JP2006347923A - n−パラフィンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】単一オレフィン純度が高い直鎖状オレフィンを原料として、精製工程を要することなく、高純度のn−パラフィンを選択性よく、しかも長期間に亘って安定的に製造することのできるn−パラフィンの製造方法を提供すること。
【解決手段】アンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点が345μmol/g以下である担体に担持されたパラジウム触媒の存在下、単一オレフィン純度が95質量%以上の直鎖状オレフィンを水素化することを特徴とするn−パラフィンの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】アンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点が345μmol/g以下である担体に担持されたパラジウム触媒の存在下、単一オレフィン純度が95質量%以上の直鎖状オレフィンを水素化することを特徴とするn−パラフィンの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、n−パラフィンの製造方法に関し、さらに詳しくは、精製工程を要することなく、高純度のn−パラフィンを選択性よく、しかも長期間に亘って安定的に製造することのできるn−パラフィンの製造方法に関する。
n−パラフィンは、洗浄剤原料、蓄熱剤原料、電気絶縁材料、防湿剤原料、潤滑油原料、化成品原料など、多様な用途に供することのできる化学品である。
このn−パラフィンが洗浄剤原料に用いられるときには、優れた乾燥性が要求され、蓄熱剤原料に用いられるときには、蓄熱温度幅などの性能面から、単一炭素数のn−パラフィンが要求される。
このn−パラフィンが洗浄剤原料に用いられるときには、優れた乾燥性が要求され、蓄熱剤原料に用いられるときには、蓄熱温度幅などの性能面から、単一炭素数のn−パラフィンが要求される。
n−パラフィンの製造方法としては、「モレックス法」が広く知られている(例えば、非特許文献1及び2)。
このモレックス法は、灯軽油留分を脱硫した後、モレキュラーシーブによってn−パラフィン混合物を抽出分離し、さらに必要に応じて蒸留精製して、単一炭素数のn−パラフィンを得る方法である。
ところが、このモレックス法により得られるn−パラフィンの炭素数は、原料である灯軽油留分に由来して、主として10〜16に限られ、17以上の炭素数のn−パラフィンは、実質上、製造し難い方法であった。
また、モレックス法により得られるn−パラフィンは、炭素数を異にするn−パラフィンの混合物であり、単一炭素数のn−パラフィンを得るには、さらに蒸留・分離工程を必要とした。 その上、原料である灯軽油留分中に含まれる不純物を予め除去しなければならず、製造効率及び経済性に劣るという問題があった。
このモレックス法は、灯軽油留分を脱硫した後、モレキュラーシーブによってn−パラフィン混合物を抽出分離し、さらに必要に応じて蒸留精製して、単一炭素数のn−パラフィンを得る方法である。
ところが、このモレックス法により得られるn−パラフィンの炭素数は、原料である灯軽油留分に由来して、主として10〜16に限られ、17以上の炭素数のn−パラフィンは、実質上、製造し難い方法であった。
また、モレックス法により得られるn−パラフィンは、炭素数を異にするn−パラフィンの混合物であり、単一炭素数のn−パラフィンを得るには、さらに蒸留・分離工程を必要とした。 その上、原料である灯軽油留分中に含まれる不純物を予め除去しなければならず、製造効率及び経済性に劣るという問題があった。
また、n−パラフィンの製造方法としては、直鎖状オレフィンを水素化触媒の存在下、水素化する方法も、広く知られている。
しかし、この製造方法により得られるn−パラフィン中には、原料である直鎖状オレフィンの分解などによる軽質化物、原料である直鎖状オレフィンの重合などによる重質化物などの副生成物が混在することがしばしば生じていた。
この副生成物は、原料の損失を招くだけでなく、n−パラフィンの純度や性能を低下させる。したがって、副生成物を除去するための蒸留・分離工程を必要とした。
しかも、水素化反応は反応熱が大きく、この除熱のためには溶媒を用いることが要求され、反応終了後は、この溶媒の除去工程をも必要としていた。
しかし、この製造方法により得られるn−パラフィン中には、原料である直鎖状オレフィンの分解などによる軽質化物、原料である直鎖状オレフィンの重合などによる重質化物などの副生成物が混在することがしばしば生じていた。
この副生成物は、原料の損失を招くだけでなく、n−パラフィンの純度や性能を低下させる。したがって、副生成物を除去するための蒸留・分離工程を必要とした。
しかも、水素化反応は反応熱が大きく、この除熱のためには溶媒を用いることが要求され、反応終了後は、この溶媒の除去工程をも必要としていた。
このように、モレックス法及び直鎖状オレフィン水素化方法のいずれの方法にあっても、単一炭素数のn−パラフィンを得るためには、蒸留などの煩雑な精製工程を必要とし、多大の労力、時間及びエネルギーを費やさなければならないという、実用上の重大な問題を有していた。
