JP2006504518A5 - - Google Patents

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遠心蒸発器
技術分野
本発明は遠心蒸発器に関し、特に蒸発チャンバ内の温度を感知することのできる方法および装置に関する。
発明の背景
遠心蒸発器等による蒸発によって製薬化合物を乾かすときに、蒸発している材料が、混合物を構成する1つ以上の試料成分を損傷するおそれのある温度にさらされないことが重要であり得る。しかしながら、高速の蒸発を達成するためには、蒸発の際に熱を試料材料に与えて、溶媒の蒸発(潜熱)のために失われる熱の平衡を保たなければならない。これら2つの恐らく相反する要件を満たすために、たとえばある最大温度を超えないことを保証するために、試料材料の温度を正確に監視する必要がある。
英国特許明細書第2334688号は、チャンバ内の試料に設置されたまたは試料に隣接した感温プローブの使用について記載しており、この場合に典型的にはチャンバの外部にあってロータから遠く離れたシステム制御装置にロータ上のセンサからの温度データを転送する手段を伴っている。英国特許出願第0105345.3号は、試料容器が適所に固定されたディスクロータの温度を感知するための非接触感温装置の使用について記載している。
チャンバ内で容器の試料材料に遠心力が生じさせるためにロータが速度を増すにしたがって試料容器が動(典型的に上方外側への振れ場合に、非接触感温装置を用いると
きに問題が生じる。
一般的に、非接触感温装置は広い視野を有する。それでも、単一の感温装置はロータの各回転の一部の間にブランコ(試料容器)を「見る(‘see’)」だけである。ロータと試料容器の間の熱伝達は通常乏しいために、たとえば赤外線(IR)ランプが点灯してそのIRランプで熱が供給される場合、ロータはブランコ(試料容器)とその試料容器内の試験管等の容器内の試料材料よりも非常に高い温度まで加熱される傾向がある。したがって、センサが(通常そうであるように)ロータの温度にも反応する場合、これによってセンサからの温度情報が、実際に試料材料に存在するよりも高い試料温度を示すことになる。
非接触感温装置は、視界窓(レンズ)を用いることが多く、これは蒸発の際に汚染されやすいため、温度監視機能に妨害を与える。
本発明の目的は、非接触温度測定のための、および遠心蒸発器における蒸発プロセスを見るための改善されたシステムを提供することである。
発明の概要
本発明による遠心蒸発器においてはチャンバ内で試料容器がロータに支持されており、赤外線源が、その使用時にはロータとその上に支持された試料容器とに赤外線を向けて少なくとも試料容器とその中の任意の試料材料を加熱してその試料材料中の液体を蒸発させるようにチャンバに装着されており、さらに非接触感温赤外線高温計を含み、赤外線源と高温計との位置は赤外線源からの放射が高温計に当らないように選択されており、試料容器はロータが回転したときに振り上がって実質的に水平の姿勢をとるようにロータにピボット装着されており、高温計は規定された視野を有していて、実質的にロータがその視野から外れるが、各試料容器がロータの各回転の一部に関して高温計の視野を少なくとも部分的に占めるようにチャンバに装着されていることを特徴としている。
好ましくは、赤外線源は、使用中にその放射が主に、ロータではなく試料容器にるように選択されるおよび/または位置付けられる。
好ましくは、チャンバ内の高温計センサの位置は、ロータが高温計の視野入らないように選択される。
典型的に、センサの視野は概ね円形であり、センサのサイズはセンサが点状の感知源とみなすことができるようなものにされ、円形の視野の直径は、点状の感知源からの距離とともに増加して、頂点がセンサの中心にある円錐を規定する。
好ましくは、その軸に沿った任意の点における円錐の直径も、円錐の軸に沿って測定された点状の感知源から上記任意の点への距離の10分の1に等しいまたはそれ未満である。
一実施例において、ロータ軸は垂直であり、センサの視野の中心に沿って通過する垂直面は、センサロータの回転軸の間で半径方向に引かれた別の垂直面に対して鋭角をなすように構成される。換言すれば、ロータ軸が垂直である場合、ロータ軸センサの中心点を含む垂直面は、好ましくはセンサの中心点センサの視野の中心軸を含む垂直面に対して鋭角をなす。
