JP2006502156A - 風味を遮断された投与形態およびそれらの製剤の方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少量の風味遮断の重合体を利用する風味を遮断された投与形態、および風味を遮断された投与形態の製剤の簡便で、そして経済的な方法に関する。風味を遮断された投与形態は、1種またはそれ以上の薬剤、およびジメチルアミノエチルメタクリレートおよび中性メタクリル酸エステルから合成される1種またはそれ以上の陽イオン性重合体を包含する。薬剤対重合体の重量/重量比は、約1対2より少ない。

Description

本発明の技術分野は、少量の風味を遮断された重合体を利用する風味を遮断された投与形態、およびこのような風味を遮断された投与形態の製剤の簡便でそして経済的な方法に関する。
多くの患者、特に子供および高齢者は、全錠剤、そしてカプセルさえ飲み込むのに困難がある。したがって、液体投与形態として、または早期溶解または早期崩壊の固形投与形態としてかのいずれかでこのような患者に薬剤を投与することが望ましい。それらの投与の簡便さおよび歓迎できる風味により、早期溶解または崩壊固形投与形態は、患者が、毎日の投薬計画に追従することを勧め、したがって、よりよい遵守を提供しうる。これらの投与形態は、液体および従来の錠剤の両方の製剤の利点を合わせ、そして両方の伝統的な投与形態を越える利点をも供する。例えば、それらは、液体製剤により供される飲込みの容易さをも可能にしつつ、錠剤製剤の便利さを提供する。それらは、主要な代替的経口液体よりさらにいっそう厳密な投与の快適さを可能にもする。
嗜好性および「口当たり」は、薬剤のための早期溶解または崩壊性固形投与形態、またはマトリックスを提供する上で考慮されるべきなかでも最も重要な特徴である。不運にも、多くの薬剤は、苦いか、そうでなければ歓迎されない風味、または受容れられない口当たりを示し、このような薬剤を、早期溶解または早期崩壊投与形態としての投与に不適切にする。多くの研究が、投与形態での薬剤の苦い風味を遮断する設計技術およびアプローチに充てられてきた。簡単なアプローチは、その組成物に化学的仲介、風味または甘味成分を添加することを含み、それにより薬剤の苦味を遮断する。簡単なアプローチが有効でない場合、口での薬剤溶解が物理的および/または化学的手段により阻止または防止されるように、投与形態は製剤される薬剤修飾アプローチが使用される。物理的手段により阻止する1つのこのようなアプローチは、唾液からそれを物理的に分離する壁または防壁材料内に薬剤を埋設または封入させることである。ジメチルアミノエチルメタクリレートと中性メタクリル酸から合成された陽イオン性共重合体は、種々の風味を遮断された製剤で防壁材料として使用されてきた。ある種の場合には、これらの重合体は、薬剤と化学的に相互作用することにより、風味を改質することも知られている。
例えば、特許文献1は、ユードラジット(Eudragit)(登録商標)E−100で、多孔性薬剤−重合体マトリックスを作製することによって、アミンまたはアミド基を有する活性成分の風味を遮断された投与形態を製造する方法を開示する。特許文献2は、ヒスタミンH2−受容体拮抗薬およびユードラジットE(登録商標)100の顆粒、および風味遮断超顆粒性水不溶性の吸湿性賦形剤の混合物を含むチュワブル錠剤を開示する。特許文献3は、ジメチルアミノエチルメタクリレートと中性メタクリル酸エステルの風味を遮断する量の重合体ブレンド、および酢酸セルロースおよびトリ酢酸セルロースから選択される重合体で被覆した医薬品を包含するチュワブル医薬品錠剤を開示する。特許文献4は、ミニペレット投与形態のプレドニゾンを開示する。その投与形態は、薬剤の第一の層、およびジメチルアミノエチルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体の第二の層で被覆されるノンパレイユ種を含む。特許文献5は、約60重量%から74重量%までのアセトアミノフェン、および特徴として陽イオンであり、そしてジメチルアミノエチルメタクリレートと中性メタクリル酸エステルに基づいている共重合体約26重量%から40重量%までを含む風味無しの粉末形態の噴霧乾燥アセトアミノフェンを開示する。
特許文献6は、薬剤と共に、風味を遮断された微小マトリックス粉末を形成するために、風味遮断の必要な薬剤の量より明らかに多くの量で、ジメチルアミノエチルメタクリレートと中性メタクリル酸エステルから合成される陽イオン性共重合体の使用を開示する。薬剤および共重合体(例えば、ユードラジット(登録商標)E100)は、約1μmから125μmまでの平均サイズを示す微小マトリックスの形態にある。特許文献6特許は、共重合体対薬剤の比が、2対1より多く、そして先行技術が、薬剤と共に、風味を遮断された微小マトリックス粉末を形成するために、風味遮断の必要な薬剤の量より明らかに多い量で、ジメチルアミノエチルメタクリレートと中性メタクリル酸エステルから合成される陽イオン性共重合体を使用するという有益な用途を教示しないことを主張する。
