JP2006501274A - オキシカルバゼピンおよびその誘導体の改良放出製剤 - Google Patents

オキシカルバゼピンおよびその誘導体の改良放出製剤 Download PDF

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Abstract

オキシカルバゼピンを含んで成る1日1回の経口投与形態を開示する。

Description

発明の詳細な説明
技術分野
本発明は、オキシカルバゼピン(以下に「本発明化合物」と称す)の製剤に関する。
背景技術
オキシカルバゼピン(本明細書においてOXCとも称す)は抗痙攣薬である。オキシカルバゼピンおよびその医薬上許容される塩の製造は、たとえば、ドイツ特許第2011087号(出典明示により本願の一部とする。)に記載されている。オキシカルバゼピンを製造する工業的に有利な方法はヨーロッパ特許第28028号に開示されており、そこでは5−カルバモイル−10−アミノ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピンを加水分解することによってオキシカルバゼピンを得ている。たとえば、5−シアノ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピンをニトロ化し、得られたニトロ誘導体を5−カルバモイル誘導体に加水分解し、ニトロ部分を還元し、還元生成物をオキシカルバゼピンに加水分解している。この特許を、出典明示により本願の一部とする。オキシカルバゼピンは、成人および6歳以上の小児における二次性全身性強直・間代発作を伴うかまたは伴わない部分発作兆候の治療用に、単一療法または補助療法として用いられている。本発明化合物は、たとえばTrileptal(商標)の登録商標で、即時放出製剤として十年以上にわたって市販されている。広範囲な臨床経験により、本発明化合物は、単一療法への切り替えのための初期単一療法において、および補助療法として、部分発作兆候を有する成人および小児の治療用の有効な抗痙攣薬であることが示されている。
単一療法に関して、オキシカルバゼピンは1日に2回の分割量で投与して、600mg/日(8〜10mg/kg/日)の用量で開始できる。治療効果は600mg/日〜2400mg/日の用量において見られる。抗痙攣薬(AED)で現在治療されていない患者における管理単一療法試験は、1200mg/日が有効な用量であることを示したが、他のAEDからオキシカルバゼピン単一療法に切り替えたより治療不応性の患者においては、2400mg/日の用量が有効であることが示されている。
補助療法に関しては、オキシカルバゼピンは1日に2回の分割量で投与して、600mg/日(8〜10mg/kg/日)の用量で開始できる。治療反応は600mg/日〜2400mg/日の用量において見られる。小児の場合、約30mg/kg/日の維持用量の中央値において治療効果が見られる。
オキシカルバゼピンは、水に実質的に不溶性である。それは、完全に(>95%)吸収され、還元によって広範囲に代謝されて、医薬的に活性な代謝産物オキシカルバゼピンのモノヒドロキシ誘導体(10,11−ジヒドロ−10−ヒドロキシ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5−カルボキサミド)(本明細書においてMHDと称される)になる。ヒトにおける薬物動態調査は、オキシカルバゼピンのMHDへの生体内変化がほぼ完了していることを基礎として、MHDの血漿濃度の測定に依存する。
OXCおよびMHDがそれらの抗痙攣作用を発揮するメカニズムは充分に解明されていないが、ニューロン膜を横切って流れるイオンへの作用に部分的に起因すると考えられる。特に、OXCおよびMHDは、脳における電位依存性ナトリウムチャンネルを調節することが示されている。
しかし、本発明化合物の薬物動態および吸収部位およびメカニズムは、詳しくは分かっていない。
本発明化合物の現在使用しうる経口投与形態、たとえば薄膜被覆錠剤および液体投与形態、たとえば6%経口懸濁剤は、長期治療期間にわたる反復投与によって、血中における本発明化合物の適正濃度を確保するのに好適である。
既知の経口投与形態の長所にもかかわらず、本発明化合物の既存経口投与形態を改良することが現在も必要とされている。生じうる問題の1つは、反復投与における、本発明化合物の血中濃度の変動であり、これは副作用を伴う場合がある。
徹底した試験後に、驚いたことに、有利な特性を有する、たとえば24時間にわたってMHDの定血漿濃度を生じる、本発明化合物の経口投与形態を我々は見出した。
発明の要旨
1つの態様において、本発明は、1日に1回投与するように適合させたオキシカルバゼピンを含んで成る経口投与形態(以下に「本発明の経口投与形態」と称す)を提供する。
本発明の経口投与形態は、患者が使用するのにより簡便および/またはより安全であり、治療に対する患者のコンプライアンスを高めるという点で、現在市販されている経口投与形態よりかなり有利である。患者は、1日に1回だけ本発明の経口投与形態を摂取するだけでよい。
他の態様において、本発明は、1日に1回投与した場合に、24時間にわたって定MHD血漿濃度を生じるように放出されるオキシカルバゼピンを含んで成る経口投与形態を提供する。
発明の詳細な説明
下記の態様は、特に関心の持たれる特性を有する。
本発明の1つの態様において、本発明の経口投与形態は錠剤コアおよび被覆物から成り、コアは、オキシカルバゼピン、所望により、増量剤、およびセルロースエーテル、スクロースまたはペンタエリスリトールのアルキルエーテルと架橋したアクリル酸のカルボキシビニルポリマーおよびポリメタクリレートから選択される少なくとも1つの他の賦形剤を含んで成る。
1つの態様(以下に、変形1)において、投与形態は、インビトロ溶解試験において標準で示した場合に、1時間以内にオキシカルバゼピン用量の80%またはそれ以上の放出を示し、該試験は、たとえば、下記のように行われる:600mgの投与形態について、1%の濃度でドデシル硫酸ナトリウムを可溶化剤として使用し、水中で60rpmの攪拌速度で、37℃においてUSPの装置2(Rotary Paddle)を使用して行い、6またはそれ以上、たとえば10の投与形態の平均に基づく(以下に、「本発明のインビトロオキシカルバゼピン試験溶解条件」と称す)。
最小放出速度の例は、下記の通りである:
0.5時間以内に(試験の開始後)、
a) 68%または
b) 80%。
最大放出速度の例は、下記の通りである:
1時間以内に(試験の開始後)、
a) 84%または
b) 91%。
一般的な放出速度の例は、下記の通りである:
0.5時間 70〜85%または
1時間 80〜95%。
他の態様(以下に、変形2)において、投与形態は、たとえば本発明のインビトロオキシカルバゼピン試験溶解条件において、標準で示した場合に、4時間で40%またはそれ以上の放出、または4時間で用量の80%またはそれ以下の放出を示す。好ましくは、放出は8時間後に80%以下である。
最小放出速度の例は、下記の通りである:
4時間以内に(試験の開始後)、
a) 30%または
b) 37%。
最大放出速度の例は、下記の通りである:
8時間以内に(試験の開始後)、
a) 75%または
b) 80%。
一般的な放出速度の例は、下記の通りである:
a) 12時間 75〜90%
b) 8時間 60〜70%。
他の態様(以下に、変形3)において、投与形態は、たとえば本発明のインビトロオキシカルバゼピン試験溶解条件において、標準で示した場合に、たとえば経口浸透圧系から、4時間またはそれ以上にわたって定放出速度でオキシカルバゼピンを放出する。好ましくは、放出は8時間後に約80%である。
そのような定放出は、経口浸透圧系に一般に関係し、たとえば4時間にわたって1時間につき30%未満で変化する。
一般的な放出速度の例は、下記の通りである:
a) 12時間 80〜90%
b) 8時間 75〜90%。
本発明化合物、すなわちOXCおよびMHDの吸収プロフィールは、単一用量または定常状態において、血中薬物濃度時間曲線下面積(AUC)を測定することによって定量化しうる。
MHDの定血漿濃度は、MHDの血漿濃度が低い変動示数を示すことを示す。MHDの最小濃度(Cmin)および最大血漿濃度(Cmax)は狭い範囲に維持される。CminとCmaxとの変動を測定するために、MHD濃度を定常状態で測定し、変動指数を計算する:(Cmax−Cmin)/Cav[式中、Cmaxは最大濃度であり、Cminは最小濃度であり、Cavは、特定の時間間隔、たとえば24時間で、定常状態において観測した平均濃度である]。
一般に、1日に1回投与される即時放出オキシカルバゼピン600mg用量の変動指数は、約40%である。したがって、本発明の経口投与形態は、即時放出経口投与形態の600mg用量の変動指数値として、たとえば、約20%〜約60%、好ましくは30%〜50%を有すると考えられ、そのような数値は「低変動指数」である。
CminとCmaxの低変動は、患者に毒性になりうるMHD血漿濃度のピーク値を避けることができる。低変動は、オキシカルバゼピンで治療されている患者に、より高い許容性および安全性を与えうる。
1日に2回投与された本発明化合物は、初めの3時間でMHD血漿濃度の増加を生じ、次に、12時間後にオキシカルバゼピンを再投与するときまで減少することを我々は見出した。この変動により、治療的に有効な濃度に達するまでに血漿濃度が減少した場合、本発明化合物の抗痙攣作用が維持されず、重度副作用として発作が起こりうる。この変動は、薬剤を1日に1回投与した場合に24時間にわたってMHDの定血漿濃度を達成することによって、本発明の経口投与形態によって減少しうる。
本発明化合物の従来の急速放出形態は、1日に1回投与した場合に24時間にわたってMHDの定血漿濃度を達成するのに適していない。本願発明者らは、徐放性を与える経口投与形態を見出した。これらの徐放性形態は、1日に1回投与した場合に24時間にわたって定血漿濃度を与えることができ、治療的に有効である。
ガレヌス成分
広範囲な徐放性ガレヌス成分を使用して、1日1回の投与を達成しうる。徐放系は、長期間にわたって薬剤の遅延または緩慢放出を達成するあらゆる薬剤輸送系を包含する。好ましい徐放系は下記のものである:
I) 侵食性(erodible)マトリックス系
II) 被覆系
III) 浸透圧系。
本発明の1つの局面において、徐放系はマトリックスの形態であってよい。該マトリックスに分散させた本発明化合物の放出を改質するマトリックスの形態に、賦形剤を形成しうる。
他の態様において、本発明化合物の放出を改質するポリマーで本発明化合物を被覆し、それは本明細書において被覆系と称される。被覆する前に、本発明化合物を種々の量の賦形剤と混合しうる。
他の態様において、使用中に水を吸収し、水性液に本発明化合物を定速で放出するように設計された経口浸透圧性投与形態(浸透圧系)として、本発明化合物を配合する。
必要であれば、本発明化合物の即時放出系を徐放系と混合しうる。たとえば、崩壊および侵食性錠剤を配合して、食物作用を減少しうる。急速/緩慢錠剤を配合して、AUCの損失なしに、定血漿濃度が得られる。即時放出系および放出系の組み合わせは、MHDの定血漿濃度を与えうる。
必要であれば、本発明化合物の放出を改質するために、該化合物を、10またはそれ以上のHLB値を有するのが好ましい界面活性剤、特にイオン界面活性剤、たとえばドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、または下記の他の界面活性剤と混合しうる。
化合物の放出を改質する被覆材料、特にメタクリレート、たとえばトリメチルアンモニウムメタクリレートおよびセルロースエーテル、たとえばエチルセルロースを使用しうる。
浸透圧系は、本発明化合物および賦形剤を含有するコア、該コアのまわりの水および胃腸液透過性の半透過壁、および該コアを外部環境とつなぐ該半透過壁を貫通する穴を有して成る。
たとえば、約2〜12μmの平均粒度を有する微粉形態であるのが好ましい本発明化合物および賦形剤を含んで成る即時放出系を、徐放性製剤と組み合わせてもよい。
組み合わせは、即時放出系およびマトリックス系を含んで成る二層錠剤であってよく、該マトリックス系において、本発明化合物、たとえばオキシカルバゼピンを、界面活性剤、たとえば硫酸モノドデシルエステルナトリウム塩としても既知のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)と混合させる。
二層錠剤は、本発明化合物、たとえばオキシカルバゼピンの2用量を含んで成ってよく、1つの部分は徐放用量を与え、もう1つの部分は即時放出用量を与えるように適合させる。即時放出とは、本発明のインビトロオキシカルバゼピン試験溶解条件下に、0.5時間以内で用量の少なくとも90%の放出、および1.5時間以内で用量の100%の放出を意味する。徐放とは、本発明のインビトロオキシカルバゼピン試験溶解条件下に、0.5時間以内で用量の少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、および85%以下の放出、1時間以内で用量の少なくとも80%、および95%以下の放出、3時間以内で用量の少なくとも95%の放出を意味する。
二層錠剤は、異なる放出プロフィールを有する分離層を有する錠剤を含みうる。1つの内層は、本発明化合物の徐放用量を与えるように適合させたコアを構成する本発明化合物の製剤を含み、外層は、本発明化合物の即時放出を与えるように適合させうる。
本発明の他の態様は、即時放出系と、本発明化合物をメタクリレートで被覆した被覆系との組み合わせから成る。