好ましくは、チャンバ内のロータの回転方向は、蒸発の際にロータから出され如何なる破片もセンサから外れるように方向づけられセンサに衝突しないように選択される
好ましくは、IR高温計センサの視野内にあるチャンバ壁の内領域に近チャンバの温度を測定するための感温手段が提供され、好ましくはこの感温手段はチャンバに、またはチャンバの壁に位置付けられる。
蒸発器は、好ましくは、センサおよびチャンバ感温手段からの信号を受信することができる電気信号処理手段をさらに含み、これはチャンバ温度を考慮してセンサからの温度値を調整するように適用され、好ましくは、さらに他の感温手段が、高温計センサ本体の温度および/またはチャンバ感温手段の本体の温度を感知するように位置付けられて、高温計センサおよび/またはチャンバ感温手段からの温度データにセンサの温度補償を適用できるようにするさらに他のデータを与える。
したがって本発明によって、非接触感知温度装置を遠心蒸発器で用いることができ、試料容器はロータによって支持されかつロータの速度が増すと振り上がるように装着され、本発明の別の態様では、感温装置は蒸発チャンバに装着された狭い視野赤外線高温計を含ブランコ(試料容器)がロータの各回転の一部の間に高温計の視野を少なくとも部分的に占め、一方でロータ自体はロータの回転の間に高温計の視野に入らない(または実質的に入らない)ようにする。
チャンバの温度が、IR高温計の視野にあるチャンバ壁の領域位置で、またはその領域に近接して測定される場合、壁の温度に関するデータを単純な式で用いて、高温計からの未加工の温度データを補正することができる。
IR高温計はその周囲条件の変化によって影響されるので、IR高温計センサの本体および/またはチャンバ壁の温度を検出する温度センサの本体の温度が測定されることが好ましく、これによって高温計および/またはセンサからの未加工の温度データにさらなる温度補償の補正を適用できるようにするデータを与える。
図1では、蒸発チャンバ10は、典型的に電気モータである電動ドライブ16によって駆動される中心軸14で支持されるロータアセンブリ12を含み、必要に応じてギヤケースをも含む。
チャンバ10は、20,22等の試料容器がピボット24,26を用いてロータに旋回可能に装着された後で、蓋18で密封することができる。チャンバは、パイプ28でチャンバに接続された真空ポンプ27を動作させることによって真空にすることができる。このシステムは、コンピュータベースのコントロールセンター30によって制御される。
使用中に、容器は、容器22によって示された点から容器20の点へとピボット24,26上で上方にれる
赤外線源32は回転する試料容器20,22の軌道にIR放射をけ、ロータの回転によって容器回転させると、容器の下面20A,22Aが次に源32から発せられたIR放射にあてられ、容器およびその内容物が暖められる。
これによって、各容内の試料成分内の如何なる液体も暖められ、臨界温度よりも上げると蒸発し始める。このようにして生成された蒸気は、周知の態様でポンプ27によって
チャンバから引き出され、周知の態様でポンプへと移動する空気から分離することができる。
IR源は放射高温計の1つの構成要素をなし、その他の構成要素はチャンバ10に配置されたセンサ34であり、赤外線源32によって発せられた放射はセンサ34の視界に直接入らないようにする。代わりに、センサは回転する容器の軌道、特に容器の下面に向けられて、容器の温度を感知するようにする。容器の底面が良好な熱伝導率を有する材料から生成される場合、感知された温度は、容器内の試料材料の温度に比例することになる。
回転速度が一定であって赤外線源32からの放射が一定の強度であり、かつすべての容器が熱的に類似している場合、すべての容器およびその内容物は赤外線源32によって実質的に同じ温度まで加熱されて、センサ34で検知されその「平均」温度は各試料の温度に近する。
コントロールセンター30は、赤外線源32、電動ドライブ16およびポンプ27への電力を制御し、センサ34からの温度信号を受信して、試料の蒸発による乾燥を制御することができる。圧力センサ38は真空情報をコントロールセンター30に与える。
感温装置40が装着されて、センサ34が向けられた領域におけるチャンバの内部壁の温度を感知するようにする。
さらに他の感温装置42が装置40に取付けられて、装置40の本体の温度を感知する。示されていないが、同様の感温装置を取付けて、センサ34の本体の温度を測定し得る。
