JP2006352771A - 圧電振動片および圧電デバイスならびに電子機器および携帯電話装置 - Google Patents

圧電振動片および圧電デバイスならびに電子機器および携帯電話装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 小型化をする上で、安定した屈曲振動を実現し、CI値を低く抑えることができる圧電振動片と、このような圧電振動片を利用した圧電デバイスを提供すること。
【解決手段】 圧電材料により形成された基部51と、前記基部と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕35,36と、前記各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝33,34と、前記長溝に形成した駆動用の電極とを備えており、前記各振動腕の幅寸法が、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅するとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pがあり、前記変更点Pを、前記長溝の先端部よりもさらに腕先端側に位置させるようにした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、圧電振動片と、パッケージやケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスならびに圧電デバイスを利用した携帯電話装置および電子機器の改良に関する。
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器や圧電ジャイロセンサー等において、圧電振動子や圧電発振器等の圧電デバイスが広く使用されている。
図18は、圧電デバイスに従来より用いられている圧電振動片の一例を示す概略平面図であり、図19は図18のA−A線切断端面図である。
図において、圧電振動片1は、水晶などの圧電材料をエッチングすることにより、図示のような音叉型圧電振動片としての外形を形成するもので、パッケージ(図示せず)等に取付けられる矩形の基部2と、基部2から図において右方に延長された一対の振動腕3,4を備えており、これら振動腕の主面(表裏面)に長溝3a,4aを形成するとともに、必要な駆動用の電極を形成したものである(特許文献1参照)。
このような圧電振動片1においては、圧電振動片1を収容固定するパッケージ(図示せず)側の電極部に基部2の幅方向の両端に設けた引出し電極5,6を導電性接着剤7,8を介して接合することにより、該パッケージに取付けられる。
そして、圧電振動片1においては、上記引出し電極5,6に引き回された上記駆動用の電極を介して駆動電圧が印加されると、各振動腕3,4の先端部を近接・離間するようにして、屈曲振動することにより、所定の周波数の信号が取り出されるようになっている。
ところで、このような圧電振動片1は、これを利用した圧電デバイスが取付けられる上記した種々の製品の小型化にともない、小型に形成することがもとめられている。このため、圧電振動片1もできる限り小型に形成しなければならず、特にその全長AL1を小さくすることがもとめられる。そして、製品の小型化は不断に進展していることから、圧電振動片1においては、より小型に形成していくことができる構造がもとめられている。
ここで、図示のような音叉型圧電振動片である圧電振動片1の周波数fは、振動腕3,4の長さをl、腕幅をWとした場合、W/(l×l)に比例する。
このことは、一方向に長い圧電振動片1を小型化しようとして、図18における全長AL1の大きさを小さくしようとする場合、振動腕の長さlを短くすると、周波数が高くなることを意味する。また、振動腕の幅Wが小さくなると、周波数は下がる。このことから、従来の周波数を維持して、小型化を図るためには、振動腕の長さをある程度短くしつつ腕幅wを小さくしなければならない。
特開2002−261575
ところで、圧電振動片1を小型化する上では、これまでの周波数である例えば32kHz(32.768kHz)を維持するために、振動腕3,4の長さlを短くし、腕幅Wを小さくすることがもとめられるが、小型の圧電振動片1を加工する上では、その特性を維持しながら、特に腕幅wを小さく加工しようとすると、以下のような困難がある。
具体的には、振動腕3,4には、図19に示すような長溝3a,4aを加工する必要がある。図19のtの寸法は、例えば水晶ウエハなどの加工材料の条件に拘束されるため変えにくい。したがって、これまでのものが例えば100μmである場合においては、小型化する場合にも100μmである。
これに対して、腕幅Wについて、これまでの腕幅Wが100μmであったものを、小型化により50μm程度とする場合を考える。腕幅100μmの際に、溝幅C1が70μm程度、側壁厚みS1,S1がそれぞれ15μm程度づつあったものが、腕幅Wを50μm程度とすると、溝幅C1が40μm程度、側壁厚みS1,S1はそれぞれ5μm程度づつとしなければならない。
このような圧電振動片を作った場合には、振動腕3,4の剛性は大きく低下し、駆動電圧の印加による上述の屈曲振動の際には、図19におけるZ方向の振幅が加わり、振動腕3,4のX方向に沿った屈曲振動が、矢印SF,SFで誇張して示すような屈曲振動になってしまう。
図20は、従来構造のまま圧電振動片を小型化した場合のドライブ特性を示すグラフであり、図の横軸に沿って、駆動電圧のレベルを徐々に増大させると、縦軸の周波数変化がマイナス方向に生じる。このことは、図19のZ方向振動の成分が多くなって、エネルギーロスの多い振動となってしまうことを示しており、CI(クリスタルインピーダンス)値の増大の原因となる。
また、CI値を抑制するための効果的な対策としては、図18で説明した長溝3a,4aを長くして、駆動用の電極を形成する面積を増やす方法がある。しかしながら、圧電振動片には、複数の振動モードがあり、通常使用される基本波は、例えば32.768kHzで、これに対して、圧電振動片1の2次の高調波は、250kHz付近にある。長溝3a,4aを長くして、基本波のCI値を低くできる。しかし、2次の高調波のCI値も低くなることで、従来構造のままでは、図21に示すように、多くの製品で、高調波のCI値/基本波のCI値であるCI値比が1よりも小さくなり、基本波ではなく、2次の高調波で発振しやすくなるという不都合がある。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、音叉型振動片を小型化する上で、振動腕の不要な方向への動きを抑制することで、CI値を抑え、かつ振動特性を悪化させることがない圧電振動片と、このような圧電振動片を利用した圧電デバイスならびに圧電デバイスを利用した携帯電話装置および電子機器を提供することを目的とする。
上記目的は、第1の発明にあっては、圧電材料により形成された基部と、前記基部と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕と、前記各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝と、前記長溝に形成した駆動用の電極とを備えており、前記各振動腕の幅寸法が、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅するとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pがあり、前記変更点Pを、前記長溝の先端部よりもさらに腕先端側に位置させるようにした圧電振動片により達成される。