「プロセスハンドブック」vol.2、(76/4)B、1978年2月28日、石油学会編、1978年2月28日
「ゼオライト 基礎と応用」 P247−250、1995年2月20日、株式会社講談社発行
本発明は、このような従来の問題を解消し、単一オレフィン純度が高い直鎖状オレフィンを原料として、精製工程を要することなく、高純度のn−パラフィンを選択性よく、しかも長期間に亘って安定的に製造することのできるn−パラフィンの製造方法を提供することをその課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために、パラジウム触媒を担持する担体に着目して、種々検討を重ねた結果、アンモニア微分吸着量熱測定法により測定される熱量から求められる酸点が特定値以下である担体を用いることによって、前記課題が解決できるということを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の前記課題を解決するための手段は、
アンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点が345μmol/g以下である担体に担持されたパラジウム触媒の存在下、単一オレフィン純度が95質量%以上の直鎖状オレフィンを水素化することを特徴とするn−パラフィンの製造方法
である。
本発明の前記手段における好ましい態様としては、下記(1)〜(3)のn−パラフィンの製造方法を挙げることができる。
(1)水素/直鎖状オレフィンのモル比を1.0以上とし、温度を20〜350℃とし、かつ圧力を常圧〜10MPaとして、水素化するn−パラフィンの製造方法。
(2)直鎖状オレフィンが、炭素数8〜22のα−オレフィンであるn−パラフィンの製造方法。
(3)酸点が345μmol/g以下である担体が、アルミナ及び/又はシリカであるn−パラフィンの製造方法。
アンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点が345μmol/g以下である担体に担持されたパラジウム触媒の存在下、単一オレフィン純度が95質量%以上の直鎖状オレフィンを水素化することを特徴とするn−パラフィンの製造方法
である。
本発明の前記手段における好ましい態様としては、下記(1)〜(3)のn−パラフィンの製造方法を挙げることができる。
(1)水素/直鎖状オレフィンのモル比を1.0以上とし、温度を20〜350℃とし、かつ圧力を常圧〜10MPaとして、水素化するn−パラフィンの製造方法。
(2)直鎖状オレフィンが、炭素数8〜22のα−オレフィンであるn−パラフィンの製造方法。
(3)酸点が345μmol/g以下である担体が、アルミナ及び/又はシリカであるn−パラフィンの製造方法。
本発明によれば、アンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点が345μmol/g以下である担体に担持されたパラジウム触媒の存在下、単一オレフィン純度が95質量%以上の直鎖状オレフィンを水素化することを特徴とするn−パラフィンの製造方法が提供される。
このため、本発明のn−パラフィンの製造方法によれば、蒸留などの精製工程を要することなく、高純度のn−パラフィンを製造することができる。
また、高純度のn−パラフィンを選択性よく製造することができ、しかも長期間に亘って安定的に製造することができる。
さらに、本発明の製造方法は、原料であるオレフィンの炭素数が8〜22という比較的多く、しかも広範な炭素数のオレフィンの中から選ばれた単一炭素数のオレフィンから、単一炭素数のn−パラフィンを製造する方法に適用することができる。
本発明の製造方法によって製造されたn−パラフィンは、洗浄剤原料、蓄熱剤原料、電気絶縁材料、防湿剤原料、潤滑油原料、化成品原料などに有用であるが、とりわけ、蓄熱剤原料として好適である。
このため、本発明のn−パラフィンの製造方法によれば、蒸留などの精製工程を要することなく、高純度のn−パラフィンを製造することができる。
また、高純度のn−パラフィンを選択性よく製造することができ、しかも長期間に亘って安定的に製造することができる。
さらに、本発明の製造方法は、原料であるオレフィンの炭素数が8〜22という比較的多く、しかも広範な炭素数のオレフィンの中から選ばれた単一炭素数のオレフィンから、単一炭素数のn−パラフィンを製造する方法に適用することができる。
本発明の製造方法によって製造されたn−パラフィンは、洗浄剤原料、蓄熱剤原料、電気絶縁材料、防湿剤原料、潤滑油原料、化成品原料などに有用であるが、とりわけ、蓄熱剤原料として好適である。
本発明のn−パラフィンの製造方法は、アンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点が345μmol/g以下である担体に担持されたパラジウム触媒の存在下、単一オレフィン純度が95質量%以上の直鎖状オレフィンを水素化することを特徴とする。
本発明のn−パラフィンの製造方法において用いる原料は、単一オレフィン純度が95質量%以上の直鎖状オレフィンである。
ここに、単一オレフィンとあるのは、例えば、実質的に炭素数が10のみのオレフィンであり、10以外の炭素数のオレフィンを実質的に含有しないことを意味する。
本発明において用いる原料は、この単一オレフィンの純度が95質量%以上という高純度であることを要し、原料中に含有される他のオレフィンなどの不純物の量は、5質量%以下である。
