JP2006503100A - 側方にアルキル化されたフェニル構造要素を有するキラルドーパント - Google Patents

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Abstract

本発明は、一般式(I)
【化1】
Figure 2006503100

式中:Q、R、A、Z、V、W、X、Yおよびnは、請求項1において引用した意味を有する、
で表される側方にアルキル化されたフェニル構造要素を有するキラルドーパント、液晶混合物における構成成分としてのこれらの使用並びに本発明の液晶混合物を含む液晶および電気光学的ディスプレイ素子に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、側方にアルキル化されたフェニル単位を有するキラルドーパントおよびこれらの化合物を含む液晶媒体に関する。本発明はさらに、本発明の液晶混合物を含む液晶ディスプレイに関する。
既知の液晶ディスプレイにおいて、液晶、一般的には液晶混合物は、光学的特性が電圧を印加した際に可逆的に変化する誘電体として用いられる。これらの液晶ディスプレイは、種々の電気光学的効果を用いる。これらの最も一般的なものは、液晶の均一な、事実上平面状の初期配向および約90°ねじれたネマティック構造に関するTN(ねじれネマティック)効果、共にTN効果と同様に、液晶のねじれた均一な初期配向を用いるSTN(超ねじれネマティック)効果およびSBE(超ねじれ複屈折効果)であるが、ここでは、分子は、基板の表面において顕著な表面ティルト角(略して「ティルト角」)を有し、基板間のねじれは、90°よりも有意に大きい。本出願において、他に明白に述べない限り、STN効果および以下のSBEを、共に、一緒にSTN効果と呼ぶ。STNディスプレイ中の表面におけるティルト角は、典型的には、2°〜10°である。これは、ねじれ角が大きくなるに従って大きくなる。ねじれ角は、一般的には約180°〜240°、時々また260°または270°まで、およびいくつかの場合においては一層大きい。
90°よりも大きい液晶媒体のねじれは、天然のねじれが液晶層の層の厚さに従って選択されているキラルな液晶混合物を用いることにより、達成される。このために、当業者は2つの可能性を用いることができる。第1のものは、これら自体キラルである液晶、即ちコレステリック液晶を用いることにある。このような液晶は、これら自体、ねじれた構造を有する。グランドジーン(Grandjean)組織として知られている、2つの基板間の均一に配向した整列において、分子のダイレクターは、垂直な方向において、即ち層の厚さにわたり、らせん的にねじれている。
360°による完全な回転のための特徴的な長さは、コレステリックピッチ(P)として知られている。しかし、コレステリック液晶を用いることは、コレステリック液晶のコレステリックピッチを、通常用いられるディスプレイセルの層の厚さに容易に整合させることができないため、しばしば特に有利ではない。さらに、これらの液晶のコレステリックピッチは、しばしば不利に、および多くの場合において強力に、温度に依存する。混合物の組成の変化により、また通常、コレステリックピッチの顕著な変化がもたらされる。
この理由により、最も実際的な場合において、所望のねじれを誘発するキラルな物質を、ネマティック液晶混合物に加える。ここでは、この化合物自体が中間相を有するか否かは、特に重要ではない。むしろ、これが、ネマティックベース混合物(またホスト混合物として知られている)についての高いねじれ力を有し、これが、ベース混合物の特性、特にこの透明点を、通常用いられる濃度において過度に変化させないことが、一層重要である。従って、好ましいのは、一般的に、これら自体メソゲン性構造を有するか、またはさらにコレステリックである化合物である。
キラルな物質をネマティック液晶に加えることにより誘発されるコレステリック相は、しばしばキラルなネマティック相として知られている。しかし、本出願においては、これらをまた、他に特に述べない限り、コレステリック相と呼ぶ。
キラルな物質(ドーパント)をネマティック液晶に加えることにより誘発されたコレステリックピッチは、所定の温度において、キラルドーパントの鏡像体的純度に加えて、特に用いられるドーパント濃度(c)およびドーパントのねじれ力に依存する。このねじれ力は、HTP(らせんねじれ力)として知られている。第一近似に対して、誘発されたコレステリックピッチ(P)は、等式(1)に示すように、HTPと用いられるドーパント濃度との積に反比例する。
P=(HTP・c)−1 (1)
STNディスプレイにおいて、典型的には、0.4〜0.8の範囲内、しばしば約0.5のコレステリックピッチ対層の厚さの比率(d/P)を有する液晶混合物を用いる。
しかし、キラルな液晶混合物をまた、TNディスプレイにおいて用いて、ここで逆方向のねじれ(逆ねじれ)を回避する。この発生により、ドメインの形成がもたらされ、従ってコントラストの低下がもたらされる。TNディスプレイにおいて、一般的に、STNディスプレイにおけるよりも有意に小さいd/P比を有するコレステリック液晶混合物を用いる。その理由は、一層大きいd/P値により、ほとんどの場合において、しきい値電圧の増大がもたらされるからである。この値は、ここでは、典型的には、約0.01〜0.3、しばしば約0.1である。
これらのディスプレイのタイプに加えて、さらに、キラル化合物をドーピングした液晶混合物を用いる液晶ディスプレイがある。
既知のキラルドーパントは、例えば、すべてMerck KGaAの化合物C15、CB15、R−811およびS−811、R−1011およびS−1011、並びにR−2011およびS−2011である。
これらの、および同様の電気光学的効果において、正の誘電異方性(Δε)を有する液晶媒体を用いる。
正の誘電異方性を有する液晶媒体を必要とする、述べた電気光学的効果に加えて、負の誘電異方性を有する液晶媒体を用いる他の電気光学的効果、例えばECB(電気的に制御された複屈折)効果およびこの従属形態であるDAP(配向層の変形)、VAN(垂直配向ネマティック)およびCSH(色超ホメオトロピック)がある。これらのおよび同様の電気光学的効果において、負の誘電異方性(Δε)を有する液晶媒体を用いる。