都合のよいことに、本発明の固体投与形態は、従来の錠剤形成法を使用して、たとえば従来の錠剤形成賦形剤と共に、本発明化合物を圧縮し、次に、コアを被覆することによって製造しうる。錠剤コアは、従来の粒状化法、たとえば湿式または乾式粒状化によって、微粒を任意に微粉砕し、次に、圧縮し、被覆して製造することができる。粒状化法は、たとえば、R. Voigt, Lehrbuch der Pharmazeutischen Technologie, Verlag Chemie, 第6版, p.156−169に記載されている。微粒は、それ自体で既知の方法、たとえば、「ビルドアップ」微粒または「ブロークンダウン」微粒の製造に関して既知の湿式粒状化法を使用して、製造しうる。ビルドアップ微粒の形成法は、たとえば、ドラムグラニュレーター、パングラニュレーター、ディスクグラニュレーター、流動床において、吹付乾燥または吹付凝固によって、同時に、粒状化素材に粒状化溶液を吹付けし乾燥することを含むか、または、たとえば、流動床、バッチミキサーまたは吹付乾燥ドラムにおいて、不連続的に行われる。
回分的に行えるブロークンダウン微粒製造法が好ましい。先ず、粒状化溶液を使用して粒状化素材を湿った凝集物にし、次に、該凝集物を所望の粒度の微粒に微粉砕するかまたは形成し、次に、微粒を乾燥する。粒状化工程に好適な装置は、遊星形ミキサー、低および高剪断ミキサー、押出機および球状化機(spheronisers)を包含する湿式粒状化装置である。
粒状化素材は、微粉砕した、好ましくは粉砕した本発明化合物および賦形剤を含有しうる。
使用する方法に依存して、粒状化素材は、プレミックスの形態であってもよく、または、たとえば、本発明化合物を1つまたはそれ以上の賦形剤と混合することによって得てもよい。湿った微粒を、たとえば、トレー乾燥(tray drying)によるかまたは流動床において前記の方法で乾燥するのが好ましい。
本発明化合物は、貯蔵および被覆の際に変色する傾向を示し、たとえば、一重または二重薄膜被覆物が、あらゆる変色を防止するのに有効であると考えられる。したがって、本発明は、他の局面において、変色に対して安定性の固体経口投与形態を提供する。好ましくは、変色に対して安定性の経口投与形態は、25℃の温度および60℃の相対湿度において少なくとも3年間にわたってそのような安定性を維持する。
本発明の経口投与形態において、着色剤、たとえば顔料を使用することが、変色を防止するのに有利な場合がある。錠剤の場合、コアにおいて着色剤を本発明化合物および錠剤形成賦形剤と混合するか、または着色剤を被覆組成物だけか、またはコアおよび被覆組成物の両方に存在させてよい。
本発明の好ましい態様において、経口投与形態は、薄膜被覆錠剤の形態であってよい。一般に、薄膜は胃液に可溶性であり、本発明化合物投与形態600mgにつき約20mgである。
本発明の経口投与形態は、本発明化合物の他に、製剤の正確な種類に依存して従来の賦形剤を含有しうる。好適な種類の賦形剤は、増量剤、滑沢剤、薄膜被覆剤、結合剤、流動促進剤(glidant)、可溶化剤、界面活性物質および崩壊剤を包含する。
文献、たとえば、Fiedlerの「Lexikon der Hilfstoffe」、第4版、ECV Aulendorfおよび「Handbook of Pharmaceutical Excipients」、WadeおよびWeller、第3版(2000)(それらの内容を、出典明示により本願の一部とする)に記載されている賦形剤を、本発明の医薬組成物に使用しうる。賦形剤は、投与形態の重量の40%未満であるのが簡便である。
特定の賦形剤が、本発明の経口投与形態において特に関心の持たれる特性を示すことを我々は見出し、そのような賦形剤の例は下記のものである:
a) セルロースエーテル、たとえば
i) ヒドロキシプロピルメチルセルロース、たとえば
好ましくは、たとえば重量比約1:3〜約1:8の、粘度80000〜120000mPasのMethocel K 100およびCellulose HPM 100T;
約4000mPasの2%水性粘度、メトキシル分26〜30%およびヒドロキシプロピル分7〜12%を有するMethocel HG;
約4,000mPasの2%水性粘度、数平均分子量約90,000、メトキシル分28.0〜30.0%およびヒドロキシプロピル分7.0〜12.0%または当量、たとえば10〜20%/錠剤を有するCRグレードMethocel E−4M;
約50mPasの2%水性粘度、数平均分子量約20,000、メトキシル分28.0〜30.0%およびヒドロキシプロピル分7.0〜12.0%または当量(たとえば、10〜20wt%/錠剤)のMethocel E−50 Premium。
全ヒドロキシプロピルメチルセルロース/本発明化合物の好ましい重量比は、約1:10〜約1:20である。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)ポリマーは、単独かまたは他の物質と組み合わせて、薬剤の放出を改質するマトリックス成分として使用しうる。HPMCポリマーを含有する本発明の経口投与形態は、胃の水性媒質への曝露時にゼラチン状マトリックスを形成することによって薬剤放出を延長しうる(該ゼラチン状マトリックスは、胃の水性媒質の投与形態への滲入を妨げるかまたは遅らせ、それによってその急速な崩壊を妨げる)。ゲルマトリックスは、HPMCポリマーの水和の結果として形成しうる。オキシカルバゼピン、HPMCと組み合した賦形剤を含んで成る本発明の経口投与形態の貯蔵の間に、重大な不安定性の問題は生じないと考えられる。
マトリックス成分として使用するのに好ましい賦形剤は、セルロースエーテル生成物、たとえばメチルセルロースおよびヒプロメロースである。そのようなヒプロメロース生成物は製造でき、その製造において、塩化メチルに加えてプロピレンオキシドを使用して、セルロースのアンヒドログルコース単位上にヒドロキシプロピル置換を得る。この置換基−OCHCH(OH)−CHは、2番炭素上に第二ヒドロキシルを有し、セルロースのプロピレングリコールエーテルを形成することも考えられる。これらの生成物は、ヒドロキシプロピルおよびメチル置換の種々の比率を有し、それは、水性溶液の有機溶解性および熱ゲル化温度に影響を与える要因である。粘度は好ましくは1000〜10000cpsである。
そのような生成物は、米国のDow Chemical社から入手できるMethocel製品を包含する。代替物は、30wt%エチルセルロース分散系としてFMC社から入手できるAquacoatのようなエチルセルロースである。
好ましくは、セルロースエーテル生成物/本発明化合物の重量比は、たとえば約1:1〜約1:20である。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(前記)は好ましい賦形剤であり、たとえば、Pharmacoat(登録商標)603(Fiedlerの前記文献p.1172)として入手できる粘度約3mPasを有するCellulose HPM 603の品質が好ましい。それは結合剤としても機能しうる。ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体は、分子量10,000〜1,500,000ダルトンを有するのが好ましい。
