JP2006348167A - ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂の製造方法およびポリエステル樹脂よりなる中空成形体 - Google Patents
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Abstract
成形時に金型汚れを発生させにくく飲料充填容器用途に適したポリエステル樹脂およびそれよりなる中空成形体を提供することを目的とする。
【課題手段】
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とからなるポリエステル樹脂であって、遊離のカルボン酸の含有量が1.6〜100ppmであり、アセトアルデヒド含有量が4ppm以下であることを特徴とするポリエステル樹脂。
本発明のポリエステル樹脂遊離のカルボン酸が1価であり、その含有量が1.6〜100ppmであり、アセトアルデヒド含有量が4ppm以下であることが好ましい。
Description
また、本発明の中空成形体は、上記のポリエステル樹脂よりなる。
本発明のポリエステル樹脂とは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とからなるものである。
本発明のポリエステル樹脂は、遊離のカルボン酸の含有量が1.6〜100ppmであることを必須とする。本発明のポリエステル樹脂の遊離のカルボン酸の含有量は1.6ppm〜30ppmであることが好ましく、1.8〜20ppmであることがより好ましく、2.0〜10ppmであることがさらに好ましく、3.0〜8.0ppmであることが特に好ましい。
ポリエステル樹脂中の遊離のカルボン酸の含有量が前記範囲内であると、ポリエステルを熱水で処理することにより成形時の環状三量体の増加を抑制することができる。
本発明のポリエステル樹脂は、遊離の1価カルボン酸の含有量が1.6ppm〜100であることが好ましい。本発明のポリエステル樹脂の遊離の1価カルボン酸の含有量は1.6ppm〜30ppmであることが好ましく、1.8〜20ppmであることがより好ましく、2.0〜10ppmであることがさらに好ましく、3.0〜8.0ppmであることが特に好ましい。
遊離の1価カルボン酸の含有量が前記範囲未満であると、ポリエステル樹脂の溶融成形時の環状三量体の増加が大きくなり、金型汚れを引き起こすことがある。一方、遊離の1価のカルボン酸の含有量が前記範囲を超えると、フレーバー性その他の品質に悪影響を及ぼすことがある。
チタン含有量が前記範囲未満であると、ポリエステル樹脂の生産性が低くなることがあり、一方、前記範囲を超えると、ポリエステル樹脂を溶融成形する際に色調などの品質が悪化することがある。
アルミニウム含有量が前記範囲未満であると、ポリエステル樹脂の生産性が低くなることがあり、一方、前記範囲を超えると、ポリエステル樹脂を溶融成形する際に色調などの品質が悪化することがある。
チタン原子とアルミニウム原子の重量比が前記範囲を外れると、ポリエステル樹脂の生産性と色調のバランスが悪化することがある。
(A) 2 ≦ (ΣniMi/Wi)/(S/32)
(B) 1 ≦ S ≦ 500(ppm)(ppm)
ここで、Sは生成ポリエステルに対するイオウ化合物由来のイオウ原子の量(ppm)を示し、Miは生成ポリエステルに対する元素i由来の原子の量(ppm)を示し、Wiは元素iの原子量を示し、niは元素iの化合物中の元素iの酸化数を示し、ΣniMi/Wiはすべての元素iのniMi/Wiの総和を示す。元素iはホウ素、アルミニウム、チタン、ガリウム、マンガン、コバルト、亜鉛、ケイ素、ジルコニウム、スズ、スカンジウム、イットリウム、ランタン、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンチモン、ゲルマニウムから選ばれる元素を示す。
(A−2) 3 ≦ (ΣniMi/Wi)/(S/32)
(B−2) 1 ≦ S ≦ 200(ppm)
本発明のポリエステルの製造方法においてはさらに好ましくは下式(A−3)(B−3)を満足することが好ましい。
(A−3) 4 ≦ (ΣniMi/Wi)/(S/32)
(B−3) 2 ≦ S ≦ 100(ppm)
(CT)
本発明のポリエステル樹脂の第1の形態と第3の形態においては、ポリエステル樹脂に含有される環状三量体量CTが0.50重量%以下であることを必須とする。本発明のポリエステル樹脂の環状三量体量CTは、0.40重量%以下であることがより好ましい。CTが前記範囲外であると、中空成形体等の成形時に金型汚れが起こりやすくなる。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体との低次縮合物を液相重縮合し、ついで固相重縮合させてポリエステル樹脂を製造する方法において、任意の時点で、1価のカルボン酸、その塩またはそのエステルを、全ジカルボン酸成分に対し0.001〜1.0モル%添加してポリエステルの重合を行なうことを特徴とする
なお、1価のカルボン酸としては、他のエステル形成性官能基を有しない単官能の1価カルボン酸であることが好ましい。他のエステル形成性官能基を有するカルボン酸であると、ポリエステル鎖内に共重合されて、ポリエステルの品質に影響を与えることがある。
1価のカルボン酸、その塩またはそのエステルのなかでは1価のカルボン酸が好ましい。1価カルボン酸であると、成形時の環状三量体の増加の抑制効果がより大きくなることがある。
フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化水酸化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウムなどのハロゲン化アルミニウム化合物;
炭酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウムなどの無機酸アルミニウム塩化合物;
水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミン酸アンモニウム、アルミン酸ナトリウム、水素化リチウムアルミニウムなどのその他の無機アルミニウム化合物;
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、メチルアルモキサンなどのアルミニウム有機金属化合物;
トリフェノキシアルミニウムなどのアリーロキシアルミニウム化合物;
トリス(トリメチルシロキシ)アルミニウム、トリス(トリフェニルシロキシ)アルミニウムなどのシロキシアルミニウム化合物;
酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトネート、有機スルホン酸アルミニウム、有機ホスホン酸アルミニウムなどの有機酸アルミニウム塩化合物;
トリス(ジエチルアミノ)アルミニウム、アルミニウムトリピロリドなどのアルミニウムアミド化合物;
アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−n−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、アルミニウムトリ−2−エチルヘキソキシドなどのアルミニウムアルコキシド類;
およびそれらの加水分解物が挙げられる。
四フッ化チタン、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、ヘキサフロロチタン酸などのハロゲン化チタン化合物;
α−チタン酸、β−チタン酸、チタン酸アンモニウム、チタン酸ナトリウム、ペルオキソチタン酸錯体、アナターゼなどのチタン酸化合物;
硫酸チタン、硝酸チタン、リン酸チタン、ケイ酸チタンなどの無機酸チタン塩化合物;
テトラメチルチタン、テトラエチルチタン、テトラベンジルチタン、テトラフェニルチタン、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライドなどのチタン有機金属化合物;
テトラフェノキシチタンなどのアリーロキシチタン化合物;
テトラキス(トリメチルシロキシ)チタン、テトラキス(トリフェニルシロキシ)チタンなどのシロキシチタン化合物;
酢酸チタン、プロピオン酸チタン、乳酸チタン、クエン酸チタン、酒石酸チタン、シュウ酸チタニルカリウム、有機スルホン酸チタン、有機ホスホン酸チタンなどの有機酸チタン塩化合物;
テトラキス(ジエチルアミノ)チタン、チタンテトラピロリドなどのチタンアミド化合物;または下記に詳述されるアルコキシチタン化合物など、およびそれらの加水分解物が挙げられる。
チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシドなどのチタンテトラアルコキシド類;
ポリ(ジブチルチタネート)、Ti7O4(OC2H5)20、Ti16O16(OC2H5)32などの縮合チタンアルコキシド類;
クロロチタントリイソプロポキシド、ジクロロチタンジエトキシドなどのハロゲン置換チタンアルコキシド類;
チタンアセテートトリイソプロポキシド、チタンメタクリレートトリイソプロポキシドなどのカルボン酸基置換チタンアルコキシド類;
チタントリス(ジオクチルピロホスフェート)イソプロポキシド、チタン(モノエチルホスフェート)トリイソプロポキシドなどのホスホン酸基置換チタンアルコキシド類;
チタントリス(ドデシルベンゼンスルホネート)イソプロポキシドなどのスルホン酸基置換チタンアルコキシド類;
アンモニウムヘキサエトキシチタネート、ナトリウムヘキサエトキシチタネート、カリウムヘキサエトキシチタネート、ナトリウムヘキサ−n−プロポキシチタネートなどのアルコキシチタネート類;
チタンビス(2,4−ペンタンジオナート)ジイソプロポキシド、チタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシドなどのβ−ジケトネート置換チタンアルコキシド類;
チタンビス(アンモニウムラクテート)ジイソプロポキシドなどのα−ヒドロキシカルボン酸置換チタンアルコキシド類;および
チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキシド、2−アミノエトキシチタントリイソプロポキシドなどのアミノアルコール置換チタンアルコキシド類などが挙げられる。
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ-n-ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;
トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;
メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート等の酸性リン酸エステル類;
メチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸などの有機ホスホン酸およびその塩またはエステル類;および
リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸などのリン化合物およびそれらの塩などが挙げられる。
硫黄単体;
硫化アンモニウム、硫化ナトリウムなどのサルファイド化合物;
亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウムなどのスルフィン酸化合物;
硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸類;
硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムリチウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウムなどの硫酸塩;
三酸化硫黄、過硫酸、チオ硫酸ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウムなどその他の無機硫黄化合物;
硫酸ジメチル、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、などのその他の有機硫黄化合物などが挙げられる。
なお、上記のイオウ化合物は、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムや4−カルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムのような共重合性のイオウ化合物であってもよいが、好ましくは共重合性のイオウ化合物でないことが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを重縮合させることを特徴とする。芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とは、芳香族ジカルボン酸およびその塩、エステル、酸無水物または酸塩化物などを指す。脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とは、脂肪族ジオールおよびそのアルコキシド、エステルまたはエーテルなどを指す。
以下、ポリエステル樹脂の製造方法の一例について説明する。
まず、ポリエステル樹脂を製造するに際して、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とをエステル化させる。エステル形成性誘導体としては、酸無水物、芳香族ジカルボン酸と単官能アルコールのエステル、脂肪族ジオール単官能カルボン酸とのエステル等があげられる。
液相重縮合工程においては、エステル化工程で得られた低次縮合物を、減圧下で、かつポリエステル樹脂の融点以上の温度(通常250〜280℃)に加熱することにより重縮合させる。この重縮合反応では、未反応の脂肪族ジオールを反応系外に留去させながら行われることが望ましい。
この液相重縮合工程で得られるポリエステル樹脂は、所望によりさらに固相重縮合することができる。
このようにして得られたポリエステル樹脂を275℃で成形して得られる段付き角板状成形体の4mm厚のヘイズは好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。
本発明によって得られるポリエステル樹脂からボトル、シート、フィルム、繊維などを成型する方法としては、従来公知の方法を採用することができる。
本発明のポリエステル樹脂よりなるボトルは、特に色相に優れ、透明性に優れ、アセトアルデヒド含有量が少なく、高品質である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
元素分析
リンの定量:シート状に溶融成形したポリエチレンテレフタレートを用いて、蛍光X線分析により、ポリエチレンテレフタレートに含まれるリン元素を定量した。
金属元素の定量:乾式灰化法で試料を分解後、酸に溶解し、ICP発光分析でポリエチレンテレフタレートに含まれる金属元素を定量した。
固有粘度(IV)
ポリエチレンテレフタレート0.5gをフェノール/テトラクロロエタン(1/1重量比)混合溶媒100mlに加熱溶解した後、冷却して25℃で測定された溶液粘度から固有粘度を算出した。
酢酸の定量
ポリエステル樹脂1gを冷凍粉砕し、3mlの水中で120℃、4時間保持し、水中に抽出された酢酸をイオンクロマト法で定量した。
アセトアルデヒドの定量
フリーザーミルを用いて冷凍粉砕したポリエチレンテレフタレート2.0gをバイアル瓶に投入して内部標準物質(アセトン)と水を入れて密栓し、120±2℃の乾燥機で1時間加熱した。冷却後、上澄み液をガスクロマトグラフィー(島津製作所(株)製GC−6A)にて測定し、ポリエチレンテレフタレートに含まれるアセトアルデヒド量として算出した。
環状3量体オリゴマー(CT)の定量
ポリエチレンテレフタレート0.1gをオルトクロロフェノールに溶解した後、テトラヒドロフランで再析出して濾過して線状ポリエステルを除いた後、濾液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製LC7A)に供給してポリエチレンテレフタレートに含まれる環状3量体オリゴマーを定量した。
b値の定量
ポリエチレンテレフタレートのチップの色調を45°拡散方式色差計(日本電色工業(株)製SQ−300H)で測定した。
密度の定量
密度は四塩化炭素およびヘプタンの混合溶媒を用いた密度勾配管を用いて測定した。
ポリエチレンテレフタレートの溶融処理
