JP2006349465A - 磁歪式トルクセンサ装置 - Google Patents

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勝義 河内
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Abstract

【課題】絶縁筒の取付時間を短縮でき且つその仕上がりにばらつきのない磁歪式トルクセンサ装置を提供する。
【解決手段】ボビン5cの外周面に各1次コイル5b1,5b1を捲回し、その外周部に各インシュレータ5f,5fを介して各2次コイル5b2,5b2を捲回し、この各コイルにより各被磁歪検出部17b,17bの磁気歪を検出するようにした磁歪式トルクセンサ5において、各インシュレータ5f,5fは端面形状が切筒状で弾性を有する絶縁筒であり、各切筒端部には互いに係合する係合切欠部5f2と係合凸部5f1が形成されている。
【選択図】図3

Description

この発明は、回転軸のトルクを検出する磁歪式トルクセンサ装置に関する。
従来、例えば図11及び図12に示すように、自動車等の車両1は自動変速機2及びその変速操作に用いる変速操作装置3を有しているのが普通である。この変速操作装置3はシフトレバー4を有する。また、シフトレバー4による変速操作を容易にするためのアシスト装置6が設けられている。
尚、このアシスト装置6は、図11に示すように、変速操作装置3のシフトレバー4と自動変速機2との間に介在される
また、このアシスト装置6は、図12に示すように、筐体ケース7に設けられた磁歪式トルクセンサ5と、この磁歪式トルクセンサ5の円筒形状のトルクセンサ本体5a内部を貫通する丸棒状の軸部材8とを有している。
この軸部材8は、筐体ケース7を貫通して、入力側一端部8a及び出力側他端部8bをこの筐体ケース7から突出させて、一対のボールベアリング部材9,9によって回転可能になるように軸支されている。
そして、この軸部材8の略中央位置でトルクセンサ本体5aに収容される部分には、磁気異方性部17が形成されている。
この磁気異方性部17は、中央の環状溝部17aを挟んで、両側に配置された2箇所の被磁歪検出部17b,17bからなっている。
そして、変速レンジ操作の操作トルクによって軸部材8が捻れることで生じる歪による各被磁歪検出部17b,17bの透磁率の変化(磁歪)をボビン5cに設けられた各コイル部5b,5bで検出するようになっている。
尚、この各コイル部5b,5bは、トルクセンサ本体5aのボビン5cの各対向位置に各々環状を呈するように設けられている。
また、図13(a),(b)に示すように、このコイル部5bはボビン5cに捲回された1次コイル5b1と、1次コイル5b1の外側で、絶縁部材5Fを介して捲回された2次コイル5b2とを備えている。
この絶縁性部材5Fは、固定用テープ5F1と板状のインシュレータ5fからなっている。しかも、このインシュレータ5fは1次コイル5b1の外周と同一長さを有すると共にインシュレータ5fよりも長い固定用テープ5F1の長手方向に沿って接着されている。
しかしながら、上述した各コイル部5b,5bにおけるインシュレータ5fは寸法の決まった板状部材で、1次コイル5b1の外周に巻きつけられる共に固定用テープ5F1にて固定されるので、このインシュレータ5fの取付けに時間がかかると共に、作業者の個人差によりインシュレータ5fの取付けの仕上がりにばらつきが生じるといった問題がある。
また、図13に示すように、1次コイル5b1を整列させて巻くことができないと、インシュレータ5fは1次コイル5b1の外周の捲回部分のガタつきに沿って湾曲した形で1次コイル5b1に当接してしまう。従って、インシュレータ5f及び固定用テープ5F1の幅寸法とコイルの巻付幅寸法との一致精度が悪く、更に、2次コイル5b2を整列させて巻くことができないといった問題がある。
さらに、インシュレータ5fを1次コイル5b1に固定する際、固定用テープ5F1の両端縁部が重なるように巻かれるので、その重なり部分にテープの厚み分の段差が生じ、2次コイル5b2を整列して巻くことができないといった問題もある。
