JP2006351464A - 導電性粒子、導電性粒子の製造方法及び異方性導電材料 - Google Patents

導電性粒子、導電性粒子の製造方法及び異方性導電材料 Download PDF

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Abstract

【課題】突起の強度が高く、導電性粒子を相対向する回路基板等の間に挟んで圧着しても突起がつぶれにくいため、導電性粒子と回路基板等とは点接触しかすることができず、接続抵抗の低減効果が不充分であったという従来の問題に鑑み、導通不良防止とともに抵抗値の低減化が可能な導電性粒子、導電性粒子の製造方法及び異方性導電材料を提供する。
【解決手段】基材粒子、前記基材粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、前記ニッケル層の表面に形成された突起を有する銀層からなる導電性粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導通不良防止とともに抵抗値の低減化が可能な導電性粒子、導電性粒子の製造方法及び異方性導電材料に関する。
導電性粒子は、バインダー樹脂や粘接着剤等と混合、混練することにより、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等の異方性導電材料として広く用いられている。
これらの異方性導電材料は、例えば、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子機器において、回路基板同士を電気的に接続したり、半導体素子等の小型部品を回路基板に電気的に接続したりするために、相対向する回路基板や電極端子の間に挟み込んで使用されている。
このような異方性導電材料に用いられる導電性粒子としては、従来、粒子径が均一で、適度な強度を有する樹脂粒子等の非導電性粒子の表面に、導電層として金属メッキ層を形成させた導電性粒子が用いられている。しかしながら、このような異方性導電材料を用いて回路基板同士を電気的に接続すると、導電性粒子表面の導電層と回路基板等との間にバインダー樹脂等がはさまり、導電性粒子と回路基板等との間の接続抵抗が高くなることがあった。特に近年の電子機器の急激な進歩や発展に伴って、導電性粒子と回路基板等との間の接続抵抗の更なる低減が求められてきている。
接続抵抗を低減する目的で、表面に突起を有する導電性粒子が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この導電性粒子は、導電性粒子表面の導電層と回路基板等との間に存在するバインダー樹脂等を突起が突き破ることで(樹脂排除性)、突起と回路基板等とを確実に接続させることで、導電性粒子と回路基板等との間の接続抵抗の低減を図っている。
しかしながら、この導電性粒子は突起がニッケルにより形成されているため、突起の強度が高く、導電性粒子を相対向する回路基板等の間に挟んで圧着しても突起がつぶれにくいため、導電性粒子と回路基板等とは点接触しかすることができず、接続抵抗の低減効果は不充分であった。
特開2000−243132号公報
本発明は、上記現状に鑑み、導通不良防止とともに抵抗値の低減化が可能な導電性粒子、導電性粒子の製造方法及び異方性導電材料を提供することを目的とする。
本発明は、基材粒子、前記基材粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、前記ニッケル層の表面に形成された突起を有する銀層からなる導電性粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、回路基板等の電気的接続に用いる導電性粒子として、所定の突起を有する導電性粒子を用いることで、樹脂排除して確実に導電性粒子と回路基板等とを接触させることができることに加え、導電接続時に回路基板間を圧着したときに、突起部分がつぶれることにより導電性粒子と回路基板等との接触を点接触から面接触とすることにより、導電性粒子と回路基板等との間の接続抵抗を低減することができるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の導電性粒子は、基材粒子、上記基材粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、上記ニッケル層の表面に形成された突起を有する銀層からなる。
上記基材粒子としては特に限定されず、適度な弾性率、弾性変形性及び復元性を有するものであれば、有機系材料であっても無機系材料であってもよいが、なかでも、樹脂粒子等の有機系材料であることが好ましい。