感温装置40,42等の各々によって感知された温度を示す信号が、コントロールセンター30に与えられる。
図2は、試験管44,46の配列を含むものとして示された試料容器を有するロータアセンブリの斜視図である。IR源32およびセンサ34ならびにその狭い円錐の視野48が、チャンバ20の底面50とともに示されている。
図3はIR源34の好ましい円錐の視野の詳細を示しており、円錐の断面の直径は、センサ34の中心からの距離の10単位ごとに1単位の割合で増加する。
図4はセンサ34の視野48にちょうど入ってる試料容器44を示しており、図5はちょうど出て行く容器を示している。
図4および5の双方はまた、チャンバ温度センサ40の位置を示している。
遠心蒸発器チャンバに組み込まれたブランコ型ロータを示す図である。 赤外線高温計検出器を組み込んだ、本発明を実施する好ましい配置を示す図である。 図2の赤外線高温計の好ましい視野を示す図である。 高温計の視野にちょうど入って来るブランコ(試料容器)を示す図である。 高温計の視野からちょうど出て行くブランコ(試料容器)を示す図である。

Claims (11)

  1. チャンバ(10)内において試料容器(20、22)がロータ(12)に支持されており、赤外線源(32)が、その使用時にはロータとその上に支持された試料容器とに赤外線を向けて少なくとも試料容器とその中の任意の試料材料を加熱してその試料材料中の液体を蒸発させるようにチャンバに装着されており、さらに非接触感温赤外線高温計(34)を含み、赤外線源(32)と前記高温計(34)との位置は赤外線源からの放射が高温計に当らないように選択されており、
    試料容器(20、22)はロータが回転したときに振り上がって実質的に水平の姿勢をとるようにロータにピボット装着されており、高温計(34)は規定された視野を有していて、実質的にロータがその視野から外れるが、各試料容器がロータの各回転の一部に関して高温計の視野を少なくとも部分的に占めるようにチャンバに装着されていることを特徴とする遠心蒸発器。
  2. 赤外線源は、使用中にその放射ロータではなく試料容器にるように選択されるおよび/または位置付けられる、請求項1に記載の遠心蒸発器。
  3. チャンバ内の高温計センサの位置は、ロータが高温計の視野入らないように選択される、請求項1または2に記載の遠心蒸発器。
  4. センサの視野は概ね円形であり、センサのサイズはセンサが点状の感知源とみなすことができるようなものにされ、円形の視野の直径は感知源からの距離とともに増加して、頂点がセンサの中心にある円錐を規定する、請求項1から3のいずれかに記載の遠心蒸発器。
  5. 前記円錐の軸に沿った任意の点における円錐の直径前記点状の感知源から円錐の軸に沿って測定された前記任意の点への距離の10分の1未満である、またはそれに等しい、請求項4に記載の遠心蒸発器。
  6. ロータ軸は垂直であってセンサの視野の中心軸は垂直ではなく、ロータ軸センサの中心点とを含む垂直面は、センサの中心点センサの視野の中心軸を含む垂直面に対して
    鋭角をなす、請求項1から5のいずれかに記載の遠心蒸発器。
  7. チャンバ内のロータの回転方向は、蒸発の際にロータから出され如何なる破片もセンサから外れるように方向づけられセンサに衝突しないように選択されている、請求項1からのいずれかに記載の遠心蒸発器。
  8. センサの視野内にあるチャンバ壁の内部の領域に近接したチャンバの温度を測定するようにされたチャンバ感温手段を含む、請求項1からのいずれかに記載の遠心蒸発器。
  9. チャンバ感温手段はチャンバに位置付けられる、請求項に記載の遠心蒸発器。
  10. IR高温計センサおよびチャンバ感温手段からの信号を受信する電気信号処理手段をさらに含み、これはチャンバ温度を考慮してIR高温計センサからの温度値を調整するように適用される、請求項に記載の遠心蒸発器。
  11. さらに他の感温手段が、IR高温計センサおよび/またはチャンバ感温手段からの温度データに適用されてセンサ温度補正を可能にするさらなるデータを提供するように、高温センサ本体の温度および/またはチャンバ感温手段本体の温度を感知するように位置付けられる、請求項10に記載の遠心蒸発器。
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