JP2006504345A - 薄い金属膜に基づいた静磁波デバイス、これを製造するための方法、及びマイクロ波信号を処理するためのデバイスへの応用 - Google Patents

薄い金属膜に基づいた静磁波デバイス、これを製造するための方法、及びマイクロ波信号を処理するためのデバイスへの応用 Download PDF

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Abstract

本発明は、基板(1)と、この基板(1)上に配列された導電性強磁性薄膜(2)と、これに近接する前記強磁性薄膜(2)に平行して配列され、誘導結合により前記材料の中で静磁波またはスピン波を生成する、マイクロ波電気信号を受信するための第1のトランスデューサアンテナ(10)と、誘電的に結合され、静磁波が前記強磁性薄膜(2)に達するとマイクロ波電気信号を送電するために、これに近接して前記強磁性薄膜(2)に平行して配列される、マイクロ波電気信号を送信するための第2のトランスデューサアンテナ(20)とを備え、前記第2のアンテナ(10)が実質的にそこに同一平面上にある前記第1のアンテナ(10)と、前記強磁性薄膜(2)の同じ側に位置する、集積静磁波デバイスに関する。

Description

本発明は、静磁波デバイスと、これらを製造する方法と、及びマイクロ波信号を処理するための装置へのこれらの応用に関する。
ガドリニウムガリウムガーネットGdGa12(GGG)などの非磁性基板上での液体エピタキシャル成長により作られる、イットリウム鉄ガーネットYFe12(YIG)の単結晶のような、非常に低い損失を有する強磁性絶縁材の厚い層を利用する多様な静磁波デバイスが既知である。
このような既知の静磁波デバイスは、例えば、1988年2月、IEEE議事録、第76巻、第2号、「静磁波技術:レビュー(Magnetostatic wave technology:a review)」と題されるWaguih S.Ishakによる文書に説明されている。
このようなYIGデバイスは半導体基板上に集積するのが容易ではなく、これらを実際的に製造するのは非常に困難且つ高価である。これらは、厚さが約5マイクロメートル(μm)という厚さの厚い層のデバイスである。前記材料は低い緩和を有するため、マイクロ波構成要素が約20デシベル(dB)という相対的に低い減衰を有するようにさせるために使用できる。さらに、このサイズのため切り替えは約1ミリ秒(ms)に制限される。
例えば磁気及び磁性体ジャーナル(Journal of Magnetism and Magnetic Materials)、215−216(2000)、171−183ページに発表された「ソフトフェライトのマイクロ波応用(Microwave application of soft ferrites)」と題されるMartha Pardavi−Morvathによる記事に示されているように、フェライトを使用する多様な静磁波デバイスも既知である。
それにも関わらず、この種のデバイスは同様に集積するのが困難であり、厚さがミリメートル単位のフェリ強磁性材料の複数の層を有する。
米国特許第4853660号は、誘電体基板の上に堆積される金属強磁性材料の膜を備える集積可能マイクロ波デバイスを開示している。それにも関わらず、この文書中では、強磁性ストリップに結合されている非磁性ストリップにより構成される唯一の入口/出口要素が、設けられている。前記ストリップに沿って伝搬するマイクロ波の減衰は、強磁性材料が強磁性共鳴(この場合、均一な共鳴)のための条件を満たすときに、大幅に増加する。それにも関わらず、入口/出口要素がただ1つしか存在しないということは、このようなデバイスの応用を大幅に制限する。
本発明は前述したデバイスの欠点を矯正し、マイクロエレクトロニクス製造プロセスを使用して容易に半導体基板上に集積されることができ、YIGデバイスより高い作業周波数で動作することを可能にする、静磁波デバイスを製造できるようにしようとしている。
また、本発明は、小さいサイズと低いコストとを有しながらも満足の行く性能を備えた、多様な種類の機能的なマイクロ波デバイスを製造できるようにしようとしている。
本発明に従って、これらの目的は、基板と、厚さ(e)が約250ナノメートル(nm)から450nmの範囲内にあり、好ましくは約300nmに等しい、前記基板上に堆積される導電性強磁性薄膜と、誘導結合により前記材料内で静磁波またはスピン波を生じさせるために、前記強磁性薄膜の近傍でこの強磁性薄膜に平行して配置される、マイクロ波電気信号を受信するための第1のトランスデューサアンテナと、前記強磁性薄膜に誘導的に結合されるため、及びこの強磁性薄膜内での静磁波の到着時にマイクロ波電気信号を送達するために、この強磁性薄膜近傍で前記強磁性薄膜に平行して配置される、マイクロ波電気信号を送信するための第2のトランスデューサアンテナとを備え、前記第2のアンテナが、前記第1のアンテナと本質的に同一平面上になるように、この第1のアンテナと、前記強磁性薄膜の同じ側に位置することを特徴とする、集積静磁波デバイスにより達成される。
前記強磁性薄膜は、好ましくは0.6T以上の飽和磁化を有する磁気合金である。
有利なことに、強磁性薄膜はNi80Fe20などの非常に柔らかな磁性合金である。
強磁性薄膜の幅(L)は、約数十マイクロメートルである。
前記強磁性薄膜と、前記第1のトランスデューサアンテナと第2のトランスデューサアンテナとのいずれとの間の距離(e)も、約数十から数百ナノメートルである。