上記有機系材料としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ジビニルベンゼン重合体;ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のジビニルベンゼン系重合体;(メタ)アクリル酸エステル重合体等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステル重合体は、必要に応じて架橋型、非架橋型のいずれを用いてもよく、これらを混合して用いてもよい。なかでも、ジビニルベンゼン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体が好ましい。ここで、(メタ)アクリル酸エステルとは、メタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルを意味する。
上記無機系材料としては特に限定されず、例えば、金属、ガラス、セラミックス、金属酸化物、金属ケイ酸塩、金属炭化物、金属窒化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属リン酸塩、金属硫化物、金属酸塩、金属ハロゲン化物、炭素等が挙げられる。
これらの基材粒子は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記基材粒子の平均粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は100μmである。1μm未満であると、例えば、後述する無電解メッキ等をする際に凝集しやすく、単粒子としにくくなることがあり、100μmを超えると、異方性導電材料として回路基板等に用いられる範囲を超えることがある。より好ましい上限は15μmである。
なお、上記基材粒子の平均粒子径は、無作為に選んだ50個の基材粒子について粒子径を測定し、これらを算術平均したものとする。
上記ニッケル層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は10nm、好ましい上限は500nmである。10nm未満であると、所望の導電性が得られないことがあり、500nmを超えると、基材粒子とニッケル層との熱膨張率の差から、上記ニッケル層が剥離しやすくなることがある。
なお、上記ニッケル層の厚さは、無作為に選んだ10個の粒子について測定し、これらを算術平均した厚さである。
本発明の導電性粒子は、上記ニッケル層の表面に突起を有する銀層を有する。
本発明の導電性粒子においては、上記突起が銀からなることにより、上記突起が、本発明の導電性粒子を用いてなる異方性導電材料を回路基板等に挟んで導電接続時に圧着することにより崩れる柔らかい突起となる。その結果、回路基板等と本発明の導電性粒子との間に存在する異方性導電材料中のバインダー樹脂等を突き破るとともに(樹脂排除性)、回路基板等の面で突起がつぶれ、先端が平坦化するため、本発明の導電性粒子と回路基板等とが面接触となり、導通不良防止とともに、抵抗値の低減化が可能となる。
また、ニッケル層の表面に銀層が存在することにより、ニッケル層の酸化防止、接続抵抗の低減化、表面の安定化等を図ることができる。
上記突起の高さとしては特に限定されないが、好ましい下限は上記基材粒子の平均粒子径の0.5%、好ましい上限は上記基材粒子の平均粒子径の25%である。上記基材粒子の平均粒子径の0.5%未満であると、充分な樹脂排除性が得られないことがあり、上記基材粒子の平均粒子径の25%を超えると、突起が回路基板等に深くめり込み、回路基板等を破損させるおそれがある。
上記突起の存在密度としては特に限定されないが、導電性粒子の表面において好ましい下限は0.4個/μm、好ましい上限は1個/μmである。0.4個/μm未満であると、導電性粒子の向きによっては突起と回路基板等とが接触しないことがあり、1個/μmを超えると、突起同士が重なり合い、導電接続時に導電性粒子と回路基板等とを圧着した際に突起がつぶれにくいことがある。
本発明の導電性粒子の平均粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は100μmである。1μm未満であると、凝集しやすく、単粒子としにくくなることがあり、100μmを超えると、異方性導電材料として微細な配線を有する基板等の電極端子間で用いられる範囲を超えてしまうことがある。より好ましい上限は15μmである。
本発明の導電性粒子のCV値(粒子径分布の標準偏差を平均粒子径で除して百分率とした値)が10%以下であることが好ましい。CV値が10%以下であることにより、導電性粒子と回路基板等との接触面積のばらつきが小さく、安定した接続が得られやすい。
本発明の導電性粒子を製造する方法としては特に限定されず、例えば、基材粒子の表面にニッケル層を形成させ、次に、突起を有する銀層を形成させる方法等が挙げられる。