用いる単一オレフィンは、炭素数2以上のオレフィンの中から選ばれた単一オレフィンである限り制限はなく、その有する二重結合の数は2以上であってもよい。
これらオレフィンの中でも、α−オレフィンが好ましく、例えば、エチレン(炭素数2)、プロピレン(炭素数3)、1−ブテン(炭素数4)、1−ペンテン(炭素数5)、1−ヘキセン(炭素数6)、1−ヘプテン(炭素数7)、1−オクテン(炭素数8)、1−ノネン(炭素数9)、1−デセン(炭素数10)、1−ウンデセン(炭素数11)、1−ドデセン(炭素数12)、1−トリデセン(炭素数13)、1−テトラデセン(炭素数14)、1−ペンタデセン(炭素数15)、1−ヘキサデセン(炭素数16)、1−ヘプタデセン(炭素数17)、1−オクタデセン(炭素数18)、1−ノナデセン(炭素数19)、1−イコセン(炭素数20)、1−ヘンイコセン(炭素数21)、1−ドコセン(炭素数22)、1−トリコセン(炭素数23)、1−テトラセコセン(炭素数24)などを挙げることができる。
これらα−オレフィン中でも、炭素数8〜22のα−オレフィンが好ましい。
ここに、単一オレフィンとあるのは、例えば、実質的に炭素数が10のみのオレフィンであり、10以外の炭素数のオレフィンを実質的に含有しないことを意味する。
本発明において用いる原料は、この単一オレフィンの純度が95質量%以上という高純度であることを要し、原料中に含有される他のオレフィンなどの不純物の量は、5質量%以下である。
用いる単一オレフィンは、炭素数2以上のオレフィンの中から選ばれた単一オレフィンである限り制限はなく、その有する二重結合の数は2以上であってもよい。
これらオレフィンの中でも、α−オレフィンが好ましく、例えば、エチレン(炭素数2)、プロピレン(炭素数3)、1−ブテン(炭素数4)、1−ペンテン(炭素数5)、1−ヘキセン(炭素数6)、1−ヘプテン(炭素数7)、1−オクテン(炭素数8)、1−ノネン(炭素数9)、1−デセン(炭素数10)、1−ウンデセン(炭素数11)、1−ドデセン(炭素数12)、1−トリデセン(炭素数13)、1−テトラデセン(炭素数14)、1−ペンタデセン(炭素数15)、1−ヘキサデセン(炭素数16)、1−ヘプタデセン(炭素数17)、1−オクタデセン(炭素数18)、1−ノナデセン(炭素数19)、1−イコセン(炭素数20)、1−ヘンイコセン(炭素数21)、1−ドコセン(炭素数22)、1−トリコセン(炭素数23)、1−テトラセコセン(炭素数24)などを挙げることができる。
これらα−オレフィン中でも、炭素数8〜22のα−オレフィンが好ましい。
本発明のn−パラフィンの製造方法は、前記単一オレフィン純度が95質量%以上の直鎖状オレフィンからなる原料を、パラジウム触媒の存在下、水素化する方法である。
用いるパラジウム触媒としては、パラジウム、パラジウム黒、パラジウムゾル、リンドラー触媒など、常用のパラジウム触媒を挙げるこができる。
用いるパラジウム触媒としては、パラジウム、パラジウム黒、パラジウムゾル、リンドラー触媒など、常用のパラジウム触媒を挙げるこができる。
このパラジウム触媒は、アンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点が345μmol/g以下である担体に担持されていることを要する。
すなわち、パラジウム触媒が担持される担体は、酸強度が小さいものでなければならない。
前記アンモニア微分吸着熱量測定法は、担体をセルに充填し、真空及び等温状態として、セル中にアンモニアを導入したときに発生する熱量を測定する方法である。
前記酸点は、具体的には、アンモニア微分吸着熱量測定装置(東京理工株式会社製)を用い、550℃で10時間、真空排気して前処理した担体に、少量のアンモニアガスを150℃で吸着させて、熱量計により吸着熱量を測定、次いで、順次、アンモニアガス導入量を増加させて、吸着アンモニア量と発熱量との関係をプロットすることによって求めることができる。
すなわち、パラジウム触媒が担持される担体は、酸強度が小さいものでなければならない。
前記アンモニア微分吸着熱量測定法は、担体をセルに充填し、真空及び等温状態として、セル中にアンモニアを導入したときに発生する熱量を測定する方法である。
前記酸点は、具体的には、アンモニア微分吸着熱量測定装置(東京理工株式会社製)を用い、550℃で10時間、真空排気して前処理した担体に、少量のアンモニアガスを150℃で吸着させて、熱量計により吸着熱量を測定、次いで、順次、アンモニアガス導入量を増加させて、吸着アンモニア量と発熱量との関係をプロットすることによって求めることができる。
本発明において用いるパラジウム触媒が担持される担体は、前記酸点が、345μmol/g以下であることを要する。この酸点の下限に特に制限はないが、50μmol/gであることが望ましい。
担体の酸点が345μmol/g以下であり、この担体にパラジウム触媒が担持されることにより、原料である直鎖状オレフィンの分解などによる軽質化物、原料である直鎖状オレフィンの重合などによる重質化物などの副生成物の生成を回避することができ、蒸留などの精製工程を要することなく、高純度のn−パラフィンを選択性よく製造することができ、しかも長期間に亘って安定的に製造することができるからである。