第1の発明の構成によれば、振動腕に形成した前記長溝に駆動用の電極(励振電極)を形成した場合に、その腕幅に関して、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅するとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pを設けることにより、CI値を抑制しつつ、2次の高調波における発振の防止をすることができる。この場合、振動腕の長さや、腕幅、などは一様ではないことを前提とすると、圧電振動片によっては、さらに、前記変更点Pを、前記長溝の先端部よりもさらに振動腕先端側に位置させるようにすることで、CI値を抑え、かつ振動特性を悪化させることがない圧電振動片を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記各振動腕の幅寸法が、前記振動腕の前記基部に対する付け根の箇所で、先端側に向かって急激に縮幅する第1の縮幅部と、この第1の縮幅部の終端から、前記縮幅部として、さらに先端側に向かって、徐々に縮幅する第2の縮幅部とを有することを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、第1の縮幅部の終端から、さらに先端側に向かって、前記振動腕の腕幅が徐々に縮幅するようにした前記第2の縮幅部を設けるとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pを設けることにより、CI値を抑制しつつ、2次の高調波における発振の防止をすることができる。
しかも、前記振動腕の前記基部に対する付け根の箇所で、先端側に向かって急激に縮幅する第1の縮幅部を有しているので、振動腕が屈曲振動する際に、最も大きな応力が作用し、歪みが大きくなる付け根部分の剛性を向上させることができる。これにより、振動腕の屈曲振動が安定し、不要な方向への振動成分が抑制されるので、一層CI値を低減させることができる。すなわち、圧電振動片を小型化する上で、安定した屈曲振動を実現し、CI値を低く抑えることができる。
第3の発明は、第1または第2の発明の構成において、前記基部には、その圧電材料を幅方向に縮幅して形成した切り込み部を有しており、該切り込み部が、前記各振動腕の付け根から前記腕幅の寸法の1.2倍以上の距離を離して前記基部に形成されていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、音叉型振動片の振動腕が屈曲振動する際に、その振動漏れが伝えられる範囲について、振動腕の腕幅寸法と相関があることに鑑み、本発明者等は、従来の圧電振動片の切り込み部が、適切な位置に設けられていないという知見を持った。そこで、前記切り込み部が設けられる位置について、前記振動腕の付け根から、前記振動腕の腕幅寸法を超える位置としたものである。これによって、切り込み部は、振動腕からの振動漏れが、基部側に伝搬することを、より確実に抑制することができる構造とすることができる。これにより、振動腕側から基部側への振動の漏れ込みを適切に防止して、ドライブレベル特性が良好な圧電振動片を提供することができる。
特に、前記切り込み部の位置が、前記付け根の箇所から前記腕幅寸法×1.2以上離れた位置に形成することで、ドライブレベル特性を正常な圧電振動片のレベルに適合させることができることが確認されている。
第4の発明は、第1ないし第3のいずれかの発明の構成によれば、前記各振動腕の側面に、プラスX軸(電気軸)方向に突出する異形部が最小となるように形成されていることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、圧電振動片の外形形成をウエットエッチングにより行う場合に、エッチング異方性により生成される前記異形部を最小となるように形成したから、振動腕の屈曲振動を安定したものとすることができる。
第5の発明は、第1ないし第4のいずれかの発明の構成によれば、前記振動腕の幅縮幅率としての最大幅/最小幅=Mの値が、前記振動腕の腕長さに対する前記長溝の長さの割合=Nとの関係で決定されていることを特徴とする。
第5の発明の構成によれば、前記振動腕の幅縮幅率としての最大幅/最小幅=Mの値が、前記振動腕の腕長さに対する前記長溝の長さの割合=Nとの関係で決定された構造を持つことにより、全体を小型化する上で、CI値を抑え、かつ振動特性を悪化させることがない圧電振動片を提供することができる。
第6の発明は、第1ないし第5のいずれかの発明の構成によれば、前記Nを61パーセント程度とした場合に、前記Mを1.06以上としたことを特徴とする。
第6の発明の構成によれば、前記Nを例えば61パ−セントとした場合に、前記Mを1.06以上とすることにより、基本波のCI値を十分に抑制して、同時に2次の高調波で発振しにくい圧電振動片を得ることができる。
第7の発明は、第2ないし第6のいずれかの発明の構成によれば、前記第1の縮幅部の幅が11μm以上であることを特徴とする。
第7の発明の構成によれば、第1の縮幅部の幅を11μm以上とすることで、CI値の顕著な減少を図ることができる。
第8の発明は、第1ないし7のいずれかの発明の構成において、前記基部の一端側である前記振動腕の基端側から所定距離だけ離れた前記基部の他端側から幅方向に延長され、かつ前記振動腕の外側において、該振動腕と同じ方向に延びる支持用アームを備えることを特徴とする。
第8の発明の構成によれば、基部の一端から屈曲振動する振動腕が伸びているだけでなく、所定長さの前記基部の他端から、支持用アームが延びている。
このため、支持用アームがパッケージなどの基体側に接着などにより接合された場合においては、周囲温度の変化や、落下衝撃などを原因として、その接合箇所に生じた応力変化が、支持用アームの接合箇所から、前記基部の他端までの距離を隔てて、さらには基部の所定長さの距離を隔てて振動腕に影響を与えることはほとんどなく、このため、特に温度特性が良好となる。
しかも、これとは逆に屈曲振動する振動腕からの振動漏れは、基部を隔てた支持用アームに達するまでに基部の所定長さを隔てていることから、ほとんど及ぶことがない。すなわち、基部長さが極端に短いと、屈曲振動の漏れた成分が支持用アーム全体に拡がり、制御が困難となる事態が考えられるが、この発明において、そのようなおそれがない。
そして、このような作用を得ることができる上に、支持用アームは、基部の他端から幅方向に延長され、振動腕の外側で、この振動腕と同じ方向に延びる構成としたから、全体の大きさをコンパクトにすることができる。
第9の発明は、第8の発明の構成において、前記基部には、前記支持用アームが前記基部に対して一体に接続されている接続部よりも前記振動腕寄りの位置に、前記圧電材料を幅方向に縮幅して形成した切り込み部を備えることを特徴とする。
第9の発明の構成によれば、振動腕の屈曲振動による振動漏れが前記基部を介して、支持用アームの接合箇所に及ぶことを抑制し、CI値の上昇を防止することができる。
第10の発明は、第8または9のいずれかの発明の構成において、前記支持用アームの先端が、前記振動腕の先端よりも前記基部寄りになるように、前記支持用アームの長さが設定されていることを特徴とする。
第10の発明の構成によれば、支持用アームは、振動腕と同じ方向に延びる構成とすることに加えて、振動腕の先端よりも支持用アームの先端が基部寄りとなるようにすることで、全体を小型化することができる。
第11の発明は、第8ないし10のいずれかの発明の構成において、前記支持用アームは、その基体側への接合箇所よりも前記基部側となる箇所に剛性を低くした構造を備えることを特徴とする。
第11の発明の構成によれば、振動腕の屈曲振動による振動漏れが、僅かながら支持用アームに及んだ場合であっても、接合箇所に伝えられることを極力低減することができる。
第12の発明は、第11の発明の構成において、前記剛性を低くした構造が、前記支持用アームの途中に形成した縮幅部であることを特徴とする。
第12の発明の構成によれば、前記剛性を低くした構造が、前記支持用アームの途中に形成した縮幅部であると、このような構造を圧電振動片の外形形成時に容易に形成することができる。
第13の発明は、第1ないし12のいずれかの発明の前記圧電振動片をパッケージまたはケース内に収容したことを特徴とする圧電デバイスである。
第13の発明の構成によれば、第1の発明および第8の発明と同様の原理により、衝撃に強く、CI値を抑え、かつ振動特性を悪化させることがなく、温度特性を良好にしながら、小型でコンパクトな圧電デバイスを実現できる。