米国特許第5,286,489号公報 米国特許第5,275,823号公報 米国特許第5,489,436号公報 米国特許第4,708,867号公報 米国特許第4,760,093号公報 米国特許第6,153,220号公報
上に列挙される特許で風味遮断のために使用される方法は、経済的に不利であるほかに、技術的に複雑で、そして再現するのが困難である多段階に関与する。さらに、ジメチルアミノエチル基を有する重合体の経口摂取についての米国食品医薬品局(FDA)による推奨される制限は、極めて低く、したがって、実際に、これらの重合体は、多量に使用されることができない。したがって、少量の陽イオン性重合体を利用する風味を遮断された投与形態についての必要がなお存在する。
1つの一般的態様では、1種またはそれ以上の薬剤、およびジメチルアミノエチルメタクリレートと中性メタクリル酸エステルの1種またはそれ以上の陽イオン性重合体を包含する風味を遮断された医薬上の投与形態の提供がある。薬剤対重合体の重量/重量比は、約1対2より少ない。
投与形態の実施態様は、以下の1種またはそれ以上の特性を包含しうる。例えば、薬剤対重合体の重量/重量比は、およそ1:1.7より少ないか、またはおよそ1:1.5より少なくてよい。
薬剤は、1種またはそれ以上のH2受容体拮抗薬、抗生物質、鎮痛薬、心臓血管剤、ペプチドまたはタンパク質、ホルモン、抗片頭痛剤、抗凝固剤、抗催吐剤、抗高血圧剤、麻酔性拮抗薬、キレート剤、抗狭心症剤、化学療法剤、鎮静薬、抗新生物剤、プロスタグランジン、勃起性機能不全のための薬剤、中枢神経系に作用する薬剤、抗下痢および抗利尿剤でありうる。その薬剤は、1種またはそれ以上のニザチジン、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ロキサチジン、エチニジン、ルピチジン、ニフェンチジン、ニペリトン、スルホチジン、ツバチジン、ザルチジン、エリソマイシン、ペニシリン、アンピシリン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、シリウム、シプロフロキサシン、セオフィリン、ニフェジピン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ケトプロフェン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、デキシブプロフェン・リシネート、フルルビプロフェン、ナプロキセン、コデイン、モルフィン、ナトリウム・ジクロフェナック、アセチルサリチル酸、カフェイン、シュードエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、ジフェンヒドラミン、クロロフェニラミン、デキストロメソルファン、ベルベリン、メフェナム酸、フルフェナム酸、アステミゾール、テルフェナジン、フェニトイン、ギアフェネシン、N−アセチルプロカインアミドHClおよびその医薬上許容しうる塩または誘導体でありうる。
薬剤は、さらに1つの歓迎されない風味の薬剤でありうる。薬剤は、低用量の薬剤であってもよく、そして低用量の薬剤は、1種またはそれ以上のエナラプリル、ロラゼパム、ゾルミトリプタン、ドムペリドン、セレギリン、オンダンセトロン、ミルタゼピン、硫酸ヒヨシアミン、リスペリドン、シタロプラム、オランザピン、リザトリプタン、ピロキシカム、デスロラタジン、セチリジン、ロペラミド、シルデナフィル、トピラメート、およびその医薬上許容しうる塩または誘導体でありうる。
陽イオン性重合体は、ジメチルアミノエチル基を含みうる。陽イオン性重合体は、以下の式:
Figure 2006502156
(式中:R1=R3=CH3
2=CH2CH2N(CH32
4=CH3、C49
を示しうる。
陽イオン性重合体は、ユードラジット(登録商標)として市販で入手可能な重合体でありうる。ユードラジット(登録商標)は、ユードラジット(登録商標)E−100およびユードラジット(登録商標)EPOの一方または両方でありうる。
風味を遮断された医薬上の投与形態は、さらに、他の添加剤を含みうる。添加剤は、1種またはそれ以上のセルロースエステル、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび色素でありうる。セルロースエステルは、1種またはそれ以上の酢酸セルロース、セルロース・アセテート・ブチラート、トリ酢酸セルロース、エチルセルロースおよびそれらの混合物でありうる。
薬剤溶液/分散液は、水溶性または水不溶性の不活性コアの上に被覆されうる。水溶性または水不溶性の不活性コアは、1種またはそれ以上の直接的に圧縮可能な二塩基性リン酸カルシウム、直接的に圧縮可能な糖、微晶性セルロース、およびノンパレイユ糖種を含みうる。不活性コアは、直接的に圧縮可能なマンニトールでありうる。不活性コアは、約100ミクロンより大きな粒子サイズを示しうる。