コントラストの優れた低い視野角依存性を有する電気光学的効果は、軸的に対称なマイクロ画素(micropixel)(ASM)を用いる。この効果において、各々の画素の液晶は、ポリマー材料により円筒形に包囲されている。このモードは、プラズマチャンネルでのアドレッシングと組み合わせるのに特に適する。特に、コントラストの良好な視野角依存性を有する大面積PA LCDを、このようにして達成することができる。
増大した程度に用いられるIPS(面内切換)効果は、最近では、用いられるディスプレイモードに依存して誘電的に正の、または誘電的に負の媒体のいずれかにおいて染料を用いることができるゲスト−ホストディスプレイと同様に、誘電的に正の、および誘電的に負の液晶媒体の両方を用いることができる。
液晶ディスプレイの画素を、直接、時間的に連続させて、即ち時間的に多重のモードで、または能動的な、電気的に非線形の素子のマトリックスによりアドレスすることができる。
現在まで最も一般的なAMD(アクティブマトリックスディスプレイ)は、別個の能動的な電子的切換素子、例えば三極切換素子、例えばMOS(金属酸化物ケイ素)トランジスタもしくは薄膜トランジスタ(TFT)またはバリスターまたは2極切換素子、例えばMIM(金属絶縁体金属)ダイオード、環状ダイオードもしくは背合わせ(back-to-back)ダイオードを用いる。TFTにおいて、種々の半導体材料、主にケイ素または、あるいはまたセレン化カドミウムを用いる。特に、アモルファスケイ素または多結晶性ケイ素を用いる。
従って、DE 43 22 905 A1には、式:
Figure 2006503100
式中、
MGは、エステル基を有しないメソゲン性基であり、
Xは、OまたはCHであり、
は、少なくとも1個のキラルな炭素原子を有するキラルな基である、
で表されるキラルな2,6−ジフルオロベンゼン誘導体が開示されている。
これらの誘導体を傾斜したスメクティック液晶相におけるドーパントとして用いる結果、少量で加えた際にも、コレステリック相における強力なねじれがもたらされる。これらの液晶媒体を含む電気光学的ディスプレイもまた、開示されている。
EP 0 609 566 A1には、同様に、式
Figure 2006503100
式中、環
a、b、cおよびdは、互いに独立して、トランス−1,4−シクロヘキシレン、1−シクロヘキセン−1,4−ジイルまたは1,4−フェニレンであり、
g、hおよびiは、各々0または1であり、ここで(g+h+i)≧1であり、
x、yおよびzは、互いに独立して、単結合、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−OCH−または−CHO−であり、
およびRは、互いに独立して、H、C2n+1−、C2n+1−O−、C2n+1−O−C2k−、C2n−1−、C2n−1−O−、C2n−1−O−C2k−、C2n−3−、C2n−3−O−またはC2n−3−O−C2k−であり、
nおよびkは、互いに独立して、1〜18の整数であり、ここで(n+k)≦18であり、
ここで式中の少なくとも1個のH原子は、F原子により置換されていてもよく、基R、R、x、yおよびzの少なくとも1つは、不斉炭素原子を有する、
で表されるキラル化合物を含む液晶組成物が開示されている。
従来技術から知られているキラルドーパントは、これらが、LC混合物において不適切なねじれのみをもたらし、さらにLC混合物の特性に悪影響を生じるという欠点を有する。
引用した従来技術に基づいて、従来技術よりも優れており、好ましくはLC材料の特性に悪影響を生じない、特にTFT−LC混合物のための新規なキラルドーパントを提供することを、本発明の目的と見なすことができる。
驚異的なことに、本発明のアルキル置換ドーパントは、対応するHまたはF置換化合物よりも顕著に大きいらせんねじれ力(HTP)を有することが見出された。
従って、本発明は、一般式I:
Figure 2006503100
式中:
は、不斉炭素原子を有する単位であり、
Rは、−H、非置換であるか、またはハロゲンにより少なくとも単置換されており、ここで、1つまたは2つ以上の隣接していない−CH−基は、−O−または−S−および/または−C≡C−により置換されていてもよい、1〜12個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基、並びにFまたはClであり、
Aは、互いに独立して、単結合、さらに1個もしくは2個以上のH原子がFにより置換されていてもよい1,4−フェニレン、さらに1つもしくは2つのCH基が−O−により置換されていてもよい1,4−シクロヘキシレン、または1,4−ビシクロ[2.2.2]オクタニルであり、
Zは、互いに独立して、単結合、−CH−CH−、−O−CH−、−CH−O−、−CF−O−、−O−CF−、−CF−CF−または−C≡C−であり、
VおよびWは、互いに独立して、1〜12個の炭素原子を有し、非置換であるか、またはハロゲンにより単置換もしくは多置換されている、直鎖状または分枝状アルキルまたはアルコキシ、あるいはH、FまたはClであり、
XおよびYは、互いに独立して、o個またはp個の炭素原子を有し、非置換であるか、またはハロゲンにより単置換もしくは多置換されており、ここでoおよびpは、互いに独立して、同一であるか、または異なっており、1〜12の範囲内の整数である、直鎖状または分枝状アルキルまたはアルコキシ、H、FおよびClの場合において、oまたはp=0であるH、FまたはCl、あるいはトリメチルシリルであり、
nは、1〜3、好ましくは2または3である、
で表され、
ただしXおよび/またはYは、o個もしくはp個の炭素原子を有し、ここで合計o+pは≧2である、非置換であるか、もしくはハロゲン置換アルキルもしくはアルコキシ基、またはトリメチルシリル基である、
側方にアルキル化されたフェニル単位を有する、キラルドーパントに関する。