また、上記目的は、第14の発明にあっては、パッケージまたはケース内に圧電振動片が収容された圧電デバイスを利用した携帯電話装置であって、前記圧電振動片が、圧電材料により形成された基部と、前記基部と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕と、前記各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝と、前記長溝に形成した駆動用の電極とを備えており、前記各振動腕の幅寸法が、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅するとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pがあり、前記変更点Pを、前記長溝の先端部よりもさらに腕先端側に位置させた圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした携帯電話装置により、達成される。
また、上記目的は、第15の発明にあっては、パッケージまたはケース内に圧電振動片が収容された圧電デバイスを利用した電子機器であって、前記圧電振動片が、圧電材料により形成された基部と、前記基部と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕と、前記各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝と、前記長溝に形成した駆動用の電極とを備えており、前記各振動腕の幅寸法が、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅するとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pがあり、前記変更点Pを、前記長溝の先端部よりもさらに腕先端側に位置させた圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした電子機器により、達成される。
図1ないし図4は、本発明の圧電デバイスの実施形態を示しており、図1はその概略平面図、図2は図1のB−B線概略断面図、図3は図1の圧電デバイスに使用されている圧電振動片の実施形態を示す概略平面図、図4は図3のC−C線切断端面図である。
パッケージ57は、図1および図2に示すように、例えば、矩形の箱状に形成されている。具体的には、パッケージ57は、第1の基板54と、第2の基板55と、第3の基板56とを積層して形成されており、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して図示の形状とした後で、焼結して形成されている。
パッケージ57の底部には、製造工程において、脱ガスするための貫通孔27を有している。貫通孔27は、第1の基板54に形成された第1の孔25と、第2の基板55に形成され、上記第1の孔25よりも小さな外径を有し、第1の孔25と連通した第2の孔26で形成されている。
そして、貫通孔27には、封止材28が充填されることにより、パッケージ57内が気密状態となるように孔封止されている。
パッケージ57は、図2に示すように、第3の基板56の内側の材料を除去することで、内部空間Sのスペースを形成している。この内部空間Sが圧電振動片32を収容するための収容空間である。そして、第2の基板55に形成した電極部31,31の上に、導電性接着剤43,43を介して、圧電振動片32の基部に設けた引出し電極37a,38aの箇所を載置することにより接合している。なお、電極部31,31はパッケージ裏面の実装端子41,42と導電スルーホール(バイアホール)や、パッケージ57の外面四隅のキャスタレーションなどに引き回した導電パターン(図示せず)などを利用して接続されている。パッケージ57は、真空チャンバーなどを用いて、真空状態で圧電振動片32を収容した後で、透明なガラス製の蓋体40が封止材38を用いて接合されることにより、真空状態で気密に封止されている。これにより、蓋体40を封止した後で、外部からレーザ光LBを照射して圧電振動片32の電極などをトリミングして、周波数調整できるようになっている。
なお、蓋体40は、コバールなどの金属板を用いることもでき、この場合には、外部からレーザ光LBを照射して圧電振動片32の周波数調整を行うことはできない。
圧電振動片32は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。この圧電振動片32は、図3に示すように、パッケージ57側と固定される基部51と、この基部51を基端として、図において上に向けて、二股に別れて平行に延びる一対の振動腕35,36を備えている。
各振動腕35,36の主面の表裏には、好ましくは、それぞれ長さ方向に延びる長溝33,34をそれぞれ形成し、図3および図4に示すように、この長溝内に駆動用の電極である励振電極37,38が設けられている。このような圧電振動片32の音叉状の外形と、各振動腕に設ける長溝は、それぞれ例えば水晶ウエハなどの材料をフッ酸溶液などでウエットエッチングしたり、ドライエッチングすることにより精密に形成することができる。
励振電極37,38は、長溝33,34内と、各振動腕の側面とに形成され、各振動腕について長溝内の電極と、側面に設けた電極が対となるようにされている。そして、各励振電極37,38は、図1で説明した引出し電極37a,38aにそれぞれ引き回されている。これにより、圧電デバイス30を実装基板などに実装した場合に、外部からの駆動電圧が、各実装端子41,42から、電極部31,31を介して圧電振動片32の各引出し電極37a,38aに伝えられ、さらに各励振電極37,38に伝えられるようになっている。
そして、長溝33,34内の励振電極に駆動電圧が印加されることによって、駆動時に、各振動腕の長溝が形成された領域の内部の電界効率を高めることができるようになっている。
すなわち、図4に示すように、各励振電極37,38はクロス配線により、交流電源に接続されており、電源から駆動電圧としての交番電圧が、各振動腕35,36に印加されるようになっている。
これにより、振動腕35,36は互いに逆相振動となるように励振され、基本モード、すなわち、基本波において、各振動腕35,36の先端側を互いに接近・離間させるように屈曲振動されるようになっている。
ここで、例えば、圧電振動片32の基本波は、Q値:12000、容量比(C0/C1):260、CI値:57kΩ、周波数:32.768kHz(「キロヘルツ」、以下同じ)である。
また、2次の高調波は、例えば、Q値:28000、容量比(C0/C1):5100、CI値:77kΩ、周波数:207kHzである。
また、好ましくは、基部51には、図18の振動片と同様に、基部51の両側縁に、基部51の幅方向の寸法に関して部分的に縮幅して形成した凹部もしくは切り込み部71,71を設けている。この切り込み部の位置については、後述する。基部51に切り込み部71,71を形成することにより、各振動腕35,36の屈曲振動による振動の基部51側への漏れ込みを大きく低減することができ、CI値の抑制効果を得ることができる。
さらに、圧電振動片32においては、各振動腕35,36が図3に示すような形状となるように形成されている。各振動腕は同じ形状であるから、振動腕36について説明すると、基部51から延びる基端部Tでは、振動腕の幅が最も広い。そして、振動腕36の付け根であるこのTの位置から振動腕36の先端側に僅かな距離だけ離れたUの箇所の間において、急激に縮幅する第1の縮幅部TLが形成されている。そして第1の縮幅部TLの終端であるUの位置から、振動腕36のさらに先端側に向かってPの位置まで、すなわち、振動腕に関して、CLの距離にわたって、徐々に連続的に縮幅する第2の縮幅部が形成されている。なお、図3のPの位置から、さらに振動腕の先端側にかけては、図示のように徐々に拡幅させてもよいし、殆ど腕幅を変更しなくてもよい。そして、Pの位置よりも先端側の腕幅を変更しない場合に、後述する電極形成工程で、その領域の電極膜(金属被覆)を厚くするなどして、重量増加させてもよい。
振動腕36は基部に近い付け根付近が、第1の縮幅部TLを設けることにより、高い剛性を備えるようにされている。また、第1の縮幅部の終端Uから先端に向かうにつれて、第2の縮幅部を形成したことにより、連続的に剛性が低くなるようにされている。Pの箇所は腕幅の変更点Pであり、振動腕36の形態においては、部分的にくびれた位置であるから、くびれ位置Pと表現することもできる。振動腕36においては、このくびれ位置Pよりもさらに先端側は、上述したように、腕幅が同じ寸法で延長されるか、あるいは図示のように徐々に拡大している。