その投与形態は、1種またはそれ以上のスプリンクル、チュワブル錠剤、口内溶解性錠剤、水分散性錠剤、起沸性錠剤および懸濁液でありうる。その投与形態は、さらに、1種またはそれ以上の医薬上の不活性賦形剤を含みうる。1種またはそれ以上の医薬上の不活性賦形剤は、1種またはそれ以上の希釈剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、風味剤、安定化剤、界面活性剤、滑剤、流動化剤、可塑剤および保存剤でありうる。
別の一般の態様では、1種またはそれ以上の歓迎されない風味の薬剤の風味を遮断された投与形態の製剤の方法の提供がある。その方法は、溶媒中に、1種またはそれ以上の薬剤、および1種またはそれ以上の陽イオン性重合体を溶解または分散させること;そして1種またはそれ以上の薬剤および1種またはそれ以上の陽イオン性重合体の溶液および/または分散液を、不活性コアに塗布することを包含する。投与形態での薬剤対重合体の重量/重量比は、約1対2より少ない。1種またはそれ以上の陽イオン性重合体は、ジメチルアミノエチルメタクリレートと中性メタクリル酸エステルから合成される。
その方法の実施態様は、上に記述される1つまたはそれ以上の特性または以下の特性を含みうる。例えば、不活性コアの上への薬剤溶液/分散液の塗布は、造粒、噴霧被覆またはコアセルベーション技術の1つまたはそれ以上によって行われうる。溶媒は、アセトン、メタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水、n−ブチルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、モノブチルエーテル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、酢酸エチレン、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコール、トルエンおよびその混合物の内の1つまたはそれ以上を含みうる。陽イオン性重合体は、ジメチルアミノエチル基を含みうる。陽イオン性重合体は、以下の式:
Figure 2006502156

(式中:R1=R3=CH3
2=CH2CH2N(CH32
4=CH3、C49
を示しうる。
陽イオン性重合体は、ユードラジット(登録商標)として市販で入手可能な重合体を含みうる。ユードラジット(登録商標)は、ユードラジット(登録商標)E−100およびユードラジット(登録商標)EPOの一方または両方でありうる。
別の一般的態様では、不活性コア;1種またはそれ以上の薬剤;および1種またはそれ以上の陽イオン性重合体を含む風味を遮断された医薬上の投与形態の提供がある。1種またはそれ以上の陽イオン性重合体は、ジメチルアミノエチルメタクリレートと中性メタクリル酸エステルから合成され、1種またはそれ以上の薬剤と1種またはそれ以上の陽イオン性重合体は、不活性コアの周辺に層を形成し、そして投与形態での薬剤対重合体の重量/重量比は、約1対2より少ない。
投与形態の実施態様は、上に記述される特性または以下の1つまたはそれ以上の特性を含みうる。例えば、陽イオン性重合体は、ジメチルアミノエチル基を含みうる。陽イオン性重合体は、以下の式:
Figure 2006502156

(式中:R1=R3=CH3
2=CH2CH2N(CH32
4=CH3、C49
を示しうる。
陽イオン性重合体は、ユードラジット(登録商標)として市販で入手可能な重合体でありうる。ユードラジット(登録商標)は、ユードラジット(登録商標)E−100およびユードラジット(登録商標)EPOの一方または両方でありうる。
不活性コアは、1種またはそれ以上の直接的に圧縮可能な二塩基性リン酸カルシウム、直接的に圧縮可能な糖、微晶性セルロース、およびノンパレイユ糖種でありうる。
本発明の1つまたはそれ以上の実施態様の詳細は、下の説明で説明される。本発明の他の特性、目的および利点は、説明および請求項から明らかである。
本発明は、少量の陽イオン性重合体を要求する風味を遮断された投与形態の製剤のための単一段階プロセスを包含する。したがって、歓迎されない風味の薬剤および少量の陽イオン性重合体を包含する風味を遮断された投与形態の提供がある。陽イオン性重合体は、ジメチルアミノエチル基を有しうる。別の一般的態様では、不活性コアの上に薬剤および少量の陽イオン性重合体の溶液/分散を塗布することを含む、風味を遮断された投与形態の歓迎されない風味薬剤の製剤の方法の提供がある。さらに、陽イオン性重合体は、ジメチルアミノエチル基を有しうる。特に、投与形態での薬剤と陽イオン性重合体の量の重量比は、約1対2より少ない。
