JP2006349030A - 等圧弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】2種類の気体を等圧で供給でき、微調整が容易な等圧弁を提供する。
【解決手段】等圧弁1は第1及び第2減圧弁2,2bを有する。両減圧弁の各弁体7,7bは、弁箱4内で間隔をおいて配置された第1及び第2可撓性膜10,10bにそれぞれ当接している。両可撓性膜の間には、各減圧弁を押圧する主ばね12があり、弁箱に設けられた調整ナット15と各可撓性膜との間には、それぞれ第1及び第2調整ばね17,17bがある。両弁の流量は、可撓性膜と主ばねを介して自動的に均等となるが、調整ナットを回動して移動することにより調整ばねで可撓性膜を押圧して微調整できる。医療用の気体混合装置に空気と酸素を精密に等圧で供給できるので、任意の混合比で両気体をブレンドできる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、2種類の異なる気体を可及的等圧で供給することのできる等圧弁に係り、例えば医療用として患者に供給される空気と酸素を混合する気体混合装置に対し、両気体を精密に等圧で供給するために特に有用な等圧弁に関するものである。
空気中の酸素濃度は21%程度であり、患者の疾患の種類乃至容体によっては空気の供給だけでは摂取酸素量が不十分な場合がある。他方、酸素のみを単独で供給すると、酸素中毒の危険性や特に乳幼児では網膜症発症の危険性がある。そこで、呼吸用気体の供給が必要とされる医療においては、一般に患者の容体等に合せた適当な配合で空気と酸素を混合(ブレンド)して供給する場合が多く、例えば人工呼吸器等においても供給する気体はこのような空気と酸素のブレンド気体であるのが普通である。
図3は、前述したような目的で使用される気体混合装置(空気酸素ブレンダー)の一例を示す断面図である。
本体である弁箱200内には気体A(空気)の流路201と気体B(酸素)の流路202が形成されており、各流路201,202には各気体A,Bがそれぞれ互いに等圧で供給されることとされている。両流路201,202は1つの弁体203によって開閉されるそれぞれの弁座を介して出口流路204に合流するようになっている。この弁体203は、弁箱200の外部に設けられた調整つまみ205に連結されたねじ棒206に取付けられており、ねじ棒206は弁箱200内のめねじに螺合している。従って、つまみ205の操作によってねじ棒206を回動してねじ棒206を進退させれば、両流路201,202の2つの弁座を互いに反対方向に同時に開閉して各流路201,202と弁体203との各開度を反比例の関係で調節することができ、ここで供給される気体A,Bは等圧であるから、2種類の気体A,Bの混合比率を任意に調整することができるものとされている。なお、つまみ205には両気体A,Bの混合割合が記されていて、所望の混合状態をつまみ205の調整で設定できるものとされている。
図4は、前記気体混合装置に気体A(空気)及び気体B(酸素)を等圧で供給するための従来の等圧弁の一例を示す断面図である。
本体である弁箱100内には気体A(空気)の流路と気体B(酸素)の流路101,102が形成されており、両流路101,102は可撓性膜103を挟んで区画されているが、その両面にはそれぞれ弁体104,105が取り付けられており、各弁体104,105はそれぞれ復帰用のばね106,107を介して各流路101,102の弁座に近接して配置され、また可撓性膜103には各弁体104,105の下流側の圧力がそれぞれ反対側の面から加わるようになっている。従って、下流側の両気体A,Bの圧力に差が生じると、可撓性膜103の弾性変形により圧力の高い方の弁体が閉方向に移動し、圧力の低い方の弁体が開方向に移動し、下流側における両気体の圧力の差が解消され、供給圧の低い側において両気体が等圧になるものとされている。
従来の気体混合装置に2種類のガスを等圧で供給する目的は次の通りである。すなわち、図3に示す気体混合装置において、患者への供給側である出口流路204にて合流した2種類の混合気体の圧力は、使用される混合気体の流量によって差はあるものの、通気抵抗で圧力低下が生じるために、必ず減圧弁から供給される個別の各ガスの圧力よりも低い圧力となる。このように、弁にガスを流した場合には、弁体について上流側(IN側)に対し、下流側(OUT側)では通気抵抗によって圧力低下が発生する。
ここで、図3に示す気体混合装置において、弁体203の上流側、すなわち流路201及び流路202における各気体A(空気)及び気体B(酸素)の各圧力が精密に等圧となっていれば、各気体は弁体203の位置によって決まる各流路201、202の各開度に応じた流量で下流に流れることができ、所望の混合割合で2つの気体を混合する気体混合装置としての作用効果を得ることができる。
しかしながら、図4に示した従来の等圧弁によれば、その構造上、供給される気体の圧力で変動する機械的な構成により両気体が自動的に等圧になるものとされているが、実際には両弁104,105の移動を左右する可撓性膜103の加工乃至組立には高い精度が要求され、その受圧面積が設定より少しでもずれると左右の圧力の均衡がとれなくなり、両気体が等圧にならない場合があった。また、使用開始後に等圧にならない場合は、等圧になるように調整する手段はなかった。従って、図3に示す気体混合装置において、各気体を弁体203の位置に対応した所望の混合割合で混合する目的は必ずしも達成できなかった。