パラジウム触媒が担持される担体は、前記酸点が、345μmol/g以下である限り制限はないが、例えば、アルミナ、シリカ、珪藻土、活性白土、活性炭などを挙げることができる。中でも、アルミナ、シリカ及びこれらの複合物が好ましい。
パラジウム担持触媒中のパラジウムの含有量は、通常0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
担体の酸点が345μmol/g以下であり、この担体にパラジウム触媒が担持されることにより、原料である直鎖状オレフィンの分解などによる軽質化物、原料である直鎖状オレフィンの重合などによる重質化物などの副生成物の生成を回避することができ、蒸留などの精製工程を要することなく、高純度のn−パラフィンを選択性よく製造することができ、しかも長期間に亘って安定的に製造することができるからである。
パラジウム触媒が担持される担体は、前記酸点が、345μmol/g以下である限り制限はないが、例えば、アルミナ、シリカ、珪藻土、活性白土、活性炭などを挙げることができる。中でも、アルミナ、シリカ及びこれらの複合物が好ましい。
パラジウム担持触媒中のパラジウムの含有量は、通常0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
単一オレフィン純度が95質量%以上の直鎖状オレフィンの水素化反応に特別な条件はないが、水素/直鎖状オレフィンのモル比を1.0以上、好ましくは1.2〜5とし、温度を20〜350℃、好ましくは50〜250℃とし、圧力を常圧〜10MPa、好ましくは0.5〜5MPaとする反応条件を採用することができる。
水素/直鎖状オレフィンモル比を1.0以上とすることにより、高純度のn−パラフィンを選択性よく製造することができるからである。
また、温度を20〜350℃とすることにより、適度の水素化反応速度が確保され、しかも、シンタリングを回避することができるからである。
さらに、圧力を常圧〜10MPaとすることにより、適度の水素化反応速度が確保され、その上に、反応装置の材質の選択、その材質の肉厚の決定などに、経済的優位性が達成されるからである。
水素/直鎖状オレフィンモル比を1.0以上とすることにより、高純度のn−パラフィンを選択性よく製造することができるからである。
また、温度を20〜350℃とすることにより、適度の水素化反応速度が確保され、しかも、シンタリングを回避することができるからである。
さらに、圧力を常圧〜10MPaとすることにより、適度の水素化反応速度が確保され、その上に、反応装置の材質の選択、その材質の肉厚の決定などに、経済的優位性が達成されるからである。
前記水素化反応の形式に制限はなく、例えば、反応器に前記触媒を充填し、前記原料をこの反応器に連続的に供給する固定床連続反応器を採用することができ、また、回分式反応形式を採用することもできる。さらに、常用の固液接触型反応形式及び固気接触型反応形式であってもよい。
本発明のn−パラフィンの製造方法においては、前記直鎖状オレフィンを水素化して得られる反応生成物を循環して原料である直鎖状オレフィンと混合し、この混合物を水素化することによって、n−パラフィンを製造することができる。
前記直鎖状オレフィンの水素化反応は、反応熱の除熱のために、溶媒を用いることができるが、溶媒を用いたときは、反応終了後、反応生成物を蒸留して溶媒を除去する工程が必要となる。
本発明においては、前記反応生成物の一部又は全部を溶媒として循環使用することによって、別途、溶媒を用いることなく水素化反応を行うことができ、したがって、溶媒を除去する工程を要しない。
前記直鎖状オレフィンの水素化反応は、反応熱の除熱のために、溶媒を用いることができるが、溶媒を用いたときは、反応終了後、反応生成物を蒸留して溶媒を除去する工程が必要となる。
本発明においては、前記反応生成物の一部又は全部を溶媒として循環使用することによって、別途、溶媒を用いることなく水素化反応を行うことができ、したがって、溶媒を除去する工程を要しない。
このようにして製造されるn−パラフィンは、例えば、用いた原料であるα−オレフィンに対応する水素化物であり、純度95質量%以上の単一n−パラフィンである。ここに、単一n−パラフィンとあるのは、例えば、実質的に炭素数が10のみのn−パラフィンであり、10以外の炭素数のn−パラフィンを実質的に含有しないことを意味する。
このn−パラフィンとしては、例えば、エタン(炭素数2)、プロパン(炭素数3)、n−ブタン(炭素数4)、n−ペンタン(炭素数5)、n−ヘキサン(炭素数6)、n−ヘプタン(炭素数7)、n−オクタン(炭素数8)、n−ノナン(炭素数9)、n−デカン(炭素数10)、n−ウンデカン(炭素数11)、n−ドデカン(炭素数12)、n−トリデカン(炭素数13)、n−テトラデカン(炭素数14)、n−ペンタデカン(炭素数15)、n−ヘキサデカン(炭素数16)、n−ヘプタデカン(炭素数17)、n−オクタデカン(炭素数18)、n−ノナデカン(炭素数19)、n−イコサン(炭素数20)、n−ヘンイコサン(炭素数21)、n−ドコサン(炭素数22)、n−トリコサン(炭素数23)、n−テトラコサン(炭素数24)などを挙げることができる。
これらn−パラフィン中でも、炭素数8〜22のn−パラフィンが好ましく製造される。
