列番号26;配列番号27;配列番号28;配列番号29;配列番号30;配列番号31;配列番号32;配列番号33;配列番号34;配列番号35;配列番号36;配列番号37;配列番号38;配列番号39;配列番号40;配列番号41;配列番号42;配列番号43;配列番号44;配列番号45;配列番号46;配列番号47;配列番号48;配列番号49;配列番号50;配列番号51;配列番号52;および配列番号53からなる群より選択される核酸配列の少なくとも12個連続するヌクレオチドを含み、該ヌクレオチドは、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を示すDNAに選択的に結合可能である、オリゴヌクレオチド。
  2. 請求項1に記載のオリゴヌクレオチドであって、固体表面に固定化されている、オリゴヌクレオチド。
  3. 請求項1に記載のオリゴヌクレオチドであって、観察可能なマーカーをさらに含む、オリゴヌクレオチド。
  4. 請求項3に記載のオリゴヌクレオチドであって、前記観察可能なマーカーが、蛍光標識である、オリゴヌクレオチド。
  5. 請求項3に記載のオリゴヌクレオチドであって、前記観察可能なマーカーが、放射性基である、オリゴヌクレオチド。
  6. 請求項1に記載のオリゴヌクレオチドであって、前記フルオロキノリンが、シプロフロキサシンである、オリゴヌクレオチド。
  7. 一対のオリゴヌクレオチドプライマーであって、配列番号1および配列番号2;配列番号3および配列番号4;配列番号5および配列番号6;配列番号7および配列番号8;配列番号9および配列番号10;配列番号11および配列番号12;配列番号13および配列番号14;配列番号15および配列番号16;配列番号17および配列番号18;配列番号19および配列番号20;配列番号21および配列番号22;配列番号23および配列番号24;配列番号25および配列番号26;配列番号27および配列番号28;配列番号29および配列番号30;配列番号31および配列番号32;配列番号33および配列番号34;配列番号35および配列番号36;配列番号37および配列番号38;ならびに配列番号39および配列番号40からなるオリゴヌクレオチド対の群より選択され、該対のオリゴヌクレオチドプライマーは、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を示すDNAに選択的に結合可能である、一対のオリゴヌクレオチドプライマー。
  8. 請求項7に記載の一対のオリゴヌクレオチドであって、前記フルオロキノリンが、シプロフロキサシンである、一対のオリゴヌクレオチド。
  9. オリゴヌクレオチドプライマーであって、配列番号41;配列番号42;配列番号43;配列番号44;配列番号45;配列番号46;配列番号47;配列番号48;配列番号49;配列番号50;配列番号51;配列番号52;および配列番号53からなる群より選択され、該プライマーは、一塩基多型を検出可能であり、該一塩基多型は、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性の特徴である、オリゴヌクレオチドプライマー。
  10. 請求項9に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、該プライマーは、誂えたアンプリコン長を生成可能であるポリヌクレオチドテールを含む、プライマー。
  11. 炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を検出するための方法であって、
    i.炭疽菌由来のDNAサンプルを提供する工程;
    ii.請求項7からの1つ以上のプライマー対を提供する工程;
    iii.前記プライマー対を用いて該DNAを増幅する工程;および
    iv.該増幅工程の結果を、該プライマー対を用いた公知のフルオロキノリン耐性炭疽菌の増幅の結果と比較する工程、を包含する、方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、前記増幅工程が、多重化する工程をさらに包含する、方法。
  13. 炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を検出するための方法であって、
    i.炭疽菌由来のDNAサンプルを提供する工程;
    ii.請求項1に記載の1つ以上のオリゴヌクレオチドを提供する工程;
    iii.該オリゴヌクレオチドが該DNAに結合する条件下で、該オリゴヌクレオチド
    と該DNAとを合わせる工程;および
    iv.結合したオリゴヌクレオチドの存在または非存在を検出する工程であって、該結
    合したオリゴヌクレオチドの存在は、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を表す、工
    程、
    を包含する、方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、前記オリゴヌクレオチドが、観察可能なマーカーを含む、方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、前記観察可能なマーカーが、蛍光性基または放射性基である、方法。
  16. 炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を検出するための方法であって、
    i.炭疽菌由来のDNAサンプルを提供する工程;
    ii.請求項7に記載の1つ以上のプライマー対を提供する工程;
    iii.請求項9に記載の1つ以上のプライマーを提供する工程;ならびに
    iv.該プライマー対および該プライマーを用いて該DNAを増幅する工程;
    v.該増幅工程の結果を、該プライマーを用いた公知のフルオロキノリン耐性炭疽菌の
    増幅の結果と比較する工程、
    を包含する、方法。
  17. DNAの増幅により炭疽菌株におけるフルオロキノリン耐性の分子検出をするためのキットであって、該キットは、
    請求項1に記載の1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーであって、該オリゴヌクレオチドプライマーは、炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性を示すことが可能である、オ
    リゴヌクレオチドプライマー、
    を含む、キット。
  18. 請求項17に記載のキットであって、PCR機器中で、前記DNAの増幅を引き起こすために適切な、dNTP、taqポリメラーゼ、塩、および緩衝液をさらに含む、キット。
  19. 請求項18に記載のキットであって、前記dNTPが、蛍光性基または放射性基で標識されている、キット。
  20. DNAのアッセイにより炭疽菌におけるフルオロキノリン耐性の分子検出をするためのキットであって、該DNAは、フルオロキノリン耐性に特有であり、該キットが、請求項9に記載の1つ以上のプライマーを含む、キット。
  21. 請求項20に記載のキットであって、前記プライマーが、蛍光性基または放射性基で標識される、キット。
  22. 請求項21に記載のキットであって、前記プライマーへの前記DNAの結合を引き起こすために適切な、塩および緩衝液をさらに含む、キット。
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