図3に示す気体混合装置では、気体の流量が大きい場合は弁体の前後での差圧が大きくなるため、上流側の2つの気体の等圧が多少崩れても弁体の位置で設定した2気体の混合割合には大きな誤差は生じない。しかし、流量が小さい場合は弁体の前後での差圧も小さくなるため、2気体の混合を弁体の位置で設定した通りとするためには、上流側の2つの気体は極めて精密に等圧が保持されていなければならない。例えば、気体混合装置において弁体の前後での通気抵抗による圧力低下が0.01kg/cm2 しかなかったとすると、等圧弁による2つの気体の等圧性が同じく0.01kg/cm2 ずれてしまったら、片方の気体はOUT側には流れず、気体混合装置としての機能は失われることとなってしまう。
本発明は以上の課題を解決するものであり、簡単な構造でありながら、2種類の異なる気体を安定して等圧で供給することができ、しかも仮に等圧のバランスが崩れたとしても、その微調整を容易に行うことができる等圧弁を提供することを目的としており、特に医療の分野において、患者に供給する呼吸用気体を製造するために空気と酸素を任意の割合で混合する気体混合装置に対し、空気と酸素を精密に等圧で供給することにより、所望の混合比を正確に実現できるようにすることを目的としている。
請求項1に記載された等圧弁は、
第1気体及び第2気体を混合して供給する気体混合装置に前記第1気体及び前記第2気体を可及的等圧で供給するための等圧弁において、
第1気体の流路の開度を調整して圧力を制御する第1弁体と、前記第1弁体を操作して前記流路の開度を調整する第1可撓性膜とを有する第1減圧弁と、
第2気体の流路の開度を調整して圧力を制御する第2弁体と、前記第2弁体を操作して前記流路の開度を調整する第2可撓性膜とを有する第2減圧弁と、
前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜の間に設けられ、前記第1減圧弁の前記流路及び前記第2減圧弁の前記流路が開く方向に前記第1弁体及び前記第2弁体がそれぞれ操作されるように前記第1可撓性膜及び前記第2可撓性膜を押圧する主ばねと、
前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜の間に位置調整自在に設けられた調整部材と、
前記調整部材と前記第1可撓性膜との間に設けられて前記調整部材の位置に応じて前記第1可撓性膜を押圧する第1調整ばねと、
前記調整部材と前記第2可撓性膜との間に設けられて前記調整部材の位置に応じて前記第2可撓性膜を押圧する第2調整ばねと、
を有している。
請求項2に記載された等圧弁は、
第1気体及び第2気体を混合して供給する気体混合装置に前記第1気体及び前記第2気体を可及的等圧で供給するための等圧弁において、
第1気体の流路の開度を調整して圧力を制御すべく移動可能に設けられた第1弁体と、前記第1弁体に接触するとともに、前記第1弁体に関して下流側の圧力を前記第1弁体と接触する側に受けつつ、前記第1弁体を操作して第1基体の流路の開度を調整し、第1気体の下流側の圧力を調整する第1可撓性膜とを有する第1減圧弁と、
第2気体の流路の開度を調整して圧力を制御すべく移動可能に設けられた第2弁体と、前記第2弁体に接触するとともに、前記第2弁体に関して下流側の圧力を前記第2弁体と接触する側に受けつつ、前記第2弁体を操作して第2基体の流路の開度を調整し、第2気体の下流側の圧力を調整する第2可撓性膜とを有する第2減圧弁と、
前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜の間に設けられ、前記第1減圧弁の前記流路及び前記第2減圧弁の前記流路が開く方向に前記第1弁体及び前記第2弁体がそれぞれ操作されるように前記第1可撓性膜及び前記第2可撓性膜を押圧する主ばねと、
前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜の間において、前記第1可撓性膜が前記第1弁体を押圧する方向又は前記第2可撓性膜が前記第2弁体を押圧する方向に関して位置調整自在となるように設けられた調整部材と、
前記調整部材と前記第1可撓性膜との間に設けられて前記調整部材の位置に応じて前記第1可撓性膜を押圧する第1調整ばねと、
前記調整部材と前記第2可撓性膜との間に設けられて前記調整部材の位置に応じて前記第2可撓性膜を押圧する第2調整ばねと、
を有している。
請求項3に記載された等圧弁は、
第1気体及び第2気体を混合して供給する気体混合装置に前記第1気体及び前記第2気体を可及的等圧で供給するための等圧弁において、
第1気体の流路の開度を調整して圧力を制御すべく移動可能に設けられた第1弁体と、前記第1弁体に関して上流側の圧力を用いて前記流路が開く方向に前記第1弁体を間接的に押圧し、前記第1弁体に関して下流側の圧力を用いて前記流路が閉じる方向に前記第1弁体を間接的に操作し、第1気体の下流側の圧力を調整する第1可撓性膜とを有する第1減圧弁と、
第2気体の流路の開度を調整して圧力を制御すべく移動可能に設けられた第2弁体と、前記第2弁体に関して上流側の圧力を用いて前記流路が開く方向に前記第2弁体を間接的に押圧し、前記第2弁体に関して下流側の圧力を用いて前記流路が閉じる方向に前記第2弁体を間接的に操作し、第2気体の下流側の圧力を調整する第2可撓性膜とを有する第2減圧弁と、
前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜の間に設けられ、前記第1減圧弁の前記流路及び前記第2減圧弁の前記流路が開く方向に前記第1弁体及び前記第2弁体がそれぞれ操作されるように前記第1可撓性膜及び前記第2可撓性膜を押圧する主ばねと、
前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜の間において、前記第1可撓性膜が前記第1弁体を押圧する方向又は前記第2可撓性膜が前記第2弁体を押圧する方向に関して位置調整自在となるように設けられた調整部材と、
前記調整部材と前記第1可撓性膜との間に設けられて前記調整部材の位置に応じて前記第1可撓性膜を押圧する第1調整ばねと、