突起を有する銀層を形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、無電解銀メッキ浴中における銀の異常析出を利用する方法等が好適に用いられる。
後述するように、無電解銀メッキ浴中の銀イオン濃度及び錯化剤の量を適宜調整することにより、極めて高い効率で銀の異常析出による突起を有する導電性粒子を製造することができる。
上記基材粒子の表面にニッケル層を形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、無電解ニッケルメッキ法等が好適に用いられる。
上記無電解ニッケルメッキ法とは、基材粒子の表面に触媒付与を行い、ニッケル、及び、メッキ安定剤を含有するニッケルメッキ液中で、触媒付与された上記基材粒子の表面に無電解メッキ法によりニッケル層を形成させる方法である。
上記触媒付与を行う方法としては、例えば、アルカリ溶液でエッチングされた基材粒子に酸中和、及び、二塩化スズ(SnCl)溶液におけるセンシタイジングを行い、二塩化パラジウム(PdCl)溶液におけるアクチベイジングを行う無電解メッキ前処理工程を行う方法等が挙げられる。
なお、センシタイジングとは、絶縁物質の表面にSn2+イオンを吸着させる工程であり、アクチベイチングとは、絶縁性物質表面にSn2++Pd2+→Sn4++Pdで示される反応を起こしてパラジウムを無電解メッキの触媒核とする工程である。
上記メッキ安定剤としては特に限定されず、例えば、硝酸ビスマス、硝酸タリウム等が挙げられる。
次いで、無電解銀メッキ浴中における銀の異常析出を利用して、突起を有する銀層を形成させる方法について詳しく説明する。
上記表面にニッケル層が形成された基材粒子の表面に、突起を有する銀層を形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、還元型無電解銀メッキによる方法等が好適に用いられる。
具体的には、例えば、予め水溶性銀塩及び錯化剤等を混合し、pH及び温度を調整した無電解銀メッキ浴に被メッキ粒子を直接投入する方法、上記と同様にして調整した無電解銀メッキ浴に被メッキ粒子を水に分散させたスラリーで投入する方法、メッキ成分の一部を除いて調整した無電解銀メッキ浴に、被メッキ粒子を分散させた後、残りのメッキ成分を添加する方法等が挙げられる。
上述したように、上記無電解銀メッキ浴中には、少なくとも水溶性銀塩と錯化剤とが添加される。
上記水溶性銀塩としては、水溶性を示すものであれば特に限定されず、例えば、硝酸銀、硫酸銀等のノーシアン系銀塩;シアン化銀等のシアン系銀塩等が挙げられる。なかでも、環境問題等の観点よりノーシアン系銀塩が好ましい。
上記ノーシアン系銀塩を用いることにより、ノーシアン系の無電解銀メッキを行うことができ、シアン浴のように強アルカリで用いられることがないため基材粒子等への浸食がなく、環境にも配慮したものとなる。上記ノーシアン系銀塩のなかでも、水への溶解性を考慮すると硝酸銀が好適に用いられる。
上記無電解銀メッキ浴中の銀イオンの濃度は、下限が0.03mol/L、上限が0.4mol/Lである。0.03mol/L未満であると、反応速度の低下を招くとともに突起が効果的に形成されず、0.4mol/Lを超えると、メッキ浴の分解が起こりやすくなる。
上記錯化剤としては特に限定されず、例えば、イミド基又はアミド基を有する有機化合物;亜硫酸、亜硫酸塩、クエン酸等の有機酸、アンモニア等が挙げられる。なかでも、イミド基を有するコハク酸イミドが好適に用いられる。
上記無電解銀メッキ浴中の錯化剤の濃度は、上記銀イオンに対して下限が0.4倍、上限が5倍である。0.4倍未満であると、銀イオンを安定に溶解させる効果が不充分となり、5倍を超えると、突起が効果的に形成されない。好ましい下限は0.6倍、好ましい上限は3倍である。
上記還元型無電解銀メッキによる方法により突起を有する銀層を形成させる際には、上記無電解銀メッキ浴に還元剤が添加されることが好ましい。
上記還元剤は、メッキ液中の銀イオンを還元して金属銀を析出しやすくする作用をする。
上記還元剤としては特に限定されず、従来公知のものを用いればよいが、イミダゾール化合物が好適に用いられ、なかでも、ベンズイミダゾールが特に好適に用いられる。還元剤としてイミダゾール化合物を用いると、下地触媒型の還元型無電解銀メッキによる方法となる。
上記下地触媒型の還元型無電解銀メッキによる方法とは、下地であるニッケル被膜のニッケルを触媒として銀メッキ被膜を析出させる方法である。
下地触媒型の還元型無電解銀メッキによる方法では、ニッケル被膜の表面で酸化反応を起こし、析出金属である銀の表面では酸化反応を起こさない還元剤をニッケル被膜の表面に存在させ、無電解銀メッキ浴中の銀塩を還元させて銀を析出させることにより銀メッキ被膜を形成することができる。