ここで、図3の長溝33,34が長い程、振動腕35,36を形成する材料について電界効率が向上し、振動腕の全長Lに対して、長溝33,34の基部51からの長さPLが、少なくともPL/L=0.7程度までは、長くするほど音叉型振動片のCI値は下がることがわかっている。この実施形態では、図3において、振動腕36の全長Lは、例えば1250μm程度である。
以上の構造を前提として、この実施形態では、図3において、振動腕36の全長Lを、例えば1250μm程度として、次の関係が成立する。
図5は横軸に、腕幅の変更点Pであるくびれ位置Pをとった場合において、振動腕の長さ方向のどの箇所に、該くびれ位置Pがあるかに応じて(横軸)、圧電振動片32のCI値が変化する様子を縦軸に示している。図5のグラフの横軸のパーセンテージは、振動腕の全長Lを「1」とした場合に、基部からくびれ位置Pまでの長さCLが、どのような比率であるかを示している。そして、横軸の「0」の位置が、図3の長さPLで示された長溝34の先端位置であり、該「0」の位置は、長溝34の先端位置にくびれ位置(変更点)Pがあることを示している。
図5を参照すると、長溝の長さPLを上述のように適切な長さとして、十分にCI値の抑制をはかると同時に、この長溝の先端位置に対して、どのような箇所にくびれ位置Pを設けたかによってCI値が大きく変化することがわかる。しかも、くびれ位置(腕幅の変更点)Pを長溝の先端よりも、さらに振動腕の先端側に設けることで、急激にCI値を低減できる。
図6の横軸は、振動腕の長さ方向のどの箇所に、該くびれ位置Pがあるかを示しており、その箇所に対応して、縦軸には、圧電振動片32のCI値比(高調波のCI値/基本波のCI値)の変化が示されている。図6のグラフの横軸は図5と同じである。CI値比が1より小さくなると、基本波のCI値のほうが高調波のCI値よりも大きくなり、高調波で発振しやすくなる。
図6を参照すると、長溝の長さPLを上述のように適切な長さとして、十分にCI値の抑制をはかれば、くびれ位置Pがある程度変位しても、圧電振動片32のCI値比(高調波のCI値/基本波のCI値)は1よりも大きい値を維持することができ、くびれ位置Pが先端にいくほどCI値比は大きくなり、高調波で発振しにくいことが示されている。
このように、図3の振動腕36に関して、長溝34を長くするほどCI値は低くなり、
くびれ位置(変更点)Pも振動腕の先端よりに設けることで、CI値を低減しつつ、さらにCI値比を大きくすることができる。このことから、好ましくはくびれ位置Pを長溝の先端部よりも、振動腕の先端側に設けることで、ほぼ確実にCI値比を大きくして、高調波による発振を防止できる。
さらに、図7は、図3の長溝34の長さPL/振動腕36の長さである溝長さの割合Nを61.5パーセントとした場合において、振動腕36の腕幅縮幅率Mである振動腕の最大幅(W2)/最小幅(W1)の値を横軸にとり、縦軸にCI値比をとったグラフである。
図示するように、腕幅縮幅率Mを大きくする程、CI値比が大きくなり、好ましい。この実施形態では、振動腕36の腕幅縮幅率Mを1.06よりも大きくすることにより、CI値比を1より大きくすることができ、高調波による発振を防止することができる。
かくして、圧電振動片32において、振動腕の腕幅の幅縮幅率としての最大幅/最小幅=Mの値が、振動腕の腕長さに対する長溝の長さの割合=Nとの関係で決定されることにより、圧電振動片32やこれを搭載した圧電デバイス30を小型化しつつ、CI値を低減し、しかも高調波で発振しにくくして、良好な振動特性を実現することができる。
また、図8は図3の右側に拡大して示した第1の縮幅部TLの幅寸法とCI値の関係を図示したものである。
この場合、第1の縮幅部の高さ寸法THは50μm程度として、幅TWを横軸にとり、縦軸に示すCI値の変化を記録している。
図示されているように、TWが小さいとCI値が高く、TWが大きくなると歪みが小さくなって、図19で説明したZ方向の振動成分が減少し、振動が安定することで、CI値が小さくなる。図示されているように、この場合には、TWが0つまり、全く第1の縮幅部を形成しない状態から、この第1の縮幅部を設けてTWを10μm程度、特に11μm付近まで形成する場合に、CI値の顕著な減少が見られる。さらにTWの寸法が大きくされて、基部51の幅一杯まで増加させる間もCI値は徐々に減少する。
以上述べたように、本実施形態によれば、圧電振動片32の各振動腕35,36の根本部分、すなわち、付け根付近が、第1の縮幅部により、剛性が強化されている。これにより、振動腕の屈曲振動を一層安定させることができCI値の抑制をはかることができる。
しかも、第2の縮幅部を設けたことで、振動腕36は、その付け根付近から、先端側に向かって、くびれ位置Pまで、徐々に剛性が低下し、くびれ位置Pからさらに先端側では、長溝34が無く、腕幅が徐々に拡大していることから、剛性は先端側にいくに従って高くされている。
このため、2次の高調波における振動の際の振動の「節」を、振動腕36のより先端側に位置させることができると考えられ、このことにより、長溝34を長くして圧電材料の電界効率を上げ、CI値を上昇させても、基本波のCI値を抑制しながら、2次の高調波のCI値の低下を招くことがないようにすることができる。かくして、小型化しても、基本波のCI値を低く抑えることができ、ドライブ特性が悪化することがない圧電振動片を提供することができる。
次に、本実施形態の圧電振動片32の好ましい詳細構造について、図3および図4を参照しながら説明する。
図3に示す圧電振動片32の各振動腕35,36は同じ形状であるから、振動腕35と振動腕36のいずれかについて説明する事項は、両振動腕に共通する事項である。
図4の寸法xで示すウエハ厚み、すなわち、圧電振動片を形成する水晶ウエハの厚みは、70μmないし130μmが好ましい。
図3の寸法aで示す圧電振動片32の全長は、1300μmないし1600μm程度である。
振動腕の全長である寸法bは、1100ないし1400μmとし、1250μm程度が上述した理由により最も好ましい。
圧電デバイス30の基部幅である全幅dは、400μmないし600μm程度とすることが、圧電デバイスの小型化の上で好ましく、この実施形態では500μm程度である。このため、音叉部分の小型化のためには、基部51の先端側の幅寸法eは200ないし400μm程度である。
また、図3の振動腕35と36の間の寸法kは、50ないし100μmとするのが好ましい。寸法kが50μmより少ないと、圧電振動片32の外形を、後述するように、水晶ウエハをウエットエッチングにより貫通させて形成する場合に、エッチング異方性に基づく異形部、すなわち、図4の符号81で示した振動腕側面におけるプラスX軸方向へのヒレ状凸部を、十分に小さくすることが困難になる。寸法kが100μm以上となると、振動腕の屈曲振動が不安定になるおそれがある。
さらに、図4の振動腕35(振動腕36も同じ)における長溝33の外縁と振動腕の外縁との寸法m1,m2は、ともに3ないし15μmとするとよい。寸法m1,m2は15μm以下とすることで、電界効率が向上し、3μm以上とすることで、電極の分極が確実に行われるのに有利である。
図3の振動腕36において、腕幅の変更点Pよりも先端側が拡幅している拡幅度合いが、振動腕36の腕幅が最小とされている箇所である該腕幅の変更点Pの箇所の幅に対して、0ないし20μm程度の増加とするのが好ましい。これを超えて拡幅されると、振動腕36の先端部が重くなりすぎて、屈曲振動の安定性を損なうおそれがある。
また、図4における振動腕35(振動腕36も同じ)の外側の一側面に、プラスX軸方向にヒレ状に突出する異形部81が形成されている。これは、圧電振動片をウエットエッチングして外形形成する際に、水晶のエッチング異方性によりエッチング残りとして形成されるものであるが、好ましくは、フッ酸とフッ化アンモニウムによるエッチング液中で、9時間ないし11時間エッチングすることにより、該異形部81の突出量vを5μm以内に低減することが、振動腕35の安定した屈曲振動を得る上で好ましい。
図3の寸法gで示す長溝の幅寸法は、振動腕の該長溝が形成されている領域において、振動腕の腕幅cに対して、60ないし90パーセント程度とするのが好ましい。振動腕35,36には、第1および第2の縮幅部が形成されているので、腕幅cは振動腕の長さ方向の位置によって異なるが、振動腕の最大幅に対して、長溝の幅gは60ないし90パーセント程度となる。これより長溝の幅が小さくなると、電界効率が下がり、CI値の上昇につながる。
