JP2006349485A - ボイラ水壁管の熱疲労き裂損傷診断法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボイラ水壁管等対象数の多い部材の熱疲労損傷度、損傷発生確率又は余寿命を少数の検査データから高精度に診断する方法を提案すること。
【解決手段】ボイラ水壁管などの熱疲労の損傷度、損傷発生確率又は余寿命を診断するために、被診断機器又は構造物とボイラ型式、構造、材料及び運用形態が近似した条件の事例データを熱疲労パラメータ(TFP=SS×(c+ln(t)、SS:繰返し数、t:運転時間、c:熱疲労回帰定数)によりワイブル分布解析し、得られた直線的プロットの折れ曲がり点を境にして直線的プロットを初期故障型と経年劣化型に分離して、2直線回帰し、その回帰係数を被診断部位の検査データにより補正して、損傷発生確率又は余寿命を診断する。
【選択図】図4

Description

本発明は、火力発電用ボイラなど高温機器で生じる熱疲労など時間−回数依存型の材料損傷の予測、損傷発生確率又は余寿命診断法に関する。
火力発電用ボイラの水壁管は、伝熱管とメンブレンバーを平板状に溶接した構造であり、火炉側からの輻射熱や燃焼高温ガスの対流熱を吸収し、管内高温高圧水を蒸発させている。水壁管と各種付着金物溶接部や四角形の水壁のコーナ部等では、管外面から熱応力の繰返し負荷による熱疲労き裂が発生し、管側へ進展して管内の高温高圧水が噴出する損傷が生じることがある。
こうした熱疲労き裂損傷は、起動停止時などの構造物の温度差に基づく熱応力の発生とその繰返しによるものであるが、発電用ボイラの水壁管では対象部位数が数千から数万になり、個々について温度測定データに基づく有限要素法等での応力解析で応力振幅を求め、ミクロ的な詳細形状を考慮した疲労寿命診断を実施することは多大な時間と経費が必要である。
また2〜4年毎に実施される定期検査において、き裂の有無や深さが検査されるが、膨大な数の検査をしないと信頼性の高い診断はできない。
発電用機器の疲労損傷診断法として、下記の手法が提案されている。
特開2003−65984号公報 特開2004−156580号公報 特開2002−277382号公報
しかし、前記特許文献記載の発明は、温度測定データより算出した応力振幅と火炉構造材料データベースから熱疲労余寿命を診断する方法、過去の運転時間と運転サイクルから運転許容範囲を設定する方法及び熱疲労損傷を単にワイブル分布統計解析により診断する方法であり、本発明の診断方法が対象としている膨大な対象数の部材を少数の検査から高精度に損傷度や余寿命を診断する方法には、時間的、経済的又は精度上の制約から適用できない。
本発明の課題は、ボイラ水壁管、加熱器官、再熱器官等の伝熱管群対象数の多い部材の熱疲労損傷度、損傷発生確率又は余寿命を少数の検査データから高精度に診断する方法を提案することにある。
上記課題は、下記の手段を採用することにより達成できる。
すなわち、被診断機器又は構造物とボイラ型式、構造、材料及び運用形態が近似した条件の事例データを熱疲労パラメータ(TFP=SS×(c+ln(t)、ここでSS:繰返し数、t:運転時間、c:分散分析でより相関性が高くなる熱疲労回帰定数)によりワイブル分布解析し、得られた直線的プロットの折れ曲がり点を境にして直線的プロットを初期故障型と経年劣化型に分離して、2直線回帰し、その回帰係数を被診断部位の検査データにより補正して、損傷発生確率又は余寿命を診断することを特徴とするボイラ水壁管の熱疲労き裂損傷診断法である。
室温での回転体で生じるような疲労損傷は、負荷される応力振幅とその繰返し数によって、評価診断が可能であるが、ボイラ水壁管で生じる熱疲労は高温下での損傷であり、繰返し速度も1日1回程度の遅いものであることから、疲労の他に時間依存の損傷が加味されている。
ボイラ水壁管の熱疲労損傷事は、ボイラの型式、容量、構造、運転モード及び材質の他に温度、温度変化、繰返し回数及び運転時間など種々の条件の影響を受けることから応力振幅と繰返し回数などの単一のパラメータでは整理できない。
時間依存の熱疲労損傷を評価するにあたり、クリープ損傷診断に用いるラルソンミラーパラメータ(LMP=T×(C+log(t) T:温度K、C:材料定数 t:時間h)と同様の次式で定義される熱疲労パラメータ(Thermal Fatigue Parameter:TFP)を用いて評価することにした。
TFP=SS×(c+ln(t)) (1)
ここで、SSは繰返し数(回)、cは直線回帰で相関性の良い熱疲労回帰定数、tは運転時間(h)である。
本発明によれば、影響因子が多岐にわたり従来法では診断が困難であったボイラ水壁管の熱疲労損傷を高精度に診断でき、熱疲労き裂の進展による高温高圧水の噴出といった災害を効果的な手法で回避できる効果がある。
以下、本発明の具体的実施例を図面により説明する。
図1は、本発明になる水壁管熱疲労損傷診断法のフローを示す。下記のフローで損傷発生確率や余寿命を算定する。
ステップ1):被診断機器又は構造物と同系の熱疲労データを前記(1)式の熱疲労パラメータ(TFP)によりワイブル分布解析する。
図2は、水壁管の熱疲労損傷事例を次式のワイブル分布をプロットした結果である。 Y=ln(ln(1/(1−F(t)) (2)
ここで、F(t)は次式で定義される累積密度関数であり、F(t)=ni/(N+1)で表せ、niはi個目の事象、Nはサンプル数である。
上記(1)式での熱疲労回帰定数であるcの値は、回帰分析で相関係数が最も高くなる値、すなわち図2,図3で示す分散R2の値が大きい(1に近い)値を算出して求めている。
ステップ2):前記ステップ1)のワイブル分布プロットで折れ曲がる部位を境にして初期故障型と経年劣化型に分離し、2直線回帰して各々の回帰係数(Y=a×TFP+b)を求める。