前記調整部材と前記第2可撓性膜との間に設けられて前記調整部材の位置に応じて前記第2可撓性膜を押圧する第2調整ばねと、
を有している。
請求項4に記載された等圧弁は、請求項1乃至3に記載の等圧弁において、
前記第1減圧弁と前記第2減圧弁が共通の弁箱のそれぞれ両端に形成されることにより、該弁箱の中央部分において前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜が所定間隔をおいて対面しており、
前記弁箱の前記中央部分には前記第1可撓性膜に接近する向き又は前記第2可撓性膜に接近する向きに移動可能とされ、内周面にはばね係止部を備えた環状の調整ナットが前記調整部材として設けられており、
前記第1及び第2調整ばねは、前記第1可撓性膜及び前記第2可撓性膜と前記ばね係止部との間にそれぞれ設けられていることを特徴としている。
請求項5に記載された等圧弁は、請求項4に記載の等圧弁において、
前記調整部材は、前記第1可撓性膜に接近する向きに移動可能とされ、内周面にはばね係止部を備えた環状の第1調整ナットと、前記第2可撓性膜に接近する向きに移動可能とされ、内周面にはばね係止部を備えた環状の第2調整ナットを有しており、
前記第1調整ばねは、前記第1可撓性膜と前記第1調整ナットのばね係止部との間に設けられており、 前記第2調整ばねは、前記第2可撓性膜と前記第2調整ナットの前記ばね係止部との間に設けられており、
前記第1調整ナット及び前記第2調整ナットがそれぞれ独立して調整可能とされたことを特徴としている。
請求項6に記載された等圧弁は、請求項5記載の等圧弁において、
前記第1気体及び前記第2気体がそれぞれ空気及び酸素であり、前記気体混合装置が呼吸用の気体を供給するための医療用として使用されることを特徴としている。
請求項1乃至3記載の発明によれば、主ばねが第1及び第2可撓性膜を押圧し、これら第1及び第2可撓性膜が第1及び第2弁体をそれぞれ押圧して第1及び第2気体の各流路をそれぞれ開き、第1及び第2気体は等圧で下流に流れ、気体混合装置において所望の混合比で混合されて供給される。
各気体の下流での圧力は各可撓性膜に加わっているので、例えば第1気体の下流側の圧力が増せば、この圧力が加わっている第1可撓性膜は主ばねの押圧方向と反対方向に押圧され、第1弁体は第1気体の流路が閉まる方向に移動し、第1気体の下流側の圧力は低下する方向に変化する。これと同時に、主ばねが第2可撓性膜を押圧する力が増加し、第2弁体は第2気体の流路が開く方向に移動するので、第2気体の下流側の圧力は増加する方向に変化する。
このように、第1及び第2気体の下流側の各圧力は両可撓性膜及び主ばねを介した釣り合いにより均等となるように自動的に制御される。
仮に、上記釣り合いが完全ではなく、両気体の下流側での圧力が精密には均等にならない場合であっても、調整部材で微調整を行うことができる。例えば、第1気体の下流側の圧力が高い場合(又は第2気体の下流側の圧力が低い場合)には、調整部材を操作して第2可撓性膜に向けて移動させ、第2調整ばねが第2可撓性膜を押圧する力を増大させ、第2気体の流路が開く方向に第2弁体を移動させ、第2気体の下流側の圧力を増加させるように調整する。この時、第1調整ばねが第1可撓性膜を押圧する力は減少するので、第1弁体は第1気体の流路が閉まる方向に移動し、第1気体の下流側の圧力は低下する方向に調整される。
このように、主ばねによる制御のみによっては第1及び第2気体の下流側の各圧力に微少な差がある場合でも、調整部材の操作によって両可撓性膜及び調整ばねを介した釣り合いにより、両気体の下流での圧力が均等となるように微調整を行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、前記調整部材が、第1及び第2可撓性膜に設けられ、いずれかの可撓性膜に接近すると共に他方の可撓性膜からは遠ざかるように移動する調整ナットで構成されているので、第1及び第2調整ばねによって台及び第2可撓性膜を押圧する力の微調整をねじ操作により精妙に行うことができる。
請求項5記載の発明によれば、前記調整ばねを、第1調整ばねを介して第1可撓性膜を押す第1調整ナットと、第2調整ばねを介して第2可撓性膜を押圧する第2調整ナットとで構成しているので、各気体の下流での圧力を主ばねによる作用で粗調整した上で、各々任意に調整することにより、圧力均等の範囲から外れた比率に設定することもできる。この場合、両調整ナットを適宜に操作することにより、各気体の下流での圧力を微調整で均等にすることも可能である。
請求項6記載の発明によれば、以上の構成による作用において、呼吸用等の目的で患者側に送られる空気及び酸素の混合気体において、各気体の分圧を精密に均等とすることができ、圧力に変化があった場合も容易に微調整できるので、安全性が重視される医療用の気体混合装置に両気体を等圧で供給する等圧弁としてきわめて安定した機能を発揮することができ、産業上有用である。
以下、本発明の最良の実施形態を添付図面を参照して説明する。本例の等圧弁は、第1及び第2気体が酸素及び空気であれば、医療用の呼吸用気体供給装置(空気酸素ブレンダー)に両気体を安定的かつ精密に等圧で供給することができる。
1.第1実施形態(直動式、図1参照)
第1例の等圧弁は、以下に詳述するように主ばねの圧力を可撓性膜を介して弁体に直接伝達するものであり(本発明ではこれを直動式と称する。)、気体の下流側での圧力変動に対する応答性が高く、2気体の圧力の均等化の作用が高速で得られるタイプである。
(1) 構成
本例の等圧弁1は、各気体に対応した2つの減圧弁2,2bと、2つの減圧弁2,2bの間に設けられて両弁の減圧作用を相互に反対向きに粗調整及び微調整する調整機構部3とを備えた、全体として1個の圧力制御弁であり、共通の弁箱4を基体として構成されている。