さらに、図3の基部51の全長hは、圧電振動片32の全長aに対して、従来30パーセント程度あったものが、この実施形態は、切り込み部の採用などにより、15ないし25パーセント程度とすることができ、小型化を実現している。
また、圧電振動片32の振動腕35,36が屈曲振動する際に、その振動漏れが伝えられる範囲について、振動腕の腕幅寸法cと相関があることに鑑み、本発明者等は、従来の圧電振動片の切り込み部が、適切な位置に設けられていないという知見を持った。そこで、図3の切り込み部71が設けられる位置について、前記振動腕の付け根から、前記振動腕の腕幅寸法cを超える寸法iの箇所としたものである。これによって、切り込み部71,71は、振動腕35,36からの振動漏れが、基部側に伝搬することを、より確実に抑制することができる構造とすることができる。これにより、振動腕側から基部側への振動の漏れ込みを適切に防止して、ドライブレベル特性が良好な圧電振動片を提供することができる。
特に、切り込み部71,71を、振動腕35,36の付け根の箇所Tから腕幅寸法c×1.2以上の寸法iだけ離して形成することで、ドライブレベル特性を正常な圧電振動片32のレベルに適合させることができることが確認されている。
また、長溝33,34の基部51側端部の位置は、図3において振動腕35,36の付け根、すなわちTの位置と同じか、それより僅かに振動腕先端側であって、第1の縮幅部TLが存在する範囲内であることが好ましく、特にTの位置よりも基部51の基端側に入り込まないようにすることが好ましい。
図9は、本実施形態の圧電振動片32を利用して圧電発振器を構成する場合の発振回路の例を示す回路図である。
発振回路91は、増幅回路92と帰還回路93を含んでいる。
増幅回路92は、増幅器95と帰還抵抗94を含んで構成されている。帰還回路93は、ドレイン抵抗96と、コンデンサ97,98と、圧電振動片32とを含んで構成されている。
ここで、図9の帰還抵抗94は、例えば10MΩ(メガオーム)程度、増幅器95はCMOSインバータを用いることができる。ドレイン抵抗96は、例えば200ないし900kΩ(キロオーム)、コンデンサ97(ドレイン容量)と、コンデンサ98(ゲート容量)は、それぞれ10ないし22pF(ピコファラド)とすることができる。
(圧電デバイスの製造方法)
次に、図10のフローチャートを参照しながら、上述の圧電デバイスを含む本発明の全ての実施形態の製造方法の一例を説明する。
圧電デバイス30の圧電振動片32と、パッケージ57と、蓋体40は、それぞれ別々に製造される。
(蓋体およびパッケージの製造方法)
蓋体40は、例えば、所定の大きさのガラス板(例えば、硼珪酸ガラス)を切断し、パッケージ57を封止するのに適合する大きさの蓋体として用意される。
パッケージ57は、上述したように、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して形成される複数の基板を積層した後、焼結して形成されている。成形の際には、複数の各基板は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空間Sを形成する。
(圧電振動片の製造方法)
先ず、圧電基板を用意し、ひとつの圧電基板から所定数の圧電振動片について、同時にその外形をエッチングにより形成する(外形エッチング)。
ここで、圧電基板は、圧電材料のうち、例えば、圧電振動片32を複数もしくは多数分離することができる大きさの水晶ウエハが使用される。この圧電基板は工程の進行により図3の圧電振動片32を形成するので、図3に示すX軸が電気軸、Y軸が機械軸及びZ軸が光軸となるように、圧電材料、例えば水晶の単結晶から切り出されることになる。また、水晶の単結晶から切り出す際、上述のX軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系において、Z軸を中心に時計回りに0度ないし5度(図11のθ)の範囲で回転して切り出した水晶Z板を所定の厚みに切断研磨して得られる。
外形エッチングでは、図示しない耐蝕膜などのマスクを用いて、圧電振動片の外形から外側の部分として露出した圧電基板に関して、例えば、フッ酸溶液をエッチング液として、圧電振動片の外形のエッチングを行う。耐蝕膜としては、例えば、クロムを下地として、金を蒸着した金属膜などを用いることができる。このエッチング工程は、ウエットエッチングで、フッ酸溶液の濃度や種類、温度等により変化する。
ここで、外形エッチング工程でのウエットエッチングでは、図3に示した電気軸X、機械軸Y、光学軸Zに関して、エッチングの進行上、次のようなエッチング異方性を示す。
すなわち、圧電振動片32に関して、そのX−Y平面内におけるエッチングレートについては、プラスX方向で、このX軸に対して120度の方向、およびマイナス120度の方向の面内においてエッチングの進行が速く、マイナスX方向でX軸に対してプラス30度の方向、およびマイナス30度の方向の内面のエッチングの進行が遅くなる。
同様に、Y方向のエッチングの進行は、プラス30度方向およびマイナス30度方向が速くなり、プラスY方向で、Y軸に対してプラス120度方向、およびマイナス120度方向が遅くなる。
このようなエッチング進行上の異方性により、圧電振動片32では、図4の符号81で示されているように、各振動腕の外側側面に、ヒレ状に突出した異形部が形成される。
しかしながら、この実施形態では、エッチング液として、フッ酸および、フッ化アンモニウムを用いて、十分な時間、すなわち、9時間ないし11時間という十分な時間をかけて、エッチングを行うことにより、図4で説明した異形部81をきわめて小さくすることができる(ST11)。
この工程において、圧電振動片32の切り込み部71,71を含む外形が形成され、終了時には、水晶ウエハに対して、それぞれ細い連結部で基部51付近を接続された多数の圧電振動片32の外形完成状態のものが得られる。
(溝形成のためのハーフエッチング工程)
次に、図示しない溝形成用レジストにより、図4で示した形態となるように、各長溝を挟む両側の壁部を残す様にして、溝を形成しない部分に耐蝕膜を残し、外形エッチングと同じエッチング条件で、各振動腕35,36の表面と裏面を、それぞれウエットエッチングすることにより長溝に対応した底部を形成する(ST12)。
ここで、図4を参照すると、符号tで示す溝深さは、全体厚みxに対して、30ないし45パーセント程度とされる。tに関して、全体厚みxの30パーセント以下だと、電界効率を十分向上させることができない場合がある。45パーセント以上だと、剛性が不足して、屈曲振動に悪影響を与えたり、強度が不足する場合がある。
なお、上記外形エッチングおよび溝エッチングは、その一方もしくは両方を同時にドライエッチングにより形成してもよい。その場合には、例えば、圧電基板(水晶ウエハ)上に、圧電振動片32の外形や、外形形成後には、長溝に相当する領域を、その都度メタルマスクを配置して覆う。この状態で、例えば、図示しないチャンバー内に収容し、所定の真空度でエッチングガスを供給して、エッチングプラズマを生成しドライエッチングすることができる。つまり、真空チャンバー(図示せず)には、例えば、フレオンガスボンベと酸素ガスボンベとが接続され、さらに、真空チャンバーには、排気管が設けられ、所定の真空度に真空引きされるようになっている。
真空チャンバー内が、所定の真空度に真空排気され、フレオンガスと、酸素ガスが送られ、その混合ガスが所定の気圧になるまで充填された状態にて、直流電圧が印加されると、プラズマが発生する。そして、イオン化された粒子を含む混合ガスは、メタルマスクから露出した圧電材料に当たる。この衝撃により、物理的に削り取られて飛散し、エッチングが進行する。
(電極形成工程)
次に、蒸着もしくはスパッタリングなどによって、電極となる金属、例えば、金を全面に被覆し、次いで、電極を形成しない箇所を露出したレジストを用いて、フォトリソグラフィの手法により、図1および図4で説明した駆動用の電極を形成する(ST13)。
その後、各振動腕35,36の先端部には、スパッタリングや蒸着により、錘付け電極(金属被膜)21,21が形成される(図3参照)(ST14)。錘付け電極21,21は通電されて圧電振動片32の駆動に用いられるのではなく、後述する周波数調整に利用される。