好ましいのは、キラル中心が、3つより多くない結合(または2個より多くない原子)によりオルトアルキル化された芳香環から分離されている構造である。
好ましいのは、さらに、加水分解可能な単位、例えばエステル架橋を含まない構造である。
不斉炭素原子を有する単位Qは、同様に、好ましくは:
Figure 2006503100
式中、
Kは:−CH−、−O−、−CHCH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−C≡C−、−CH=CH−または単結合であり、
LおよびMは、アルキル、シクロアルキル、O−アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールであり、ここで、Lは、Mとは異なっていなければならない、
である。
不斉炭素原子を有する単位Qは、特に好ましくは:
Figure 2006503100
Figure 2006503100
である。
特に好ましいのは、述べた単位(h)、(i)、(m)、(r)および(s)である。
好ましいのは、以下の基本構造を有するキラルドーパントである:
Figure 2006503100
式中、以下の構造が特に好ましい:
Figure 2006503100
Figure 2006503100
Figure 2006503100
Figure 2006503100
Figure 2006503100
特に好ましいのは、述べた単位(Iab)、(Iac)、(Iag)および(Ibe)である。
単位R−(A−Z)は、好ましくは:
Figure 2006503100
Figure 2006503100
Figure 2006503100
Figure 2006503100
式中、alkylは、直鎖状または分枝状であってもよい、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基である。これは、好ましくは直鎖状であり、1、2、3、4、5、6または7個の炭素原子を有し、従って好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルまたはヘプチルである;
Figure 2006503100
Figure 2006503100
である。
単位R−(A−Z)は、特に好ましくは、述べた基(2)〜(10)、(15)〜(20)および(28)〜(32)並びに特に基(5)、(7)、(9)、(17)および(19)である。
側方にアルキル化されたフェニル単位を有するキラルドーパントは、特に好ましくは、以下の化合物である:
Figure 2006503100
式中、
Figure 2006503100
Figure 2006503100
Figure 2006503100
Figure 2006503100
式中、alkylは、1〜7個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基であり、従ってメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルまたはヘプチル、特に好ましくはプロピルである。
一般式I中のV、W、XおよびYは、各々、互いに独立して、直鎖状または分枝状であってもよい、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基および/またはアルコキシ基であってもよい。これは、好ましくは直鎖状であり、1、2、3、4、5、6または7個の炭素原子を有し、従って好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシまたはヘプトキシである。
式Iで表される化合物は、文献(例えば標準的な学術書、例えばHouben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie[有機化学の方法]、Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart)に記載されているように、正確には知られており、前述の反応に好適な反応条件下で、自体公知の方法により調製する。また、ここで、自体公知であるが、ここでは一層詳細には述べない変法を用いることができる。
が好ましい構造(m)であり、R−(A−Z)−が好ましい構造(3)である、式(Iag)で表される特に好ましい化合物は、スキーム1に示すようにして調製される:
Figure 2006503100
スキーム1
が好ましい構造(m)であり、R−(A−Z)−が好ましい構造(1)である、式(Iab)で表される特に好ましい化合物は、スキーム2に示すようにして調製される:
Figure 2006503100
スキーム2
式Iで表される化合物を、液晶相、好ましくはネマティック液晶相の成分として、例えば逆ねじれを回避するために用いる。
式Iで表される化合物を、特に好ましくは、STNおよびアクティブマトリックスディスプレイのためのネマティック液晶相のためのドーパントとして用いる。これらは、特に、ここでは、高いらせんねじれ力(HTP)および高い電圧保持比により区別される。特に、このタイプのドーピングされたネマティック混合物を、酸化アルミニウムで処理することにより容易に精製することができ、キラルドーパントの損失は生じないか、または事実上生じない。
さらに、本発明のキラルな誘導体を用いて、いわゆる「相変化」ディスプレイのための液晶媒体を製造することができる(例えば、Y. Yabe et al., SID 1991 Digest 261-264)。
従って、本発明はさらにまた、本発明のキラルドーパントの、好ましくはねじれを生じるための、液晶混合物における使用に関する。
従って、本発明は、同様に、本発明の式Iで表される少なくとも1種のキラルドーパントを含む液晶混合物に関する。
本発明の液晶混合物は、約0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%および特に0.1〜5重量%の、式Iで表される化合物1種または2種以上を含む。
本発明の媒体のさらなる構成成分として適する、最も重要な化合物は、式1、2、3、4および5:
Figure 2006503100
により特徴づけすることができる。
式1、2、3、4および5において、同一であるかまたは異なってもよいLおよびEは、各々、互いに独立して、−Phe−、−Cyc−、−Phe−Phe−、−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−Pyr−、−Dio−、−G−Phe−および−G−Cyc−並びにこれらの鏡像により形成される群からの2価の基であり、ここで、Pheは、非置換またはフッ素置換1,4−フェニレンであり、Cycは、トランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−シクロヘキセニレンであり、Pyrは、ピリミジン−2,5−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり、Dioは、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、およびGは、2−(トランス−1,4−シクロヘキシル)エチルである。
基LおよびEの1つは、好ましくはCyc、PheまたはPyrである。Eは、好ましくは、Cyc、PheまたはPhe−Cycである。本発明の媒体は、好ましくは、LおよびEが、Cyc、PheおよびPyrからなる群から選択されている、式1、2、3、4および5で表される化合物から選択された1種または2種以上の成分、並びに同時に、基LおよびEの一方が、Cyc、PheおよびPyrからなる群から選択されており、他方の基が、−Phe−Phe−、−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−G−Phe−および−G−Cyc−からなる群から選択されている、式1、2、3、4および5で表される化合物から選択された1種または2種以上の成分、並びに随意に、基LおよびEが、−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−G−Phe−および−G−Cyc−からなる群から選択されている、式1、2、3、4および5で表される化合物から選択された1種または2種以上の成分を含む。
R’および/またはR”は、各々、互いに独立して、8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシまたはアルカノイルオキシ、−F、−Cl、−CN、−NCSまたは−(O)CH3−(k+l)Clであり、ここで、iは、0または1であり、kおよびlは、1、2または3であり、合計(k+l)は、1、2または3である。
式1、2、3、4および5で表される化合物の一層小さい従属群において、R’およびR”は、各々、互いに独立して、8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシまたはアルカノイルオキシである。この一層小さい従属群を、以下で群Aと呼び、化合物は、従属式1a、2a、3a、4aおよび5aにより言及される。これらの化合物のほとんどにおいて、R’およびR”は、互いに異なっており、これらの基の1つは、通常アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルコキシアルキルである。
群Bとして知られている、式1、2、3、4および5で表される化合物の、他の一層小さい従属群において、R”は、−F、−Cl、−NCSまたは−(O)CH3−(k+l)Clであり、式中iは、0または1であり、kおよびlは、1、2または3であり、合計(k+l)は、1、2または3であり、R”がこの意味を有する化合物を、従属式1b、2b、3b、4bおよび5bにより言及する。特に好ましいのは、R”が−F、−Cl、−NCS、−CF、−OCHFまたは−OCFである、従属式1b、2b、3b、4bおよび5bで表される化合物である。
従属式1b、2b、3b、4bおよび5bで表される化合物において、R’は、従属式1a〜5aで表される化合物について定義した通りであり、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルコキシアルキルである。
式1、2、3、4および5で表される化合物の、他の一層小さい従属群において、R”は、−CNである;この従属群を、以下で群Cと呼び、この従属群の化合物を、対応して従属式1c、2c、3c、4cおよび5cにより記載する。従属式1c、2c、3c、4cおよび5cで表される化合物において、R’は、従属式1a〜5aで表される化合物について定義した通りであり、好ましくは、アルキル、アルコキシまたはアルケニルである。
群A、BおよびCで表される好ましい化合物に加えて、提案された置換基の他の変種を有する、式1、2、3、4および5で表される他の化合物もまた、一般的である。これらの物質のすべては、文献から知られている方法により、またはこれと同様にして、得られる。
好ましいのは、本発明の式Iで表される少なくとも1種のキラルドーパントを含む液晶混合物並びに式1、2、3、4および/または5で表される少なくとも1種の液晶化合物である。
本発明の式Iで表される化合物に加えて、本発明の媒体は、特に好ましくは、群A、Bおよび/またはCから選択された1種または2種以上の化合物を含む。
本発明の媒体におけるこれらの群からの化合物の重量による比率は、好ましくは、
群A:0〜90%、好ましくは20〜90%、特に30〜90%
群B:0〜80%、好ましくは10〜80%、特に10〜65%
群C:0〜80%、好ましくは5〜80%、特に5〜50%
であり、ここで、本発明のそれぞれの媒体中に存在する群Aおよび/またはBおよび/またはCの化合物の重量による比率の合計は、好ましくは、5%〜90%および特に好ましくは10%〜90%である。