図1に示すように、弁箱4の左部分には、第1減圧弁2が設けられている。すなわち、弁箱4の左部分には第1気体(A)の入口及び出口を連通する流路5が形成されており、流路5の中途には弁座6が設けられ、この弁座6には流路5の弁座6における開度を調整して圧力を制御すべく、第1弁体7が移動可能に設けられている。第1弁体7には復帰ばね8が設けられており、弁座6を閉止する方向に第1弁体7に力を与えている。第1弁体7の一部は後述する可撓性膜10によって押圧操作される先端が丸い当接部7aとなっている。
第1弁体7に関して下流側(出口側)の流路5には、貫通路9aを介して圧力室9が通じている。この圧力室9には、所定受圧面積に設定された円形の第1可撓性膜10が張設されており、第1気体(A)の下流側の圧力が加わるように構成されている。また、前記第1弁体7は流路5を区画する壁体の一部を貫通しており、第1気体(A)の下流側の圧力が加わる第1可撓性膜10の前記一面に、前記当接部7aを当接させている。
なお、図1に示すように、弁箱4の右部分には第2減圧弁2bが設けられているが、この第2減圧弁2bの構成は前記第1減圧弁2と同一であり、図1の縦方向の中心線C−Cについて対称な構成であるので、上記第2減圧弁2bの如く、同一の構成部分については必要に応じて対応する符号に添え字bを付して示すものとする。後述する調整機構部3内の中心線C−Cについて対称な構成部分についても同様とする。
次に、第1減圧弁2と第2減圧弁2bの間の弁箱4には空間11が形成され、この空間11には調整機構部3が設けられている。まず、第1可撓性膜10と第2可撓性膜10bの間に共通の圧力粗調整手段として主ばね12が設けられている。主ばね12は第1可撓性膜10と第2可撓性膜10bの各内面に接しており、第1可撓性膜10及び第2可撓性膜10bを互いに反対方向外側に向けて押圧し、各可撓性膜10,10bにそれぞれ当接している第1弁体7及び第2弁体7bを外側に向けて移動させ、各流路5,5bが常時開となるように設定されている。
そして、弁箱4の前記空間11には、周状の操作溝13が一部に開口して形成されており、空間11の内部には、操作溝13に一致する周方向に沿って操作溝13よりも幅広のねじ部14が形成されている。この空間11内において、前記ねじ部14には環状の調整ナット15(調整部材)が螺合しており、操作溝13から回動操作することにより、調整ナット15は空間11内で第1可撓性膜10又は第2可撓性膜10bに接近する方向に移動できる。すなわち、調整ナット15は、第1可撓性膜10と第2可撓性膜10bの間において、第1可撓性膜10が第1弁体7を押圧する方向又は第2可撓性膜10bが第2弁体7bを押圧する方向に関して、位置調整自在とされている。
調整ナット15は、前述したように環状であるが、その内周面には凸条状のばね係止部16が設けられている。そして、ばね係止部16と第1可撓性膜10との間には第1調整ばね17が設けられ、ばね係止部16と第2可撓性膜10bとの間には第2調整ばね17bが設けられ、調整ナット15が設定された位置に応じて第1調整ばね17及び第2調整ばね17bが、それぞれ第1可撓性膜10及び第2可撓性膜10bを押圧するように構成されている。
例えば、調整ナット15が、初期の中立的な位置から第1可撓性膜10に接近する方向に移動すれば、第1調整ばね17が第1可撓性膜10を押圧する力は増大し、同時に第2調整ばね17bが第2可撓性膜10bを押圧する力は減少する。
なお、以上説明した主ばね12、第1及び第2調整ばね17,17bは、各可撓性膜10,10bに直接接していてもよいが、可撓性膜10,10bを構成するゴム等の可撓性材料の耐久性を考慮すれば、図示のように皿状の受け板18,18bを介して押圧するようにすることがより望ましい。
本例の等圧弁1では、2つの減圧弁2,2bの各出口が、図3に示した気体混合装置の入口側の両流路201,202にそれぞれ接続されており、この気体混合装置に酸素と空気を等圧で供給できるようになっている。従って、気体混合装置において、医療の目的に応じて調整つまみ205を操作して弁体203の位置を調整すれば、前記等圧弁1から2つの気体が等圧で供給されている限り、弁体203の位置によって決まる各流路201、202の各開度に応じた流量で両気体は下流に流れ、所望の混合割合で混合して必要な混合気体を得ることができる。
なお、図3に示した気体混合装置は一例にすぎず、等圧とされた2気体の供給を受けて所望の混合比でブレンドして供給する機能があれば、その構成は図3に示すものに限定されないことは言うまでもない。
(2) 作用・効果
次に、以上の構成における第1例の等圧弁1における作用を説明する。
主ばね12は第1及び第2可撓性膜10,10bを外向きに押圧し、押圧された第1及び第2可撓性膜10,10bが第1及び第2弁体7,7bをそれぞれ外向きに押圧し、第1及び第2気体A,Bの各流路5,5bをそれぞれ所定の開状態とするので、第1及び第2気体A,Bは均等な圧力に調整されて下流側にある気体混合装置の各流路にそれぞれ送り込まれる。
上記の作用において、各気体A,Bの下流での圧力は各可撓性膜10,10bに加わっているので、例えば第1気体Aの下流側の圧力が増せば、この圧力が加わっている第1可撓性膜10は主ばね12の押圧方向と反対方向に押圧され、第1弁体7は第1気体Aの流路5が閉まる方向に移動し、第1気体Aの下流側の圧力は低下する方向に変化する。これと同時に、主ばね12が第2可撓性膜10bを押圧する力が増加し、第2弁体7bは第2気体Bの流路5bが開く方向に移動するので、第2気体Bの下流側の圧力は増加する方向に変化する。これと逆の作用も当然成り立つ。
このように、第1及び第2気体A,Bの下流側の各圧力は両可撓性膜10,10b及び主ばね12を介した釣り合いにより均等となるように自動的に制御される。