次いで、ウエハ上で、周波数の粗調整が行われる(ST15)。粗調整は、錘付け電極21,21の一部をレーザ光などのエネルギービームを照射することにより、部分的に蒸散させて、質量削減方式による周波数調整である。
続いて、上記したウエハに対する細い連結部を折り取り、圧電振動片32を個々に形成する個片にする(ST16)。
次に、図1で説明したように、パッケージ57の各電極部31,31に導電性接着剤43,43を塗布し、その上に圧電振動片32の基部51の引出し電極37a,38aの部分を載置して、接着剤を加熱・硬化させることにより、パッケージ57に対して、圧電振動片32を接合する(ST17)。
なお、この導電性接着剤43としては、例えば、合成樹脂などを利用したバインダー成分に、銀粒子などの導電粒子を混入したもので、機械的接合と電気的接続とを同時に行うことができるものである。
続いて、蓋体40が金属製などの不透明な材料で形成されている場合には、図2で説明した貫通孔27は設けられていない。このため、蓋体40を接合する前に、圧電振動片32に対して、駆動電圧を印加して、周波数を見ながら、例えば、レーザ光を圧電振動片32の振動腕35および/または振動腕36の錘付け電極21の先端側に照射し、質量削減方式により微調整としての周波数調整を行う(ST18−1)。
次いで、シーム溶接などにより蓋体40をパッケージ57に接合し(ST19−1)、必要な検査を経て、圧電デバイス30が完成する。
あるいは、パッケージ57を透明な蓋体40で封止する場合には、圧電振動片32のST17における接合後において、該蓋体40をパッケージ57に接合する(ST18−2)。
この場合、例えば、低融点ガラスなどを加熱して、蓋体40をパッケージ57に接合する加熱工程が行われるが、この際に、低融点ガラスや導電性接着剤などからガスが生成される。そこで、加熱により、このようなガスを図2で説明した貫通孔27から排出し(脱ガス)、その後、段部29に金錫、より好ましくは、金ゲルマニウムなどでなる金属球体やペレットを配置し、レーザ光などを照射することにより、溶融する。これにより図2の金属充填材28が貫通孔27を気密に封止する(ST19−2)。
次いで、図2で示すように、硼珪酸ガラスなどでなる透明な蓋体40を透過させるように外部からレーザ光を圧電振動片32の振動腕35および/または振動腕36の錘付け電極21の先端側に照射し、質量削減方式により微調整としての周波数調整を行う(ST20−2)。次いで、必要な検査を経て、圧電デバイス30が完成する。
(第2の実施形態)
図12および図13は、本発明の圧電デバイスの第2の実施形態を示しており、図12はその概略平面図、図13は図12のD−D線切断端面図である。
これらの図において、圧電デバイス30−1は、圧電振動子を構成した例を示しており、この圧電デバイス30−1は、基体であるパッケージ57−1内に圧電振動片32を収容している。
このパッケージ57−1は、第1の実施形態のパッケージ57とほぼ同じ構造である。
パッケージ57−1の第2の基板55に形成した各電極部31−1,31−2、31−1,31−2の上には、導電性接着剤43,43、43,43を用いて、圧電振動片32−3の支持用アーム61,62の後述する引出し電極形成箇所を載置して接合している。
このため、この圧電振動片32−1の導電性接着剤43による固定支持の後においては、圧電振動片32−1を構成する材料と、パッケージ57を構成する材料の線膨張係数の相違などに起因して、基部51には、残留応力が存在している。
圧電振動片32−1は、第1の実施形態と同様に圧電材料を利用して形成することができる。この圧電振動片32−1は、図1に示すように、基部51と、この基部51の一端(図において右端)から、右方に向けて、二股に別れて平行に延びる一対の振動腕35,36を備えている。
各振動腕35,36の主面の表裏には、好ましくは、それぞれ長さ方向に延びる長溝33,34をそれぞれ形成し、図1および図2で説明したのと同様に、この長溝内に駆動用の電極である励振電極37,38が設けられている。
尚、この実施形態では、各振動腕35,36の先端部は、好ましくは、ややテーパ状に次第に拡幅されることにより、重量増加され、錘の役割を果たすようにされている。これにより、振動腕の屈曲振動がされやすくなっている。
また、圧電振動片32−1は、その基部51の振動腕を形成した一端より、図12において、所定距離BL2(基部長さ)隔てた他端(図において左端)において、基部51の幅方向に延長され、かつ振動腕35,36の両外側の位置で、各振動腕35,36の延びる方向(図12において右方向)に、これら振動腕35,36と平行に延びている支持用アーム61,62を備えている。
このような圧電振動片32−1の音叉状の外形と、各振動腕に設ける長溝は、それぞれ例えば水晶ウエハなどの材料をフッ酸溶液などでウエットエッチングしたり、ドライエッチングすることにより精密に形成することができる。
支持用アーム61について図14を参照しながら説明すると、その長さ寸法uは、圧電振動片32−1の全長aに対して、60ないし80パーセントとすることが、安定した支持構造を得るために必要である。
また、後で述べる他の実施形態で説明することとして図示は省略するが、支持用アーム61の接合箇所と基部51との間となる箇所の一部に、剛性を低下させた箇所ないし構造である切り込み部もしくは縮幅部などを設けるようにしてもよい。これにより、CI値の低減などを期待できる。
また、支持用アーム61,62の外側コーナ部61a,62aは、それぞれ内方に凸もしくは外方に凸となったR状に面取りされることにより、欠けたりする損傷を防止している。
また、好ましくは、基部51には、基部51の振動腕側の端部から十分離れた位置において、両側縁に、基部51の幅方向の寸法を部分的に縮幅して形成した凹部もしくは切り込み部71,71を設けている。切り込み部71,71の深さは、例えば、それぞれ近接する振動腕35,36の外側の側縁と一致する程度まで縮幅されると好ましい。すなわち、その深さ(図14の寸法q)は、例えば60μm程度とすることができる。
これにより、振動腕35,36が屈曲振動する際に振動漏れが基部51側に漏れ、支持用アーム61,62に伝搬することを抑制し、CI値を低く抑えることができる。
ここで、本実施形態では、上述した支持用アーム61,62が延びる箇所、すなわち、基部51の他端部53は、振動腕35,36の付け根部52よりも十分離れた距離BL2を有するようにされている。
この距離BL2は、好ましくは、振動腕35,36の腕幅寸法W2の大きさを超える寸法とされている。
すなわち、音叉型振動片の振動腕35,36が屈曲振動する際に、その振動漏れが基部51に向かって伝えられる範囲は、振動腕35,36の腕幅寸法W2と相関がある。本発明者はこの点に着目し、支持用アーム61,62の基端となる箇所を適切な位置に設けなければならないという知見を持った。
そこで、本実施形態では、支持用アーム61,62の基端となる箇所53について、振動腕の付け根部52を起点として、振動腕の腕幅寸法W2の大きさに対応した寸法を超える位置を選択することで、振動腕35,36からの振動漏れが、支持用アーム61,62側に伝搬することを、より確実に抑制する構造とすることができたものである。したがって、CI値を抑制して、かつ後述する支持用アームの作用効果を得るためには、53の位置を振動腕35,36の付け根部(すなわち、基部51の一端部である)52の箇所から上記BL2の距離だけ離すことが好ましい。
同様の理由により、切り込み部71,71が形成される箇所も、振動腕35,36の付け根部52の箇所から振動腕35,36の腕幅寸法W2の大きさを超える箇所とするのが好ましい。このため、切り込み部71,71は、支持用アーム61,62が基部51に対して一体に接続されている箇所を含んで、そこよりも振動腕寄りの位置に形成される。
尚、支持用アーム61,62は振動に関与しないので、その腕幅f(図14参照)に特別の条件はないが、支持構造を確実にするため、振動腕よりも大きな幅とすることが好ましい。
かくして、この実施形態では、図12における振動腕の腕幅W2が40μmないし50μm程度、振動腕どうしの間隔MW2が50μmないし100μm程度、図14の寸法aで示す圧電振動片32−3の全長は、1300μmないし1600μm程度である。振動腕の全長である寸法bは、1100ないし1400μm,支持用アーム61,62の幅fが50μmないし100μm程度とすることで、基部51の幅寸法eは200ないし400μm、基部51の最大幅dを400μmないし600μmとすることができ、これは図18の圧電振動片1の幅とほぼ同様で、長さは短く、従来と同じ大きさのパッケージに十分収容できるものである。