ii) エチルセルロース、たとえば、約7cpsの2%水性粘度、エトキシル分44.0〜51.0%または当量、たとえば7〜10%を有するEthocel Premium 7cps。したがって、本発明は、エチルセルロースであるセルロースエーテルを使用し、全エチルセルロースとオキシカルバゼピンの重量比が約1:10〜約1:20である本発明の経口投与形態を提供する。
iii) ヒドロキシプロピルセルロース、たとえば、約100cpsの5%粘度、ヒドロキシプロポキシル分約54〜77%または当量(たとえば、0.5〜5wt%/錠剤)を有するKlucel LF、またはヒドロキシエチルセルロース(HEC)。
ヒドロキシプロピルセルロースは、たとえば、ヒドロキシプロピル分5〜16wt%、分子量80,000〜1,150,000、特に140,000〜850,000を有するヒドロキシプロピルセルロースであってよい。
b) カルボマー;スクロースまたはペンタエリスリトールのアルキルエーテルと架橋したアクリル酸のカルボキシビニルポリマー、たとえば、約37,000mPasの0.5%水性粘度を有するCarbopol 934P(たとえば、0.01〜1wt%/錠剤)。
c) Polysorbate 80、たとえば、ソルビタン、モノ−9−オクタデカノエート、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)誘導体であるTween 80(たとえば、1〜5wt%/錠剤)。
d) ポリメタクリレート、たとえばトリメチルアンモニウムメタクリレート、特に、Eudragit(商標)の銘柄で市販されている医薬用ポリメタクリレート。
他の結合剤の例は、下記のものである:
分子量30,000〜120,000のデンプン、たとえば、馬鈴薯デンプン、小麦デンプン、トウモロコシデンプン;
平均分子量約1000および重合度約500〜2500を特に有するポリビニルピロリドン、たとえばPovidone;および
分子量≧100,000ダルトンを有するポリメチルアクリレート、たとえば、Euragit RL 30D(Handbook of Pharmaceutical Excipients、前記文献p.402)として既知のアクリルまたはメタクリル酸エステルの共重合体。
微結晶性セルロースが存在することが好ましい。それは増量剤として使用しうる。その例は、下記のものである:Avicel(登録商標)型(FMC Corp.)、たとえば、AVICEL PH101、102、105、RC581またはRC591型(Fiedlerの前記文献p.216)、Emcocel(登録商標)型(Mendell Corp.)、Elcema(登録商標)型(Degussa)、Filtrak(登録商標)型、Heweten(登録商標)型またはPharmacel(登録商標)。
したがって、本発明は、微結晶性セルロースを増量剤として含んで成る本発明の経口投与形態を提供する。
他の好ましい増量剤は、たとえば、特に流動調節特性(flow−conditioning properties)を所望により有していてもよい微粉増量剤であり、下記のものを包含する:炭水化物、たとえば、糖、糖アルコール、デンプンまたはデンプン誘導体、たとえば、ラクトース、デキストロース、サッカロース、グルコース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、馬鈴薯デンプン、トウモロコシデンプン、米デンプン、小麦デンプンまたはアミロペクチン、リン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム。
好ましくは、増量剤は、(微結晶性セルロースまたは増量剤)/(本発明化合物、たとえばオキシカルバゼピン)の重量比約1:10〜約1:30で存在する。ポリビニル−ポリピリリドンが存在するのが好ましい。それは崩壊剤として都合よく機能する。好ましい例は、架橋ポリビニルピロリドン、たとえばクロスポビドン、たとえば、Polyplasdone(登録商標)XL(Fiedlerの前記文献p.1245)およびKollidon(登録商標)CL崩壊剤である。他の崩壊剤の例は、下記のものである:(i)天然デンプン、たとえば、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン等、直接圧縮性デンプン、たとえばSta−rx(登録商標)1500、改質デンプン、たとえば、Primojel(登録商標)、Explotab(登録商標)、Explosol(登録商標)として入手できるカルボキシメチルデンプンおよびナトリウムデンプングリコレート(sodium starch glycolate)、およびデンプン誘導体、たとえばアミロース;(ii)たとえばAc−di−sol(登録商標)、Primellose(登録商標)、Pharmacel(登録商標)XL、Explocel(登録商標)およびNymcel(登録商標)ZSXとして入手できる架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース;(iii)アルギン酸およびアルギン酸ナトリウム;(iv)メタクリル酸−ジビニルベンゼン共重合体塩、たとえばAmberlite(登録商標)IRF−88;および、(vi)ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、アルギン酸およびアルギン酸塩。
コロイドシリカ、たとえばAerosil 200(Fiedlerの前記文献、p.117)が存在することが好ましい場合がある。これらは、流動促進剤として機能しうる。他の流動促進剤の例は下記のものである:シリカ、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルクおよび第三リン酸カルシウム。
ステアリン酸マグネシウムは好ましい賦形剤である。それは滑沢剤として機能しうる。他の滑沢剤の例は下記のものである:ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、タルク、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、安息香酸ナトリウム、Duponol C(Fiedlerの前記文献、p.517)として入手できる硫酸モノドデシルエステルナトリウム塩としても既知のドデシル硫酸ナトリウム、鉱油、およびポリオキシエチレンモノステアレート。滑沢剤の組み合わせも使用しうる。
硫酸アルキルが存在することも好ましい。それは界面活性剤として機能しうる。好ましい例は、ドデシル硫酸ナトリウム(n−テトラデシルスルフェート、n−ヘキサデシルスルフェートまたはn−オクタデシルスルフェート、たとえば、ナトリウム、カリウムまたはマグネシウムn−ドデシルスルフェート。ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)は、たとえばDuponol C(Fiedlerの前記文献、p.517)として入手できる。