本発明において用いることができる液晶混合物は、自体慣用の方法において製造される。一般的に、少ない方の量で用いる成分の所望の量を、有利には高温で、主要成分を構成する成分中に溶解する。有機溶剤、例えばアセトン、クロロホルムまたはメタノール中で成分の溶液を混合し、十分に混合した後に、例えば蒸留により溶剤を再び除去することも可能である。さらに、混合物を、他の慣用の方法で、例えばプレミックス、例えば相同混合物を用いることにより、またはいわゆる「マルチボトル(multi-bottle)」系を用いて調製することが可能である。
誘電体はまた、当業者に知られており、文献中に記載されている他の添加剤を含むことができる。例えば、0〜15%、好ましくは0〜10%の多色性染料および/またはキラルドーパントを加えることができる。加えられた個別の化合物を、0.01〜6%、好ましくは0.1〜3%の濃度で用いる。しかし、液晶混合物の、即ち液晶性またはメソゲン性化合物の他の構成成分についての濃度データを、これらの添加剤の濃度を考慮せずに示す。
本発明はさらに、液晶媒体、外板、電極、少なくとも1つの配向層および随意に追加の補助層を含み、ここで液晶媒体が、式Iで表される少なくとも1種の化合物を含む、電気光学的ディスプレイ素子、特に液晶、切換およびディスプレイデバイスに関する。
本発明はさらに、式Iで表される化合物少なくとも1種を含むネマティックまたはコレステリック相を有する、アクティブマトリックスアドレッシングを有する電気光学的ディスプレイ素子に関する。
本出願および特に以下の例において、液晶化合物の構造を頭文字で示し、その化学式への変換は、以下の表AおよびBに従って得られる。すべての基C2n+1およびC2m+1は、それぞれn個およびm個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基である。表Bにおけるコードは自明である。表Aにおいて、基本構造にかかわる頭文字のみを示す。各場合において、基本構造にかかわる頭文字の後に、ダッシュで分けて、置換基R、R、LおよびLに関するコードが示されている:
Figure 2006503100
表A:
Figure 2006503100
Figure 2006503100
表B:
Figure 2006503100
Figure 2006503100
Figure 2006503100
Figure 2006503100
Figure 2006503100
本発明を、作業例を参照して以下に一層詳細に説明するが、いかなる方法によっても限定されない。
例1
5.0g(24.9mmol)の4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール1、5.0mlの2−オクタノール(31.5mmol)および8.0gのトリフェニルホスフィン(TPP)(30.5mmol)を、200mlのテトラヒドロフラン(THF)に、室温で撹拌しながら溶解する(黄色の着色)。6.0ml(30.9mmol)のアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DEAD)を、その後滴加する。発熱反応のために、温度は、35℃に上昇する。完全な変換を達成するために、混合物を、さらに2時間撹拌する。バッチを、ロータリーエバポレータ中で蒸発乾固し、得られた粗生成物を、1lのシリカゲル上で、1−クロロブタンで溶出し、生成物2が得られる。
Figure 2006503100
7.1gの生成物2(22.7mmol)、6.0gの化合物3(24.4mmol)、0.020gの酢酸パラジウム(II)(47%のPd)(0.089mmol)、0.06gのトリフェニルホスフィン(0.229mmol)、50mlのプロパノール、15.0mlの2N炭酸ナトリウム溶液および10mlの水を混ぜ合わせ、80℃で一晩還流させる。その後、反応混合物を、水で希釈し、MTBエーテル(tert−ブチルメチルエーテル)を加え、有機相を分離して除去する。水性相を、MTBエーテルで2回抽出する。混ぜ合わせた有機相を、水で、およびNHCl溶液で洗浄し、乾燥し、吸引しながら濾過し、蒸発させ、10.6gの黒色油状物が得られ、これを、1lのシリカゲル上で1−クロロブタンで溶出する。これにより、10gの透明な油状物が得られ、これを、3lのシリカゲル上で1−クロロブタン/ヘプタンで溶出し、粘性の透明な液体が得られ、これを、1:25のi−プロパノールから−5℃で再結晶し、生成物4が、高度に粘性の液体として得られる。
例2
20.0gの生成物5(91.6mmol)、15.28mlの2−オクタノール(96.18mmol)および25.23gのトリフェニルホスフィン(96.18mmol)を、220mlのテトラヒドロフラン(THF)に、窒素雰囲気下で室温で撹拌しながら溶解する(黄色の着色)。19.45gのアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DEAD)(96.18mmol)を、その後滴加する。発熱反応のために、温度は、51℃に上昇する。可能な最も完全な変換を達成するために、バッチを、室温で一晩撹拌する。次に、バッチを、ロータリーエバポレータ中で蒸発乾固し、得られた粗生成物を、2lのシリカゲル上で、ヘプタン/ジクロロメタン(1:1)で溶出し、生成物6が得られる。
Figure 2006503100
5.0gの生成物6(15.04mmol)を、2.86gのtert−ブタノール(30.07mmol)に溶解し、激しく撹拌しながら9.62mlの95〜97%硫酸(180.42mmol)中に導入する。反応混合物を30分間撹拌した後に、多量の水を加え、混合物を、MTBエーテルで2回抽出する。混ぜ合わせた有機相を、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレータ中で蒸発させ、粗生成物を得、これを、1lのシリカゲル上でヘプタンで2回溶出させ、生成物7が得られる。
例3
Figure 2006503100