風味を遮断された投与形態は、溶媒中に1種またはそれ以上の薬剤および1種またはそれ以上の陽イオン性重合体を分散および/または溶解させること、そしてこの溶液または分散液をコアに塗布することによって製造されうる。別個の薬剤コートおよび重合体コートが、多段階プロセスで使用される他の方法と異なり、風味を遮断された投与形態は、単一段階プロセスで形成される。さらに、その薬剤の歓迎されない風味を遮断することが要求される重合体の量は、先行技術の多段階プロセスに比べて減じられ、そしてそれは、経済的であるのみならず、他の賦形剤よりよい操作性をも提供する。さらに、それは、閉じた領域での粒子形状または沈殿が、完全な粒子被覆を可能にしないかもしれない他の被覆プロセスと異なり、薬剤粒子を完全に埋設および/または囲む物理的重合体防壁を提供する。さらに、薬剤および重合体が、完全に混合された場合、それは、咀嚼による風味遮断被覆剤の破壊を防止する。さらに、酸性pHでのジメチルアミノエチル基を有する陽イオン性重合体の完全な溶解性は、上部胃腸管での完全な薬剤溶解を保証する。
これらの薬剤塗布コアは、さらに、スプリンクル、チュワブル錠剤、口内溶解性錠剤、水分散性錠剤、起沸性錠剤および懸濁液のような投与形態に加工されうる。
風味を遮断された投与形態のために適切な薬剤の治療上のカテゴリーの例としては、H2受容体拮抗薬、抗生物質、鎮痛薬、心臓血管剤、ペプチドまたはタンパク質、ホルモン、抗片頭痛剤、抗凝固剤、抗催吐剤、抗高血圧剤、麻酔性拮抗薬、キレート剤、抗狭心症剤、化学療法剤、鎮静薬、抗新生物剤、プロスタグランジン、勃起性機能不全のための薬剤、中枢神経系に作用する薬剤、抗下痢抗利尿剤、および風味遮断が望まれる一般的に他のあらゆる薬剤が挙げられる。
上の治療カテゴリーの薬剤の特定の例としては、それに限定されないが、ニザチジン、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ロキサチジン、エチニジン、ルピチジン、ニフェンチジン、ニペリトン、スルホチジン、ツバチジン、ザルチジン、エリソマイシン(erythomycin)、ペニシリン、アンピシリン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、シリウム、シプロフロキサシン、セオフィリン、ニフェジピン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ケトプロフェン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、デキシブプロフェン・リシネート、フルルビプロフェン、ナプロキセン、コデイン、モルフィン、ナトリウム・ジクロフェナック、アセチルサリチル酸、カフェイン、シュードエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、ジフェンヒドラミン、クロロフェニラミン、デキストロメソルファン、ベルベリン、メフェナム酸、フルフェナム酸、アステミゾール、テルフェナジン、フェニトイン、ギアフェネシン、塩酸N−アセチルプロカインアミドおよびその医薬上許容しうる塩または誘導体が挙げられる。
特に、エナラプリル、ロラゼパム、ゾルミトリプタン、ドムペリドン、セレギリン、オンダンセトロン、ミルタゼピン、硫酸ヒヨシアミン、リスペリドン、シタロプラム、オランザピン、リザトリプタン、ピロキシカム、デスロラタジン、セチリジン、ロペラミド、シルデナフィル、およびトピラメート、およびその医薬上許容しうる塩または誘導体のような低用量の薬剤を使用しうる。
ジメチルアミノエチル基を有する陽イオン性重合体の例は、ドイツ国のローム・ファーマ(Rohm Pharma)から市販で入手可能な種々のグレードの重合体を包含する。特に、ユードラジット(登録商標)E−100およびユードラジット(登録商標)EPOを使用しうる。酸の存在下で、ユードラジット(登録商標)E−100およびユードラジット(登録商標)EPOは、水溶解性塩を形成し、したがって胃溶性フィルムコーティングを提供する。ユードラジット(登録商標)Eフィルムは膨張し、そして水およびpH5より上の緩衝溶液に透過性であり、そしてpH5より下の胃液中で溶解性である。ユードラジット(登録商標)Eの平均分子量は、約150,000であり、そしてそれは、なんらの可塑剤を含みも、または加工のためのそれらの添加をも要求しない。ユードラジット(登録商標)E−100は、使用者の口の内にある間、医薬品の他の点では不愉快な風味を遮断するのに十分な量で存在する。薬剤対ユードラジット(登録商標)比は、一般に、1対2より少ないか、または等しく、そして特に、約1:1.75である。
ユードラジット(登録商標)E重合体は、ジメチルアミノエチル基を有するメタクリル酸誘導体である。Handbook of Pharmaceutical Excipientsの第4アディッション(addition)によって、ユードラジットEは、ジメチルアミノエチル・メタクリレートと他の中性メタクリル酸エステルに基づいた陽イオン性重合体である。それは、胃液で、並びに弱い酸性緩衝溶液(およそ5のpHまで)で可溶性である。ユードラジットEの構造は、