アニオン型の他の界面活性剤は、下記のものを包含する:アルキルエーテルスルフェート型、たとえば、ナトリウム、カリウムまたはマグネシウムn−ドデシルオキシエチルスルフェート、n−テトラデシルオキシエチルスルフェート、n−ヘキサデシルオキシエチルスルフェートまたはn−オクタデシルオキシエチルスルフェート、またはアルカンスルホネート型、たとえば、ナトリウム、カリウムまたはマグネシウムn−ドデカンスルホネート、n−テトラデカンスルホネート、n−ヘキサデカンスルホネートまたはn−オクタデカンスルホネート。
必要であれば、下記のような非イオン界面活性剤を使用してよい:脂肪酸ポリヒドロキシアルコールエステル型、たとえば、ソルビタンモノラウレート、モノオレエート、モノステアレートまたはモノパルミテート、ソルビタントリステアレートまたはトリオレエート、脂肪酸ポリヒドロキシアルコールエステルのポリオキシエチレン付加物、たとえば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、モノオレエート、モノステアレート、モノパルミテート、トリステアレートまたはトリオレエート、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、たとえば、ポリオキシエチルステアレート、ポリエチレングリコール400ステアレート、ポリエチレングリコール2000ステアレート、特に、Pluronics(登録商標)(BWC)またはSynperonic(登録商標)(ICI)型のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー。他の界面活性剤の例は下記のものである:ホスファチド、たとえば、レシチン、アカシア、トラガカント、ポリオキシエチル化ソルビタンモノオレエート、および他のソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル、ポリオキシエチル化脂肪、ポリオキシエチル化オレオトリグリセリド、リノリゼーテッド(linolizated)オレオトリグリセリド、脂肪アルコール、アルキルフェノールまたは脂肪酸のポリエチレンオキシド縮合生成物、または1−メチル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリドン−(2)。「ポリオキシエチル化」は、重合度が一般に2〜40、特に10〜20であるポリオキシエチレン鎖を該物質が含有することを意味する。
好ましくは、界面活性剤/本発明化合物の重量比は、約1:50〜約1:500である。
本発明化合物の微粒を被覆してもよい。好ましい被覆材料は、メタクリレート、たとえば、Eudragit RTM, RSおよびRL、またはエチルセルロース、たとえばAqucoatである。好ましくは、重量比は約1:10〜1:20である。
好適な被覆材料は、錠剤、顆粒剤等を被覆するのに一般に使用される材料を包含する。1つ群の態様において、被覆物は水溶性である。他の群の態様において、被覆物は、耐胃液性であるが、腸液に可溶性である。被覆材料は、被覆製剤に一般的な他の賦形剤と混合して使用してよく、そのような賦形剤は、たとえば下記のものである:二酸化珪素、たとえば、Syloid(登録商標)型(Grace)の合成非晶質ケイ酸、たとえばSYLOID 244 FP、ソルベートまたは可塑剤、たとえばクエン酸トリエチル、たとえばCitroflex(登録商標)(Pfizer)、トリアセチン、種々のフタル酸エステル、たとえば、ジエチルまたはジブチルフタレート、Myvacet(登録商標)型(Eastman)の混合モノ−またはジ−グリセリド、たとえばMYVACET 9−40、分子量がたとえば約6000〜8000のポリエチレングリコール、およびPluronic(登録商標)(BASF)またはSynperonic(登録商標)(ICI)型のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、微粉離型剤、たとえば、三ケイ酸マグネシウム、デンプンまたは合成非晶質ケイ酸。
特に、本発明の実施に使用するのに好適な被覆材料は、下記のものを包含するが、それらに限定されない:ポリマー被覆材料、たとえば、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリマレテート(trimaletate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、アミノメタクリレート共重合体、ポリアクリル酸およびポリアクリレートおよびメタクリレート共重合体、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、シェラック;ヒドロゲルおよびゲル生成材料、たとえば、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、ナトリウムカルメロース、カルシウムカルメロース、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、デンプン、およびセルロースに基づく架橋ポリマー(その架橋度は、水の吸着およびポリマーマトリックスの膨張を促進する程度に低い)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、架橋デンプン、微結晶性セルロース、キチン、プルラン、コラーゲン、カゼイン、寒天、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン(分子量約10k〜360k)、アニオンおよびカチオンヒドロゲル、低アセテート残留物を有するポリビニルアルコール、寒天およびカルボキシメチルセルロースの膨潤性混合物、無水マレイン酸とスチレン、エチレン、プロピレンまたはイソブチレンとの共重合体、ペクチン、多糖類、たとえば、アカシア、カラヤ、トラガカント、アルギンおよびグアール、ポリアクリルアミド、ポリグルカン、架橋ポリビニルアルコールおよびポリN−ビニル−2−ピロリドンのジエステル、ナトリウムデンプングルコレート(sodium starch glucolate)(たとえば、Explotab.RTM.;Edward Mandell C. Ltd.);親水性ポリマー、たとえば、多糖類、ナトリウムまたはカルシウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、ポリエチレンオキシド(たとえば、Polyoxe.RTM., Union Carbide)、メチルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、ゼラチン、コラーゲン、デンプン、マルトデキスチン(maltodextin)、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、グリセロール脂肪酸エステル、ソルビタンエステル、天然ゴム、レシチン、ペクチン、アルギン酸塩、アンモニアアルギネート、ナトリウム、カルシウム、カリウムアルギネート、プロピレングリコールアルギネート、およびガム、たとえば、アラビア、ローカストビーン、カラゲーン、グアール、キサンタン、スクレログルカンならびにそれらの混合物およびブレンド。