上記無電解銀メッキ浴中の上記還元剤の濃度としては特に限定されないが、上記銀イオンに対して好ましい下限は2倍、好ましい上限は10倍である。2倍未満であると、ニッケル下地に対して緻密な銀メッキ膜を得にくくなることがあり、10倍を超えても、それ以上の効果を得ることが困難となり、コスト的に好ましくない。
下地触媒型の還元型無電解銀メッキを行う場合には、更に、無電解銀メッキ浴中に結晶調整剤を含有させることが好ましい。
上記結晶調整剤は、ニッケルと銀との置換反応を抑え、銀結晶を微細にして、ニッケルメッキ被膜と銀メッキ被膜との密着性を優れたものとすることができるだけでなく、ピンホールの発生を抑えるため、非常に低抵抗な導電性粒子が形成されることとなる。
上記結晶調整剤としては特に限定されないが、グリオキシル酸が好適に用いられる。
上記無電解銀メッキ浴中の上記結晶調整剤の濃度としては特に限定されないが、上記銀イオンに対して好ましい下限は3倍、好ましい上限は8倍である。3倍未満であると、緻密な銀メッキ被膜が得られないことがあり、経時的にニッケルメッキ層が腐食等を起こして電気抵抗が増大することがあり、8倍を超えるとメッキ液の安定性が低下することがある。より好ましい下限は5倍、より好ましい上限は6倍である。
上記無電解銀メッキ浴として、水溶性銀塩等に還元剤であるイミダゾール化合物、及び、結晶調整剤であるグリオキシル酸を含むものを用いて、更に、銀イオンの濃度及び銀イオンに対する錯化剤の濃度の制御を行って、ニッケルメッキ被膜上に無電解銀メッキを行うことにより、均一で密着性に優れ、かつ、析出した銀微細粒子による突起が形成された銀メッキ被膜を形成することができるとともに、導電性が良好な導電性粒子を得ることができる。
上記無電解銀メッキ浴には、必要に応じて緩衝剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
上記無電解銀メッキ浴のpHとしては特に限定されないが、好ましい下限は5、好ましい上限は10である。5未満であると、反応速度が上がりメッキ浴が不安定になる恐れがあり、10を超えると銀の析出速度が非常に遅くなることがある。より好ましい下限は6、より好ましい上限は9である。
上記無電解銀メッキ浴の温度としては特に限定されないが、好ましい下限は40℃、好ましい上限は80℃である。40℃未満であると、銀の析出速度が遅すぎて生産性が低下することがあり、80℃を超えると反応が激しすぎて均一な銀メッキ被膜が得られないことがある。より好ましい上限は70℃である。
上記無電解銀メッキ反応を行う際の反応時間は、予め実験等を行って所望の析出量が得られる時間に設定すればよいが、好ましい下限は5分、好ましい上限は60分であり、より好ましい下限は7分、より好ましい上限は40分である。
上記無電解銀メッキ浴は、溶液中に粒子が均一に分散していないと反応による凝集が生じやすくなるため、粒子を均一に分散させ凝集を生じさせないように、超音波、攪拌機等を用いて粒子を分散させることが好ましい。
更に、このような物理的方法で凝集を制御するだけでなく、化学的に凝集を抑制するために、ポリエチレングリコール等の界面活性剤を併用することがより好ましい。
無電解ニッケルメッキ法により基材粒子の表面にニッケル層を形成させる工程1と、水溶性銀塩、及び、錯化剤を含有する銀メッキ浴中で、前記表面にニッケル層が形成された基材粒子の表面に、突起を有する銀層を形成させる工程2とを有する導電性粒子の製造方法であって、前記銀メッキ浴中における銀イオン濃度が0.03〜0.4mol/L、かつ、前記錯化剤の濃度が前記銀イオン濃度に対して0.4〜5倍である導電性粒子の製造方法もまた、本発明の1つである。
また、本発明の導電性粒子をバインダー樹脂に分散させることにより異方性導電材料を製造することができる。このような異方性導電材料もまた、本発明の1つである。
本発明の異方性導電材料の具体的な例としては、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘着剤層、異方性導電フィルム、異方性導電シート等が挙げられる。
上記樹脂バインダーとしては特に限定されないが、絶縁性の樹脂が用いられ、例えば、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等のビニル系樹脂;ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂及びこれらの硬化剤からなる硬化性樹脂;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、これらの水素添加物等の熱可塑性ブロック共重合体;スチレン−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等のエラストマー類(ゴム類)等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、上記硬化性樹脂は、常温硬化型、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型のいずれの硬化型であってもよい。