ここで、上記釣り合いが完全ではなく、両気体A,Bの下流側での圧力が精密には均等にならない場合であっても、調整ナット15で微調整を行うことができる。例えば、第1気体Aの下流側の圧力が高い場合(又は第2気体Bの下流側の圧力が低い場合)には、調整ナット15を操作して第2可撓性膜10bに向けて移動させ、第2調整ばね17bが第2可撓性膜10bを押圧する力を増大させ、第2気体Bの流路5bが開く方向に第2弁体7bを移動させ、第2気体Bの下流側の圧力を増加させるように調整する。この時、第1調整ばね17が第1可撓性膜10を押圧する力は減少するので、第1弁体7は第1気体Aの流路5が閉まる方向に移動し、第1気体Aの下流側の圧力は低下する方向に調整される。これと逆の作用も当然成り立つ。
このように、当初に設定した主ばね12による制御のみによっては第1及び第2気体A,Bの下流側の各圧力に微少な差がある場合、又は使用につれて各圧力に微少な差が生じるに至った場合であっても、調整ナット15の操作によって両可撓性膜10,10b及び調整ばね7,7bを介した釣り合いにより、両気体A,Bの下流での圧力が均等となるように微調整を行うことができる。
本例では、圧力調整範囲の95%程度は主ばね12による作用でカバーし、残りの約5%程度の微少範囲を調整ナット15と調整ばね17,17bによる作用でカバーするようになっている。
本例の等圧弁1で気体混合装置(例えば図3に示す)に2種類の気体A,Bとして酸素と空気を医療用として供給する場合、患者の容態に合せて任意の混合比率で酸素と空気を混合して供給することができる。供給途中、必要に応じて気体混合装置の調整つまみ205を回して弁体203の位置を調整すれば、前記等圧弁1から2つの気体は精密な等圧で供給されているので、弁体203の位置によって決まる各流路201、202の各開度に応じた流量で両気体が下流に流れ、酸素と空気のブレンド気体は調整つまみ205で新たに設定した所望の混合割合となって供給される。
医療用の呼吸用気体としては、酸素濃度が高い側ではあまり正確な混合比は求められないが、酸素濃度が低い側(21%に近い側)では正確な混合比が要求されるのが普通である。しかし、本例の等圧弁1によれば、気体混合装置に両気体を精密に等圧で供給できるので、酸素濃度の高低に係わらず、気体混合装置で設定した正確な混合比を常に達成できる。
なお、本例では、各減圧弁2,2bの入口に与える各気体A,Bの圧力は、制御の正確性を期すためには可及的に同等であることが好ましいが、本例の構造及びこれによる制御の作用によれば、各気体A,Bの元の圧力に相当の差(例えば30%程度の差)があっても、出口側では上述したような1%に満たない微小な誤差で均等とすることができる。
2.第2実施形態(パイロット式、図2参照)
第2例の等圧弁21は、以下に詳述するように主ばね12の圧力を、可撓性膜30,30b及び被制御対象である気体A,Bの圧力を利用するパイロット部23を介して減圧弁22の弁体に伝達するものであり(本願発明ではこれをパイロット式と称する。)、流量の変化に対する気体の下流側での圧力の変動が小さく、前記第1実施形態の直動式の等圧弁1に比べて、より優れた流量特性で2気体の圧力の均等化の作用が得られるタイプである。
(1) 構成
本例の等圧弁21は、各気体A,Bに対応した2つの減圧弁22,22bと、各気体A,Bの圧力を利用して各減圧弁22,22bを操作する2つのパイロット部23,23と、2つのパイロット部23,23の間に設けられて2つの減圧弁22,22bの各減圧作用を相互に反対向きに粗調整及び微調整する調整機構部24とを備えた、全体として1個の圧力制御弁であり、共通の弁箱25を基体として構成されている。
図2に示すように、弁箱25の左端部分には、第1減圧弁22が設けられている。すなわち、弁箱25の左端部分には第1気体Aの入口及び出口を連通する流路26が形成されており、流路26の中途には弁座27が設けられ、この弁座27には流路26の弁座27における開度を調整して圧力を制御すべく、第1弁体28が移動可能に設けられている。
第1弁体28は、使用側(下流側)の圧力が異常に高くなった場合に圧力を逃がす機能を備えた排気管29に、ゴム等の弾性体からなる筒型の弁本体31と、弁本体31を弁座27に押し付ける付勢用の弾性体であるゴム管32とを外挿し、それぞれ固定してなる部品である。第1弁体28は、弁箱25に対して調整自在にねじ込まれた調整部材33を介して流路26内に配置され、前記弁本体31が流路26内の弁座27に前記ゴム管32の付勢力をもって当接するように構成されている。
流路26内には、弁座27よりも下流側に可撓性の第1受圧膜34が設けられ、上流側の気体Aの圧力を受けるように構成されている。第1受圧膜34の受圧面側の中心には補強用の金属製のディスク35が取り付けられ、該ディスク35の中央には金属球36が固定されており、前記第1弁体28の排気管29の先端が当接して排気管29を通常は閉止している。従って、流路26の上流側の気体の圧力が異常に高まれば、第1受圧膜34はこの圧力を受けて排気管29から離れる方向に移動し、これによって金属球36が排気管29の先端から離れるので、排気管29の先端が開放されて気体Aが矢印で示すように弁箱25外に放出される。
流路26内には、弁座27よりも上流側に第1導入路37が開口している。この第1導入路37は、上流側の気体Aを前記第1受圧膜34の背後に設けられた第1パイロット空間38に導くように形成されているが、前記第1導入路37の中途には可流量を少量に絞った絞り弁39が設けられているので、第1パイロット空間38に導かれる上流側の気体Aの流量は小さい。この第1パイロット空間38は連通孔40を介して第2パイロット空間41に連通しており、第2パイロット空間41は排気孔42を介して弁箱25の外に開放されている。この上流側の気体Aを導く連通孔40の出口側には、連通孔40を開閉する金属球43がばね44を介して設けられているが、この金属球43は常態では連通孔40を開くように構成されているので、第1導入路37から絞り弁39を経て第1パイロット空間38に流入する上流側の気体Aは、常態では第2パイロット空間41から排気孔42を経て弁箱25外に排出され、従って前記第1受圧膜34の背後には過大な圧力が加わらないようになっている。