そこで、本発明は、上述した問題点を解決し、絶縁筒の取付時間を短縮でき且つその仕上がりにばらつきのない磁歪式トルクセンサ装置を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するため請求項1の発明は、円筒状のハウジング部材に回転軸が挿通され、前記回転軸の前記ハウジング部材に対向する外周面に被磁歪検出部が設けられ、前記ハウジング部材の外周面に1次コイルを捲回し、前記1次コイルの外周部に絶縁部材を介して2次コイルを捲回し、前記1次コイル及び前記2次コイルにより前記被磁歪検出部の磁気歪を検出するようにした磁歪式トルクセンサ装置において、前記絶縁部材は端面形状が切筒状で弾性を有する絶縁筒であり、前記絶縁筒の切筒端部には互いに係合する係合切欠と係合凸部が形成されていることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、円筒状の前記ハウジング部材に前記回転軸が挿通され、前記回転軸の前記ハウジング部材に対向する外周面に前記被磁歪検出部が設けられ、前記ハウジング部材の外周面に前記1次コイルを捲回し、前記1次コイルの外周部に前記絶縁部材を介して前記2次コイルを捲回し、前記1次コイル及び前記2次コイルにより前記被磁歪検出部の磁気歪を検出するようにした磁歪式トルクセンサ装置において、前記絶縁部材は樋状で絶縁性の切筒部材を合わせることにより円筒状に形成された絶縁筒であり、且つ前記切筒部材の切筒端部には前記切筒部材を結合するための互いに係合する係合切欠と係合凸部が形成されていることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、前記係合切欠は前記切筒端部の端縁への開放端が奥側の部分より幅狭に形成され、前記係合凸部は先端部側が基部側の部分よりも幅広に形成されていることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、前記1次コイルの外径よりも小さい内径を有する前記絶縁筒を前記1次コイルの外周に嵌合することにより、前記絶縁筒が自己の弾性力により前記1次コイルの外周に圧接されていると共に、前記係合凸部の先端と前記係合切欠の開放端とは反対側の端縁との間に隙間が形成されていることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1又は請求項2に記載の磁歪式トルクセンサ装置において、前記絶縁筒外周面には、前記2次コイルが係合する螺旋状溝が形成されていることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1又は請求項2に記載の磁歪式トルクセンサ装置において、前記絶縁筒の少なくとも一方の端部には半径方向へ突出して前記2次コイルの前記絶縁筒の端部からの脱落を防止するフランジが形成されていることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項3に記載の磁歪式トルクセンサ装置において、前記係合凸部に先端に向けて開放するスリットが形成されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、絶縁筒を1次コイルにかぶせてから、係合切欠と係合凸部を互いに係合して固定することによりワンタッチで絶縁筒を取付けることができるので、絶縁筒の取付時間が大幅に短縮される。また、絶縁筒は成形品なので、絶縁筒の取り付け部分の仕上がり寸法にばらつきが生じず2次コイルを整列して巻くことができる。
請求項2の発明によれば、樋状に分割された切筒部材を1次コイルにかぶせながら各切筒部材を合わせると共に、各係合部を係合することでワンタッチで絶縁筒を固定することができるので、絶縁筒の取付時間が大幅に短縮される。
請求項3の発明によれば、絶縁筒の係合切欠と係合凸部を係合させて1次コイルに圧接させる際に円周方向への引張力が係合部に作用しても係合部がはずれないようにすることができる。
請求項4の発明によれば、係合凸部の先端と、係合切欠の開放端とは反対側の端縁との間に形成されている隙間分だけ絶縁筒の外径が調整されるので、絶縁筒を1次コイルに適度に圧接させることができる。
請求項5の発明によれば、螺旋状溝に2次コイルが係合し、絶縁筒の外周面に沿って2次コイルがガイドされるので、2次コイルを整列して捲回することができる。
請求項6の発明によれば、絶縁筒に形成されたフランジによって2次コイルが絶縁筒から脱落することを防止することができる。
請求項7の発明によれば、係合凸部に設けられたスリットの隙間分だけ係合凸部は変形すると共に、係合凸部の先端と係合切欠の開放端とは反対側の端縁との間に隙間が形成されるので、絶縁筒の外径を調整することができ、絶縁筒を1次コイルに適度に圧接させることができる。
以下、この発明にかかるの実施例1を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1にかかる磁歪式トルクセンサ装置を用いたアシスト装置で、変速操作装置のシフトレバーから自動変速機に至るまでの連結構造を説明する模式的な車両の側面視図である。尚、本発明の実施例1にかかる磁歪式トルクセンサ装置の構成は、コイル部5bの構成を除いて上記従来技術にかかる構成と同じである。従って、上記従来技術と同一又は均等な部分については、同一符号を付して説明する。