当業者に理解されるように、可塑剤、滑沢剤等のような賦形剤を被覆材料に添加しうる。好適な可塑剤は、たとえば、下記のものである:アセチル化モノグリセリド;ブチルフタリルブチルグリコレート;ジブチルタルトレート;ジエチルフタレート;ジメチルフタレート;エチルフタリルエチルグリコレート;グリセリン;プロピレングリコール;トリアセチン;シトレート;トリプロピオイン(tripropioin);ジアセチン;ジブチルフタレート;アセチルモノグリセリド;ポリエチレンゴリコール;ヒマシ油;トリエチルシトレート;多価アルコール、グリセロール、アセテートエステル、グリセロールトリアセテート、アセチルトリエチルシトレート、ジベンジルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジオクチルアゼレート、エポキシ化タレート、トリイソオクチルトリメリテート、ジエチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−i−オクチルフタレート、ジ−i−デシルフタレート、ジ−n−ウンデシルフタレート、ジ−n−トリデシルフタレート、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート。
本発明化合物およびその製造法は、当分野においてよく知られている。その製造および治療的使用は、ドイツ特許出願第2011087号(これを、出典明示により本願の一部とする。)に開示されている。本発明化合物の工業的に有利な製造法は、ヨーロッパ特許第28028号に開示されており、そこでは、5−カルバモイル−10−アミノ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピンを加水分解することによって本発明化合物を得ている。たとえば、5−シアノー5H−ジベンズ[b,f]アゼピンをニトロ化し、得られたニトロ誘導体を5−カルバモイル誘導体に加水分解し、ニトロ成分を還元し、還元生成物を加水分解してオキシカルバゼピンを得ている。この特許を、出典明示により本願の一部とする。ヨーロッパ特許出願第1915203.2号に開示されている製造法を使用するのが簡便であり、そこでは、5−カルバモイル−10−(C1〜4、たとえばC)アルコキシ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピンを加水分解することによって本発明化合物を得ている。たとえば、10−アルコキシ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン(環化工程によって得られる)をカルバモイル化し、アルコキシ成分を加水分解してオキシカルバゼピンを得る。
本発明は、単独かまた組み合した任意の前記賦形剤を使用した本発明の固体経口形態を含むものと理解される。
他の局面において、本発明は、楕円状の圧縮錠剤を提供する。その錠剤は小さく、長さ10〜20mm、好ましくは15〜19mm、幅5〜10mm、好ましくは6〜8mmの寸法であってよい。
好ましくは、本発明化合物、たとえばオキシカルバゼピンは、微粉形態、特にモノモード(mono−modal)形態であり、平均粒度約2〜12μm、好ましくは4〜12μm、より好ましくは4〜10μmを有し、40μm篩における最大残存量(maximum residue)が5%まで、たとえば2%である。
他に指定されなければ、全てのパーセントはwt%である。
臨床的生物学的利用能試験を、従来法で実施しうる。たとえば、該試験を、600mg用量の本発明化合物を使用して、7日間またはそれ以上にわたって行う。少なくとも6人、たとえば10人の患者を使用するのが簡便である。
最初の7日間に、患者は絶食状態で本発明の経口投与形態の1つを投与され、第二期間中に、患者は摂食状態で同じ治療を受ける。患者は、本発明化合物の最初の投与の前夜に、最低10時間にわたって一晩絶食する(期間1)。
たとえば朝食時に、投与した後(たとえば、本発明化合物600mg)、薬物動態血液試料を採取し、適切な時間間隔(たとえば、投与後0.5、1、2、3、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、32および48時間)でオキシカルバゼピンおよびMHDアッセイに使用する。
そのような試験は、以下に、それぞれ方法A(単一投与)または方法B(定常状態)と称す。
オキシカルバゼピン/MHD血漿濃度の比率が約90:10であることを我々は見出した。
単一投与試験(絶食状態で600mgオキシカルバゼピン1用量、および定量化MHD濃度)において、AUC(0〜48時間)は、700〜800hマイクロモル/L、好ましくは約750hマイクロモル/L、Cmaxは、10〜30マイクロモル/L、好ましくは20〜25マイクロモル/Lである(表A)。絶食状態におけるAUCは500hマイクロモル/Lより大であることが簡便である。
好ましくは、MHD濃度のCmax/C24h(MHDの最大濃度/24時間後のMHDの濃度)の比率は、2.3未満、たとえば1〜1.5である(表B)。
投与すべき正確な用量および本発明の特定投与形態は、種々の要因、たとえば、治療すべき状態、所望の治療期間および本発明化合物の放出速度に依存する。
好ましい本発明の治療プログラムは、単一療法に関して、1日に1回、たとえば600mgまたはたとえば1200mgを包含する。本発明化合物600〜2400mg/日の用量は、充分に許容される。
本発明の経口投与形態は、抗痙攣作用に有効であり、たとえばてんかん、てんかん重積持続状態、脳血管障害、頭部損傷およびアルコール離脱症状の開始によって生じる痙攣の、抑制、予防または治療における単一療法または補助療法として有効である。本発明の経口投与形態は、標準動物および臨床試験において示されるように、優れた臨床有効性および許容性を示す。そのような臨床試験は、従来法、たとえば、単純または二重盲検、無作為化、クロスオーバー(crossover)法によって、成人、小児および高齢者に対して行える。
臨床有効性は、特に初期投与期間の間に、たとえばトリレプタール(Trileptal)として、1日2回投与される同用量の本発明化合物と比較した場合の、硬直発作および硬直−間代発作の平均頻度の減少によって観測しうる。
副作用は、スコアカードを使用するか、または検査室モニタリングによって、従来法で記録しうる。本発明組成物は、たとえば、下記のことを示す:
a) より少ないかまたは頻繁な、および他の重度の薬物間相互作用、たとえば、腎臓病に罹患している患者、血清ナトリウム濃度を低下しうる薬剤(たとえば、利尿薬、経口避妊薬または非ステロイド性抗炎症薬)を摂取している患者における、好中球減少症/低ナトリウム血症;
b) 減少した皮膚過敏性反応、たとえば、過敏性患者における薬剤発疹率;
c) より少ない中枢神経系副作用(たとえば、めまい感、頭痛、複視、鎮静、傾眠、頭痛および運動失調);
d) より少ない胃腸系副作用(たとえば、吐き気および嘔吐);