Figure 2006502156

(式中:R1=R3=CH3
2=CH2CH2N(CH32
4=CH3、C49
としてハンドブックで示される。
実施態様の内の1つでは、風味を遮断された投与形態は、さらに、ユードラジット(登録商標)重合体が塊状になり、したがってノンパレイユ種の上にいっそう均質な表面を生じる傾向を減少させるセルロースエステル、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび色素のような他の添加剤を含みうる。セルロースエステルの適切な例としては、酢酸セルロース、セルロース・アセテート・ブチレート、トリ酢酸セルロース、エチルセルロースおよびその混合物が挙げられる。
適切な不活性コアの例としては、約100ミクロンより大きなサイズを理想的に示す水溶性および水不溶性粒子が挙げられる。投与形態で使用されうる適切な種またはコアの特定の例としては、直接的に圧縮可能な二塩基性リン酸カルシウム;フランス国のロケッテ・フレーレ・エス.エー.(Roquette Freres S.A.)によりパールリトール(PEARLITOL)(登録商標)SD200として市販で入手可能な直接的に圧縮可能なマンニトールのような直接的に圧縮可能な糖;100%微晶性セルロースから製造され、そして糖過敏な使用者らに優れた代替物を供し、そして200から1000ミクロンまでの粒子サイズで入手可能であるエチスファーズ(Ethispheres)(登録商標)として市販で入手可能なもののような微晶性セルロース;および様々の取引名の下に、様々の製造業者らにより市販されるノンパレイユ糖種から製造される不活性コアが挙げられる。これらは、20から2000ミクロンまでの範囲にある様々のサイズで入手可能である。
上の材料の他に、風味を遮断された投与形態は、医薬製剤の技術で周知である希釈剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、風味剤、安定化剤、界面活性剤、滑剤/流動化剤、可塑剤および保存剤のような1種またはそれ以上の医薬上不活性な賦形剤を含みうる。
別の実施態様では、風味を遮断された投与形態の歓迎されない風味の薬剤は、1種またはそれ以上の歓迎されない風味の薬剤と、少量の1種またはそれ以上の陽イオン性重合体、都合により他の添加剤と一緒に、溶液および/または分散液を製造し、そして薬剤の上記の溶液/分散液を、不活性コアに塗布し;そして適切な投与形態に形成することによって製造されうる。さらに、1種またはそれ以上の陽イオン性重合体は、ジメチルアミノエチルアンモニウム基を有しうる。
薬剤の溶液/分散液は、造粒、噴霧被覆、またはコアセルベーション技術のような先行技術で知られるあらゆる従来の技術を使用して、不活性コアに塗布されうる。特に、噴霧被覆技術が使用されうる。
噴霧被覆技術により不活性コアの上に薬剤の溶液/分散液を塗布することは、溶媒中に歓迎されない風味の薬剤および陽イオン性重合体を溶解させ、そしてグラット・フルイド・ベッド・ウルスターHSコーター(Glatt Fluid Bed Wurster HS Coater)のような流動床被覆装置で不活性コア上に溶液を噴霧する段階を含む方法により行われうる。不活性コア粒子の床に空気を通して、それらを流動化させ、そして薬剤−重合体の溶媒溶液を、流動床に噴霧する。床を通過する空気は、塗布されたコア粒子を乾燥させる。その後、薬剤を塗布したコアを、種々の賦形剤、風味剤、および着色剤と合わせて使用して、チュワブルな水分散性または口内溶解性錠剤を作りうる。これらの薬剤を塗布させたコアをカプセルに入れて、スプリンクルカプセルを提供することも、または適切な溶媒に懸濁させて、懸濁液を作ることもできる。
造粒方法による塗布は、高速混合造粒装置または流動床造粒装置を使用した従来の技術によって行われうる。コアセルベーション法による塗布については、均一化装置を使用しうる。
薬剤の溶液/分散液の製造のために使用される適切な有機溶媒の例としては、アセトン、メタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水およびその混合液が挙げられる。他の例としては、n−ブチルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、モノブチルエーテル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコール、トルエンおよびその混合液が挙げられる。
以下の実施例は、本発明をさらに例示し、そして本発明の範囲を限定することが意図されない。
実施例1
Figure 2006502156
方法:
秤量された量のトピラメート、ユードラジット(登録商標)EPOおよびエチルセルロースを、適切な量のイソプロピルアルコール/水混合液に溶解させて、薬剤−重合体溶液を製造した。その後、タルクおよび二酸化チタンを、上の溶液に添加した。ノンパレイユ種を、グラット・フルイド・ベッド・ウルスターHSコーターに入れて、薬剤重合体溶液を、その上に噴霧した。得られた被覆ビーズを、24時間室温に維持することによって、その被覆ビーズを、硬化させた。これらの被覆ビーズを、硬質ゼラチンカプセルに充填させた。実施例1の配合は、15対26(すなわち、1対1.733)の薬剤(トピリメート(topirimate))対陽イオン性重合体(ユードラジット(登録商標)EPO)の比を示した。
実施例2
Figure 2006502156
方法:
秤量された量のデスロラタジン、ユードラジット(登録商標)EPOおよびエチルセルロースを、適切な量のイソプロピルアルコール/水混合液に溶解させて、薬剤−重合体溶液を製造した。その後、タルクを上の溶液に添加した。ノンパレイユ種を、グラット・フルイド・ベッド・ウルスターHSコーターに入れて、薬剤−重合体溶液を、その上に噴霧した。得られた被覆ビーズを、24時間室温に維持することによって、その被覆ビーズを、硬化させた。これらの被覆ビーズを、硬質ゼラチンカプセルに充填させた。実施例2の配合は、5.05対7.50(すなわち、1対1.49)の薬剤(デスロラタジン)対陽イオン性重合体(ユードラジット(登録商標)EPO)の比を示した。
実施例3
Figure 2006502156
方法:
実施例3の製剤を生成する方法は、実施例2のために使用されたものと同じであった。実施例3の配合は、20.2対30.0(すなわち、1対1.49)の薬剤(デスロラタジン)対陽イオン性重合体(ユードラジット(登録商標)EPO)の比を示した。
本発明の数種の特定の形態が記述された一方で、その文書で詳述された本発明の種々の修飾および組合わせは、本発明の概念および範囲から逸脱することなく行われうることは明らかである。最終的に、ここで記述された発明の多様な任意の特徴や単純な特徴の組み合わせは、明確に請求項から除外されたものではない。従って、本発明は、請求項に記載された範囲に限定されるものではない。

Claims (40)

  1. 薬剤対重合体の重量/重量比は、約1対2より少ない、1種またはそれ以上の薬剤、およびジメチルアミノエチルメタクリレートおよび中性メタクリル酸エステルから合成される1種またはそれ以上の陽イオン性重合体を包含する風味を遮断された医薬上の投与形態。
  2. 薬剤対重合体の重量/重量比は、およそ1:1.7より少ない、請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  3. 薬剤対重合体の重量/重量比は、およそ1:1.5より少ない、請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  4. 薬剤は、1種またはそれ以上のH2受容体拮抗薬、抗生物質、鎮痛薬、心臓血管剤、ペプチドまたはタンパク質、ホルモン、抗片頭痛剤、抗凝固剤、抗催吐剤、抗高血圧剤、麻酔性拮抗薬、キレート剤、抗狭心症剤、化学療法剤、鎮静薬、抗新生物剤、プロスタグランジン、勃起性機能不全のための薬剤、中枢神経系に作用する薬剤、抗下痢および抗利尿剤を包含する請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  5. 薬剤は、1種またはそれ以上のニザチジン、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ロキサチジン、エチニジン、ルピチジン、ニフェンチジン、ニペリトン、スルホチジン、ツバチジン、ザルチジン、エリソマイシン、ペニシリン、アンピシリン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、シリウム、シプロフロキサシン、セオフィリン、ニフェジピン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ケトプロフェン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、デキシブプロフェン・リシネート、フルルビプロフェン、ナプロキセン、コデイン、モルフィン、ナトリウム・ジクロフェナック、アセチルサリチル酸、カフェイン、シュードエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、ジフェンヒドラミン、クロロフェニラミン、デキストロメソルファン、ベルベリン、メフェナム酸、フルフェナム酸、アステミゾール、テルフェナジン、フェニトイン、ギアフェネシン、N−アセチルプロカインアミドHClおよびその医薬上許容しうる塩または誘導体を包含する請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  6. 