図1及び図2に示すように、磁歪式トルクセンサ5は、変速操作装置3のシフトレバー4と自動変速機2との間に介在されるアシスト装置6に設けられている。
また、変速操作装置3のシフトレバー4は、車室内に突設されて設けられている。しかも、シフトレバー4は車両1の前後方向に沿って回動可能に支持されている。
このシフトレバー4による変速レンジ操作により、ドライバーはドライブレンジ等の各ポジションレンジを切り替えることができる。
図2に示すように、このアシスト装置6は筐体ケース7に設けられた磁歪式トルクセンサ5と、この磁歪式トルクセンサ5の円筒形状のトルクセンサ本体5a内部を貫通する丸棒状の軸部材8とを有している。
この軸部材8は、筐体ケース7を貫通して、入力側一端部8a及び出力側他端部8bをこの筐体ケース7から突出させて、一対のボールベアリング部材9,9によって回転可能になるように軸支されている。
また、この軸部材8の入力側一端部8aには、金属製のインプットレバー部材10がナット部材11によって締結固定されている。このインプットレバー部材10には、図1に図示されたシフトレバー4の下端4aが、図2に図示された連結ピン部材12を介して連結されている。
更に、この軸部材8の出力側他端部8bには、金属製の板状のアウトプットレバー部材15がナット部材16によって締結固定されている。
しかも、このアウトプットレバー部材15は、連結ピン部13に接続されるリンケージ部材14を介して自動変速機2と連結されている(図1参照)。
そして、この軸部材8の略中央位置でトルクセンサ本体5aに収容される部分には、磁気異方性部17が形成されている。
この磁気異方性部17は、略中央の環状溝部17aを挟んで、両側に放し置きされた2箇所の被磁歪検出部17b,17bからなっている。しかも、この各被磁歪検出部17b,17bは表面にスリットが形成されており、軸部材8に加えられる捻りトルク方向に対して傾斜する方向に磁気異方性を有するようなっている。
そして、変速レンジ操作の操作トルクによって軸部材8が捻れることで生じる歪による各被磁歪検出部17b,17bの透磁率の変化(磁歪)をボビン5cに設けられた各コイル部5b,5bで検出するようになっている。
尚、この各コイル部5b,5bは、トルクセンサ本体5aのボビン5cの各対向位置に各々環状を呈するように設けられている。
また、これらのトルクセンサ本体5aのボビン5c等は、金属製の磁気シールドカバー部材5dによって覆われている。
更に、トルクセンサ本体5aはコイル部5b,5bと接続されているコネクタ部5eが設けられている。
このコネクタ部5eは、筐体ケース7の内壁部7aに添着されて制御部18aが設けられた回路基板18に、接続ケーブル部材19及び基板側コネクタ部20を介して接続されている。
そして、この回路基板18に表面側の筐体ケース7の開口部7bにはケース蓋体7cが、ビス部材7dによって開閉可能に装着されていると共に、この回路基板18の裏面側には、接点部18bが設けられている。
また、この回路基板18に設けられた制御部18aには、図1に示すように、駆動アクチュエータとしての駆動モータ21が接続されている。
この駆動モータ21には、軸部21aにウォームギヤ部材22が設けられている。しかも、図2に示すように、軸部材8の磁歪式トルクセンサ5と、アウトプットレバー部材15との間には、金属製のベース部23aが介装されている。この金属製のベース部23aを介してウォームホイル部材23の一部を構成する樹脂製の歯部23bが、このウォームギア部材22に噛合されている。
そして、このアシスト装置6では、シフトレバー4から自動変速機2に伝達される操作トルクを、入力側一端部から入力して、この自動変速機2に出力側他端部から出力させる。その際、この操作トルクによって発生する軸部材8の捻れを各被磁歪検出部17b,17bが検出して、電気的信号に変換することにより、このトルクセンサ本体5aから回路基板18の制御部18aに送られる。
制御部18aでは、この電気的信号が増幅されて、駆動モータ21が回転駆動されることにより、その駆動力がウォームギア部材22及びウォームホイル部材23を介して、軸部材8に伝達される。そして、その駆動力により軸部材8がアシスト駆動され、変速レンジ操作に必要とされる操作力を低減させて、操作感を向上させるようになっている。
尚、この磁歪式トルクセンサ5のトルク検出過程は以下のようになっている。
