JP2006351801A - 固体撮像装置及びカメラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 屈折率を異にすると共に光学膜厚を同じくする2種類の誘電体層が交互に積層されてなるλ/4多層膜にてスペーサ層を挟んた多層膜干渉フィルタ306をカラーフィルタとして用いる。多層膜干渉フィルタ306の外光が入射する面は凸レンズ面となっており、入射光をフォトダイオード303上に集光する。
【選択図】 図3
Description
図8は、従来技術に係る固体撮像装置の画素部分の典型的な構成を示す断面図である。図8に示されるように、従来技術に係る固体撮像装置8の画素部分はN型半導体層801上にP型半導体層802、層間絶縁膜804、有機顔料タイプのカラーフィルタ806及び集光レンズ807を順次積層した構成を採っている。なお、P型半導体802の層間絶縁膜804側にはフォトダイオード803が形成されており、層間絶縁膜804中には遮光膜805が形成されている。
「固体撮像素子の基礎」日本理工出版会、安藤・菰淵著、映像情報メディア学会編、1999年12月発行、p.183−188。
例えば、固体撮像装置を車載用カメラに適用する場合には、直射日光や高温に曝されても正常動作と長寿命を確保できるよう耐久性を向上させなければならない。
しかしながら、従来技術に係る固体撮像装置は集光レンズに樹脂材料を、カラーフィルタに有機顔料を用いており、直射日光や高温に曝されると変形したり、変質したりするため十分な耐久性を確保できないという問題がある。
固体撮像装置の各画素の大きさが2μm角を下回るとカラーフィルタを透過した光が当該カラーフィルタに対応しない受光素子に入射して色分離機能が低下したり、雑音の増加や波長感度の低下を生じたりするおそれがある。
この場合において、半導体基板を備え、カラーフィルタを構成する各層が半導体基板の主面にほぼ平行になっているとしても良いし、カラーフィルタを構成する各層が凸レンズ面にほぼ平行になっているとしても良い。いずれの場合も、カラーフィルタに集光機能を兼ね備えさせることができる。従って、カラーフィルタとレンズとを別体とする場合に比べて固体撮像装置を小型化することができる。なお、カラーフィルタは光電変換手段に最も近い層において凸形状の誘電体層に支持されているとしても良い。
また、本発明に係るカメラは、画素が二次元配列された固体撮像装置であって、屈折率を異にすると共に光学膜厚を同じくする2種類の誘電体層が交互に積層されてなる1対のλ/4多層膜にてスペーサ層を挟んでなり、特定の波長の入射光のみを透過させるカラーフィルタと、カラーフィルタを透過した入射光を光電変換する光電変換手段と、を画素毎に備え、カラーフィルタは、入射光が光電変換手段に集光するように、外光が入射する面が凸レンズ面となっている固体撮像装置を備えることを特徴とする。
[1] 第1の実施の形態
(1)デジタルスチルカメラの構成
先ず、本実施の形態に係るデジタルスチルカメラの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るデジタルスチルカメラの主要な機能構成を示すブロック図である。
レンズ101はデジタルカメラ1に入射した光を固体撮像装置102の撮像領域上に結像させる。固体撮像装置102は入射光を光電変換して色信号を生成する。素子駆動部105は固体撮像装置102から色信号を取り出す。色信号合成部103は固体撮像装置102から受け付けた色信号に色シェーディングを施す。映像信号作成部104は色信号合成部103にて色シェーディングを施された色信号からカラー映像信号を生成する。カラー映像信号は最終的にカラー画像データとして記録媒体に記録される。
次に、固体撮像装置102の構成について説明する。
図2は、固体撮像装置102の概略構成を示す図である。図2に示されるように、固体撮像装置102は2次元配列された単位画素201の各行を垂直シフトレジスタ202により選択し、その行信号を水平シフトレジスタ203により選択して、画素毎のカラー信号を出力アンプ204から出力する。なお、固体撮像装置102は駆動回路205にて垂直シフトレジスタ202、水平シフトレジスタ203及び出力アンプ204を駆動する。
P型半導体層302の層間絶縁膜304側にはN型不純物がイオン注入されてなるフォトダイオード303が画素毎に形成されている。隣り合うフォトダイオード303の間にはP型半導体層が介在しており、これを素子分離領域という。また、層間絶縁膜304の多層膜干渉フィルタ側には、素子分離領域に対向する位置に遮光膜305が形成されている。遮光膜305は多層膜干渉フィルタ306を透過した光が対応関係にないフォトダイオード303に入射するのを防ぐ。
図3に示されるように、多層膜干渉フィルタ306は画素毎にドーム形状となっている。このような形状をとることによって、多層膜干渉フィルタ306は画素毎に入射光をフォトダイオード303に集光する。
次に、多層膜干渉フィルタ306の製造方法について説明する。図4は多層膜干渉フィルタ306を製造する諸工程を示す図である。図4において、多層膜干渉フィルタ306の製造工程は(a)から(e)へと進む。また、N型半導体層301、P型半導体層302、フォトダイオード303及び遮光膜305は図示を省略した。
次に、スペーサ層404をエッチングして、透過させるべき波長に応じた膜厚にする。すなわち、スペーサ層404上にレジスト405を形成し、スペーサ層404の赤色領域をエッチングして、膜厚を整える(図4(b))。レジスト405を除去した後、更に、スペーサ層404上にレジスト406を形成し、スペーサ層404の緑色領域をエッチングにより除去する(図4(c))。
このようにして整形した二酸化シリコン層410の個々の画素に対応する位置毎に、フォトリソプロセスを用いてレジストパターン411を形成する(図4(e))。ドライエッチングプロセスを用いて、多層膜干渉フィルタ106の形状をドーム状に整形する。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るデジタルスチルカメラについて説明する。本実施の形態に係るデジタルスチルカメラは、上記第1の実施の形態に係るデジタルスチルカメラと概ね同様の構成を備える一方、多層膜干渉フィルタ106の構成において相違している。以下、専ら相違点に着目して説明する。