前記第1のトランスデューサアンテナと第2のトランスデューサアンテナとの間の間隔距離(D)は約30μmから約100μmの範囲にあり、好ましくは40μmに近い。
前記第1のトランスデューサアンテナ及び第2のトランスデューサアンテナは、各々中心コアと、この中心コアに平行で、これと接触せずにこのいずれの側にも位置している2つの側部接地導体を備えることができる。
前記中心コアは、約数マイクロメートルの幅を有する。
前記第1のトランスデューサアンテナと、第2のトランスデューサアンテナとの各々は、前記強磁性薄膜の幅(L)全体に亘って延び、この膜の長手方向で、前記間隔距離(D)より少ない幅の空間を占有し、約10μmから約60μmの範囲内にある。
ある特定の実施形態では、前記第1のトランスデューサアンテナ及び第2のトランスデューサアンテナの少なくとも一方は、前記強磁性薄膜の幅(L)方向に延びる一連の枝路を有する、曲がりくねった形をしている。
マイクロ波の周波数は約1GHzから約100GHzの範囲内にある。
集積される方法で製造されるとき、本発明のデバイスは半導体基板を有することができる。
損失を測定できるようにし、磁気緩和をそこから推定することができるようにする第1の特定の実施形態では、デバイスは、前記強磁性薄膜に誘導的に結合され、この強磁性薄膜内の静磁波の到着時にマイクロ波電気信号を送達するように、前記強磁性薄膜の近傍でこの強磁性薄膜に平行に配置されている第3のトランスデューサアンテナを有し、この第3のアンテナは前記第1のアンテナおよび第2のアンテナと、前記強磁性薄膜の同じ側に位置し、これらの間に同一平面的に挟まれる。
本発明のデバイスは、電流制御式減衰器または開閉器に応用されてよく、この場合、これは前記強磁性薄膜の幅(L)方向に横方向の磁場(H)を印加するための第1の手段と、前記強磁性薄膜の長さ方向で縦方向の磁場(H)を印加するための第2の手段と、前記強磁性薄膜に作用する、結果として生じる磁場(H)の特性を選択的に修正するために磁場を印加するための、前記第1の手段と第2との手段の少なくとも一方を制御するための制御手段とをさらに備える。
本発明のデバイスは、アイソレータまたはサーキュレータにも応用されることができる(この場合、少なくとも1つの第3のトランスデューサアンテナが追加される)。このような状況下では、デバイスは、前記第1のトランスデューサアンテナと第2のトランスデューサアンテナとの間で非相反性(non−reciprocity)を得るように強磁性薄膜に印加される磁場を方向付けるための手段を備え、静磁波信号は、前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに向かってだけ顕著な方法で伝達される。この非相反性は、特に、場が、波伝搬方向(静磁波面構成)に垂直に、前記膜の平面に印加されるときに得られることができる。
本発明のデバイスは、また立方異方性により複数の安定した状態を有する材料から作られる薄い導電性の強磁性薄膜を備えることができ、このようなデバイスは、電流制御式開閉器手段、つまり薄膜を1つの安定した状態から他の安定した状態に切り替えさせるために磁場パルスを印加するために与えられる手段を作るために使用されることができる。
本発明はこのようにして高性能の及び低コストの、同時に集積されるために適している、電気通信用マイクロ波構成要素を製造することを可能にする。
一例として、本発明は、前記開閉器が開回路(オフ)であるときに約40dBから50dBの減衰を有し、約ナノ秒の開閉器切り替え時間がある、切り替え性能が改良された、集積に適した開閉器を製造することを可能にする。このような開閉器は、減衰範囲の範囲を考慮すると、減衰器として使用することもできる。
この応用例では、本発明は、ある静磁波の伝搬の非相反性の性質を利用している。強磁性薄膜に印加されている磁場に特定の向きがあるとき、信号は、前記第1のアンテナから第2のアンテナに向かって伝達されるが、前記第2のアンテナから第1のアンテナへ移動する反対方向では、この信号は、20dBほど大きくなることができる係数で減衰される。これにより、YIG技術を使用して作られる同種のデバイスよりはるかに低コストのアイソレータまたはサーキュレータを実現することが可能になる。
YIGなどのインシュレータを使用するデバイスと異なり、本発明のデバイスは、強磁性薄膜の金属性の性質のために表皮効果によって利益を得るように工夫されることができ、少なくとも2本のアンテナを実現することにより、表皮効果を利用することができる。表皮深さを超えて、材料の厚さは、表面波を導く鏡のように作用する。前記表面波が、前記第2のアンテナから前記第1のアンテナに向かって強磁性薄膜に沿って移動するとき、波はアンテナから反対の表面上でも導かれ、従ってアンテナに面する表面上で移動する波とはどのようにしても混合しない。
強磁性体の金属性の性質は、おもに電子のために、非常に高い減衰につながる。これは、伝搬距離が長いときには不利であるが、伝搬距離が短いときには不利ではない。デバイスの小さなサイズはこのようにして特に材料の高エネルギー損失に適応される。
本発明の静磁波デバイスは、高い結合と高い非相反性という条件下に置かれることができ、このようにして、完全に集積され、約100μmという側面及び数デシベルの、選択的には少なくとも20dBの、挿入損失を有するデバイスを製造するために適している。
本発明の他の特性及び優位点は、例として示され、添付図面を参照してなされる特定の実施形態の以下の説明から明らかになる。 本発明の本質的な特性に従い、強磁性体の伝導の薄膜2が、用いられる(図1及び図2)。
