JP2006351464A - 導電性粒子、導電性粒子の製造方法及び異方性導電材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材粒子、前記基材粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、前記ニッケル層の表面に形成された突起を有する銀層からなる導電性粒子。
【選択図】 なし
Description
以下に本発明を詳述する。
これらの基材粒子は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、上記基材粒子の平均粒子径は、無作為に選んだ50個の基材粒子について粒子径を測定し、これらを算術平均したものとする。
なお、上記ニッケル層の厚さは、無作為に選んだ10個の粒子について測定し、これらを算術平均した厚さである。
本発明の導電性粒子においては、上記突起が銀からなることにより、上記突起が、本発明の導電性粒子を用いてなる異方性導電材料を回路基板等に挟んで導電接続時に圧着することにより崩れる柔らかい突起となる。その結果、回路基板等と本発明の導電性粒子との間に存在する異方性導電材料中のバインダー樹脂等を突き破るとともに(樹脂排除性)、回路基板等の面で突起がつぶれ、先端が平坦化するため、本発明の導電性粒子と回路基板等とが面接触となり、導通不良防止とともに、抵抗値の低減化が可能となる。
また、ニッケル層の表面に銀層が存在することにより、ニッケル層の酸化防止、接続抵抗の低減化、表面の安定化等を図ることができる。
突起を有する銀層を形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、無電解銀メッキ浴中における銀の異常析出を利用する方法等が好適に用いられる。
後述するように、無電解銀メッキ浴中の銀イオン濃度及び錯化剤の量を適宜調整することにより、極めて高い効率で銀の異常析出による突起を有する導電性粒子を製造することができる。
上記無電解ニッケルメッキ法とは、基材粒子の表面に触媒付与を行い、ニッケル、及び、メッキ安定剤を含有するニッケルメッキ液中で、触媒付与された上記基材粒子の表面に無電解メッキ法によりニッケル層を形成させる方法である。
なお、センシタイジングとは、絶縁物質の表面にSn2+イオンを吸着させる工程であり、アクチベイチングとは、絶縁性物質表面にSn2++Pd2+→Sn4++Pd0で示される反応を起こしてパラジウムを無電解メッキの触媒核とする工程である。
上記表面にニッケル層が形成された基材粒子の表面に、突起を有する銀層を形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、還元型無電解銀メッキによる方法等が好適に用いられる。
具体的には、例えば、予め水溶性銀塩及び錯化剤等を混合し、pH及び温度を調整した無電解銀メッキ浴に被メッキ粒子を直接投入する方法、上記と同様にして調整した無電解銀メッキ浴に被メッキ粒子を水に分散させたスラリーで投入する方法、メッキ成分の一部を除いて調整した無電解銀メッキ浴に、被メッキ粒子を分散させた後、残りのメッキ成分を添加する方法等が挙げられる。
上記水溶性銀塩としては、水溶性を示すものであれば特に限定されず、例えば、硝酸銀、硫酸銀等のノーシアン系銀塩;シアン化銀等のシアン系銀塩等が挙げられる。なかでも、環境問題等の観点よりノーシアン系銀塩が好ましい。
上記ノーシアン系銀塩を用いることにより、ノーシアン系の無電解銀メッキを行うことができ、シアン浴のように強アルカリで用いられることがないため基材粒子等への浸食がなく、環境にも配慮したものとなる。上記ノーシアン系銀塩のなかでも、水への溶解性を考慮すると硝酸銀が好適に用いられる。
上記還元剤は、メッキ液中の銀イオンを還元して金属銀を析出しやすくする作用をする。
上記還元剤としては特に限定されず、従来公知のものを用いればよいが、イミダゾール化合物が好適に用いられ、なかでも、ベンズイミダゾールが特に好適に用いられる。還元剤としてイミダゾール化合物を用いると、下地触媒型の還元型無電解銀メッキによる方法となる。
下地触媒型の還元型無電解銀メッキによる方法では、ニッケル被膜の表面で酸化反応を起こし、析出金属である銀の表面では酸化反応を起こさない還元剤をニッケル被膜の表面に存在させ、無電解銀メッキ浴中の銀塩を還元させて銀を析出させることにより銀メッキ被膜を形成することができる。
上記結晶調整剤は、ニッケルと銀との置換反応を抑え、銀結晶を微細にして、ニッケルメッキ被膜と銀メッキ被膜との密着性を優れたものとすることができるだけでなく、ピンホールの発生を抑えるため、非常に低抵抗な導電性粒子が形成されることとなる。
上記結晶調整剤としては特に限定されないが、グリオキシル酸が好適に用いられる。
上記無電解銀メッキ浴には、必要に応じて緩衝剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
更に、このような物理的方法で凝集を制御するだけでなく、化学的に凝集を抑制するために、ポリエチレングリコール等の界面活性剤を併用することがより好ましい。
また、上記硬化性樹脂は、常温硬化型、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型のいずれの硬化型であってもよい。
また、絶縁性の樹脂バインダーと、本発明の導電性粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
(無電解ニッケルメッキ)
粒径4μmのジビニルベンゼン樹脂粒子を、イオン吸着剤の10%溶液で5分間処理し、その後、硫酸パラジウム0.01%水溶液で5分間処理し、更にジメチルアミンボランを加えて還元処理を施し、ろ過、洗浄することにより、パラジウムを担持した基材粒子を得た。
次に、コハク酸ナトリウム1%とイオン交換水500mL含む溶液を調製し、基材粒子10gとを混合してスラリーを調製し、更に硫酸を添加してスラリーのpH5に調整した。一方、ニッケルメッキ液として、硫酸ニッケル10%と次亜リン酸ナトリウム10%、水酸化ナトリウム4%及びコハク酸ナトリウム20%を含む前期ニッケル溶液を調製した。スラリーを80℃にし、これに作製した前期ニッケル溶液を連続的に滴下し、20分間攪拌することによりメッキ反応させた。このメッキ反応中に、著しい凝集はなく、水素の発生がなくなることを確認してメッキ反応を終了させた。