前記第2パイロット空間41の隣には、第2パイロット空間41とは区画された状態で、第3パイロット空間45が設けられている。この第3パイロット空間45は、前記金属球43に対面して設けられた第2受圧膜46と、これと所定間隔をおいて配置された第1可撓性膜30によって区画される。そして、第2受圧膜46と第1可撓性膜30は連結部材47によって結合されており、この連結部材47の第2受圧膜46側に設けられた受け部48が前記金属球43に対面している。また弁座27よりも下流側の流路26には第2導入路49が開口しており、この第2導入路49は、前記第3パイロット空間45に導かれて開口しており、気体Aの下流側の圧力が第1可撓性膜30に加わるように構成されている。この点は、第1の例と同様である。
なお、図2では図示を省略しているが、弁箱25の右部分には第2減圧弁22bと第2パイロット部23bが設けられているが、これらの構成は前記第1減圧弁22及び前記第1パイロット部23と同一であり、図2の縦方向の中心線C−Cについて対称な構成であるので、上記第2減圧弁22b及び第2パイロット部23bの如く、同一の構成部分については必要に応じて対応する符号に添え字bを付して示すものとする。後述する調整機構部24内の構成部分については第1の例と同様の符号を付す。
次に、第1減圧弁22と第2減圧弁22bの間の弁箱25には空間11が形成され、この空間には調整機構部24が設けられている。まず、前記第1可撓性膜30と、第2減圧弁22b乃至第2パイロット部23b側の第2可撓性膜30bとの間には、共通の圧力粗調整手段として主ばね12が設けられている。主ばね12は第1可撓性膜30と第2可撓性膜30bの各内面に接しており、第1可撓性膜30及び第2可撓性膜30bを互いに反対方向外側に向けて押圧し、各可撓性膜30,30bにそれぞれ取り付けられている連結部材47を介して前記金属球43を押圧することができる。押圧された金属球43の移動により連通孔40の開放状態が加減され、これによって第1パイロット空間38内の圧力が調整され、第1受圧膜34の移動により第1弁体28も移動して弁座27の開度が調整される。
そして、弁箱25の前記空間11には、周状の操作溝13が一部に開口して形成されており、空間11の内部には、操作溝13に一致する周方向に沿って操作溝13よりも幅広のねじ部14が形成されている。この空間11内において、前記ねじ部14には環状の調整ナット15(調整部材)が螺合しており、操作溝13から回動操作することにより、調整ナット15は空間11内で第1可撓性膜30又は第2可撓性膜30bに接近する方向に移動できる。すなわち、調整ナット15は、第1可撓性膜30と第2可撓性膜30bの間において、第1可撓性膜30が間接的に金属球43を押して第1受圧膜34の背圧(第1パイロット空間38内の圧力)を高めて第1弁体28を開く方向と、第2可撓性膜30bが同様の作用で間接的に第2弁体28bを開く方向とに関して、位置調整自在とされている。
調整ナット15は、前述したように環状であるが、その内周面には凸条状のばね係止部16が設けられている。そして、ばね係止部16と第1可撓性膜30との間には第1調整ばね17が設けられ、ばね係止部16と第2可撓性膜30bとの間には第2調整ばね17bが設けられ、調整ナット15が設定された位置に応じて第1調整ばね17及び第2調整ばね17bが、それぞれ第1可撓性膜30及び第2可撓性膜30bを押圧するように構成されている。
例えば、調整ナット15が、初期の中立的な位置から第1可撓性膜30に接近する方向に移動すれば、第1調整ばね17が第1可撓性膜30を押圧する力は増大し、同時に第2調整ばね17bが第2可撓性膜30bを押圧する力は減少する。
なお、以上説明した主ばね12、第1及び第2調整ばね17,17bは、各可撓性膜30,30bに直接接していてもよいが、可撓性膜を構成するゴム等の可撓性材料の耐久性を考慮すれば、図示のように円形の受け板50を介して押圧するようにすることがより望ましい。
本例の等圧弁21では、2つの減圧弁22,22bの各出口が、図3に示した気体混合装置の入口側の両流路201,202にそれぞれ接続されており、この気体混合装置に酸素と空気を等圧で供給できるようになっている。従って、気体混合装置において、医療の目的に応じて調整つまみ205を操作して弁体203の位置を調整すれば、前記等圧弁21から2つの気体が等圧で供給されている限り、弁体203の位置によって決まる各流路201、202の各開度に応じた流量で両気体は下流に流れ、所望の混合割合で混合して必要な混合気体を得ることができる。
なお、図3に示した気体混合装置は一例にすぎず、等圧とされた2気体の供給を受けて所望の混合比でブレンドして供給する機能があれば、その構成は図3に示すものに限定されないことは言うまでもない。
(2) 作用・効果
次に、以上の構成における第2例の等圧弁21における作用を説明する。
主ばね12は第1及び第2可撓性膜30,30bを外向きに押圧し、押圧された第1及び第2可撓性膜30,30bが前述した作用で各第1受圧膜34,34bの背圧を調整して間接的に第1及び第2弁体28,28bをそれぞれ操作し、第1及び第2気体A,Bの各流路26,26bをそれぞれ所定の開状態とするので、第1及び第2気体A,Bは均等な圧力に調整されて下流側にある気体混合装置の各流路にそれぞれ送り込まれる。