ポリエチレンテレフタレートを、除湿Air:0.2L/分流通下で170℃で4時間乾燥した。乾燥したポリエチレンテレフタレートを、シリンダー内の温度を310℃に設定したメルトインデックサ(東洋精機製作所(株)F−B01)に6g入れ、シリンダー内で7分間加熱溶融した後、5kgの荷重にてオリフィスより押し出し、アルミニウム板上に採取した。採取したポリエチレンテレフタレートを円盤状に急冷した。
ΔCT
上記記載の方法で溶融処理を行なったポリエチレンテレフタレートに含まれる環状3量体量(重量%)から原料ポリエチレンテレフタレートに含まれる環状3量体(重量%)の量を引いた値をΔCTとした。
1,000mlガラス製ビーカーに脱イオン水500mlを秤取し、氷浴にて冷却した後撹拌しながら四塩化チタン5gを滴下した。塩化水素の発生が止まったら氷浴より取り出し、室温下で撹拌しながら25%アンモニア水を滴下し、液のpHを9にした。これに、室温下で攪拌しながら15%酢酸水溶液を滴下し、液のpHを5にした。生成した沈殿物を濾過により、分離した。洗浄後の沈殿物を、30重量%エチレングリコール含有水でスラリー濃度2.0重量%のスラリーとして30分間保持した後、二流体ノズル式のスプレードライヤーを用いて温度90℃で造粒乾燥を行い、固体状の加水分解物(固体状含チタン化合物)を得た。
ICP分析法により測定した固体状含チタン化合物中の金属チタン含量は、34.8重量%であり、炭素含有量は11.6重量%、チタンと炭素との重量比(Ti/C)は3であった。
200mlガラス製フラスコにエチレングリコール102gとグリセリン18gを秤取し、これに参考例1で調製された固体状含チタン化合物3.38gを添加し、120℃で30分間加熱して溶解させた。ICP分析法により測定したこのチタン含有溶液中の金属チタン含量は1.0重量%であった。また、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、ND−1001DP)を用いて測定したこの溶液のHAZE値は1.0%であった。
高純度テレフタル酸 12.81kg、エチレングリコール 4.93kg、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド20%水溶液 6.88gを圧力1.7kg/cm2G、260℃の窒素雰囲気下にて6時間、撹拌しながら反応させ、固有粘度0.28dl/gの低次縮合物を得た。この反応により生成した水は常時系外に留去した。
(比較例1)
実施例1、実施例2と比較例1の比較より、本願発明の範囲にあるポリエステルは、熱水処理を施すことによりΔCTが顕著に低減されることがわかる。
また重合時に酢酸を添加する実施例1、実施例2と酢酸を添加しない比較例1の比較より、1価カルボン酸は重合速度に影響を与えないことがわかる。
Claims (8)
- 芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とからなるポリエステル樹脂であって、遊離のカルボン酸の含有量が1.6〜100ppmであり、かつアセトアルデヒド含有量が4ppm以下であることを特徴とするポリエステル樹脂。
- 前記遊離のカルボン酸が1価カルボン酸であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂。
- ホウ素、アルミニウム、チタン、ガリウム、マンガン、コバルト、亜鉛、ケイ素、ジルコニウム、スズ、スカンジウム、イットリウム、ランタン、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンチモン、ゲルマニウムから選ばれる原子を、それらの総量ΣMiとして0.1〜500ppm含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリエステル樹脂。
- 環状三量体含有量が0.5重量%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂。
- 芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体との低次縮合物を液相重縮合し、ついで固相重縮合させてポリエステル樹脂を製造する方法において、任意の時点で、1価のカルボン酸、その塩またはそのエステルを、全ジカルボン酸成分に対し0.001〜1.0モル%添加してポリエステルの重合を行なうことを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
- ポリエステル樹脂を製造する方法において、重縮合触媒としてホウ素、アルミニウム、チタン、ガリウム、マンガン、コバルト、亜鉛、ケイ素、ジルコニウム、スズ、スカンジウム、イットリウム、ランタン、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンチモン、ゲルマニウムから選ばれる少なくとも1種の元素の化合物を用い、かつ1価のカルボン酸を(1価のカルボン酸)/(重縮合触媒として用いられる元素)のモル比として1〜1000となる量添加してポリエステルの重合を行なうことを特徴とする請求項5に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
- ポリエステル樹脂を製造する方法において、固相重合後のポリエステル樹脂を水で処理することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂からなることを特徴とする中空成形体。
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