また、本実施形態では、パッケージ寸法を小型にするために、基部51の側面と支持用アーム61,62の間隔(寸法p)が30ないし100μmとされている。
以上説明したように、本実施形態は、このような小型化をはかりつつ、以下のような作用効果を得ることができる。
図12の圧電振動片32−1においては、支持用アーム61,62がパッケージ57−1側に導電性接着剤43,43により接合されているので、周囲温度の変化や、落下衝撃などを原因として、その接合箇所に生じた応力変化が、支持用アーム61,62の接合箇所から、基部51の他端部53までの屈曲した距離と、さらには、距離BL2を超える基部51の長さ分の距離を隔てて振動腕35,36に影響を与えることはほとんどなく、このため、特に温度特性が良好となる。
しかも、これとは逆に屈曲振動する振動腕35,36からの振動漏れは、基部51を隔てた支持用アーム61,62に達するまでに距離BL2を超える基部51の所定長さを隔てていることから、ほとんど及ぶことがない。
ここで、基部51の長さが極端に短いと、屈曲振動の漏れた成分が支持用アーム61,62の全体に拡がり、制御が困難となる事態が考えられるが、この実施形態では、そのような事態が十分に回避される。
そして、このような作用を得ることができる上に、支持用アーム61,62は、図示したように、基部51の他端部53から幅方向に延長され、振動腕35,36の外側で、この振動腕と同じ方向に延びる構成としたから、全体の大きさをコンパクトにすることができる。
また、この実施形態では、図14に示すように、支持用アーム61,62の先端が、振動腕35,36の先端よりも基部51寄りになるように形成されている。この点においても、圧電振動片32−1の大きさをコンパクトにすることができる。
支持用アームとの接合箇所は、例えば、一方の支持用アーム61に関して、後述するように、圧電振動片32−1の長さ寸法の重心位置G(図12参照)に相当する箇所をひとつだけ選択することもできる。しかし、この実施形態のように、上記重心位置を挟んで該重心位置から等距離離れた2点を選んで電極部31−1,31−2を設定し、接合すると、より接合構造が強化されて好ましい。
ひとつの支持用アームについて、1点で接合する場合は、接着剤塗布領域の長さが、図14における圧電振動片32−1の全長aの25パーセント以上を確保することが十分な接合強度を得る上で好ましい。
この実施形態のように、2点の接合箇所を設ける場合には、接合箇所どうしの間隔を圧電振動片32−1の全長aの25パーセント以上とすることが十分な接合強度を得る上で好ましい。
さらに、図18の構成と比較して、容易に理解されるように、図18では、互いに接近した引き出し電極5と引き出し電極6に、導電性接着剤7,8を塗布して接合する構造であるから、これらが接触しないように、短絡を避けてきわめて狭い範囲に接着剤を塗布(パッケージ側)したり、接合後も硬化前に接着剤が流れて短絡しないようにしながら接合工程を実行しなければならず、容易な工程ではなかった。
これに対して、図12の圧電振動片32−1では、互いにパッケージ57−1の幅方向一杯に離れた支持用アーム61,62のそれぞれの重心位置Gから等距離離れた2点である電極部31−1,31−2に、導電性接着剤43,43,43,43を塗布すればよいので、上述のような困難さがほとんどなく、また、短絡の心配もないものである。
なお、圧電振動片32−1に関して、図14に示されているように、図3と共通の符号を付して示された箇所の構造と作用効果は、第1の実施形態と同じである。
(第3および第4の実施形態)
図15と図16は、圧電振動片の第3実施形態、第4実施形態をそれぞれ表しており、これらの実施形態は、支持用アームの一部に剛性を低くした構造を採用した例である。これらの図において、図12ないし図14で説明した圧電振動片32−1と共通する箇所には、同一の符号を付して重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
これらの実施形態では、上記した剛性を低くした構造が、いずれも基部51と接合箇所である導電性接着剤43との間の位置に設けられている。これにより、振動腕の屈曲振動による振動漏れが、支持用アームに及んだ場合であっても、接合箇所に伝えられることを極力低減することができるものである。
図15において、圧電振動片32−2では、剛性を低くした構造が、各支持用アーム61−1,62−1の途中に形成した縮幅部77,77である。
つまり、各支持用アーム61−1,62−1では、その長さ方向の中間付近に向かって、腕幅が徐々に縮幅されており、この中間付近は最も幅の狭い縮幅部となっている。このため、この縮幅部77,77は支持用アームの剛性が最も低い箇所となっており、伝搬した歪みはここに集中しやすいので、導電性接着剤43,43の箇所まで振動漏れが伝わりにくい構造とすることができる。しかも、このような縮幅部77,77は圧電振動片32−2の外形形成時にエッチングなどの手法により容易に形成することができる。
図16において、圧電振動片32−3では、剛性を低くした構造が、各支持用アーム61−2,62−2の途中に形成した切り込み部75,75と76,76である。支持用アーム61−2と62−2は同じ構造であるから、支持用アーム61−2についてだけ説明すると、支持用アーム61−2の外側から幅方向に切れ込んだ切り込み部が切り込み部75であり、内側から幅方向に切り込んだ切り込み部が切り込み部76である。
切り込み部75と76は両方設けた方が、振動腕35,36の屈曲振動の漏れ込みをより確実に防止できるが、ひとつでも振動の漏れ込みを低減する効果を得ることができる。また、切り込み部75,76は両方形成すると、その分支持用アーム61−2の剛性が低下するが、どちらかひとつであれば、大きな強度の低下はない。
すなわち、振動の漏れ込み防止の機能を重視する場合には、切り込み部75,76を両方設けた方がよく、支持用アーム61−2自体の強度を重視する場合には、どちらかひとつを形成すればよい。また、このような切り込み部75,76は圧電振動片32−3の外形形成時にエッチングなどの手法により容易に形成することができる。
図17は、本発明の上述した実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図である。
図において、送信者の音声を受信するマイクロフォン308及び受信内容を音声出力とするためのスピーカ309を備えており、さらに、送受信信号の変調及び復調部に接続された制御部としての集積回路等でなるCPU(Central Processing Unit)301を備えている。
CPU301は、送受信信号の変調及び復調の他に画像表示部としてのLCDや情報入力のための操作キー等でなる情報の入出力部302や、RAM,ROM等でなる情報記憶手段(メモリ)303の制御を行うようになっている。このため、CPU301には、圧電デバイス30やその他の実施形態のものが取り付けられて、その出力周波数をCPU301に内蔵された所定の分周回路(図示せず)等により、制御内容に適合したクロック信号として利用するようにされている。
CPU301は、さらに、温度補償水晶発振器(TCXO)305と接続され、温度補償水晶発振器305は、送信部307と受信部306に接続されている。これにより、CPU301からの基本クロックが、環境温度が変化した場合に変動しても、温度補償水晶発振器305により修正されて、送信部307及び受信部306に与えられるようになっている。
このように、制御部を備えたデジタル式携帯電話装置300のような電子機器に、上述した実施形態に係る圧電デバイス30その他の実施形態の圧電デバイスを利用することができる。この場合、CI値を抑え、かつ振動特性が良好な圧電振動片を使用することにより、優れた性能を発揮でき、耐衝撃性などの点でも製品の信頼性が向上する。
本発明は上述の実施形態に限定されない。上述の実施形態では、ひとつの基部から一対の振動腕が平行に延びる構成だけが示されているが、一つの基部から振動腕が複数対延びる構成としてもよい。さらに上述の各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