上記の作用において、各気体A,Bの下流での圧力は第2導入路49,49bを介して主ばね12及び各調整ばね17,17bの作用と反対向きに各可撓性膜30,30bに加わっているので、例えば第1気体Aの下流側の圧力が増せば、この圧力が加わっている第1可撓性膜30は主ばね12の押圧方向と反対方向に押圧され、第1弁体28は第1気体Aの流路26が閉まる方向に移動し、第1気体Aの下流側の圧力は低下する方向に変化する。これと同時に、主ばね12が第2可撓性膜30bを押圧する力が増加し、第2弁体28bは第2気体Bの流路26bが開く方向に移動するので、第2気体Bの下流側の圧力は増加する方向に変化する。これと逆の作用も当然成り立つ。
このように、第1及び第2気体A,Bの下流側の各圧力は、パイロット部23,23bと両可撓性膜30,30bと主ばね12を介した釣り合いにより均等となるように自動的に制御される。
ここで、上記釣り合いが完全ではなく、両気体A,Bの下流側での圧力が精密には均等にならない場合であっても、調整ナット15で微調整を行うことができる。例えば、第1気体Aの下流側の圧力が高い場合(又は第2気体Bの下流側の圧力が低い場合)には、調整ナット15を操作して第2可撓性膜30bに向けて移動させ、第2調整ばね17bが第2可撓性膜30bを押圧する力を増大させ、第2気体Bの流路26bが開く方向に第2弁体28bを移動させ、第2気体Bの下流側の圧力を増加させるように調整する。この時、第1調整ばね17が第1可撓性膜30を押圧する力は減少するので、第1弁体28は第1気体Aの流路26が閉まる方向に移動し、第1気体Aの下流側の圧力は低下する方向に調整される。これと逆の作用も当然成り立つ。
このように、当初に設定した主ばね12による制御のみによっては第1及び第2気体A,Bの下流側の各圧力に微少な差がある場合、又は使用につれて各圧力に微少な差が生じるに至った場合であっても、調整ナット15の操作によって両可撓性膜30,30b及び調整ばね17,17bを介した釣り合いにより、両気体A,Bの下流での圧力が均等となるように微調整を行うことができる。
そして、特に本例では、第1の例のように弁体7,7bを主ばね12及び調整ばね17,17bで直接押圧して制御するのでなく、主ばね12及び調整ばね17、17bと弁体28,28bとの間にはパイロット部23,23bが設けられており、このパイロット部23,23bが金属球43等によるノズルフラッパ状の圧力制御機構として機能し、弁体28,28bを操作する第1受圧膜34,34bの背圧を決める気体流量を制御するので、気体の圧力制御はより円滑であり、流量が変動しても圧力を一定に保つ働きが第1の例よりも優れている。すなわち、本例では、気体を利用するパイロット部23,23bを介してばねの圧力が間接的に弁体を操作するので、そのような構造を持たない第1の例に比べて流量特性がよい。その他の作用効果は第1の例と実質的に略同様である。
3.その他の構成例
以上説明した第1及び第2の各例では、各減圧弁の下流において供給された圧力調整済みの各気体A,Bの流量を、図示しない流量計等の計測手段でそれぞれ測定し、その結果に応じて調整機構部の調整部材である調整ナットを人手によって調整することとしていたが、計測結果に基づいて調整ナットをサーボモータ等の駆動手段で操作することで、2気体の等圧による供給を自動的に行うようにしてもよい。
以上説明した第1及び第2の各例では、調整機構部の調整部材として単一の調整ナットを用い、2つの減圧弁を互いに反対方向に同時に調整していた。しかし、例えば第2例の構成において、調整部材として、第1可撓性膜30に接離する向きに移動可能とされた第1調整ナットと、第2可撓性膜30bに接離する向きに移動可能とされた第2調整ナットから構成し、第1調整ばね71は、第1可撓性膜30と第1調整ナットのばね係止部16との間に設け、第2調整ばね17bは、第2可撓性膜30bと第2調整ナットのばね係止部16bとの間に設け、第1調整ナット及び第2調整ナットをそれぞれ独立して調整可能とし、2つの減圧弁22,22bをそれぞれ独立して調整できるようにしてもよい。
本発明の第1の実施形態である直動式の等圧弁の断面図である。 本発明の第2の実施形態であるパイロット式の等圧弁の断面図である。 従来の気体混合装置(空気酸素ブレンダー)の一例を示す断面図である。 従来の等圧弁の一例を示す断面図である。
符号の説明
1,21…等圧弁
2,22…第1圧力制御弁としての第1減圧弁
2b,22b…第2圧力制御弁としての第2減圧弁
3,24…調整機構部
4,25…弁箱
5,26…流路
6,27…弁座
7,28…第1弁体
7b,28b…第1弁体
10,30…第1可撓性膜
10b,30b…第2可撓性膜
12…主ばね
15…調整部材としての調整ナット
16…ばね係止部
17…第1調整ばね
17b…第2調整ばね

Claims (6)

  1. 第1気体及び第2気体を混合して供給する気体混合装置に前記第1気体及び前記第2気体を可及的等圧で供給するための等圧弁において、
    第1気体の流路の開度を調整して圧力を制御する第1弁体と、前記第1弁体を操作して前記流路の開度を調整する第1可撓性膜とを有する第1減圧弁と、
    第2気体の流路の開度を調整して圧力を制御する第2弁体と、前記第2弁体を操作して前記流路の開度を調整する第2可撓性膜とを有する第2減圧弁と、
    前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜の間に設けられ、前記第1減圧弁の前記流路及び前記第2減圧弁の前記流路が開く方向に前記第1弁体及び前記第2弁体がそれぞれ操作されるように前記第1可撓性膜及び前記第2可撓性膜を押圧する主ばねと、
    前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜の間に位置調整自在に設けられた調整部材と、