まず、軸部材8に捻りトルクが加わると各被磁歪検出部17b,17bはスリットの方向に沿って引張変形又は圧縮変形し、それぞれの変形に対して各被磁歪検出部17b,17bの透磁率が増加又は減少する。
そして、各1次コイル5b1,5b1の励磁により発生した各被磁歪検出部17b,17bを通過する磁束は変化し、この変化した磁束は、ボビン5cに捲回された各2次コイル5b2,5b2で検出される。
これにより、各2次コイル5b2,5b2のそれぞれのインダクタンスが増加又は減少する。このインダクタンスの変化による電流変化は各2次コイル5b2,5b2とコネクタ部5e及び接続ケーブル部材19を介して接続された回路基板18を通じて電位差として検出される。そして、その電位差に基づいてシフトレバー4の操作をアシストするトルクが駆動モータ21により出力される。
次に、図3及び図4に示すように、磁歪式トルクセンサ装置5のボビン5cの外周面における各コイル部5b,5bには、1次コイル5b1,5b1が捲回されている。
また、この各1次コイル5b1,5b1の外側には、合成樹脂等からなり弾性を有する各インシュレータ5f,5fを介して2次コイル5b2,5b2が捲回されている。
この各1次コイル5b1,5b1は各被磁歪検出部17b,17bに磁束を発生させる励磁手段であり、各2次コイル5b2,5b2は各被磁歪検出部17b,17bの軸部材8の捻れによる歪を磁気歪として検出するための手段として用いられる。
尚、この各1次コイル5b1,5b1は必ずしも励磁手段である必要はなく、各1次コイル5b1,5b1が磁気歪を検出する手段で、各2次コイル5b2,5b2が励磁手段であってもよい。
また、インシュレータ5fはある程度の厚みにより剛性を有しているので、1次コイル5b1の外周における捲回部分のガタつきに対しても変形することなく当接するようになっている。
従って、インシュレータ5fの幅寸法とコイルの巻付幅寸法との一致精度がよく、更に、2次コイル5b2をインシュレータ5fの外周に整列して捲回させることができる。
また、図5に示すように、インシュレータ5fは切円筒状の形状を有している。しかも、このインシュレータ5fの切円両端部にはそれぞれ係合凸部5f1と係合切欠部5f2が一体に形成されている。
この係合切欠5f2は切筒端部の端縁への開放端が奥側の部分より幅狭に形成され、係合凸部5f1は先端部側が基部側の部分よりも幅広に形成されている。
従って、係合凸部5f1と係合切欠部5f2とを係合して、インシュレータ5fの弾性変形による引張力がこの係合部に作用しても係合部がはずれないようになっている。
尚、インシュレータ5fは、係合部を係合した際のインシュレータ5fの内径が1次コイル5b1の外径よりも小さくなるように形成されている。
更に、図6に示すように、係合凸部5f1と係合切欠部5f2とを係合した際、係合凸部5f1の先端部と、係合切欠部5f2の開放端に対向するインシュレータ5fの基部の端縁との間には隙間d1が形成されるようになっている。
この隙間d1は、インシュレータ5fをその弾性力によって1次コイル5b1の外周に適度に圧接させるために形成される。
次に、実施例1にかかる磁歪式トルクセンサ装置の作用を説明する。
実施例1にかかる磁歪式トルクセンサ5のインシュレータ5fを取付ける際、まず、ボビン5cの各コイル部5b,5bに1次コイル5b1,5b1を捲回する。
次に、各インシュレータ5f,5fを1次コイル5b1,5b1にかぶせてから、各インシュレータ5f,5fの係合切欠5f2と係合凸部5f1を互いに係合して固定する。更に、各インシュレータ5f,5fの外周に各2次コイル5b2,5b2を捲回する。
これにより、係合部を係合するだけで各インシュレータ5f,5fを各1次コイル5b1,5b1にワンタッチで取付けることができるので、各インシュレータ5f,5fの取付時間が大幅に短縮される。
また、インシュレータ5fは成形品なので、インシュレータ5fの取り付け部分の仕上がり寸法にばらつきが生じず2次コイル5b2の巻きの歩留まりが向上する。
以下、本発明にかかる磁歪式トルクセンサ装置の実施例2を図面に基づいて説明する。
本発明の実施例2にかかる磁歪式トルクセンサ装置の構成は、インシュレータ5fの構成を除いて上記実施例1にかかるの構成と同じである。従って、以下、実施例2にかかる構成の説明は、インシュレータ5fのみを実施例1における構成の符号を用いて説明していくことにする。
図7に示すように、実施例2にかかる磁歪式トルクセンサ装置のインシュレータ5fは、分割された2つの切円筒5f3,5f4からなっている。
しかも、各切円筒5f3,5f4の両端部にはそれぞれ係合凸部5f1と係合切欠き5f2が一体に形成されている。