薬剤は、1種またはそれ以上の歓迎されない風味の薬剤を包含する請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  7. 薬剤は、低用量の薬剤を包含する請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  8. 低用量の薬剤は、1種またはそれ以上のエナラプリル、ロラゼパム、ゾルミトリプタン、ドムペリドン、セレギリン、オンダンセトロン、ミルタゼピン、硫酸ヒヨシアミン(hyosyamine)、リスペリドン、シタロプラム、オランザピン、リザトリプタン、ピロキシカム、デスロラタジン、セチリジン、ロペラミド、シルデナフィル、トピラメート、およびその医薬上許容しうる塩または誘導体を包含する請求項7に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  9. 陽イオン性重合体は、ジメチルアミノエチル基を含む請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  10. 陽イオン性重合体は、以下の式:
    Figure 2006502156
    (式中:R1=R3=CH3
    2=CH2CH2N(CH32
    4=CH3、C49
    を示す請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  11. 陽イオン性重合体は、ユードラジット(登録商標)として市販で入手可能な重合体を包含する請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  12. ユードラジット(登録商標)は、ユードラジット(登録商標)E−100およびユードラジット(登録商標)EPOの一方または両方を包含する請求項11に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  13. ユードラジット(登録商標)は、ユードラジット(登録商標)E−100を含む請求項12に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  14. ユードラジット(登録商標)は、ユードラジット(登録商標)EPOを含む請求項12に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  15. 投与形態は、さらに、他の添加剤を含む請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  16. 添加剤は、1種またはそれ以上のセルロースエステル、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび色素を包含する請求項15に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  17. セルロースエステルは、1種またはそれ以上の酢酸セルロース、セルロース・アセテート・ブチラート、トリ酢酸セルロース、エチルセルロースおよびそれらの混合物を包含する請求項16に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  18. 薬剤溶液/分散液は、水溶性または水不溶性の不活性コアの上に被覆される請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  19. 水溶性または水不溶性不活性コアは、1種またはそれ以上の直接的に圧縮可能な二塩基性リン酸カルシウム、直接的に圧縮可能な糖、微晶性セルロース、およびノンパレイユ糖種を包含する請求項18に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  20. 不活性コアは、直接的に圧縮可能なマンニトールを包含する請求項19に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  21. 不活性コアは、約100ミクロンより大きな粒子サイズを示す請求項18に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  22. 投与形態は、スプリンクル、チュワブル錠剤、口内溶解性錠剤、水分散性錠剤、起沸性錠剤および懸濁液より構成される群から選択される請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  23. 溶液形態は、さらに、1種またはそれ以上の医薬上の不活性賦形剤を含む請求項1に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  24. 1種またはそれ以上の医薬上の不活性賦形剤は、1種またはそれ以上の希釈剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、風味剤、安定化剤、界面活性剤、滑剤、流動化剤、可塑剤および保存剤を包含する請求項23に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  25. 溶媒中に1種またはそれ以上の薬剤および1種またはそれ以上の陽イオン性重合体を溶解または分散させ;そして