このn−パラフィンとしては、例えば、エタン(炭素数2)、プロパン(炭素数3)、n−ブタン(炭素数4)、n−ペンタン(炭素数5)、n−ヘキサン(炭素数6)、n−ヘプタン(炭素数7)、n−オクタン(炭素数8)、n−ノナン(炭素数9)、n−デカン(炭素数10)、n−ウンデカン(炭素数11)、n−ドデカン(炭素数12)、n−トリデカン(炭素数13)、n−テトラデカン(炭素数14)、n−ペンタデカン(炭素数15)、n−ヘキサデカン(炭素数16)、n−ヘプタデカン(炭素数17)、n−オクタデカン(炭素数18)、n−ノナデカン(炭素数19)、n−イコサン(炭素数20)、n−ヘンイコサン(炭素数21)、n−ドコサン(炭素数22)、n−トリコサン(炭素数23)、n−テトラコサン(炭素数24)などを挙げることができる。
これらn−パラフィン中でも、炭素数8〜22のn−パラフィンが好ましく製造される。
本発明のn−パラフィンの製造方法は、例えば、以下のようにして実施することができる。
まず、反応器に、担体に担持されたパラジウム触媒を充填し、水素を流通させ、水素還元を行う。通常、このときの水素の流通量は1〜20NL/gcat・時間、流通温度は120〜200℃、流通時間は6〜12時間である。
次いで、反応器の温度を常温とし、この反応器に、原料である直鎖状オレフィンを1〜200g/gcat・時間で通油する。
続いて、水素を流通させ、水素加圧により所定圧力に保持し、所定温度で水素化を実施する。
このように水素化して得られる反応生成物の一部又は全部を、反応器入口に循環して前記原料と混合し、この混合物を反応器に供給して、水素化することができる。
このときの原料/反応性生物の質量比に制限はないが、通常は0.1〜2、好ましくは0.2〜1である。
まず、反応器に、担体に担持されたパラジウム触媒を充填し、水素を流通させ、水素還元を行う。通常、このときの水素の流通量は1〜20NL/gcat・時間、流通温度は120〜200℃、流通時間は6〜12時間である。
次いで、反応器の温度を常温とし、この反応器に、原料である直鎖状オレフィンを1〜200g/gcat・時間で通油する。
続いて、水素を流通させ、水素加圧により所定圧力に保持し、所定温度で水素化を実施する。
このように水素化して得られる反応生成物の一部又は全部を、反応器入口に循環して前記原料と混合し、この混合物を反応器に供給して、水素化することができる。
このときの原料/反応性生物の質量比に制限はないが、通常は0.1〜2、好ましくは0.2〜1である。
本発明の製造方法によって製造されるn−パラフィンは、高純度であり、洗浄剤原料、蓄熱剤原料、電気絶縁材料、防湿剤原料、潤滑油原料、化成品原料などに有用であるが、特に蓄熱剤原料として好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これら実施例によって、本発明はなんら限定されることはない。
実施例1
断熱型反応器(内径14cmの管)に、パラジウム触媒(以下、「Pd触媒」という。)〔エヌ・イーケムキャット株式会社製、0.5質量%Pd/アルミナ(2−3mmΦエッグシェル球)〕72gを充填し、水素を15NL/時間、180℃、7時間、流通させ、水素還元を行った。
水素還元後、反応器の温度を常温とし、この反応器に、1−デセン(炭素数10)98.0質量%、直鎖内部オレフィン(炭素数10)0.3質量%、不飽和分岐物(炭素数10)0.7質量%、1−オクテン(炭素数8)0.5質量%及び1−ドデセン(炭素数12)0.5質量%の組成を有する原料を、720g/時間で通油した。
水素は、常温換算で170L/時間(水素/2重結合を有する化合物モル比=1.5)、流通させ、反応圧力は、水素加圧により2MPaに保持した。また、反応温度は、反応管入口で60℃とし、反応管出口で340℃となった。
このようにして得られた反応性生物をガスクロマトグラフィにより分析したところ、n−デカン(炭素数10)98.3質量%、飽和分岐物(炭素数10)0.7質量%、n−オクタン(炭素数8)0.5質量%及びn−ドデカン(炭素数12)0.5質量%の組成を有する水素化物が得られ、軽質分解物及び炭素数12よりも大きな重質化物は検出されなかった。つまり、0.001質量%未満であった。
前記反応を1年間、継続実施したが、安定的に前記組成を有する水素化物が得られた。
用いた担体(アルミナ)のアンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点は、330μmol/gであった。
断熱型反応器(内径14cmの管)に、パラジウム触媒(以下、「Pd触媒」という。)〔エヌ・イーケムキャット株式会社製、0.5質量%Pd/アルミナ(2−3mmΦエッグシェル球)〕72gを充填し、水素を15NL/時間、180℃、7時間、流通させ、水素還元を行った。
水素還元後、反応器の温度を常温とし、この反応器に、1−デセン(炭素数10)98.0質量%、直鎖内部オレフィン(炭素数10)0.3質量%、不飽和分岐物(炭素数10)0.7質量%、1−オクテン(炭素数8)0.5質量%及び1−ドデセン(炭素数12)0.5質量%の組成を有する原料を、720g/時間で通油した。
水素は、常温換算で170L/時間(水素/2重結合を有する化合物モル比=1.5)、流通させ、反応圧力は、水素加圧により2MPaに保持した。また、反応温度は、反応管入口で60℃とし、反応管出口で340℃となった。