10.104gの4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール8(50.0mmol)、17.211gの生成物9(61.0mmol)、100.51mlの1,4−ジオキサン、1.513gの塩化ビス(トリシクロヘキシルホスファニル)Pd(II)(2.05mmol)および30.161gのリン酸三カリウム三水和物(113.25mmol)を混ぜ合わせ、80℃で一晩撹拌して、変換を完了させる。その後、反応混合物を、室温に冷却し、水を加え、混合物を、準濃(semi-conc.)HClを用いて酸性化し、MTBエーテルで抽出する。緑色の懸濁液を、吸引しながらセライト(Celite)(登録商標)を通して濾過し、相を分離する。水性相を、MTBエーテルで2回抽出し、混ぜ合わせた有機相を、水で1回および飽和NaCl溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引しながら濾過し、蒸発させ、24gの暗い緑色を帯びた茶色の油脂状残留物が得られ、これを、0.7lのシリカゲル上で1−クロロブタンで溶出し、10gの黄色を帯びた茶色の結晶状物質が得られ、これを、−15℃で、4倍量のメタノールから再結晶し、淡いスミレ色の結晶の化合物10が得られる。
Figure 2006503100
2.168gの化合物10(6.0mmol)、1.206mlの2−オクタノール(7.596mmol)、1.936gのトリフェニルホスフィン(7.38mmol)および20mlのテトラヒドロフラン(THF)を、窒素雰囲気下で室温で撹拌しながら溶解し(黄色の着色)、1.447mlのアゾジカルボン酸ジイソプロピル(7.44mmol)を、その後滴加する。発熱反応のために、温度は、35℃に上昇する。完全な変換を達成するために、バッチを、さらに2時間撹拌する。その後、バッチを、ロータリーエバポレータ中で蒸発乾固し、7.0gの黄色を帯びた粘性の事実上透明な残留物が得られ、これを、1lのシリカゲル上で1−クロロブタンで溶出し、1.9gの無色透明かつ粘性の液体が得られ、これを、再びシリカゲル上で1−クロロブタンで溶出し、生成物11が得られる。
例4
Figure 2006503100
4.11gのマグネシウム粉末(turnings)(169.044mmol)を、最初に、70mlのTHF中に導入し、混合物を、加熱還流させ、18.6gの1−ブロモ−2−メチルブタン13(121.907mmol)を150mlのTHFに溶解した溶液を、混合物が(加熱浴を用いずに)定常的に還流する速度で滴加する。その後、混合物を、還流下で、さらに1時間撹拌し、17℃に冷却し(乳状の灰色の懸濁液が生成する)、120mlのTHF中の27.451gの臭化亜鉛を、約37℃まで滴加し、この間、白色の結晶状結晶スラリーが、フラスコ縁部に一時的に形成し、その後、2.087gのパラジウムビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(2.844mmol)を加え(紫色の着色)、120mlのTHF中の16.0gの1−ブロモ−2,6−ジメチルベンゼン12(81.271mmol)を滴加し、この間、反応混合物は、茶色を帯びた色になり、この間、温度は、次第に37℃に上昇し、反応混合物を、加熱浴を用いて還流させる。懸濁液を、撹拌しながら一晩(22時間)還流させる。
24時間後、2.2gの塩化トリシクロヘキシルホスフィン−Pd(II)を、THFに溶解した3.5mol%溶液の形態で加える。混合物を、一晩還流させる。
さらに24時間後、同一の量の塩化トリシクロヘキシルホスフィン−Pd(II)を、再び加える。
合計で68時間還流させた後に、反応混合物を放冷し、約400mlの水を加え、混合物を、約6×250mlのペンタンで抽出する。相は、黒色の界面が形成するため、分離するのが困難である。有機相は、緑色/灰色/黄土色であり、黒色の成分を有する。
ペンタン相を、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、スプーン2杯のシリカゲルを加え、これにより、シリカゲル/ペンタンでのその後の濾過の間のフリット上での激しい突沸を防止する。
暗色のペンタン相を、硫酸ナトリウムと共に、約6cmの厚さのシリカゲルの層を有する1lのフリット上で濾過する。1リットルのペンタンを、洗浄のために用いる。黄色のペンタン溶液全量を、カラムを用いて、大気圧の下で蒸留する。
黄色の沈殿物を有する黄色を帯びた橙色の液体40gが、蒸留からの残留物として得られる。この残留物を、シリカゲル/ペンタン上で溶出する。1.5リットルのペンタン溶液を、大気圧下で蒸留して除去し、その後減圧下で蒸留する。
生成物14が、真空蒸留の際に、事実上無色のわずかに黄色の蒸留物として得られる(沸点:92〜94℃、浴:110〜130℃、5.3mbar)。
Figure 2006503100
8.4gの生成物14(45.311mmol)を、最初に、50mlのジクロロメタン中に導入し、橙黄色の透明な溶液が得られ、10.213gのトリフルオロ酢酸銀(45.311mmol)を加える。このプロセスにおいて、反応混合物は、淡い黄色の色に変化し、わずかに吸熱的な反応が観察される。20mlのジクロロメタン中の2.321mlの臭素(45.311mmol)を、黄白色懸濁液に、1/2時間にわたり、温度が30℃を超えない速度で、滴加する(脱色、灰白色懸濁液)。温度は、29℃に上昇する。反応混合物は、わずかに黄色を帯びた懸濁液である。
混合物をさらに3時間撹拌した後に、AgBrを濾別し、CHClで洗浄する。ジクロロメタン相を、中性になるまで水で洗浄し、NaSOを用いて乾燥し、蒸発乾固する。バルブチューブ(155℃、1mbar)中での蒸留により、生成物15が、事実上無色の液体として得られる。
Figure 2006503100