約1テスラ(T)という飽和磁化を有する非常に柔らかい磁性合金であるパーマロイNi80Fe20から作られた膜が、有利に使用できる。それにも関わらず、用途に応じて、例えばわずかに小さい損失を有するエピタキシャル鉄などの、他の金属性の強磁性材料が使用できるであろう。
さらに一般的には、本発明は全ての導電性の強磁性体に応用可能である。それにも関わらず、実際には、この動作は、使用される強磁性体が0.6T以上の飽和磁化を有するときにだけ満足が行く。可能な限り高い飽和磁化を有する材料を使用するのが有利である。動作試験は、特に2.2Tで純鉄を用いて、及び1.7Tで純コバルトを用いて実行された。これらの金属の合金は、本発明によく適応されている。
金属材料の場合、減衰度は、常にYIGにおいてより大きくなることが判明しており、これは一般的には電子の移動性質に起因する。
したがって、金属サンプルでは、高周波電磁場が表皮深さに等しい距離で伝導電子により遮蔽される。対応する共鳴モードは、層に垂直な方向で消えていく性質であり、これはゼロではない虚数成分を有する波動ベクトルkeddyにより記述される。渦電流も前記サンプルの表面に沿って伝搬する波動を減衰するのに寄与し、渦電流の影響は、前記膜の厚さ、静磁波の波長、及び表皮深さが全て同じ程度の大きさであるときに特に大きい。
より顕微鏡的な尺度では、電子の移動性質は、絶縁体内では存在せず、緩和を強化する、スピン波による電子−マグノン拡散プロセスにつながることも留意されたい。
パーマロイを強磁性薄膜として使用すると、重要な利点が提示される。この材料は非ゼロの、及び反対の磁気歪み性を呈するニッケルと鉄の合金である。約20%の鉄を含有する混合物の場合、前記2つの元素の磁気歪みの寄与が、互いを補償する。類似する現象は磁気結晶の異方性についても発生する。特別の予防措置が講じられない限り、製造された材料は多結晶となり、異方性も磁気歪みも提示せず(いわゆる「柔らかい」材料)、この結果パーマロイはこれが多結晶形式のときにも理想的である特性を有するので、これらの特性はかなりの実際的な優位点を提示する。
パーマロイの薄膜はスパッタリング堆積技法によっても得られることができ、これらは固体のパーマロイの特性に非常に近い特性を呈する。
薄膜2は、例えばガラスによってまたはシリコンによって構成されることができる基板(図2)上に堆積されることができる。これは、マイクロエレクトロニクスの製造技法で使用される種類の半導体基板上での堆積に完全に適している。
図1及び図2から分かるように、本発明のデバイスは、強磁性薄膜2の近くに位置し、この強磁性薄膜と誘電的に結合されるように、この薄膜に平行な2つの同一平面上のトランスデューサアンテナ10及び20を備えている。
各アンテナ10、20は、強磁性薄膜2の同じ面からの短距離eの所に位置している。
各アンテナ10、20は、強磁性薄膜2の全幅に渡って強磁性薄膜2に対して横断方向に延びている。また、各アンテナは、膜2の幅L以上の長さを有している。送信アンテナ20は、静磁波が膜2に到達するとマイクロ波電気信号を送達する。
アンテナ10に印加され、アンテナ20によって送信されるマイクロ波は、1ギガヘルツ(GHz)から20GHzの周波数範囲内にあることができ、例えば約8GHzであることができるが、これらは20GHzから100GHzというさらに高い周波数範囲にある場合もあることができる。
図1及び図2に示され、図3の特別の例にも示されているアンテナ10及び20は、遮断された接地平面を有する同一平面上の導波管タイプである。
単一の横断方向枝路を有するアンテナを示す図3を考慮すると、アンテナを同一平面形式で製造することは、中心コアの平面とは異なる平面内に位置している接地導体を有するアンテナで必要とされるであろうような、追加のリソグラフィ工程を必要としないので、アンテナを同一平面形式で製造することにより製造が容易になることが分かる。
図3に示されているアンテナ10は、中心導体31のいずれの側にも位置されている接地平面32、33を有する対称的な同一平面状の導波管構成を有しているが、このような構成は本質的ではない。加えて、前記接地平面導体32、33の寸法は、金属の大きな平面の下で伝搬するスピン波を回避するために制限されている。中心コア31及び側部の接地平面導体32と33は、トラック35a、36a、37aを接続タブ35、36及び37に連結する比較的幅広いトラック35a、36a、37aにより他方の端部で拡張されている一方、アンテナの一端には短絡34が、備えられている。
強磁性薄膜の幅Lは、数十から数百マイクロメートルの範囲内にあることができる。典型的には、幅Lはこのようにして100μmに等しいことができる。。
前記トランスデューサアンテナ10、20と薄膜2の間の結合距離eは、約数十ナノメートルから数百ナノメートルであることができ、典型的には、100nmに等しい。
アンテナ10、20を構成する要素の厚さe10、20は、例えば約500nmであることができる。
アンテナ10、20の中心コア31の幅d10は、数マイクロメートル、例えば約3.5μmまたは4μmであることができる。
前記側部の接地導体32、33の幅は重大ではない。一例として、接地導体32、30の外側面間の距離d12は約12.5μmであることができるが、接地導体32、33の内側面間の距離d11は約8.5μmであることができる。
各アンテナ10、20は、前記膜2の幅Lよりわずかに大きい長さL10にわたって延びることができる。