次に、硫酸ニッケル20%、ジメチルアミンボラン5%、水酸化ナトリウム5%を含む後期ニッケル溶液を調製し、後期ニッケル液を調製した。その後、前期ニッケル液反応終了後の溶液に作製した後期ニッケル液を連続的に滴下し、1時間攪拌することによりメッキ反応させた。
次に、銀塩として硝酸銀4.25gを純水625mLに室温で溶解した溶液に、還元剤としてベンズイミダゾール15gを加えて溶解し、当初生成した沈殿が完全に溶解したのを確認した後、錯化剤としてコハク酸イミド5g、クエン酸1水和物3gを溶解し、その後、結晶調整剤としてグリオキシル酸13gを投入し完全溶解させ無電解銀メッキ液を調製した。
次に、得られたニッケルメッキ被膜が形成された粒子を無電解銀メッキ液に投入し、この溶液を攪拌しながら加熱して温度を50℃に保った。その後、ブフナー漏斗で濾別して粒子を分離し、分離した粒子に純水約1000mLを振り掛け洗浄した。その後、アルコール置換を行い、真空乾燥機で80℃2時間乾燥し、導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子について、その断面を切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、導電性粒子はニッケル層が平滑で銀層が突起を有していた。
実施例1と同様にして、無電解ニッケルメッキを行い、ニッケルメッキ被膜が形成された粒子を得た。
次に、銀塩として硝酸銀4.25gを純水1180mLに室温で溶解した溶液に、還元剤としてベンズイミダゾール15gを加えて溶解し、当初生成した沈殿が完全に溶解したのを確認した後、錯化剤としてアンモニア6g、クエン酸1水和物6gを溶解し、その後、結晶調整剤としてグリオキシル酸10gを投入し完全溶解させ無電解銀メッキ液を調製した。
次に、得られたニッケルメッキ被膜が形成された粒子を無電解銀メッキ液に投入し、この溶液を攪拌しながら加熱して温度を50℃に保った。その後、ブフナー漏斗で濾別して粒子を分離し、分離した粒子に純水約1000mLを振り掛け洗浄した。その後、アルコール置換を行い、真空乾燥機で80℃2時間乾燥し、導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子について、その断面を切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、導電性粒子はニッケル層銀層ともに平滑であった。
ニッケルメッキ液として、硫酸ニッケル10%と次亜リン酸ナトリウム10%、水酸化ナトリウム7%及びコハク酸ナトリウム7%を含む前期ニッケル溶液を調製した。
実施例1と同様のスラリーを80℃にし、これに作製した前期ニッケル溶液を連続的に滴下し、20分間攪拌することによりメッキ反応させた。このメッキ反応中に、著しい凝集はなく、水素の発生がなくなることを確認してメッキ反応を終了させた。
次に、硫酸ニッケル20%、ジメチルアミンボラン5%、水酸化ナトリウム5%を含む後期ニッケル溶液を調製し、後期ニッケル液を調製した。その後、前期ニッケル液反応終了後の溶液に、作製した後期ニッケル液を連続的に滴下し、1時間攪拌することによりメッキ反応させた。
次に、比較例1と同様にして、無電解銀メッキを行い、導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子について、その断面を切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、導電性粒子はニッケル層が突起を有し、銀層がニッケル層に均一に形成されていた。
実施例1及び比較例1〜2で得られた導電性粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
エタノール20mLにジルコニアボール40g、得られた導電性粒子1gを添加し、4枚羽根を用いて400rpmで2分間攪拌した後、濾過乾燥を行い、導電性粒子を走査電子顕微鏡(SEM)で観察した。測定は1000倍視野で写真5枚を撮影し、メッキの割れた粒子数をカウントした。
樹脂バインダーの樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及びトルエン100重量部に、得られた導電性粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて導電性粒子を含有する接着フィルムを得た。なお、導電性粒子の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cm2とした。
その後、導電性粒子を含有する接着フィルムを、導電性粒子を含有させずに得た接着フィルムと常温で貼り合わせ厚さ17μmで2層構造の異方性導電フィルムを得た。
2枚のガラス基板を、圧力10N、温度180℃の条件で熱圧着した後、電極間の抵抗値を四端子法にて測定した。
Claims (3)
- 基材粒子、前記基材粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、前記ニッケル層の表面に形成された突起を有する銀層からなることを特徴とする導電性粒子。
- 無電解ニッケルメッキ法により基材粒子の表面にニッケル層を形成させる工程1と、水溶性銀塩、及び、錯化剤を含有する銀メッキ浴中で、前記表面にニッケル層が形成された基材粒子の表面に、突起を有する銀層を形成させる工程2とを有する導電性粒子の製造方法であって、前記銀メッキ浴中における銀イオン濃度が0.03〜0.4mol/L、かつ、前記錯化剤の濃度が前記銀イオン濃度に対して0.4〜5倍であることを特徴とする導電性粒子の製造方法。
- 請求項1記載の導電性粒子が樹脂バインダーに分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
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JP2016201364A (ja) * | 2016-06-09 | 2016-12-01 | 日本化学工業株式会社 | 導電性粒子及びそれを含む導電性材料 |
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2005
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