    不活性コアの上に1種またはそれ以上の薬剤および1種またはそれ以上の陽イオン性重合体の溶液および/または分散液を塗布することを包含し、
    1種またはそれ以上の陽イオン性重合体が、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよび中性メタクリル酸エステルから合成され、そして投与形態中の薬剤対重合体の重量/重量比が、約1対2より少ない、1種またはそれ以上の歓迎されない風味の薬剤の風味を遮断された投与形態の製剤の方法。
  26. 不活性コア上に薬剤溶液/分散液を塗布するのは、造粒、噴霧被覆またはコアセルベーション技術の内の1つまたはそれ以上によって行われる請求項25に記載の方法。
  27. 不活性コア上に薬剤溶液/分散液を塗布するのは、噴霧被覆によって行われる請求項25に記載の方法。
  28. 不活性コア上に薬剤溶液/分散液を塗布するのは、造粒によって行われる請求項25に記載の方法。
  29. 不活性コア上に薬剤溶液/分散液を塗布するのは、コアセルベーションによって行われる請求項25に記載の方法。
  30. 有機溶媒は、アセトン、メタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水、n−ブチルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、モノブチルエーテル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコール、トルエンおよびその混合液の内の1種またはそれ以上を包含する請求項25に記載の方法。
  31. 陽イオン性重合体は、ジメチルアミノエチル基を含む請求項25に記載の方法。
  32. 陽イオン性重合体は、以下の式:
    Figure 2006502156
    (式中:R1=R3=CH3
    2=CH2CH2N(CH32
    4=CH3、C49
    を示す請求項25記載の方法。
  33. 陽イオン性重合体は、ユードラジット(登録商標)として市販で入手可能な重合体を包含する請求項25に記載の方法。
  34. ユードラジット(登録商標)は、ユードラジット(登録商標)E−100およびユードラジット(登録商標)EPOの一方または両方を包含する請求項25に記載の方法。
  35. 不活性コア;
    1種またはそれ以上の薬剤;および
    1種またはそれ以上の陽イオン性重合体を包含し、
    1種またはそれ以上の陽イオン性重合体が、ジメチルアミノエチル・メタクリレートおよび中性メタクリル酸エステルから合成され、1種またはそれ以上の薬剤および1種またはそれ以上の陽イオン性重合体が、不活性コアの周囲に層を形成し、そして投与形態中の薬剤対重合体の重量/重量比は、約1対2より少ない、風味を遮断された医薬上の投与形態。
  36. 陽イオン性重合体は、ジメチルアミノエチル基を含む請求項35に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  37. 陽イオン性重合体は、以下の式:
    Figure 2006502156

    (式中:R1=R3=CH3
    2=CH2CH2N(CH32
    4=CH3、C49
    を示す請求項35に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  38. 陽イオン性重合体は、ユードラジット(登録商標)として市販で入手可能な重合体を包含する請求項35に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  39. ユードラジット(登録商標)は、ユードラジット(登録商標)E−100およびユードラジット(登録商標)EPOの一方または両方を包含する請求項35に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
  40. 不活性コアが、1種またはそれ以上の直接的に圧縮可能な二塩基性リン酸カルシウム、直接的に圧縮可能な糖、微晶性セルロース、およびノンパレイユ糖種を包含する請求項35に記載の風味を遮断された医薬上の投与形態。
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