1.097gのマグネシウム粉末(45.1mmol)を、最初に窒素の下で導入し、10mlのTHFで覆い、その後加熱して還流させる。反応を、4〜5滴の生成物15を用いて開始し、残りの10.4gの生成物15(0.041mol)を、30mlのTHFに溶解し、穏やかに撹拌しながら、反応混合物が定常的に還流する速度で滴加する。このプロセスにおいて、反応混合物は、色が茶色になる。すべてを滴加した際に、混合物を、還流下でさらに2時間撹拌する。次に、混合物全体を、10℃に冷却し、5.039mlのホウ酸トリメチル16(45.1mmol)を滴加し、この間撹拌するのが困難な茶色のガラス状の懸濁液が生成する。温度を、このプロセスの間10〜20℃に保持する。その後、混合物を、この温度においてさらに30分間撹拌する。次に、30mlの水を、注意深く滴加し、白色の沈殿物が生成し、温度は、27℃に上昇する。次に、80mlのMTBエーテルを加え、反応混合物を、50mlの準濃塩酸を用いて酸性化し(29℃に発熱性)、過剰のマグネシウムが溶解するまで撹拌する。酸性化の際に、沈殿物は溶解し、淡黄色の溶液が形成する。水性相を分離して除去し、MTBエーテルで2回抽出する。混ぜ合わせた有機相を、水で1回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引しながら濾過し、ロータリーエバポレータ中で蒸発させ、生成物17が、黄色の透明な液体として得られる。
Figure 2006503100
30.0gの生成物18(0.097mol)および100mlのTHFを、室温において混ぜ合わせ、−70℃に冷却する。次に、n−ヘキサン(107.67mmol)中の15%ブチルリチウム溶液65.689mlを、撹拌しながら、得られた白色懸濁液にこの温度で滴加し、その後、混合物を、さらに約1時間−70℃で撹拌する。その後、50mlのTHFに溶解した27.082gのヨウ素(0.107mol)を、紫色の溶液に−70℃で滴加する。次に、温度を、−30℃とし、水を、迅速に滴加する。過剰のヨウ素を、亜硫酸水素ナトリウム溶液を用いて崩壊させる。次に、相を分離し、水性相を、MTBエーテルで2回抽出し、混ぜ合わせた有機相を、水で1回および飽和NaCl溶液で1回洗浄する。混ぜ合わせた有機相を、NaSO上で乾燥し、吸引しながら濾過し、蒸発させ、生成物19が、茶色を帯びた結晶状残留物として得られ、これを、ヘプタンから再結晶する。
Figure 2006503100
12.085gの生成物19(27.8mmol)、8.5gの化合物17(33.981mmol)、150mlのジオキサン、0.821gの塩化ビス(トリシクロホスファニル)Pd(II)(1.112mmol)および16.733gのリン酸三カリウム三水和物(62.828mmol)を混ぜ合わせ、80℃で一晩撹拌して、完全に変換する。次に、反応混合物を、室温に冷却し、水を加え、混合物を、準濃HClを用いて酸性化し、MTBエーテルで抽出する。緑色の懸濁液を、吸引しながらセライト(登録商標)を通して濾過し、相を分離する。水性相を、MTBエーテルで2回抽出し、混ぜ合わせた有機相を、水および飽和NaCl溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引しながら濾過し、蒸発させ、16.0gの暗い橙茶色の粘性の物質が得られ、これを、シリカゲル/ヘプタン上で溶出し、6.0gの黄色の透明な溶液が得られ、これを、少量のシリカゲル/ヘプタン上で溶出し、事実上無色の、わずかに黄色を帯びた化合物20のスメクティック物体が得られる。
例5
Figure 2006503100
7.419gのメタホウ酸ナトリウム八水和物(26.64mmol)を、最初に12.6mlの水中に導入し、0.623gの塩化ビス(トリフェニルホスフィン)Pd(II)(0.888mmol)、0.043mlの水酸化ヒドラジニウム(0.888mmol)および4.928mlの5−ブロモ−m−キシレン21(35.52mmol)および30mlのTHFを加え、混合物を、5分間撹拌し、次に、100mlのTHFに溶解した14.393gの生成物22(39.512mmol)を加え、混合物を、沸点(65℃)に加熱し、一晩還流させて、変換を完了させる。次に、反応混合物を冷却し、水およびMTBエーテルを加え、相を分離する。水性相を、MTBエーテルで2回抽出し、混ぜ合わせた有機相を、水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引しながら濾過し、蒸発させる。得られた粗生成物を、1.2lのシリカゲル上でペンタンで溶出し、対応する画分を混ぜ合わせ、ロータリーエバポレータ中で蒸発させ、生成物23が白色の結晶状物質として得られ、これを、12倍量のi−プロパノールから+4℃で再結晶する。
Figure 2006503100
12.6gの生成物23(29.674mmol)を、最初に、30mlのジクロロメタン中に導入し(無色透明溶液)、6.688gのトリフルオロ酢酸銀(29.674mmol)を加える(わずかな吸熱反応)。10mlのジクロロメタン中の1.52mlの臭素(29.674mmol)を、白色懸濁液に、1/2時間にわたり、温度が40℃を超えない速度で滴加する(脱色)。温度は、34℃に上昇する。その時、反応混合物は、わずかに黄色を帯びた懸濁液である。混合物をさらに3時間撹拌した後に、AgBrを沈降させ、翌日に濾過し、CHClで洗浄する。次に、溶液を蒸発乾固させる。得られた白色の結晶状物質を200mlのペンタンに溶解することを試行する。不溶性結晶を濾別し、ペンタンで洗浄し、その後ペンタンから5℃で再結晶する。その後、生成物を、先ずヘプタンで50℃で、次にペンタンでシリカゲル上で溶出する。得られた生成物24を、ペンタンから再結晶する。
Figure 2006503100
3.031gの生成物24(5.839mmol)を、最初に50mlのジエチルエーテル中に導入する。ヘキサン(6.38mmol)に溶解した4.007mlの15%ブチルリチウム溶液を、0℃で滴加する。混合物を、この温度でさらに1時間撹拌し、次に0.708mlのN−ホルミルピペリジン(6.38mmol)を滴加する。混合物を、再びさらに1時間撹拌し、次に室温で一晩撹拌する。その後、水を、迅速に加え、混合物を、MTBエーテルで抽出する。得られた生成物25を、シリカゲル/クロロブタン上で溶出し、ヘプタン1:10から再結晶する。
Figure 2006503100