e) より少ない、発作活性における月経周期作用(月経周期性てんかん);および
f) より少ない、妊娠中の薬物動態変化。
臨床試験は、本発明化合物の即時放出より速い導入(たとえば、他の抗てんかん薬からの切替えの際)を指示することを示唆し、たとえば、単一療法および補助療法の療法において、第一日に150mg投与し、次に毎日300mgを投与し、毎週300mgずつ増加させる。
一般的な試験は1〜2ヶ月にわたって行われ、本発明組成物は1日1回、たとえば朝食時または晩に、投与しうる。
二重盲検、プラシーボ対照、無作為化法の28週間の試験は、非抑制部分発作を有する患者における補助療法において、用量600mg、1200mgおよび2400mgの本発明経口投与形態の本発明化合物の有効性および許容性を評価しうる。
プロゲストゲンを包含する混合型経口避妊丸剤において、補助薬剤を、50μgエストラジオールまたは等用量のエチニルエストラジオールまたはレボノルゲストレルとして女性に投与しうる。非生理期子宮出血および避妊障害(contraceptive failure)が生じることは少ない。
小児(たとえば2〜12才)における試験は、部分発作の補助療法としての本発明化合物の有効性および毒性を評価しうる(中央用量(median dose)、30mg/kg/日)。好ましくは、600mgのオキシカルバゼピン用量を使用する。
本発明の経口投与形態は、固体経口投与形態、たとえば、カプセル、散剤または懸濁剤の形態であってよいが、経口投与形態が錠剤の形態であるのが好ましい。
本発明の経口投与形態は、他の疾患、たとえば本明細書に示す疾患の治療にも使用しうる。
他の局面において、本発明は下記のものを提供する:
a) 特にてんかんの治療用に、24時間にわたって一定したプロフィールを生じるようにオキシカルバゼピンを放出する1日に1回患者に投与される経口投与形態薬剤の製造における、オキシカルバゼピンの使用;
b) たとえばてんかんの治療用の本発明化合物の経口投与法であって、オキシカルバゼピン療法を必要とする患者に本発明経口投与形態を1日に1回経口投与することを含んで成る方法;
c) オキシカルバゼピン療法の間に、患者のシクロスポリンAの生物学的利用能レベルの変動を減少させる方法であって、オキシカルバゼピン療法を必要とする患者に本発明経口投与形態を経口投与することを含んで成る方法。
以下の記載は、本発明の組成物および方法を、単に例として示すものである。全ての実施例において、本発明化合物は、前記のように極微細モノモード形態(extra fine mono modal form)である。
実施例A
(変形1−より速いマトリックス系)
Figure 2006501274

a) 本発明化合物、Avicel PH 102およびCellulose HPM 603を含有するプレミックスを製造し;
b) 高剪断ミキサー(たとえば、Aeromatic GP65)を使用して、湿式粒状化によって、プレミックスを粒状化し;
c) 得られた粒質物を、たとえばQuadracomillを使用して篩にかけ;
d) 流動床乾燥機(たとえば、Aeromatic MP3/4)を使用して乾燥し;
e) 1mmメッシュを取り付けたミル(たとえばFrewitt)を使用して、Polyvinyl Polypyrrolidone XL、Avicel PH102の残り、Methocel 60HG 4000 CPおよびAerosil 200を、乾燥粒質物と共に篩にかけ;
f) ビンブレンダー(たとえばTurbula)を使用して混合し;
g) ステアリン酸マグネシウムを、ハンドスクリーン(0.8mmメッシュ)で篩にかけて添加し;
h) ビンブレンダー(たとえばTurbula)を使用して、最終ブレンドを混合した。
たとえばKillian LX18タブレット成形プレスを使用して、最終ブレンドを圧縮した。次に、たとえばパンコーターGlatt GC750を使用して、錠剤を薄膜被覆した。
典型的な放出速度の例は、本発明のインビトロオキシカルバゼピン試験溶解条件下に1時間で90〜95%、たとえば95%である。
実施例B
(変形1−より速いカプセル封入粒質系を使用した崩壊錠剤)
Figure 2006501274
a) 高剪断ミキサー(たとえば、Aeromatic GP65)を使用して、Aquacoat ECD30の30%分散系と共に、本発明化合物を粒状化し;
b) 湿った粒質物を、ミル(たとえばQuadrocomill)で篩にかけ;
c) 流動床乾燥機(たとえば、Aeronmatic MP3/4)を使用して乾燥し;
d) たとえばFrewittを使用して、篩にかけ;
該粒状化、篩分けおよび乾燥工程を2回繰り返して、Aquacoat ECD30で被覆された乾燥物質を得;
e) 1mmメッシュを取り付けたミル(たとえばFrewitt)を使用して、Avicel PH 102、クロスカルメロースナトリウムおよびAerosil 200を、乾燥粒質物と共に篩にかけ;
f) ビンブレンダー(たとえばTurbula)を使用して混合し;
g) ステアリン酸マグネシウムを、ハンドスクリーン(0.8mmメッシュ)で篩にかけて添加し;
h) ビンブレンダー(たとえばTurbula)を使用して、最終ブレンドを混合した。
たとえばKillian LX18タブレット成形プレスを使用して、最終ブレンドを圧縮した。次に、パンコーター(たとえば、Glatt GC750)を使用して、錠剤を薄膜被覆した。
典型的な放出速度の例は、本発明のインビトロオキシカルバゼピン試験溶解条件下に2時間で92〜96%、たとえば94%である。
実施例C
(変形1−カプセル封入粒質系を使用した崩壊錠剤)
Figure 2006501274

a) 高剪断ミキサー(たとえば、Aeromatic GP65)を使用して、Eudragit RL30Dの30%分散系と共に、本発明化合物を粒状化し;
b) 湿った粒質物を、たとえばQuadrocomillを使用して篩にかけ;
c) 流動床乾燥機(たとえば、Aeronmatic MP3/4)を使用して乾燥し;
d) たとえばFrewittを使用して、篩にかけ;
該粒状化、篩分けおよび乾燥工程を2回繰り返して、Eudragit RL30Dで被覆された乾燥物質を得;
e) 1mmメッシュを取り付けたミル(たとえばFrewitt)を使用して、Avicel PH 102、クロスカルメロースナトリウムおよびAerosil 200を、乾燥粒質物と共に篩にかけ、ビンブレンダー(たとえばTurbula)を使用して混合し;
f) ステアリン酸マグネシウム4.5mgを、ハンドスクリーン(0.8mmメッシュ)で篩にかけて添加し;
g) ビンブレンダー(たとえばTurbula)を使用して、最終ブレンドを混合した。
たとえばKillian LX18タブレット成形プレスを使用して、最終ブレンドを圧縮した。パンコーター(たとえば、Glatt GC750)を使用して、錠剤を薄膜被覆した。
典型的な放出速度の例は、本発明のインビトロオキシカルバゼピン試験溶解条件下に2時間で91〜98%、たとえば95%である。
(変形2−300mgマトリックス(MR)層および300mg即時放出(IR)層)