図2を詳細に観察するとTFPでプロットした熱疲労データは二本の直線で回帰すべきであることが分かる。すなわち初期故障的な熱疲労と経年劣化的な熱疲労に区分すべきことが判明した。こうした事象は、部品故障寿命のワイブル分布プロットでよく周知された事柄であり、ボイラ水壁管での熱疲労き裂損傷も初期と経年の評価ができるということになる。
図3は、ボイラ水壁管熱疲労損傷を「初期故障型」と「経年劣化型」に分けてプロットしなおしたものである。両型とも極めて相関性の高い、言い換えると分散の少ない(分散R2の値が1に近い)直線回帰が可能となっている。こうした高精度回帰曲線を用いることにより、少数のデータから熱疲労損傷を予測ができるようになる。図3の「経年劣化型」のプロットが極めて高精度の直線回帰曲線であるベースの回帰式は次式(4)
y=0.0019x−6.3785 (4)
とする。
ステップ3):被診断機器又は構造物の検査データより、当該部位のワイブル分布係数(a’)を算定し、被診断部位の損傷確率を数式化する。
図4は、本実施例のボイラ水壁管熱疲労損傷診断結果の一例である。運転年数:25年、運転時間:15万時間、起動停止の繰返し数:750回(TFP=3014)、診断対象部位数:50個(サンプル数50個)とした条件で、水壁管に最初のき裂が発生した場合の解析結果である。
サンプル数50個の内、最初の1個が損傷したので、累積密度関数(F(t))は、(3)式から1/(50+1)=0.0196となる。F(t))が0.0196であるときのワイブル分布プロット値Yは、(2)式から−3.922となる。そこで、図4中の横軸TFP=3014、縦軸Y=−3.922の点(△印)を得る。
診断しようとしている水壁管部位のその後の損傷発生確率、言い換えれば2個目、3個目の損傷がいつ発生するかは損傷発生確率の回帰式に依存する。前記損傷発生確率は前記ベースの回帰式(4)と同じ勾配を使用することも考えられるが、最初に損傷(き裂)が生じた時間又は回数が遅い場合は、その後の損傷の発生確率も低くなるので、解析しようとする部位の損傷確率分布は、図4の破線のようにした。この損傷確率分布曲線は、最初の損傷(き裂)の発生条件(△点)を通り、前記ベースの回帰式(4)の起点である横軸TFPのゼロを通る点(b=−6.3785)を同じとして傾斜値(a’=0.000815)を求め、次式(5)が得られる。
y=0.000815x−6.3785 (5)
ステップ4):今後の運転条件(運転時間、繰返し数)を入力して、TFPを算定し、損傷発生確率を求める。
すなわち、前記診断部位の損傷発生確率の構成式(5)が求まれば、任意の時間後の損傷確率を算定できる。例えば、4年後又は8年後の損傷確率を算定するには、それぞれの条件(4年後:178,800h、780回→TFP=3649、8年後:207,600h、990回→TFP=4300)のTFP値を上記直線式(5)に代入して求められ、それぞれ−3.404と−2.874となる。従って4年後及び8年後の損傷発生確率は、Y値からそれぞれ3.3及び5.5%になるといえる。
ステップ5):損傷発生確率の限界値までの運転時間や繰返し数から余寿命を算定する。
上記例では、損傷発生確率が10%の時点を寿命とすると余命は12年と計算される。
このように本実施例によれば、熱疲労パラメータの設定、相関性の高い条件近似データの選択、初期故障型と経年劣化型の分離回帰及び被診断部位データの入力による回帰係数の算定により高精度な熱疲労損傷発生確率や余寿命が診断できる。
ここでの経年劣化型の損傷は、長時間又は多繰返し条件のいわばギガ域材料損傷の一つであり、運転時間が10万時間以上のボイラの損傷診断に有効な手法である。
本発明によれば、ボイラ水壁管などにおける熱疲労損傷が、簡便な検査や調査から高精度に診断できる。
本発明の実施例のボイラ水壁管熱疲労損傷診断法のフロー図を示す。 ボイラ水壁管熱疲労損傷事例をワイブル分布をプロットした結果を示す図である。 ボイラ水壁管熱疲労損傷を「初期故障型」と「経年劣化型」に分けてプロットし直した図である。 図1のフローにより得られるボイラ水壁管熱疲労損傷診断法の解析例を示す図である。

Claims (1)

  1. 被診断機器又は構造物とボイラ型式、構造、材料及び運用形態が近似した条件の事例データを熱疲労パラメータ(TFP=SS×(c+ln(t)、ここでSS:繰返し数、t:運転時間、c:分散分析でより相関性が高くなる熱疲労回帰定数)によりワイブル分布解析し、得られた直線的プロットの折れ曲がり点を境にして直線的プロットを初期故障型と経年劣化型に分離して、2直線回帰し、その回帰係数を被診断部位の検査データにより補正して、損傷発生確率又は余寿命を診断することを特徴とするボイラ水壁管の熱疲労き裂損傷診断法。
JP2005175555A 2005-06-15 2005-06-15 ボイラ水壁管の熱疲労き裂損傷診断法 Withdrawn JP2006349485A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11384906B2 (en) * 2020-03-27 2022-07-12 Grohe Ag Method for monitoring a water supply network in an infrastructure object, a control component for a water supply network and a computer program product

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