アンテナ10と20間の間隔距離D(図1)は30μmから100μmの範囲内にあり、好ましくは40μmに近い。
前記膜の長手方向では、各アンテナ10、20は間隔距離Dより少なく、好ましくは10μmから60μmの範囲内にある幅の空間を占有する。
図1及び図2に図示されているように、各々のアンテナ10、20は、図3に図示されるアンテナの形状よりさらに複雑である形状となることができ、したがって前記膜2の幅方向Lに延び、この膜2の反対側の交互の位置で短い連結部55、56、57によって結合される一連の平行する枝路51、52、53、54を有する曲がりくねった形状となる場合がある。これにより、各アンテナの全長を増加することと、注入されるエネルギーが分散される波数ベクトルの数を制限する一方で、この周期的な性質のために、これの選択性を強化することとが可能になり、この結果アンテナのトランスデューサとしての効率が改良されることができる。
図1及び図2の例では、前記アンテナ10と20との間の間隔Dは、例えば約75μmであることができ、前記膜2の長手方向での曲がりくねった形状の各アンテナ10、20の幅D10、D20は、例えば50μmであることができる。
前記アンテナ10及び20を、曲がりくねった形状を構成する複数の枝路に折り畳むことには、共鳴の周りの通過帯域を狭める効果がある。
図1から図3に示されているアンテナの種類では、2つの接地導体32、33の幅は大幅に狭められ、この接地が共通の要素を持たない2本のアンテナの接地は、スピン波分散に対する比較的優れた制御を達成するために、電気的に非常に遠く離れている点だけで回路の一般的な接地に接続されている。
図1及び図2に示される種類の2本の同一平面上のアンテナ10、20を有する静磁波デバイスの設計に関する多様な表示が以下に示される。
初期の変数はマイクロ波作業周波数である。第1の設計工程は、(必ず同じ周波数に同調されるが、異なる技術を使用して製造できるであろう)アンテナのピッチを決定することにある。前記膜の軸を横切って延びる「往(go)」ストランドと「復(return)」ストランドとの間には、アンテナのピッチを構成する、この膜の軸に沿って距離pが存在する。このピッチpは、磁性材料の中でセットアップすることが所望される発振の振幅を表す波数ベクトルの係数Qで除される2πに等しくなくてはならない。正確な設計の前に、波動モードの、及び波数ベクトルの振幅Qの関数として共振周波数fの変動の測定が実行され、バイアス磁場の値Hがパラメータである。磁気波の各々の値に対して、各々が1つの特定の波動モードに対応する複数の曲線がある。周波数から開始し、係数Qは、受容できると判断される方法で膜の中を静磁波が伝搬できるようにする波動ベクトルについて、このようにして選択されている。この結果、アンテナのピッチは前記関係性を使用して推定されることができる。
実際には、バイアス磁場の値Hの関数としての共振周波数fの変動を表す、同等である別の曲線を使用することが好ましい場合があり、波動ベクトルの振幅Qがパラメータである。これにより複数の波動モードに対応する複数の曲線が作成される。周波数から開始し、許容できると判断されるアンテナピッチ及び磁場で動作することを可能にする波動モードが選択される。
第2の設計工程は、2本のアンテナ間の距離Dを決定することにある。距離Dが増加するにつれて、送信される波動の振幅は指数関数的に減少する(振幅は形式A−Dである)。さらに、一方のアンテナから他方のアンテナに直接的に波動によって伝達される寄生(parasitic)波の振幅は形式A−nであり、接地電極が2本のアンテナ間に接地され、この2本のアンテナの接地が接続される点から遠い点にある電気接地に接続される場合、この振幅は大幅に削減される(例えば1.5から5または10の係数で除算される)。したがって、この第2の工程では、許容できる空気を通る寄生伝達のレベルに関する決定が下される(許容できる雑音閾値を求めることに相当する)。この許容できる寄生伝達レベルに基づいて、距離を示す横軸値の動作点で曲線Aと交差する水平線が図9にプロットされている。この距離に対して、前記膜の中での波動伝達の値を検出することが可能であり、これが小さすぎる場合には、2本のアンテナ間のスクリーニングがこの第2の工程を反復する前に改善できる。第1の工程に戻り、適切な方向で初期の規模の1つを修正することも可能である。
図9では、3本の曲線A、B及びCは、前記アンテナ10と20と間の距離Dの関数として波動伝達を表す。
曲線Aは、前記強磁性薄膜2内の伝達を表す。
曲線Bは、前記アンテナ10と20との間に接地電極が挟まれない状態での空気中の伝達を表す。
曲線Cは、前記アンテナ10と20との間に追加の接地電極が挟まれているときの空気中の伝達を表す。
前記薄い磁性金属膜2内での静磁波の伝搬はこの膜の厚さに依存している。本発明のデバイスの特性は、磁気共振周波数の近傍でのこの膜の挙動の変化に依存する。共鳴最大では、この膜の磁気的挙動は無線周波数での「共鳴ウェーブトラップ」回路の挙動に匹敵する。
第3の設計工程は、共鳴において、アンテナが意図されている用途で使用される伝送線路の特徴的なインピーダンス(例えば50オーム(Ω))に近い入力インピーダンスを有するように、アンテナの全長を調整することにある。この予防措置により、第1のアンテナに注入されるマイクロ波電力が完全に前記強磁性薄膜に移され、何も反射されないことが確実になる。これにより、静磁波によって伝達される電力全体が、これが全く膜の中に反射されずに第2のアンテナに移されることも可能になる。また、これにより、アンテナにおける抵抗損失が、挿入損失を制限するように静磁波に移される電力と比較して低いままとなることも確実になる。