図5は、本実施の形態に係る固体撮像装置の画素部分の構成を示す断面図である。図5に示されるように、固体撮像装置5は上記第1の実施の形態に係る固体撮像装置1と概ね同様の構成をとっており、N型半導体層501、P型半導体層502、フォトダイオード503、層間絶縁膜504、遮光膜505、多層膜干渉フィルタ506、及び凸状層507を備えている。
次に、多層膜干渉フィルタ506の製造方法について説明する。図6は多層膜干渉フィルタ506を製造する諸工程を示す図である。図6において、多層膜干渉フィルタ506の製造工程は(a)から(f)へと進む。また、N型半導体層501、P型半導体層502、フォトダイオード503及び遮光膜505は図示を省略した。
その後、高周波スパッタ装置を用いて、凸状層507に二酸化チタン層601、二酸化シリコン層602、及び二酸化チタン層603を順次積層してλ/4多層膜を形成し、更に二酸化チタン層603上にスペーサ層604を形成する(図6(b))。
[3] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
すなわち、窒化シリコン(Si3N4)や三酸化二タンタル(Ta2O3)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)等、他の材料を高屈折率層の材料として用いても良い。同様に、低屈折率層の材料についても二酸化シリコン以外の材料を用いても良い。多層膜干渉フィルタに用いる材料の如何に関わらず本発明の効果を得ることができる。
すなわち、透過させる光色ごとに偏角が異なるので、多層膜干渉フィルタや凸状層を光色毎に入射光をフォトダイオードに集光するのに適した形状としても良い。図7は、本変形例に係る多層膜干渉フィルタの形状を示す断面図である。図7に示されるように、赤色光は緑色光や青色光よりも波長が長く偏角が小さいので赤色領域では多層膜干渉フィルタの曲率が小さく、青色光は緑色光や赤色光よりも波長が短く偏角が大きいので青色領域では多層膜干渉フィルタの曲率が大きくなっている。
101………………………………………………………レンズ
102、5、8……………………………………………固体撮像装置
103………………………………………………………色信号合成部
104………………………………………………………映像信号作成部
105………………………………………………………素子駆動部
201………………………………………………………単位画素
202………………………………………………………垂直シフトレジスタ
203………………………………………………………水平シフトレジスタ
204………………………………………………………出力アンプ
205………………………………………………………駆動回路
301、501、801…………………………………N型半導体基板
302、502、802…………………………………P型半導体層
303、503、803…………………………………フォトダイオード
304、504、804…………………………………層間絶縁膜
305、505、805…………………………………遮光膜
306、506……………………………………………多層膜干渉フィルタ
401、403、407、409、601、603…二酸化チタン層
607、609……………………………………………二酸化チタン層
402、408、410、602、608、610…二酸化シリコン層
404、604……………………………………………スペーサ層
405、406、411、605、606……………レジスト
507………………………………………………………凸状層
806………………………………………………………カラーフィルタ
807………………………………………………………集光レンズ
Claims (7)
- 画素が二次元配列された固体撮像装置であって、
屈折率を異にすると共に光学膜厚を同じくする2種類の誘電体層が交互に積層されてなる1対のλ/4多層膜にてスペーサ層を挟んでなり、特定の波長の入射光のみを透過させるカラーフィルタと、
カラーフィルタを透過した入射光を光電変換する光電変換手段と、を画素毎に備え、
カラーフィルタは、入射光が光電変換手段に集光するように、外光が入射する面が凸レンズ面となっている
ことを特徴とする固体撮像装置。 - 半導体基板を備え、
カラーフィルタを構成する各層が半導体基板の主面にほぼ平行になっている
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。 - カラーフィルタを構成する各層が凸レンズ面にほぼ平行になっている
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。 - カラーフィルタは光電変換手段に最も近い層において凸形状の誘電体層に支持されている
ことを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。 - カラーフィルタの凸レンズ面は透過させるべき光色に応じた曲率を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。 - 凸形状の誘電体層は透過させるべき光色に応じた曲率を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の固体撮像装置。 - 画素が二次元配列された固体撮像装置であって、
屈折率を異にすると共に光学膜厚を同じくする2種類の誘電体層が交互に積層されてなる1対のλ/4多層膜にてスペーサ層を挟んでなり、特定の波長の入射光のみを透過させるカラーフィルタと、
カラーフィルタを透過した入射光を光電変換する光電変換手段と、を画素毎に備え、
カラーフィルタは、入射光が光電変換手段に集光するように、外光が入射する面が凸レンズ面となっている固体撮像装置を備える
ことを特徴とするカメラ。
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