従って、各切円筒5f3,5f4を各1次コイル5b1,5b1にかぶせると共に、これらの両端部を係合することによって、各インシュレータ5f,5fは各1次コイル5b1,5b1の外周に圧接して固定される。
また、図7には図示していないが、切円筒5f3の係合凸部5f1には、図8に示すようにスリット5f5が設けられている。
このスリット5f5は係合凸部5f1の先端からインシュレータ5fの基部近傍まで形成されると共に、このスリット5f5で隔てられた左右の係合凸部5f1は、スリット5f5の幅を狭めるように互いに弾性変形するようになっている。
この弾性変形によって、係合凸部5f1の先端部と係合切欠部5f2の開放端に対向するインシュレータ5fの基部の端縁との間には隙間d2が形成される。尚、切円筒5f4にも切円筒5f3と同様にスリット5f5及び隙間d2が形成される。
従って、この隙間d2により、インシュレータ5fの内径が調整され、1次コイル5b1の外周をインシュレータ5fが適度に圧接できるようになっている。
次に、実施例2にかかる磁歪式トルクセンサ装置の作用を説明する。
実施例2にかかる磁歪式トルクセンサ5のインシュレータ5fを取付ける際、まず、ボビン5cの各コイル部5b,5bに各1次コイル5b1,5b1を捲回する。
次に、各インシュレータ5f,5fの各切円筒5f3,5f4を各1次コイル5b1,5b1にかぶせてから、切円筒5f3の係合切欠5f2と切円筒5f4の係合凸部5f1及び切円筒5f3の係合凸部5f1と切円筒5f4の係合切欠部5f2とを互いに係合して固定する。
更に、各インシュレータ5f,5fの外周に各2次コイル5b2,5b2を捲回する。これにより、係合部を係合するだけで各インシュレータ5f,5fをワンタッチで各1次コイル5b1,5b1に取付けることができるので、各インシュレータ5f,5fの取付時間が大幅に短縮される。
また、インシュレータ5fは成形品なので、インシュレータ5fの取り付け部分の仕上がり寸法にばらつきが生じず2次コイル5b2の巻きの歩留まりが向上する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、図9に示すように、切円筒状のインシュレータ5fの両端部に、半径方向へ突出する各フランジ5f6,5f6が形成されているものを本発明にかかる磁歪式トルクセンサ5に適用してもよい。
この各フランジ5f6,5f6により、インシュレータ5fに捲回された2次コイル5b2がインシュレータ5fの端部から脱落するのを防止することができる。
また、図10(a),(b)に示すように、インシュレータ5fの外周面に2次コイル5b2と同一の径を有する溝部5f7が2次コイル5b2の巻き数と同一数だけ形成されているものを本発明にかかる磁歪式トルクセンサ5に適用してもよい。
これにより、2次コイル5b2はインシュレータ5fの外周面の溝部5f7に係合すると共に、外周面の円周方向にガイドされるので、仮にロット違いで細くなった部分がコイルにあったとしても1段目の2次コイル5b2の巻数に変わりはなく、2段目以降も整列して2次コイル5b2をインシュレータ5fに捲回させることができる。
更に、上記実施の形態の磁歪式トルクセンサを用いたアシスト装置は、自動車のシフトレバー装置に適用されたものを例示して説明してきたが、特にこれに限らず、例えば、アシスト式のステアリング装置や、或いは電動アシスト自転車等、入力側一端からトルクが出力側他端部に伝達される際に、トルクによって発生する磁歪を検出して、アシスト駆動するものであるならば、どのような磁歪式トルクセンサを用いたアシスト装置に用いてもよい。
本発明の実施例1にかかる磁歪式トルクセンサ装置を用いたアシスト装置で、変速操作装置のシフトレバーから自動変速機に至るまでの連結構造を説明する模式的な車両の側面視図である。 本発明の実施例1にかかる磁歪式トルクセンサ装置を用いたアシスト装置で、要部の構成を説明する図1中A−A線に沿った位置での断面図である。 本発明の実施例1にかかる磁歪式トルクセンサ装置のボビンの形状及び構成を示す断面図である。 本発明の実施例1にかかる磁歪式トルクセンサ装置のコイル部における構成を示す断面図である。 本発明の実施例1にかかる磁歪式トルクセンサ装置のインシュレータの斜視図である。 本発明の実施例1にかかる磁歪式トルクセンサ装置のインシュレータの係合部における拡大図である。 本発明の実施例2にかかる磁歪式トルクセンサ装置のインシュレータの斜視図である。 本発明の実施例2にかかる磁歪式トルクセンサ装置のインシュレータの係合部における拡大図である。 本発明の他の実施例にかかる磁歪式トルクセンサ装置のインシュレータの斜視切断面図である。 (a)は本発明の他の実施例にかかる磁歪式トルクセンサ装置のインシュレータの斜視切断面図であり、(b)は本発明の他の実施例にかかる磁歪式トルクセンサ装置のインシュレータと2次コイルとの係合状態を示す断面図である。 従来技術にかかる磁歪式トルクセンサ装置を用いたアシスト装置で、変速操作装置のシフトレバーから自動変速機に至るまでの連結構造を説明する模式的な車両の側面視図である。 従来技術にかかる磁歪式トルクセンサ装置を用いたアシスト装置で、要部の構成を説明する図11中A−A線に沿った位置での断面図である。 (a)は従来技術にかかる磁歪式トルクセンサ装置のコイル部におけるを構成を示す断面図であり(b)は従来技術にかかる磁歪式トルクセンサ装置に用いられる絶縁部材の構成を示す説明図である。
符号の説明
1 車両
2 自動変速機
3 変速操作装置
5 磁歪式トルクセンサ
5a トルクセンサ本体
5b コイル部
5c ボビン(ハウジング部材)
5b1 1次コイル
5b2 2次コイル
5F 絶縁部材
5f インシュレータ(絶縁筒)
6 アシスト装置
7 筐体ケース
8 軸部材(回転軸)
17 磁気異方性部
17b 被磁歪検出部
5f1 係合凸部
5f2 係合切欠部(係合切欠)
5f3,5f4 切円筒(切筒部材)
5f5 スリット
5f6 フランジ
5f7 溝部(螺旋状溝)

Claims (7)

  1. 円筒状のハウジング部材に回転軸が挿通され、前記回転軸の前記ハウジング部材に対向する外周面に被磁歪検出部が設けられ、前記ハウジング部材の外周面に1次コイルを捲回し、前記1次コイルの外周部に絶縁部材を介して2次コイルを捲回し、前記1次コイル及び前記2次コイルにより前記被磁歪検出部の磁気歪を検出するようにした磁歪式トルクセンサ装置において、
    前記絶縁部材は端面形状が切筒状で弾性を有する絶縁筒であり、前記絶縁筒の切筒端部には互いに係合する係合切欠と係合凸部が形成されていることを特徴とする磁歪式トルクセンサ装置。
  2. 円筒状の前記ハウジング部材に前記回転軸が挿通され、前記回転軸の前記ハウジング部材に対向する外周面に前記被磁歪検出部が設けられ、前記ハウジング部材の外周面に前記1次コイルを捲回し、前記1次コイルの外周部に前記絶縁部材を介して前記2次コイルを捲回し、前記1次コイル及び前記2次コイルにより前記被磁歪検出部の磁気歪を検出するようにした磁歪式トルクセンサ装置において、
    前記絶縁部材は樋状で絶縁性の切筒部材を合わせることにより円筒状に形成された絶縁筒であり、且つ前記切筒部材の切筒端部には前記切筒部材を結合するための互いに係合する係合切欠と係合凸部が形成されていることを特徴とする磁歪式トルクセンサ装置。
  3. 前記係合切欠は前記切筒端部の端縁への開放端が奥側の部分より幅狭に形成され、前記係合凸部は先端部側が基部側の部分よりも幅広に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁歪式トルクセンサ装置。
  4. 前記1次コイルの外径よりも小さい内径を有する前記絶縁筒を前記1次コイルの外周に嵌合することにより、前記絶縁筒が自己の弾性力により前記1次コイルの外周に圧接されていると共に、前記係合凸部の先端と前記係合切欠の開放端とは反対側の端縁との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁歪式トルクセンサ装置。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の磁歪式トルクセンサ装置において、
    前記絶縁筒外周面には、前記2次コイルが係合する螺旋状溝が形成されていることを特徴とする磁歪式トルクセンサ装置。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の磁歪式トルクセンサ装置において、
    前記絶縁筒の少なくとも一方の端部には半径方向へ突出して前記2次コイルの前記絶縁筒の端部からの脱落を防止するフランジが形成されていることを特徴とする磁歪式トルクセンサ装置。
  7. 請求項3に記載の磁歪式トルクセンサ装置において、
    前記係合凸部に先端に向けて開放するスリットが形成されていることを特徴とする磁歪式トルクセンサ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7752923B2 (en) * 2007-05-30 2010-07-13 Honda Motor Co., Ltd. Magnetostrictive torque sensor

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