強磁性薄膜2の厚さについて、層が特定の厚さより大きい(NiFe/Feの場合1μmより大きい)場合には、渦電流が増し、さらに大きな緩和につながることに留意されたい。好ましい厚さは300nmから600nmの範囲内にある。表示として、YIGデバイスは5μmという厚さを有し、フェライトデバイスは約数ミリメートルの厚さを有する。
前記膜2が約250nmから450nmの範囲にあり、好ましくは約300nmに等しい厚さeを有し、アンテナ10、20との十分な結合を取得するために優れた妥協を示すが、この膜2の厚さ内に過剰な渦電流を引き起こさない膜2を用いると、満足の行く結果を取得できる。
図4は、本発明の静磁波デバイスの特定の実施形態を示している。この特定の実施形態において、例えば、パーマロイから作られた導電性の強磁性薄膜2は、前記静磁波デバイスの上に、例えば、図3に示されているのと同じ配置を有する、2つの同一平面状のトランスデューサアンテナ10、20だけでなく、第3のトランスデューサアンテナ30をも重ねている。この第3のトランスデューサアンテナは、前記アンテナ10、20と同一平面状にあり、これらのアンテナ10、20と類似することができる配置を有し、これらのアンテナ10と20との間に位置されている。前記第3のアンテナ30は、前記アンテナ10及び20が延びるるように前記膜2の幅全体に亘って横断方向に延びるる。
一例として、膜2が700μmという幅を有する場合、前記第1のアンテナと第3のアンテナ10と30間の距離D13は約50μmであることができ、この第3のアンテナと前記第2のアンテナ30、20との間の距離D32は約100μmであることができる。これらの距離は単に例として示されることはいうまでもない。
前記第1のアンテナ及び第2のアンテナ10、20と組み合わせて第3のマイクロ波アンテナ30が存在することにより、デバイス内の実際の損失の測定を実行し、この測定から波動緩和を推定することが可能になり、この結果主要な前記アンテナ10、20間の距離などのデバイスの特定のパラメータの値を調整することが可能になる。
3本のアンテナ10、20、及び30の場合、2本のアンテナは、静磁波が前記膜2の中で異なる距離だけ移動した後に静磁波を受信するために使用できるが、他の1本のアンテナは静磁波を送信するために使用できる。このようなデバイスは、本質的には新しいマイクロ波デバイスを開発することに関連して、そこから使用される。
一般的には、2本の前記アンテナ10と20との間で伝達される信号を測定することにより、スピン波のパケットの伝搬を直接的に観測することが可能である。したがって、(反射の中で測定されるような共鳴の振幅と伝達される振幅とを比較することによって)伝搬遅延(Δt)及び伝搬減衰を測定し、場の非相反性を評価することが可能である。
この非相反性の特性は表面静磁波の特徴である(印加される場に垂直な伝搬、これら2つのベクトルは膜の平面内で向き付けられている)。つまり、これらの表面静磁波は、前記膜の厚みのなかでは弱まっていく。したがって、さらに詳細には、これらは、層の表面の1つの上に位置されている(伝搬の一方の方向で上面、他方の方向で底面)。伝搬方向を変更する(あるいは同じ事を導く印加された場の方向を変更する)ことによって、波動が伝搬する表面の隣の表面を変更することが可能である。しかしながら、前記トランスデューサアンテナ10、20は前記膜2の上に位置しているため、これらの波動は、膜の上面と比較的よく結合する。
金属膜内の緩和の高いレベルにも関わらず、本発明のデバイスは、前記アンテナが、十分に小さい寸法で製造されるとき、及びこれらのアンテナが、前述されたように最適化された間隔で配置されているときに、特に有利である結果を得ることを可能にしている。
以下に、マイクロ波信号を処理するためのデバイスに本発明のデバイスを応用する、多様な例の記述が続く。
図5は、電流制御式減衰器の簡略化された図である。前述されるように、1枚の導電性強磁性薄膜2及び2本の同一平面上のトランスデューサアンテナ10、20を備えるベースデバイスは、前記膜2の幅方向Lに延びる横断方向の磁場Hを印加するために、永久磁石または電磁石コイルの組などの第1の手段5と関連付けられている。また、1組の電磁石コイル6は、前記膜2の長さ方向で長手方向磁場Hを印加するために配置されている。制御手段は、例えば、磁場Hの特性、及び結果的に膜2に作用する、結果として生じる磁場Hの特性を選択的に修正するために、コイル6と関連付けられる。代わりに、この制御手段は磁場Hを印加するための前記手段5の電磁石コイル、あるいは実際には制御手段5、6の両方の組に作用してよい。
このような減衰器デバイスでは、減衰の値はこのように強度によって、あるいは好ましくは一様なバイアス磁場の向きによって求められる。前述されたように、簡略な実施の形態は永久に印加されている横断方向の磁気バイアス、及び可変であり、結果として生じる磁場の向きを修正するために追加される軸に沿ったバイアスを備えることができる。
開閉器デバイスは同じように作られることができ、この場合層の磁化が、例えば、横断方向の磁場の適用を前記電磁石コイル5により完全に中断し、同時に前記電磁石コイル6により長手方向の磁場を適用することにより、90°回転される場合に発生するように、デバイスの伝達(transmittivity)を、共鳴から外すことにより、完全に中断することによって切り替えが発生している。