本発明の異方性導電材料には、本発明の導電性粒子、及び、上記樹脂バインダーの他に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、増量剤、軟化剤(可塑剤)、粘接着性向上剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、有機溶媒等の各種添加剤を添加してもよい。
本発明の異方性導電材料の製造方法としては特に限定されず、例えば、絶縁性の樹脂バインダー中に本発明の導電性粒子を添加し、均一に混合して分散させ、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤等とする方法や、絶縁性の樹脂バインダー中に本発明の導電性粒子を添加し、均一に溶解(分散)させるか、又は、加熱溶解させて、離型紙や離型フィルム等の離型材の離型処理面に所定のフィルム厚さとなるように塗工し、必要に応じて乾燥や冷却等を行って、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電シート等とする方法等が挙げられ、製造しようとする異方性導電材料の種類に対応して、適宜の製造方法をとればよい。
また、絶縁性の樹脂バインダーと、本発明の導電性粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
本発明によれば、導通不良防止とともに抵抗値の低減化が可能な導電性粒子、導電性粒子の製造方法及び異方性導電材料を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(無電解ニッケルメッキ)
粒径4μmのジビニルベンゼン樹脂粒子を、イオン吸着剤の10%溶液で5分間処理し、その後、硫酸パラジウム0.01%水溶液で5分間処理し、更にジメチルアミンボランを加えて還元処理を施し、ろ過、洗浄することにより、パラジウムを担持した基材粒子を得た。
次に、コハク酸ナトリウム1%とイオン交換水500mL含む溶液を調製し、基材粒子10gとを混合してスラリーを調製し、更に硫酸を添加してスラリーのpH5に調整した。一方、ニッケルメッキ液として、硫酸ニッケル10%と次亜リン酸ナトリウム10%、水酸化ナトリウム4%及びコハク酸ナトリウム20%を含む前期ニッケル溶液を調製した。スラリーを80℃にし、これに作製した前期ニッケル溶液を連続的に滴下し、20分間攪拌することによりメッキ反応させた。このメッキ反応中に、著しい凝集はなく、水素の発生がなくなることを確認してメッキ反応を終了させた。
次に、硫酸ニッケル20%、ジメチルアミンボラン5%、水酸化ナトリウム5%を含む後期ニッケル溶液を調製し、後期ニッケル液を調製した。その後、前期ニッケル液反応終了後の溶液に作製した後期ニッケル液を連続的に滴下し、1時間攪拌することによりメッキ反応させた。
(無電解銀メッキ)
次に、銀塩として硝酸銀4.25gを純水625mLに室温で溶解した溶液に、還元剤としてベンズイミダゾール15gを加えて溶解し、当初生成した沈殿が完全に溶解したのを確認した後、錯化剤としてコハク酸イミド5g、クエン酸1水和物3gを溶解し、その後、結晶調整剤としてグリオキシル酸13gを投入し完全溶解させ無電解銀メッキ液を調製した。
次に、得られたニッケルメッキ被膜が形成された粒子を無電解銀メッキ液に投入し、この溶液を攪拌しながら加熱して温度を50℃に保った。その後、ブフナー漏斗で濾別して粒子を分離し、分離した粒子に純水約1000mLを振り掛け洗浄した。その後、アルコール置換を行い、真空乾燥機で80℃2時間乾燥し、導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子について、その断面を切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、導電性粒子はニッケル層が平滑で銀層が突起を有していた。
(比較例1)
実施例1と同様にして、無電解ニッケルメッキを行い、ニッケルメッキ被膜が形成された粒子を得た。
次に、銀塩として硝酸銀4.25gを純水1180mLに室温で溶解した溶液に、還元剤としてベンズイミダゾール15gを加えて溶解し、当初生成した沈殿が完全に溶解したのを確認した後、錯化剤としてアンモニア6g、クエン酸1水和物6gを溶解し、その後、結晶調整剤としてグリオキシル酸10gを投入し完全溶解させ無電解銀メッキ液を調製した。