このようにして得られた反応性生物をガスクロマトグラフィにより分析したところ、n−デカン(炭素数10)98.3質量%、飽和分岐物(炭素数10)0.7質量%、n−オクタン(炭素数8)0.5質量%及びn−ドデカン(炭素数12)0.5質量%の組成を有する水素化物が得られ、軽質分解物及び炭素数12よりも大きな重質化物は検出されなかった。つまり、0.001質量%未満であった。
前記反応を1年間、継続実施したが、安定的に前記組成を有する水素化物が得られた。
用いた担体(アルミナ)のアンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点は、330μmol/gであった。
実施例2
実施例1で得られた反応性生物の一部を、反応器入口に循環し、前記原料と混合して、反応器に供給した。原料:反応性生物の質量比は、1:1に調整し、総量720g/時間で通油した。
水素は、常温換算で85L/時間(水素/2重結合を有する化合物モル比=1.5)、流通させ、反応圧力は、水素加圧により2MPaに保持した。また、反応温度は、反応器入口で60℃とし、反応器出口で200℃となった。
このようにして得られた反応性生物は、実施例1で得られた反応性生物と同様の組成を有していた。
実施例1で得られた反応性生物の一部を、反応器入口に循環し、前記原料と混合して、反応器に供給した。原料:反応性生物の質量比は、1:1に調整し、総量720g/時間で通油した。
水素は、常温換算で85L/時間(水素/2重結合を有する化合物モル比=1.5)、流通させ、反応圧力は、水素加圧により2MPaに保持した。また、反応温度は、反応器入口で60℃とし、反応器出口で200℃となった。
このようにして得られた反応性生物は、実施例1で得られた反応性生物と同様の組成を有していた。
実施例3
触媒を、Pd触媒〔ズードケミー触媒株式会社製、0.3質量%Pd/アルミナ「押出成型CDS(G−68HX)」〕に代えた以外は、実施例2と同様にして反応を行った。
反応温度は、反応器入口で60℃とし、反応器出口で200℃となった。
このようにして得られた反応性生物は、実施例1で得られた反応性生物と同様の組成を有していた。
用いた担体(アルミナ)のアンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点は、250μmol/gであった。
触媒を、Pd触媒〔ズードケミー触媒株式会社製、0.3質量%Pd/アルミナ「押出成型CDS(G−68HX)」〕に代えた以外は、実施例2と同様にして反応を行った。
反応温度は、反応器入口で60℃とし、反応器出口で200℃となった。
このようにして得られた反応性生物は、実施例1で得られた反応性生物と同様の組成を有していた。
用いた担体(アルミナ)のアンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点は、250μmol/gであった。
実施例4
1−イコセン(炭素数20)96.4質量%、直鎖内部オレフィン(炭素数20)と不飽和分岐物(炭素数20)2.2質量%及び不飽和炭化水素(炭素数22)1.4質量%の組成を有する原料を用い、240g/時間で通油して、実施例1と同様にして反応を行った。
水素は、常温換算で29L/時間(水素/2重結合を有する化合物モル比=1.5)、流通させ、反応圧力は、水素加圧により2MPaに保持した。
反応温度は、反応管入口で100℃とし、反応管出口で250℃となった。
このようにして得られた反応性生物は、n−イコサン(炭素数20)97.0質量%、飽和分岐物(炭素数20)1.6質量%及び飽和炭化水素(炭素数22)1.4質量%の組成を有する水素化物であった。
1−イコセン(炭素数20)96.4質量%、直鎖内部オレフィン(炭素数20)と不飽和分岐物(炭素数20)2.2質量%及び不飽和炭化水素(炭素数22)1.4質量%の組成を有する原料を用い、240g/時間で通油して、実施例1と同様にして反応を行った。
水素は、常温換算で29L/時間(水素/2重結合を有する化合物モル比=1.5)、流通させ、反応圧力は、水素加圧により2MPaに保持した。
反応温度は、反応管入口で100℃とし、反応管出口で250℃となった。
このようにして得られた反応性生物は、n−イコサン(炭素数20)97.0質量%、飽和分岐物(炭素数20)1.6質量%及び飽和炭化水素(炭素数22)1.4質量%の組成を有する水素化物であった。
実施例1〜4の条件と結果とをまとめて表1に示す。
比較例1
下記の方法で調製した水素化触媒〔5.0質量%Ni/アルミナ(含浸法粉砕)〕を用い、還元温度を300℃とした以外は、実施例2と同様にして反応を行った。
温度は、反応器入口で60℃として、反応器出口では78℃となった。
反応生成液中には、原料1−デセンが87質量%残留していた。副生成物として、軽質分解物(炭素数1〜6)が0.03質量%、重質化物が0.02質量%生成した。これらの副生成物を除去するために、精密な蒸留精製を必要とした。
〔触媒の調製方法〕
Ni(NO3) 2・6H2O26gを蒸留水100ml、NaCO330gを蒸留水200mlにそれぞれ溶解させて溶液を調製した。
別途、γ−Al2O395gを蒸留水200mlに懸濁させ、その懸濁液中に前記溶液を加え、激しく攪拌した。生じた塩基性炭酸ニッケルとγ−Al2O3との混合物をヌッチェで吸引ろ過し、ろ液が中性になるまで蒸留水で洗浄及びろ過を繰り返した。