また、この発明は、箱状のパッケージに圧電振動片、もしくは圧電振動片と集積回路とを収容したものに限らず、シリンダー状の容器に圧電振動片を収容したもの、圧電振動片をジャイロセンサとして機能するようにしたもの、さらには、圧電振動子、圧電発振器等の名称にかかわらず、圧電振動片を利用したあらゆる圧電デバイスに適用することができる。
本発明の圧電デバイスの実施形態を示す概略平面図。 図1のB−B線概略断面図。 図1の圧電デバイスに使用される圧電振動片の概略平面図。 図3のC−C線切断端面図。 図3の圧電振動片の振動腕のくびれ位置とCI値の関係を示すグラフ。 図3の圧電振動片の振動腕のくびれ位置とCI値比の関係を示すグラフ。 図3の圧電振動片の振動腕の腕幅の幅縮幅率とCI値比の関係を示すグラフ。 図3の圧電振動片の第1の縮幅部の幅寸法とCI値の関係を示すグラフ。 図1の圧電振動片を用いた発振回路例を示す回路図。 図1の圧電デバイスの製造方法の一例を示すフローチャート。 水晶Z板の座標軸を示す図。 圧電デバイスの第2の実施形態を示す概略平面図。 図12のD−D線切断端面図。 第2の実施形態に係る圧電振動片の概略拡大平面図。 図1の圧電振動片の第3の実施形態を示す概略平面図。 図1の圧電振動片の第4の実施形態を示す概略平面図。 本発明の実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図。 従来の圧電振動片の概略平面図。 図18のA−A線切断端面図。 図18の圧電振動片のドライブレベル特性を示すグラフ。 図18の圧電振動片におけるCI値比のばらつきを示すグラフ。
符号の説明
30,30−1・・・圧電デバイス、32,32−1,32−2,32−3・・・圧電振動片、33,34・・・長溝、35,36・・・振動腕、TL・・・第1の縮幅部、CL・・・第2の縮幅部、300・・・デジタル式携帯電話装置

Claims (15)

  1. 圧電材料により形成された基部と、
    前記基部と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕と、
    前記各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝と、
    前記長溝に形成した駆動用の電極と
    を備えており、
    前記各振動腕の幅寸法が、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅するとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pがあり、
    前記変更点Pを、前記長溝の先端部よりもさらに腕先端側に位置させるようにした
    ことを特徴とする圧電振動片。
  2. 前記各振動腕の幅寸法が、前記振動腕の前記基部に対する付け根の箇所で、先端側に向かって急激に縮幅する第1の縮幅部と、この第1の縮幅部の終端から、前記縮幅部として、さらに先端側に向かって、徐々に縮幅する第2の縮幅部とを有することを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
  3. 前記基部には、その圧電材料を幅方向に縮幅して形成した切り込み部を有しており、該切り込み部が、前記各振動腕の付け根から前記腕幅の寸法の1.2倍以上の距離を離して前記基部に形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の圧電振動片。
  4. 前記各振動腕の側面に、プラスX軸(電気軸)方向に突出する異形部が最小となるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電振動片。
  5. 前記振動腕の幅縮幅率としての最大幅/最小幅=Mの値が、前記振動腕の腕長さに対する前記長溝の長さの割合=Nとの関係で決定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の圧電振動片。
  6. 前記Nを61パーセント程度とした場合に、前記Mを1.06以上としたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の圧電振動片。
  7. 前記第1の縮幅部の幅が11μm以上であることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の圧電振動片。
  8. 前記基部の一端側である前記振動腕の基端側から所定距離だけ離れた前記基部の他端側から幅方向に延長され、かつ前記振動腕の外側において、該振動腕と同じ方向に延びる支持用アームを備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の圧電振動片。
  9. 前記基部には、前記支持用アームが前記基部に対して一体に接続されている接続部よりも前記振動腕寄りの位置に、前記圧電材料を幅方向に縮幅して形成した切り込み部を備えることを特徴とする請求項8に記載の圧電振動片。
  10. 前記支持用アームの先端が、前記振動腕の先端よりも前記基部寄りになるように、前記支持用アームの長さが設定されていることを特徴とする請求項8または9のいずれかに記載の圧電振動片。
  11. 前記支持用アームは、その基体側への接合箇所よりも前記基部側となる箇所に剛性を低くした構造を備えることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の圧電振動片。
  12. 前記剛性を低くした構造が、前記支持用アームの途中に形成した縮幅部であることを特徴とする請求項11に記載の圧電振動片。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の前記圧電振動片をパッケージまたはケース内に収容したことを特徴とする圧電デバイス。
  14. パッケージまたはケース内に圧電振動片が収容された圧電デバイスを利用した携帯電話装置であって、
    前記圧電振動片が、
    圧電材料により形成された基部と、
    前記基部と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕と、
    前記各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝と、
    前記長溝に形成した駆動用の電極と
    を備えており、
    前記各振動腕の幅寸法が、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅するとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pがあり、
    前記変更点Pを、前記長溝の先端部よりもさらに腕先端側に位置させた圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした
    ことを特徴とする、携帯電話装置。
  15. パッケージまたはケース内に圧電振動片が収容された圧電デバイスを利用した電子機器であって、
    前記圧電振動片が、
    圧電材料により形成された基部と、
    前記基部と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕と、
    前記各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝と、
    前記長溝に形成した駆動用の電極と
    を備えており、
    前記各振動腕の幅寸法が、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅するとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pがあり、
    前記変更点Pを、前記長溝の先端部よりもさらに腕先端側に位置させた圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした
    ことを特徴とする、電子機器。
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