変形されたの開閉器デバイスは、複数の安定した残留磁気状態(立方異方性)を有する導電性の強磁性薄膜2の薄い層、及び一つの安定した状態から他の安定した状態に移動するために、磁場パルスを適用するための手段を有することができる。
本発明は、システムの中に入射波が、送信されるとすぐに、システムが、反射波を中断するアイソレータまたはサーキュレータなどのマイクロ波信号を処理するための受動型デバイスにも応用可能である。
図6は、直線状ではなく、環の形式である平らな導電性強磁性薄膜40を使用して本発明によって作ることができるサーキュレータの一例の図である。同一平面上のトランスデューサアンテナ11、12、及び13は、前記トランスデューサアンテナ10と20と同様に、この環40の周りで分布され、この環40に対して横断方向に延びる。
放射状の磁場は、前記サーキュレータの平面で適用される。効率は、20dB以上となることができる。
トランスデューサアンテナ11、12、及び13の数は、意図された応用に応じて3本以上であることができる。
図6に示される種類の3アンテナサーキュレータ(11、12、13)の場合、動作は、フェライトをベースにした従来の技術のサーキュレータを使用するときと同じとなる場合がある。つまり前記アンテナ11により導入される信号は、回転磁場により前記アンテナ12に向かって伝達されるが、前記アンテナ13に向かって伝達されない。前記アンテナ12により印加される信号は、前記アンテナ13に向かって伝達されるが、前記アンテナ11に向かっては伝達されない等である。
本発明のサーキュレータデバイスは、集積されるために適しているため、これは、低コスト及び小型形で製造されることができる。
アイソレータは、サーキュレータと同様の方法で作ることができる。
YIGの中でまたはフェライトの中で静磁波を使用する従来の技術のデバイスと、本発明の導電性強磁性薄膜デバイスとの相違点は、再び、曲線a及びbが静磁波波数ベクトルkの係数の関数として、角周波数Ωを示す図8を参照して後述される。
所定の周波数に対して、静磁波を使用するときに、はるかに大きい波数ベクトルが取得される。
この曲線は、多様な伝搬モード、つまり各静磁波波数ベクトル係数に対応する角周波数曲線について材料の分散を示している。この曲線が、3つの分岐を有することが見られることができる。曲線aは、強磁性薄膜の磁気回転特性により修正される電磁気モードに相当し(光波に関して、Ω=ckの関係性が得られ)、(Yジャンクションサーキュレータなどの)フェライトデバイスを動作させるために使用されるのが、この分岐である。曲線bは、2つの分岐を有する。上部分岐は、静磁波にあてはまっている。ゼロ波数ベクトルに対して、非ゼロ共振周波数がある。つまり、これが米国特許第4 853 660号に使用されているような強磁性共鳴である。いくぶん大きな波動ベクトルの場合、YIGデバイスによって、及び本発明において使用されるような伝搬静磁気モードがある。
従来の技術において、フェライトをベースにしたいわゆるYジャンクション、サーキュレータでは、静止電磁気モードが、λが磁気チップの直径と同じ規模となるような作業波長λを課す。フェライトなしで使用されると、この静止電磁気モードは、1センチメートル(cm)より大きいλの値を課し、フェライトを用いる場合、フェライトの透磁率にともない変化するが、数ミリメートルのあたりに位置されることができるλの値を課す。
対照的に、本発明のサーキュレータでは、静止電磁気モードは、λがアンテナのピッチと同じ規模となるように作業波長λを課す。示すように、この純磁気モードは、3GHzという周波数で、300nmという厚さを有する金属性の磁気膜を用いて、約100μmというλの値を課す。
図7Aから図7Jを参照して説明される、図1及び図2の前記導電性の強磁性薄膜2のような磁気パターン及び図1から図3に図示される前記アンテナのようなアンテナを有する集積サンプルが製造されることを可能にする製造方法の例が後に続く。
図7Aは、Ni80Fe20の層がガラス基板上に蒸着させることにより、堆積される第1の工程を示す。
図7Bは、ポジの(positive)光リソグラフィ技法を使用して、磁気パターンが書き込まれる第2の工程を示す。フォトレジストの層103がNi80Fe20の層上に堆積される。マスク104は、フォトレジスト層103の上に堆積され、集合体は、紫外線ランプ105を使用して露光され、マスク104により保護されていない領域内のフォトレジスト103を削り取るる。露光された前記領域は、次に溶解される。これにより初期に前記マスク104の金属パターンにより保護されていたゾーン内のフォトレジスト106が残る。
図7Cでは、サンプルはイオンエッチングにより腐食される。
層102と前記層104の間の厚さの比率を考慮すると、残りのフォトレジスト膜106は、イオンの衝撃が、停止してもまだ非常に厚く、これは化学的に除去される必要がある。
図7Dは、前記工程の最後に残るNi80Fe20の薄膜107を示す。
次に、SiまたはSiOなどのインシュレータ層108(スペーサ)が、磁気パターン上に続いて堆積されなければならないアンテナのための電気絶縁を設けるために付着される(図7E)。
図7Fから図7Jは、アンテナを付着するための第2の光リソグラフィプロセスの多様な工程を示す。
図7Fの工程では、紫外線ランプ105が、マスク111により覆われ過去に絶縁体108の層の上に堆積された、可逆フォトレジスト110の層を照射する。