洗浄後の混合物を60℃で48時間、乾燥させた。乾燥後、乳鉢ですりつぶし、打錠成型器により錠剤とした後、粉砕して粒径を2〜3mmに揃えた。
用いた担体(アルミナ)のアンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点は、350μmol/gであった。
下記の方法で調製した水素化触媒〔5.0質量%Ni/アルミナ(含浸法粉砕)〕を用い、還元温度を300℃とした以外は、実施例2と同様にして反応を行った。
温度は、反応器入口で60℃として、反応器出口では78℃となった。
反応生成液中には、原料1−デセンが87質量%残留していた。副生成物として、軽質分解物(炭素数1〜6)が0.03質量%、重質化物が0.02質量%生成した。これらの副生成物を除去するために、精密な蒸留精製を必要とした。
〔触媒の調製方法〕
Ni(NO3) 2・6H2O26gを蒸留水100ml、NaCO330gを蒸留水200mlにそれぞれ溶解させて溶液を調製した。
別途、γ−Al2O395gを蒸留水200mlに懸濁させ、その懸濁液中に前記溶液を加え、激しく攪拌した。生じた塩基性炭酸ニッケルとγ−Al2O3との混合物をヌッチェで吸引ろ過し、ろ液が中性になるまで蒸留水で洗浄及びろ過を繰り返した。
洗浄後の混合物を60℃で48時間、乾燥させた。乾燥後、乳鉢ですりつぶし、打錠成型器により錠剤とした後、粉砕して粒径を2〜3mmに揃えた。
用いた担体(アルミナ)のアンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点は、350μmol/gであった。
比較例2
触媒を、50質量%Ni/シリカ-アルミナ〔〔ズードケミー触媒株式会社製、C46−7(押出成型CDS)〕に代えた以外は、実施例2と同様にして反応を行った。
用いた担体(アルミナ)のアンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点は、80μmol/gであった。
温度は、反応器入口で60℃として、反応器出口では200℃となった。
副生成物として、軽質分解物(炭素数1〜6)が0.25質量%、重質化物が0.03質量%生成した。これら副生成物を除去するために、精密な蒸留精製が必要となった。また、急激な触媒活性低下が認められた。
触媒を、50質量%Ni/シリカ-アルミナ〔〔ズードケミー触媒株式会社製、C46−7(押出成型CDS)〕に代えた以外は、実施例2と同様にして反応を行った。
用いた担体(アルミナ)のアンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点は、80μmol/gであった。
温度は、反応器入口で60℃として、反応器出口では200℃となった。
副生成物として、軽質分解物(炭素数1〜6)が0.25質量%、重質化物が0.03質量%生成した。これら副生成物を除去するために、精密な蒸留精製が必要となった。また、急激な触媒活性低下が認められた。
比較例3
触媒を、50質量%Ni/珪藻土〔日揮化学株式会社製、N−112(打錠成型ペレット)〕に代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。
用いた担体(アルミナ)のアンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点は、60μmol/gであった。
温度は、反応器入口で60℃として、反応器出口では200℃となった。
副生成物として、軽質分解物(炭素数1〜6)が0.30質量%、重質化物が0.16質量%生成した。これらの副生成物を除去するために、精密な蒸留精製が必要となった。また、急激な触媒活性低下が認められた。
触媒を、50質量%Ni/珪藻土〔日揮化学株式会社製、N−112(打錠成型ペレット)〕に代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。
用いた担体(アルミナ)のアンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点は、60μmol/gであった。
温度は、反応器入口で60℃として、反応器出口では200℃となった。
副生成物として、軽質分解物(炭素数1〜6)が0.30質量%、重質化物が0.16質量%生成した。これらの副生成物を除去するために、精密な蒸留精製が必要となった。また、急激な触媒活性低下が認められた。
比較例4
下記の方法で調製した水素化触媒〔0.5質量%Pd/Y-ゼオライト(シリカ/アルミナ質量比=5)、還元温度300℃とした以外は、実施例2と同様にして反応を行った。
温度は、反応器入口で60℃として、反応器出口では200℃となった。
副生成物として、軽質分解物(炭素数1〜6)が1.2質量%、重質化物が0.9質量%生成し、さらに不飽和分岐物が原料よりも3.1質量%増加した。これら副生成物を除去するために、精密な蒸留精製が必要となった。また、急激な触媒活性低下が認められた。
〔触媒の調製方法〕
市販のH型Y-ゼオライト(触媒化成工業株式会社製、シリカ/アルミナ質量比=5)100gを純水100mlに懸濁し、60℃に加温して懸濁液を調製した。この懸濁液に、Pd−テトラアンミン錯体1.24gを純水100mlに溶解した水溶液を滴下し、60分攪拌した。得られたスラリーをろ過及び洗浄し、110℃、24時間、乾燥した。乾燥後、乳鉢ですりつぶし、打錠成型器で錠剤とした後、粉砕して粒径を2〜3mmに揃えた。