1.401gの生成物26(3.39mmol)を、20mlのTHF中に懸濁させ(白色)、0〜5℃に冷却する。リチウムジイソプロピルアミドをシクロヘキサン/エチルベンゼン/THF(3.6mmol)に溶解した2モルの溶液2.966mlを、この温度で滴加し、この間色は、次第に黄橙色に変化する。その後、1.5gの生成物25(0.003mol)を20mlのTHFに溶解した溶液を、0〜5℃で滴加し、次に温度を、室温とする。反応混合物をさらに2時間撹拌した後に、水および準濃HClを加え(わずかに発熱性)、混合物を、MTBエーテルで抽出し、相を分離する。次に、水性相を、MTBエーテルで2回抽出し、混ぜ合わせた有機相を、水で1回および飽和NaCl溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引しながら濾過し、蒸発させ、生成物27が、黄色の結晶状残留物として得られ、これを、シリカゲル上でヘプタンで溶出する。
Figure 2006503100
1.10gの生成物27(2.088mmol)を、最初に、50mlのTHF中に導入し、1.0gのPd/C触媒および46.7mlの水素を用いて完全に水素化する。生成物28が、結晶状残留物として生成し、これを、シリカゲル上で、ペンタンで溶出し、その後10倍量のi−プロパノールから再結晶する。
例6
以下の組成:
Figure 2006503100
を有する液晶ベース混合物に、1.0重量%の例1からの生成物4を加え、組成物のらせんねじれ力HTPを、20℃で決定する。これは、−15.4のらせんねじれ力HTPを有する。
比較により、2個のメチル基の代わりにフッ素原子により置換された対応する化合物は、−9.37のらせんねじれ力HTPを生じるに過ぎなかった。
例7
1.0重量%の例2からの生成物7を、例6からの液晶ベース混合物に加え、組成物のらせんねじれ力HTPを、20℃で決定する。これは、−7.2のらせんねじれ力HTPを有する。
比較により、tert−ブチル基の代わりに非置換の対応する化合物は、−1.36のらせんねじれ力HTPを生じるに過ぎなかった。
例8
1.0重量%の例3からの生成物11を、例6からの液晶ベース混合物に加え、組成物のらせんねじれ力HTPを、20℃で決定する。これは、−13.2のらせんねじれ力HTPを有する。
例9
1.0重量%の例5からの生成物28を、例6からの液晶ベース混合物に加え、組成物のらせんねじれ力HTPを、20℃で決定する。これは、−1.6のらせんねじれ力HTPを有する。

Claims (7)

  1. 一般式I:
    Figure 2006503100
    式中:
    は、不斉炭素原子を有する単位であり、
    Rは、−H、非置換であるか、またはハロゲンにより少なくとも単置換されており、ここで、1つまたは2つ以上の隣接していない−CH−基は、−O−または−S−および/または−C≡C−により置換されていてもよい、1〜12個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基、並びにFまたはClであり、
    Aは、互いに独立して、単結合、さらに1個もしくは2個以上のH原子がFにより置換されていてもよい1,4−フェニレン、さらに1つもしくは2つのCH基が−O−により置換されていてもよい1,4−シクロヘキシレン、または1,4−ビシクロ[2.2.2]オクタニルであり、
    Zは、互いに独立して、単結合、−CH−CH−、−O−CH−、−CH−O−、−CF−O−、−O−CF−、−CF−CF−または−C≡C−であり、
    VおよびWは、互いに独立して、1〜12個の炭素原子を有し、非置換であるか、またはハロゲンにより単置換もしくは多置換されている、直鎖状または分枝状アルキルまたはアルコキシ、あるいはH、FまたはClであり、
    XおよびYは、互いに独立して、o個またはp個の炭素原子を有し、非置換であるか、またはハロゲンにより単置換もしくは多置換されており、ここでoおよびpは、互いに独立して、同一であるか、または異なっており、1〜12の範囲内の整数である、直鎖状または分枝状アルキルまたはアルコキシ、H、FおよびClの場合において、oまたはp=0であるH、FまたはCl、あるいはトリメチルシリルであり、
    nは、1〜3である、
    で表され、
    ただしXおよび/またはYは、o個もしくはp個の炭素原子を有し、ここで合計o+pは≧2である、非置換もしくはハロゲン置換アルキルもしくはアルコキシ基、またはトリメチルシリル基である、
    側方にアルキル化されたフェニル単位を有する、キラルドーパント。
  2. 不斉炭素原子を有する単位Qが、以下の構造
    Figure 2006503100
    式中、
    Kは、−CH−、−O−、−CHCH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−C≡C−、−CH=CH−または単結合であり、
    LおよびMは、アルキル、シクロアルキル、O−アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールであり、ここで、Lは、Mとは異なっていなければならない、
    を有することを特徴とする、請求項1に記載のキラルドーパント。
  3. 不斉炭素原子を有する単位Qが、以下の構造の1つ:
    Figure 2006503100
    を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のキラルドーパント。
  4. 以下の基本構造:
    Figure 2006503100
    の1つを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のキラルドーパント。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の少なくとも1種のキラルドーパントの、液晶混合物における使用。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の少なくとも1種のキラルドーパントを含む、液晶混合物。
  7. 請求項6に記載の液晶混合物を含む、電気光学的ディスプレイ素子。
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