図7Gの工程では、前記マスク111を除去した後に、サンプルは加熱され、このようにして露光によりすでに変化されている感光剤の第2の劣化を誘発する。つまり結果として生じる分子は、溶解を阻止するが、もはや光には感受性を有しない。サンプル全体は、マスクの金属パターンにより初期に保護されていたこれらのゾーンをきわめて溶けやすくするために露光されることができる。
図7Hの工程では、過去に前記マスク111により保護されていたゾーン113を現像し、エッチングした後に、ネガ画像がマスクから取得される。
図7Fの工程の間、第1の露光中のフォトレジストによる光の吸収が、上部をさらに大きく露光させることにつながることに留意されたい。したがって図7Hの工程の現像中に最も不溶性であるのはこのゾーンである。フォトレジスト110の底部は、下方に広がる形状を有するトレンチ113を備えた外形を形成するために、このようにして少し多く溶解されることができる。
図7I及び図7Jの工程は、アンテナを形成しなければならない(銀または銅の)層114、115が、初期にサンプル全体の上部に堆積される、「リフトオフ」プロセスの工程である。サンプルは次に前記フォトレジスト110を溶かし、これにより金属材料114だけを、初期にトレンチ113によって明らかにされたこれらのゾーン上に保存するように溶剤の中に浸けられる。
透明であるスペーサ108を使用するとき、アンテナ用の前記マスク111が、磁気パターン107に関して容易に整列させることができることに留意されたい。
導電性強磁性体の薄膜を誘電的に結合される同一平面上のアンテナと関連付けて製造できるようにする、本発明によって集積マイクロ波デバイスを製造する他の方法は、マイクロエレクトロニクスの技法を使用して実現できるであろう。特に、強磁性の層2を支える基板1はシリコンをベースにできるであろうことはいうまでもない。
1枚の導電性強磁性薄膜及び2本の同一平面上のトランスデューサアンテナを有する、本発明の静磁波デバイスの実施形態を示す概略平面図である。 図1の線II−IIに沿った断面図である。 本発明のデバイスで使用するのに適したアンテナの例の平面図である。 3本のアンテナを有し、特に損失を評価し波緩和を特徴付けるために役立つ、静磁波デバイスの例の概略平面図である。 電流制御式減衰器への本発明のデバイスの応用の例の概略図である。 サーキュレータの平面に示される放射状の磁場サーキュレータへの、本発明のデバイスの応用の例の概略平面図である。 本発明のデバイスの要素を構成するのに適した磁気パターン及びアンテナの集積サンプルを製造する方法の一例での多様な工程を示す図である。 本発明のデバイスの要素を構成するのに適した磁気パターン及びアンテナの集積サンプルを製造する方法の一例での多様な工程を示す図である。 本発明のデバイスの要素を構成するのに適した磁気パターン及びアンテナの集積サンプルを製造する方法の一例での多様な工程を示す図である。 本発明のデバイスの要素を構成するのに適した磁気パターン及びアンテナの集積サンプルを製造する方法の一例での多様な工程を示す図である。 本発明のデバイスの要素を構成するのに適した磁気パターン及びアンテナの集積サンプルを製造する方法の一例での多様な工程を示す図である。 本発明のデバイスの要素を構成するのに適した磁気パターン及びアンテナの集積サンプルを製造する方法の一例での多様な工程を示す図である。 本発明のデバイスの要素を構成するのに適した磁気パターン及びアンテナの集積サンプルを製造する方法の一例での多様な工程を示す図である。 本発明のデバイスの要素を構成するのに適した磁気パターン及びアンテナの集積サンプルを製造する方法の一例での多様な工程を示す図である。 本発明のデバイスの要素を構成するのに適した磁気パターン及びアンテナの集積サンプルを製造する方法の一例での多様な工程を示す図である。 本発明のデバイスの要素を構成するのに適した磁気パターン及びアンテナの集積サンプルを製造する方法の一例での多様な工程を示す図である。 多様な伝搬モードに対するの磁性体の分散を示す曲線の集合を示す図である。 アンテナ間の距離の関数としての静磁波伝送を示す曲線の集合を示す図である。

Claims (17)

  1. 基板(1)と、この基板(1)の上に付着され、約250nmから450nmの範囲内、好ましくは約300nmに等しい厚さ(e)の、導電性の強磁性薄膜(2)と、誘電結合により材料内で静磁波またはスピン波を生じさせるために、前記強磁性薄膜(2)の近傍で、この強磁性薄膜(2)に平行に配置されているマイクロ波電気信号を受信するための第1のトランスデューサアンテナ(10)と、前記強磁性薄膜(2)に誘電的に結合されるため、及び強磁性薄膜(2)内での静磁波の到着時にマイクロ波電気信号を送達するために、前記強磁性薄膜(2)の近傍でこの強磁性薄膜(2)に平行に配置されているマイクロ波電気信号を送信するための第2のトランスデューサアンテナ(20)とを具備し、この第2のアンテナ(20)は、本質的に前記第1のアンテナ(10)と同一平面上にあるように、前記第1のアンテナ(10)と、前記強磁性薄膜(2)の同じ側に位置していることを特徴とする、集積静磁波デバイス。
  2. 前記強磁性薄膜(2)は、0.6T以上の飽和磁化を有する磁気合金でできていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記強磁性薄膜(2)は、Ni80Fe20のような非常に柔らかな磁性合金でできていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記強磁性薄膜(2)は、約数十マイクロメートルの幅(L)を有することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のデバイス。