次に、得られたニッケルメッキ被膜が形成された粒子を無電解銀メッキ液に投入し、この溶液を攪拌しながら加熱して温度を50℃に保った。その後、ブフナー漏斗で濾別して粒子を分離し、分離した粒子に純水約1000mLを振り掛け洗浄した。その後、アルコール置換を行い、真空乾燥機で80℃2時間乾燥し、導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子について、その断面を切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、導電性粒子はニッケル層銀層ともに平滑であった。
(比較例2)
ニッケルメッキ液として、硫酸ニッケル10%と次亜リン酸ナトリウム10%、水酸化ナトリウム7%及びコハク酸ナトリウム7%を含む前期ニッケル溶液を調製した。
実施例1と同様のスラリーを80℃にし、これに作製した前期ニッケル溶液を連続的に滴下し、20分間攪拌することによりメッキ反応させた。このメッキ反応中に、著しい凝集はなく、水素の発生がなくなることを確認してメッキ反応を終了させた。
次に、硫酸ニッケル20%、ジメチルアミンボラン5%、水酸化ナトリウム5%を含む後期ニッケル溶液を調製し、後期ニッケル液を調製した。その後、前期ニッケル液反応終了後の溶液に、作製した後期ニッケル液を連続的に滴下し、1時間攪拌することによりメッキ反応させた。
次に、比較例1と同様にして、無電解銀メッキを行い、導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子について、その断面を切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、導電性粒子はニッケル層が突起を有し、銀層がニッケル層に均一に形成されていた。
<評価>
実施例1及び比較例1〜2で得られた導電性粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(導電性粒子のメッキ密着性評価)
エタノール20mLにジルコニアボール40g、得られた導電性粒子1gを添加し、4枚羽根を用いて400rpmで2分間攪拌した後、濾過乾燥を行い、導電性粒子を走査電子顕微鏡(SEM)で観察した。測定は1000倍視野で写真5枚を撮影し、メッキの割れた粒子数をカウントした。
(異方性導電材料の抵抗値評価)
樹脂バインダーの樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及びトルエン100重量部に、得られた導電性粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて導電性粒子を含有する接着フィルムを得た。なお、導電性粒子の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cmとした。
その後、導電性粒子を含有する接着フィルムを、導電性粒子を含有させずに得た接着フィルムと常温で貼り合わせ厚さ17μmで2層構造の異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムを5×5mmの大きさに切断した。また、一方に抵抗測定用の引き回し線を持つ、L/S100μm/100μmの銅パターンを持つガラス基板を2枚用意した。異方性導電フィルムを一方のガラス基板のほぼ中央に貼り付けた後、他方のガラス基板を異方性導電フィルムが貼り付けられたガラス基板の電極パターンと重なるように位置あわせをして貼り合わせた。
2枚のガラス基板を、圧力10N、温度180℃の条件で熱圧着した後、電極間の抵抗値を四端子法にて測定した。
Figure 2006351464
本発明によれば、導通不良防止とともに抵抗値の低減化が可能な導電性粒子、導電性粒子の製造方法及び異方性導電材料を提供することができる。

Claims (3)

  1. 基材粒子、前記基材粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、前記ニッケル層の表面に形成された突起を有する銀層からなることを特徴とする導電性粒子。
  2. 無電解ニッケルメッキ法により基材粒子の表面にニッケル層を形成させる工程1と、水溶性銀塩、及び、錯化剤を含有する銀メッキ浴中で、前記表面にニッケル層が形成された基材粒子の表面に、突起を有する銀層を形成させる工程2とを有する導電性粒子の製造方法であって、前記銀メッキ浴中における銀イオン濃度が0.03〜0.4mol/L、かつ、前記錯化剤の濃度が前記銀イオン濃度に対して0.4〜5倍であることを特徴とする導電性粒子の製造方法。
  3. 請求項1記載の導電性粒子が樹脂バインダーに分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
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