    前記調整部材と前記第1可撓性膜との間に設けられて前記調整部材の位置に応じて前記第1可撓性膜を押圧する第1調整ばねと、
    前記調整部材と前記第2可撓性膜との間に設けられて前記調整部材の位置に応じて前記第2可撓性膜を押圧する第2調整ばねと、
    を有する等圧弁。
  2. 第1気体及び第2気体を混合して供給する気体混合装置に前記第1気体及び前記第2気体を可及的等圧で供給するための等圧弁において、
    第1気体の流路の開度を調整して圧力を制御すべく移動可能に設けられた第1弁体と、前記第1弁体に接触するとともに、前記第1弁体に関して下流側の圧力を前記第1弁体と接触する側に受けつつ、前記第1弁体を操作して第1基体の流路の開度を調整し、第1気体の下流側の圧力を調整する第1可撓性膜とを有する第1減圧弁と、
    第2気体の流路の開度を調整して圧力を制御すべく移動可能に設けられた第2弁体と、前記第2弁体に接触するとともに、前記第2弁体に関して下流側の圧力を前記第2弁体と接触する側に受けつつ、前記第2弁体を操作して第2基体の流路の開度を調整し、第2気体の下流側の圧力を調整する第2可撓性膜とを有する第2減圧弁と、
    前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜の間に設けられ、前記第1減圧弁の前記流路及び前記第2減圧弁の前記流路が開く方向に前記第1弁体及び前記第2弁体がそれぞれ操作されるように前記第1可撓性膜及び前記第2可撓性膜を押圧する主ばねと、
    前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜の間において、前記第1可撓性膜が前記第1弁体を押圧する方向又は前記第2可撓性膜が前記第2弁体を押圧する方向に関して位置調整自在となるように設けられた調整部材と、
    前記調整部材と前記第1可撓性膜との間に設けられて前記調整部材の位置に応じて前記第1可撓性膜を押圧する第1調整ばねと、
    前記調整部材と前記第2可撓性膜との間に設けられて前記調整部材の位置に応じて前記第2可撓性膜を押圧する第2調整ばねと、
    を有する等圧弁。
  3. 第1気体及び第2気体を混合して供給する気体混合装置に前記第1気体及び前記第2気体を可及的等圧で供給するための等圧弁において、
    第1気体の流路の開度を調整して圧力を制御すべく移動可能に設けられた第1弁体と、前記第1弁体に関して上流側の圧力を用いて前記流路が開く方向に前記第1弁体を間接的に押圧し、前記第1弁体に関して下流側の圧力を用いて前記流路が閉じる方向に前記第1弁体を間接的に操作し、第1気体の下流側の圧力を調整する第1可撓性膜とを有する第1減圧弁と、
    第2気体の流路の開度を調整して圧力を制御すべく移動可能に設けられた第2弁体と、前記第2弁体に関して上流側の圧力を用いて前記流路が開く方向に前記第2弁体を間接的に押圧し、前記第2弁体に関して下流側の圧力を用いて前記流路が閉じる方向に前記第2弁体を間接的に操作し、第2気体の下流側の圧力を調整する第2可撓性膜とを有する第2減圧弁と、
    前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜の間に設けられ、前記第1減圧弁の前記流路及び前記第2減圧弁の前記流路が開く方向に前記第1弁体及び前記第2弁体がそれぞれ操作されるように前記第1可撓性膜及び前記第2可撓性膜を押圧する主ばねと、
    前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜の間において、前記第1可撓性膜が前記第1弁体を押圧する方向又は前記第2可撓性膜が前記第2弁体を押圧する方向に関して位置調整自在となるように設けられた調整部材と、
    前記調整部材と前記第1可撓性膜との間に設けられて前記調整部材の位置に応じて前記第1可撓性膜を押圧する第1調整ばねと、
    前記調整部材と前記第2可撓性膜との間に設けられて前記調整部材の位置に応じて前記第2可撓性膜を押圧する第2調整ばねと、
    を有する等圧弁。
  4. 前記第1減圧弁と前記第2減圧弁が共通の弁箱のそれぞれ両端に形成されることにより、該弁箱の中央部分において前記第1可撓性膜と前記第2可撓性膜が所定間隔をおいて対面しており、
    前記弁箱の前記中央部分には前記第1可撓性膜に接近する向き又は前記第2可撓性膜に接近する向きに移動可能とされ、内周面にはばね係止部を備えた環状の調整ナットが前記調整部材として設けられており、
    前記第1及び第2調整ばねは、前記第1可撓性膜及び前記第2可撓性膜と前記ばね係止部との間にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の等圧弁。
  5. 前記調整部材は、前記第1可撓性膜に接近する向きに移動可能とされ、内周面にはばね係止部を備えた環状の第1調整ナットと、前記第2可撓性膜に接近する向きに移動可能とされ、内周面にはばね係止部を備えた環状の第2調整ナットを有しており、
    前記第1調整ばねは、前記第1可撓性膜と前記第1調整ナットのばね係止部との間に設けられており、 前記第2調整ばねは、前記第2可撓性膜と前記第2調整ナットの前記ばね係止部との間に設けられており、
    前記第1調整ナット及び前記第2調整ナットがそれぞれ独立して調整可能とされたことを特徴とする請求項4に記載の等圧弁。
  6. 前記第1気体及び前記第2気体がそれぞれ空気及び酸素であり、前記気体混合装置が呼吸用の気体を供給するための医療用として使用される請求項5記載の等圧弁。
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