  5. 前記強磁性薄膜(2)と、前記第1のトランスデューサアンテナ(10)及び前記第2のトランスデューサアンテナ(20)のどちらとの間の距離(e)も、約数十ないし約数百ナノメートルであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデバイス。
  6. 前記第1のトランスデューサアンテナ(10)と、前記第2のトランスデューサアンテナ(20)との間の間隔距離(D)は、約30μmから約100μmの範囲内にあり、好ましくは40μmに近いことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のデバイス。
  7. 前記第1のトランスデューサアンテナ(10)と前記第2のトランスデューサアンテナ(20)の各々は、中心コア(31)と、この中心コア(31)に平行であり、これと接することなく、これの各側に位置されている2つの外側の接地導体(32、33)とを備えることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のデバイス。
  8. 前記中心コアは、約数マイクロメートルの幅を有することを特徴とする、請求項7に記載のデバイス。
  9. 前記第1のトランスデューサアンテナ(10)と前記第2のトランスデューサアンテナ(20)との各々は、前記強磁性薄膜(2)の全幅(L)に渡って延び、前記膜の長手方向では、前記間隔距離(D)より短く、約10μmから約60μmの範囲内にある幅の空間を占有することを特徴とする、請求項6に記載のデバイス。
  10. 前記第1のトランスデューサアンテナ(10)と前記第2のトランスデューサアンテナ(20)との少なくとも一方は、前記強磁性薄膜(2)の前記幅方向(L)に延びた一連の枝路を有する、曲がりくねった形状であることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のデバイス。
  11. 前記第1のトランスデューサアンテナ(10)と前記第2のトランスデューサアンテナ(20)との各々は、マイクロ波の波長の4分の1より短い長さであることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のデバイス。
  12. 前記マイクロ波の周波数は、約1GHzから約100GHzの範囲内にあることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか1項に記載のデバイス。
  13. 半導体基板(1)上に集積されて作られることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1項に記載のデバイス。
  14. 前記強磁性薄膜(2)に誘電的に結合され、この強磁性薄膜(2)内での静磁波の到着時に、マイクロ波電気信号を送達するために、この強磁性薄膜(2)の近傍でこの強磁性薄膜(2)に平行に配置されている第3のトランスデューサアンテナ(30)を具備し、この第3のアンテナ(30)は、前記第1のアンテナ(10)及び前記第2のアンテナ(20)と、前記強磁性薄膜(2)の同じ側に位置され、これらの間に同一平面上で挟まれていることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のデバイス。
  15. このデバイスは、電流制御式減衰器または開閉器に応用され、そして、前記強磁性薄膜(2)の前記幅方向(L)に横方向磁場(H)を印加するための第1の手段(5)と、前記強磁性薄膜(2)の前記長さ方向で縦方向磁場(H)を印加するための第2の手段(6)と、前記強磁性薄膜(2)に作用する、結果として生じる磁場(H)の特性を選択的に修正するために、磁場を印加するための、前記第1の手段と前記第2の手段(5、6)の少なくとも1つを制御するための制御手段とをさらに具備することを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載のデバイス。
  16. このデバイスは、アイソレータまたはサーキュレータに応用され、そして、前記第1のトランスデューサアンテナ(10)と前記第2のトランスデューサアンテナ(20)との間の非相反性を取得するように、前記強磁性薄膜(2)に印加される磁場を向けるための手段とを含み、静磁波信号が、前記第1のアンテナ(10)から前記第2のアンテナ(20)に向かってのみ著しく伝達されることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載のデバイス。
  17. このデバイスは、電流制御開閉器に応用され、そして、前記導電性強磁性薄膜(2)は、共鳴時に複数の安定した状態を有する立方異方性を示す材料から作られること、及び、前記薄膜を一方の安定した状態から他方の安定した状態に切り替えるために、磁場パルスを印加するための手段をさらに具備することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
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