用いた担体(Y-ゼオライト)のアンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点は、980μmol/gであった。
下記の方法で調製した水素化触媒〔0.5質量%Pd/Y-ゼオライト(シリカ/アルミナ質量比=5)、還元温度300℃とした以外は、実施例2と同様にして反応を行った。
温度は、反応器入口で60℃として、反応器出口では200℃となった。
副生成物として、軽質分解物(炭素数1〜6)が1.2質量%、重質化物が0.9質量%生成し、さらに不飽和分岐物が原料よりも3.1質量%増加した。これら副生成物を除去するために、精密な蒸留精製が必要となった。また、急激な触媒活性低下が認められた。
〔触媒の調製方法〕
市販のH型Y-ゼオライト(触媒化成工業株式会社製、シリカ/アルミナ質量比=5)100gを純水100mlに懸濁し、60℃に加温して懸濁液を調製した。この懸濁液に、Pd−テトラアンミン錯体1.24gを純水100mlに溶解した水溶液を滴下し、60分攪拌した。得られたスラリーをろ過及び洗浄し、110℃、24時間、乾燥した。乾燥後、乳鉢ですりつぶし、打錠成型器で錠剤とした後、粉砕して粒径を2〜3mmに揃えた。
用いた担体(Y-ゼオライト)のアンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点は、980μmol/gであった。
比較例1〜4の条件と結果とをまとめて表2に示す。
Claims (4)
- アンモニア微分吸着熱量測定法により測定された熱量110kJ/mol−NH3以上の酸点が345μmol/g以下である担体に担持されたパラジウム触媒の存在下、単一オレフィン純度が95質量%以上の直鎖状オレフィンを水素化することを特徴とするn−パラフィンの製造方法。
- 水素/直鎖状オレフィンのモル比を1.0以上とし、温度を20〜350℃とし、かつ圧力を常圧〜10MPaとして、水素化する請求項1に記載のn−パラフィンの製造方法。
- 直鎖状オレフィンが、炭素数8〜22のα−オレフィンである請求項1又は2に記載のn−パラフィンの製造方法。
- 酸点が345μmol/g以下である担体が、アルミナ及び/又はシリカである請求項1〜3のいずれか一項に記載のn−パラフィンの製造方法。
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JP2005174176A JP2006347923A (ja) | 2005-06-14 | 2005-06-14 | n−パラフィンの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010522078A (ja) * | 2007-03-23 | 2010-07-01 | エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ | パラジウム触媒 |
CN103102870A (zh) * | 2011-11-10 | 2013-05-15 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种相变材料及以天然酸为原料的制备方法 |
CN103102868A (zh) * | 2011-11-10 | 2013-05-15 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种烃类相变蓄热材料及以天然酸为原料的制备方法 |
JPWO2015115410A1 (ja) * | 2014-01-28 | 2017-03-23 | 株式会社日本触媒 | 水素化反応方法 |
-
2005
- 2005-06-14 JP JP2005174176A patent/JP2006347923A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103102870A (zh) * | 2011-11-10 | 2013-05-15 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种相变材料及以天然酸为原料的制备方法 |
CN103102868A (zh) * | 2011-11-10 | 2013-05-15 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种烃类相变蓄热材料及以天然酸为原料的制备方法 |
CN103102870B (zh) * | 2011-11-10 | 2015-11-18 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种相变材料及以天然酸为原料的制备方法 |
CN103102868B (zh) * | 2011-11-10 | 2015-11-18 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种烃类相变蓄热材料及以天然酸为原料的制备方法 |
JPWO2015115410A1 (ja) * | 2014-01-28 | 2017-03-23 | 株式会社日本触媒 | 水素化反応方法 |
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