実施例D
Figure 2006501274
二層錠剤(300mg即時放出外層および300mgマトリックス内層)を製造する。または、分離した錠剤を製造し、ハードゼラチン錠剤に封入する。
二層錠剤変形は、回転多層タブレットプレスにおいて、2つの層の含有物をダイに段階的に装填し、次に、圧縮して錠剤にすることによって製造しうる。1つの層の含有物をダイに装填した後、次の層の含有物をダイにさらに装填する少し前に、粉末床をタブレット成形パンチで圧縮し、最終圧縮して二層錠剤を得る。
典型的な放出速度の例は、本発明のインビトロオキシカルバゼピン試験溶解条件下に、4時間で37〜57%、たとえば49%、8時間で66〜80%、たとえば73%である。
実施例E
(変形1−即時放出粒質物および改良放出粒質物を使用した崩壊錠剤)
Figure 2006501274

a) 本発明化合物300mg、Eudragit RL30Dの乾燥物質、Avicel PH102およびCellulose HPM 603のプレミックスを製造し;
b) 本発明化合物300mg、Avicel、およびCellulose HPM 603のプレミックスを製造し;
c) Avicel PH 102、クロスカルメロースナトリウムおよびAerosil 200を篩にかけ、ビンブレンダー(たとえばTurbula)で混合し、プレミックスa)およびプレミックスb)と混合し;
d) ステアリン酸マグネシウムを、ハンドスクリーン(0.8mmメッシュ)で篩にかけて添加し;
e) ビンブレンダー(たとえばTurbula)を使用して、最終ブレンドを混合した。
たとえばKillian LX18タブレット成形プレスを使用して、最終ブレンドを圧縮しうる。パンコーター(たとえば、Glatt GC750)を使用して、錠剤を薄膜被覆しうる。
典型的な放出速度の例は、本発明のインビトロオキシカルバゼピン試験溶解条件下に2時間で93〜98%、たとえば95%である。
実施例F
(変形2−界面活性剤を使用した徐放変形;7〜8時間後に80%放出)
Figure 2006501274

a) 本発明化合物、Avicel PH、Cellulose HPM 603、および6mgのDuponol C(硫酸モノドデシルエステルナトリウム塩)のプレミックスを製造し;
b) 精製水をプレミックスに添加し、高剪断ミキサー(たとえば、Aeromatic GP65)を使用して粒状化し;
c) 得られた粒質物を、Quandracomillを使用して篩にかけ;
d) 流動床乾燥機(たとえば、Aeromatic MP3/4)を使用して乾燥し;
e) 1mmメッシュを取り付けたミル(たとえばFrewitt)を使用して、Avicel PH102、HPM−Cellulose 100TおよびAerosil 200を、乾燥粒質物と共に篩にかけ、ビンブレンダー(たとえばTurbula)を使用して混合し;
f) ステアリン酸マグネシウムを、ハンドスクリーン(0.8mmメッシュ)で篩にかけて添加し;
g) ビンブレンダー(たとえばTurbula)を使用して、最終ブレンドを混合した。
たとえばKillian LX18タブレット成形プレスを使用して、最終ブレンドを圧縮しうる。パンコーター(たとえば、Glatt GC750)を使用して、錠剤を薄膜被覆しうる。
典型的な放出速度の例は、本発明のインビトロオキシカルバゼピン試験溶解条件下に、4時間で30〜52%、たとえば40%、8時間で47〜75%、たとえば61%である。12時間での放出速度は80%である。
Figure 2006501274
Figure 2006501274

Claims (17)

  1. 1日に1回投与されるように適合させた、オキシカルバゼピンを含んで成る経口投与形態。
  2. 1日に1回投与した場合に、24時間にわたって一定したMHD血漿濃度を生じるように放出される、請求項1に記載のオキシカルバゼピンを含んで成る経口投与形態。
  3. 錠剤コアおよび被覆物から成り、該コアが、オキシカルバゼピン、所望により、増量剤、およびセルロースエーテル、スクロースまたはペンタエリスリトールのアルキルエーテルと架橋したアクリル酸のカルボキシビニルポリマーおよびポリメタクリレートから選択される少なくとも1つの他の賦形剤を含んで成る、請求項1または2に記載の経口投与形態。
  4. ヒドロキシプロピルメチルセルロースであるセルロースエーテルを使用した請求項3に記載の経口投与形態。
  5. 全ヒドロキシプロピルメチルセルロースとオキシカルバゼピンの重量比が約1:10〜約1:20である請求項4に記載の経口投与形態。
  6. エチルセルロースであるセルロースエーテルを使用した請求項3に記載の経口投与形態。
  7. 全エチルセルロースとオキシカルバゼピンの重量比が約1:10〜約1:20である請求項6に記載の経口投与形態。
  8. トリメチルアンモニウムメタクリレートであるポリメタクリレートを含んで成る請求項3に記載の経口投与形態。
  9. 微結晶性セルロースを増量剤として含んで成る請求項3〜8のいずれか1項に記載の経口投与形態。
  10. 600mgの投与形態について、1%の濃度でドデシル硫酸ナトリウムを可溶化剤として使用した水中で37℃でのインビトロ溶解試験において標準で示した場合に、1時間以内にオキシカルバゼピン用量の80%またはそれ以上の放出を示す請求項1〜9のいずれか1項に記載の経口投与形態。
  11. 600mgの投与形態について、1%の濃度でドデシル硫酸ナトリウムを可溶化剤として使用した水中で37℃でのインビトロ溶解試験において標準で示した場合に、4時間またはそれ以上にわたって定放出速度でオキシカルバゼピンを放出する請求項1〜10のいずれか1項に記載の経口投与形態。
  12. 8時間以内に約80%のオキシカルバゼピンを放出する請求項11に記載の経口投与形態。
  13. 1日に1回投与した場合に、24時間にわたって一定したMHD血漿濃度を生じるように放出されるオキシカルバゼピンを含んで成る経口投与形態。
  14. てんかん治療のために、24時間にわたって一定したプロフィールを生じるようにオキシカルバゼピンが放出される、1日に1回患者に投与される経口投与形態薬剤の製造における、オキシカルバゼピンの使用。
  15. てんかん治療用の、請求項1〜13のいずれか1項に記載の経口投与形態薬剤の製造における、オキシカルバゼピンの使用。
  16. たとえばてんかん治療のために、オキシカルバゼピンを経口投与する方法であって、オキシカルバゼピン療法を必要とする患者に、請求項1〜13のいずれか1項に記載の経口投与形態を1日1回経口投与することを含んで成る方法。
  17. オキシカルバゼピン療法の間に、患者のシクロスポリンAの生物学的利用能レベルの変動を減少させる方法であって、オキシカルバゼピン療法を必要とする患者に、請求項1〜13のいずれか1項に記載の経口投与形態を経口投与することを含んで成る方法。





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